JP2008054104A - 通信制御装置及び方法、およびノード - Google Patents

通信制御装置及び方法、およびノード Download PDF

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Abstract

【課題】空間分散配置されたノードの送受信部の省電化を図るようにする。
【解決手段】本発明の通信制御装置は、各近傍ノードのデータ発信タイミングを示す制御信号を受信する手段と、各近傍ノードからの制御信号に基づき自ノードのデータ発信タイミングを決定する手段と、各近傍ノード及び自ノード間のデータ発信タイミングの相互調整状態を判定する同調判定手段と、予め設定された自ノードから目標ノードまでにデータ信号を到達させるために要する到達コスト情報を記憶する手段と、各近傍ノードの到達コスト情報と自ノードの到達コスト情報に基づいて、自ノードがデータ信号の中継に寄与するノードであるか否かを判定するトラヒック判定手段と、トラヒック判定手段による判定結果と同調判定手段による判定結果に基づいて、自ノードのデータ信号と制御信号との送受信動作を休止状態にすることを決定する送受信休止状態決定手段とを少なくとも備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、通信制御装置及び方法、およびノードに関し、例えば、センサネットワークやアドホックネットワークやLAN(Local Area Network)に接続された複数の機器から構成されるシステム等のように、空間に分散配置された多数のノードや移動体に設置されたノードが、相互にデータ通信を行なう場合において、電波干渉等による通信データの衝突を回避する方法に適用し得る。
特許文献1〜7には、例えば、センサネットワークやアドホックネットワークやLAN等の複数の機器から構成されるシステム等において、空間に分散配置された多数のノードや移動体に設置されたノードが、相互にデータ通信を行なう場合に、自律分散的にタイムスロットの割当を行なうことによって、電波干渉等による通信データの衝突を回避する通信制御装置及び通信制御方法に関する技術が記載されている。
特許文献1〜7に記載の通信制御装置及び方法は、各ノードが近傍ノードとの間で、周期的にインパルス信号(自ノードのデータの発信タイミングを示す制御信号)を送受信することによって、通信タイミングの相互調整を行なう。これにより、インパルス信号の到達範囲(以後、相互作用範囲と呼ぶ)内のノード間で、1周期(インパルス信号の発信周期)をほほ均等に分割するタイムスロット割当を実現する。
また、特許文献8には、特許文献1〜7に記載の通信制御装置及び方法を用いる際に、ノードの省電力化を図る技術が記載されている。この特許文献8に記載の方法は、上記の1周期間において、データ信号を送受信するタイムスロット以外の時間区間を識別し、データ通信手段を休止状態(電源をOFF)にする。これにより、データ信号の受信を行なわない時間区間であるにも関わらず、データ通信手段が受信待ち状態になって、電力を無駄に消費することが回避される。
特開2005−94663号公報 特開2006−74617号公報 特開2006−74619号公報 特開2006−157438号公報 特開2006−157441号公報 特開2006−211585号公報 特開2006−211564号公報 特開2005−347951号公報
上述した特許文献8に記載の技術は、管理ノードによる通信タイミングの指示がなくても受信側ノードの受信部の電源をオフにすることができる点で有効であるが、ノードの通信動作の更なる省電化が強く望まれている。
例えば、上述した特許文献1〜8に記載の従来の通信制御装置は、トラヒックがまったく発生していない期間が存在する場合でも、インパルス信号やデータ信号の送受信に関する動作を行なっている。そのため、データ信号の送受信を行なわないにも関わらず、データ通信手段が受信待ち状態になると共に、インパルス信号の送受信が継続的に実行される。
したがって、信号送受信部(特許文献1〜7に記載のデータ通信手段、インパルス信号送信手段、及びインパルス信号受信手段に相当するもの)について、電力を無駄に消費する事態が発生するという問題がある。
特に、トラヒックが時間的に不規則に変動する状況下では、トラヒックの発生していない状態が、いつ、どれくらいの期間生じるか、事前に知ることはできないため、信号送受信部の電力消費の問題が顕在化する。
そのため、通信システム(ネットワーク)におけるトラヒックの発生を事前に知ることができ、そのトラヒック状態に応じて送受信動作を活動させ、不要な状態には送受信動作を休止させることにより、信号送受信部の省電化を実現する通信制御装置及び方法、およびこの通信制御装置を有するノードが求められている。
かかる課題を解決するために、第1の本発明の通信制御装置は、通信システムを構成する複数のノードのうち、発信元ノードが目標ノード宛に発信したデータ信号を中継する中継ノードに搭載される通信制御装置において、(1)1又は複数の近傍ノードが送信した各近傍ノードのデータ発信タイミングを示す制御信号を受信する制御信号受信手段と、(2)各近傍ノードのデータ発信タイミングを示す制御信号に基づき、所定の時間発展規則に従って自ノードのデータ発信タイミングを決定する通信タイミング計算手段と、(3)各近傍ノードのデータ発信タイミングと自ノードのデータ発信タイミングとに基づいて、各近傍ノード及び自ノード間のデータ発信タイミングの相互調整状態を判定する同調判定手段と、(4)予め設定された自ノードから目標ノードまでにデータ信号を到達させるために要する到達コスト情報を記憶する到達コスト情報記憶手段と、(5)各近傍ノードのデータ発信タイミングを示す制御信号に含まれている各近傍ノードの到達コスト情報と自ノードの到達コスト情報に基づいて、自ノードがデータ信号の中継に寄与するノードであるか否かを判定するトラヒック判定手段と、(6)トラヒック判定手段による判定結果と同調判定手段による判定結果に基づいて、自ノードのデータ信号と制御信号との送信動作及び受信動作を休止状態にするか否かを決定する送受信休止状態決定手段と、(7)少なくとも自ノードの到達コスト情報及びトラヒック判定手段の判定結果を、自ノードのデータ発信タイミングを示す制御信号に付与する制御信号形成手段と、(8)制御信号形成手段により形成された自ノードのデータ発信タイミングを示す制御信号を送信する制御信号送信手段とを備えることを特徴とする。
