JP2008078751A - テレビドアホンシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】フレームレートの低下を防止しつつ拡大された高画質の画像を表示する。
【解決手段】テレビドアホンシステム10は、子機100と親機150とを備える。子機100は、レンズ110と、撮像素子111と、アナログ信号をデジタル信号に変換して出力するA/Dコンバータ112と、デジタル信号を抽出する映像抽出部113と、デジタル信号に対して予め定められた処理を実行してデジタル映像信号を出力する映像処理部114と、通信I/F115と、タイミング信号発生部116と、子機コントローラ117と、呼出ボタン118とを備える。親機150は、通信I/F121と、モニタ122と、モニタ122に表示される映像の表示態様を切り換えるための操作を受け付けるパン/チルト操作ボタン123と、親機コントローラ124とを備える。
【選択図】図2
【解決手段】テレビドアホンシステム10は、子機100と親機150とを備える。子機100は、レンズ110と、撮像素子111と、アナログ信号をデジタル信号に変換して出力するA/Dコンバータ112と、デジタル信号を抽出する映像抽出部113と、デジタル信号に対して予め定められた処理を実行してデジタル映像信号を出力する映像処理部114と、通信I/F115と、タイミング信号発生部116と、子機コントローラ117と、呼出ボタン118とを備える。親機150は、通信I/F121と、モニタ122と、モニタ122に表示される映像の表示態様を切り換えるための操作を受け付けるパン/チルト操作ボタン123と、親機コントローラ124とを備える。
【選択図】図2
Description
本発明は、テレビドアホンシステムに関し、特に、来訪者の顔を電子的にズームして表示することのできるデジタルパンチルト機能を備えたテレビドアホンシステムに関する。
玄関等に設置される子機にカメラを備え、屋内にいる住人が、親機の画面で子機のカメラ画像を確認しながら、訪問者と通話できるテレビドアホンシステムが普及している。
しかしながら、訪問者の身長や立つ位置などによっては、子機のカメラの撮影範囲から外れてしまうため、親機の画面で訪問者を確認できないことがある。この対策として、次のような3つの方法が採用されている。
第1の方法は、広角レンズを使用して撮影範囲を広くする方法である。この場合、レンズ以外は変更する必要がないので、実現が容易である。しかし、訪問者の顔などの最も見たい部分も小さく映るので、画面が見にくいという欠点がある。
第2の方法は、子機のカメラ部をモーター等の機械的な駆動部を使用してパンチルトさせる方法である。この場合、カメラ部には従来と同じ画角のレンズを使用できるので、訪問者の顔が小さく映るという欠点がない。しかし、機構部が必要なために小型化・薄型化が難しく、また、パンチルト操作時に動作音が発生するため、訪問者にカメラ部を操作していることを察知され、監視されているという不快な印象を与えてしまうという欠点がある。
第3の方法は、広角レンズを使用して撮影した画像の一部を電子的にズームして、拡大表示する方法である。この場合、機構部が存在しないので、動作音は発生しない。また、局所的に拡大して、訪問者の顔を確認したいという要望と、訪問者を含む玄関等の全体的な様子を確認したいという要望の両方に対応できる。
特開平6−86167号公報(特許文献1)は、第3の方法を採用したテレビドアホンシステムの一例を開示する。このシステムによると、画像を局所的に拡大表示しているときに、全体エリアと拡大エリアの位置関係をスーパーインポーズ表示が可能になる。
また、特開2000−78564号公報(特許文献2)は、親機に設けられたパンチルト用のボタンを住人がわざわざ操作しなくても、画像処理技術を使用することで、来訪者の顔の位置に合わせて、表示位置を自動的に追従させることが可能なテレビドアホンシステムを開示している。
特開平6−86167号公報
特開2000−78564号公報
しかしながら、電子ズームで画像を局所的に拡大表示する場合、カメラ部に使用する撮像素子の解像度が十分に高くないと、拡大した画像では解像度の粗さが目立ち、画質が低下するという欠点がある。
テレビドアホンシステムでは、NTSC(National Television System Committee)方式に準拠した有効画素数25万画素程度の撮像素子が一般的に使用されている。電子ズームで縦横各2倍に拡大して表示する場合でも画質劣化が発生しないためには、撮像素子の有効画素数は25万×2倍(縦)×2倍(横)=100万画素程度必要になる。このような画素数(100万画素以上)の撮像素子は、デジタルスチルカメラや携帯電話等で主に静止画撮影用に採用されているものが使用可能である。
しかしながら、上記の撮像素子は画素数が多いため、全画素のデータを読み出すのに時間がかかるという欠点がある。その結果、有効画素数25万画素程度の撮像素子を使用する場合に比べて、フレームレートが低下してしまうというあらたな問題が発生する。
たとえば、有効画素数25万画素程度の撮像素子のフレームレートは1/30秒であるのに対して、100万画素クラスの撮像素子のフレームレートは1/7.5秒程度が一般的で、フレームレートが1/4に低下してしまう。
フレームレートは撮像素子の駆動周波数に依存するため、駆動周波数を高くすることにより、ある程度の改善は可能である。しかし、撮像素子自体の特性的な限界、および低消費電力化を実現するために、駆動周波数の高速化には限界がある。
このため、電子ズーム時の画質劣化を防止する目的で、高画素数の撮像素子を採用すると、フレームレートが低下し、被写体の動きがぎこちなくなるという問題があった。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、その目的は、高画質の拡大画像を得ることができるとともに、フレームレートの低下を防止できるテレビドアホンシステムを提供することである。
上記の目的を達成するために、この発明のある局面に従うテレビドアホンシステムは、第1の通信装置と、通信回線によって第1の通信装置に接続された第2の通信装置とを備える。第1の通信装置は、被写体を撮影する撮影手段を備える。撮影手段は、光信号を電気信号に変換して電気信号を出力する撮像素子を有する。第1の通信装置は、さらに、撮像素子を駆動するためのタイミング信号を生成するタイミング信号生成手段と、撮像素子から出力される電気信号をデジタル信号に変換する変換手段と、変換手段の出力に対して指定された水平方向の読出位置から開始するデジタル信号を抽出して出力する映像抽出手段と、予め規定された信号処理をデジタル信号について実行してデジタル映像信号を生成する映像処理手段と、第2の通信装置に信号を送信する第1の送信手段と、第2の通信装置から信号を受信する第1の受信手段と、第1の通信装置の動作を制御する第1の制御手段とを備える。第2の通信装置は、第1の通信装置からデジタル映像信号を受信する第2の受信手段と、第2の受信手段によって受信されたデジタル映像信号に基づいて映像を表示する表示手段と、表示手段における映像の表示態様を変更するための指示の入力を受け付ける入力手段と、第2の通信装置の動作を制御する第2の制御手段と、指示を第1の通信装置に送信する第2の送信手段とを備える。第1の制御手段は、指示に基づいて、撮像素子の垂直方向の画素から信号を読み出す第1の読出方法または読み出された電荷を転送する転送方法を変更するためのタイミング信号をタイミング信号生成手段に生成させる第1の変更手段と、指示に基づいて、水平方向の画素から信号を読み出す第2の読出方法を、映像抽出手段に変更させる第2の変更手段とを含む。
好ましくは、第1の通信装置は、デジタル映像信号に基づいて人物の顔の有無を検出する検出手段と、デジタル映像信号に基づいて人物の顔の位置情報を取得する取得手段とをさらに備える。第1の変更手段は、検出手段による検出の結果に基づいて、第1の読出方法または転送方法を変更するように、タイミング信号生成手段にタイミング信号を生成させる。第2の変更手段は、検出手段による検出の結果に基づいて、第2の読出方法を映像抽出手段に変更させる。
好ましくは、第1の送信手段は、検出手段が人物の顔を検出しなかった場合に、映像処理手段からの出力に基づいて、撮影手段によって撮影された範囲に対応する画像を表示するための全体表示信号を、第2の通信装置に送信する。表示手段は、全体表示信号に基づいて、範囲に対応する画像を表示する。
好ましくは、第2の制御手段は、入力手段に対する操作を検出する操作検出手段を含む。第2の送信手段は、操作を表わす操作信号を第1の通信装置に送信する。第1の制御手段は、操作信号に基づいて、検出手段からの出力に基づく信号の送信を禁止する禁止手段をさらに含む。第1の変更手段は、操作信号に基づいて、第1の読出方法または転送方法を変更するためのタイミング信号をタイミング信号生成手段に生成させる。第2の変更手段は、操作信号に基づいて、第2の読出方法を映像抽出手段に変更させる。
好ましくは、第1の通信装置は、検出手段が人物の顔を検出した場合に、取得手段で取得した人物の顔の位置情報を第2の通信装置に送信する。表示手段は、位置情報に基づいて人物の顔の位置を表わす情報を表示する。
好ましくは、第1の通信装置は、デジタル映像信号に含まれる複数のフレームについてフレーム間を補間する補間処理手段をさらに備える。
好ましくは、第2の通信装置は、デジタル映像信号に含まれる複数のフレームについてフレーム間を補間する補間処理手段をさらに備える。
本発明に係るテレビドアホンシステムによれば、高画質の拡大画像を得ることができるとともに、フレームレートの低下を防止することができる。
