JP2008068601A - 液体吐出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ブレードのクリーニングを効果的に行うことができ、また長期使用にも耐えることができる液体吐出装置を提供する。
【解決手段】液体を吐出する液体吐出ノズル26が配列された液体吐出面27を有する液体吐出ヘッド3と、液体吐出面27に摺接され、液体吐出面27を払拭するワイプ部材34と、ワイプ部材34が配設されるとともに、ワイプ部材34を液体吐出ヘッド3と対向する位置と液体吐出ヘッド3から退避する位置との間に亘って移動させる移動部材5と、液体吐出ヘッド3から退避した位置に移動されたワイプ部材34と摺接されることにより、ワイプ部材34のクリーニングを行うクリーニングローラ103と、移動部材5によるワイプ部材34の移動操作に応じてクリーニングローラ103を転動させる回転機構104とを有するクリーニング機構100とを備える。
【選択図】図25

Description

本発明は、液体吐出ヘッドに形成された液体吐出ノズルから対象物に液体を吐出させる液体吐出装置に関し、特に液体吐出ヘッドのクリーニングを行うブレードのクリーニング機構に関する。
インクジェット方式の画像形成装置、例えばインクジェットプリンタは、ランニングコストが低く、プリント画像のカラー化、装置の小型化が容易である等の点から広く普及されている。このインクジェットプリンタは、プリントヘッドのインク吐出面に設けられた微小なインク吐出ノズルから微量なインクを吐出させて画像記録を行うようになっている。この種のインクジェットプリンタでは、長時間続けて印刷動作を行わず、プリントヘッドのインク吐出ノズルからインクを吐出させていない場合には、前回の印刷動作によりインク吐出面のインク吐出ノズル付近に付着したインクが蒸発乾燥して増粘、固化してしまうことがあり、正常なインク吐出が困難となる場合がある。
このため、従来では、やや硬めのゴム製等のブレードをプリントヘッドのインク吐出面に押し当て、該インク吐出面上をスライドさせることにより、上記インク吐出面に付着して増粘、固化したインクを拭い去ることでプリントヘッドのクリーニングを行っていた。これに関連して、特開昭57−34969号公報(特許文献1)には、複数のブレードを回転軸に取り付けて回転させ、ワイピング効果をさらに高める技術が開示されている。
また、ゴム製のブレードをプリントヘッドのインク吐出面に摺動させることによりクリーニングを行う技術に関し、プリントヘッドの未使用時にインク吐出面を閉塞することによりインク吐出面の乾燥を防ぐヘッドキャップを設け、このヘッドキャップにブレードを配設したインクジェットプリンタが提案されている(例えば特許文献2)。このインクジェットプリンタにおいては、ヘッドキャップがプリントヘッドのインク吐出面に対してスライド自在に設けられ、プリントを行う前にはプリントヘッドを閉塞し、プリント時に開放するようにスライド操作される。そしてこのインクジェットプリンタは、ヘッドキャップによるプリントヘッドの開放あるいは閉塞動作に応じて、ブレードをインク吐出面に摺接させることで、インク吐出面に付着したインクを払拭していく。
特開昭57−34969号公報 特開2005−153184号公報
ここで、インク吐出面のクリーニングを行ったブレードには、払拭したインクが付着しているため、インク吐出面のクリーニング効果を保つにはブレード自体のクリーニングが必要となる。インクが付着したブレードのクリーニングは、ヘッドキャップがインク吐出面より退避された位置に、インクを吸収可能なクリーニングシートを配し、このクリーニングシートにブレードを摺動させることにより行う。クリーニングシートは、例えば無端ベルトからなり、ブレードの移動方向に離間して支持された支軸の一方にワンウェイクラッチが設けられることにより、ブレードが摺動される度に一方に送り操作され、常時、清浄な面を臨ませ、ブレードのクリーニング効果を維持している。
しかし、かかる無端ベルトからなるクリーニングシートは、押し出し成形により製造されるもので、金型を起こしてから量産に至るまでの製造リードタイムが長く、また製造コストも高い。さらにクリーニングシートは、出来上がり品の厚みや円周長、長さなどのバラツキが大きく、また作業環境などにも大きく影響されるため、初期歩留まりが悪く、採用は困難である。
そこで、本発明は、ブレードのクリーニングを効果的に行うことができ、また長期使用にも耐えることができる液体吐出装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明にかかる液体吐出装置は、液体を吐出する液体吐出ノズルが配列された液体吐出面を有する液体吐出ヘッドと、上記液体吐出面に摺接され、該液体吐出面を払拭するワイプ部材と、上記ワイプ部材が配設されるとともに、該ワイプ部材を上記液体吐出ヘッドと対向する位置と該液体吐出ヘッドから退避する位置との間に亘って移動させる移動部材と、上記液体吐出ヘッドから退避した位置に移動された上記ワイプ部材と摺接されることにより、該ワイプ部材のクリーニングを行うクリーニングローラと、上記移動部材による上記ワイプ部材の移動操作に応じて上記クリーニングローラを転動させる回転機構とを有するクリーニング機構とを備えるものである。
本発明にかかる液体吐出装置によれば、液体吐出ヘッドを払拭したワイプ部材が、液体吐出ヘッドから退避した位置まで移動されると、クリーニングローラと摺接されることによりクリーニングされる。したがってワイプ部材は、常に清浄に保たれ、液体吐出ヘッドのクリーニング性能を維持することができる。また、クリーニングローラは、ワイプ部材の移動操作に応じて転動されるため、ワイプ部材が摺接する位置が移動していき、常に清浄な面によってクリーニングを行うことができる。さらに、クリーニングローラは、回転機構によって転動されていく間にワイプ部材より吸引した液体が蒸発されることから、ワイプ部材のクリーニング性能を長期に亘って維持することができる。
以下、本発明にかかる液体吐出装置が適用されたインクジェットプリンタ装置(以下、プリンタ装置という。)について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1〜図4に示すように、本発明が適用された液体吐出ヘッドを払拭するワイプ部材は、対象物となる記録紙に対してインクを吐出して画像や文字を印刷するインク吐出装置、いわゆるインクジェットプリンタ装置1の液体吐出ヘッドの液体吐出面のクリーニングに用いられるものである。なお、ここでのインクジェットプリンタ装置1は、記録紙の印刷幅に合わせてインク吐出ノズルを設けた、いわゆるラインヘッド型のプリンタ装置である。
このプリンタ装置1は、プリンタ本体2を有し、このプリンタ本体2に、インクカートリッジが装着されインクを吐出するヘッドカートリッジ4、及びこのヘッドカートリッジ4を保護するヘッドキャップ5とを備えるインクジェットヘッド3と、ヘッドキャップ5をヘッドカートリッジ4の開閉方向に移動するキャップ移動機構6と、プリンタ装置1の制御を行う制御機構7(図27参照)と、記録紙を収納する記録紙トレイ8とを備える。
そしてプリンタ装置1は、インクジェットヘッド3がプリンタ本体2に対して着脱可能であり、更に、ヘッドカートリッジ4に対してインク供給源となるインクカートリッジ11y,11m,11c,11kが着脱可能とされている。なお、このプリンタ装置1では、イエローのインクカートリッジ11y、マゼンタのインクカートリッジ11m、シアンのインクカートリッジ11c、ブラックのインクカートリッジ11kが使用可能となっており、また、プリンタ本体2に対して着脱可能なインクジェットヘッド3とヘッドカートリッジ4に対して着脱可能なインクカートリッジ11y,11m,11c,11kを消耗品とし、交換可能となっている。
このようなプリンタ装置1は、記録紙を積層して収納する記録紙トレイ8をプリンタ本体2の前面底面側に設けられたトレイ装着口80に装着することにより、記録紙トレイ8に収納されている記録紙Pをプリンタ本体2内に給紙できる。記録紙トレイ8は、プリンタ本体2の前面のトレイ装着口80に装着されると、装置内の給排紙機構9により記録紙Pが給紙ローラ81に圧接され、この給紙ローラ81が回転駆動されることによって、図4中矢印A方向に示すようにトレイ装着口80よりプリンタ本体2の背面側に給紙する。
そして、プリンタ装置1は、プリンタ本体2の背面側に送られた記録紙Pを、反転ローラ83により搬送方向を反転し、プリンタ本体2の背面側から前面側に送る。プリンタ本体2の背面側から前面側に送られる記録紙Pは、プリンタ本体2の前面に設けられたトレイ装着口80より排紙されるまでに、ヘッドカートリッジ4によってパーソナルコンピュータ等の情報処理装置より入力された文字データや画像データに応じた文字や画像が印刷される。
記録紙Pに印刷を行うヘッドカートリッジ4は、図3中矢印Bに示すように、プリンタ本体2の上面側からカートリッジ装着部22に装着され、復路を走行する記録紙Pに対してインクiを吐出し印刷を行う。具体的に、ヘッドカートリッジ4は、液体であるインクiを、例えば電気熱変換式又は電気機械変換式などで微細に粒子化して吐出し、記録紙P等といった記録媒体上にインク液滴を吹き付けることで印刷を行う。
ヘッドカートリッジ4にインクを供給するインクカートリッジ11は、図5及び図6に示すように、ヘッドカートリッジ4に着脱自在に形成されたカートリッジタンク12を有し、このカートリッジタンク12は、長手方向を使用する記録紙Pの幅方向の寸法と略同じ寸法となす略矩形状に形成され、内部に貯留するインク容量を最大限に増やす構成となっている。
具体的に、インクカートリッジ11を構成するカートリッジタンク12には、インクiを収容するインク収容部13と、インク収容部13からヘッドカートリッジ4のカートリッジ本体21にインクiを供給するインク供給部14と、外部よりインク収容部13内に空気を取り込む外部連通孔15と、外部連通孔15より取り込まれた空気をインク収容部13内に導入する空気導入路16と、外部連通孔15と空気導入路16との間でインクiを一時的に貯留するインク貯留部17と、インク収容部13内のインクiの残量を検出するための残量検出部18と、ヘッドカートリッジ4のカートリッジ本体21に設けられたカートリッジ装着部22に係合される係合凸部19とが設けられている。
インク供給部14は、インク収容部13の下側略中央部に設けられており、ヘッドカートリッジ4に対する接続部となる。このインク供給部14は、インク収容部13と連通した略凸形状のノズルであり、このノズルの先端が後述するヘッドカートリッジ4の接続部25に嵌合されることにより、インクカートリッジ11のカートリッジタンク12とヘッドカートリッジ4のカートリッジ本体21を接続し、ヘッドカートリッジ4へインクiを供給可能とする。
外部連通孔15は、図6に示すように、インクカートリッジ11外部からインク収容部13に空気を取り込む通気口であり、ヘッドカートリッジ4のカートリッジ装着部22に装着されたときも、外部に臨み外気を取り込むことができるように、カートリッジ装着部22への装着時に外部に臨む位置であるカートリッジタンク12の上面、ここでは上面略中央に設けられている。そして外部連通孔15は、インクカートリッジ11がカートリッジ本体21に装着されてインク収容部13からカートリッジ本体21側にインクiが流下した際に、インク収容部13内のインクiが減少した分に相当する分の空気を外部よりインクカートリッジ11内に取り込む。
空気導入路16は、インク収容部13と外部連通孔15とを連通し、外部連通孔15より取り込まれた空気をインク収容部13内に導入する。これにより、このインクカートリッジ11がカートリッジ本体21に装着された際に、カートリッジ本体21にインクiが供給されてインク収容部13内のインクiが減少し、カートリッジタンク12内部が減圧状態となっても、インク収容部13には、空気導入路16によりインク収容部13に空気が導入されることから、内部の圧力が平衡状態に保たれてインクiをカートリッジ本体21に適切に供給することができる。