第2の本発明のノードは、第1の本発明の通信制御装置を有するノードである。
第3の本発明の通信制御方法は、通信システムを構成する複数のノードのうち、発信元ノードが目標ノード宛に発信したデータ信号を中継する中継ノードに搭載される通信制御装置による通信制御方法において、(1)予め設定された自ノードから上記目標ノードまでにデータ信号を到達させるために要する到達コスト情報を記憶する到達コスト情報記憶手段を備え、(2)制御信号受信手段が、1又は複数の近傍ノードが送信した各近傍ノードのデータ発信タイミングを示す制御信号を受信する制御信号受信工程と、(3)通信タイミング計算手段が、各近傍ノードのデータ発信タイミングを示す制御信号に基づき、所定の時間発展規則に従って自ノードのデータ発信タイミングを決定する通信タイミング計算工程と、(4)同調判定手段が、各近傍ノードのデータ発信タイミングと自ノードのデータ発信タイミングとに基づいて、各近傍ノード及び自ノード間のデータ発信タイミングの相互調整状態を判定する同調判定工程と、(5)トラヒック判定手段が、各近傍ノードのデータ発信タイミングを示す制御信号に含まれている各近傍ノードの到達コスト情報と自ノードの到達コスト情報に基づいて、自ノードがデータ信号の中継に寄与するノードであるか否かを判定するトラヒック判定工程と、(6)送受信休止状態決定手段が、トラヒック判定手段による判定結果と同調判定手段による判定結果に基づいて、自ノードのデータ信号と制御信号との送信動作及び受信動作を休止状態にするか否かを決定する送受信休止状態決定工程と、(7)制御信号形成手段が、少なくとも自ノードの到達コスト情報及びトラヒック判定手段の判定結果を、自ノードのデータ発信タイミングを示す制御信号に付与する制御信号形成工程と、(8)制御信号送信手段が、制御信号形成手段により形成された自ノードのデータ発信タイミングを示す制御信号を送信する制御信号送信工程とを有することを特徴とする。
本発明によれば、通信システム(ネットワーク)におけるトラヒックの発生を事前に知ることができ、そのトラヒック状態に応じて送受信動作を活動させ、不要な状態には送受信動作を休止させることにより、信号送受信部の省電化を実現することができる。
(A)第1の実施形態
以下では、本発明の通信制御装置及び方法、およびノードの第1の実施形態を図面を参照しながら説明する。
第1の実施形態は、各ノードで観測されたセンサデータをマルチホップでシンクノードに転送することによってデータ収集を行なうセンサネットワークにおいて、各ノードが備える通信制御装置に、本発明の通信制御装置及び方法を適用する場合を説明する。
第1の実施形態は、後述するトラヒック決定手段及び送受信部休止手段を備えることにより、ネットワーク上にトラヒックが生じたか否かに応じて各ノードが自律的に信号送受信部の休止制御を実行する点に特徴がある。
(A−1)第1の実施形態の構成
図1は、第1の実施形態に係るノードの内部構成を示すブロック図である。図1に示すように、第1の実施形態のノードは、インパルス信号受信手段11、通信タイミング計算手段12、インパルス信号送信手段13、同調判定手段14、データ通信手段15、センサ16、トラヒック決定手段17、送受信部休止手段18、を少なくとも有して構成される。
インパルス信号受信手段11は、近傍ノード(例えば、そのノードの発信電波が届く範囲に存在する他のノード)が発信した出力インパルス信号を入力インパルス信号として受信し、その受信したインパルス信号を、通信タイミング計算手段12、同調判定手段14及びトラヒック決定手段17に与えるものである。また、インパルス信号受信手段11は、送受信部休止手段18から入力インパルス信号の受信を休止する旨の指示を受けて、所定の休止期間の間、他ノードからの入力インパルス信号の受信を休止するものである。
ここで、インパルス信号はタイミング信号として授受されるものであり、例えば、ガウス分布形状等のインパルス形状を有するものである。受信インパルス信号は、入力インパルス信号を波形整形したものでも良く、信号を再生成したものであっても良い。
通信タイミング計算手段12は、インパルス信号受信手段11が受信した受信インパルス信号に基づいて、当該ノードでの通信タイミングを規定する位相信号を形成し、この通信タイミングを示す位相信号を、インパルス信号送信手段13、同調判定手段14、データ通信手段15、トラヒック決定手段17及び送受信部休止手段18に与えるものである。なお、受信インパルス信号がない場合であっても、通信タイミング計算手段12は位相信号を形成して出力するものとする。
ここで、当該ノードiの位相信号の時刻tでの位相値をθ(t)とすると、通信タイミング計算手段12は、受信インパルス信号に基づいて、位相信号(=θi(t))を非線形振動リズムで変化させるものである。
この位相信号の変化は、近傍のノード同士が逆相(振動の位相が反転位相)又は他の位相になろうとする非線形特性を実現し、その特性を用いて衝突回避を実行させようとしたものである。すなわち、近傍のノード間における出力インパルス信号の発信タイミングなどが衝突しないように、適当な時間関係(時間差)を形成させようとしている。
また、第1の実施形態の通信タイミング計算手段12による位相信号の形成方法は、仮想的な位相モデルを用いる方法であり、受信インパルス信号を受信する際、近傍ノードに対する仮想的な位相状態を生成し、この近傍ノードに対する仮想的な位相状態を用いた連続的な相互作用を擬似的に計算して、算出するものとする。
