JP2008069040A - 二酸化炭素回収システムおよび二酸化炭素回収方法 - Google Patents
二酸化炭素回収システムおよび二酸化炭素回収方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2008069040A JP2008069040A JP2006249547A JP2006249547A JP2008069040A JP 2008069040 A JP2008069040 A JP 2008069040A JP 2006249547 A JP2006249547 A JP 2006249547A JP 2006249547 A JP2006249547 A JP 2006249547A JP 2008069040 A JP2008069040 A JP 2008069040A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- carbon dioxide
- water vapor
- lean
- synthesis gas
- liquid
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02A—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
- Y02A50/00—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
- Y02A50/20—Air quality improvement or preservation, e.g. vehicle emission control or emission reduction by using catalytic converters
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/151—Reduction of greenhouse gas [GHG] emissions, e.g. CO2
Landscapes
- Carbon And Carbon Compounds (AREA)
- Treating Waste Gases (AREA)
- Hydrogen, Water And Hydrids (AREA)
Abstract
【課題】水素を製造する合成ガス製造装置から排出される燃焼排ガスや、合成ガス製造装置から導出される合成ガスの熱を水蒸気供給装置の熱源として利用し、熱エネルギの消費を大幅に削減できる二酸化炭素回収システムおよび二酸化炭素回収方法を提供すること目的とする。
【解決手段】二酸化炭素回収システム10は、水素および二酸化炭素を主成分とする合成ガスを製造する合成ガス製造部30と、吸収塔410、再生塔420および水蒸気供給装置430を有し、合成ガス製造部30の加熱炉300から排出された燃焼排ガス304から二酸化炭素を回収する排ガス処理部40と、吸収塔510、再生塔520、水蒸気供給装置530および冷却装置540を有し、合成ガス製造部30の選択酸化塔320から排出された合成ガス321から二酸化炭素を回収し、水素507と分離する合成ガス分離部50とを備えている。
【選択図】図1
【解決手段】二酸化炭素回収システム10は、水素および二酸化炭素を主成分とする合成ガスを製造する合成ガス製造部30と、吸収塔410、再生塔420および水蒸気供給装置430を有し、合成ガス製造部30の加熱炉300から排出された燃焼排ガス304から二酸化炭素を回収する排ガス処理部40と、吸収塔510、再生塔520、水蒸気供給装置530および冷却装置540を有し、合成ガス製造部30の選択酸化塔320から排出された合成ガス321から二酸化炭素を回収し、水素507と分離する合成ガス分離部50とを備えている。
【選択図】図1
Description
本発明は、炭化水素を水蒸気を用いて改質する水素製造装置の加熱炉から排出される燃焼排ガスに含まれる二酸化炭素を回収する二酸化炭素回収システムおよび二酸化炭素回収方法に関する。
近年、化石燃料の燃焼生成物である二酸化炭素の温室効果による地球温暖化の問題が大きくなっている。気候変動に関する国際連合枠組条約の京都議定書において、我が国の温室効果ガス排出削減の目標は、1990年の比率マイナス6%を2008〜2012年の間に達成することである。
このような背景の中、加熱炉から排出される二酸化炭素を、例えば、炭酸塩である炭酸カリウムの水溶液を吸収液として用いることにより、二酸化炭素を回収するシステムが提案されている(例えば、非特許文献1および特許文献1参照。)。
ここで、従来の二酸化炭素回収システム200について、図4を参照して説明する。
図4は、従来の二酸化炭素回収システム200の概要を模式的に示した図である。この従来の二酸化炭素回収システム200は、炭酸カリウム水溶液を吸収液として用いて、二酸化炭素を回収するシステムである。
図4に示すように、化石燃料を燃焼して排出された排ガス201は、ガスブロワ202によって吸収塔203に導かれる。吸収塔203の上部には、リーン吸収液204が供給される。この供給されたリーン吸収液204は、導入された排ガス201と気液接触して、排ガス201中の二酸化炭素を吸収する。一方、リーン吸収液204と気液接触した排ガス201は、吸収塔203の上部から大気へ放出される。ここで、このリーン吸収液204および排ガス201は、温度が55〜70℃で吸収塔203に供給され、吸収塔203内は絶対圧力100kPa程度に設定されている。
二酸化炭素を吸収したリッチ吸収液205は、吸収塔203の下部から抜出しポンプ206によって再生塔207に導かれる。再生塔207に導かれたリッチ吸収液205は、リボイラ208から供給された水蒸気209ともに撹乱される。ここで、このリッチ吸収液205および水蒸気209は、温度が55〜70℃で再生塔207に供給され、再生塔207内は絶対圧力30〜70kPa程度に設定されている。そして、二酸化炭素がリッチ吸収液205から水蒸気209中に放散され、再び二酸化炭素を吸収できるリーン吸収液204に再生される。
再生されたリーン吸収液204は、循環ポンプ210により、吸収塔203の上部へ戻される。一方、リッチ吸収液205から水蒸気209中に放散された二酸化炭素は、水蒸気209とともに真空引き装置212に導かれ、さらに分離器213に導かれて水蒸気209と分離され回収される。ここで、真空引き装置212は、水蒸気209の一部を凝縮させて取り除くためのコンデンサを備えている。
このように構成された従来の二酸化炭素回収システム200では、リボイラ208によってリーン吸収液204または水を沸騰させて水蒸気209を発生させていた。
(財)石油産業活性化センター、平成17年度石油環境対策基盤等整備事業、製油所における低エネルギーCO2回収技術と高濃度CO2固定化可能性に関する調査報告書PEC−2005T−13、平成18年3月 特開2003−34503号公報
(財)石油産業活性化センター、平成17年度石油環境対策基盤等整備事業、製油所における低エネルギーCO2回収技術と高濃度CO2固定化可能性に関する調査報告書PEC−2005T−13、平成18年3月