インク貯留部17は、外部連通孔15と空気導入路16との間に設けられ、インク収容部13に連通する空気導入路16よりインクiが漏れ出た際に、いきなり外部に流出することがないようにインクiを一時的に貯留する。具体的に、このインクカートリッジ11では、常温、常圧時においてインク貯留部17にインクiがない状態となる。しかしながら、インクカートリッジ11においては、外部圧力の低下又は外部温度の上昇が起こると、インク収容部13内の空気が膨張し、膨張した空気がインクiをインク収容部13より空気導入路16を介してインク貯留部17に押し出してしまう。このとき、インク貯留部17は、インク収容部13より押し出されたインクiを一時的に貯留することから外部連通孔15よりインクiが漏れ出ることを防止できる。このインク貯留部17は、長い方の対角線をインク収容部13の長手方向とした略菱形に形成され、インク収容部13の最も下側に位置する頂部に、すなわち短い方の対角線上の下側に空気導入路16を設けるようにし、インク収容部13より進入したインクを再度インク収容部13に戻すことができるようにしている。また、インク貯留部17は、短い方の対角線上の最も上側の頂部に外部連通孔15を設けるようにし、インク収容部13より進入したインクが外部連通孔15より外部に漏れにくくしている。
残量検出部18は、図6に示すように、カートリッジタンク12の長手方向の一方側面に設けられている。残量検出部18は、インク収容部13内に臨まされる一対の検出ピンと、インクカートリッジ11がヘッドカートリッジ4のカートリッジ装着部22に装着されたとき、ヘッドカートリッジ4のインク残量検出部24と電気的に接続される接点とを備える接点部材を有し、この接点部材は、カートリッジタンク12の側面の高さ方向に複数並設されている。インクiは、導電性を有するものを用いれば、インク収容部13内に臨まされている一対の検出ピンを浸漬しているときには検出ピンの電気抵抗値を小さくさせ、浸漬していないときには検出ピンの電気抵抗値を高くさせることができる。すなわち、インク収容部13内にインクiが満杯のとき、全ての検出ピンは、インクに浸漬されており、全て電気抵抗値が低い状態となる。そして、インクが使用されるに連れて、検出ピンの電気抵抗値は上の段から順に高くなる。これにより、残量検出部18は、インク収容部13内のインク残量を検出することができる。
なお、インクカートリッジ11においては、通常、印刷時にブラックのインクの消費量が最も多いので、インクカートリッジ11kが他のインクカートリッジ11y、11m、11cに比べてインク収容部13の容量が大きいものとされている。具体的には、インクカートリッジ11kのみが他のインクカートリッジ11y,11m,11cに比べて厚く形成されている。
次いで、かかるインクカートリッジ11が装着されるヘッドカートリッジ4の構成について説明する。このヘッドカートリッジ4は、図5及び図6に示すように、カートリッジ本体21を有し、このカートリッジ本体21には、インクカートリッジ11が装着されるカートリッジ装着部22と、係合凸部19が係合される係合凹部23と、インクカートリッジ11内におけるインク残量を検出するインク残量検出部24と、インク供給部14と接続されてインクiが供給される接続部25と、インクを吐出するインク吐出ノズル26とを有し、インク吐出ノズル26が臨む底面がインク吐出面27とされている。
インクカートリッジ11が装着されるカートリッジ装着部22は、インクカートリッジ11が装着されるように上面をインクカートリッジ11の挿脱口として略凹形状に形成され、ここでは各色のインクカートリッジ11y,11m,11c,11kが挿脱されるカートリッジ装着部22y,22m,22c,22kが記録紙の走行方向に並んで収納される。
係合凹部23は、各カートリッジ装着部22y,22m,22c,22kに設けられ、インクカートリッジ11y,11m,11c,11k毎に異なる配置パターンで設けられた係合凸部19に対応して係合するようにされている。
インク残量検出部24は、インクカートリッジ11内のインクiの残量を段階的に検出するものであり、各色のインクカートリッジ11y,11m,11c,11kのカートリッジ装着部22y,22m,22c,22kに設けられている。そしてインク残量検出部24は、インクカートリッジ11がヘッドカートリッジ4に装着されたとき、インクカートリッジ11内の側面の高さ方向に並設された残量検出部18に接触し電気的に接続される。
カートリッジ装着部22の長手方向略中央には、インクカートリッジ11がカートリッジ装着部22に装着されたとき、インク供給部14が接続される接続部25が設けられている。この接続部25は、カートリッジ装着部22に装着されたインクカートリッジ11のインク供給部14からカートリッジ本体21の底面に設けられたインクを吐出するインク吐出ノズル26にインクを供給するインク供給路となる。そして、接続部25は、詳細を省略する弁機構を備え、カートリッジタンク12からインク吐出ノズル26へのインクの供給を調整している。
接続部25からインクiが供給されるインク吐出ノズル26は、カートリッジ本体21の底面であるインク吐出面27の長手方向に沿って配設されている。すなわち、図6及び図7に示すように、インク吐出ノズル26は、カートリッジ本体21の底面であるインク吐出面27に、記録紙Pの幅方向となる図6及び図7中矢印W方向に略ライン状に各色毎に並設されている。そして、インク吐出ノズル26には、カートリッジ本体21にプリンタ本体2の背面側から前面側に向かって、装着されている各色のインクカートリッジ11の並びに従って各色のノズルライン26y、26m、26c、26kが設けられている。これらノズルライン26y、26m、26c、26kは、記録紙Pの幅よりと略同一の長さに形成されており、記録紙Pに印刷を行う際に、記録紙Pの幅方向に移動することなく、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのノズルライン毎にインクiを吐出する。
カートリッジ本体21の底面部には、図8に示すように、電気熱変化式の発熱抵抗体28aが設けられた回路基板28と、インク吐出ノズル26が形成されたノズルシート29と、回路基板28とノズルシート29との間に設けられたフィルム30とによって、接続部25から供給されたインクiを各インク吐出ノズル26に供給するインク流路31が形成されている。このインク流路31は、インク吐出ノズル26が並設されている方向、即ち図6中矢印W方向に長く形成されている。これにより、インク吐出ノズル26では、各インクカートリッジ11y,11m,11c,11kからカートリッジ本体21の接続部25を介してインクiがインク流路31に流れ込み、インク流路31からインクiが供給されるようになる。
また、インク吐出ノズル26には、回路基板28と、ノズルシート29と、フィルム30とによって囲まれ、発熱抵抗体28aがインクを加圧するインク液室32が形成されている。このインク液室32は、インク流路31と接続されており、インク流路31からインクiが供給される。
以上のような構成からなるインク吐出ノズル26では、制御信号に基づいて選択された発熱抵抗体28aに対して、例えば駆動周波数9kHzでパルス電流を供給する。これにより、インク吐出ノズル26は、発熱抵抗体28aを急速に加熱する。インク吐出ノズル26は、発熱抵抗体28aを加熱すると、図8(A)に示すように、発熱抵抗体28aと接するインクiに気泡bが発生する。そして、インク吐出ノズル26は、図8(B)に示すように、気泡bが膨張しながらインクiを加圧し、押圧されたインクiを液滴の状態で吐出する。また、インク吐出ノズル26は、液滴の状態でインクiを吐出した後、インク流路31を通してインクiをインク液室32に供給することによって、再び吐出前の状態へと戻る。インク吐出ノズル26は、制御信号に基づいて、上述した動作を繰り返す。
ヘッドカートリッジ4のインク吐出面27には、インク吐出面27及びインク吐出ノズル26を乾燥等から保護するヘッドキャップ5が着脱自在に取り付けられている。以下、ヘッドキャップ5について図9〜図16を用いて説明する。なお、図9は、ヘッドキャップ5の平面図であり、図10は図9に示すヘッドキャップ5から後述するクリーニングローラ33、クリーニングブレード34、切換部材35及び天板50を除いて示す平面図であり、図11は図9中x−x断面図であり、図12は図9中y−y断面図である。また、図13はヘッドキャップ5がヘッドカートリッジ4のインク吐出面27を閉塞する初期状態を示し、図14はヘッドキャップ5がヘッドカートリッジ4を開放する開放方向に移動されている状態を示し、図15はヘッドキャップ5がヘッドカートリッジ4を開放した状態を示し、図16はヘッドキャップ5がヘッドカートリッジ4を閉塞する閉塞方向に移動されている状態を示している。
このヘッドキャップ5は、ヘッドカートリッジ4に対して着脱自在に形成されるとともに、後述するキャップ移動機構6によってヘッドカートリッジ4に対して相対的に移動可能とされている。そしてヘッドキャップ5は、印刷時にはヘッドカートリッジ4のインク吐出面27を開放する開放方向となる矢印O方向に移動され、インク吐出面27を記録紙Pの搬送領域上に臨ませ、印刷終了時等にはインク吐出面27を閉塞するとともにヘッドカートリッジ4に装着する閉塞方向となる矢印C方向に移動され、インク吐出面27を乾燥などから保護するようになっている。
このヘッドキャップ5は、四周に立ち上がり片を有する矩形状の箱からなり、その全体が硬質樹脂等で形成されている。またヘッドキャップ5は、ヘッドカートリッジ4を開放する移動方向の後端部に、インク吐出ノズル26及びインク吐出面27のクリーニングを行うクリーニングローラ33と、クリーニングブレード34と、これらクリーニングローラ33とクリーニングブレード34をインク吐出面27より交互に退避するよう切り換える切換部材35が設けられている。またヘッドキャップ5は、略中央部からヘッドカートリッジ4を開放する移動方向の先端側に、クリーニングローラ33に付着したインクを掻き取るスクレーパ48と、このスクレーパ48が掻き取ったインクを吸引する吸引部材49が配設され、これらが天板50によって覆われている。
クリーニングローラ33は、上記ヘッドカートリッジ4のインク吐出面27をクリーニングするクリーニング部材となるもので、弾性を有する材料で円柱状に形成されている。このクリーニングローラ33は、ヘッドキャップ5内の一側部にて該ヘッドキャップ5の長手方向に亘って取り付けられることにより、ヘッドカートリッジ4のインク吐出面27の長手方向と平行となる。これにより、クリーニングローラ33は、上記ヘッドカートリッジ4のインク吐出面27の長手方向に沿って形成されたインク吐出ノズル26の配列方向と平行とされる。また、クリーニングローラ33は、長手方向の長さを、インク吐出ノズル26の配列長さと略同等以上に形成されている。これにより、クリーニングローラ33は、ヘッドキャップ5がインク吐出ノズル26の配列方向と直交する方向に移動されることにより、インク吐出ノズル26のノズルライン毎にクリーニングを行っていく。
このクリーニングローラ33は、ヘッドキャップ5の一側部にて回転自在に支持されるとともに着脱自在に取り付けられている。すなわちクリーニングローラ33の両端部には、図17に示すように、芯金36が突出して設けられ、この芯金36が略U字状の形状でヘッドキャップ5の底面より立設されている軸受け37によって回転自在に保持されている。この軸受け37の上部のピン受入れ部は弾性的に開閉可能とされており、芯金36を上方からピン受入れ部に押し付けることにより該ピン受入れ部が開いて芯金36を受け入れ、その後閉じて保持する。逆に、上記の芯金36を上方に持ち上げることにより、該ピン受入れ部が開いて芯金36を取り外すことができるようになっている。
また、図11に示すように、芯金36にはクリーニングローラ33をヘッドカートリッジ4のインク吐出面27側に付勢するコイルバネ38が係合されるローラフランジ39が設けられている。ローラフランジ39は、一面側において芯金36と当接するとともに、他面側において係合凸部40が形成され、この係合凸部40にコイルバネ38が係合されている。コイルバネ38は、ヘッドキャップ5に立設された支軸42に挿通され、ローラフランジ39を上方に付勢している。これにより、クリーニングローラ33は、ローラフランジ39を介してコイルバネ38の付勢力を受けてヘッドカートリッジ4のインク吐出面27側に付勢される。なお、本願発明においては、上記コイルバネ38に代えて、芯金36を上方に押圧付勢する略U字状の板バネ等を用いてもよい。この場合、略U字状の板バネは、一端をヘッドキャップ5の底面に係止され、他端を芯金36に係止されることにより、芯金36を上方に付勢することとなる。