なお、この通信タイミング計算手段12による位相信号の形成方法については、特許文献5に記載されている技術を適用することができ、ここでの詳細な説明は省略する。
インパルス信号送信手段13は、通信タイミング計算手段12からの位相信号に基づいて、出力インパルス信号を送信するものである。すなわち、インパルス信号送信手段13は、位相信号が所定の位相α(0≦α<2π)になると、出力インパルス信号を送信する。ここで、所定の位相αは、予めシステム全体で統一しておくことが好ましい。以下では、α=0にシステム全体で統一されているとして説明する。なお、例えば、ノードiとノードjとの間で定常状態となっている場合には、相互の位相信号は位相πだけずれているので、α=0とシステム全体で統一したとすると、ノードiからの出力インパルス信号の送信タイミングとノードjからの出力インパルス信号の送信タイミングとは、πだけずれていることとなる。
また、インパルス信号送信手段13は、送受信部休止手段18から出力インパルス信号の送信を休止する旨の指示を受けて、所定の休止期間の間、出力インパルス信号の送信を休止するものである。
同調判定手段14は、インパルス信号受信手段11からの受信インパルス信号と通信タイミング計算手段12からの位相信号とに基づいて、自ノードや1又は複数の近傍ノードの間で行なわれる出力インパルス信号の送信タイミングの相互調整が、「過渡状態」であるか又は「定常状態」であるか否かを判定するものである。つまり、同調判定手段14は、受信インパルス信号(他ノードの出力インパルス信号に対応する)及び出力インパルス信号の発生タイミングを観測し、インパルス信号を授受し合う複数のノードの発生タイミング間の時間差が時間的に安定している場合に「定常状態」であると判定し、複数のノードの発生タイミング間の時間差が時間的に安定していない場合「過度状態」であると判定する。
なお、この実施形態の場合には、同調判定手段14には、自ノードからの出力インパルス信号の発生タイミングを捉えるための信号として、出力インパルス信号に代えて、位相信号が入力されている。
同調判定手段14は、例えば、以下の(a)〜(d)のような処理を実行して同調判定を行なう。
(a)受信インパルス信号の発生タイミングにおける位相信号の値βを、位相信号の1周期に亘って観測する。ここでは、上記の観測を行った結果、得られる位相信号の値βをそれぞれ、β,β,…,β(0<β<β<…<β<2π)とする。
(b)観測された位相信号の値βに基づいて、隣接値間の差(位相差)△1=β,△2=β−β,…,△N=β−β(N−1)を算出する。
(c)上記(a)及び(b)の処理を位相信号の周期単位に行い、相前後する周期における位相差△の変化量(差分)γ=△1(τ+1)−△1(τ),γ=△2(τ+1)−△2(τ),…,γ=△N(τ+1)−△N(τ)を算出する。ここで、τは、位相信号のある周期を示しており、τ+1は、位相信号のその次の周期を示している。
(d)上述の変化量γが、いずれも微小パラメータ(閾値)εよりも小さい場合、すなわち、γ<ε,γ<ε,…,γ<εの場合に、「定常状態」であると判定する。
なお、γ<ε,γ<ε,…,γ<εという条件がM周期にわたって満足される場合を定常状態と判定するようにしても良い。Mの値を大きくするほど、より安定性の高い状態で「定常状態」と判定できる。また、一部の受信インパルス信号に基づいて、「定常状態」の判定を行っても構わない。
同調判定手段14は、位相信号の周期毎に、判定結果を示す同調判定信号を、送受信部休止手段18及びデータ通信手段15に与えるものである。また、同調判定手段14は、位相信号の周期毎に、受信インパルス信号の発生タイミングにおける位相信号の値βの最小値βをスロット信号としてデータ通信手段15に出力するものである。
なお、最小値βをスロット信号として出力するようにしたのは、上述したように、α=0としていることと関係しており、αの値の選定によっては、スロット信号に適用するβの値は変化する。
当該ノード10は、他のノードから受信したデータを中継して送信する機能と、自己を送信元とするデータ送信機能とを有している。
当該ノードが他ノードから受信したデータを中継して送信する機能を実行する場合、データ通信手段15は、他ノードからのデータ信号(入力データ信号)を受信し、出力データ信号として送信するものである。
また、当該ノードが自ノードを送信元としてデータ送信機能を実行する場合、センサ16は、例えば、音や振動の強度、化学物質の濃度、温度など、物理的又は化学的な環境情報を検知して観測データをデータ通信手段15に出力するものである。そして、データ通信手段15は、センサ16からの観測データを出力信号として他ノードに送信するものである。
データ通信手段15は、出力データ信号の送信について、同調判定手段14からの同調判定信号が「定常状態」を示す場合には後述するタイムスロット(システムなどが割り当てた固定的な時間区間ではないが、「タイムスロット」という用語を用いる)で行ない、同調判定信号が「過渡状態」を示す場合には送信動作を停止している。なお、出力データ信号は、出力インパルス信号と同一周波数帯で送信周波数とするものであっても良い。
また、データ通信手段15は、送受信部休止手段18からのデータ信号の送信及び受信を休止する旨の指示を受けて、所定の休止期間の間、データ信号の送信及び受信を休止するものである。
ここで、タイムスロットは、位相信号の位相θ(t)がδ≦θ(t)≦β−δである期間である。タイムスロットの開始点(そのときの位相信号の値をδとする)は、出力インパルス信号の送信が終了したタイミングであり、タイムスロットの終了点(そのときの位相信号の値をβ−δとする)は、位相信号の周期毎の最初の受信インパルス信号のタイミングより多少のオフセット分δだけ前のタイミングとしている。δやδは、当該ノード10の近傍の無線空間で、インパルス信号(送信元は自ノードの場合、他ノードの場合の双方を含む)と、データ信号(送信元は自ノードの場合、他ノードの場合の双方を含む)とが同時に存在しないことを補償するためのごく短い時間に対応する位相幅である。δ1及びδ2は、例えば、ノード10の設置状況下で実験的に決定することができる。
