JP2008053107A - セラミックス薄板体を備えるデバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】 薄板体と支持部材との間に熱による伸縮量の差が発生しても、薄板体の特に中央部近傍が変形することがない高い信頼性を有するデバイスを提供すること。
【解決手段】 デバイス(燃料電池)10は、少なくともセラミックスシートを含む焼成された薄板体11(固体電解質層11a、燃料極層11b及び空気極層11cからなる積層体)と、薄板体11を支持する支持部材12とを備える。薄板体11は薄板体11の少なくとも二箇所の部分(例えば、外周部)において支持部材12に固定・支持されている。薄板体11は、薄板体11の一つの平面から突出した凸状部を複数備えるとともに同平面から陥没した凹状部を複数備える。凸状部及び凹状部は、熱(温度変化)による薄板体11と支持部材12との間の伸縮量差を吸収するように変形し、薄板体11の平面方向における応力を低減する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、少なくともセラミックスシートを含む焼成された薄板体と、その薄板体を支持する支持部材と、を備えるデバイスに関する。
従来から、セラミックスシートを含む焼成された薄板体は、例えば、センサ、アクチュエータ及び固体酸化物形燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell:SOFC)等の種々のデバイスに用いられて来ている。例えば、デバイスがSOFCである場合、薄板体は、セラミックスである固体電解質ジルコニアと、その固体電解質ジルコニアの一面に形成された燃料極層と、その固体電解質ジルコニアの他面に形成された空気極層と、からなる焼成体である。更に、燃料流路が燃料極層と対向する部分に形成され、空気流路が空気極層と対向する部分に形成される。この種の薄板体は、少なくとも二箇所の部分(多くの場合、全周)において支持部材に固定され、デバイスを構成している。(例えば、特許文献1を参照。)。
特開2004−342584号公報
このようなデバイスを小型化するためには、薄板体自体の厚さを小さくするとともに、その薄板体を収容しているデバイスのケース等(例えば、支持部材の厚さ)も小さくする必要がある。一方、デバイス(薄板体及び/又は支持部材)の温度が急激に変化する場合、薄板体と支持部材との間に膨張量の差が発生する。しかしながら、薄板体は少なくとも二箇所の部分において支持部材に拘束(固定)されているので、薄板体と支持部材との間の膨張量の差によって薄板体に大きな応力が加わる。このため、薄板体の特に中央部近傍が変形し、小型化されたデバイスにおいては薄板体が支持部材等に当接することがある。この結果、デバイスの信頼性が低下する等の種々の問題が発生する。
より具体的に述べると、例えば、デバイスが小型化されたSOFCであれば、前記薄板体に直交する方向における燃料流路の距離(高さ)及び空気流路の距離(高さ)は非常に小さくなる。一方、燃料電池に発電を開始させようとするとき又は発電を終了させようとするとき、単セルとしての薄板体の温度及び支持部材の温度は急激に変化する。その結果、薄板体と支持部材との間に伸縮量(膨張量)の差が発生して薄板体に大きな応力が加わるので、薄板体の特に中央部近傍が変形して燃料流路及び/又は空気流路を閉じてしまうという問題が発生する。また、薄板体が燃料流路又は空気流路を閉じない程度に変形した場合であっても、それらの流路を流体が流れる際の圧損が薄板体の変形によって増大する。従って、本発明の目的の一つは、小型化されたデバイスであって、デバイスの温度変化に対して所期の性能を安定して発揮することが可能なデバイスを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明によるデバイスは、少なくともセラミックスシートを含む焼成された薄板体と、前記薄板体を支持する支持部材と、を備えるデバイスである。このような薄板体の厚さは、小型化する観点から、例えば5μm以上且つ100μm以下であり、且つ、薄板体全体にわたって均一であることが望ましい。