また、クリーニングローラ33は、略円柱状に形成されるとともに、その長手方向の中央部分が緩やかに太くなったいわゆるクラウン形状に形成されている。これは、クリーニングローラ33が長手方向の中央部分で下方に撓むことがあるので、その撓みによりインク吐出面27と非接触になることを防止するためである。
また、クリーニングローラ33のインク吐出面27に接触する部分は、弾性を有するとともに液体を吸収する多孔質の材質、例えばエチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴムあるいはウレタンゴム等の適宜の合成樹脂弾性材からなる。またクリーニングローラ33の芯材は、例えば金属や硬質樹脂等で形成されている。そして、クリーニングローラ33は、インク吐出面27に接触する部分の外層に界面活性剤溶液が含浸されている。
なお、クリーニングローラ33は、その断面周囲の長さが、クリーニングローラ33をインク吐出面27に接触させた状態で従動回転しながら該インク吐出面27を移動する移動距離と等しい長さに形成してもよい。この場合、インク吐出面27上を従動回転するクリーニングローラ33の外周面において、所定の位置のインク吐出ノズル26をクリーニングした接触部位が、再度他の位置のインク吐出ノズル26をクリーニングすることがないため、インク吐出ノズル26及びインク吐出面27のクリーニングを安定して行うことができる。
このような、クラウン形状に設けられ且つ弾性力を備えたクリーニングローラ33は、図13に示すヘッドキャップ5がヘッドカートリッジ4のインク吐出面27を閉塞する初期状態から、図14に示すようにヘッドキャップ5がインク吐出面27を開放する図14中矢印O方向に移動されると、コイルバネ38の付勢力を受けてヘッドカートリッジ4のインク吐出面27の長手方向の全長に亘って当接する。そして、クリーニングローラ33は、インク吐出面27に当接された状態でさらにインク吐出面27の開放方向に移動されることにより、インク吐出面27を従動回転あるいは摺動し、インク吐出面27及びインク吐出ノズル26に残存するインクiを吸い取っていく。このとき、クリーニングローラ33は、インク吐出面27に接触する外層に界面活性剤溶液が含浸されているため、インクに対する濡れ性が非常に良くなっている。このクリーニングローラ33がインク吐出ノズル26に接触すると、瞬時にクリーニングローラ33とインク吐出面27との間にインクの層が形成され、そのインクによって、増粘したインクが再溶解される。再溶解後、それらのインクは、濡れ性が高いクリーニングローラ33に吸引され、容易にクリーニングすることができる。そしてヘッドキャップ5が図13に示すヘッドカートリッジ4の閉塞位置から図15に示すヘッドカートリッジ4の開放位置まで移動されることにより、クリーニングローラ33は、ヘッドカートリッジ4のインク吐出面27を全面に亘ってクリーニングすることができる。
また、クリーニングローラ33は、ヘッドキャップ5がインク吐出面27を閉塞する図16中矢印C方向に移動されると、後述する切換部材35によりコイルバネの付勢力に対抗して芯金36が下方に押圧され、インク吐出面27上より退避される。すなわち、印刷後にもクリーニングローラ33をインク吐出面27に従動回転されあるいは摺動すると、インク液室32に貯留されている未使用インクを必要以上に吸引し不経済となるほか、クリーニングローラ33の吸引性能が低下し、クリーニングローラ33の寿命が短くなってしまう。しかし、本発明が適用されたプリンタ装置1は、ヘッドカートリッジ4の閉塞時にはクリーニングローラ33をインク吐出面27より退避させてクリーニングを行わないようにすることで、かかる事態を防止することができる。
次いで、このようなクリーニングローラ33の近傍にて図9中左側に設けられたクリーニングブレード34について説明する。このクリーニングブレード34は、ヘッドカートリッジ4のインク吐出面27を移動しながら増粘付着したインクのかすやゴミを払拭するためのワイプ部材となるもので、図11及び図12に示すように、インク吐出面27に押し当てられて変形するゴムなどの弾性部材により薄板状に形成されたワイプ部43と、ワイプ部43を支持する支持板44とを有し、さらにこの支持板44がホルダ45を介してヘッドキャップ5の底面側にヘッドキャップ5の移動方向に対して回動自在に取り付けられている。クリーニングブレード34は、クリーニングローラ33と同様に、ヘッドキャップ5の長手方向に取り付けられ、ヘッドカートリッジ4のインク吐出面27の長手方向と平行となっている。そしてクリーニングブレード34は、ヘッドキャップ5が移動されると、インク吐出面27に押し当てられて変形しながら摺動することにより、該インク吐出面27に付着して増粘固化したインクやゴミ等を払拭していく。
インク吐出面27に摺動されるワイプ部43は、ゴム等の合成樹脂を略矩形状に成型した後、外縁部を切断することにより形成される。これによりワイプ部43は、ほぼ直角の角部を備え、この角部がインク吐出面27を摺動することでインク吐出面27上に付着した増粘インクやゴミ等を確実に払拭する。このワイプ部43を支持する支持板44は、金属板等の硬質の材料からなり、所定の金型内に配置されワイプ部43の原料となる合成樹脂が流された後、当該金型から抜き取られることにより、ワイプ部43と一体にされる。
この支持部44を回動可能に支持するホルダ45は、ヘッドキャップ5の底面に該ヘッドキャップ5の移動方向に回動自在に取り付けられることにより、クリーニングブレード34を回動可能に保持するものである。このホルダ45は、断面略L字状に形成され、一辺に支持板44が取り付けられ、他辺には一端がヘッドキャップ5に係止されたねじりコイルバネ46の他端が係止されている。これによりホルダ45は、常時ワイプ部43がインク吐出面27上に臨まされる図11中矢印R方向に回動付勢されている。
そして、クリーニングブレード34は、ヘッドキャップ5が後述するキャップ移動機構6によって図13に示すヘッドカートリッジ4を閉塞している初期状態からヘッドカートリッジ4を開放する図14中矢印O方向に移動されると、後述する切換部材35によってホルダ45が図11中反矢印R方向に回動されワイプ部43がインク吐出面27より退避される。また、クリーニングブレード34は、ヘッドキャップ5がヘッドカートリッジ4を開放した図15に示す開放位置からヘッドカートリッジ4を閉塞する図16中矢印C方向に移動されると、後述する切換部材35による付勢力が解かれ、ねじりコイルバネ46の付勢力によって図11中矢印R方向に回動されるため、ワイプ部43がインク吐出面27上に臨まされる。そして、ヘッドキャップ5の移動によってワイプ部43がインク吐出面27を摺動し、インク吐出面27に付着したインクやゴミ等を払拭していく。
このとき、クリーニングブレード34は、インク吐出面27との摺動によるヘッドキャップ5の底面側へ過剰な倒れ込みを防止するため、ホルダ45がストッパプレート47によって支持される。ストッパプレート47は、板バネ等の弾性部材からなり、略矩形板状に形成されることにより、ヘッドキャップ5の後端部に長手方向に亘って配設されている。このストッパプレート47は、ホルダ45の支持板44が取り付けられた面と反対側の面に当接し、支持する支持部47aが設けられ、この支持部47aの先端がホルダ45の回動領域まで延設されている。そしてストッパプレート47は、ワイプ部43とインク吐出面27とが摺接することによりホルダ45が図12中矢印R方向に傾倒すると、支持部47aがホルダ45と当接され、クリーニングブレード34のさらなる矢印R方向への傾倒を防止する。これにより、ストッパプレート47は、クリーニングブレード34の過剰な倒れ込みが防止することができ、ワイプ部43のほぼ直角に形成された角部をインク吐出面27に摺接させることができると共に、ワイプ部43が一定の圧力でヘッドカートリッジ4に摺接されるため、ワイプ部43によるインク吐出面27のクリーニング効率が低下することを防止することができる。
次いで、クリーニングローラ33及びクリーニングブレード34を切り換える切換部材35について説明する。切換部材35は、クリーニングローラ33とクリーニングブレード34との間に設けられ、インク吐出面27を転動あるいは摺動可能に付勢されているクリーニングローラ33及びクリーニングブレード34を、ヘッドキャップ5の開閉移動に応じてインク吐出面27より交互に退避するよう切り換えるためのものである。この切換部材35は、クリーニングローラ33の芯金36及びクリーニングブレード34のホルダ45を押圧するスイッチ51と、スイッチ51を直立付勢するスイッチバネ52とを有する。
スイッチ51は、略へ字状に屈折されるとともに下端部に支持孔53が穿設され、この支持孔53にヘッドキャップ5の底面より立設された支持片に突設された回動ピンが挿通されることにより、ヘッドキャップ5の移動方向となる図11中矢印S方向及び反矢印S方向に回動可能に支持されている。またスイッチ51は、支持孔53の下方に係止孔54が穿設されスイッチバネ52が係止されている。
スイッチバネ52は、スイッチ51の係止孔54に係止する係止部55と、ヘッドキャップ5の底面より立設された支持片に突設された係止ピンに係止する環状部56とが形成されている。そしてスイッチバネ52は、スイッチ51を下方に付勢することにより、係止孔54を回動中心としてスイッチ51を常時、スイッチ51が芯金36ともホルダ45とも当接しない直立方向に回動させる。
このような切換部材35は、ヘッドキャップ5がインク吐出面27を開放する図14中矢印O方向に移動されると、スイッチ51がインク吐出面27に押圧されることによりスイッチバネ52の付勢力に対抗して図11中反矢印S方向に回動される。これによりスイッチ51は、クリーニングブレード34側の一側面51aがホルダ45を押圧して、クリーニングブレード34をねじりコイルバネ46の付勢力に対抗して図11中反矢印R方向に回動させ、ワイプ部43をインク吐出面27上から退避させる。一方、クリーニングローラ33は、スイッチ51に芯金36が押圧されることがないため、コイルバネ38の付勢力によってインク吐出面27上に当接可能に臨まされている。従って、ヘッドキャップ5がインク吐出面27を開放する図14中矢印O方向に移動されると、クリーニングローラ33のみがインク吐出面27のクリーニングを行い、クリーニングブレード34によるクリーニングが行われないよう切り換えられる。これにより、クリーニングローラ33によるクリーニング後、クリーニングブレードによる過剰な摺動が抑制されるため、インク吐出ノズル26及びインク吐出面27を保護するとともに、クリーニングブレード34の劣化を防止することができる。
また切換部材35は、ヘッドキャップ5がインク吐出面27を閉塞する図16中矢印C方向に移動されると、スイッチ51がインク吐出面27に押圧されることによりスイッチバネ52の付勢力に対抗して図11中矢印S方向に回動される。これによりスイッチ51のローラ側の他側面51bが芯金36を押圧し、コイルバネ38の付勢力に対抗してクリーニングローラ33をインク吐出面27上から退避させる。一方、クリーニングブレード34は、スイッチ51にホルダ45が押圧されることがないため、ねじりコイルバネ46の付勢力によってインク吐出面27上に当接可能に臨まされている。従って、ヘッドキャップ5がインク吐出面27を閉塞する図16中矢印C方向に移動されると、クリーニングブレード34のみがインク吐出面27のクリーニングを行い、クリーニングローラ33によるクリーニングが行われないよう切り換えられる。
ここで、スイッチ51は、上述したように略へ字状に屈折されることによりクリーニングローラ33側の他側面51bが凹状に形成されている。したがってスイッチ51は、クリーニングローラ33側である図11中矢印S方向に回動されると、凹状の他側面51bがクリーニングローラ33の芯金36と確実に係合して押圧することができ、クリーニングローラ33をインク吐出面27と摺接する位置から退避させることができる。
また、スイッチ51は、クリーニングブレード34側の一側面51aが円弧状に膨出されて形成されている。したがってスイッチ51は、クリーニングブレード34側である図11中反矢印S方向に回動されると、円弧状に膨出された一側面51aがホルダ45を徐々に押圧してスムーズにホルダ45を回動させ、ワイプ部43をインク吐出面27と摺接する位置から退避させることができる。
また、スイッチ51は、インク吐出面27と摺接する頂部が円弧状に形成されている。したがってスイッチ51は、インク吐出面27に摺接する際にもインク吐出面27を傷つけることなく、またスムーズに回動される。
