図1は、本発明の実施形態に係る電子機器としての携帯電話機1の外観を示す斜視図であり、図1(a)は開状態を示す斜視図、図1(b)は閉状態を示す斜視図である。
携帯電話機1は、いわゆる折り畳み式の携帯電話機として構成されており、開状態と閉状態との間で互いに回動可能に連結された第1筐体2及び第2筐体3を備えている。
第1筐体2及び第2筐体3は、それぞれの端部が回動の中心となる連結部4により連結されることにより携帯電話機1全体の筐体を構成するようになっている。第1筐体2及び第2筐体3は、それぞれ概ね薄型直方体状に形成されており、閉状態では互いに重ねあわされて互いの輪郭が略一致する。
第1筐体2は、閉状態において第2筐体3と対向する対向面2a及びその背面となる背面2bとを有している。第1筐体2には、例えば、対向面2aに開口する不図示の放音口から放音する通話用のスピーカ107(図13参照)、対向面2aに画像や文字を表示するメイン表示部6(図8参照)、背面2bに画像や文字を表示するサブ表示部5、サブ表示部5の外周に設けられ、ユーザの操作を受け付けるリングキー(操作部材)7、背面2bから撮像する撮像部9、背面2b側を照明するフラッシュ11が設けられている。
背面2bには筐体開口2hが形成されている。リングキー7は筐体開口2hから露出している。サブ表示部5は、リングキー7のキー開口7hから露出している。筐体開口2h、キー開口7hの形状は、例えば円形である。
第2筐体3は、閉状態において第1筐体2と対向する対向面3a及びその背面となる背面3bとを有している。第2筐体3には、例えば、対向面3aに開口する不図示の収音口から収音する通話用のマイクロフォン108(図13参照)、電波を利用した無線通信を行うための送受信用の内蔵アンテナ105(図13参照)、対向面3aに配列され、ユーザの操作を受け付ける不図示のダイヤルキーが設けられている。
図2は、第1筐体2の分解斜視図である。図2の紙面上方側が背面2b側であり、紙面下方側が対向面2a側である。
第1筐体2は、対向面2aを構成するフロントケース21と、フロントケース21との間に種々の電子部品等を収納するようにフロントケース21と固定されるリアケース23と、リアケース23に被せられて背面2bを構成する装飾パネル25とを有している。なお、第1筐体2は、フロントケース21とリアケース23とを有する第3筐体2′に装飾パネル25が被せられていると捉えることもできる。
フロントケース21と、リアケース23との間には、フロントケース21側から、メイン表示装置49、表示用基板27、サブ表示装置29、補強フレーム31、両面テープ33、トリムプレート(透光部材)35、両面テープ37、センサ基板39が順に積層的に(厳密には一部並列に)配置されている。リアケース23と装飾パネル25との間には、キーシート41とリングキー7とが積層的に一体化されて配置されている。センサ基板39のリアケース23側の実装面39aには、リングキー7を介してユーザの操作を検出する複数のドームスイッチ45やタッチセンサ電極47、リングキー7を照明する発光素子53が設けられている。なお、サブ表示装置29及びトリムプレート35は、サブ表示部5を構成している。
フロントケース21、リアケース23及び装飾パネル25は、例えば樹脂により形成されている。フロントケース21とリアケース23とは、例えば、一方に設けられた不図示のネジボスに他方に挿通された不図示のネジが螺合されることにより互いに固定される。フロントケース21とリアケース23とが互いに固定されることにより、メイン表示装置49、表示用基板27、サブ表示装置29、補強フレーム31及びセンサ基板39は、互いに積層された状態(厳密には一部並列に配置された状態)で、フロントケース21とリアケース23に挟持される。
メイン表示装置49は、例えば有機ELディスプレイや液晶表示ディスプレイにより構成されている。メイン表示装置49は、メイン表示部6を構成し、フロントケース21の対向面2aの内側面に対向する表示面49a(図8参照)を有している。なお、図2では、メイン表示装置49の背面の一部が表示用基板27の基板開口27hから露出している状態を示している。
表示用基板27は、例えば樹脂をベースとしたプリント配線板により構成されている。表示用基板27には、メイン表示装置49やサブ表示装置29の動作を制御する制御回路などが設けられている。
表示用基板27は、フロントケース21やリアケース23の側面内側や、フロントケース21やリアケース23に設けられた不図示のボスに当接することにより、フロントケース21やリアケース23に対して実装面に沿う方向の位置決めがなされる。また、表示用基板27は、フロントケース21側の実装面がフロントケース21の内側面に設けられたリブやメイン表示装置49の背面に当接し、リアケース23側の実装面が補強フレーム31に当接することにより、フロントケース21やリアケース23に対して実装面に直交する方向の位置決めがなされる。
サブ表示装置29は、例えば有機ELディスプレイや液晶表示ディスプレイにより構成されている。サブ表示装置29は筐体開口2hに対向する表示面29aを有している。サブ表示装置29は、例えば薄型直方体状である。表示面29aは、例えば矩形である。サブ表示装置29は、表示用基板27に設けられた基板開口27hに嵌合挿入され、サブ表示装置29の背面はメイン表示装置49の背面に当接する。
図3は、トリムプレート35の配置方法を説明する分解斜視図である。トリムプレート35は、サブ表示装置29の表示面29aを埃や水などから保護するために設けられる透光部材である。
従来の携帯電話機では、サブ表示部の周囲にリングキーは設けられておらず、トリムプレートはリアケースの開口を塞ぐようにリアケースに直接固定される。しかし、携帯電話機1では、サブ表示部5の周囲にリングキー7が配置されることから、トリムプレート35と筐体開口2hとの間にリングキー7を配置するための隙間を設けなければならず、トリムプレート35をリアケース23又は装飾パネル25に直接固定することは難しい。
そこで、携帯電話機1は、リアケース23とサブ表示装置29との間に配置される補強フレーム31にトリムプレート35を固定している。そして、補強フレーム31をフロントケース21とリアケース23とにより挟持することにより、間接的にトリムプレート35をリアケース23に対して固定している。
図4は、センサ基板39の配置方法を説明する分解斜視図である。
センサ基板39には、基板開口39hが形成されている。基板開口39hは、例えばトリムプレート35を嵌入可能な形状(例えば略円形)である。センサ基板39は、トリムプレート35を基板開口39hに挿入させつつ、補強フレーム31の筐体開口2hに対向する面に積層される。従って、トリムプレート35を介してサブ表示装置29の表示面29aを露出させつつ、リアケース23の内側面に対向してセンサ基板39を配置することが可能となる。換言すれば、表示面29aを露出させつつ、リングキー7に対向してドームスイッチ(タクトスイッチ)45やタッチセンサ電極47を配置することが可能となる。