上述した従来の二酸化炭素回収システムでは、リーン吸収液または水を沸騰させて水蒸気を発生させることのみ用いられる大きな熱エネルギをリボイラで消費するため、システム効率の向上を図ることは難しかった。
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、水素を製造する合成ガス製造装置から排出される燃焼排ガスや、合成ガス製造装置から導出される合成ガスの熱を水蒸気供給装置の熱源として利用することにより、熱エネルギの消費を大幅に削減することができる二酸化炭素回収システムおよび二酸化炭素回収方法を提供すること目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の二酸化炭素回収システムは、炭化水素を水蒸気を用いて改質し、水素および二酸化炭素を主成分とする合成ガスを製造する合成ガス製造装置と、前記合成ガス製造装置から排出された二酸化炭素を含む燃焼排ガスと第1のリーン吸収液とを気液接触させて前記燃焼排ガス中の二酸化炭素を前記第1のリーン吸収液に吸収させて、前記第1のリーン吸収液を第1のリッチ吸収液にする第1の吸収装置と、前記第1のリッチ吸収液と第1の水蒸気とを気液接触させて前記第1のリッチ吸収液から二酸化炭素を前記第1の水蒸気中に放散させて、前記第1のリッチ吸収液を前記第1のリーン吸収液に再生する第1の再生装置と、前記第1の再生装置に前記第1の水蒸気を供給する第1の水蒸気供給装置と、前記合成ガス製造装置で製造された合成ガスと第2のリーン吸収液とを気液接触させて前記合成ガス中の二酸化炭素を前記第2のリーン吸収液に吸収させて、前記第2のリーン吸収液を第2のリッチ吸収液にする第2の吸収装置と、前記第2のリッチ吸収液と第2の水蒸気とを気液接触させて前記第2のリッチ吸収液から二酸化炭素を前記第2の水蒸気中に放散させて、前記第2のリッチ吸収液を前記第2のリーン吸収液に再生する第2の再生装置と、前記第2の再生装置に前記第2の水蒸気を供給する第2の水蒸気供給装置とを具備することを特徴とする。
この二酸化炭素回収システムによれば、合成ガス製造装置から排出された二酸化炭素を含む燃焼排ガスから二酸化炭素を回収し、合成ガス製造装置で製造された合成ガスから二酸化炭素を回収し、水素と分離することができる。
本発明の二酸化炭素回収方法は、合成ガス製造装置において、炭化水素を水蒸気を用いて改質し、水素および二酸化炭素を主成分とする合成ガスを製造する合成ガス製造工程と、前記合成ガス製造装置から排出された二酸化炭素を含む燃焼排ガスと第1のリーン吸収液とを第1の吸収装置に導き、前記燃焼排ガスと前記第1のリーン吸収液とを気液接触させて前記燃焼排ガス中の二酸化炭素を前記第1のリーン吸収液に吸収させて、前記第1のリーン吸収液を第1のリッチ吸収液にする第1の吸収工程と、前記第1のリッチ吸収液と第1の水蒸気供給装置から供給された第1の水蒸気とを第1の再生装置に導き、前記第1のリッチ吸収液と前記第1の水蒸気とを気液接触させて前記第1のリッチ吸収液から二酸化炭素を前記第1の水蒸気中に放散させて、前記第1のリッチ吸収液を前記第1のリーン吸収液に再生する第1の再生工程と、前記合成ガス製造装置で製造された合成ガスと第2のリーン吸収液とを第2の吸収装置に導き、前記合成ガスと前記第2のリーン吸収液とを気液接触させて前記合成ガス中の二酸化炭素を前記第2のリーン吸収液に吸収させて、前記第2のリーン吸収液を第2のリッチ吸収液にする第2の吸収工程と、前記第2のリッチ吸収液と第2の水蒸気供給装置から供給された第2の水蒸気とを第2の再生装置に導き、前記第2のリッチ吸収液と前記第2の水蒸気とを気液接触させて前記第2のリッチ吸収液から二酸化炭素を前記第2の水蒸気中に放散させて、前記第2のリッチ吸収液を前記第2のリーン吸収液に再生する第2の再生工程とを具備することを特徴とする。
この二酸化炭素回収方法によれば、第1の吸収工程および第1の再生工程において、合成ガス製造装置から排出された二酸化炭素を含む燃焼排ガスから二酸化炭素を回収し、第2の吸収工程および第2の再生工程において、合成ガス製造装置で製造された合成ガスから二酸化炭素を回収し、水素と分離することができる
本発明の二酸化炭素回収システムおよび二酸化炭素回収方法によれば、水素を製造する合成ガス製造装置から排出される燃焼排ガスや、合成ガス製造装置から導出される合成ガスの熱を水蒸気供給装置の熱源として利用することにより、熱エネルギの消費を大幅に削減することができる。
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態の二酸化炭素回収システム10の概要を模式的に示した図である。
図1は、本発明の第1の実施の形態の二酸化炭素回収システム10の概要を模式的に示した図である。
図1に示すように、この二酸化炭素回収システム10は、合成ガス製造部30と、排ガス処理部40と、合成ガス分離部50と、制御部140とから主に構成されている。なお、図1において、制御部140は、後述する各ポンプ、各構成機器などと電気的に接続されているが、図の明記のため接続線の記載は省略する。
まず、合成ガス製造部30の構成について説明する。
合成ガス製造部30では、炭化水素を水蒸気を用いて改質し、水素および二酸化炭素を主成分とする合成ガスを製造する。この合成ガス製造部30は、加熱炉300と、脱硫塔310と、選択酸化塔320とを備えている。
加熱炉300は、燃料301が噴出されて燃焼する燃焼部303と、燃焼部303からの燃焼排ガス304が対流する熱対流部305と、燃焼排ガス304を排出する排気口306とから構成されている。
加熱炉300における燃焼部303の上部には、重油などの燃料301を導入するための燃料導入部(図示しない)が設けられている。また、燃焼部303には、燃焼部303の上部から下部に亘って、複数の反応管302が配置されている。この反応管302内には、反応を促進するためにニッケル触媒が備えられている。
また、熱対流部305には、熱対流部305の上部から下部に亘って、導入されたナフサや廃プラスチックなどの炭化水素307を熱分解する熱分解管330が配置されている。また、熱対流部305の下部には、熱分解管330から分解ガス308を脱硫塔310の上部へ導く配管331が設けられている。
また、熱対流部305には、脱硫塔310の内部で硫黄分が除去された分解ガス311を水蒸気312によって一次改質するための一次改質管332が配置されている。この一次改質管332は、脱硫塔310の下部と配管333を介して接続されている。また、この配管333には、水蒸気312を供給するための水蒸気供給管334が接続されている。
また、一次改質管332と反応管302との間には、一次改質管332で一次改質された改質ガス313を熱対流部305の上部から反応管302の上部に導く配管335が設けられている。また、燃焼部303の下部には、反応管302で二次改質された改質ガス314を選択酸化塔320の上部へ導く配管336が設けられている。また、選択酸化塔320の下部には、選択酸化塔320の内部で改質ガス314中の一酸化炭素が選択的に二酸化炭素に酸化された合成ガス321を合成ガス分離部50に導く配管337が設けられている。また、加熱炉300の排気口306には、燃焼排ガス304を排ガス処理部40に導く配管338が設けられている。
次に、排ガス処理部40の構成について説明する。