また、住人がわざわざパンチルト操作のためにボタンを操作しなくても、子機で撮影された訪問者の顔を画面の見やすい位置に自動的に拡大表示することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
<第1の実施の形態>
最初に、図1を参照して、本発明のある局面に従うテレビドアホンシステム10の技術的思想について説明する。図1は、テレビドアホンシステム10の機能的構成を表わすブロック図である。テレビドアホンシステム10は、第1の通信装置としての子機100と、第2の通信装置としての親機150とを備える。子機100は、撮影部101と、信号処理部102と、信号送信部103と、呼出操作部104と、画像サイズ変更指示検出部106と、信号受信部105とを備える。
最初に、図1を参照して、本発明のある局面に従うテレビドアホンシステム10の技術的思想について説明する。図1は、テレビドアホンシステム10の機能的構成を表わすブロック図である。テレビドアホンシステム10は、第1の通信装置としての子機100と、第2の通信装置としての親機150とを備える。子機100は、撮影部101と、信号処理部102と、信号送信部103と、呼出操作部104と、画像サイズ変更指示検出部106と、信号受信部105とを備える。
撮影部101は、親機150からの撮影指示に基づいて、被写体190である訪問者を撮影し、被写体190に対応する光信号を電気信号に変換して出力する。
信号処理部102は、撮影部101からの出力と画像サイズ変更指示検出部106からの出力とに基づいて作動するように、撮影部101と画像サイズ変更指示検出部106とにそれぞれ接続されている。たとえば、信号処理部102は、撮影部101から出力された電気信号と画像サイズ変更指示検出部106から出力される変更指示とに基づいて、その入力される電気信号を当該指示に応じた映像表示のための処理を行ない、デジタル映像信号として出力する。
信号送信部103は、呼出操作部104および信号処理部102に接続されている。信号送信部103には、さらにケーブル107が接続されている。信号送信部103は、呼出操作部104から送出された訪問者の呼出信号および信号処理部102から送出された映像信号をケーブル107を介して親機150に送信する。
親機150は、信号受信部152と、制御部154と、表示部156と、指示入力部158と、信号送信部160とを備える。信号受信部152は、ケーブル107に接続されている。信号受信部152は、子機100から送信された呼出信号および映像信号を受信する。信号受信部152は、その受信した呼出信号を制御部154に、また、映像信号を表示部156に伝送する。
表示部156は、撮影部101によって撮影された被写体の映像を表示する。
指示入力部158は、親機150に対する操作の入力を受け付ける。当該操作は、たとえば表示部156に表示される映像をパン表示(左右方向を表示)するための操作、あるいは、チルト表示(上下方向を表示)するための操作を含む。指示入力部158は、当該指示に応じた信号を信号送信部160に送信する。
指示入力部158は、親機150に対する操作の入力を受け付ける。当該操作は、たとえば表示部156に表示される映像をパン表示(左右方向を表示)するための操作、あるいは、チルト表示(上下方向を表示)するための操作を含む。指示入力部158は、当該指示に応じた信号を信号送信部160に送信する。
信号送信部160は、制御部154および指示入力部158に接続されている。信号送信部160は、当該指示に応じた電気信号を生成し、ケーブル108を介して子機100に送信する。
子機100において、信号受信部105は、ケーブル108に接続されている。信号受信部105は、親機150から送信された信号を受信する。信号受信部105は、その信号を撮像部101または画像サイズ変更指示検出部106に送出する。画像サイズ変更指示検出部106は、親機150から送信された信号の中から、表示部156に表示される映像の大きさを変更する指示の有無を検出する。
具体的には、親機150と子機100との間で送信される信号において画像の大きさを変更するための制御コードが予め規定されている場合には、当該制御コードが受信した信号の中に含まれるか否かに基づいて上記の検出が行なわれる。画像サイズ変更指示検出部106は、そのような指示を検出すると、変更指示を表わす信号を信号処理部102に送出する。信号処理部102は、その信号に基づいて撮影部101から出力された電気信号に対して予め規定された処理を行ない、被写体の表示サイズを変更して表示するための信号を改めて生成する。
呼出操作部104は、子機100に対する操作を受け付ける。たとえば、呼出操作部104は、ボタンとして実現される。呼出操作部104は、訪問者による当該ボタンの押下を検知し、その押下に応じた信号を、信号送信部103およびケーブル107を介して、親機150に送信する。親機150は、信号受信部152で受信した呼出信号を、制御部154で解読する。そして、子機100の撮影部101を動作させるための制御信号を、信号送信部160、ケーブル108、信号受信部105を介して、撮影部101に伝達する。その結果、撮影部101は、予め設定された撮影条件(撮影方向、撮影範囲等)に基づいて被写体(すなわち訪問者およびその背景)を撮影する。
図2を参照して、本発明の第1の実施の形態に係るテレビドアホンシステム10の具体的な構成について説明する。図2は、テレビドアホンシステム10のハードウェア構成を表わすブロック図である。テレビドアホンシステム10は、子機100と親機150とを備える。子機100と親機150とは、通信ケーブル130によって接続されている。
子機100は、レンズ110と、撮像素子111と、A/D(Analog to Digital)コンバータ112と、映像抽出部113と、映像処理部114と、通信I/F(Interface)115と、タイミング信号発生部116と、子機コントローラ117と、呼出ボタン118とを備える。
レンズ110と撮像素子111とは、被写体を撮影可能なように構成されている。レンズ110によって集められた光信号は、撮像素子111に入力される。撮像素子111は、タイミング信号発生部116からの出力に基づいて作動可能なようにタイミング信号発生部116に接続されている。撮像素子111は、その信号に基づいて信号電荷を読み出し、光電変換処理を実行する。
A/Dコンバータ112は、撮像素子111からの出力とタイミング信号発生部116からの出力との基づいて作動可能なように、撮像素子111とタイミング信号発生部116とにそれぞれ接続されている。撮像素子111から出力されたアナログの電気信号は、A/Dコンバータ112に入力される。A/Dコンバータ112は、タイミング信号発生部116によって生成される信号に応じてアナログ信号をデジタル信号に変換し、映像抽出部113に送出する。
映像抽出部113は、A/Dコンバータ112からの出力と子機コントローラ117からの出力とに基づいて作動可能なように、A/Dコンバータ112と子機コントローラ117とにそれぞれ接続されている。映像抽出部113は、A/Dコンバータ112の出力に対して指定された水平方向の読み出し位置から開始するデジタル信号を抽出して出力する。出力された信号は、映像処理部114に入力される。
映像処理部114は、映像抽出部113からの出力と、子機コントローラ117からの出力とに基づいて作動可能なように、映像抽出部113と子機コントローラ117とに接続されている。映像処理部114は、子機コントローラ117から出力される制御信号に基づいて、映像抽出部113から出力されるデジタル信号に対して予め定められた処理を実行し、デジタル映像信号として通信I/F115に送出する。
通信I/F115は、映像処理部114からの出力に基づいて作動可能なように、映像処理部114に接続されている。さらに、通信I/F115は、通信ケーブル130に接続されている。通信I/F115は、子機コントローラ117から出力される制御信号に基づいて、映像処理部114から出力されたデジタル映像信号の信号形式を変換し、変換後の信号を通信ケーブル130に対して送信する。送信された信号は、親機150によって受信される。
図2を再び参照して、親機150は、通信I/F121と、モニタ122と、パン/チルト操作ボタン123と、親機コントローラ124とを備える。通信I/F121は、通信ケーブル130を介して子機100に接続されている。
通信I/F121は、子機100によって送信された信号を通信ケーブル130を介して受信する。この信号は、子機100によって撮影された被写体の映像信号を含む。
モニタ122は、通信I/F121からの出力と親機コントローラ124からの出力とに基づいて作動可能なように、通信I/F121と親機コントローラ124とにそれぞれ接続されている。モニタ122は、通信I/F121によって受信された信号に基づいて子機100によって撮影された被写体(たとえば訪問者)の映像を表示する。
パン/チルト操作ボタン123は、モニタ122に表示される映像の表示態様を切り換えるための操作を受け付ける。パン/チルト操作ボタン123は、たとえば親機150を構成する筐体(図示しない)に設けられたボタンによって実現される。パン/チルト操作ボタン123は、親機150の使用者による操作を受け付けて、当該操作に応じた信号を親機コントローラ124に送出する。
親機コントローラ124は、通信I/F121とモニタ122とパン/チルト操作ボタン123とにそれぞれ接続されている。親機コントローラ124は、パン/チルト操作ボタン123からの信号に基づいて当該信号により特定される指令を生成し、通信I/F121を介して、当該指令を子機100に向けて送信させる。