トラヒック決定手段17は、インパル信号受信手段11から受け取った受信インパルス信号、又はセンサ16から受け取った観測データに基づいて、ネットワーク上にトラヒックが発生したことを判断するものであり、その判断結果に応じて、少なくとも「トラヒックの有無」を識別する識別情報をインパルス信号に付加し、そのインパルス信号を送受信部休止手段18に与えるものである。
ここで、トラヒック決定手段17は、センサ16から観測データを受け取ったときには、自ノード10がトラヒックの発生源となるノードであるものと判断し、インパルス信号受信手段11から受信インパルス信号を受け取ったときには、他ノードがトラヒックの発生源であると判断する。
自ノード10がトラヒックの発生源である(すなわちセンサデータの発信元として機能する)場合、トラヒック決定手段17は、発信元となるため「トラヒックあり」とする識別情報と、自ノードXからシンクノードまでのホップ数Nhop(X)を示す情報とを、インパルス信号に付加するものである。
ここで、各ノードには、「自ノードから目標ノードまでデータ信号を到達させるのに要するコスト」がコスト記憶手段17aに予め設定されており、第1の実施形態では、この「自ノードから目標ノードまでデータ信号を到達させるのに要するコスト」として、自ノードからシンクノードまでのホップ数Nhop(X)として説明する。
この自ノードからシンクノードまでのホップ数Nhop(X)の設定方法は、種々の方法を適用することができるが、例えば、シンクノードがインパルス信号又はインパルス信号と同等の信号(インパルス信号等という)を発信し、インパルス信号等をノード間でマルチホップ転送する。そして、各ノードが、転送回数をカウントし、各ノードに到達するまでのホップ数を観測し、各ノードで観測したホップ数が最小値となるものを、自ノードからシンクノードまでのホップ数Nhop(X)として設定する。
また、他ノードがトラヒック発信源である場合、トラヒック決定手段17は、インパルス信号受信手段11からの受信インパルス信号に付加されている「トラヒックの有無」の識別情報と、発信元ノードXからシンクノードまでのホップ数Nhop(X)を示す情報とに基づいて、自ノードにおけるトラヒックの有無を決定する(すなわち、自ノードがデータ信号の転送をする必要があるノードであるか否かを決定する)と共に、出力インパルス信号として出力するインパルス信号に付加するトラフィックの有無を決定するものである。
このトラフィック決定手段17による自ノードにおけるトラヒックの有無及びインパルス信号に付加するトラフィックの有無の決定方法の詳細については後述する。
なお、トラヒック決定手段17は、通信タイミング計算手段12から受け取った位相信号に基づく出力インパルス信号の発信周期を1周期とし、この1周期の期間内に受信した受信インパルス信号に基づいて判断するものとする。
送受信部休止手段18は、トラヒック決定手段17から「自ノードにおけるトラヒックの有無」の決定結果を受け取ると共に、同調判定手段14から同調判定信号を受け取り、この「自ノードにおけるトラヒックの有無」の決定結果及び同調判定信号に基づいて、所定の条件を満たしているか否かを判断するものである。
そして、所定の条件を満たしている状態が所定期間持続した場合、送受信部休止手段18は、活動状態から休止状態へ遷移することを示す情報をインパルス信号に付加してインパルス信号送信手段13に与える。
また、送受信部休止手段18は、インパルス信号送信手段13からインパルス信号の送信後、インパルス信号及びデータ信号の送信及び受信を休止する旨の指示を、インパルス信号受信手段11、インパルス信号送信手段13及びデータ通信手段12に対して行なうものである。
(A−2)第1の実施形態の動作
次に、第1の実施形態に係るノードにおける通信制御処理の動作を図面を参照しながら詳細に説明する。
図2は、空間に配置されたノード集合により構成されるセンサネットワークの全体的なイメージを示す構成図である。図2において、丸い点はそれぞれノード(センサノード)を表し、ノードを取り囲む点線の円は、その円の中心に位置するノードが発信するインパルス信号の到達範囲(すなわち相互作用範囲)を表す。また、図2において、ノードAが、データ信号の発信元ノードであり、シンクノードSに向けてデータ信号を送信するものとし、ノードBがノードAからのデータ信号を転送するノードとする。
以下では、説明の便宜上、トラヒック発生源のノードとしては、ノードA以外に存在しないものとして説明する。
まず、データ信号の発信元であり、トラヒック発生源であるノードAにおける動作について、図1及び図3を参照しながら説明する。
ノードAにおいて、ノードAのセンサ16が環境情報を観測すると、その観測データを含むデータ信号を発信するための通信タイミングを規定する位相信号が形成され、その位相信号に基づく出力インパルス信号が出力される。
このとき、ノードAでは、図1及び図3に示すように、環境情報を観測したノードAのセンサ16から観測データがノードAのトラヒック決定手段17に与えられる(S11)。
そして、観測データがノードAのトラヒック決定手段17に与えられると、トラヒック決定手段17は、トラヒックの識別情報として「トラヒックあり」を示す識別情報と自ノードAからシンクノードSまでのホップ数Hhop(A)とを、自ノードAが発信するインパルス信号に付加し(S12)、インパルス信号を送受信部休止手段18に与える。
送受信部休止手段18は、当該インパルス信号に「トラヒックあり」を示す識別情報が付加されているから、データ信号及びインパルス信号の送信及び受信動作を活動状態とし、トラヒック決定手段17から受け取ったインパルス信号をインパルス信号送信手段13に与え、出力インパルス信号として出力させる。