排ガス処理部40では、合成ガス製造部30の加熱炉300から排出された二酸化炭素を含む燃焼排ガス304から二酸化炭素を回収する。この排ガス処理部40は、吸収塔410と、再生塔420と、水蒸気供給装置430とを備えている。
吸収塔410の下部には、合成ガス製造部30の加熱炉300から排出された燃焼排ガス304を導く配管338が接続されている。また、配管338には、燃焼排ガス304を吸収塔410内に送気するためのガスブロワ401が連結されている。
また、吸収塔410の上部と再生塔420の底部との間には、再生塔420の底部から排出されるリーン吸収液402を吸収塔410の上部に導く配管440が設けられている。また、この配管440には、送液ポンプ406が介在している。また、吸収塔410の内部には、吸収塔410の上部から吸収塔410内に噴出されたリーン吸収液402と吸収塔410に導入された燃焼排ガス304とを主として気液接触させる、例えば、多孔構造、ハニカム構造などを有する充填材を設置することが好ましい。また、吸収塔410の上端部には、リーン吸収液402と気液接触した後の燃焼排ガス304を大気中に排気するための排気口411が設けられている。
さらに、吸収塔410の底部と再生塔420の上部との間には、二酸化炭素を吸収したリッチ吸収液403を吸収塔410の底部から再生塔420の上部に導く配管441が設けられている。また、この配管441には、送液ポンプ404が介在している。
再生塔420の下部には、水蒸気供給装置430が連結されており、水蒸気供給装置430から再生塔420内に水蒸気405が供給される。また、水蒸気供給装置430と後述する合成ガス分離部50の冷却装置540とは、水蒸気供給装置430と冷却装置540に熱媒体431を還流させる熱媒体ライン442によって連結されている。なお、図示していないが、熱媒体ライン442には、熱媒体431を還流させるための送液ポンプが介在されている。ここで、熱媒体431として、例えば、水またはポリエチレングリコールなどの液体が用いられる。熱媒体431として水またはポリエチレングリコールなどの液体を用いるのは、気体を用いる場合より、水蒸気供給装置430および冷却装置540における熱交換効率が高くなるからである。
また、図1に示すように、再生塔420の底部に溜まったリーン吸収液402の一部を水蒸気供給装置430に導く配管444を設け、水蒸気供給装置430において熱媒体431からの熱を利用して、このリーン吸収液402の水分を蒸発させて水蒸気405を発生させてもよい。なお、水蒸気供給装置430において水蒸気405を発生させる際に、リーン吸収液402を用いずに、例えば、他から供給された水を用いてもよい。また、水蒸気供給装置430は、再生塔420の下部から再生塔420内に水蒸気405を供給できるものであればよく、例えば、熱交換器の機能を有するリボイラなどで構成される。なお、水蒸気供給装置430は、水蒸気を発生させる機能を有しなくても、例えば、他の装置で生成された水蒸気を再生塔420の下部から再生塔420内に供給するものであってもよい。
また、再生塔420の頂部には、水蒸気405とともに水蒸気405中に放散された二酸化炭素408を回収するための二酸化炭素回収ライン443が設けられている。また、この二酸化炭素回収ライン443には、再生塔420から水蒸気405および水蒸気405中に放散された二酸化炭素408を回収し、水蒸気405中に放散された二酸化炭素408を回収するために、図示しない、真空引き装置および分離器が設けられている。この分離器は、水蒸気405と二酸化炭素408とを分離するものである。
ここで、リーン吸収液402とは、吸収塔410で二酸化炭素を吸収する前の吸収液であり、例えば、再生塔420で二酸化炭素を放散して再生された吸収液も含まれる。また、リッチ吸収液403とは、吸収塔410で二酸化炭素などを吸収した、再生塔420で二酸化炭素を放散する前の状態の吸収液である。
また、リーン吸収液402は、炭酸カリウムおよび炭酸水素カリウムの水溶液であり、二酸化炭素の吸収促進剤であるピペラジン等の有機物は添加されていない。ピペラジン等の有機物を添加しないのは、ピペラジン等の有機物を添加すると、ピペラジン等と燃焼排ガス304中の硫黄酸化物とが反応し、その反応物を容易に廃棄処理することができないからである。炭酸カリウムおよびその反応生成物である炭酸水素カリウムの合計濃度は、炭酸カリウムの重量濃度に換算して20〜35%である。炭酸カリウムの濃度をこの範囲に設定したのは、重量濃度が20%より低い場合には、二酸化炭素の吸収量が不十分となり、重量濃度が35%より高い場合には、二酸化炭素を吸収する速度が十分に高くならないからである。
次に、合成ガス分離部50の構成について説明する。
合成ガス分離部50では、合成ガス製造部30の選択酸化塔320から排出された合成ガス321から二酸化炭素を回収し、水素507と分離する。この合成ガス分離部50は、吸収塔510と、再生塔520と、水蒸気供給装置530と、冷却装置540とを備えている。
吸収塔510の下部には、合成ガス製造部30の選択酸化塔320から排出された合成ガス321を導く配管337が接続されている。また、配管337には、合成ガス321を吸収塔510内に送気するための送気ポンプ501が連結されている。
また、吸収塔510の上部と再生塔520の底部との間には、再生塔520の底部から排出されるリーン吸収液502を吸収塔510の上部に導く配管550が設けられている。また、この配管550には、送液ポンプ506が介在している。さらに、配管550には、熱媒体ライン442を介して排ガス処理部40の水蒸気供給装置430と連結された冷却装置540が介在している。また、吸収塔510の内部には、吸収塔510の上部から吸収塔510内に噴出されたリーン吸収液502と吸収塔510に導入された合成ガス321とを主として気液接触させる、例えば、多孔構造、ハニカム構造などを有する充填材を設置することが好ましい。また、吸収塔510の上端部には、リーン吸収液502と気液接触し、二酸化炭素が吸収された後の合成ガス321、すなわち水素507を回収するための水素回収ライン551が設けられている。
さらに、吸収塔510の底部と再生塔520の上部との間には、二酸化炭素を吸収したリッチ吸収液503を吸収塔510の底部から再生塔520の上部に導く配管552が設けられている。また、この配管552には、送液ポンプ504が介在している。
再生塔520の下部には、水蒸気供給装置530が連結されており、水蒸気供給装置530から再生塔520内に水蒸気505が供給される。
また、図1に示すように、再生塔520の底部に溜まったリーン吸収液502の一部を水蒸気供給装置530に導く配管553を設け、水蒸気供給装置530においてこのリーン吸収液502の水分を蒸発させて水蒸気505を発生させてもよい。ここで、水蒸気供給装置530において水蒸気505を発生させるために、例えば、合成ガス製造部30の加熱炉300から排出された燃焼排ガス304や合成ガス製造部30の選択酸化塔320から排出された合成ガス321の熱を利用してもよい。なお、水蒸気供給装置530を通過した燃焼排ガス304や合成ガス321は、それぞれ吸収塔410、510に供給される。