更に、このデバイスにおいて、前記薄板体は、同薄板体の少なくとも二箇所の部分において前記支持部材に固定され、且つ、同薄板体の一つの平面から突出した凸状部を複数備えるとともに同平面から陥没した凹状部を複数備えている。この場合、薄板体の一面側から見た凸状部及び凹状部は、同薄板体の他面側から見ればそれぞれ凹状部及び凸状部である。
このように、薄板体は薄板体の少なくとも二箇所の部分において支持部材に固定されている。この場合、支持部材に固定される薄板体の少なくとも二箇所は、薄板体が平面視において多角形であれば、その多角形を構成する二つの辺(対向する二辺及び隣接する二辺等)のそれぞれに沿った少なくとも二つの領域であってよく、その多角形の総ての辺のそれぞれに沿った二以上の領域(外周部の全周)を含む領域であってもよい。また、薄板体は平面視において円形(真円、長円及び楕円等)であってもよい。その場合、支持部材に固定される薄板体の少なくとも二箇所は、その円に対して描かれる二つの異なる絃を含む領域であってもよく、外周部の総ての領域であってもよい。
一方、薄板体及び支持部材は、その温度変化により伸縮しようとする。このとき、薄板体と支持部材との間に伸縮量の差が生じる。しかしながら、薄板体は少なくとも二箇所の部分において支持部材に固定されているから、薄板体が従来の薄板体のように平坦であると(即ち、薄板体が上記凸状部及び上記凹状部を備えていないと)、薄板体の平面に沿った方向に大きな応力(引張り応力又は圧縮応力)が発生し、薄板体或いは接合部(薄板体と支持部材との固定部)が破損するか、薄板体の特に中央部近傍が薄板体の平面と直交する方向に変形してしまう。これに対し、本発明のデバイスにおける薄板体は、薄板体の平面から突出した凸状部を複数備えるとともに同平面から陥没した凹状部を複数備えているから、それらの凸状部及び凹状部が上記温度変化による薄板体の平面に沿った方向の薄板体と支持部材との間の伸縮量差を吸収するように変形する。換言すると、前記伸縮量差により薄板体内部に発生する応力が薄板体の平面方向と直交する方向にも分散される。この結果、本発明によるデバイスの薄板体は、その中央部近傍が薄板体の平面と直交する方向に変形し難いので、同デバイスは薄板体の温度変化に対して所期の性能を安定して発揮することができる。更に、薄板体或いは接合部が破損することを回避できる。
また、この薄板体と支持部材とからなる構造体(デバイス)が複数段にわたって積み上げられてなるSOFCスタックを構成する場合、各薄板体の両面にはそれぞれ燃料ガス及び空気ガスが接触することになる。このとき、両ガスの圧力に差があると、そのガスの圧力差が外力となって薄板体へ作用する。このため、薄板体が変形して流路幅を狭めてしまう可能性がある。しかしながら、本発明によれば、薄板体が上記凸状部及び上記凹状部を備えているので変形し難く、その結果、流路幅を狭めてしまう可能性が低減される。
一方、前記複数の凸状部のうちの少なくとも一つの凸状部は同凸状部の最高点に位置する頂部が前記平面に沿う方向に連続的に伸びるように形成され、且つ、前記複数の凹状部のうちの少なくとも一つの凹状部は同凹状部の最低点に位置する底部が前記平面に沿う方向に連続的に伸びるように形成されていることが好適である。
このように、凸状部が「薄板体の平面に沿う所定の方向に長手方向を有する山脈状」であり、凹状部が「薄板体の平面に沿う所定の方向に長手方向を有する溝状」であれば、そのような凹状部及び凸状部はデバイスの温度変化に伴う薄板体と支持部材との間の伸縮量差を容易に吸収するように変形する。従って、薄板体の特に中央部近傍が同薄板体の平面と直交する方向へ変形することをより効果的に抑制することができる。なお、この山脈状の凸状部及び/又は溝状の凹状部は、薄板体上部から見た形状(薄板体の平面視における形状)が直線的であっても良いし、曲線的であっても良い。
この場合、凸状部の頂部が連なる方向(連続的に伸びる方向)又は凹状部の底部が連なる方向(連続的に伸びる方向)は、前記少なくとも二箇所のうちの一つの箇所(領域)内の所定の点(第1地点)と、前記少なくとも二箇所のうちの他の一つの箇所(領域)内の所定の点(第2地点)と、を結んだ直線と直交する方向であることが好ましい。これによれば、そのような凹状部及び凸状部は、デバイスの温度変化に伴う薄板体と支持部材との間の伸縮量差をより容易に吸収するように変形する。従って、薄板体の特に中央部近傍が同薄板体の平面と直交する方向へ変形することを一層効果的に抑制することができる。