ここで、トラヒック発生源であるノードAは、トラヒックの発生が持続している期間、継続的に各インパルス信号に「トラヒックあり」を示す識別情報を付加して出力するが、トラヒックの発生が停止若しくは終了した場合には各インパルス信号に「トラヒックなし」を示す識別情報を付加して出力するようにする。
次に、トラヒック発生源であるノードAが出力した出力インパル信号を受信したノードBの動作について図1、図4及び図5を参照して説明する。
ノードBは、自ノードの相互作用範囲内に存在するすべての他ノードが出力するインパルス信号を受信する。また、ノードBは、自ノードが発信するインパルス信号の発信周期を1周期とする期間の間に受信したすべてのインパルス信号に付加された情報に基づいて、自ノードBにおけるトラヒックの有無及び出力インパル信号に付加するトラヒックの有無を決定する。
なお、以下では、説明の便宜上、ノードBは、ノードA以外の他ノードからは「トラヒックなし」を示す識別情報が付加されたインパルス信号を受信するものと仮定する。
まず、ノードBにおいて、他ノードから出力されたインパルス信号がインパルス信号受信手段により受信されると、受信インパルス信号がトラヒック決定手段17に与えられる(S21)。
トラヒック決定手段17に受信インパルス信号が与えられると、トラヒック決定手段17は、受信インパルス信号に付加されているトラヒックの識別情報を抽出し(S22)、そのトラヒックの識別情報が「トラヒックあり」を示す識別情報であるか否かを判断する(S23)。
このとき、「トラヒックあり」を示す識別情報である場合、トラヒック決定手段17は、受信インパルス信号に付加されている「発信元ノードAからシンクノードSまでのホップ数Nhop(A)」を抽出し(S24)、この「発信元ノードAからシンクノードSまでのホップ数Nhop(A)」と「自ノードBからシンクノードSまでのホップ数Nhop(B)」とを比較する(S25)。
そして、「Nhop(B)≦Nhop(A)」である場合、トラヒック決定手段17は、自ノードBはノードAからのデータ信号を転送する必要があるノードであると判断し、「自ノードにおけるトラヒックの有無」を「トラヒックあり」と決定する(S26)。
一方、「Nhop(B)>Nhop(A)」である場合、トラヒック決定手段17は、自ノードBはノードAからのデータ信号を転送する必要がないノードであると判断し、「自ノードにおけるトラヒックの有無」を「トラヒックなし」と決定する(S26)。
なお、S23において、受信した受信インパルス信号がすべて「トラヒックなし」を示す識別情報を付加するものである場合、トラヒック決定手段17は、自ノードBはノードAからのデータ信号を転送する必要がないノードであると判断し、「自ノードにおけるトラヒックの有無」を「トラヒックなし」と決定する(S26)。
S26に示す「自ノードにおけるトラヒックの有無」の決定に係る処理は、上述したように、ノードBのインパルス信号の発信周期を1周期とする期間内に受信した受信インパルス信号に付加される情報に基づいて行なわれる。
そして、例えば、受信した受信インパルス信号に「トラヒックあり」を示す識別情報が付加されたものを複数受信した場合(すなわち、ノードA以外の他ノードからも「トラヒックあり」を示す識別情報を付加したインパルス信号を受信した場合)、次のようにして、「自ノードにおけるトラヒックの有無」を決定する。
この場合、1周期間内に受信した「トラヒックあり」を示す識別情報が付加された複数のインパルス信号のうち、いずれか1個でも「Nhop(B)≦Nhop(A)」を満足するインパルス信号があるとき、トラヒック決定手段17は、自ノードBはノードAからのデータ信号を転送する必要があるノードであると判断し、「自ノードにおけるトラヒックの有無」を「トラヒックあり」と決定する。
一方、1周期間内に受信した「トラヒックあり」を示す識別情報が付加された複数のインパルス信号のうち、すべて「Nhop(B)>Nhop(A)」を満足するインパルス信号であるとき、トラヒック決定手段17は、自ノードBはノードAからのデータ信号を転送する必要がないノードであると判断し、「自ノードにおけるトラヒックの有無」を「トラヒックなし」と決定する。
S26において、「自ノードBにおけるトラヒックの有無」の決定を行なうと、続いて、トラヒック決定手段17は、ノードBが出力する「インパルス信号に付加するトラヒック識別情報の別」を決定する(S27)。
このとき、1周期間内で受信した「トラヒックあり」を示す識別情報が付加されたインパルス信号のうち、いずれか1個でも「Nhop(B)<Nhop(A)」を満足するインパルス信号がある場合、トラヒック決定手段17は、「インパルス信号に付加するトラヒック識別情報」として「トラヒックあり」を示す識別情報を決定する。
一方、1周期間内で受信した「トラヒックあり」を示す識別情報が付加されたインパルス信号のうち、すべて「Nhop(B)≧Nhop(A)」を満足するインパルス信号である場合、トラヒック決定手段17は、「インパルス信号に付加するトラヒック識別情報」として「トラヒックなし」を示す識別情報を決定する。
ここで、「自ノードにおけるトラヒックの有無」を決定する場合と「インパルス信号に付加するトラヒック識別情報の別」を決定する場合とで、「Nhop(B)=Nhop(A)」のときの取り扱いが異なる点に注意されたい。
このような違いを設ける理由は、「自ノードから目標ノードまで信号を到達させるのに要するコスト」が等しいノード間で「トラヒックあり」の情報が次々に転送されていき、その影響がトラヒック発生源のノードAとシンクノードS(目標ノード)との間以外の空間領域に存在するノードにも及ぶことを阻止するためである。すなわち、空間的に適切な範囲に位置するノードだけが活動状態を維持し、それ以外のノードは休止状態になる形態を構成させるためである。