ここで、水蒸気供給装置530において水蒸気505を発生させる際に、リーン吸収液502を用いずに、例えば、他から供給された水を用いてもよい。また、水蒸気供給装置530は、再生塔520の下部から再生塔520内に水蒸気505を供給できるものであればよく、例えば、熱交換器の機能を有するリボイラなどで構成される。なお、水蒸気供給装置530は、水蒸気を発生させる機能を有しなくても、例えば、他の装置で生成された水蒸気を再生塔520の下部から再生塔520内に供給するものであってもよい。
また、再生塔520の頂部には、水蒸気505とともに水蒸気505中に放散された二酸化炭素508を回収するための二酸化炭素回収ライン554が設けられている。また、この二酸化炭素回収ライン554には、再生塔520から水蒸気505および水蒸気505中に放散された二酸化炭素508を回収し、水蒸気505中に放散された二酸化炭素508を回収するために、図示しない、真空引き装置および分離器が設けられている。この分離器は、水蒸気505と二酸化炭素508とを分離するものである。
ここで、リーン吸収液502は、炭酸カリウムおよび炭酸水素カリウムの水溶液であり、二酸化炭素の吸収促進剤であるピペラジン等の有機物が添加されている。ピペラジン等を添加したのは、合成ガス321中の硫黄酸化物が極めて少ないためと、ピペラジン等の有機物を添加しないと、水素507の二酸化炭素の分離効率が著しく低下するためである。炭酸カリウムおよびその反応生成物である炭酸水素カリウムの合計濃度は、炭酸カリウムの重量濃度に換算して20〜35%である。炭酸カリウムの濃度をこの範囲に設定したのは、重量濃度が20%より低い場合には、二酸化炭素の吸収量が不十分になり、重量濃度が35%より高い場合には、二酸化炭素を吸収する速度が十分に高くならないからである。
次に、二酸化炭素回収システム10の作用について説明する。なお、各ポンプ、各構成機器などは制御部140に制御され、二酸化炭素回収システム10が作動する。
合成ガス製造部30において、燃料301は、加熱炉300の燃焼部303内に供給されて燃焼し、燃焼部303内の反応管302が1000℃程度に加熱される。燃料301の燃焼生成物である燃焼排ガス304は、加熱炉300の燃焼部303から熱対流部305、排気口306の順に導かれ、配管338を通って排ガス処理部40に導かれる。
合成ガス製造部30において、燃料301は、加熱炉300の燃焼部303内に供給されて燃焼し、燃焼部303内の反応管302が1000℃程度に加熱される。燃料301の燃焼生成物である燃焼排ガス304は、加熱炉300の燃焼部303から熱対流部305、排気口306の順に導かれ、配管338を通って排ガス処理部40に導かれる。
炭化水素307は、熱対流部305に配置された熱分解管330に導入され、燃焼排ガス304によって700℃程度に加熱され分解ガス308となる。なお、炭化水素307が廃プラスチックである場合、廃プラスチックは細かく切断された後に熱分解管330に導入される。
分解ガス308は、配管331を通って脱硫塔310内に導かれ、不要な硫黄分が吸着されて除去される。分解ガス308から硫黄分が除去された分解ガス311は、配管333に導かれ、水蒸気312と混合されて熱対流部305に配置された一次改質管332に導入される。熱対流部305に導入された分解ガス311と水蒸気312は、燃焼排ガス304により800℃程度に加熱されて一次改質され改質ガス313となる。
続いて、一次改質された改質ガス313は、燃焼部303内の1000℃程度に加熱された反応管302内に導かれて二次改質され、水素および一酸化炭素を主成分とする改質ガス314となる。
二次改質された改質ガス314は、配管336を介して選択酸化塔320内に導入され、水素および二酸化炭素が主成分である合成ガス321となる。換言すれば、改質ガス314中の一酸化炭素は選択的に酸化されて二酸化炭素になり、改質ガス314は、水素および二酸化炭素を主成分とする合成ガス321となる。この合成ガス321は、選択酸化塔320から排出され、配管337を通って合成ガス分離部50に導かれる。
排ガス処理部40において、合成ガス製造部30の加熱炉300から配管338に導かれた燃焼排ガス304は、温度が55〜70℃に調整されてから、ガスブロワ401によって吸収塔410の下部から吸収塔410内に供給される。燃焼排ガス304が吸収塔410内に供給されると、温度が55〜70℃のリーン吸収液402が、送液ポンプ406によって吸収塔410の上部から吸収塔410内に噴出される。吸収塔410内に噴出されたリーン吸収液402は、燃焼排ガス304と気液接触し、燃焼排ガス304に含まれる二酸化炭素を吸収してリッチ吸収液403となる。ここで、吸収塔410内では、絶対圧力が90〜150kPaの雰囲気圧力の下、リーン吸収液402と燃焼排ガス304とが55〜70℃の温度で気液接触する。気液接触した後の燃焼排ガス304は、吸収塔410の頂部から大気中に放出される。
ここで、吸収塔410内の絶対圧力を90〜150kPaに設定するのは、圧力が90kPaより低い場合には、リーン吸収液402における二酸化炭素の吸収速度が低く、圧力が150kPaより高い場合には、ガスブロワ401に要する動力エネルギが過大になるからである。また、リーン吸収液402と燃焼排ガス304とが気液接触する際の温度を55〜70℃の範囲に設定するのは、吸収塔410内の絶対圧力が90〜150kPaの下、温度が70℃より高い場合および温度が55℃より低い場合には、リーン吸収液402における二酸化炭素の吸収速度が低下するからである。
二酸化炭素を吸収したリッチ吸収液403は、温度が55〜70℃に維持され、送液ポンプ404によって配管441に導かれ、再生塔420の上部から再生塔420内に噴出される。再生塔420内にリッチ吸収液403が噴出されると、温度が55〜70℃の水蒸気405が水蒸気供給装置430いよって再生塔420の下部から再生塔420内に供給される。再生塔420内に噴出されたリッチ吸収液403は、水蒸気405と気液接触し、水蒸気405中に二酸化炭素を放散し、リーン吸収液402となる。ここで、再生塔420内では、絶対圧力が30〜70kPaの雰囲気圧力の下、リッチ吸収液403と水蒸気405とが55〜70℃の温度で気液接触する。再生されたリーン吸収液402は、温度が55〜70℃に維持され、送液ポンプ406によって配管440に導かれ、吸収塔410の上部に戻される。
ここで、再生塔420内の絶対圧力を30〜70kPaに設定するのは、リッチ吸収液403から二酸化炭素を放散しやすくするためである。また、リッチ吸収液403と水蒸気405とが気液接触する際の温度を55〜70℃に設定するのは、温度が55℃より低い場合には、二酸化炭素が放散し難くなり、温度が70℃より高い場合には、リーン吸収液402に再生して吸収塔410に戻す際に冷却しなければならないからである。
水蒸気405中に放散された二酸化炭素408は、水蒸気405とともに二酸化炭素回収ライン443に導かれ、図示しない、二酸化炭素回収ライン443に介在する真空引き装置および分離器を通過することで、水蒸気405と二酸化炭素408とが分離される。そして、分離された二酸化炭素408は、回収される。