他の局面においては、親機コントローラ124は、パン/チルト操作ボタン123に対する操作に基づいてモニタ122における映像の表示態様を切り換え得る。たとえば、親機コントローラ124は、モニタ122における映像の明るさを切り換えるための指令を生成し、モニタ122に送信する。モニタ122は、その指令に応じて明るさを切り換えて、映像を表示する。
図3を参照して、本実施の形態に係る子機100の制御構造について説明する。図3は、子機100が実行する一連の処理を表わすフローチャートである。
ステップS302にて、子機コントローラ117は、親機150から送信された信号に基づいて撮影の指示を検知する。ステップS304にて、子機コントローラ117は、撮影指示をタイミング信号発生部116および映像抽出部113に送出する。その指示に基づいて、タイミング信号発生部116は、撮像素子111を駆動させるためのタイミング信号を生成し、撮像素子111に送信する。撮像素子111は、そのタイミング信号に応じて信号電荷を読み出し、A/Dコンバータ112に送信する。映像抽出部113は、子機コントローラ117からの制御信号に基づいて、A/Dコンバータ112から出力されたデジタル信号に対して、予め定められた映像抽出処理を実行し、映像処理部114に送信する。
ステップS306にて、子機コントローラ117は、レンズ110による撮影可能な範囲の全体を表示するための画像信号を、通信I/F115を介して親機150に送信する。親機150は、その画像信号を受信するとモニタ122に撮影された被写体(訪問者とその背景)を表示する。
ステップS308にて、子機100は、親機150から子機100を制御するための信号を受信する。ステップS310にて、子機コントローラ117は、その信号から親機150における被写体の表示を終了する指示を検出したか否かを判断する。この判断は、たとえば親機から送信された信号に含まれる制御コードの種類に基づいて行なわれる。子機コントローラ117が、親機150における表示を終了する指示を検出したと判断すると(ステップS310にてYES)、処理は終了する。そうでない場合には(ステップS310にてNO)、処理はステップS320に移される。
ステップS320にて、子機コントローラ117は、親機150から送信された信号に基づいて、パン/チルト操作の信号を受信したか否かを判断する。この判断も、親機から受信した信号に含まれる制御コードがパン/チルト操作に対応するコードであるか否かを比較することにより行なわれる。子機コントローラ117が、パン/チルト操作の信号を受信したと判断すると(ステップS320にてYES)、処理はステップS322に移される。そうでない場合には(ステップS320にてNO)、処理はステップS306に戻される。
ステップS322にて、子機コントローラ117は、タイミング信号発生部116および映像抽出部113に対して画像を拡大する指示を送出する。タイミング信号発生部116は、その指示に基づいて撮像素子111を駆動するためのタイミング信号を、通常の表示の場合に用いられるタイミング信号とは異なるものに変更し、撮像素子111に変更後のタイミング信号を送信する。撮像素子111は、変更されたタイミング信号に基づいて信号電荷を読み出し、A/Dコンバータ112に出力する。また、映像抽出部113は、子機コントローラ117の指示に基づいて、A/Dコンバータ112の出力に対して指定された水平方向の読み出し位置から開始する拡大された映像信号を抽出して出力する。
ステップS324にて、子機100は、親機150に対して拡大された画像信号を送信し、親機150のモニタ122は、その拡大された画像を表示する。子機100と親機150とは、そのまま通信可能な状態を維持する。ステップS326にて、子機100は、親機150から子機100を制御するための信号を受信する。
ステップS330にて、子機コントローラ117は、その受信された信号に基づいてパン/チルト操作の信号を受信したか否かを判断する。子機コントローラ117が、パン/チルト操作の信号を受信したと判断すると(ステップS330にてYES)、処理はステップS332に移される。そうでない場合には(ステップS330にてNO)、処理はステップS340に移される。
ステップS332にて、子機コントローラ117は、パン/チルト操作の信号に基づいて、パン/チルト操作ボタン123に対する操作に応じてモニタ122に表示される画像の位置を変更する指示を、タイミング信号発生部116および映像抽出部113に送出する。タイミング信号発生部116は、その指示に基づいて、信号電荷の読み出しの対象となる撮像素子を切り換えるための信号を生成し、撮像素子111に送信する。この信号により、パン/チルト操作ボタン123に対する操作によって指定された位置に応じた信号電荷が読み出され、A/Dコンバータ112に入力される。また、映像抽出部113は、子機コントローラ117の指示に基づいて、A/Dコンバータ112の出力から、パン/チルト操作ボタン123に対する操作によって指定された位置に応じた映像信号を抽出して出力する。
ステップS334にて、子機100は、位置が変更された画像信号を、親機150に送信する。親機150において、モニタ122は、位置が変更された被写体の画像を表示する。そして、処理はステップS326に戻される。
ステップS340にて、子機コントローラ117は、その信号に基づいて表示を終了する指示を検出したか否かを判断する。子機コントローラ117が、表示を終了する指示を検出したと判断すると(ステップS340にYES)、処理は終了する。そうでない場合には(ステップS340にてNO)、処理はステップS350に移される。
ステップS350にて、子機コントローラ117は、親機150から受信した信号に基づいて全体画像を表示する指示を検出したか否かを判断する。子機コントローラ117がその指示を検出したと判断すると(ステップS350にてYES)、処理はステップS306に戻される。そうでない場合には(ステップS350にてNO)、処理はステップS326に戻される。
次に、図4を参照して、本実施の形態に係る親機150の制御構造について説明する。図4は、親機150が実行する一連の処理を表わすフローチャートである。
訪問者が子機100の呼出ボタン118を押すと、通信I/F115、通信ケーブル130を介して、訪問者による呼出を通知する制御信号が、親機150に送信される。あるいは、住人が親機150のパン/チルト操作ボタンに設けられたモニタキーを押すと、住人によるカメラモニタを通知する信号が、親機コントローラ124に送信される。その結果、ステップS401にて、親機コントローラ124は、子機100に撮影を指示する制御信号を送信する。
ステップS402にて、親機コントローラ124は、通信I/F121を介して、子機100から画像信号を受信する。この画像信号は、レンズ110による撮影可能な範囲の全体を表示する信号である。ステップS404にて、モニタ122は、受信した被写体全体の画像を表示する。
ステップS410にて、親機コントローラ124は、パン/チルト操作ボタン123に設けられた終了指示に関するキーの押下、あるいは、親機150と子機100との通話等の終了に関して、予め定められた時間が経過したことに基づいて、モニタ122における表示を終了する指示を検出したか否かを判断する。親機コントローラ124が、そのような指示を検出したと判断すると(ステップS410にてYES)、ステップS415にて、子機に表示を終了する指示を送信後、処理を終了する。そうでない場合には(ステップS410にてNO)、処理はステップS420に移される。
ステップS420にて、親機コントローラ124は、パン/チルト操作ボタン123からの信号に基づいてパン/チルトの操作を検出したか否かを判断する。親機コントローラ124が、そのような操作を検出したと判断すると(ステップS420にてYES)、処理はステップS422に移される。そうでない場合には(ステップS420にてNO)、処理はステップS410に戻される。
ステップS422にて、親機コントローラ124は、パン/チルト操作に対応した制御信号を生成し、通信I/F121を介して子機100に送信する。子機100がその信号を受信すると、当該操作に応じた画像信号を生成する(ステップS322、ステップS324)。その後、子機100は、親機に対して、当該画像信号を送信する。
ステップS424にて、親機150は、通信I/F121を介して、パン/チルト操作に応じた画像信号を、子機100から受信する。ステップS426にて、モニタ122は、その画像信号を表示する。
ステップS430にて、親機コントローラ124は、パン/チルト操作ボタン123からの出力に基づいて、パン/チルト操作を検出したか否かを判断する。親機コントローラ124が、そのような操作を検出したと判断すると(ステップS430にてYES)、処理はステップS432に移される。そうでない場合には(ステップS430にてNO)、処理はステップS440に移される。
ステップS432にて、親機コントローラ124は、パン/チルト操作に対応した制御信号を生成し、子機100に送信する。
ステップS434にて、親機150は、子機100からパン/チルト操作に応じた画像信号を受信する。ステップS436にて、モニタ122は、パン/チルト操作によって変更された受信画像を表示する。
ステップS440にて、親機コントローラ124は、パン/チルト操作ボタン123に設けられた終了指示に関するキーの押下、あるいは、親機150と子機100との通話等の終了に関して予め定められた時間が経過したことに基づいて、モニタ122における画像の表示を終了する指示を検出したか否かを判断する。親機コントローラ124が、その指示を検出したと判断すると(ステップS440にてYES)、ステップS415にて、子機に表示を終了する指示を送信後、処理を終了する。そうでない場合には(ステップS440にてNO)、処理はステップS450に移される。