このようにして、ノードBのトラヒック決定手段17は、「トラヒックの有無を示す識別情報」と「自ノードからシンクノードまでのホップ数Nhop(B)」とをインパルス信号に付加して発信する。
ノードBから「トラヒックあり」を示す識別情報が付加されたインパルス信号を受信したノードYは、ノードBと同様の動作を実行し、その後の各ノードも次々と同様の動作を実行することにより、トラヒック発生源のノードAとシンクノードSとの間に、「トラヒックの有無」の決定結果が「トラヒックあり」であるとするノードのクラスタが形成される。
続いて、あるノードの送受信休止手段18における動作について、図1及び図5を参照しながら詳細に説明する。
あるノードの送受信部休止手段18は、同調判定手段14からの同調判定信号及びトラヒック決定手段17による「自ノードにおけるトラヒックの有無」の決定結果に基づいて、当該ノードにおけるデータ信号とインパルス信号の送信及び受信動作を活動状態にするか又は休止状態にするかを判断する。
このとき、まず、送受信部休止手段18は、以下の条件A及び条件Bを共に満足する状態であるか否かを判定するし、条件A及び条件Bを共に満足する状態がMntr周期間持続したか否かを判断する(S31〜S33)。
(条件A) 同調判定手段14の判定結果が「定常状態」であること。すなわち、発信タイミングの相互調整が収束していること(S32)。
(条件B) トラヒック決定手段17による「自ノードにおけるトラヒックの有無」の決定結果が「トラヒックなし」であること(S33)。
そして、条件A及び条件Bを共に満足する状態がMntr周期間持続した場合、送受信部休止手段18は、休止状態に遷移することを示す情報をインパルス信号に付加して発信する(S34)。
また、休止状態に遷移することを示す情報を付加したインパルス信号を発信した後、送受信部休止手段18は、Mslp周期間、インパルス信号とデータ信号の送信及び受信動作を停止するよう、インパルス信号受信手段11、インパルス信号送信手段13及びデータ通信手段15に対して指示する(S35)。
そうすると、このMslp周期期間、インパルス信号受信手段11及びインパルス信号送信手段13はインパルス信号の送信及び受信を休止し、データ通信手段15はデータ信号の送信及び受信を休止することとなる。
ただし、上記のMntr周期間内に、他ノードから休止状態に遷移することを示す情報が付加されたインパルス信号を、一般に複数受信した場合は、その最も先行する受信タイミングを起点としたMslp周期経過後に活動状態に復帰する。上記のMntr及びMslpは、定数パラメータであり、実験的にその値を決定することができるものである。
このようにして、休止状態に遷移したノードが休止状態から再度活動状態に復帰すると、当該ノードは、再度、上記条件A及び条件Bを満足するか否かの判定を開始し、以後、同様の動作を実行する。
ここで、第1の実施形態の通信タイミング計算手段12は、仮想的な位相モデルを用いる方法で位相信号を形成するものであり、特許文献5に記載の通信タイミング計算手段を適用するものである。通信タイミング計算手段12が計算する仮想的な位相モデルは、W周期(Wは定数パラメータ)動作すると消滅する形態をとる。
この定数パラメータWの値の設定について説明する。例えば、自ノードが活動状態であっても、休止状態になる他ノードが存在すれば、自ノードは、その休止状態のノードから、Mslp周期間、インパルス信号を受信しない。また例えば、自ノードが休止状態の場合は、自ノードのインパルス信号の受信も休止しているから、他ノードからのインパルス信号をすべて受信できなくなる。
したがって、通信タイミング計算手段12における定数パラメータWは、少なくとも「W>Mslp」を満足する値とする必要がある。
しかし、実際には、自ノードが活動状態から休止状態に遷移する場合など、他ノードのインパルス信号がMslp周期よりも、もっと長い期間受信できない状態が発生し得るため、一般に、定数パラメータWは「W>K×Mslp」を満足する値とすることが望ましい。ここで、Kは定数を表す。定数パラメータWの具体的な値は実験的に決定する。
以上のように、センサネットワークを構成する各ノードが上述した動作を実行することにより、図2に示すノード集合においては、データ信号とインパルス信号との送信及び受信動作について活動状態とするノードと休止状態とするノードとを部分領域によって分かけた形態を形成することができる。
すなわち、トラヒック発生源のノードAとシンクノードSとの間には、「トラヒックの有無」の決定結果が「トラヒックあり」であるノードのクラスタが形成されるため、この部分領域のノードは、ノードAでトラヒックが発生し続ける限り、活動状態を維持することになる。
逆に、この部分領域以外のノードは、ノードA以外にトラヒックを発生するノードが存在しなければ、一旦、休止状態になり、Mslp周期後に、活動状態に復帰する。以後、同様の動作を繰り返す。
以上のように、トラヒックの発生が時間的、空間的に局在している状況に対応した形で、データ信号の転送を行なう部分領域のノードが、必要な時間だけ活動状態になり、それ以外は休止状態となる形態が実現される。
第1の実施形態では、相互作用範囲内のノード間で通信タイミングの相互調整が達成された状態で、活動状態から休止状態に遷移するため、その後、活動状態に復帰した際に、通信タイミングを微調整するだけで、衝突の発生しないデータ通信を行なうことができるという特徴を有する。この通信タイミングの微調整は、ノード間でインパルス信号を送受信することにより達成される。したがって、活動状態に復帰した際に、トラヒックの発生が確認されると、比較的低遅延でシンクノードにデータを転送することが可能である。
また、トラヒックが発生し続ける限り、関係する部分領域のノードは活動状態を維持し、トラヒックの発生が一定期間停止すると休止状態になるため、トラヒックが時間的に不規則に発生する状況に対応して、ノードの省電力化を図ることが可能である。
(A−3)第1の実施形態の効果