以下では、補強フレーム31、トリムプレート35、センサ基板39の組合せをフレームアセンブリ51ということがある。
図5は、フレームアセンブリ51の分解斜視図である。図5において、紙面上方側がフロントケース21側である。図2〜図5を参照して、フレームアセンブリ51の詳細を説明する。
補強フレーム31は、例えば樹脂により形成されている。図3〜図5に示すように、補強フレーム31は、表示用基板27や表示面29aに対向する板状部31aと、板状部31aから表示用基板27側へ突出するリブ31bとを有している。
板状部31aは、例えばサブ表示装置29よりも広い面積を有しており、表示用基板27の大部分を覆っている。板状部31aには、表示面29aを筐体開口2h側へ露出させるためのフレーム開口31h(図5)が形成されている。フレーム開口31hは例えば矩形としてあるが適宜必要に応じて円形や楕円形としても構わない。
リブ31bは表示用基板27に当接し、表示用基板27と板状部31aとの間に電子部品等を配置可能なスペースを形成する(図8参照)。リブ31bは、例えば、サブ表示装置29の外周を囲むように延びている。また、リブ31bは、板状部31aの外周縁の一部に沿うように延びている。
図2に示すように、板状部31aは、筐体開口2h側にトリムプレート35と略同一形状(例えば略円形)の凹部31dを有している。凹部31dの深さは、両面テープ33の厚さよりも大きく、両面テープ33の厚さとトリムプレート35の厚さとを加算した厚さよりも小さい。
図5に示すように、板状部31aのサブ表示装置29側の面には、ダストシート43が配置される。ダストシート43は、弾性部材により構成されている。弾性部材は例えばスポンジ、ゴムである。ダストシート43には、フレーム開口31hと略同一形状のシート開口43hが形成されている。ダストシート43の外縁は、サブ表示装置29と略同一形状(例えば矩形)であり、サブ表示装置29を囲むリブ31bにより補強フレーム31に対して位置決めされている。
図2及び図5に示すように、両面テープ33は、例えば、外縁の形状はトリムプレート35の外縁と略同一形状(例えば略円形)であり、フレーム開口31hと略同一形状(例えば略矩形)のテープ開口33hを有している。両面テープ33は、例えば、ゴムなどの弾性部材に接着剤が塗布されて構成されている。
トリムプレート35は、例えば透光性を有する樹脂、ガラス、セラミックス、単結晶体等により形成されている。トリムプレート35の形状は、例えば円盤状である。トリムプレート35の径は筐体開口2hよりも小さく、トリムプレート35と筐体開口2hとの間には、リングキー7を配置可能な隙間が形成される。トリムプレート35の外周面には、位置決め突部35d(図5)が半径方向に突出している。
図2及び図5に示すように、両面テープ37は、例えば、外縁の形状はセンサ基板39の一部と略同一形状(例えばセンサ基板39と3辺が一致する矩形)であり、後述する基板開口39hと略同一形状(例えば略円形)のテープ開口37hを有している。両面テープ37は、例えば、ゴムなどの弾性部材に接着剤が塗布されて構成されている。
センサ基板39は、例えば樹脂をベースとしたプリント配線板により構成されている。基板開口39hの径は、トリムプレート35よりも大きく、筐体開口2hよりも小さい。ドームスイッチ45、タッチセンサ電極47及び発光素子53は、基板開口39hの周囲に設けられている。
具体的には、ドームスイッチ45は、第1筐体2の長手方向(連結部4側の端部から反対側の端部への方向)において基板開口39hの両側に2つ、第1筐体2の短手方向において基板開口39hの両側に2つ、合計4つ設けられている。発光素子53は、ドームスイッチ45間にそれぞれ配され、合計4つ設けられている。タッチセンサ電極47は、ドームスイッチ45と発光素子53の間にそれぞれ1つずつ、合計8つ設けられている。すなわち、ドームスイッチ45及びタッチセンサ電極47は、基板開口39hを囲むように、交互に複数配列されている。
以上の構成要素を有するフレームアセンブリ51では、補強フレーム31とトリムプレート35とは両面テープ33により互いに固定される。この際、トリムプレート35は、補強フレーム31の凹部31dに嵌合挿入されて補強フレーム31に対して位置決めされる。トリムプレート35の周方向の位置決めは突部35dが凹部31dの縁部に形成された窪みに嵌合することにより行われる。
また、補強フレーム31とセンサ基板39とは両面テープ37により互いに固定される。この際、センサ基板39はトリムプレート35が基板開口39hに挿入されて位置決めされる。トリムプレート35の周方向の位置決めは突部35dが基板開口39hの縁部に形成された窪みに嵌合することにより行われる。
なお、補強フレーム31にセンサ基板39を固定した後にトリムプレート35を固定してもよい。凹部31dは両面テープ33の厚さと同等の深さのみを有し、トリムプレート35は凹部31dにより位置決めされなくてもよい。
図6は、リングキー7の組み込み方法を説明する分解斜視図である。
リアケース23は、背面と背面の周囲を囲む傾斜した側面とを有する概ね箱体状に形成されている。リアケース23の背面側には、装飾パネル25が嵌合するパネル用凹部23aが形成されている。パネル用凹部23aの深さは、例えば装飾パネル25の厚さと同等である。パネル用凹部23aの底部には、キーシート41が嵌合するシート用凹部23bが形成されている。シート用凹部23bの深さは、例えばキーシート41の厚さと同等である。シート用凹部23bの底部には、サブ表示装置29の表示面29aを露出させるためのケース開口23hが形成されている。ケース開口23hは例えば円形である。また、シート用凹部23bの底部のうちケース開口23hの周囲には、キーシート41側に突出する位置決め突部23cが複数形成されている。
キーシート41は、例えば透光性を有するシリコンゴムにより形成されている。キーシート41は、例えば丸みを有する矩形状に形成されている。キーシート41にはサブ表示装置29の表示面29aを露出させるためのシート開口41hが形成されている。シート開口41hは例えば円形である。キーシート41のうち、リングキー7の取付位置よりも外周側には、位置決め孔部41aが複数設けられている。位置決め孔部41aは、例えば4隅に設けられている。
装飾パネル25は、例えばリアケース23の背面全体及び連結部4と反対側端部(図6の紙面左側)の側面を覆う大きさ、形状に形成されている。なお、装飾パネル25の背面は第1筐体2の背面2bを構成する。装飾パネル25には、サブ表示装置29の表示面29aを露出させるためのパネル開口25hが形成されている。パネル開口25hは例えば円形である。