更に、本発明によるデバイスの薄板体は、前記凸状部の最高点に位置する頂部の前記平面からの距離を前記複数の凸状部について単純平均した頂部距離平均値と、前記凹状部の最低点に位置する底部の前記平面からの距離を前記複数の凹状部について単純平均した底部距離平均値と、の和である頂部底部間距離平均値が20μm以上且つ400μm以下であるように構成されていることが好適である。
検討によれば、頂部底部間距離平均値が20μm以上になると、薄板体に同じ撓み量を発生させるのに必要な外力が大きくなることが判明した(図15を参照。)。つまり、頂部底部間距離平均値が20μm以上になると、外力に対して薄板体が極めて変形し難くなることが判明した。一方、頂部底部間距離平均値が400μm以上となると、薄板体の表面に形成された凹状部及び凸状部の曲率が大きくなることに起因して焼成体である薄板体にマイクロクラックが発生する場合があることが判明した。マイクロクラックが生じると、薄板体の強度は極端に低下する。以上のことから、頂部底部間距離平均値は、20μm以上且つ400μm以下であることが好ましい。
更に、本発明によるデバイスの薄板体は、以下に述べる条件の総てを満たす少なくとも一組の凸状部及び凹状部を含むことが好適である。
その条件とは、以下の通りである。
・その凸状部は前記複数の凸状部のうちの一つであること。
・その凹状部は前記複数の凹状部うちの一つであること。
・その凹状部はその凸状部に隣接していること。
・その凸状部の頂部とその凹状部の底部との前記平面(薄板体の平面)に沿う方向の距離(以下、「頂部底部平面方向距離」と称呼する。)が0.05mm以上且つ1.00mm以下であること。
検討によれば、頂部底部平面方向距離が1.00mm以下となると、薄板体に同じ撓み量を発生させるのに必要な外力が大きくなることが判明した(図16を参照。)。つまり、頂部底部平面方向距離が1.00mm以下となると、外力に対して薄板体が極めて変形し難くなることが判明した。一方、頂部底部平面方向距離が50μm未満であって凸状部と凹状部とが極めて近接した状況になると、焼成体である薄板体にマイクロクラックが発生する場合があることが判明した。マイクロクラックが生じると、薄板体の強度は極端に低下する。以上のことから、頂部底部平面方向距離は、0.05mm(50μm)以上且つ1.00mm(1000μm)以下であることが好ましい。
更に、本発明によるデバイスの薄板体は、セラミックスシートのみの単層体であってもよく、セラミックスシートと同セラミックスシートとは熱膨張率が相違する材料からなるシートとの積層体(積層焼成体)であってもよい。この場合、前記薄板体は、前記セラミックススシートとしての焼成により形成された固体電解質層と、同固体電解質層の一面に焼成により形成された前記熱膨張率が相違する材料からなるシートとしての燃料極層と、同固体電解質層の他面に焼成により形成された前記熱膨張率が相違する材料からなるシートとしての空気極層と、を備えることが好適である。これによれば、小型化され且つ安定した発電を長期に行い得るSOFCが提供される。
本発明の一実施態様において、
前記支持部材は、平面部と同平面部の周囲において同平面部の上方に向けて立設した上方枠体部と同平面部の下方に向けて立設した下方枠体部とを有する第1支持部材と、前記第1支持部材と同一形状の第2支持部材と、を備え、
前記第1支持部材及び前記第2支持部材は、前記第1支持部材の上方枠体部の上に前記第2支持部材の下方枠体部が対向するように互いに同軸的に配置され、
前記薄板体は、前記第1支持部材の平面部の上面に前記空気極層が配置され且つ前記第2支持部材の平面部の下面に前記燃料極層が配置されるように前記第1支持部材の上方枠体部と前記第2支持部材の下方枠体部との間に挟持され、
前記第1支持部材の平面部の上面と同第1支持部材の上方枠体部の内側壁面と前記薄板体の空気極層とにより酸素を含む気体が供給される空気流路が形成され、
前記第2支持部材の平面部の下面と同第2支持部材の下方枠体部の内側壁面と前記薄板体の燃料極層とにより水素を含む燃料が供給される燃料流路が形成されることが好ましい。
このようなデバイスを、支持部材と薄板体とが交互に配列されるように積み上げることによって、平板スタック型の小型化されたSOFCが提供される。