次いで、クリーニングローラ33上のゴミ等の異物を除去するスクレーパ48、吸引部材49及び天板50について説明する。スクレーパ48は、クリーニングローラ33表面の異物を除去しやすいように細かい凹凸があり、且つ、クリーニングローラ33表面のインクを若干吸引できるような、例えばスポンジ等から形成され、略矩形状に形成されることによりヘッドキャップ5の長手方向に亘って配設されている。このスクレーパ48は、ヘッドキャップ5の略中央よりに配設されるとともに、クリーニングローラ33と長手方向に亘って摺接可能な位置に配設されている。そしてスクレーパ48は、インク吐出ノズル26及びインク吐出面27に付着したインクを吸引したクリーニングローラ33が摺動回転されることにより、該クリーニングローラ33に付着したインクかすやゴミ等の異物を掻き取る。またスクレーパ48は、吸引部材49と接触されており、クリーニングローラ33より吸引したインクが該吸引部材49によって吸引、保持される。
この吸引部材49は、インクを吸引、保持可能な例えば不織布等から形成され、シート状に形成されることによりヘッドキャップ5の長手方向に亘って配設されている。また吸引部材49は、ヘッドキャップ5がヘッドカートリッジ4を開放する移動方向先端側にかけて配設されている。この吸引部材49は、スクレーパ48よりも大きい毛管力を有し、該スクレーパ48によって掻き取られたインクを吸引、保持する。これによってクリーニングローラ33及びスクレーパ48は、吸引したインクが飽和することなく、インク吐出ノズル26及びインク吐出面27のクリーニング性能を維持することができる。なお、この吸引部材49は、ヘッドキャップ5の略中央から先端部に亘って広く配設されており、相当量のインクを吸引、保持することができる。
なお、吸引部材49は天板50によって上部を覆われているため、ヘッドキャップ5がヘッドカートリッジ4を閉塞した際にも、吸引部材49とヘッドカートリッジ4のインク吐出面27とが直接対峙することはなく、インク吐出面27が吸引部材49によって吸引、保持されたインクによって汚損されることはない。
この他、ヘッドキャップ5には、クリーニングローラ33とクリーニングブレード34との間に、廃インク受けが底面に配設されている。廃インク受けは、インクを吸着可能なスポンジ等の吸湿材のシートからなり、インク吐出ノズル26からのインク吐出性能の安定化を図るために、クリーニングローラ33によるクリーニング終了後、印刷前に行われる予備吐出によって吐出された廃インク液を吸着する。
次いで、上記ヘッドキャップ5をヘッドカートリッジ4の開閉方向に移動させるキャップ移動機構6について説明する。キャップ移動機構6は、図3及び図18に示すように、プリンタ本体2内に配設されたシャーシの側面部61に組み付けられた支持枠部材62と、この支持枠部材62に対してプリンタ本体2の前後方向にスライド自在に組み合わせられたヘッドキャップホルダ63と、シャーシ側面部61と支持枠部材62との間においてプリンタ本体2の前後方向に移動操作されるラックプレート64と、ウォームギヤ66を介してラックプレート64を移動させる駆動モータ65とを備える。
支持枠部材62は、合成樹脂によって一体に成形された全体略枠状の部材であり、プリンタ本体2内に配設されたシャーシに固定されている。支持枠部材62は、後述するヘッドキャップ5を保持するヘッドキャップホルダ63を、プリンタ本体2の前後方向に亘って移動可能に支持するものであり、プリンタ本体2の印刷位置から前面部に亘る長さを有する。
この支持枠部材62は、図19に示すように相対する前後方向の両側面部62a,62bに、互いに対をなし左右対称の貫通溝からなる第1のガイド溝68と、第2のガイド溝69がそれぞれ形成されている。第1のガイド溝68は、プリンタ本体2の印刷位置に応じて形成され、プリンタ本体2の背面側の側面部62c近傍から前面側へと水平に延長された水平溝部68aと、この水平溝部68aの前端部において連通するとともに前面側へ向かって上方へ傾斜する傾斜溝部68bとからなる。なお、水平溝部68aは、後端部68cが背面側へ向かって上方に傾斜されている。また第2のガイド溝69は、両側面部62a,62bの略中央部で第1のガイド溝68の傾斜溝部68bが立ち上がる基端部近傍を起点として前面側へと水平に延長された水平溝部69aと、この水平溝部69aの前端部において連通するとともに前面側へ向かって上方へ傾斜する傾斜溝部69bと、傾斜溝部69bの先端から湾曲しながら下方へ向かって傾斜された湾曲部69dとからなる。なお、水平溝部69aも、後端部69cが背面側へ向かって上方へ傾斜されている。
支持枠部材62は、第1のガイド溝68と第2のガイド溝69とがそれぞれの水平溝部68a,69aの後端部68c,69cの間隔をほぼ等しい長さとし、また上述したヘッドキャップ5の幅方向と直交する奥行き方向の長さとほぼ等しい長さをもって形成されている。また支持枠部材62は、第1のガイド溝68と第2のガイド溝69とが傾斜溝部69bの前端と湾曲部69dの前端との間隔をヘッドキャップ5の奥行き方向の長さとほぼ等しい長さをもって形成されている。
かかる支持枠部材62によってプリンタ本体2の前後方向に亘る移動が支持されるヘッドキャップホルダ63は、合成樹脂材によって成型され、相対する側面部63a,63b間を複数の金属梁材により対向間隔を保持して連結されることにより全体略枠状に形成されている。ヘッドキャップホルダ63は、上記ヘッドキャップ5が装着されることにより、このヘッドキャップ5を支持枠部材62の第1のガイド溝68及び第2のガイド溝69に沿ってプリンタ本体2の前後方向に亘って移動させるものである。
このヘッドキャップホルダ63には、側面部63a,63bの内面に、ヘッドキャップ5より凸設されたガイド凸部5a,5b(図17参照)が係合する水平方向のガイド溝(図示せず)がそれぞれ形成されている。各ガイド溝は、それぞれヘッドキャップホルダ63の側面部63a,63bの前方に開口しており、この開口よりガイド凸部5a,5bが挿通されることによりヘッドキャップ5が組み合わされている。
またヘッドキャップホルダ63は、図18に示すように、側面部63a,63bに前後方向に離間してそれぞれ第1のガイドコロ71と第2のガイドコロ72とが突出して設けられている。ヘッドキャップホルダ63は、第1のガイドコロ71が支持枠部材62の第1のガイド溝68内に嵌合されるとともに、第2のガイドコロ72が支持枠部材62の第2のガイド溝69内に嵌合される。これによりヘッドキャップホルダ63は、支持枠部材62にガイドされることによりプリンタ本体2の前後方向に亘ってスライド可能とされる。
具体的に、ヘッドキャップホルダ63は、第1のガイドコロ71が第1のガイド溝68の後端部68cに位置しかつ第2のガイドコロ72が第2のガイド溝69の後端部69cに位置されると、ヘッドキャップ5を、ヘッドカートリッジ4のインク吐出面27を閉塞した閉塞位置に保持する。またヘッドキャップホルダ63は、第1、第2のガイドコロ71,72が第1、第2のガイド溝68,69内を前面側に移動され、それぞれ傾斜溝部68b,69bの上方に移動されると、ヘッドキャップ5を、ヘッドカートリッジ4のインク吐出面27を開放した退避位置に移動する。
また、ヘッドキャップホルダ63は、この退避位置からさらに前面側へと移動され、上記クリーニングブレード34のクリーニングを行うクリーニング位置に移動される。すなわち、ヘッドキャップホルダ63は、上記退避位置へ移動されると第1のガイドコロ71が第1のガイド溝68の傾斜溝部68bの前端に位置した状態で第2のガイドコロ72が第2のガイド溝69の湾曲部69dを移動する。これによりヘッドキャップホルダ63は、ヘッドキャップ5を第1のガイドコロ71を支点として前方が下方へ傾斜しながらプリンタ本体2前面側のクリーニング位置に移動させる。このクリーニング位置には、ヘッドキャップ5の上方に、クリーニングブレード34に付着したインクを吸引するブレードクリーニング機構100が配設されている。ブレードクリーニング機構100は、ヘッドキャップ5がクリーニング位置に移動されると、クリーニングブレード34がブレードクリーニングローラ103に摺接されることにより、クリーニングブレード34に付着したインクを吸引し、クリーニング性能を維持する。このブレードクリーニング機構100については、後に詳述する。
支持枠部材62を固定するシャーシの側面部61には、図20に示すように、支持枠部材62の第1のガイド溝68と第2のガイド溝69の上方位置に水平方向に延設された第3のガイド溝73が形成されている。この第3のガイド溝73は、後述するラックプレート64の側面に前後方向に離間して設けた一対のカムピン64a,64bが係合される。そして第3のガイド溝73は、これらカムピン64a,64bが転動することによって、ラックプレート64の側面部61に沿った前後方向の移動をガイドする。
シャーシ側面部61に移動をガイドされるラックプレート64は、略矩形板状に形成され、下縁部にラック64cがほぼ全長に亘って設けられている。ラック64cは、シャーシ側面部61に取り付けられた駆動モータ65によって回転駆動されるウォームギヤ66と噛合されている。これにより、ラックプレート64は、駆動モータ65の起動により、第3のガイド溝73に係合されたカムピン64a,64bを介してシャーシ側面部61に沿って移動する。
またラックプレート64には、前面側に高さ方向のカム溝74が形成されている。カム溝74は上記ヘッドキャップホルダ63に設けられた第2のガイドコロ72が第2のガイド溝69を貫通して係合されている。これにより第2のガイドコロ72は、上下方向の移動がガイドされ、ヘッドキャップホルダ63が支持枠部材62の第1、第2のガイド溝68,69に沿った移動が可能とされる。
以上のように構成されたキャップ移動機構6は、初期状態においてヘッドキャップ5がヘッドカートリッジ4を閉塞している閉塞位置から、印刷動作を行うためにヘッドカートリッジ4を開放する開放位置に移動させる際には、後述する制御機構7からの制御信号に基づいて駆動モータ65が駆動される。駆動モータ65の出力軸65a、フォーム65bを介してウォームギヤ66が回転されると、ウォームギヤ66と係合されているラックプレート64は、カムピン64a,64bがシャーシ側面部61に形成された第3のガイド溝73にガイドされながら水平方向にプリンタ本体2の前面側に移動される。
このときラックプレート64はカム溝74に係合されている第2のガイドコロ72を引っ張るようにして移動するため、該第2のガイドコロ72が設けられたヘッドキャップホルダ63は、ラックプレート64の移動に応じてプリンタ本体2の前面側に移動される。またヘッドキャップホルダ63は、第1のガイドコロ71が支持枠部材62の第1のガイド溝68に沿って移動し、また第2のガイドコロ72が支持枠部材62の第2のガイド溝69に沿って移動していく。
ヘッドキャップホルダ63は、第2のガイドコロ72がラックプレート64に高さ方向に沿って形成された第3のガイド溝73に沿って移動されることから、高さ方向に移動可能とされ、第1、第2のガイドコロ71,72が支持枠部材62に形成された第1、第2のガイド溝68,69の水平溝部68a,69aから傾斜溝部68b,69bにかけて移動可能とされている。これによりヘッドキャップホルダ63は、プリンタ本体2の印刷位置から前面側に水平移動された後、プリンタ本体2の前面部において上方に移動し、プリンタ本体2の形状に応じてやや前傾に保持される。従って、ヘッドキャップホルダ63に保持されているヘッドキャップ5は、ヘッドカートリッジ4を閉塞する閉塞位置からヘッドカートリッジ4を開放する退避位置を経てクリーニング位置へ移動されるとともに、クリーニング位置においては記録紙Pの搬送領域から退避される。
ヘッドキャップ5がヘッドカートリッジ4を開放しクリーニングブレード34のクリーニングを行うクリーニング位置までヘッドキャップホルダ63が移動されると、駆動モータ65の駆動が停止され、印刷動作に移る。印刷動作が終了すると、制御機構7による制御信号に基づいて駆動モータ65が起動され、上述したヘッドカートリッジ4の開放動作とは逆の動作を行うことによってヘッドキャップホルダ63をプリンタ本体2の印刷位置まで移動させ、ヘッドキャップ5をヘッドカートリッジ4の閉塞位置に移動復帰させる。