リングキー7は、例えばABS(アクリロニトリル、ブタジエン、スチレン)、PC(ポリカーボネート)等の樹脂により形成されている。リングキー7は、キーシート41の装飾パネル25側の面に、キー開口7hとシート開口41hとが重なるように、接着剤や両面テープなどの固定手段により固定される。キーシート41は、位置決め孔部41aにリアケース23の位置決め突部23cが挿入されて位置決めされつつ、リアケース23のシート用凹部23b内に配置される。装飾パネル25は、リアケース23のパネル用凹部23aに嵌合されて位置決めされるとともに、接着剤によりリアケース23に対して固定される。キーシート41は、リアケース23と装飾パネル25とにより挟持される。リングキー7はパネル開口25hから露出する。なお、ケース開口23h及びパネル開口25hは、筐体開口2hを構成する。
図7(a)は、第1筐体2の平面図であり、図7(b)は、図7(a)のVIIb−VIIb線矢視方向の端面図であり、図7(c)は、図7(a)のVIIc−VIIc線矢視方向の端面図である。
図7(c)に示すように、フロントケース21には、第2筐体3側に突出する突部21aが形成されている。突部21aは、第2筐体3の端部に形成された不図示の切り欠き部に嵌合にして連結部4を構成する。
図8は、図7(b)の領域VIIIの拡大図である。
メイン表示装置49の表示面49a側(図8の紙面下方側)には、表示面49aを保護するための透光性を有するトリムプレート61が配置されている。メイン表示装置49の背面側(図8の紙面上方側)には、上述のように、表示用基板27及びサブ表示装置29が配置されている。
サブ表示装置29の表示面29a上には、上述のように、ダストシート43、補強フレーム31、両面テープ33、トリムプレート35、両面テープ37(図8では不図示)、センサ基板39、リアケース23、キーシート41、リングキー7、装飾パネル25が積層的に配置されている。ただし、両面テープ33及びトリムプレート35は、センサ基板39、リアケース23、キーシート41、装飾パネル25に対して並列的に配置されている。
表示面29aは、これらの各部材に形成されたシート開口43h、フレーム開口31h、テープ開口33h、テープ開口37h(図8では不図示)、基板開口39h、ケース開口23h、シート開口41h(筐体開口2h)、キー開口7h、パネル開口25h(筐体開口2h)と、透光性を有するトリムプレート35とを介して第1筐体2の背面側に露出する。
図9(a)は、図8の一部を拡大した図であり、図9(b)は、図7(c)の領域IXbを拡大した図であり、図10(a)は、図7(a)のXa−Xa線矢視方向の端面図であり、図10(b)は、図7(a)のXb−Xb線矢視方向の端面図である。
基板開口39hは、トリムプレート35よりも径が大きく、ケース開口23hよりも径が小さい。従って、センサ基板39は、基板開口39hの周囲に、トリムプレート35の縁部と、ケース開口23hの縁部との間に位置する環状領域39cを有している。
図9(a)及び図9(b)に示すように、ドームスイッチ45は、センサ基板39の実装面39aのうち環状領域39cに設けられている。ドームスイッチ45は、ドーム状の板金からなる可動接点45aを有している。可動接点45aの縁部45bはセンサ基板39の導電パターンと接続されている。センサ基板39のうち可動接点45aの中央と対向する位置には、固定接点45cが設けられている。可動接点45aは、その突出方向に抗して押圧されると、反転してクリック感を生じつつ固定接点45cに当接する。これによりドームスイッチ45はオンされる。押圧が解除されると、可動接点45aはその復元力により固定接点45cから離れ、ドームスイッチ45はオフされる。
図10(a)及び図10(b)に示すように、タッチセンサ電極47は、センサ基板39の環状領域39c及び環状領域39cの外周側に亘って設けられている。タッチセンサ電極47は、例えば静電容量式のタッチセンサ48(図13参照)を構成する電極である。タッチセンサ電極47は、特に図示しないが、センサ基板39に沿って配置される第1電極と、第1電極と誘電体を介して対向配置される第2電極とを有している。ユーザの指がタッチセンサ電極47に近づくと、ユーザの指がアースとして(又は誘電体として)機能することにより、第1電極と第2電極との間の静電容量が変化する。タッチセンサ48は、その静電容量の変化を検出することにより、ユーザの操作を検出する。なお、静電容量の変化を検出する回路は、例えばセンサ基板39の適宜な位置に設けられている。
図9(a)、図9(b)、図10(a)及び図10(b)に示すように、キーシート41は、センサ基板39の環状領域39cの外周側の大部分を覆うように配置されている。すなわち、キーシート41の外縁は、リアケース23のケース開口23hよりも外周側に位置し、キーシート41の内縁は、基板開口39hの外周側であってドームスイッチ45やタッチセンサ電極47よりも内周側に位置している。
キーシート41の外縁側には、リアケース23のシート用凹部23bの底部と装飾パネル25との間に挟持される被挟持部41cが形成されている。被挟持部41cは、ケース開口23h及びパネル開口25hの外周に亘って挟持されている。換言すれば、被挟持部41cは、ケース開口23h及びパネル開口25hを囲むように環状に形成されている。被挟持部41cは、装飾パネル25側に突出するように肉厚に形成されている。被挟持部41cの厚さは例えば0.2mmである。なお、図では、被挟持部41cは装飾パネル25と離間しているが、実際には装飾パネル25と密着する。
キーシート41の内縁側には、基板開口39hの外周側であってドームスイッチ45やタッチセンサ電極47よりも内周側の位置にてセンサ基板39の実装面39aに当接する当接部41dが形成されている。当接部41dは、センサ基板39側に突出するように肉厚に形成されている。当接部41dは、基板開口39hを囲むように環状に形成されている。当接部41dは、リングキー7と重なる領域に形成されている。
被挟持部41cと当接部41dとの間の被覆部41eは、ドームスイッチ45、タッチセンサ電極47及び発光素子53を覆っている。被覆部41eは、当接部41d、及び、被挟持部41cとセンサ基板39との間のリアケース23がスペーサとして機能することにより、センサ基板39の実装面39aから離間されている。
図9(a)及び図9(b)に示すように、被覆部41eのうち、ドームスイッチ45に対向する位置には、ドームスイッチ45の押圧を容易にするための押し子41bが形成されている。押し子41bは、ドームスイッチ45側に突出して肉厚に形成されている。なお、図10(a)に示すように、タッチセンサ電極47の配置位置には押し子41bは形成されていない。
図9(a)、図9(b)、図10(a)及び図10(b)に示すように、リングキー7は、パネル開口25hから露出する露出面7aを有している。図6、図9(a)、図10(a)及び図10(b)に示すように、露出面7aは、外周側の頂面7bと、内周側の傾斜面7cとを有している。なお、図9(b)では、露出面7aに設けられ半径方向に延びる溝のために、頂面7b及び傾斜面7cは図示されていない。