更に、本発明によるデバイスの薄板体は、前記薄板体単体を同薄板体の所定の支持箇所で支持するとともに同薄板体に対し同支持箇所以外の荷重印加箇所に前記平面に直交する方向であって所定の大きさの荷重を加えたときの撓み量が、前記薄板体が前記凸状部及び前記凹状部を備えることなく平坦であると仮定した場合に同仮定した薄板体単体を前記支持箇所で支持するとともに同仮定した薄板体に対し前記荷重印加箇所に前記平面に直交する方向であって前記所定の大きさの荷重を加えたときの撓み量よりも小さいように構成されていることが望ましい。
これによれば、薄板体をデバイスに組み込む作業を行う際やデバイスに組み込んだ後において薄板体が何らかの外力を受けた場合であっても、薄板体は変形し難い。従って、所期の性能を発揮し続けることが可能なデバイスを容易に製造することができる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態に係るデバイスについて説明する。本発明によるデバイスは、例えば、センサ、アクチュエータ及び燃料電池等の種々のデバイスを含む。
(燃料電池の全体構造)
図1は、本発明の一実施形態に係るデバイスである固体酸化物形燃料電池(以下、単に「燃料電池」と称呼する。)10の破断斜視図である。図2は、燃料電池10の部分分解斜視図である。燃料電池10は、薄板体11と支持部材12とが交互に積層されることにより形成されている。即ち、燃料電池10は、スタック構造を備えている。薄板体11は、燃料電池10の「単セル」とも称呼される。支持部材12は、「インターコネクタ」とも称呼される。
図2の円A内に拡大して示したように、薄板体11は、電解質層(固体電解質層)11aと、電解質層11aの上(上面)に形成された燃料極層11bと、電解質層11a上の燃料極層11bとは反対の面(下面)に形成された空気極層11cと、を有している。薄板体11の平面形状は、互いに直交するx軸及びy軸の方向に沿う辺を有する正方形である。薄板体11は、x軸及びy軸に直交するz軸方向に厚み方向を有する板体である。
本例において、電解質層11aはセラミックスシートとしてのYSZ(イットリア安定化ジルコニア)の緻密な焼成体である。燃料極層11bは、Ni−YSZからなる焼成体であり、多孔質電極層である。空気極層11cはLSM(La(Sr)MnO3:ランタンストロンチウムマンガナイト)−YSZからなる焼成体であり、多孔質電極層である。これら3つの層の熱膨張率は互いに相違している。
薄板体11は、一対のセル貫通孔11d,11dを備えている。それぞれのセル貫通孔11dは、電解質層11a、燃料極層11b及び空気極層11cを貫通している。一対のセル貫通孔11d,11dは、薄板体11の一つの辺の近傍であってその辺の両端部近傍領域に形成されている。薄板体11の構造については、後に詳述する。
図3は、図2においてx軸と平行な1−1線を含むとともにx−z平面と平行な平面に沿って支持部材12を切断した支持部材12の断面図である。
図2及び図3に示したように、支持部材12は、平面部12aと、上方枠体部12bと、下方枠体部12cと、を備えている。支持部材12は、Ni系耐熱合金(例えば、フェライト系SUS、インコネル600及びハステロイ等)から構成されている。従って、支持部材12の熱膨張率と薄板体11の熱膨張率は相違する。換言すると、燃料電池10の温度が変化したとき、薄板体11と支持部材12との間に伸縮量差が生じる。
平面部12aは、z軸方向に厚み方向を有する薄い平板体である。平面部12aの平面形状は、x軸及びy軸方向に沿う辺を有する正方形である。
上方枠体部12bは、平面部12aの周囲(4つの辺の近傍領域、即ち、外周近傍領域)において平面部12aの上方に向けて立設された枠体である。上方枠体部12bは、外周枠部12b1と段差形成部12b2と段差延長部12b3とからなっている。
外周枠部12b1は、支持部材12の最外周側に位置している。外周枠部12b1の縦断面(例えば、y軸方向に長手方向を有する外周枠部12b1をx−z平面に平行な平面により切断した断面)の形状は長方形(又は正方形)である。