次いで、ヘッドキャップ5に設けられたクリーニングブレード34のクリーニングを行うブレードクリーニング機構100について図21〜図23を用いて説明する。ブレードクリーニング機構100は、図4に示すように、ヘッドカートリッジ4よりもプリンタ本体2の前面側に位置し、やや前下がりの状態で配置され、クリーニング位置まで搬送されたヘッドキャップ5が摺接可能とされている。ブレードクリーニング機構100は、図21に示すように、プリンタ本体2に固定されるベース部材101と、ベース部材101に回動自在に支持されているフレーム102と、クリーニングブレード34のクリーニングを行うブレードクリーニングローラ103と、ヘッドキャップ5によるヘッドカートリッジ4の開閉動作に応じてブレードクリーニングローラ103を転動させる回転機構104とを有する。
本実施例に係るブレードクリーニング機構100は、フレーム102に第1〜第5のブレードクリーニングローラ103a〜103eを並列するように支持し、プリンタ本体2の最も背面側に位置する第1のブレードクリーニングローラ103aにクリーニングブレード34を摺接させることによりクリーニングを行うとともに、この第1のブレードクリーニングローラ103aが吸着したインクを第2〜第5のブレードクリーニングローラ103b〜103eへ順次転写していくものである。
ベース部材101は、長手方向がヘッドキャップ5と略同一の長さを有する略矩形状の金属板からなり、ヘッドキャップ5の移動方向に対して長手方向が直交するようにして、プリンタ本体2の前面側の天井部に固定されている。このベース部材101は、左右一対の短辺101a、101bに、一対の軸受け片106,106が形成されている。軸受け片106,106は、フレーム102に嵌合された第5の軸受107eを挿通した第5の支軸105eを支持するベース軸受116が取り付けられることにより、第5の支軸105eを支軸としてフレーム102を回動自在に支持するとともに、第5のブレードクリーニングローラ103eの第5の支軸105eの回転方向を規制するワンウェイクラッチ130が取り付けられている。
またベース部材101は、前後一対の長辺101c,101dのうち、プリンタ本体2の背面側の長辺101cに、フレーム102の回動範囲を規制する規制片109が形成されている。規制片109は、長辺101cより下方に延設され、フレーム102より突設されている係合片112が回動する開口部109aが形成されている。かかる規制片109は、下方に回動付勢されているフレーム102の係合片112が開口部109aの下側縁に当接されることにより回動範囲が規制される。なお規制片109は、長辺101cの左右両側に離間して一対設けられている。
またベース部材101は、プリンタ本体2の前面側の長辺101dには、フレーム102をベース部材101に対して回動付勢するコイルバネ110の一端が係止される係止部111が設けられている。係止部111は、長辺101dの左右両端に係止孔が穿設されることにより形成されている。
ベース部材101に回動自在に支持されているフレーム102は、長辺をベース部材101と略等しい長さとし、短辺をベース部材101よりも短く形成された略矩形状の金属板からなり、ベース部材101と同様に、ヘッドキャップ5の移動方向に対して長辺が直交するようにして、ベース部材101に支持されている。具体的に、フレーム102は、図22に示すように、左右一対の短辺102a,102b側の側壁113a,113bに、下方が開放された取付孔114がブレードクリーニングローラ103の数に応じて形成され、後述する第1〜第5のブレードクリーニングローラ103a〜103eの各支軸105a〜105eを支持する第1の〜第5の軸受107a〜107eが嵌合されている。このうち、プリンタ本体2の最も前面側に位置する第5のブレードクリーニングローラ103eの第5の支軸105eは、フレーム102の軸受け片106,106に勘合されているベース軸受116にも支持されている。これによりフレーム102は、第5の軸受107e及びベース軸受116に支持された第5の支軸105eを支軸としてベース部材101に回動自在に支持されることとなる。
なお、フレーム102は、左右両側壁113a,113bに、各軸受け107a〜107eをフレーム102の側壁113a,113bとともに挟持することで、各ブレードクリーニングローラ103a〜103eの脱落を防止する押圧板115が取り付けられている。押圧板115は、各軸受け107a〜107eに支持された支軸105a〜105eを除く領域に対応して押圧片部115aが形成され、フレーム102の天板部102eにネジ止めされることにより、この押圧片部115aによって各軸受け107a〜107eを押圧する。
またフレーム102の側壁113a,113bは、プリンタ本体2の前面側に、コイルバネ110の他端が係止される係止孔117が穿設されている。係止孔117は、軸受け107eが取り付けられた位置よりもさらにプリンタ本体2の前面側に位置し、また側壁113a,113bの下端に形成されている。また係止孔117に係止されるコイルバネ110は、一端をベース部材101の長辺101dに形成された係止部111に係止され、他端をフレーム102の係止孔117に係止されることにより、伸張されている。したがって、フレーム102は、コイルバネ110に付勢されることにより、軸受け107eを支点として、常時、プリンタ本体2の背面側の長辺102cが下方に回動付勢されている。すなわち、フレーム102は、最も長辺102c側に設けられた第1のブレードクリーニングローラ103aが最も下方に回動される。
なお、コイルバネ110は、フレーム102の回動方向に対して略直交する方向に架け渡されていることから、伸張することにより発生する付勢力が、フレーム102の回動の向きと対向することがない。したがってブレードクリーニング機構100は、コイルバネ110の付勢力がフレーム102の回動の障害とならず、ヘッドキャップ5の摺接による上方への回動をスムーズに行うことができる。
またフレーム102は、図23に示すように、背面側の長辺102cにベース部材101の規制片109に対応して、係合片112が形成されている。係合片112は、長辺102cより下方に折り曲げ形成されるとともに、先端部がさらにプリンタ本体2の背面側に折り曲げられ規制片109の開口部109a内に延設されている。これによりフレーム102は、係合片112の開口部109a内における昇降範囲が規定されるため、ベース部材101に対する回動領域が規定される。
このフレーム102に支持されるブレードクリーニングローラ103は、連続気泡体からなる多孔性材料で形成された円筒体の中心に支軸105が挿通されることにより形成されている。このブレードクリーニングローラ103は、例えばポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系合成樹脂材料を素材とする連続気泡体によって形成されることにより、吸水性を有し、またインク液や溶剤等に対する化学耐性を有しかつリサイクル性にも優れている。またブレードクリーニングローラ103は、フレーム102の長辺とほぼ同一の長さを有し、支軸105がフレーム102に取り付けられている軸受107に支持されることにより、フレーム102の両側壁113a,113b間に亘って回転自在に配設されている。
本発明が適用されたブレードクリーニング機構100では、図24に示すように、第1〜第5のブレードクリーニングローラ103a〜103eが、プリンタ本体2の背面側から前面側にかけて、互いに密着しながら順次並列している。これにより第1〜第5のブレードクリーニングローラ103a〜103eは、いずれか一のブレードクリーニングローラ103が転動すると、他のブレードクリーニングローラ103も転動される。
また、第1〜第5のブレードクリーニングローラ103a〜103eは、クリーニングブレード34が摺接される第1のブレードクリーニングローラ103aから第5のブレードクリーニングローラ103eにかけて順次吸水性が高まっていくように形成されている。したがってブレードクリーニング機構100は、回転機構104によって各ブレードクリーニングローラ103が転動されると、クリーニングブレード34がインク吐出面27より払拭し第1のクリーニングローラ103aで吸水されたインクが、順次第2のブレードクリーニングローラ103b〜第5のブレードクリーニングローラ103eへ転移していく。そのため、ブレードクリーニング機構100は、第1のブレードクリーニングローラ103aが飽和することなくクリーニングブレード34のクリーニング性能を長期間に亘って維持することができる。また、従来のクリーニングシートに比して、クリーニングローラは表面積が増えるため、インクの吸引量も増加し、製品の長寿命化を図ることができる。
各ブレードクリーニングローラ103の支軸105は、フレーム102の両側壁113a,113bに取り付けられている軸受け107に回動自在に支持されている。支軸105を支持する軸受け107のうち、第5のブレードクリーニングローラ103eの第5の支軸105eは、上述したように、第5の軸受け107eに支持されるとともに、ベース部材101の軸受け片106,106に勘合されているベース軸受116にも支持されている。また第5の支軸105eは、一方の軸受け片106に取り付けられ、各ブレードクリーニングローラ103を転動させる回転機構104を構成するワンウェイクラッチ130に挿通されることにより、その回転方向が規制されている。
なお第1〜第5のブレードクリーニングローラ103a〜103eは、図24及び図25に示すように、省スペースを図るため、ジグザグに配列されているが、スペース上の問題がない場合には、直線状に配列させてもよい。
次いで各ブレードクリーニングローラ103a〜103eを転動させる回転機構104について説明する。回転機構104は、フレーム102に取り付けられると共にヘッドカートリッジ4を開放する方向に移動されたヘッドキャップ5と摺接されることによりフレーム102を回動させる回動カム123と、フレーム102の回動支軸となる第5のブレードクリーニングローラ103eの第5の支軸105eと係合され各ブレードクリーニングローラ103の回転方向を規制するワンウェイクラッチ130とを備える。
回動カム123は、フレーム102の両側壁113a,113bの背面側に取り付けられ、フレーム102の長辺102c側が下方に回動付勢されることにより、ヘッドカートリッジ4の開放方向へ移動されたヘッドキャップ5と摺接可能とされている。フレーム102は、この回動カム123がヘッドキャップ5に摺接されることにより、コイルバネ110の付勢力に対抗してベース軸受116を支点に上方に回動され、また回動カム123がヘッドキャップ5による摺接が解除されると、コイルバネ110の付勢力によって再度下方に回動復帰される。回動カム123は、下面側にヘッドキャップ5が摺接される摺接面123aが形成されている。摺接面123aは、円弧状に形成され、ヘッドキャップ5との当接及びフレーム102の回動がスムーズに行われる。
なお回動カム123は、第1のブレードクリーニングローラ103aの第1の支軸105aを支持する第1の軸受107aを兼ねて形成されている。また、回動カム123は、後述するワンウェイクラッチ130と同様のワンウェイクラッチを内蔵し、ヘッドキャップ5の開閉動作に応じて第1のブレードクリーニングローラ103aを所定量だけ回動させるようにすることもできる。回動カム123にワンウェイクラッチが取り付けられることにより、より確実に第1のブレードクリーニングローラ103aを一方向のみに回動させることができ、常に清浄な面をヘッドキャップ5側に向けて、クリーニングブレード34の清浄効果を維持することができる。なお、この場合も、第1のブレードクリーニングローラ103aは、隣接する第2のブレードクリーニングローラ103bの回転に従動して一方向へ回転される。
ワンウェイクラッチ130は、第5のブレードクリーニングローラ103eの第5の支軸105eの回転方向を規制することにより、この第5のブレードクリーニングローラ103eと密接されている他のブレードクリーニングローラ103a〜103dも一方向のみ転動可能とするものである。ワンウェイクラッチ130は、一方向の回転伝達を行う機構に一般的に用いられている様々なクラッチを用いることができる。
例えばワンウェイクラッチ130は、図26に示すように、軸受けケース131と、軸受け金具132と、クラッチ金具133と、複数個の軸受けコロ134と、スプリング135等の部材によって構成される。