図9(a)、図9(b)、図10(a)及び図10(b)に示すように、頂面7bは、トリムプレート35の露出面35aよりもケース外部側(紙面上方側)に位置している。頂面7bは、第1筐体2の背面2b、トリムプレート35、センサ基板39等に略平行に形成されている。図9(a)及び図9(b)に示すように、頂面7bの外縁(露出面35aの外縁)、換言すれば、頂面7bのストロークが最も大きい位置は、押し子41b及びドームスイッチ45の中央に位置している。
図9(a)、図9(b)、図10(a)及び図10(b)に示すように、傾斜面7cは、トリムプレート35の露出面35aよりもケース外部側(紙面上方側)に位置している。傾斜面7cは、内周側ほどケース内部側に位置するように傾斜している。傾斜面7cは、図9(a)に示すように、ドームスイッチ45よりも内周側に位置しており、傾斜面7cに加えられる傾斜面7cに直交する方向の力は、ドームスイッチ45側に伝わりやすくなっている。なお、傾斜面7cは、パネル開口25hから露出する露出面としての頂面7bと、リングキー7の内周面との稜部に設けられた面取り面と捉えることができる。
図9(a)及び図9(b)に示すように、リングキー7の外周側には、半径方向に突出するフランジ7fが形成されている(図12も参照)。フランジ7fは、装飾パネル25のパネル開口25hの縁部にパネル内部側から係合し、リングキー7のパネル開口25hからの抜けを防止する抜け止め部として機能する。フランジ7fは、押し子41b(ドームスイッチ45)の配置位置と同様に、4方に配置されている(図12(a)参照)。押し子41bは、フランジ7fと重なる位置に配置されている。
図9(a)、図9(b)、図10(a)及び図10(b)に示すように、リングキー7のケース内部側の面は、外周側の固定面7dと、内周側の対向面7eとを有している。リングキー7は、固定面7dがキーシート41の被覆部41eに接着材や両面テープなどの固定手段により固定されることにより、キーシート41に対して固定されている。
対向面7eは、キーシート41の当接部41dと対向している。対向面7eは、固定面7dよりもキーシート41から離間する方向に(紙面上方側)に位置している。すなわち、リングキー7のキーシート41に対向する面には、内周側が外周側よりもキーシート41から離間するように段差が形成されている。そして、対向面7eは、キーシート41から所定のクリアランスで離間しており、リングキー7は、当接部41dにより押下が妨げられにくくなっている。
対向面7eは、トリムプレート35の露出面35aの外周側の部分と対向している。換言すれば、リングキー7は、トリムプレート35の露出面35aの外周部を覆う環状の重なり部7gを有している。対向面7eは、リングキー7に対して押し込み操作がなされたときに、トリムプレート35の露出面35aに当接する。これにより、押し込み操作時にリングキー7を介してドームスイッチ45、タッチセンサ電極47、発光素子53に過剰な負荷が加えられることが防止される。
トリムプレート35の露出面35aは、露出面35aの大部分を占める頂面35bと、その外周側の傾斜面35cとを有している。頂面35bは、装飾パネル25やセンサ基板39等に平行な平面状に形成されている。傾斜面35cは、外周側ほどケース内部側に位置するように傾斜している。なお、傾斜面35cは、パネル開口25hから露出する露出面としての頂面35bと、トリムプレート35の内周面との稜部に設けられた面取り面と捉えることができる。傾斜面35cは、リングキー7に対して押し込み操作がなされたときに対向面7eが当接する。
図10(b)に示すように、補強フレーム31は、フロントケース21の側面21cに沿うリブ31bから、側面21cに向かって突出する係合部31c(図4も参照)を有している。一方、側面21cの内側面には、係合部31cに係合可能な被係合部21dが形成されている。被係合部21dは、側面21cの内側面に係合部31cの突部が収納される凹部が形成されることにより形成されている。
フレームアセンブリ51は、係合部31c及び被係合部21dが係合することにより、フロントケース21に対して固定される。この際、ダストシート43はサブ表示装置29の表示面29aの周囲に当接する。すなわち、サブ表示装置29は、係合部31cが被係合部21dに係合し、補強フレーム31がフロントケース21に対して固定されることにより、補強フレーム31と、フロントケース21とに挟持されている。
図11は、リングキー7の内周側の防水構造を説明する図であり、図11(a)はリングキー7の周辺の拡大図、図11(b)は図11(a)の領域XIbを模式的に示す図である。
キーシート41の被覆部41eのケース外側方向への限界位置(紙面上方側への上限位置)は、リングキー7の固定面7dによって規定されている。リングキー7のケース外側方向への限界位置(紙面上方側への上限位置)は、フランジ7fによって規定されている。
図11(a)に示すように、キーシート41は、第1筐体2に取り付けられていない状態では、内周側部分がセンサ基板39側に曲がるように形成されている。具体的には、被覆部41eには、当接部41dがセンサ基板39側に位置するように、屈曲部41fが形成されている。屈曲部41fは、例えば、リングキー7の固定面7dと対向面7eとの境界付近に設けられている。
屈曲部41fが設けられていることにより、当接部41dは、被覆部41eのうち固定面7dが固定される部分からの突出量が、当該固定される部分の上限位置とセンサ基板39の実装面39aとの距離DS1よりも大きくなる。
従って、図11(b)において点線で示すように、第1筐体2に取り付けられる前に屈曲していた被覆部41eは、図11(b)において実線で示すように、第1筐体2に取り付けられると、曲げを矯正する方向に弾性変形し、復元力を生じる。当接部41dは、その復元力を付勢力としてセンサ基板39に押し付けられる。
なお、当接部41dの被覆部41eからの突出量と、リアケース23のうち被挟持部41cとセンサ基板39との間に挟まれる部分との厚さは、距離DS1と同等に設定されており、キーシート41が第1筐体2に取り付けられると、被覆部41eは略平面状になる。
図4及び図10(a)に示すように、補強フレーム31の板状部31aには、タッチセンサ電極47と重なる位置に凹部31dが設けられている。凹部31dは、複数のタッチセンサ電極47のうち、近傍に電子部品が配置されるものに対応して選択的に設けられている。図4では、紙面右側のタッチセンサ電極47と紙面左側のタッチセンサ電極47に対応して形成されている場合を例示している。なお、凹部31dは、全てのタッチセンサ電極47それぞれに対応して設けられていてもよい。