段差形成部12b2は、外周枠部12b1の内周面から支持部材12の中央に向けて延設された部分である。段差形成部12b2の下面は平面部12aと連接している。段差形成部12b2の縦断面(例えば、y軸方向に長手方向を有する段差形成部12b2をx−z平面に平行な平面により切断した断面)の形状は、外周枠部12b1の断面形状である長方形よりも小さい長方形(又は正方形)である。
段差延長部12b3は、平面部12aの四つの角部のうちの一つの角部において、段差形成部12b2の内周面から支持部材12の中央に向けて延設された部分である。段差延長部12b3の下面は平面部12aと連接している。段差延長部12b3の平面視における形状は略正方形である。段差延長部12b3の高さ(z軸方向長さ)は、段差形成部12b2の高さと同一である。段差延長部12b3には、貫通孔THが形成されている。貫通孔THは、段差延長部12b3の下方に位置する平面部12aも貫通している。
下方枠体部12cは、平面部12aの周囲(4つの辺の近傍領域、即ち、外周近傍領域)において平面部12aの下方に向けて立設された枠体である。下方枠体部12cは、平面部12aの厚さ方向の中心線CLに対して上方枠体部12bと対称形状を有している。従って、下方枠体部12cは、外周枠部12b1、段差形成部12b2及び段差延長部12b3とそれぞれ同一形状の外周枠部12c1、段差形成部12c2及び段差延長部12c3を備えている。但し、段差延長部12c3は、段差延長部12b3に対して平面部12aの平面視における対角線上であって段差延長部12b3に対向するように配置・形成されている。
図4は、薄板体11及び薄板体11を支持(挟持)した状態における一対の支持部材12を、それらの平面視における対角線を含む平面にて切断した縦断面図である。上述したように、燃料電池10は、薄板体11と支持部材12とが交互に積層されることにより形成されている。ここで、互いに対向し且つ隣接するように配置される二つの支持部材12を、便宜上、第1支持部材121及び第2支持部材122と称呼する。図4に示したように、第1支持部材121及び第2支持部材122は、第1支持部材121の上方枠体部12bの上に第2支持部材122の下方枠体部12cが対向するように互いに同軸的に配置される。
薄板体11は、第1支持部材121の上方枠体部12bと第2支持部材122の下方枠体部12cとの間に挟持される。このとき、薄板体11は、第1支持部材121の平面部12aの上面に空気極層11cが対向するように配置され、第2支持部材122の平面部12aの下面に燃料極層11bが対向するように配置される。
薄板体11の外周部下面(即ち、空気極層11cの外周部下面)は、第1支持部材121の上方枠体部12bの一部である段差形成部12b2及び段差延長部12b3の上面と当接し、且つ、この段差形成部12b2及び段差延長部12b3に対して導電性のロウ材により接合・固定されている。同様に、薄板体11の外周部上面(即ち、燃料極層11bの外周部上面)は、第2支持部材122の下方枠体部12cの一部である段差形成部12c2及び段差延長部12c3の下面と当接し、且つ、この段差形成部12c2及び段差延長部12c3に対して導電性のロウ材により接合・固定されている。換言すると、薄板体11は薄板体11の少なくとも二箇所の部分(具体的には、外周部全周)において支持部材12(第1支持部材121及び第2支持部材122)に接合・固定されている。
ここで、支持部材12と薄板体11との接合・固定方法について具体的に説明する。燃料極層11b及び空気極層11cは、多孔質電極層として形成されている。そのため、燃料極層11bと支持部材12との間の導電性を維持し且つ燃料極層11bを支持部材12に固定するため、及び、空気極層11cと支持部材12との間の導電性を維持し且つ空気極層11cを支持部材12に固定するためには、例えば、以下の方法が採用される。
図5の(A)に示したように、多孔質電極層(空気極層11c又は燃料極層11b)と支持部材12との間に導電性のロウ材RWを挟む。その状態において、所定の減圧又は加圧により、図5の(B)に示したように、ロウ材RWを多孔質電極層に浸透させて多孔質電極層を緻密化し、同時に、その緻密化された部分をロウ材RWによって支持部材12に接合する。この接合は、Ni−Mnメタライズ層を用いて行っても良い。また、その緻密化された部分を活性金属ロウを用いて支持部材12に直接接合しても良い。