なお、水蒸気供給装置430から再生塔420内に噴出される水蒸気405は、再生塔420の底部から配管444を通って水蒸気供給装置430内に導入されたリーン吸収液402が、熱媒体ライン442を還流する熱媒体431により加熱されて蒸発したものである。水蒸気供給装置430に流入する際の熱媒体431の温度は75〜90℃であり、水蒸気供給装置430から流出する際の熱媒体431の温度は65〜80℃である。この温度が65〜80℃の熱媒体431は、合成ガス分離部50の冷却装置540に還流され、冷却装置540において受熱し、再び温度が75〜90℃となる。
ここで、水蒸気供給装置430に流入する際の熱媒体431の温度を75〜90℃に設定したのは、温度が75℃より低いと、リーン吸収液402が容易に蒸発しないからであり、温度が90℃より高いと、水蒸気405の量が過大になるからである。
合成ガス分離部50において、合成ガス製造部30の選択酸化塔320から配管337に導かれた合成ガス321は、温度が75〜90℃に調整されてから、送気ポンプ501によって吸収塔510の下部から吸収塔510内に供給される。合成ガス321が吸収塔510内に供給されると、温度が75〜90℃のリーン吸収液502が、送液ポンプ506によって吸収塔510の上部から吸収塔510内に噴出される。吸収塔510内に噴出されたリーン吸収液502は、合成ガス321と気液接触し、合成ガス321に含まれる二酸化炭素を吸収してリッチ吸収液503となる。ここで、吸収塔510内では、絶対圧力が1500〜2500kPaの雰囲気圧力の下、リーン吸収液502と合成ガス321とが75〜90℃の温度で気液接触する。合成ガス321は、二酸化炭素が吸収されて水素507となり、吸収塔510の頂部から水素回収ライン551に導かれ回収される。
ここで、吸収塔510内の絶対圧力が1500〜2500kPaであるのは、合成ガス製造部30から供給される合成ガス321の圧力がこの範囲の圧力であるからであり、この圧力を下げない方が吸収塔510内で二酸化炭素を吸収し易いからである。また、リーン吸収液502と合成ガス321とが気液接触する際の温度を75〜90℃の範囲に設定するのは、吸収塔510内の温度をこの範囲に設定して、二酸化炭素を吸収したリッチ吸収液503を再生塔520に供給することで、消費エネルギを少なくすることができる。
二酸化炭素を吸収したリッチ吸収液503は、送液ポンプ504によって配管552に導かれ、再生塔520の上部から再生塔520内に噴出される。再生塔520内にリッチ吸収液503が噴出されると、温度が120〜150℃の水蒸気505が水蒸気供給装置530から供給され、再生塔520の下部から再生塔520内に供給される。再生塔520内に噴出されたリッチ吸収液503は、水蒸気505と気液接触し、水蒸気505中に二酸化炭素を放散し、リーン吸収液502となる。ここで、再生塔520内では、絶対圧力が300〜700kPaの雰囲気圧力の下、リッチ吸収液503と水蒸気505とが100〜125℃の温度で気液接触する。再生されたリーン吸収液502は、送液ポンプ506によって配管550に導かれ、冷却装置540で温度調節された後、吸収塔510のの上部に戻される。
ここで、再生塔520内の絶対圧力を300〜700kPaに設定するのは、300kPaより低い場合には、過大な再生塔520が必要になり、700kPaより高い場合には、二酸化炭素が水蒸気505中に放散し難くなるためである。また、リッチ吸収液503と水蒸気505とが気液接触する際の温度を100〜125℃に設定するのは、温度が100℃より低い場合には、二酸化炭素が放散し難くなり、温度が125℃より高い場合には、多量の水蒸気505が二酸化炭素とともに再生塔520の頂部から二酸化炭素回収ライン554に導かれ、さらに消費エネルギが増加するからである。
水蒸気505中に放散された二酸化炭素508は、水蒸気505とともに二酸化炭素回収ライン554に導かれ、図示しない、二酸化炭素回収ライン554に介在する真空引き装置および分離器を通過することで、水蒸気505と二酸化炭素508とが分離される。そして、分離された二酸化炭素508は、回収される。
なお、水蒸気供給装置530から再生塔520内に噴出される水蒸気505は、再生塔520の底部から配管553を通って水蒸気供給装置530内に導入されたリーン吸収液502が、加熱されて蒸発したものである。また、水蒸気供給装置530から供給される水蒸気505の温度は120〜150℃である。ここで、水蒸気505の温度をこの範囲に設定したのは、温度が120℃より低い場合には、リッチ吸収液503の温度が100℃以上に上昇しないからであり、温度が150℃より高い場合には、リーン吸収液502が過度に加熱されるからである。
上記したように、第1の実施の形態の二酸化炭素回収システム10によれば、排ガス処理部40を備えることで、合成ガス製造部30の加熱炉300から排出された二酸化炭素を含む燃焼排ガス304から二酸化炭素を回収し、さらに合成ガス分離部50を備えることで、合成ガス製造部30の選択酸化塔320から排出された合成ガス321から二酸化炭素を回収し、水素507と分離することができる。また、合成ガス分離部50におけるリーン吸収液502の熱を冷却装置540により回収し、この熱を利用して排ガス処理部40の水蒸気供給装置430において水蒸気405を発生させることができる。これによって、二酸化炭素回収システム10における熱エネルギの消費を大幅に削減することができる。
(第2の実施の形態)
図2は、本発明の第2の実施の形態の二酸化炭素回収システム11の概要を模式的に示した図である。なお、第1の実施の形態の二酸化炭素回収システム10の構成と同一部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略または簡略する。
図2は、本発明の第2の実施の形態の二酸化炭素回収システム11の概要を模式的に示した図である。なお、第1の実施の形態の二酸化炭素回収システム10の構成と同一部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略または簡略する。
この二酸化炭素回収システム11は、水蒸気供給装置430、530において、合成ガス製造部30で製造された合成ガス321から熱を回収して水蒸気を発生させる構成を備える以外は、上述した第1の実施の形態の二酸化炭素回収システム10の構成と同じである。
図2に示すように、この二酸化炭素回収システム11は、合成ガス分離部50の選択酸化塔320から導出された合成ガス321を、水蒸気供給装置530、水蒸気供給装置430の順に導き、合成ガス分離部50の吸収塔510に導入する合成ガス供給ライン340が設けられている。
次に、二酸化炭素回収システム11の作用について説明する。
合成ガス製造部30の選択酸化塔320から排出された合成ガス321は、合成ガス供給ライン340に導かれ、温度が180〜250℃に調整されてから、熱媒体として合成ガス分離部50の水蒸気供給装置530に導入される。また、合成ガス321は、水蒸気供給装置530内での熱交換によって水蒸気505を発生させることにより、温度が130〜180℃になる。
合成ガス製造部30の選択酸化塔320から排出された合成ガス321は、合成ガス供給ライン340に導かれ、温度が180〜250℃に調整されてから、熱媒体として合成ガス分離部50の水蒸気供給装置530に導入される。また、合成ガス321は、水蒸気供給装置530内での熱交換によって水蒸気505を発生させることにより、温度が130〜180℃になる。