凹部31dは、補強フレーム31の板状部31aのうちセンサ基板39が載置される面においていわゆる肉盗み部を設けることにより形成されている。凹部31d内は空洞となっており、空気が存在している。なお、補強フレーム31を形成する樹脂の誘電率(例えば2.0〜6.0)は、空気の誘電率(約1.0)よりも大きい。従って、補強フレーム31は、タッチセンサ電極47と重なる領域が他の領域に比較して誘電率が低くなっており、補強フレーム31に対してタッチセンサ電極47とは反対側における電気容量の変化は、タッチセンサ電極47側の電気容量に変化を及ぼし難くなっている。
表示用基板27の凹部31dと重なる位置には、電子部品が配置されている。電子部品は、金属体等の比較的誘電率の高い部材を含んでいる。図4では、電子部品として、紙面右側の凹部31dと重なる位置にコネクタ67(図3も参照)が、紙面左側の凹部31dと重なる位置にIC69が設けられている場合を例示している。図10(a)では、電子部品としてコネクタ67を例示している。コネクタ67は、表示用基板27と第2筐体3の不図示の回路基板とを電気的に接続するためのものであり、第2筐体3の回路基板から延びる不図示の信号線が接続される。
図10(a)に示すように、コネクタ67には、支持部材71が被せられている。支持部材71は、補強フレーム31やコネクタ67よりも誘電率が低い部材である。支持部材71のうちコネクタ67と補強フレーム31との間に挟まれる部分の厚さは、補強フレーム31に荷重がかかっていない場合のコネクタ67と補強フレーム31との距離と同等である。従って、リングキー7の押下によってセンサ基板39及び補強フレーム31が表示用基板27側に撓んでも、支持部材71がスペーサとして機能して、タッチセンサ電極47とコネクタ67との距離は一定に保たれる。なお、支持部材71は、コネクタ67を介さずに表示用基板27に支持されていてもよい。
図12は、発光素子53によるリングキー7の照明方法を説明する図であり、図12(a)はリングキー7及びキーシート41の平面図、図12(b)は、リングキー7がパネル開口25hから露出した状態における図12(a)の領域XIIbの拡大図である。
発光素子53は、例えばLEDにより構成されている。図10(a)に示すように、発光素子53は、リングキー7と重なる位置に配置されている。リングキー7や装飾パネル25は、非透光性の材料により形成され及び/又は非透光性の塗料が塗布されている。キーシート41は、透光性の材料により形成されている。発光素子53からの光は、キーシート41を介してリングキー7の外縁7kとパネル開口25hとの隙間65から第1筐体2の外部へ導かれる。
図12(b)に示すように、隙間65は、フランジ7fに近づくほど徐々に狭くなるように形成されている。例えば、図12(a)に示すように、リングキー7の外縁7k(隙間65の内縁)は、フランジ7fが設けられている以外の領域では真円であるのに対し、パネル開口25hの形状(隙間65の外縁)は真円ではなく、フランジ7fに近づくほど径が小さくなるように設定されている。なお、フランジ7fからある程度離間した位置では、隙間65が一定の幅に保たれていてもよい。
図13は、携帯電話機1の信号処理系の構成の一例を示すブロック図である。
携帯電話機1は、制御部101、通信処理部104、音響処理部106及び画像処理部103を備えている。
制御部101は、操作部111等の各種手段からの信号が入力され、その信号に基づいて所定の演算を行い、画像処理部103、通信処理部104、音響処理部106、撮像部109等の各種手段の動作を制御するための制御信号等の各種の信号を各種手段に出力する。
通信処理部104は、高周波回路を含んで構成され、電波を利用した無線通信を行うために、制御部101で処理された音声データ、画像データ等の各種データを変調して、アンテナ105を介して送信する。また、通信処理部104は、アンテナ105を介して受信した信号を復調して制御部101に出力する。
音響処理部106は、制御部101からの音響データを音響信号に変換して通話用のスピーカ107、報知や音楽再生用のスピーカ109(図4も参照)に出力する。音響処理部106は、マイクロフォン108からの音響信号を音響データに変換して制御部101に出力する。
画像処理部103は、制御部101からの画像データを画像信号に変換してメイン表示装置49、サブ表示装置29に出力する。また、撮像部9から出力される撮像信号(画像データ)を所定のフォーマットの画像データに変換して制御部101へ出力する。
操作部111は、ドームスイッチ45及びタッチセンサ電極47を含んで構成されている。ドームスイッチ45は、上述のように、リングキー7を介して押圧操作がなされると、可動接点45aが固定接点45cに当接してオン信号を出力する。タッチセンサ電極47を含むタッチセンサ48は、上述のように、リングキー7にユーザの指が近接又は接触することによる静電容量の変化に応じた信号を出力する。なお、当該信号は、静電容量が所定の閾値を超えたときにオン信号として出力されるものでもよいし、静電容量の大きさに比例した連続的又は段階的なレベルを有する信号であってもよい。
ドームスイッチ45及びタッチセンサ電極47は、リングキー7に沿って円周上に複数配置されていることから、制御部101は、ドームスイッチ45及びタッチセンサ電極47からの信号に基づいて、ユーザのリングキー7上の指の位置を特定することができる。
例えば、4方(例えば上下左右)に配置されたドームスイッチ45のいずれか一つからオン信号が出力されていれば、その4方のうち一の方向の位置が押し込み操作されていることが特定される。4方(例えば上下左右)に配置されたドームスイッチ45のうち隣接する二つからオン信号が出力されていれば、前記4方の間の4方向(斜め方向)のうち一の方向の位置が押し込み操作されていることが特定される。
同様に、例えば、4方(例えば上下左右)に配置されたタッチセンサ電極47のいずれか一つからオン信号が出力されていれば、その4方のうち一の方向の位置にユーザの指が接触していることが特定される。4方(例えば上下左右)に配置されたタッチセンサ電極47のうち隣接する二つからオン信号が出力されていれば、前記4方の間の4方向(斜め方向)のうち一の方向の位置にユーザの指が接触していることが特定される。
制御部101は、さらに、特定したユーザの指の位置の履歴を記録することにより、ユーザの指の位置の時系列変化を特定することができる。例えば、リングキー7に沿って指を滑らせて指を連続移動させる回転操作、すなわち、リングキー7をなぞる操作を特定できる。これにより、例えば、指をリングキー7に沿って連続移動させた周回数や角度に応じてスピーカ109から出力する音量を増減したり、サブ表示装置29の輝度を増減したり、サブ表示装置29の表示内容を所定のサイクルで変化させることができる。
なお、制御部101は、指がリングキー7に接触しているが押し込み操作がなされていない接触のみの操作と、押し込み操作(当然接触もしている)とを区別するように、タッチセンサ電極47及びドームスイッチ45からの信号を処理する。