ステップS450にて、親機コントローラ124は、パン/チルト操作ボタン123からの出力に基づいて、子機100のレンズ110による撮影可能な範囲の全体を表示する操作を検出したか否かを判断する。親機コントローラ124が、そのような操作を検出したと判断すると(ステップS450にてYES)、処理はステップS452に移される。そうでない場合には(ステップS450にてNO)、処理はステップS430に戻される。
ステップS452にて、親機150は、全体の画像を表示する指示を子機100に送信して、処理は、ステップS402に戻される。
図5を参照して、本実施の形態に係る撮像素子111の構成について説明する。撮像素子111は、複数の受光部511−1,511−2・・・511−nと、複数の垂直CCD(Charge Coupled Device)512−1,512−2・・・512−nと、水平CCD513と、電荷電圧変換部514と、出力アンプ515と、垂直転送電極516とを備える。各受光部は、総称する時は、受光部511と表わす。同様に、垂直CCDは、総称する時は、垂直CCD512と表わす。
受光部511は、撮像素子111に入射される光信号を電気信号に変換する。ある局面においては、受光部511は、たとえばフォトダイオードによって実現される。受光部511は、複数の受光部511−1・・・511−nによって行列状に配置されている。
また、受光部511には、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の原色のカラーフィルタが、ベイヤー配列で配置されている。この配列では、セルが格子状に配置され、そのセルの2分の1が緑色、4分の1が赤色、4分の1が青色で構成される。なお、配列の態様は、ベイヤー配列に限られない。また、補色のカラーフィルタを使用してもよい。
垂直CCD512は、受光部511に蓄積された信号電荷を読み出して、列方向(垂直方向)に転送する。各垂直CCD512−1・・・512−nは、各受光部511−1・・・511−nの間に配置されている。
水平CCD513は、垂直CCD512から転送される信号電荷を受けるように、垂直CCD512に接続されている。水平CCD513は、垂直CCD512から転送された信号電荷を行方向(水平方向)に転送する。
電荷電圧変換部514は、水平CCD513によって転送されてきた信号電荷を電圧信号に変換する。出力アンプ515は、電荷電圧変換部514によって出力される電圧信号を増幅して出力する。
垂直転送電極516は、垂直CCD512における信号電荷の読み出しと転送とを制御する。図5に示される例では、4つの垂直転送電極φV1〜φV4を使用する4相駆動を行なう場合が示されているが、駆動の態様はこれに限られない。水平転送電極517は、水平CCD513内での信号電荷の転送を制御する。
以下、電子ズームで縦横各2倍に拡大表示する場合について例示する。この場合、例えば、拡大表示時にVGA(Video Graphics Array、水平640画素×垂直480画素)程度の画素数が必要になると仮定すると、必要とされるCCDの全画素数は、水平1280画素×垂直960画素程度である(有効画素数は約123万画素)。
最初に、「全体画像モード」について説明する。
高画素数のCCDが撮像素子111に使用される場合、「全体画像モード」において使用可能な方式として、すべての画素のデータを読み出して処理する「静止画取込方式」と、全画素から一部の画素データを間引いたり、加算したりするなどの処理をして読み出すデータ量を削減する「動画取込方式」とがある。
高画素数のCCDが撮像素子111に使用される場合、「全体画像モード」において使用可能な方式として、すべての画素のデータを読み出して処理する「静止画取込方式」と、全画素から一部の画素データを間引いたり、加算したりするなどの処理をして読み出すデータ量を削減する「動画取込方式」とがある。
そこで、まず、図6および図7を参照して、「静止画取込方式」によって信号電荷を読み出す場合の動作について説明する。図6は、「静止画取込方式」によって受光部511から垂直CCD512に信号電荷を読み出す場合の動作の一例を表わす図である。この場合、各受光部511−1,511−2・・・の信号電荷は、垂直CCD512−1,512−2・・・にそれぞれ読み出される。また、読み出された信号電荷は、垂直CCD512−1,512−2の中で混ざることなく、水平CCD513の方向に順次転送される。具体的には、緑色の信号電荷G11は、受光部511−1から垂直CCD512−1に読み出される。他の信号電荷も同様である。垂直CCD512−1に読み出された信号電荷G11,R21・・・G91は、水平CCD513に順次転送される。
図7は、「動画取込方式」における信号電荷の読み出し動作の一例を表わす図である。図7(A)〜図7(C)に示されるように、動画取込方式においては、3段階の手続を経て、すべての受光部511の信号電荷が垂直CCD512に読み出される。
まず、図7(A)に示されるように、第3、4、7、8・・・番目、すなわち、第4n−1番目と第4n番目の受光部の信号電荷が、垂直CCD512にそれぞれ読み出される。ここで、nは、1、2、3、・・・である。
次に、図7(B)に示されるように、各垂直CCD512の信号電荷は、水平CCD513の方向に、「2画素分だけ」転送される。さらに、図7(C)に示されるように、第4n−3番目と第4n−2番目の受光部の信号電荷が、各垂直CCD512に読み出される。その結果、第4n−1番目と第4n−3番目の受光部の信号電荷および、第4n番目と第4n−2番目の受光部の信号電荷とが垂直CCD512において加算され、垂直方向のデータ量が半分に削減される。
「静止画取込方式」では、精細度が高い画像が得られる反面、読み出すデータ量が多いためフレームレートが低下するという問題がある。これに対して、「動画取込方式」によると、フレームレートの低下を防止することができるが、精細度が低下するという問題がある。しかしながら、本実施の形態に係るテレビドアホンシステム10によると、画像を拡大して表示するときに必要となる画素数を基準にして、撮像素子111の画素数を定めているため、「全体画像モード」では、「動画取込方式」を採用しても、精細度の低下が防止され得る。
そこで、本実施の形態における「全体画像モード」においては、「動画取込方式」で撮像素子111を駆動するように、子機コントローラ117はタイミング信号発生部116の動作を切り換える。
次に、図8を参照して、映像抽出部113が水平方向の画素のデータ量を半分に削減するための動作について説明する。図8は、映像抽出部113のハードウェア構成を表わすブロック図である。映像抽出部113は、D型フリップフロップ113a,113b,113d,113e,113gと、加算器113cと、セレクタ113fとを備える。
A/Dコンバータ112から出力されたデジタル信号810は、D型フリップフロップ113aと加算器113cとに入力される。D型フリップフロップ113aには、子機コントローラ117から出力される1クロックパルス分のクロック信号CLKがさらに入力される。D型フリップフロップ113aは、1クロック分遅延したデジタル信号を出力する。このデジタル信号は、フリップフロップ113bに入力される。
D型フリップフロップ113bには、子機コントローラ117から出力される1クロックパルス分のクロック信号がさらに入力される。D型フリップフロップ113bは、当該クロック信号に基づいてD型フリップフロップ113aから出力されたデジタル信号を1クロック分遅延させて、デジタル信号820として出力する。デジタル信号820は、加算器113cに入力される。
加算器113cには、デジタル信号810がさらに入力される。加算器113cは、デジタル信号810とデジタル信号820とを加算して、デジタル信号830として出力する。デジタル信号830は、D型フリップフロップ113dに入力される。
D型フリップフロップ113dには、子機コントローラ117から出力された1クロックパルス分のクロック信号CLKがさらに入力される。D型フリップフロップ113dは、当該クロック信号CLKに基づいてデジタル信号830を1クロック分遅延させて、デジタル信号840として出力する。デジタル信号840は、D型フリップフロップ113eとセレクタ113fのY側の端子に入力される。
D型フリップフロップ113eには、子機コントローラ117から出力された1クロックパルス分のクロック信号CLKがさらに入力される。D型フリップフロップ113eは、当該クロック信号CLKに基づいて、デジタル信号840を1クロック分遅延させて、デジタル信号850として出力する。デジタル信号850は、セレクタ113fのX側の端子に入力される。
セレクタ113fには、デジタル信号840,850に加えて、クロックパルスを4分周したクロックCLK/4が入力される。セレクタ113fは、クロックCLK/4がHレベルの場合、X側すなわちデジタル信号850を、また、クロックCLK/4がLレベルの場合、Y側すなわちデジタル信号840を選択して、デジタル信号860として出力する。デジタル信号860は、D型フリップフロップ113gに入力される。
D型フリップフロップ113gには、クロックパルスを2分周したクロックCLK/2が入力される。D型フリップフロップ113gは、クロックCLK/2に基づいてデジタル信号860をラッチして、デジタル信号870として出力する。