以上のように、第1の実施形態によれば、複数のノードがインパルス信号を送受信することによって自律分散的にタイムスロット割当の相互調整を行ラデータ通信方法において、トラヒック決定手段及び送受信部休止手段を新たに付加することにより、ネットワーク上にトラヒックが発生したか否かに応じて、各ノードが自律的に信号送受信部の休止制御を実行することができる。
これにより、ネットワークにおけるトラヒックの発生が時間的、空間的に局在している状況に対応した形で、データ信号の転送を行なう必要がある部分領域のノードが、必要な時間だけ活動状態になり、それ以外は休止状態となる形態が実現される。したがって、第1の実施形態によれば、トラヒックが時間的に不規則に発生する状況に対応して、ノードの省電力化を図ることが可能である。
(B)他の実施形態
(B−1)本発明では、ノード間において送受信するインパルス信号の実現形態は、特定のタイミングを伝え合うことが可能であれば、特に制約はないことに注意されたい。インパルス信号の最も簡単な実現形態の例として、ガウス分布や矩形等の関数形状を有する単一パルスが挙げられる。しかし、インパルス信号は必ずしも単一パルスである必要はなく、複数のパルスを用いて一つの意味を成すインパルス信号を構成する形態であっても構わない。例えば、特定のビットパターンに対応するパルス列を一つのインパルス信号として扱う形態である。こうした形態は、多くのノイズが存在する環境において単一パルスでは信号識別が困難な場合に有効である。本発明の実施形態で説明したインパルス信号の示す意味は、特定のタイミングを示す信号ということを概念的に表すものであり、その実現形態は種々の形態が存在する。
(B−2)上記のインパルス信号(特定のタイミングを示す信号)にノード識別番号というある種のデータを付加した信号をインパルス信号として適用してもよい。特定のタイミングを示す信号にある種のデータを付加した信号も、その実現形態は、種々の形態が存在することに注意されたい。
また、通信タイミング計算手段12は、種々の方式により位相信号を形成するものを適用することができる。
(B−3)第1の実施形態では、空間に分散配置された多数のノードが、相互に無線でデータをやり取りするシステムを想定して説明した。しかし、本発明の利用形態は、無線通信を行なうシステムに限定されない。空間に分散配置された多数のノードが、相互に有線でデータをやり取りするシステムに適用することも可能である。例えば、イーサーネット(登録商標)などのように有線接続されたLANシステムに適用することも可能である。また、同様に有線接続されたセンサやアクチュエータ、あるいはサーバなど、異なる種類のノードが混在するネットワークに適用することも可能である。無論、有線接続されたノードと、無線接続されたノードが混在するネットワークに適用することも可能である。
さらに、本発明は、インターネット上で、各ルータが相互に異なるタイミングでルーティングテーブルを交換するための通信プロトコルとして利用することができる。ここで、ルータとは、ネットワーク上を流れる情報の行き先を振り分ける(通信経路選択)機能を有する中継機器のことである。また、ルーティングテーブルとは、情報の行き先を振り分ける際に参照される通信経路選択規則である。効率的な通信を実現するためには、ネットワーク上における変更や局所的なトラフィックの変化等に応じて、逐次、ルーティングテーブルを更新する必要がある。このため、ネットワーク上に存在する多数のルータは、相互に一定の時間間隔でルーティングテーブルの交換を行っている。しかし、文献「Floyd,S.,and Jacobson,V.,“The Synchronization of Periodic Routing Messages”, IEEE/ACM Transactions on Networking, Vol.2 No.2, pp.122-136, April 1994.」に開示されるように、各ルータがそれぞれ独立にルーティングテーブルを発信しているにもかかわらず、ルータ相互の発信が次第に同期(衝突)する現象が発生することが分かっている。文献では、ルーティングテーブルの交換に用いられる通信プロトコルに対して、各ノードの処理周期にランダムな変動性を与えることによって、この問題に対処する方法を提案し、一定の効果が得られることを示している。しかし、上記文献に開示される方法は、基本的にランダム性のみに依存した方法であるため、その効果は十分ではない。
それに対して、本発明を上記の問題に適用すると、近傍のルータ間において、ルーティングテーブルを発信するタイムスロットを自律的に相互調整することが可能である。従って、各ルータの発信は、相互に異なるタイミングとなり、上記文献に開示される方法に比べて高い効果を得ることができる。
以上、説明したように、本発明は無線系、有線系を問わず、あらゆるネットワークに存在する発信データの衝突や同期の問題に適用可能であり、適応性と安定性を兼ね備えた効率的なデータ通信を実現する通信プロトコルとして利用することが可能である。
(B−4)通信タイミング情報(実施形態での位相信号)の取得制御についてそのタイミング情報を通信にどのような利用するかは問われない。例えば、各ノードからのデータ信号の送信周波数が異なる場合であれば、タイムスロットを設定することなく通信を行なうようにしても良く、この場合であっても、データ通信の始期を通信タイミング情報から定めるようにすれば良い。
(B−5)第1の実施形態で説明したノードが実現する機能は、ソフトウェアとして実現することができるものであるが、同様の動作を行なう回路構成をとることができれば、ハードウェアとしてノードが実装するものとしてもよい。
第1の実施形態のノードの内部構成を示すブロック図である。 第1の実施形態のセンサネットワークの構成を示すイメージ図である。 第1の実施形態のトラヒック発生源のノードのトラヒック決定手段の動作を示すフローチャートである。 第1の実施形態の中継ノードのトラヒック決定手段の動作を示すフローチャートである。 第1の実施形態のノードの送受信部休止手段の動作を示すフローチャートである。