すなわち、制御部101は、タッチセンサ電極47からのみオン信号が出力され、ドームスイッチ45からオン信号が出力されていないときは、接触のみの操作と判断し、ドームスイッチ45(及びタッチセンサ電極47)からオン信号が出力されているときは、押し込み操作がなされていると判断することにより、両操作に対応する制御信号を互いに異ならせることが可能である。
以上の実施形態によれば、表示部と操作部材との一体感を有する電子機器を提供できる。
すなわち、筐体開口2hを有する第1筐体2と、第1筐体2内に設けられ、筐体開口2hから露出する表示面29aを有するサブ表示装置29と、筐体開口2hとサブ表示装置29との間に配置され、表示面29aを筐体開口2h側へ露出させるフレーム開口31hを有し、第1筐体2に固定される補強フレーム31と、補強フレーム31のうち筐体開口2hに対向する面に固定され、フレーム開口31hを塞ぎ、筐体開口2h内に配置されるトリムプレート35と、補強フレーム31のうち筐体開口2hに対向する面に配置され、トリムプレート35が挿通される基板開口39hを有するセンサ基板39と、センサ基板39のうち筐体開口2hに対向する実装面39aに設けられたドームスイッチ45と、筐体開口2hとトリムプレート35との隙間から露出し、ドームスイッチ45と重なる位置に配置された環状のリングキー7とを備えていることから、サブ表示装置29及びトリムプレート35を含むサブ表示部5とリングキー7とは、同一の開口(筐体開口2h)から露出し、サブ表示部5とリングキー7との一体感が増大する。また、リングキー7と重なる位置にはドームスイッチ45が設けられていることから、サブ表示装置29上にタッチパネルを設ける場合に比較してクリック感があり、操作しやすい。補強フレーム31は、トリムプレート35を支持するだけでなく、ドームスイッチ45を押圧する力が加えられるセンサ基板39を支持し、センサ基板39の強度の補強に兼用されているから、携帯電話機1の小型化が図られる。表示用基板27を覆う比較的広い面積を有していることから、表示用基板27の強度の補強にも兼用される。
サブ表示装置29は、第1筐体2のうち筐体開口2hが設けられる面とは反対側の面(フロントケース21の内側面)と、補強フレーム31とに挟持されていることから、補強フレーム31はサブ表示装置29の保持や強度補強にも兼用されることになり、携帯電話機1の小型化が図られる。さらに、補強フレーム31を係合部31cとフロントケース21に設けられた被係合部21dとによりフロントケース21に対して固定可能としたことにより、フロントケース21とリアケース23との合体前にサブ表示装置29や補強フレーム31をフロントケース21に固定でき、組立工程が容易化される。サブ表示装置29の表示面29aと補強フレーム31との間には、弾性部材からなるダストシート43が介在するから、サブ表示装置29を傷付けることなく所定の押圧力で確実にサブ表示装置29を挟持でき、かつ、表示面29aへの水や埃の浸入が防止される。
センサ基板39の筐体開口2hに対向する実装面39aに設けられ、リングキー7と重なる位置に配置されたタッチセンサ電極47を更に有することから、リングキー7の押し込み操作だけでなく、リングキー7に指を近接又は接触させる操作が可能となる。
ドームスイッチ45は、基板開口39hを囲むように複数設けられ、タッチセンサ電極47は、基板開口39hを囲むように複数設けられ、ドームスイッチ45及びタッチセンサ電極47は基板開口の周方向において交互に配列されていることから、リングキー7をなぞる操作が可能となるとともに、当該操作にタクトスイッチによるクリック感を付与することができる。すなわち、操作部材としてサブ表示部5を囲むリングキー7が設けられることにより、操作部材と表示部との一体感が向上するだけでなく、操作部材にリングキーとしての機能を十分に発揮させることにより、操作方法の多様化や操作性の向上が図られる。
センサ基板39の筐体開口2hに対向する実装面39aに設けられた発光素子53を更に備え、リングキー7と筐体開口2hとの間には、発光素子53からの光を第1筐体2の外部へ透過させることが可能な隙間65が形成されていることから、リングキー7の内縁をサブ表示部5からの光により、リングキー7の外縁を発光素子53からの光により視認でき、部品点数の増加を抑えつつ夜間における操作性を向上できる。
発光素子53は、リングキー7に重なる位置に配置されていることから、センサ基板39の実装面39aのうちリングキー7と重なる領域が有効利用され、携帯電話機1の小型化が図られる。
リングキー7は、第1筐体2のうち筐体開口2hの縁部に筐体内部側から係合可能な抜け止め部としてのフランジ7fを複数有し、リングキー7と筐体開口2hとの隙間65は、複数のフランジ7fに近づくほど狭くなるように形成されていることから、発光素子53からの光は、フランジ7fに近づくにつれ徐々に光量を減じることになり、フランジ7fにより遮られている箇所が目立たない。
また、以上の実施形態によれば、デザインの自由度及び防水性や防塵性が高い電子機器を提供することができる。
すなわち、ケース開口23hを有するリアケース23及びフロントケース21からなる第3筐体2′と、パネル開口25hを有し、パネル開口25hがケース開口23hと重なるように第3筐体2′に被せられる装飾パネル25と、第3筐体2′内に設けられた補強フレーム31と、補強フレーム31のうち筐体開口2hに対向する面に固定され、ケース開口23h及びパネル開口25h内に配置されるトリムプレート35と、補強フレーム31のうちケース開口23hに対向する面に設けられ、トリムプレート35が挿通される基板開口39hを有するセンサ基板39と、センサ基板39のうちケース開口23hに対向する実装面39aに設けられたタッチセンサ電極47と、タッチセンサ電極47を覆うように、センサ基板39のうちケース開口23hに対向する面に設けられ、ケース開口23h及びパネル開口25hよりも小径でトリムプレート35が挿通されるシート開口41hを有するキーシート41と、キーシート41のうちケース開口23hに対向する面においてタッチセンサ電極47と重なる位置に設けられ、ケース開口23h及びパネル開口25hとトリムプレート35との隙間から露出する環状のリングキー7とを有し、キーシート41は、第3筐体2′と装飾パネル25とに挟持され、ケース開口23h及びパネル開口25hを囲む環状の被挟持部41cと、センサ基板39のうちケース開口23hに対向する実装面39aに対して、基板開口39hを囲むようにタッチセンサ電極47よりも内周側の位置にて当接する環状の当接部41dとを有することから、パネル開口25hとリングキー7の外縁との隙間から侵入する水や埃は、キーシート41と装飾パネル25との間、及び、キーシート41とリアケース23との間の2箇所において被挟持部41cに遮られ、また、トリムプレート35とリングキー7の内縁との隙間から侵入する水や埃は、キーシート41とセンサ基板39との間において当接部41dに遮られる。