図9は、映像抽出部113における動作の推移を表わすタイミングチャートである。時刻t(1)において、信号810,830と、クロックCLK,CLK/2,CLK/4とが映像抽出部113に入力される。ここで、加算器113cから出力される信号830は、信号820が未だ生成されていないため、信号810と同一である。
その後、時刻t(2)以降も、上述のようにして、各クロックCLK,CLK/2,CLK/4に応じて、各信号が入力され、あるいは生成される。
この結果、第4m−3番目と第4m−1番目の画素信号、および、第4m−2番目と第4m番目の画素信号とが加算され、水平方向のデータ量が半分に削減される。ここで、m=1、2、3、・・・である。
以上のような方法を用いることにより、「全体画像モード」において、垂直、水平方向のデータ量を削減することができる。その結果、フレームレートの低下を防止することができる。
次に、「拡大画像モード」について説明する。
まず、図10を参照して、垂直方向の画像を拡大して表示したい場合に、画素を抽出する動作について説明する。最初に、すべての受光部511の信号電荷は、「静止画取込方式」により垂直CCD512に読み出される。
まず、図10を参照して、垂直方向の画像を拡大して表示したい場合に、画素を抽出する動作について説明する。最初に、すべての受光部511の信号電荷は、「静止画取込方式」により垂直CCD512に読み出される。
図10(A)に示されるように、画像を拡大して表示したい領域が水平CCD513に隣接する領域を含む場合、垂直CCD512に読み出された信号電荷を通常の速度で1画素ずつ水平CCD513の方向に順次転送する。画像を拡大して表示したい部分(領域1010)の信号電荷がすべて水平CCD513に転送された後は、垂直CCDの他の領域1020に蓄積されている残りの信号電荷は不要となる。そこで、領域1020に蓄積されている信号電荷を高速で転送して、垂直CCD512からこれらの信号電荷をすべて吐き出す。
次に、図10(B)に示されるように、画像を拡大表示したい領域1040が、他の領域1030,1050の間に存在する場合、領域1040に蓄積されている信号電荷が水平CCD513に転送されるまで、垂直CCD512の電荷を高速で転送し、領域1030に蓄積されている信号電荷を吐き出す。そして、拡大表示したい領域1040に蓄積されている信号電荷を、通常の速度で1画素ずつ順次水平CCD513の方向に転送する。さらに、拡大表示したい領域1040に蓄積されていた信号電荷をすべて水平CCD513に転送した後は、垂直CCD512に蓄積されている残りの信号電荷(領域1050における信号電荷)は不要となる。そこで、これらの信号電荷を高速で転送し、垂直CCD512からこれらの電荷をすべて吐き出す。
また、図10(C)に示されるように、画像を拡大して表示したい部分の領域1060が、他の領域1070によって水平CCD513から離されて位置している場合、領域1060の信号電荷が水平CCD513に転送されるまで、垂直CCD512における信号電荷を高速で転送し、不要な領域1070の信号電荷をすべて吐き出す。そして、拡大表示したい部分の領域1060に蓄積されている信号電荷を、通常の速度で1画素ずつ水平CCD513の方向に順次転送する。
なお、拡大表示したい部分の前後にある不要な信号電荷の高速での転送は、垂直帰線期間内に実施すればよい。
本実施の形態に係るテレビドアホンシステム10の「拡大画像モード」においては、撮像素子111を上述の態様で駆動するようなタイミング信号を生成するように、子機コントローラ117はタイミング信号発生部116に対して指示を送出する。
次に、図11および図12を参照して、画像を水平方向に拡大して表示するために、映像抽出部113が画素信号を抽出する動作について説明する。図11は、映像抽出部113のハードウェア構成を表わすブロック図である。映像抽出部113は、セレクタ1111,1114,1116,1117と、1Hラインメモリ1112,1113と、ゲート回路1115とを備える。映像抽出部113は、以下に説明するように、A/Dコンバータ112から出力されるデジタル信号と、子機コントローラ117から出力されるクロック信号とに基づいて作動する。
まず、A/Dコンバータ112から出力されたデジタル信号1121は、セレクタ1111に入力される。さらに、セレクタ1111には、子機コントローラ117から出力されたクロック信号1Hが入力される。セレクタ1111は、クロック信号1Hに基づいて水平周波数ごとに出力先を切り換える。セレクタ1111から出力されるデジタル信号1121は、1Hラインメモリ1112および1113のいずれかに入力される。たとえば、クロック信号1HのレベルがHレベルのとき、セレクタ1111は、出力としてX側の端子を選択し、デジタル信号1121は、1Hラインメモリ1113に入力される。一方、クロック信号1HのレベルがLレベルの場合には、セレクタ1111は、Y側の端子を選択し、デジタル信号1121は、1Hラインメモリ1113に入力される。
一方、ゲート回路1115には、子機コントローラ117から出力されたクロック信号CLKとゲートパルス信号1125とが入力される。ゲートパルス信号1125は、水平方向に拡大表示したい部分の画素位置でHレベルになるパルスである。このパルスの立上がりと立下がりとの位置を変更することによって、水平方向の読み出し位置を調整することができる。
ゲート回路1115は、ゲートパルス信号1125に基づいて、クロック信号CLKをクロック信号1126に変換して出力する。クロック信号1126は、セレクタ1116のX側の端子およびセレクタ1117のY側の端子にそれぞれ入力される。
セレクタ1116のY側の端子およびセレクタ1117のX側の端子には、クロック信号CLK/2がそれぞれ入力される。
セレクタ1116,1117はそれぞれ、入力されるクロック信号1Hに基づいて、出力するクロックとして、クロック信号1126とクロック信号CLK/2を切り換える。この切換は、水平周波数ごとに行なわれる。セレクタ1116から出力されるクロックは、1Hラインメモリ1113に入力される。セレクタ1117から出力されるクロックは、1Hラインメモリ1112に入力される。
1Hラインメモリ1112は、セレクタ1111,1117からの各出力に基づいて作動可能なようにこれらのセレクタに接続されている。たとえば、クロック信号1HのレベルがHレベルであるとき、セレクタ1111は、出力としてX側の端子を選択して、Y側の端子を選択しない。その結果、セレクタ1111から出力されるデジタル信号1121は1Hラインメモリ1113に入力され、1Hラインメモリ1112に入力されない。このとき、セレクタ1117は、入力としてX側の端子を選択して、クロック信号CLK/2を出力する。その結果、1Hラインメモリ1112にはクロック信号CLK/2が入力されるため、1Hラインメモリ1112は、クロック信号CLK/2に基づいて駆動される。
一方、1Hラインメモリ1113は、セレクタ1111,1116からの各出力に基づいて作動可能なように、これらのセレクタに接続されている。たとえば、クロック信号1HのレベルがHレベルであるとき、セレクタ1111および1116は、X側の端子を選択する。
そこで、クロック信号1HのレベルがHレベルであるとき、デジタル信号1121とクロック信号1126とが、1Hラインメモリ1113に入力される。1Hラインメモリ1113は、クロック信号1126に基づいて駆動される。その結果、1Hラインメモリ1113には、水平方向に拡大表示したい部分の画素信号のみが格納される。1Hラインメモリ1113は、この画素信号を出力する場合には、信号1123として出力する。
一方、1Hラインメモリ1112には、1水平周波数前のデジタル信号1121が格納されている。1Hラインメモリ1112は、セレクタ1117から出力されるクロック信号CLK/2に基づいて駆動される。その結果、1画素の周期が2倍に拡大された信号が1Hラインメモリ1112から読み出される。この信号は、クロック信号1HのレベルがHレベルであるときの信号1122に相当する。
1Hラインメモリ1112から出力される信号1122と、1Hラインメモリ1113から出力される信号1123とは、セレクタ1114にそれぞれ入力される。セレクタ1114は、クロック信号1Hの入力に基づいて出力される信号の入力源を、1Hラインメモリ1112と1Hラインメモリ1113との間で切り換える。その結果、セレクタ1114から出力される信号1124は、クロック信号1Hに応じて水平周波数ごとに切り換えられる。たとえば、クロック信号1HのレベルがHレベルであるとき、セレクタ1114は、入力源としてX側の端子を選択し、1Hラインメモリ1112から出力される信号1122が信号1124として出力される。
一方、クロック信号1HのレベルがLレベルであるとき、各セレクタ1111,1114,1116,1117は、入力源としてY側の端子を選択する。その結果、デジタル信号1121は、1Hラインメモリ1112に入力され、1Hラインメモリ1113から出力される信号1123がセレクタ1114を介して信号1124として出力される。
その結果、水平方向の拡大表示したい部分の画素位置のデータだけを1Hラインメモリに記録し、また、拡大表示したい部分の画素データの周期を2倍に拡大して読み出すことができる。以上のような方法を採用することにより、「拡大画像モード」において、垂直、水平方向のデータ量を削減できるため、フレームレートの低下を防止することができる。