符号の説明
10…ノード、11…インパルス信号受信手段、12…通信タイミング計算手段、13…インパルス信号送信手段、14…同調判定手段、15…データ通信手段、16…センサ、17…トラヒック決定手段、18…送受信部休止手段。

Claims (6)

  1. 通信システムを構成する複数のノードのうち、発信元ノードが目標ノード宛に発信したデータ信号を中継する中継ノードに搭載される通信制御装置において、
    1又は複数の近傍ノードが送信した各近傍ノードのデータ発信タイミングを示す制御信号を受信する制御信号受信手段と、
    上記各近傍ノードのデータ発信タイミングを示す制御信号に基づき、所定の時間発展規則に従って自ノードのデータ発信タイミングを決定する通信タイミング計算手段と、
    上記各近傍ノードのデータ発信タイミングと上記自ノードのデータ発信タイミングとに基づいて、上記各近傍ノード及び自ノード間のデータ発信タイミングの相互調整状態を判定する同調判定手段と、
    予め設定された自ノードから上記目標ノードまでにデータ信号を到達させるために要する到達コスト情報を記憶する到達コスト情報記憶手段と、
    上記各近傍ノードのデータ発信タイミングを示す制御信号に含まれている各近傍ノードの到達コスト情報と上記自ノードの到達コスト情報に基づいて、自ノードがデータ信号の中継に寄与するノードであるか否かを判定するトラヒック判定手段と、
    上記トラヒック判定手段による判定結果と上記同調判定手段による判定結果に基づいて、自ノードのデータ信号と制御信号との送信動作及び受信動作を休止状態にするか否かを決定する送受信休止状態決定手段と、
    少なくとも自ノードの到達コスト情報及び上記トラヒック判定手段の判定結果を、自ノードのデータ発信タイミングを示す制御信号に付与する制御信号形成手段と、
    上記制御信号形成手段により形成された上記自ノードのデータ発信タイミングを示す制御信号を送信する制御信号送信手段と
    を備えることを特徴とする通信制御装置。
  2. 上記トラヒック判定手段が、制御信号の送信周期期間内に受信した上記各近傍ノードのデータ発信タイミングを示す制御信号のうち、いずれかの近傍ノードの到達コスト情報が自ノードの到達コスト情報以下である場合には、自ノードがデータ信号の中継に寄与するノードであることと判定し、いずれの近傍ノードの到達コスト情報が自ノードの到達コスト情報より大きい場合には、自ノードがデータ信号の中継には寄与しないノードであると判定することを特徴とする請求項2に記載の通信制御装置。
  3. 上記トラヒック判定手段が、制御信号の送信周期期間内に受信した上記各近傍ノードのデータ発信タイミングを示す制御信号のうち、いずれかの近傍ノードの到達コスト情報が自ノードの到達コスト情報未満である場合には、トラヒックがあることを示す識別情報を自ノードのデータ発信タイミングを示す制御信号に付加させるようにし、いずれの近傍ノードの到達コスト情報が自ノードの到達コスト情報以上である場合には、トラヒックがないことを示す識別情報を自ノードのデータ発信タイミングを示す制御信号に付加させるようにすることを特徴とする請求項1又は2に記載の通信制御装置。
  4. 上記送受信休止状態決定手段は、上記同調判定手段の判定結果が定常状態とするものであり、かつ、上記トラヒック判定手段の判定結果が自ノードがデータ信号の中継に寄与しないノードであるとするものであるとする状態が所定期間継続する場合、所定期間だけ休止状態にすることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の通信制御装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の通信制御装置を有することを特徴とするノード。
  6. 通信システムを構成する複数のノードのうち、発信元ノードが目標ノード宛に発信したデータ信号を中継する中継ノードに搭載される通信制御装置による通信制御方法において、
    予め設定された自ノードから上記目標ノードまでにデータ信号を到達させるために要する到達コスト情報を記憶する到達コスト情報記憶手段を備え、
    制御信号受信手段が、1又は複数の近傍ノードが送信した各近傍ノードのデータ発信タイミングを示す制御信号を受信する制御信号受信工程と、
    通信タイミング計算手段が、上記各近傍ノードのデータ発信タイミングを示す制御信号に基づき、所定の時間発展規則に従って自ノードのデータ発信タイミングを決定する通信タイミング計算工程と、
    同調判定手段が、上記各近傍ノードのデータ発信タイミングと上記自ノードのデータ発信タイミングとに基づいて、上記各近傍ノード及び自ノード間のデータ発信タイミングの相互調整状態を判定する同調判定工程と、
    トラヒック判定手段が、上記各近傍ノードのデータ発信タイミングを示す制御信号に含まれている各近傍ノードの到達コスト情報と上記自ノードの到達コスト情報に基づいて、自ノードがデータ信号の中継に寄与するノードであるか否かを判定するトラヒック判定工程と、
    送受信休止状態決定手段が、上記トラヒック判定手段による判定結果と上記同調判定手段による判定結果に基づいて、自ノードのデータ信号と制御信号との送信動作及び受信動作を休止状態にするか否かを決定する送受信休止状態決定工程と、
    制御信号形成手段が、少なくとも自ノードの到達コスト情報及び上記トラヒック判定手段の判定結果を、自ノードのデータ発信タイミングを示す制御信号に付与する制御信号形成工程と、
    制御信号送信手段が、上記制御信号形成手段により形成された上記自ノードのデータ発信タイミングを示す制御信号を送信する制御信号送信工程と
    を有することを特徴とする通信制御方法。

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