すなわち、リングキー7の内縁又は外縁から侵入する水や埃はキーシート41によって遮られて第3筐体2′内部に侵入できない。その結果、リングキー7とトリムプレート35との間や、リングキー7とパネル開口25hとの間には隙間を形成することが可能となり、リングキー7をトリムプレート35や装飾パネル25に対して可動する部材としたり、リングキー7と装飾パネル25との隙間65から発光素子53からの光を透過させることが可能となる。なお、トリムプレート35と補強フレーム31とは、両面テープ33等の密着固定手段により固定されることにより、両部材間への水や埃の浸入が防止され、センサ基板39と補強フレーム31とは、両面テープ37等の密着固定手段により固定されることにより、両部材間への水や埃の浸入が防止される。また、キーシート41の外周部を挟持してキーシート41をケースに取り付ける構造であることから、従来に比較してキーシート41を薄くすることができる。補強フレーム31を第1筐体2′内部の不使用のスペースに適宜に配置することにより、第1筐体2′の厚みを増すことなく第1筐体2′の強度を向上させることもできる。
キーシート41には位置決め孔部41aが設けられ、リアケース23には位置決め孔部41aに挿入される位置決め突部23cが設けられているから、組み立てが容易化されるとともに、リングキー7の操作によるキーシート41のずれも防止される。
キーシート41は、第3筐体2′に取り付けられていないときは、内周側が外周側よりもセンサ基板39側に位置するように曲がっており、第3筐体2′に取り付けられているときは、当接部41dがセンサ基板39から受ける力により、曲げを矯正する方向に弾性変形して当接部41dをセンサ基板39に押し付ける付勢力を生じることから、当接部41dとセンサ基板39との接触圧を高め、より確実に水や埃の浸入を防止できる。また、曲がっていないキーシートを、当接部がセンサ基板39から受ける力によりセンサ基板39側に凸となるように弾性変形させつつ取り付けて付勢力を生じさせる場合に比較して、リングキー7の押し込み操作時の可動範囲の確保が容易である。
当接部41dは、リングキー7と重なる位置においてセンサ基板39側へ突出して設けられ、リングキー7のうちキーシート41に対向する面は、当接部41dよりも外周側に設けられ、キーシート41に固定される固定面7dと、固定面7dの内周側に設けられ、固定面よりもキーシート41から離間する位置において当接部41dに対向する対向面7eとを有していることから、当接部41dを設けるためのスペースをリングキー7の配置領域外に確保する必要がなく、また、リングキー7の押下も妨げられない。
補強フレーム31に対してケース開口23hとは反対側にサブ表示装置29が設けられ、補強フレーム31には、サブ表示装置29からの光をケース開口23h側へ透過させるフレーム開口31hが設けられ、ケース開口23h及びパネル開口25hに配置される装飾部材は、フレーム開口31hを塞ぐ透光部材としてのトリムプレート35であることから、防水性及び防塵性が高く、表示部と操作部材との一体感を有する電子機器を提供できる。
センサ基板39のうちケース開口に対向する実装面39aに、リングキー7と重なる位置に設けられたタクトスイッチとしてのドームスイッチ45を更に有し、キーシート41は、リングキー7とドームスイッチ45との間に突状の押し子41bを有する。すなわち、キーシート41は、単なる防水用のシートではなく、リングキー7の押し込み操作により好適にドームスイッチ45を押し込み操作可能とするシートと兼用されており、部材点数の削減、携帯電話機1の薄型化が図られる。
リングキー7は、装飾パネル25のうちパネル開口25の縁部に装飾パネル内部側から係合可能なフランジ7fを有し、押し子41bは、フランジ7fと重なる位置に設けられていることから、フランジ7fにより押し子41bを押下するスペースが確保され、リングキー7の径を小さくすることができる。
また、以上の実施形態によれば、小型化しつつセンサの感知能力を向上できる電子機器を提供できる。
すなわち、筐体開口2hを有する第1筐体2と、第1筐体2内に筐体開口2hに対向するように配置された表示用基板27と、表示用基板27のうち筐体開口2hに対向する面に配置された電子部品(IC69やコネクタ67)と、その電子部品を覆うように、表示用基板27のうち筐体開口2hに対向する面に配置された補強フレーム31と、補強フレーム31のうち筐体開口2hに対向する面に配置されたセンサ基板39と、センサ基板39の筐体開口2hに対向する面に設けられ、筐体開口2h側からの物体の近接又は離間に伴う静電容量を検出するタッチセンサ電極47とを備え、補強フレーム31は、表示用基板27に対向し、表示用基板27から電子部品の厚み以上離間した面及びセンサ基板39に当接する面を有する板状部31aを有し、板状部31aのセンサ基板39に当接する面には、タッチセンサ電極47及び電子部品に重なる領域に凹部31dが形成されていることから、凹部31dの内部の誘電率を補強フレーム31の誘電率よりも下げ、電子部品がタッチセンサ電極47に及ぼす影響を軽減できる。その結果、電子部品をタッチセンサ電極47に近づけることも可能となり、小型化が図られる。
センサ基板39のうち筐体開口2hに対向する面に設けられたドームスイッチ45と、筐体開口2hから露出し、ドームスイッチ45及びタッチセンサ電極47に重なる環状のリングキー7とを更に有し、補強フレーム31のうちドームスイッチ45と重なる領域は凹部31dの非配置位置であるから、リングキー7をなぞる等のタッチセンサ特有の操作にクリック感を付与することができるとともに、ドームスイッチ45の配置位置における押圧操作時の撓みを抑制し、ドームスイッチ45の感度低下を抑制できる。
また、以上の実施形態によれば、デザイン性及び操作性の高い環状の操作部材を有する電子機器を提供できる。
すなわち、筐体開口2hを有する第1筐体2と、筐体開口2h内に配置された装飾部材としてのトリムプレート35と、筐体開口2hとトリムプレート35との間に配置された環状のリングキー7とを有し、リングキー7のうち筐体開口2hから露出する露出面(頂面7b)とリングキー7の内周面との稜部にはC面やR面等の面取り面としての傾斜面7cが設けられ、傾斜面7cは、トリムプレート35のうち筐体開口2hから露出する露出面35aよりもケース外部側へ位置していることから、リングキー7の内周側に装飾部材が配置されてデザイン性が向上する。また、傾斜面7cに指を当接させ、リングキー7の内側から外側への力とリングキー7を筐体内部側へ押し込む力とを加えつつ、リングキー7をなぞる操作を行うことができ、周回操作や押下操作等の操作性が向上する。傾斜面7cはトリムプレート35の露出面35aよりも筐体外部側に位置しているから、触覚によりリングキー7の位置を把握することができ、また、指がトリムプレート35に当接しにくく、トリムプレート35に汚れが付着しにくい。