軸受けケース131は、全体が略円筒状に形成され、第5の支軸105eとほぼ同径であり一方側面に開口された第1軸孔136aと、この第1軸孔136aよりも大径であり他方側面に開口された第2軸孔136bとが段部136cを介して同軸に形成された軸孔136を有する。この軸受けケース131には、第2軸孔136b内に、段部136cに突き当てて軸受け金具132が嵌め込まれている。軸受け金具132は、耐摩耗性に優れた金属材等により形成され、第2軸孔136bの軸長よりも小さい軸長を有し、例えば六角形の軸孔が貫通して形成された筒状の金具である。また軸受け金具132は、その軸孔の内径が第5の支軸105eの外径よりも大径とされる。
軸受けケース131は、第2軸孔136b内に軸受け金具132を段部136cとの間に挟み込むようにして、クラッチ金具133が嵌め込まれている。クラッチ金具133は、耐摩耗性に優れた金属材等により形成され、一端側に第2軸孔136bの開口部を閉塞する筒状のフランジ部133aが形成されるとともに、このフランジ部133aの側面に軸受け金具132の軸孔に嵌合される外形が六角形のクラッチ筒部133bが一体に形成された変形筒状の金具である。
このクラッチ金具133には、クラッチ筒部133bにその外周面にそれぞれ開口する軸方向のカムスリット133cが円周方向に並んで複数個が形成される。クラッチ金具133には、クラッチ筒部133bに、各カムスリット133cにそれぞれ連通する円周方向のスプリング収納凹部133dが形成されるとともに、各スプリング収納凹部133dの内周壁を構成するようにして薄肉の弾性内壁部133eが一体に形成されている。各弾性内壁部133eは、共同して第5の支軸105eの外径とほぼ等しい内径でかつフランジ部133aから開口する軸孔133fを構成する。
そしてクラッチ金具133は、各カムスリット133c内にそれぞれ軸受けコロ134が収納される。各軸受けコロ134は、スプリング収納凹部133dに収納されたスプリング135の弾性力によって、それぞれの外周部の一部に軸孔133f内への突出習性が付与されて第5の支軸105eの外周部に当接する。
かかるワンウェイクラッチ130は、軸受けケース131に貫通された第5の支軸105eに対して、その外周部にクラッチ金具133の各弾性内壁部133eと軸受けコロ134とが当接してこれを支持する。そしてワンウェイクラッチ130は、図26(b)において第5の支軸105eの反時計方向への回転動作に対して、各軸受けコロ134が各カムスリット133c内において回転することから、第5の支軸105eと軸受けケース131とがかみ合うことはない。このとき第5の支軸105eは、フレーム102とともに、フレーム102の回動方向に回転する。
一方、ワンウェイクラッチ130は、図26(b)において第5の支軸105eの時計方向への回転動作に対して、各軸受けコロ134が各カムスリット133cからスプリング収納凹部133d側へと移動することによって各弾性内壁部133eを第5の支軸105eの外周部に圧接させる。これによりワンウェイクラッチ130は、軸受けケース131と第5の支軸105eとが一体化した状態となり、第5の支軸105eの時計方向への回転に連動して第5の支軸105eと軸受けケース131とがかみ合う。このとき第5の支軸105eは回転を規制され、フレーム102が回動されると第5の軸受107eが第5の支軸105eに対して相対的に空転する。
そしてかかるワンウェイクラッチ130は、ベース部材101の軸受け片106に固定されるとともに、軸受けケース131に配設されたクラッチ金具133の軸孔133fに、フレーム102に嵌合された第5の軸受107及び軸受け片106に勘合されたベース軸受116に支持された第5の支軸105eが貫通され、この第5の支軸105eの外周部を各弾性内壁部133eが当接可能とされている。
そしてワンウェイクラッチ130は、フレーム102の回動カム123がプリンタ本体2の前面側に移動されてきたヘッドキャップ5と摺接されることによりベース部材101に対して上方に回動されると、図26(b)の矢印で示すように、第5の支軸105eに時計方向の回転力が伝達され、軸受けコロ134がカムスリット133cからスプリング収納凹部133d側へと移動して各弾性内壁部133eを第5の支軸105eの外周部に圧接させる。したがって、ワンウェイクラッチ130は、第5の支軸105eと軸受けケース131とが一体化された状態となり、第5の支軸105eの回転が規制される。このため、ブレードクリーニング機構100は、第5のブレードクリーニングローラ103eが回転せず、第5の支軸105eに対して第5の軸受け107eが空転しながらフレーム102のみが上方に回動される。
一方、ワンウェイクラッチ130は、フレーム102がヘッドキャップ5との摺接を解かれることによりベース部材101に対して下方に回動復帰されると、第5の軸受け107に反時計方向の回転力が伝達され、軸受けコロ134がカムスリット133c側へ移動する。これによりワンウェイクラッチ130は、弾性内壁部133eと第5の支軸105eの外周部との間の圧接状態が解除され、軸受けコロ134が第5の支軸105eの外周部を空転する。したがって、ブレードクリーニング機構100は、第5の支軸105eの自由な回転が可能となり、フレーム102の回動と連動して第5のブレードクリーニングローラ103eがフレーム102の回動方向と同方向に回転される。
そしてブレードクリーニング機構100は、図26(b)で示す反時計方向にのみ第5の支軸105e及び第5のブレードクリーニングローラ103eを回転させるため、第5のブレードクリーニングローラ103eの回転力を受けて順次従動していく第4〜第1のブレードクリーニングローラ103d〜103aも、一方向にのみ回転されることとなる。
そして、ブレードクリーニング機構100は、ヘッドキャップ5がプリンタ本体2の前面側に移動されインク吐出面27を開放する毎に回動カム123が押圧され、フレーム102が上方に回動される。またブレードクリーニング機構100は、プリンタ本体2の前面側に移動されていたヘッドキャップ5がインク吐出面27を閉塞するプリンタ本体2の背面側に移動されると、回動カム123の押圧が解除されるため、フレーム102がコイルバネ110の付勢力によって下方に回動される。したがってブレードクリーニング機構100は、ヘッドキャップ5の往復動作毎に、所定量づつ第5のブレードクリーニングローラ103eが転動するとともに、この第5のブレードクリーニングローラ103eと密着する第4のブレードクリーニングローラ103dが所定量づつ転動され、以下、順次密着するように並列配置されている第3〜第1のブレードクリーニングローラ103c〜103aも所定量づつ転動していく。
これによりクリーニングブレード34のクリーニングを行う第1のブレードクリーニングローラ103aは、クリーニングブレード34が摺接される際には、前回の摺接時とは異なる部分が臨まされるため、クリーニング性能を維持することができる。またクリーニングブレード34より吸引したインクが順次転写される各クリーニングローラ103も、隣接するクリーニングローラ103との接点が順次移っていくことから、インクの転写を効率よく行うことができる。
ここで、記録紙トレイ8より記録紙Pをプリンタ本体2内に搬送し、印刷後に記録紙トレイ8上に排出する給排紙機構9について図4を参照しながら説明する。給排紙機構9に記録紙を供給する記録紙トレイ8は、プリンタ本体2の前面底面側に設けられたトレイ装着口80に装着することにより、トレイ内に収納されている記録紙Pをプリンタ本体2内に給紙することができる。また、記録紙トレイ8は、プリンタ装置1によって印刷された記録紙Pが排出される排紙受け部8aが上面に形成されている。
給排紙機構9は、記録紙トレイ8に収納された記録紙をプリンタ本体2内に給紙する給紙ローラ81と、記録紙Pを1枚づつ分離する分離ローラ82と、記録紙Pの搬送方向をヘッドカートリッジ4側に反転させる反転ローラ83と、記録紙Pをヘッドカートリッジ4からプリンタ本体2の前面側に搬送する搬送ベルト84と、印刷された記録紙Pを排紙受け部8aに排紙する排紙ローラ85とを備える。
給紙ローラ81は、トレイ装着口80に取り付けられた記録紙トレイ8に積層して収納された印刷前の記録紙Pを記録紙トレイ8から取り出し、プリンタ本体2の背面側に搬送する。分離ローラ82は、給紙ローラ81の近傍であって記録紙Pの搬送方向下流側に一対設けられ、積層収納されている記録紙Pを1枚のみ反転ローラ83に送る。反転ローラ83は、プリンタ本体2の背面側に搬送された記録紙Pの搬送方向を反転し、ヘッドカートリッジ4の下側に記録紙Pを搬送する。搬送ベルト84は、ヘッドカートリッジ4の下方に位置し、記録紙Pをヘッドカートリッジ4の下側に保持するとともに印刷された記録紙Pをヘッドカートリッジ4の下側からプリンタ本体2の前面側に送り出す。排紙ローラ85は、記録紙Pを記録紙トレイ8の上面に形成された排紙受け部8aに排出する。
なお詳細は省略するが、プリンタ装置1は、インクカートリッジ11のインク収容部13とヘッドカートリッジ4との間でインクiを循環させる循環用ポンプ機構が設けられている。この循環用ポンプ機構は、インク流路31やインク液室32内に気泡が混入した状態でインクiを吐出することによる印画品質の低下を防止するためにヘッドカートリッジ4内に混入した気泡を除去するためのものである。かかる循環用ポンプ機構は、例えばインクカートリッジ11のインク収容部13とヘッドカートリッジ4に形成されたインク流路31とを循環用ポンプを介して、柔軟性を有する樹脂チューブ等からなるインク還流管により連結されてなる。インク還流管は、ヘッドカートリッジ4に設けられた各色毎のインク流路31の両端部、すなわちヘッドカートリッジ4の長手方向に亘って形成された共通のインク流路31の両端部に接続され、またカートリッジ装着部22に装着されたカートリッジタンク12の長手方向の両端部に接続されている。インク還流管の途中に設けられた循環用ポンプは、ヘッドカートリッジ4のインク流路31とインクカートリッジ11のインク収容部13との間でインクiを循環させるため吸入、排出の圧力発生部となるもので、例えばダイヤフラムポンプが用いられる。
かかる循環用ポンプ機構は、プリンタ装置1の起動時や印画開始前等に駆動され、循環用ポンプによってヘッドカートリッジ4のインク流路31からインクiを吸引し、インクカートリッジ11のインク収容部13へ排出する。このとき、ヘッドカートリッジ4内において、インク流路31の中央から両端部に向かって流れるインク循環となるため、インク流路31内において存在する気泡が両端部に追いやられて、インクカートリッジ11のインク収容部13内に流入され、外部連通孔15から空気中に放出される。これにより循環用ポンプ機構はインクi内に含まれる気泡を除去することができる。
以上のように構成されるプリンタ装置1は、外部に設けられた情報処理装置90から入力された印刷データに基づき、制御機構7により制御される。図27は、当該制御機構7の構成及び動作を説明するためのブロック図である。制御機構7は、プリンタ装置1の印刷を制御する制御回路91を備え、制御回路91は、上述したプリンタ本体2の給排紙機構9、キャップ移動機構6の駆動制御するプリンタ駆動部92と、インクジェットヘッド3に供給される電流等を制御する吐出制御部93と、情報処理装置90と信号の入出力を行う入出力端子94と、制御プログラム等が記録されたROM(Read Only Memory)95と、読み出された制御プログラム等を一旦格納し、必要に応じて読み出されるRAM(Random Access Memory)96と、各部の制御を行う制御部97とを有している。
プリンタ駆動部92は、制御部97からの制御信号に基づき、キャップ移動機構6の駆動モータ65を駆動させてヘッドキャップ5を移動し、インク吐出面27を開閉するようにヘッドキャップ移動機構6を制御する。また、プリンタ駆動部92は、制御部97からの制御信号に基づき、給排紙機構9を構成する駆動モータを駆動させてプリンタ本体2のトレイ装着口80に装着された記録紙トレイ8から記録紙Pを給紙し、所定の搬送速度で装置内を搬送し、印刷後にトレイ装着口80から記録紙Pを排出するように、給排紙機構9を制御する。
吐出制御部93は、制御部97からの制御信号に基づいて、選択的に発熱抵抗体28aにパルス電流を流し、所定の周波数で発熱抵抗体28aを駆動制御する。