以上により、図4に示したように、第1支持部材121の平面部12aの上面と、第1支持部材121の上方枠体部12b(段差形成部12b2及び段差延長部12b3)の内側壁面と、薄板体11の空気極層11cと、により酸素を含む気体が供給される空気流路21が形成される。酸素を含む気体は、図4の破線の矢印により示したように、第2支持部材122の貫通孔THと薄板体11のセル貫通孔11dとを通して空気流路21に流入する。
また、第2支持部材122の平面部12aの下面と、第2支持部材122の下方枠体部12c(段差形成部12c2及び段差延長部12c3)の内側壁面と、薄板体11の燃料極層11bと、により水素を含む燃料が供給される燃料流路22が形成される。燃料は、図4の実線の矢印により示したように、第1支持部材121の貫通孔THと薄板体11のセル貫通孔11dとを通して燃料流路22に流入する。なお、対向する一対の支持部材12(即ち、第1支持部材121と第2支持部材122)は、短絡を防止するために、薄板体11が配置されていない部分において、それらの間に空間(間隙)を有するように配置・構成される。即ち、第1支持部材121の外周枠部12b1と第2支持部材122の外周枠部12c1との間には薄板体11が挟持された状態において空隙が存在するように、薄板体11及び支持部材12の各部の寸法が決定されている。
このように構成された支持部材12は、一方の面(上面)である第一面側に、薄板体11を配置するための窪んだ形状に形成された第一収容部を備えていると言うこともできる。同様に、支持部材12は、他方の面(下面)である第二面側に、薄板体11を配置するための窪んだ形状に形成された第二収容部を備えていると言うこともできる。そして、一つの薄板体11の空気極層11cが一つの支持部材12の平面部12aの上面と対向するように同一つの薄板体11が第一収容部に収容され、他の一つの薄板体11の燃料極層11bがその支持部材12の平面部12aの下面と対向するように同他の一つの薄板体11が第二収容部に収容されていると言うことができる。
以上のように構成された燃料電池10は、例えば、図6に示したように、薄板体11の燃料極層11bと支持部材12の平面部12aの下面との間に形成された燃料流路22に燃料が供給され、且つ、薄板体11の空気極層11cと支持部材12の平面部12aの上面との間に形成された空気流路21に空気が供給されることにより、以下に示す化学反応式(1)及び(2)に基く発電を行う。
(1/2)・O+2e−→O2− (於:空気極層11c) …(1)
+O2−→HO+2e− (於:燃料極層11b) …(2)
(薄板体11の詳細構造)
次に、薄板体11の構造について詳細に説明する。前述したように、薄板体11は、平面視において正方形である。図7に示した薄板体11の幅(一辺の長さ)a及び奥行き(他の辺の長さ)bは、5mm以上且つ300mm以下である。薄板体11の厚さtは、全体に渡って均一であり、5μm以上且つ100μm以下(例えば、30μm)である。
薄板体11は、図7及び薄板体11の部分拡大斜視図である図8に示したように、薄板体11の一つの平面(例えば、表面及び裏面のうちの何れかの面)Pから突出した凸状部111と、その平面Pから陥没した凹状部112と、をそれぞれ複数備えている。それらの凸状部111と凹状部112は、畝、波形のしわ及びリブと称呼することもできる。
図8に示したように、複数の凸状部111のうちの少なくとも一つの凸状部は、その一つの凸状部の最高点に位置する頂部111a(図9を参照。)が平面Pに沿う方向に(図8の破線に沿って)所定の距離だけ(連続的に)伸びるように形成されている。即ち、少なくとも一つの凸状部は、「薄板体11の平面Pに沿う所定の方向に長手方向を有する山脈状」である。同様に、複数の凹状部112のうちの少なくとも一つの凹状部は、その凹状部の最低点に位置する底部112a(図9を参照。)が平面Pに沿う方向に(図8の一点鎖線に沿って)連続的に伸びるように形成されている。即ち、少なくとも一つの凹状部は、「薄板体11の平面Pに沿う所定の方向に長手方向を有する溝状」である。
図9に示した頂部111aの平面Pからの距離h1を複数の(総ての)凸状部111について単純平均した頂部距離平均値と、図9に示した底部112aの平面Pからの距離h2を複数の(総ての)凹状部112について単純平均した底部距離平均値と、の和である頂部底部間距離平均値は、20μm以上且つ400μm以下である。なお、薄板体11は3層構造を備えるが、図9等においては一つの一体化された層として描かれている。