図12は、図11に示される構成を有する映像抽出部113の動作の推移を表わすタイミングチャートである。図12に示されるように、クロック信号1H,CLK,CLK/2と、信号1121,1125が映像抽出部113にそれぞれ与えられると、図11に示される構成に基づいて、信号1122,1123,1124,1126がそれぞれ出力される。
以上のような構造およびフローチャートに基づくテレビドアホンシステム10の動作について説明する。
訪問者が呼出ボタン118を押下すると、親機コントローラ124は撮影の指示を子機コントローラ117に送信する(ステップS401)。子機コントローラ117は撮影の指示を検知し(ステップS302)、撮影指示をタイミング信号発生部116および映像抽出部113に送出する(ステップS304)。撮像素子111から出力される信号は、予め規定された設定にしたがって画像信号に変換され、レンズ110による撮影が可能な範囲の全体を表わす画像信号が生成される。子機100が画像信号を親機150に送信すると(ステップS306)、親機150はその画像信号を受信し(ステップS402)、モニタ122は、当該信号に基づく映像を表示する(ステップS404)。これにより、撮影した画面全体がモニタ122に表示される。
[パン/チルト表示]
住人がモニタ122を見ながらパン/チルト操作ボタン123を操作すると、当該操作に応じた信号がパン/チルト操作ボタン123から親機コントローラ124に送出される(ステップS410にてNO、ステップS420にてYES)。その信号に基づいて、親機コントローラ124は、映像をパン表示あるいはチルト表示するための指示信号を生成し、指示信号を通信I/F121を介して子機100に送信する(ステップS422)。
住人がモニタ122を見ながらパン/チルト操作ボタン123を操作すると、当該操作に応じた信号がパン/チルト操作ボタン123から親機コントローラ124に送出される(ステップS410にてNO、ステップS420にてYES)。その信号に基づいて、親機コントローラ124は、映像をパン表示あるいはチルト表示するための指示信号を生成し、指示信号を通信I/F121を介して子機100に送信する(ステップS422)。
子機100が、親機150から当該指示信号を受信すると(ステップS308、ステップS310にてNO、ステップS320にてYES)、当該指示信号に基づいて、子機コントローラ117は、画像を拡大して表示する指示を、タイミング信号発生部116および映像抽出部113に送信する(ステップS322)。その指示に基づいて、タイミング信号発生部116は、撮像素子111の駆動態様を切り換える。その指示に基づいて、映像抽出部113は、映像信号の生成態様を切り換える。子機100は、訪問者を拡大して表示するための映像信号を生成すると、親機に当該信号を送信する(ステップS324)。
親機150が、子機100から当該信号を受信すると(ステップS424)、モニタ122は、拡大された訪問者の映像を表示する(ステップS426)。住人が親機150が備える受話器(図示しない)を予め規定された位置に戻すことにより、あるいは通話するためのボタンを操作することにより、訪問者との通話を終了すると(ステップS440にてYES)、モニタ122は表示を終了する。
以上のようにして、本発明の第1の実施の形態に係るテレビドアホンシステム10によると、水平方向の画素からの信号のデータ量、あるいは読み出し位置については、「全体画像モード」では図8および図9において例示される動作が実行されるように、映像抽出部113の処理が切り換えられる。また、「拡大画像モード」については、図11および図12において例示された動作が実行されるように、映像抽出部113の処理が切り換えられる。
これにより、「全体画像モード」でも、あるいは「拡大画像モード」でも、映像処理部114以降で処理されるデータ量は同じになる。たとえば、本実施の形態において、有効画素数が約123万画素の撮像素子が使用された場合、「全体画像モード」でも、「拡大画像モード」でも、扱われるデータ量は、VGAサイズ(水平640画素×垂直480画素)のデータ量に削減できる。
この結果、高画素数の撮像素子を採用することによって、高画質の拡大画像を得ることができるとともに、フレームレートの低下を防止することができる。
なお、上記の実施の形態では、子機100の撮像素子111としてCCDを使用する場合について例示したが、X−Yアドレス方式を採用しているCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)センサ等が使用されてもよい。
<第2の実施の形態>
以下、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態に係るテレビドアホンシステム20は、撮影された人物の顔の検出機能を有する点で、前述の第1の実施の形態と異なる。
以下、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態に係るテレビドアホンシステム20は、撮影された人物の顔の検出機能を有する点で、前述の第1の実施の形態と異なる。
図13は、本発明の第2の実施の形態に係るテレビドアホンシステム20のハードウェア構成を表わすブロック図である。テレビドアホンシステム20は、子機1300と親機150とを備える。子機1300と親機150とは、通信ケーブル130を介して接続されている。子機1300は、図2に示される子機100の構成に加えて、さらに、顔検出部1310とメモリ1320とを備える。
メモリ1320は、予め準備された人物の顔の特徴を表わすデータ(以下「標準パターン」という。)を格納する。顔検出部1310は、子機コントローラ117および映像処理部114からの出力とメモリ1320に格納されているデータとに基づいて作動可能なように、子機コントローラ117と映像処理部114とメモリ1320とにそれぞれ接続されている。顔検出部1310は、たとえば肌色の領域の形状から人物の顔の位置を判定する。
より具体的には、顔検出部1310は、肌色が密集している領域を検出し、その領域の大きさや縦横の長さの比などのデータと、メモリ1320に予め格納されている顔の特徴に関する情報(特徴量)とを比較して、その比較の結果に基づいて当該領域が顔であるか否かを判定する。また、顔検出部1310は、撮像素子111によって撮影された画像から目あるいは鼻などの顔の特徴部分を検出し、その特徴部分の検出の度合から顔の有無を判定する。あるいは顔検出部1310は、判断データとしてメモリ1320に予め格納されている複数の標準パターンと、当該検出されたデータとの間でパターンマッチングを行ない、パターンマッチングの結果に基づいて顔の位置を検出する。
顔検出部1310が映像信号に基づいて人物の顔を検出した場合、当該人物の顔の位置に関する情報を生成し、子機コントローラ117に送出する。子機コントローラ117は、その情報の受信に応答して、親機150のモニタ122における画像の表示モードを「全体画像モード」から「拡大画像モード」に切り換え、撮像素子111の垂直方向の画素からの信号の読み出しまたは転送方法を変更したタイミング信号を発生するように、タイミング信号発生部116に対して指示を送信する。タイミング信号発生部116は、その指示の入力に基づいて、当該変更に対応するタイミング信号を撮像素子111に送出し、撮像素子111による動作を切り換える。
子機コントローラ117は、水平方向の画素からの信号の読み出し方法を変更して映像信号を出力するように、映像抽出部113に指示を送信する。映像抽出部113は、その指示に基づいて前述の動作(図11)を実行し、読み出しのタイミングが変更された映像信号を映像処理部114に対して出力する。これにより、テレビドアホンシステム20の使用者(住人)がパン表示あるいはチルト表示のためにパン/チルト操作ボタン123をあえて操作しなくても、モニタ122は、子機1300によって撮影された訪問者の顔を画面の見やすい位置に表示することができる。
顔検出部1310は、人物の顔を検出しなかった場合、人物の顔が検出されなかったことを表わす情報を生成し、その情報を子機コントローラ117に送出する。子機コントローラ117は、当該情報の受信に応答して画像の表示モードを「全体画像モード」に切り換えて、当該モードに対応する画像を表示するようにタイミング信号発生部116および映像抽出部113に指示を送信する。その指示に基づいて生成された映像信号は、親機150に送信される。モニタ122は、その映像信号に基づいて、撮像素子111による撮影が可能な領域全体の画面を表示することができる。これにより、訪問者が撮像されていない場合には、モニタ122は、特定部分の拡大画像ではなく撮影された全体の画像を表示するので、当該住人は、子機1300の設置場所(たとえば玄関など)の様子全体を一目で確認することができる。
[パン/チルト表示]
また、他の局面において、顔検出部1310が人物の顔を検出しており既に拡大画像の表示位置が制御されているとき、住人が親機150のパン/チルト操作ボタン123を操作した場合には、親機コントローラ124は、通信I/F121と通信ケーブル130と通信I/F115とを介して、子機コントローラ117にパン表示あるいはチルト表示のための操作に関する制御信号を送信する。
また、他の局面において、顔検出部1310が人物の顔を検出しており既に拡大画像の表示位置が制御されているとき、住人が親機150のパン/チルト操作ボタン123を操作した場合には、親機コントローラ124は、通信I/F121と通信ケーブル130と通信I/F115とを介して、子機コントローラ117にパン表示あるいはチルト表示のための操作に関する制御信号を送信する。