この温度が130〜180℃となった合成ガス321は、熱媒体として排ガス処理部40の水蒸気供給装置430に導入される。また、合成ガス321は、水蒸気供給装置430内での熱交換によって水蒸気405を発生させることにより、温度が75〜90℃になる。
この温度が75〜90℃となった合成ガス321は、合成ガス分離部50の吸収塔510の下部から吸収塔510内に導入される。
上記したように、第2の実施の形態の二酸化炭素回収システム11では、合成ガス製造部30の加熱炉300から排出された二酸化炭素を含む燃焼排ガス304から二酸化炭素を回収し、さらに合成ガス分離部50を備えることで、合成ガス製造部30の選択酸化塔320から排出された合成ガス321から二酸化炭素を回収し、水素507と分離することができる。また、合成ガス製造部30から合成ガス分離部50に導かれる合成ガス321の熱を利用して、合成ガス分離部50の水蒸気供給装置530において水蒸気505を発生させることができ、さらに排ガス処理部40の水蒸気供給装置530において水蒸気405を発生させることができる。これによって、二酸化炭素回収システム11における熱エネルギの消費を大幅に削減することができる。
(第3の実施の形態)
図3は、本発明の第3の実施の形態の二酸化炭素回収システム12の概要を模式的に示した図である。なお、第1の実施の形態の二酸化炭素回収システム10の構成と同一部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略または簡略する。
図3は、本発明の第3の実施の形態の二酸化炭素回収システム12の概要を模式的に示した図である。なお、第1の実施の形態の二酸化炭素回収システム10の構成と同一部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略または簡略する。
この二酸化炭素回収システム11は、水蒸気供給装置430、530において、合成ガス製造部30の加熱炉300から排出された燃焼排ガス304から熱を回収して水蒸気を発生させる構成を備える以外は、上述した第1の実施の形態の二酸化炭素回収システム10の構成と同じである。
図3に示すように、この二酸化炭素回収システム12は、合成ガス製造部30の加熱炉300から排出された燃焼排ガス304を、水蒸気供給装置530、水蒸気供給装置430の順に導き、排ガス処理部40の吸収塔410に導入する燃焼排ガス供給ライン345が設けられている。
次に、二酸化炭素回収システム12の作用について説明する。
加熱炉300の排気口306から排出された燃焼排ガス304は、燃焼排ガス供給ライン345に導かれ、温度が180〜250℃に調整されてから、熱媒体として合成ガス分離部50の水蒸気供給装置530に導入される。また、燃焼排ガス304は、水蒸気供給装置530内での熱交換によって水蒸気505を発生させることにより、温度が130〜180℃になる。
この温度が130〜180℃となった燃焼排ガス304は、熱媒体として排ガス処理部40の水蒸気供給装置430に導入される。また、燃焼排ガス304は、水蒸気供給装置430内での熱交換によって水蒸気405を発生させることにより、温度が55〜70℃になる。
この温度が55〜70℃となった燃焼排ガス304は、排ガス処理部40の吸収塔410の下部から吸収塔410内に導入される。
上記したように、第3の実施の形態の二酸化炭素回収システム12では、合成ガス製造部30の加熱炉300から排出された二酸化炭素を含む燃焼排ガス304から二酸化炭素を回収し、さらに合成ガス分離部50を備えることで、合成ガス製造部30の選択酸化塔320から排出された合成ガス321から二酸化炭素を回収し、水素507と分離することができる。また、合成ガス製造部30の加熱炉300から排出される燃焼排ガス304の熱を利用して、合成ガス分離部50の水蒸気供給装置530において水蒸気505を発生させることができ、さらに排ガス処理部40の水蒸気供給装置530において水蒸気405を発生させることができる。これによって、二酸化炭素回収システム12における熱エネルギの消費を大幅に削減することができる。
以上、本発明を実施の形態により具体的に説明したが、本発明はこれらの実施の形態にのみ限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
上記した二酸化炭素回収システム10、11、12では、合成ガス製造部30の選択酸化塔320から排出された合成ガス321または合成ガス製造部30の加熱炉300から排出される燃焼排ガス304を熱源として、水蒸気を発生させているが、この構成に限られるものでない。例えば、水蒸気供給装置430、530において水蒸気を発生させるための熱源として、合成ガス製造部30の選択酸化塔320から排出された合成ガス321および合成ガス製造部30の加熱炉300から排出される燃焼排ガス304の双方を用いてもよい。なお、この際、合成ガス321と燃焼排ガス304とは、別個の配管を介して水蒸気供給装置430、530において熱交換する。これによって、一方の熱源で不足する熱量を、他方の熱源で補足することが可能となる。
また、上記した二酸化炭素回収システム10、11、12では、排ガス処理部40のリーン吸収液402として、炭酸カリウムおよび炭酸水素カリウムの水溶液を用いた一例を示したが、これに限られるものではない。リーン吸収液402として、炭酸ナトリウムおよび炭酸水素ナトリウムの水溶液を用いてもよい。この場合には、炭酸ナトリウムおよびその反応生成物である炭酸水素ナトリウムの合計濃度が、炭酸ナトリウムの重量濃度に換算して9〜23%であることが好ましい。炭酸ナトリウムの重量濃度をこの範囲に設定するのは、濃度が9%より低い場合には、二酸化炭素の吸収量が不十分にり、濃度が23%より高い場合には、二酸化炭素を吸収する速度が十分に高くならないからである。
また、上記した二酸化炭素回収システム10、11、12では、合成ガス分離部50のリーン吸収液502として、炭酸カリウムおよび炭酸水素カリウムの水溶液を用いた一例を示したが、これに限られるものではない。リーン吸収液502として、モノエタノールアミンなどのアミン水溶液を用いてもよい。
10…二酸化炭素回収システム、30…合成ガス製造部、40…排ガス処理部、50…合成ガス分離部、140…制御部、300…加熱炉、301…燃料、302…反応管、303…燃焼部、304…燃焼排ガス、305…熱対流部、306…排気口、307…炭化水素、308,311…分解ガス、312,405,505…水蒸気、313,314…改質ガス、320…選択酸化塔、321…合成ガス、330…熱分解管、332…一次改質管、401…ガスブロワ、402,502…リーン吸収液、403,503…リッチ吸収液、404,406,504,506…送液ポンプ、408,508…二酸化炭素、410、510…吸収塔、420,520…再生塔、430,530…水蒸気供給装置、442…熱媒体ライン、501…送気ポンプ、507…水素、540…冷却装置。
Claims (15)
- 炭化水素を水蒸気を用いて改質し、水素および二酸化炭素を主成分とする合成ガスを製造する合成ガス製造装置と、
前記合成ガス製造装置から排出された二酸化炭素を含む燃焼排ガスと第1のリーン吸収液とを気液接触させて前記燃焼排ガス中の二酸化炭素を前記第1のリーン吸収液に吸収させて、前記第1のリーン吸収液を第1のリッチ吸収液にする第1の吸収装置と、