また、薄板体11は、複数の凸状部のうちの一つの凸状部と同一つの凸状部に隣接した複数の凹状部うちの一つの凹状部とからなるとともに同一つの凸状部の頂部111aと同一つの凹状部の底部112aとの平面Pに沿う方向の距離(図9に示した頂部底部平面方向距離(w/2))が0.05mm以上且つ1.00mm以下である少なくとも一組の凸状部及び凹状部を含んでいる。
(作用)
以上のように構成された燃料電池10は、上記(1)及び(2)式に従った化学反応を利用して発電を行う。しかしながら、燃料電池(SOFC)10は、固体電解質層11aの酸素伝導度を利用して発電するので、燃料電池10としての作動温度は最低600℃以上であることが一般的である。このため、燃料電池10は作動温度(例えば800℃)まで外部の加熱機構(例えば、抵抗加熱ヒータ方式の加熱機構、或いは、燃料ガスを燃焼して得られる熱を利用する加熱機構等)により昇温される。このとき、薄板体11及び支持部材12は、熱膨張率が異なるため、この温度変化に伴って互いに相違する量だけ伸縮しようとする。例えば、燃料電池10の温度が発電開始後に急激に上昇すると、金属からなる支持部材12の膨張量は主としてセラミックスからなる薄板体11の膨張量よりも大きくなる。
しかしながら、薄板体11は少なくとも二箇所の部分(本例では、外周部の全周)において支持部材12に固定されているから、図31の(A)に示したように、薄板体11が従来の薄板体11’のように平坦であると(即ち、薄板体11が上記凸状部111及び上記凹状部112を備えていないと)、同図中矢印にて示した大きな引張り応力が薄板体11’の平面Pと平行な方向(薄板体11の平面方向)に加わる。その結果、図31の(B)に示したように、薄板体11’の中央部近傍は平面Pと直交する方向(z軸方向)に変形してしまう。
これに対し、薄板体11は、薄板体の平面Pから突出した凸状部111を複数備えるとともに同平面から陥没した凹状部112を複数備えている。従って、薄板体11の凸状部111及び凹状部112は、例えば、図10の破線により示した状態から図10の実線により示したように、上記温度変化による薄板体11と支持部材12との間の伸縮量差を吸収するように変形する。換言すると、図4に白抜きの矢印により示したように、前記伸縮量差により発生する薄板体11の内部応力が平面方向及び同平面方向と直交する方向に分散される。この結果、薄板体11の中央部近傍は、薄板体11の平面Pと直交する方向(z軸方向)に大きく変形し難いので、薄板体11が空気流路21又は燃料流路22を閉じるように変形しない。従って、薄板体11が支持部材12の平面部12aに当接することがないから、燃料電池10は、薄板体11の温度変化に対して所期の性能を安定して発揮することができる。
更に、少なくとも一つの凸状部111が「薄板体11の平面Pに沿う所定の方向に長手方向を有する山脈状」であり、少なくとも一つの凹状部112が「薄板体11の平面Pに沿う所定の方向に長手方向を有する溝状」であるから、凸状部111及び凹状部112は
燃料電池10の温度変化に伴う薄板体11と支持部材12との間の伸縮量差を容易に吸収するように変形する。従って、薄板体11の中央部近傍が平面Pに直交する方向へ変形してしまうことを、より効果的に抑制することができる。
更に、薄板体11は凸状部111及び凹状部112をそれぞれ複数備えているので、外力に対して変形し難くなっている。従って、薄板体11を燃料電池10の一部として組み込む作業を行う際等において薄板体11が何らかの外力を受けた場合であっても、薄板体11は変形し難い。また、空気流路21を流れる空気ガス及び燃料流路22を流れる燃料ガスとの間に圧力差が生じ、その圧力差が外力となって薄板体11へ作用した場合であっても、薄板体11が外力に対して変形し難いので、空気流路21や燃料流路22の流路幅(高さ)を狭めてしまう可能性も低減される。その結果、所期の性能を発揮する燃料電池10が容易に提供される。以下、この点について図11乃至図14を参照しながら説明する。なお、図11乃至図14においては、図面を簡素化するために凸状部111及び凹状部112の図示を省略する。