子機1300において、子機コントローラ117は、その制御信号を受信すると、顔検出部1310からの出力にかかわらず、親機150からの制御信号に従って拡大表示する画像の水平および垂直方向の位置を変更するための指示を、タイミング信号発生部116と映像抽出部113とにそれぞれ送信する。この指示の送信後、子機1300は、親機コントローラ124が送信したパン/チルト指示に対応した拡大画像信号を親機150に送信する。これにより、住人がパン表示あるいはチルト表示のための操作をした場合には、当該住人による操作を優先させて画像を表示することができる。
[スーパーインポーズ表示]
次に、モニタ122におけるスーパーインポーズ表示について説明する。複数の映像を表示する機能の一つに、いわゆるスーパーインポーズ表示がある。スーパーインポーズ表示によると、モニタ122が画像を局所的に拡大して表示している場合、全体の画像のうちのどの部分が拡大して表示されているのかが一見して住人に把握されるように、子機1300によって撮影された全体のエリアの中の拡大エリアの位置が、モニタ122の表示領域の一部(たとえば4隅のいずれか)に示される。
次に、モニタ122におけるスーパーインポーズ表示について説明する。複数の映像を表示する機能の一つに、いわゆるスーパーインポーズ表示がある。スーパーインポーズ表示によると、モニタ122が画像を局所的に拡大して表示している場合、全体の画像のうちのどの部分が拡大して表示されているのかが一見して住人に把握されるように、子機1300によって撮影された全体のエリアの中の拡大エリアの位置が、モニタ122の表示領域の一部(たとえば4隅のいずれか)に示される。
たとえば、住人が、パン/チルト操作ボタン123を操作して拡大画像の表示位置を制御している場合、親機コントローラ124は、パン/チルト操作ボタン123からの出力に基づいてモニタ122に表示されている画像の位置を表わすデータを保持している。そこで、親機コントローラ124は、そのデータを用いて、全体エリアに対する拡大エリアの位置関係を表わす画像データを生成し、モニタ122に表示されている拡大画像に、その画像データをスーパーインポーズで表示させる。
あるいは、別の局面において、顔検出部1310が人物の顔を検出し、その検出に基づいて算出される上記の情報によってモニタ122における拡大画像の表示位置が制御されている場合、子機コントローラ117は、拡大表示している水平および垂直方向の画像位置に関する情報を、通信I/F115を経由して親機150に送信する。親機150は、その情報に基づいて、モニタ122において全体エリアに対する拡大エリアの位置関係を表わす画像をスーパーインポーズ表示する。
なお、顔検出部1310は、人物の顔を検出していない場合には、そのことを表わす情報を子機コントローラ117に送信する。子機コントローラ117は、その情報を親機150に送信する。親機コントローラ124は、その受信した情報とパン/チルト操作ボタン123からの出力に基づいて、モニタ122におけるスーパーインポーズ表示に関する制御を実施する。
ここで、図14を参照して、本実施の形態に係るテレビドアホンシステム20のデータ構造について説明する。図14は、子機1300が備えるメモリ1320におけるデータの格納の一態様を概念的に表わす図である。メモリ1320は、データを格納するための領域1410〜1470を含む。
人物の顔の特徴部分を識別するためのデータは、領域1410に格納されている。当該特徴部分は、たとえば両眼の間隔、両耳の間隔、頭の長さ、両眼の中央と鼻との間隔などを含む。各特徴部分の各々について標準的なデータとして予め算出された特徴量は、領域1420に格納されている。たとえば、特徴部分「両眼の間隔」の特徴量は、「aピクセル」である。
パターンマッチングのために予め作成された標準パターンの各々を識別するためのデータは、領域1430に格納されている。標準パターンの数は特に限られない。当該標準パターンについて予め準備された特徴量を表わすデータは、領域1440〜1470に格納されている。両眼の間隔は、領域1440に格納されている。両耳の間隔は、領域1450に格納されている。頭の長さは、領域1460に格納されている。他の特徴量(たとえば両眼の中央と鼻との間隔)は、領域1470に格納されている。
顔検出部1310は、メモリ1320に格納されているこれらのデータと、映像処理部114から出力される信号に基づいて算出した各特徴部分についてのデータとを比較することにより、撮像素子111によって撮影された被写体の中に人物が含まれているか否かを判断する。
図15および図16を参照して、本実施の形態に係る子機1300の制御構造について説明する。図15および図16はそれぞれ、子機1300が実行する一連の処理を表わすフローチャートである。なお、前述の第1の実施の形態における処理と同一の処理には同一のステップ番号を付してある。したがって、ここではそれらの処理については繰り返さない。
ステップS320にて、子機1300の子機コントローラ117は、通信I/F115から受信した信号に基づいて、パン/チルト操作の信号を親機150から受信したか否かを判断する。子機コントローラ117が、そのような信号を受信したと判断すると(ステップS320にてYES)、処理はステップS322に移される。そうでない場合には(ステップS320にてNO)、処理はステップS1520に移される。
ステップS1520にて、子機コントローラ117は、顔検出部1310から出力されたデータを受信する。
ステップS1530にて、子機コントローラ117は、そのデータに基づいて顔検出部1310が人物の顔を検出したか否かを判断する。子機コントローラ117が、顔検出部1310は人物の顔を検出したと判断すると(ステップS1530にてYES)、処理はステップS1602(図16)に移される。そうでない場合には(ステップS1530にてNO)、処理はステップS306に戻される。
ステップS350にて、子機コントローラ117は、親機150のモニタ122に全体画像を表示する指示を検出したか否かを判断する。子機コントローラ117が、そのような指示を検出したと判断すると(ステップS350にてYES)、処理はステップS1640(図16)に移される。そうでない場合には(ステップS350にてNO)、処理はステップS326に戻される。
図16を参照して、ステップS1602にて、子機コントローラ117は、タイミング信号発生部116に対して、顔検出部1310によって検出された領域の画像を拡大する指示を送出する。タイミング信号発生部116はその指示に基づくタイミング信号を生成し、撮像素子111にタイミング信号を送信する。また、子機コントローラ117は、映像抽出部113に対して、顔検出部1310によって検出された領域の画像を拡大する指示を送出する。映像抽出部113はその指示に基づいた水平方向の読み出し位置から開始する拡大された映像信号を、A/Dコンバータ112の出力から抽出して出力する。
ステップS1604にて、親機150に対して拡大した画像信号が送信され、モニタ122にその拡大画像が表示される。
ステップS1606にて、子機1300は、親機150から子機1300を制御するための信号を受信する。
ステップS1610にて、子機コントローラ117は、その信号に基づいて、モニタ122における表示を終了する指示を検出したか否かを判断する。子機コントローラ117が、そのような指示を検出したと判断すると(ステップS1610にてYES)、処理は終了する。そうでない場合には(ステップS1610にてNO)、処理はステップS1620に移される。
ステップS1620にて、子機コントローラ117は、親機から受信した信号に基づいてパン/チルト操作の信号を受信したか否かを判断する。子機コントローラ117が当該信号を受信したと判断すると(ステップS1620にてYES)、処理はステップS332(図15)に戻される。そうでない場合には(ステップS1620にてNO)、処理はステップS1630に移される。
ステップS1630にて、子機コントローラ117は、画像を全体表示する指示を検出したか否かを判断する。子機コントローラ117がそのような指示を検出したと判断すると(ステップS1630にてYES)、処理はステップS1640に移される。そうでない場合には(ステップS1630にてNO)、処理はステップS1670に移される。
ステップS1640にて、子機1300は、撮像素子111によって撮影可能な範囲の全体を表示する画像信号を、親機150に送信する。モニタ122は、当該画像信号に基づいて全体の画像を表示する。
ステップS1642にて、子機1300は、親機150から子機1300を制御するための信号を受信する。ステップS1650にて、子機コントローラ117は、その受信された信号に基づいて表示を終了する指示を検出したか否かを判断する。子機コントローラ117がそのような指示を検出したと判断すると(ステップS1650にてYES)、処理は終了する。そうでない場合には(ステップS1650にてNO)、処理はステップS1660に移される。
ステップS1660にて、子機コントローラ117は、親機から受信した信号に基づいて、パン/チルト操作の信号を受信したか否かを判断する。子機コントローラ117が当該信号を受信したと判断すると(ステップS1660にてYES)、処理はステップS322(図15)に移される。そうでない場合には(ステップS1660にてNO)、処理はステップS1642に戻される。
ステップS1670にて、子機コントローラ117は、顔検出部1310から出力されたデータを受信する。ステップS1680にて、子機コントローラ117は、顔検出部1310が人物の顔を検出したか否かを判断する。子機コントローラ117が、顔検出部1310が人物の顔を検出したと判断すると(ステップS1680にてYES)、処理はステップS1602に戻される。そうでない場合には(ステップS1680にてNO)、処理はステップS306(図15)に戻される。