前記第1のリッチ吸収液と第1の水蒸気とを気液接触させて前記第1のリッチ吸収液から二酸化炭素を前記第1の水蒸気中に放散させて、前記第1のリッチ吸収液を前記第1のリーン吸収液に再生する第1の再生装置と、
前記第1の再生装置に前記第1の水蒸気を供給する第1の水蒸気供給装置と、
前記合成ガス製造装置で製造された合成ガスと第2のリーン吸収液とを気液接触させて前記合成ガス中の二酸化炭素を前記第2のリーン吸収液に吸収させて、前記第2のリーン吸収液を第2のリッチ吸収液にする第2の吸収装置と、
前記第2のリッチ吸収液と第2の水蒸気とを気液接触させて前記第2のリッチ吸収液から二酸化炭素を前記第2の水蒸気中に放散させて、前記第2のリッチ吸収液を前記第2のリーン吸収液に再生する第2の再生装置と、
前記第2の再生装置に前記第2の水蒸気を供給する第2の水蒸気供給装置と
を具備することを特徴とする二酸化炭素回収システム。 - 前記第2の再生装置から前記第2の吸収装置へ再生された第2のリーン吸収液を還流させるリーン吸収液ラインに介在され、前記第2のリーン吸収液を冷却する冷却装置と、
前記第1の水蒸気供給装置と前記冷却装置に熱媒体を還流させる熱媒体ラインと
を具備したことを特徴とする請求項1記載の二酸化炭素回収システム。 - 前記熱媒体が、水またはポリエチレングリコールであることを特徴とする請求項2記載の二酸化炭素回収システム。
- 前記合成ガス製造装置で製造された合成ガスを、前記第2の水蒸気供給装置、第1の水蒸気供給装置の順に導き、各水蒸気供給装置で熱交換させて前記第2の吸収装置に導く合成ガス供給ラインを具備したことを特徴とする請求項1記載の二酸化炭素回収システム。
- 前記合成ガス製造装置から排出されたで燃焼排ガスを、前記第2の水蒸気供給装置、第1の水蒸気供給装置の順に導き、各水蒸気供給装置で熱交換させて前記第1の吸収装置に導く燃焼排ガス供給ラインを具備したことを特徴とする請求項1記載の二酸化炭素回収システム。
- 前記第1の水蒸気供給装置が、水または前記第1の再生装置で再生された第1のリーン吸収液を加熱して水蒸気を発生させることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の二酸化炭素回収システム。
- 前記第2の水蒸気供給装置が、水または前記第2の再生装置で再生された第2のリーン吸収液を加熱して水蒸気を発生させることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の二酸化炭素回収システム。
- 前記第1のリーン吸収液および前記第2のリーン吸収液の主な溶質が炭酸塩であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項記載の二酸化炭素回収システム。
- 合成ガス製造装置において、炭化水素を水蒸気を用いて改質し、水素および二酸化炭素を主成分とする合成ガスを製造する合成ガス製造工程と、
前記合成ガス製造装置から排出された二酸化炭素を含む燃焼排ガスと第1のリーン吸収液とを第1の吸収装置に導き、前記燃焼排ガスと前記第1のリーン吸収液とを気液接触させて前記燃焼排ガス中の二酸化炭素を前記第1のリーン吸収液に吸収させて、前記第1のリーン吸収液を第1のリッチ吸収液にする第1の吸収工程と、
前記第1のリッチ吸収液と第1の水蒸気供給装置から供給された第1の水蒸気とを第1の再生装置に導き、前記第1のリッチ吸収液と前記第1の水蒸気とを気液接触させて前記第1のリッチ吸収液から二酸化炭素を前記第1の水蒸気中に放散させて、前記第1のリッチ吸収液を前記第1のリーン吸収液に再生する第1の再生工程と、
前記合成ガス製造装置で製造された合成ガスと第2のリーン吸収液とを第2の吸収装置に導き、前記合成ガスと前記第2のリーン吸収液とを気液接触させて前記合成ガス中の二酸化炭素を前記第2のリーン吸収液に吸収させて、前記第2のリーン吸収液を第2のリッチ吸収液にする第2の吸収工程と、
前記第2のリッチ吸収液と第2の水蒸気供給装置から供給された第2の水蒸気とを第2の再生装置に導き、前記第2のリッチ吸収液と前記第2の水蒸気とを気液接触させて前記第2のリッチ吸収液から二酸化炭素を前記第2の水蒸気中に放散させて、前記第2のリッチ吸収液を前記第2のリーン吸収液に再生する第2の再生工程と
を具備することを特徴とする二酸化炭素回収方法。 - 前記第2の再生装置から前記第2の吸収装置へ再生された第2のリーン吸収液を還流させるリーン吸収液ラインに介在する冷却装置と前記第1の水蒸気供給装置とを連結する熱媒体ラインを還流する熱媒体に、前記冷却装置において前記第2のリーン吸収液が熱を放出し、前記第1の水蒸気供給装置において前記熱媒体からの熱によって水蒸気を発生させることを特徴とする請求項9記載の二酸化炭素回収方法。
- 前記合成ガス製造装置で製造された合成ガスを、前記第2の水蒸気供給装置、第1の水蒸気供給装置の順に導き、各水蒸気供給装置で熱交換させて水蒸気を発生させ、熱交換後の合成ガスを前記第2の吸収装置に導くことを特徴とする請求項9記載の二酸化炭素回収方法。
- 前記合成ガス製造装置から排出されたで燃焼排ガスを、前記第2の水蒸気供給装置、第1の水蒸気供給装置の順に導き、各水蒸気供給装置で熱交換させて水蒸気を発生させ、熱交換後の燃焼排ガスを前記第1の吸収装置に導くことを特徴とする請求項9記載の二酸化炭素回収方法。
- 前記第1の水蒸気供給装置において発生した第1の水蒸気が、水または前記第1の再生装置で再生された第1のリーン吸収液を加熱して発生したものであることを特徴とする請求項9乃至12のいずれか1項記載の二酸化炭素回収方法。
- 前記第2の水蒸気供給装置において発生した第2の水蒸気が、水または前記第2の再生装置で再生された第2のリーン吸収液を加熱して発生したものであることを特徴とする請求項9乃至13のいずれか1項記載の二酸化炭素回収方法。
- 前記第1のリーン吸収液および前記第2のリーン吸収液の主な溶質が炭酸塩であることを特徴とする請求項9乃至14のいずれか1項記載の二酸化炭素回収方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006249547A JP2008069040A (ja) | 2006-09-14 | 2006-09-14 | 二酸化炭素回収システムおよび二酸化炭素回収方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006249547A JP2008069040A (ja) | 2006-09-14 | 2006-09-14 | 二酸化炭素回収システムおよび二酸化炭素回収方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008069040A true JP2008069040A (ja) | 2008-03-27 |
Family
ID=39290974