入出力端子94は、上述した印刷条件、印刷状態、インク残量等の信号を外部の情報処理装置90に入出力する。ここで、上述した情報処理装置90は、例えば、パーソナルコンピュータやデジタルスチルカメラ、カムコーダ、カメラ付き携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)等の電子機器である。
ROM95は、制御部97が行う各処理のプログラムが格納されているメモリである。この格納されているプログラムは、制御部97によりRAM96にロードされる。RAM96は、制御部97によりROM95から読み出されたプログラムやプリンタ装置1の各種状態を記憶する。
制御部97は、例えばCPU(Central Processing Unit)であり、RAM96にロードされたプログラムに基づいて、各部を駆動し、印刷データに応じた印刷を行う。また制御部97は、インク残量検出部24からの情報を受けて警告の表示を行い、また印刷枚数や印刷開始後の経過時間等を管理し、ヘッドキャップ5のクリーニング時期や交換時期を知らせる各種表示を行う。
次に、本発明が適用されたプリンタ装置1の具体的な操作シーケンスについて説明する。プリンタ装置1は、ヘッドキャップ5がヘッドカートリッジ4を閉塞する初期状態において待機中に、プリンタ本体2に設けられた操作ボタンの操作により制御部97に印刷開始の命令がされると、制御部97からの制御信号により給排紙機構9、キャップ移動機構6を次のように駆動して、印刷が可能な状態にする。
先ずプリンタ装置1は、印刷前のインク吐出面27のクリーニングやインク残量検出等のメンテナンスを行う。具体的に制御部97は、クリーニングの信号が送信すると、インクカートリッジ11y、11m、11c、11kが正しく装着されているかを判別する。制御部97は、インクカートリッジ11のいずれかでも正しく装着されていない場合には、プリンタ本体2の所定箇所に警告を表示させる。
制御部97は、インク残量検出部24からの信号を受けて、インクカートリッジ11のインク収容部13に収容されているインクiの残量を判別する。そして制御部97は、インク残量が基準値より少ない場合には、プリンタ本体2の所定箇所に警告を表示させる。
次いで制御部97は、循環用ポンプ機構を作動させ、ヘッドカートリッジ4のインク流路31を流れるインクiを循環用ポンプで吸引し、インクカートリッジ11のインク収容部13に排出することによってインクiに含まれる気泡を除去する。制御部97は、循環用ポンプが所定回数だけ駆動されたかを判別し、循環用ポンプの駆動回数が所定回数に達すると循環用ポンプ機構を停止する。
次いで制御部97は、プリンタ駆動部92に信号を送りキャップ移動機構6を駆動させることにより、ヘッドキャップ5をヘッドカートリッジ4に対して記録紙トレイ8が設けられているプリンタ本体2の前面側に移動させる。これにより、プリンタ装置1では、インクジェットヘッド3のインク吐出面27に設けられたインク吐出ノズル26が外部に露出し、インクiを吐出できるようになる。
ここで、ヘッドキャップ5内には、上述したクリーニングローラ33及びクリーニングブレード34が設けられ、このうちクリーニングローラ33がインク吐出面27と摺動自在に支持されるとともに切換部材35によってクリーニングブレード34がインク吐出面27上から退避されていることから、ヘッドキャップ5がヘッドカートリッジ4のインク吐出面27を開放する図11及び図14中矢印O方向に移動されると、クリーニングローラ33がコイルバネ38の付勢力を受けてインク吐出面27の長手方向の全長に亘って適度な圧力で押圧しながら従動回転して、インク吐出ノズル26及びインク吐出面27に付着したゴミや増粘固化したインクのクリーニングを行う。
このとき、クリーニングローラ33には、インク吐出面27に接触する外層に界面活性剤溶液が含浸されているため、インクに対する濡れ性が非常に良い。クリーニングローラ33がインク吐出ノズル26に接触すると、瞬時にクリーニングローラ33とインク吐出面27との間にインクの層が形成され、そのインクによって、増粘したインクが再溶解され、粘度を低下させる。それら粘度低下したインクは、濡れ性が高いクリーニングローラ33に吸引され、クリーニングローラ33によるクリーニング効果を向上させることができる。従って、ヘッドキャップ5の開放動作と同時にクリーニングローラ33によってインク吐出ノズル26及びインク吐出面27に付着した増粘インクやゴミを確実に除去されることから、インク吐出ノズル26からインク滴が真っ直ぐに吐出されるようになり、ヘッドカートリッジ4の液体吐出性能を安定させることができる。
なお、クリーニングローラ33によって吸引されたインクはスクレーパ48によって吸引された後、吸引部材49に吸引される。したがって、クリーニングローラ33は、吸引したインクが飽和することなく、クリーニング性能を維持することができる。
また、クリーニングブレード34は、切換部材35のスイッチ51がインク吐出面27に押圧されて図11中反矢印S方向に回動されることにより、スイッチ51の他側面51bにホルダ45が押圧されて図11中反矢印R方向に回動され、ワイプ部43がインク吐出面27上より退避されている。したがってクリーニングローラ33によるクリーニングの後、クリーニングブレード34による過剰な摺動が抑制されるため、インク吐出ノズル26及びインク吐出面27を保護するとともに、クリーニングブレード34の劣化を防止することができる。
またクリーニングブレード34は、図24に示すように、ヘッドキャップ5がプリンタ本体2の前面側に移動されることにより、ブレードクリーニング機構100の第1のブレードクリーニングローラ103aにワイプ部43が摺動されてクリーニングが施される。これによりクリーニングブレード34は、ヘッドキャップ5による開閉動作が複数回行われる毎に、インク吐出面27をクリーニングした際に付着したインク等を第1のブレードクリーニングローラ103aによって払拭することができるため、クリーニング性能を維持することができる。なおこのとき、クリーニングブレード34は、ヘッドキャップ5がインク吐出面27と対向する位置からプリンタ本体2の前面側に移動されているため、インク吐出面27を摺動することにより反矢印S方向へ回動されていたスイッチ51が矢印S方向へ回動復帰され、これにより矢印R方向へ回動復帰されている。したがってクリーニングブレード34は、第1のブレードクリーニングローラ103aと摺接可能とされている。
クリーニングブレード34のクリーニングが行われた後、さらにヘッドキャップ5が矢印O方向へ移動されると、図25に示すように、回動カム123がヘッドキャップ5に摺接され、フレーム102が第5の支軸105eを支点に上方へ回動される。そして後にヘッドキャップ5が矢印C方向へ移動されると、回動カム123とヘッドキャップ5との摺接が解除され、フレーム102がコイルバネ110の付勢力の付勢力によって下方に回動される。これによりブレードクリーニング機構100は、ヘッドキャップ5の往復動作に伴ってフレーム102が昇降され、このフレーム102の昇降動作に応じて回転機構104が第1〜第5のブレードクリーニングローラ103a〜103eを所定量づつ転動させていく。したがって、ブレードクリーニング機構100は、クリーニングブレード34が第1のブレードクリーニングローラ103aに摺接する箇所が移っていくため、クリーニングブレード34のクリーニング性能を維持することができる。
なお、クリーニングブレード34は、ヘッドキャップ5がヘッドカートリッジ4を閉塞する矢印C方向へ移動される際にも、第1のブレードクリーニングローラ103aと矢印O方向への移動時とは反対側から摺接される。したがって、クリーニングブレード34は、両面から第1のブレードクリーニングローラ103aに摺接されるため、インク吐出面27を摺動する両角部を十分にクリーニングすることができる。
また、各ブレードクリーニングローラ103は、第1のブレードクリーニングローラ103aから第5のブレードクリーニングローラ103eにかけて、順次インクの吸引力が増大していくように形成されている。これにより、クリーニングブレード34から吸引したインクは、第1のブレードクリーニングローラ103aから順に、相隣接して密着されている第2〜第5のブレードクリーニングローラ103b〜103eにかけて転移していく。したがって、クリーニングブレード34のクリーニングを行う第1のブレードクリーニングローラ103aは、吸引したインクを転移させていくことでインク吸引力を維持することができる。また各ブレードクリーニングローラ103は、他のブレードクリーニングローラ103にインクを転移させていく他、時間の経過とともにインクが蒸発していくため、吸引力を長期に亘って維持することができる。
このようにクリーニングブレード34は、ブレードクリーニング機構100によってクリーニングされることから、後にヘッドキャップ5がヘッドカートリッジ4を閉塞するプリンタ本体2の背面側に移動される際に、インク吐出面27を確実にクリーニングすることができる。
制御部97は、吐出制御部93に制御信号を送り、クリーニングローラ33によってクリーニングが行われたインク吐出ノズル26から順次、インクiを予備吐出させる。予備吐出は、クリーニングローラ33によって増粘インクが吸引されたインク吐出ノズル26内の吐出性能を整えるために行うもので、クリーニングローラ33とクリーニングブレード34との間に設けられた吸湿材のシートからなる廃インク受けに向けてクリーニングローラ33によるクリーニングが行われたノズルライン26y、26m、26c、26kの順にインクiの液滴を吐出することにより行う。
予備吐出の後、制御部97は再度各インクカートリッジ11内に収容されたインクiの残量を検出する。そしてインク残量が基準値よりも少ない場合にはプリンタ本体2の所定箇所に警告を表示させるよう制御する。
インク残量の検出後、ヘッドキャップ閉トリガー信号が入力され、ヘッドキャップ5は、矢印C方向に示す軌跡を通って移動する。このとき、ヘッドキャップ5に設けられた切換部材35は、スイッチ51がインク吐出面27に押圧されて、図11中矢印S方向に回動される。したがって、クリーニングブレード34は、ねじりコイルバネ46の付勢力を受けたホルダ45が図11中矢印R方向に回動され、ワイプ部43がインク吐出面27と摺接可能とされる。これによりヘッドキャップ5が、ヘッドカートリッジ4の閉塞方向へ移動されると、クリーニングブレード34によってインク吐出面27に付着したインクやゴミ等のクリーニングが行われる。
また切換部材35は、スイッチ51の一側面51aがクリーニングローラ33の芯金36を下方に押圧してクリーニングローラ33をインク吐出面27より退避させる。すなわち、上述した理由により、ヘッドキャップ5が元の位置に戻るときには、クリーニングローラ33はインク吐出面27をクリーニングしない。その後、図13に示すように、ヘッドキャップ5が元の位置に戻って、再びヘッドカートリッジ4に装着されてインク吐出面27を乾燥等から保護する。
制御部97は、かかるクリーニング動作の回数を管理し、プリンタ装置1の起動時に必要な所定回数(例えば3回)だけヘッドキャップ5の往復動作、すなわちクリーニングローラ33及びクリーニングブレード34によるヘッドカートリッジ4のクリーニングが行われたかを判別する。そして制御部97は、ヘッドキャップ5の所定の往復回数に達するまでヘッドキャップ5の往復動作を続け、最後にヘッドキャップ5がインク吐出面27を開放するプリンタ本体2の前面側で停止するように制御する。これにより、プリンタ装置1は、ヘッドカートリッジ4に対し、適宜必要なクリーニングが施されるため、常にインク吐出ノズル26及びインク吐出面27を清浄に保つことができ、安定したインク吐出性能を維持することができる。
プリンタ装置1は、一連のクリーニング動作後においても各インクカートリッジ11内に基準値以上の量のインクが残存している場合には、印刷動作を開始する。具体的に制御部97は、プリンタ駆動部92に制御信号を送って給排紙機構9を駆動させる。給排紙機構9は、記録紙トレイ8から給紙ローラ81によって記録紙Pを引き出し、互いに反対方向に回転する一対の分離ローラ82a,82bによって1枚の記録紙Pのみを反転ローラ83に送り、反転ローラ83で搬送方向をインク吐出面27側に反転させ、インク吐出面27と対向する位置に設けた搬送ベルト84上に記録紙Pを搬送する。プリンタ装置1は、搬送ベルト84に搬送した記録紙Pをプラテン板86で印刷位置に支持し、記録紙Pをインク吐出面27と平行に対向させる。プリンタ装置1では、給排紙機構9により、所定の搬送速度、例えば49.5mm/sec以上で記録紙Pを搬送する。