以上のようにして、本発明の第2の実施の形態に係るテレビドアホンシステム20によると、住人がパン表示あるいはチルト表示のための操作をあえて行なわなくても、子機1300で撮影された訪問者の顔は、顔検出部1310からの出力に応じて、モニタ122の画面の見やすい位置に自動的に拡大表示される。
また、訪問者が撮像されていない場合は、特定の部分の拡大画像ではなく、全体の画像が表示されるので、住人は、撮像素子111により撮影された全体の範囲の様子を確認することができる。
また、住人がパン表示あるいはチルト表示のための操作を行なった場合は、住人による操作に基づく処理を他の信号に基づく処理よりも優先させることができる。これにより、住人による操作性の低下が防止され得る。
さらに、顔検出部1310からの出力によって画像が拡大して表示されている場合でも、親機コントローラ124は、拡大表示している画像位置を管理することができる。その結果、モニタ122は、拡大して表示されたエリアと全体エリアの位置関係をスーパーインポーズで表示することができる。このため、特定の範囲の映像が表示されている場合でも、住人は、全体の範囲におけるその特定の範囲の位置を容易に把握でき、また、来訪者を容易に認識できる。
<第3の実施の形態>
以下、本発明の第3の実施の形態について説明する。本実施の形態に係るテレビドアホンシステムは、デジタル映像信号に対してフレーム間の補間処理を行なう機能を有する点で前述の各実施の形態に係るテレビドアホンシステムと異なる。
以下、本発明の第3の実施の形態について説明する。本実施の形態に係るテレビドアホンシステムは、デジタル映像信号に対してフレーム間の補間処理を行なう機能を有する点で前述の各実施の形態に係るテレビドアホンシステムと異なる。
図17を参照して、本発明の第3の実施の形態に係るテレビドアホンシステム30について説明する。図17は、テレビドアホンシステム30のハードウェア構成を表わすブロック図である。テレビドアホンシステム30は、子機1700と親機150とを備える。子機1700は、図13に示される子機1300の構成に加えて、さらに、映像処理部114と通信I/F115との間にフレーム補間処理部1710を備える。
フレーム補間処理部1710は、映像処理部114から出力されるデジタル映像信号に対してフレーム間の補間処理を行なう。たとえば、フレーム補間処理部1710は、映像処理部114から出力された連続した2つのフレームから、これらのフレームを補間するためのフレームを生成し、当該2つのフレームの間にその生成したフレームを挿入する。その結果フレームレートがさらに増加するため、モニタ122は、各フレームを補間しない場合よりも滑らかに動く画像を表示することができる。
なお、補間フレームの生成の態様は、特に限られない。たとえば直線的な補間によってフレームが生成されてもよいし、非線形の関係に基づく補間が行なわれてもよい。
以上のようにして、本発明の第3の実施の形態に係るテレビドアホンシステム30によると、フレームレートが増加されるため、モニタ122は、滑らかに動く画像を表示することができる。
なお、上記の実施の形態では、子機1700がフレーム補間処理部1710を備える場合について例示したが、親機150が通信I/F121とモニタ122との間にフレーム補間処理機能を備える構成であってもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10,20,30 テレビドアホンシステム、107,108 ケーブル、110 レンズ、130 通信ケーブル、511,511−1,・・・ 受光部、512,512−1・・・ 垂直CCD、513 水平CCD、514 電荷電圧変換部、515 出力アンプ、516 垂直転送電極、517 水平転送電極、113a,113b,113d,113e,113g D型フリップフロップ、113c 加算器、113f,1111,1114,1116,1117 セレクタ、1115 ゲート回路。
Claims (7)
- テレビドアホンシステムであって、第1の通信装置と、通信回線によって前記第1の通信装置に接続された第2の通信装置とを備え、
前記第1の通信装置は、
被写体を撮影する撮影手段を備え、前記撮影手段は、光信号を電気信号に変換して前記電気信号を出力する撮像素子を有し、前記第1の通信装置は、さらに、
前記撮像素子を駆動するためのタイミング信号を生成するタイミング信号生成手段と、
前記撮像素子から出力される電気信号をデジタル信号に変換する変換手段と、
前記変換手段の出力に対して指定された水平方向の読出位置から開始するデジタル信号を抽出して出力する映像抽出手段と、
予め規定された信号処理を前記デジタル信号について実行してデジタル映像信号を生成する映像処理手段と、
前記第2の通信装置に信号を送信する第1の送信手段と、
前記第2の通信装置から信号を受信する第1の受信手段と、
前記第1の通信装置の動作を制御する第1の制御手段とを備え、
前記第2の通信装置は、
前記第1の通信装置からデジタル映像信号を受信する第2の受信手段と、
前記第2の受信手段によって受信されたデジタル映像信号に基づいて映像を表示する表示手段と、
前記表示手段における映像の表示態様を変更するための指示の入力を受け付ける入力手段と、
前記第2の通信装置の動作を制御する第2の制御手段と、
前記指示を前記第1の通信装置に送信する第2の送信手段とを備え、
前記第1の制御手段は、
前記指示に基づいて、前記撮像素子の垂直方向の画素から信号を読み出す第1の読出方法または読み出された前記電荷を転送する転送方法を変更するための前記タイミング信号を前記タイミング信号生成手段に生成させる第1の変更手段と、
前記指示に基づいて、水平方向の画素から信号を読み出す第2の読出方法を、前記映像抽出手段に変更させる第2の変更手段とを含む、テレビドアホンシステム。 - 前記第1の通信装置は、
前記デジタル映像信号に基づいて人物の顔の有無を検出する検出手段と、
前記デジタル映像信号に基づいて前記人物の顔の位置情報を取得する取得手段とをさらに備え、
前記第1の変更手段は、前記検出手段による検出の結果に基づいて、前記第1の読出方法または前記転送方法を変更するように、前記タイミング信号生成手段に前記タイミング信号を生成させ、
前記第2の変更手段は、前記検出手段による検出の結果に基づいて、前記第2の読出方法を前記映像抽出手段に変更させる、請求項1に記載のテレビドアホンシステム。 - 前記第1の送信手段は、前記検出手段が人物の顔を検出しなかった場合に、前記映像処理手段からの出力に基づいて、前記撮影手段によって撮影された範囲に対応する画像を表示するための全体表示信号を、前記第2の通信装置に送信し、
前記表示手段は、前記全体表示信号に基づいて、前記範囲に対応する画像を表示する、請求項2に記載のテレビドアホンシステム。 - 前記第2の制御手段は、前記入力手段に対する操作を検出する操作検出手段を含み、
前記第2の送信手段は、前記操作を表わす操作信号を前記第1の通信装置に送信し、
前記第1の制御手段は、前記操作信号に基づいて、前記検出手段からの出力に基づく信号の送信を禁止する禁止手段をさらに含み、
前記第1の変更手段は、前記操作信号に基づいて、前記第1の読出方法または前記転送方法を変更するためのタイミング信号を前記タイミング信号生成手段に生成させ、
前記第2の変更手段は、前記操作信号に基づいて、前記第2の読出方法を前記映像抽出手段に変更させる、請求項2に記載のテレビドアホンシステム。 - 前記第1の通信装置は、前記検出手段が人物の顔を検出した場合に、前記取得手段で取得した前記人物の顔の位置情報を前記第2の通信装置に送信し、
前記表示手段は、前記位置情報に基づいて前記人物の顔の位置を表わす情報を表示する、請求項2に記載のテレビドアホンシステム。 - 前記第1の通信装置は、前記デジタル映像信号に含まれる複数のフレームについてフレーム間を補間する補間処理手段をさらに備える、請求項1〜5のいずれかに記載のテレビドアホンシステム。
- 前記第2の通信装置は、前記デジタル映像信号に含まれる複数のフレームについてフレーム間を補間する補間処理手段をさらに備える、請求項1〜5のいずれかに記載のテレビドアホンシステム。
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JP2010034615A (ja) * | 2008-07-24 | 2010-02-12 | Aiphone Co Ltd | インターホン装置 |
JP2011035644A (ja) * | 2009-07-31 | 2011-02-17 | Panasonic Electric Works Co Ltd | インターホンシステム |
CN103873820A (zh) * | 2012-12-17 | 2014-06-18 | 杭州海康威视数字技术股份有限公司 | 对摄像机菜单进行控制的方法及系统 |
-
2006
- 2006-09-19 JP JP2006252755A patent/JP2008078751A/ja not_active Withdrawn
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Date | Code | Title | Description |
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A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20091201 |