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006249547A Withdrawn JP2008069040A (ja) | 2006-09-14 | 2006-09-14 | 二酸化炭素回収システムおよび二酸化炭素回収方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008069040A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012513358A (ja) * | 2008-12-22 | 2012-06-14 | レール・リキード−ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード | 合成ガス製造ユニットに関連する脱気器からの脱気ガス混合物の利用方法およびその実施のためのプラント |
US20170165603A1 (en) * | 2015-12-14 | 2017-06-15 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Carbon dioxide capture system and a method of operating a carbon dioxide capture system |
-
2006
- 2006-09-14 JP JP2006249547A patent/JP2008069040A/ja not_active Withdrawn
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012513358A (ja) * | 2008-12-22 | 2012-06-14 | レール・リキード−ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード | 合成ガス製造ユニットに関連する脱気器からの脱気ガス混合物の利用方法およびその実施のためのプラント |
US20170165603A1 (en) * | 2015-12-14 | 2017-06-15 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Carbon dioxide capture system and a method of operating a carbon dioxide capture system |
CN106943848A (zh) * | 2015-12-14 | 2017-07-14 | 株式会社东芝 | 二氧化碳捕获系统和操作二氧化碳捕获系统的方法 |
GB2546862A (en) * | 2015-12-14 | 2017-08-02 | Toshiba Kk | A carbon dioxide capture system and a method of operating a carbon dioxide capture system |
AU2016269404B2 (en) * | 2015-12-14 | 2018-02-15 | Kabushiki Kaisha Toshiba | A carbon dioxide capture system and a method of operating a carbon dioxide capture system |
GB2546862B (en) * | 2015-12-14 | 2020-05-13 | Toshiba Kk | A carbon dioxide capture system and a method of operating a carbon dioxide capture system |
US10864478B2 (en) | 2015-12-14 | 2020-12-15 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Carbon dioxide capture system and a method of operating a carbon dioxide capture system |
CN106943848B (zh) * | 2015-12-14 | 2021-04-13 | 株式会社东芝 | 二氧化碳捕获系统和操作二氧化碳捕获系统的方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101110661B1 (ko) | 발전설비용 산성가스 분리 시스템 | |
JP5412171B2 (ja) | 合成ガスから酸性ガスを分離する方法および装置 | |
AU2014200271B2 (en) | Integrated carbon dioxide removal and ammonia-soda process | |
WO2011122525A1 (ja) | 二酸化炭素ガス回収装置 | |
WO2011122559A1 (ja) | 二酸化炭素ガス回収装置 | |
EA016314B1 (ru) | Способ и конфигурация оборудования для получения диоксида углерода и водорода из синтез-газа | |
JP2005254212A (ja) | Co2回収装置及び方法 | |
JP2010022986A (ja) | 排ガス中の二酸化炭素回収装置 | |
JP2013535316A (ja) | 加圧ガス分離カラムおよび高圧生成ガス生成プロセス | |
CN104039758B (zh) | 通过在脲生产过程中集成氨生产过程而形成脲的方法及其系统 | |
CN113877371B (zh) | 一种二氧化碳零排放的催化裂化再生方法 | |
JP5525992B2 (ja) | 二酸化炭素吸収装置を備えた火力発電プラント | |
JP2010240629A (ja) | 二酸化炭素回収システム | |
JP2008307520A (ja) | Co2又はh2s除去システム、co2又はh2s除去方法 | |
JP2012037180A (ja) | 脱co2設備付き火力発電システム | |
US9579599B2 (en) | Energy-saving system and method of capturing acidic gas by using separated water | |
JP5591075B2 (ja) | Co2及びh2sを含むガスの回収システム及び方法 | |
JP5804860B2 (ja) | 水素製造装置 | |
JP2007137725A (ja) | 二酸化炭素回収システムおよび二酸化炭素回収方法 | |
KR101190725B1 (ko) | 산성가스 분리회수 장치 | |
JP2008029976A (ja) | 二酸化炭素回収システムおよび二酸化炭素回収方法 | |
US9757681B2 (en) | Low energy-type acid gas capture system and method using recirculation of absorbent | |
JP2011162385A (ja) | Co2回収方法およびco2回収装置 | |
WO2012073552A1 (ja) | Co2回収システム | |
JP6576288B2 (ja) | 二酸化炭素ガスの回収装置、及び、二酸化炭素ガスの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20091201 |