リングキー7は、トリムプレート35の露出面35aのうち外周部を覆う環状の重なり部7gを有していることから、トリムプレート35とリングキー7との隙間を介して筐体内部が露出することが防止され、水や埃の浸入が防止されるとともに、デザイン性も向上する。
トリムプレート35の露出面35aと外周面との稜部には、リングキー7が押下されたときに重なり部7gが当接するC面やR面等の面取り面としての傾斜面35cが形成されていることから、リングキー7がトリムプレート35に当接したときの感触がマイルドになり、操作性が向上する。
第1筐体2内に設けられたセンサ基板39と、センサ基板39のうち筐体開口2hに対向する面に設けられたドームスイッチ45及びタッチセンサ電極47と、ドームスイッチ45及びタッチセンサ電極47を覆うように、センサ基板39のうち筐体開口2hに対向する実装面39aに配置され、ドームスイッチ45に対向する位置に突状の押し子41bを有するキーシート41とを更に有し、リングキー7は、キーシート41の筐体開口2hに対向する面においてドームスイッチ45及びタッチセンサ電極47に重なる位置に設けられていることから、リングキー7の操作方法の多様化や操作性の向上が図られる。例えば、リングキー7をなぞる操作にクリック感を付与できる。
トリムプレート35は、第1筐体2内部に設けられたサブ表示装置29からの光を透過させる透光部材であるから、操作性が高く、表示部と操作部材との一体感を有する電子機器を提供できる。
なお、以上の実施形態において、携帯電話機1は本発明の電子機器の一例であり、第3筐体2′又は第1筐体2は本発明のケースの一例であり、ケース開口23h又は筐体開口2hは本発明のケース開口の一例であり、トリムプレート35は本発明の装飾部材及び透光部材の一例であり、リングキー7は本発明の環状の操作部材の一例であり、リングキー7の傾斜面7cは本発明の操作部材の面取り面の一例であり、トリムプレート35の傾斜面35cは本発明の装飾部材の面取り面の一例であり、センサ基板39は本発明の操作用回路基板の一例であり、ドームスイッチ45は本発明のタクトスイッチの一例であり、キーシート41は本発明のシート部材の一例である。
本発明は以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施してよい。
本発明の電子機器は、携帯電話機に限定されない。例えば、デジタルカメラ、ノートパソコン、PDA(Personal Digital Assistant)、プリンタであってもよい。
タクトスイッチは、押し込み操作に伴ってクリック感を生じさせるものであればよく、ドームスイッチに限定されない。タクトスイッチは、可動接点に金属材料を使用したメカニカル接点タイプのものであってもよいし、導電ゴムを使用したエラスティック接点タイプのものであってもよい。また、ヒステリシスなフィーリングを有するものであってもよい。
タッチセンサ電極やタッチセンサ電極を含むタッチセンサは、指などの人体の一部や電子ペンなどの操作用部材の近接又は接触を検出することができるものであればよい。例えば、電磁誘導式のものであってもよい。
環状の操作部材は、装飾部材等を露出させる開口を有していればよく、円形のものに限定されない。例えば楕円や多角形であってもよい。また、操作部材の断面形状も適宜に設定されてよい。環状の操作部材の開口からは、適宜な装飾部材を露出させることができる。例えば、単なる装飾用のパネルであってもよいし、他の操作部材であってもよい。
シート部材(キーシート41)は、実施形態のようにケース(リアケース23)とカバー部材(装飾パネル25)とに直接的に挟持されてもよいし、他の部材を介して間接的に挟持されてもよい。例えば、シート部材とカバー部材との間に、シート部材及びカバー部材に密着する防水部材を設け、シート部材とケースとの間に、シート部材及びケースに密着する防水部材を設けてもよい。この場合、シート部材と、カバー部材等との密着性が向上し、より防水効果が高くなる。防水部材は、例えばゴムや両面テープなどの弾性を有するシートにより構成される。
シート部材(キーシート41)の位置決め孔部(41a)に挿通される位置決め突部は、ケース(リアケース23)に設けられるものに限定されず、カバー部材(装飾パネル25)に設けられていてもよいし、ケースとカバー部材の双方に設けられてもよい。ただし、カバー部材のうちケースに対向する面全体に凹凸模様が形成されている場合には、当該面に位置決め突部を設けることは困難であるから、実施形態のようにケースに設けることが好ましい。
キーシートが、内周側がセンサ基板側に位置するように曲がって形成する場合は、キーシートは屈曲するものに限定されず、湾曲するものであってもよい。
フレーム(補強フレーム31)の板状部の誘電率を下げるための凹部(31d)は、タッチセンサ電極が設けられるセンサ基板に対向する面に設けられるものに限定されず、その背面に設けられるものであってもよい。また、当該凹部は、タッチセンサ電極及び電子部品の双方に重なるものに限定されず、タッチセンサ電極及び電子部品のいずれか一方に重なるものであってもよい。
また、フレーム(補強フレーム31)の凹部(31d)内部は、空洞(空気層)とされる代わりに、フレームを形成する材料よりも誘電率の小さい中実部材が配置されてもよい。この場合、凹部が設けられることによるフレームの強度の低下が抑制される。従って、押圧操作時のセンサ基板(39)やフレームの曲げ変形が抑制される。中実部材は例えば樹脂、ガラス、ゴム、石綿、布である。
上記の中実部材は、外方に露出する面が、フレーム(補強フレーム31)の板状部(31a)のうちセンサ基板が載置される面と同一平面を形成することが望ましい。この場合、センサ基板(39)が自重により凹部(31d)内側へ微小変形することを防止し、センサ基板のタッチセンサ電極(47)と環状の操作部材(リングキー7)との距離を一定に保つことができるため、タッチセンサによる感度を保つことができる。
環状の操作部材(リングキー7)や装飾部材(透明部材、トリムプレート35)の面取り面(傾斜面7c、傾斜面35c)は、種々の面取り形状としてよく、平面(C面)に限定されない。例えばR面でもよい。
1…携帯電話機(電子機器)、2…第1筐体(ケース)、2′…第3筐体(ケース)、2h…筐体開口(ケース開口)、7…リングキー(環状の操作部材)、7c…傾斜面(面取り面)、23…リアケース、23h…ケース開口、25…装飾パネル(カバー部材)、25h…パネル開口(カバー開口)、27…表示用基板(電子部品用回路基板)、29…サブ表示装置(表示素子、表示装置)、29a…表示面、31…補強フレーム(フレーム)、31a…板状部、31d…凹部、31h…フレーム開口、35…トリムプレート(装飾部材、透光部材)、39…センサ基板(操作用回路基板)、39h…基板開口、41…キーシート(シート部材)、41c…被挟持部、41d…当接部、45…ドームスイッチ(タクトスイッチ)、47…タッチセンサ電極、48…タッチセンサ(静電容量式センサ)、67…コネクタ(電子部品)、69…IC(電子部品)。