なお、このときまでにヘッドキャップ5は、記録紙Pの搬送領域から退避され、下方に待機していた搬送ベルト84及びプラテン板86が上昇する。
次に、プリンタ装置1は、制御部97からの制御信号により、吐出制御部93が駆動して、ヘッドカートリッジ4の発熱抵抗体28aに選択的に所定の周波数、例えば9kHz以上でパルス電流を流し、発熱抵抗体28aを加熱する。プリンタ装置1は、発熱抵抗体28aを加熱することによって、図8に示すように、インク吐出面27と対向する位置に搬送された記録紙Pに対してインク吐出ノズル26より各色のインクiを微小な液滴の状態にして吐出し、インクドットからなる画像や文字等を多色印刷する。
次に、プリンタ装置1は、印刷された記録紙Pを記録紙トレイ8方向に回転する給排紙機構9の搬送ベルト84と、搬送ベルト84と対向し、記録紙トレイ8側に設けられた排紙ローラ85とによって記録紙Pを記録紙トレイ8の排紙受け部8aに送り出す。
印刷動作が終了すると、ヘッドキャップ閉トリガー信号が入力され、搬送ベルト84及びプラテン板86がヘッドキャップ5の移動領域より下方に退避するとともに、図16に示すように、ヘッドキャップ5が、ヘッドカートリッジ4を閉塞する矢印C方向に示す軌跡を通って移動する。このとき、ヘッドキャップ5に設けられた切換部材35は、スイッチ51がインク吐出面27に押圧されて、図11中矢印S方向に回動される。したがって、クリーニングブレード34は、ねじりコイルバネ46の付勢力を受けたホルダ45が図11中矢印R方向に回動され、ブレードクリーニング機構100によりクリーニングが施されたワイプ部43がインク吐出面27と摺接可能とされる。これによりヘッドキャップ5が、ヘッドカートリッジ4の閉塞方向へ移動されると、クリーニングブレード34によってインク吐出面27に付着したインクやゴミ等のクリーニングが行われる。
また切換部材35は、スイッチ51の一側面51aがクリーニングローラ33の芯金36を下方に押圧してクリーニングローラ33をインク吐出面27より退避させる。すなわち、このヘッドキャップ5が元の位置に戻るときには、クリーニングローラ33はインク吐出面27をクリーニングしない。すなわち、上述したように、印刷後にもクリーニングローラ33をインク吐出面27に従動回転されあるいは摺動すると、インク液室32に貯留されている未使用インクを必要以上に吸引し不経済となるほか、クリーニングローラ33の吸引性能が低下し、消耗品であるクリーニングローラ33の寿命が短くなってしまうからである。その後、図13に示すように、ヘッドキャップ5が元の位置に戻って、再びヘッドカートリッジ4に装着されてインク吐出面27を乾燥等から保護する。
以上、本発明が適用されたプリンタ装置1について説明したが、本発明は、上述した構成の他に、クリーニングローラ33を用いず、クリーニングブレード34のみでヘッドカートリッジ4のクリーニングを行うようにしてもよい。この場合、ヘッドキャップ5には、クリーニングブレード34をインク吐出面27から退避させる切換部材35を設けない。そして、ヘッドキャップ5をヘッドカートリッジ4の開放方向及び閉塞方向に移動させる際に、クリーニングブレード34をヘッドキャップ5の移動に応じてインク吐出面27に摺接させることによりインク吐出ノズル26やインク吐出面27のクリーニングを行う。これによりクリーニングブレード34のみで、インク吐出面27の払拭とインク吐出ノズル26の吸引を行うことができる。
また、本発明が適用されたプリンタ装置1は、上述したようにクリーニングローラ103を5つ設ける構成に限らず、任意の数、すなわち一つ又は複数設けてもよい。一つだけ設けるようにした場合も、クリーニングブレード34に付着したインクを吸引したクリーニングローラ103は、支軸105が回転機構104のワンウェイクラッチ130によって一方向に回転され、ヘッドキャップ5の往復動作に応じて漸次転動される。したがって、このクリーニングローラ103は、クリーニングブレード34が摺接する部分が移動していくため、クリーニング性能を維持できる。またクリーニングローラ103は、吸引したインクが時間の経過とともに蒸発していくため、吸引力を維持することができる。
また、本発明が適用されたプリンタ装置1は、クリーニングローラ103を複数設けた場合、各クリーニングローラ103の径を同一にする以外に、大小のクリーニングローラ103を組み合わせることにより、フレーム102の回動に伴う回転のストロークや、順次転移されるインクの吸引許容量を調整することもできる。
また、本発明が適用されたプリンタ装置1は、クリーニングローラ103を複数設けた場合、フレーム102の回動支軸となるとともにワンウェイクラッチ130が設けられるクリーニングローラは、複数並列されたうちのプリンタ本体2の前面側の一端に支持されるクリーニングローラに限らず、適宜変更することができる。この場合も、各クリーニングローラ103は、互いに密着して支持されるため、いずれか一つのクリーニングローラがワンウェイクラッチ130によって回転方向が規制されると、その他のクリーニングローラも一方向のみに回転される。
また、本発明が適用されたプリンタ装置1は、ヘッドキャップ5の開閉動作に応じて各クリーニングローラ103を回転させる回転機構104は、ワンウェイクラッチ130を用いる方法以外にも、例えばステッピングモーターとギヤ列を介して各クリーニングローラ103を連結させる等、公知の手段を用いて行うことができる。
また、本発明が適用されたプリンタ装置1は、クリーニングローラ103を複数設けた場合に、クリーニングブレード34がプリンタ本体2の最も背面側に支持された第1のブレードクリーニングローラ103aのみに摺接するようにする以外にも、いずれか一又は複数のクリーニングローラに摺接するようにしてもよい。
以上、本発明が適用されたプリンタ装置1についてラインヘッド型のプリンタ装置を例に挙げて説明したが、本発明はラインヘッド型のプリンタ装置に限定されることはなく、例えばインク吐出ヘッドが記録紙Pの走行方向と略直交する方向に移動するシリアルヘッド型の液体吐出装置にも適用可能である。
また、本発明を適用したインクカートリッジ11がプリンタ装置1に装着される場合について説明したが、本発明は、以上の例に限定されるものではなく、液体を吐出する他の液体吐出装置に広く装着することが可能である。例えばファクシミリやコピー機、液体中のDNAチップ用吐出装置(特開2002−253200号公報)、プリンタ配線基板の配線パターンを形成するための導電性粒子を含む液体を吐出する液体吐出装置等に液体を供給するための液体カートリッジにも適用可能である。
本発明が適用されたプリンタ装置を示す外観斜視図である。 インクジェットヘッド及び記録紙トレイが装着されるプリンタ装置を示す外観斜視図である。 プリンタ装置の分解斜視図である。 プリンタ装置の内部構成を示す側面図である。 インクジェットヘッドを示す斜視図である。 インクカートリッジが装着されたヘッドカートリッジを示す断面図である。 ヘッドカートリッジのインク吐出面を示す平面図である。 ヘッドカートリッジのインク吐出ノズルを示す断面図である。 ヘッドキャップを示す平面図である。 ヘッドキャップの内部を示す平面図である。 図9に示すヘッドキャップのx−x断面図である。 図9に示すヘッドキャップのy−y断面図である。 ヘッドキャップがヘッドカートリッジを閉塞している状態を示すインクジェットヘッドを示す側面図である。 ヘッドキャップがヘッドカートリッジを開放している状態を示すインクジェットヘッドを示す側面図である。 ヘッドキャップがヘッドカートリッジを開放している状態を示すインクジェットヘッドを示す側面図である。 ヘッドキャップがヘッドカートリッジを閉塞している状態を示すインクジェットヘッドを示す側面図である。 キャップ移動機構に支持されたヘッドキャップを示す平面図である。 キャップ移動機構を示す平面図である。 支持枠部材を示す側面図である。 シャーシ側面部及びラックプレートを示す側面図である。 ブレードクリーニング機構を示す斜視図である。 ブレードクリーニング機構を示す分解斜視図である。 ブレードクリーニング機構を示す斜視図である。 クリーニングブレードのクリーニングを行うブレードクリーニング機構を示す側面図である。 ブレードクリーニングローラを転動させるブレードクリーニング機構を示す斜視図である。 ワンウェイクラッチを説明するための図である。 制御機構を示すブロック図である。
符号の説明
1 インクジェットプリンタ装置、2 プリンタ本体、3 インクジェットヘッド、4 ヘッドカートリッジ、5 ヘッドキャップ、6 キャップ移動機構、7 制御機構、8 記録紙トレイ、9 給排紙機構、11 インクカートリッジ、12 カートリッジタンク、21 カートリッジ本体、22 カートリッジ装着部、26 インク吐出ノズル、27 インク吐出面、32 インク液室、33 クリーニングローラ、34 クリーニングブレード、35 切換部材、36 芯金、37 軸受け、38 コイルバネ、39 ローラフランジ、43 ワイプ部、44 支持板、45 ホルダ、46 ねじりコイルバネ、47 ストッパプレート、48 スクレーパ、49 吸引部材、50 天板、51 スイッチ、52 スイッチバネ、61 側面部、62 支持枠部材、63 ヘッドキャップホルダ、64 ラックプレート、65 駆動モータ、68 第1のガイド溝、69 第2のガイド溝、71 第1のガイドコロ、72 第2のガイドコロ、100 ブレードクリーニング機構、101 ベース部材、102 フレーム、103 ブレードクリーニングローラ、104 回転機構、105 支軸、106 軸受け片、107 軸受、109 規制片、110 コイルバネ、111 係止部、112 係合片、113 側壁、114 取付孔、115 押圧板、117 係止孔、123 回動カム、130 ワンウェイクラッチ、131 軸受けケース、134 軸受けコロ

Claims (8)

  1. 液体を吐出する液体吐出ノズルが配列された液体吐出面を有する液体吐出ヘッドと、
    上記液体吐出面に摺接され、該液体吐出面を払拭するワイプ部材と、
    上記ワイプ部材が配設されるとともに、該ワイプ部材を上記液体吐出ヘッドと対向する位置と該液体吐出ヘッドから退避する位置との間に亘って移動させる移動部材と、
    上記液体吐出ヘッドから退避した位置に移動された上記ワイプ部材と摺接されることにより、該ワイプ部材のクリーニングを行うクリーニングローラと、上記移動部材による上記ワイプ部材の移動操作に応じて上記クリーニングローラを回転させる回転機構とを有するクリーニング機構とを備える液体吐出装置。
  2. 複数の上記クリーニングローラが並列されるとともに、相隣接するクリーニングローラが互いに密着され、一のクリーニングローラが回転されると、他のクリーニングローラが従動されていくことを特徴とする請求項1記載の液体吐出装置。
  3. 上記各クリーニングローラは、上記ワイプ部材が摺接される一端のクリーニングローラから他端のクリーニングローラにかけて順次、吸水力が増大していくことを特徴とする請求項2記載の液体吐出装置。
  4. 上記各クリーニングローラは、一方向のみ回転可能とされていることを特徴とする請求項2記載の液体吐出装置。
  5. 上記各クリーニングローラは、ベース部材に回動自在に支持されたフレームに回転自在に支持され、
    上記フレームは、上記移動部材に当接されることにより、上記各クリーニングローラのいずれか一つのシャフトを支軸として回動され、該支軸にはワンウェイクラッチが設けられていることを特徴とする請求項4記載の液体吐出装置。
  6. シャフトに上記ワンウェイクラッチが設けられたクリーニングローラは、上記フレームに並列して支持されている各クリーニングローラのうち、一端に設けたものであることを特徴とする請求項5記載の液体吐出装置。
  7. 上記クリーニングローラは、一方向のみ回転可能とされていることを特徴とする請求項1記載の液体吐出装置。
  8. 上記クリーニングローラは、ベース部材に回動自在に支持されたフレームに回転自在に支持され、
    上記フレームは、上記移動部材に当接されることにより、上記クリーニングローラのシャフトを支軸として回動され、該支軸にはワンウェイクラッチが設けられていることを特徴とする請求項7記載の液体吐出装置。
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