この検討のため、図11及び図12に示したように、薄板体11の左右方向両端の近傍部位を距離Lを隔てて支持し(即ち、梁の長さをLとし)、その薄板体11に対して、薄板体11の平面Pに直交する方向の荷重Fを加える。荷重Fを加える点(荷重印加箇所)は、薄板体11の中央(2箇所の支持部位のそれぞれから距離L/2の位置、且つ、奥行き方向の手前又は後方の辺から距離b/2の位置)である。この薄板体11のサンプルにおいて、距離Lは40mm、距離bは30mm、厚みtは30μmである。
いま、薄板体11に凸状部111及び凹状部112が存在しないと仮定し、図13に示したように、荷重Fを加えた位置における平面Pに直交する向き(荷重Fの向き)の撓み量をyとすると、撓み量yは材料力学上、下記(3)式のように表される。なお、以下において、凸状部111及び凹状部112を備えない薄板体を仮想薄板体と称呼する。
Figure 2008053107
ここで、断面2次モーメントIは(4)式のように表される。
Figure 2008053107
従って、(4)式を(3)式に代入することにより、撓み量yは下記(5)式のように表される。
Figure 2008053107
この(5)式から、荷重F、ヤング率E(ジルコニアの場合、E=200GPa)が一定であると仮定すると、撓み量yは、梁の長さLの3乗に比例し、奥行きの長さbに反比例し、且つ、薄板体の厚さtの3乗に反比例することが理解される。そこで、梁の長さLと奥行きの長さbを一定とすると、撓み量yは厚さtの3乗に反比例する。従って、撓み量yと厚さtとの関係は、図14の破線の曲線C1により表される。
これに対し、上述した凸状部111及び凹状部112を備える薄板体11においては、荷重F、ヤング率E、梁の長さL及び奥行きの長さb等が仮想薄板体と同じであっても、撓み量yと厚さtとの関係は、図14の実線の曲線C2により表したように変化する。即ち、凸状部111及び凹状部112を備える薄板体11の撓み量yは、厚さtが薄板体11と同じである仮想薄板体の撓み量yよりも小さくなる。
例えば、仮想薄板体を1mm撓ませる(y=1mm)のに必要な荷重Fを実測したところ、5.1g重であった。一方、計算によれば、仮想薄板体の撓み量yが1mmのときの荷重Fは、(3)式からF=0.12N(約12g重)相当となる。
これに対し、凸状部111及び凹状部112を備える薄板体11を1mm撓ませる(y=1mm)のに必要な荷重Fを実測したところ、78.3g重であった。即ち、薄板体11を所定量だけ撓ませるのに必要な荷重は、仮想薄板体を同所定量だけ撓ませるのに必要な荷重よりも非常に大きい値となっていた。
また、前述した頂部底部間距離平均値と「セラミックス薄板体を1mm撓ませるのに必要な荷重」との関係を調査し、その結果を図15に示した。図15から、頂部底部間距離平均値が20μm以上になると、急激に前記荷重が大きくなることがわかる。一方、頂部底部間距離平均値が400μm以上となると、薄板体の表面に形成された凹状部及び凸状部の曲率が大きくなることに起因して焼成体である薄板体にマイクロクラックが発生するため、極端に強度の弱い薄板体が発生した。以上のことから、頂部底部間距離平均値は、20μm以上且つ400μm以下であることが好ましい。
更に、前述した「一つの凸状部の頂部11aと同一つの凹状部の底部12aとの平面Pに沿う方向の距離(w/2)」(即ち、頂部底部平面方向距離)と「セラミックス薄板体を1mm撓ませるのに必要な荷重」との関係を調査し、その結果を図16に示した。図16から、頂部底部平面方向距離が1000μm(1.00mm)以下となると、前記荷重が急激に大きくなることがわかる。従って、頂部底部平面方向距離を1000μm(1mm)以下とすると、変形に強い薄板体10を得ることができる。一方、頂部底部平面方向距離が50μm未満であって凸状部11と凹状部12とが極めて近接した状況になると、焼成体である薄板体にマイクロクラックが発生するため、極端に強度の弱い薄板体が発生した。以上のことから、頂部底部平面方向距離は、50μm以上且つ1mm以下であることが好ましい。
次に、薄板体11の製造方法について説明する。
(第1製法例)
薄板体11は、グリーンシート法により作成したセラミックスシート(YSZのテープ)を1400℃・1時間にて焼成し、その焼成体の下面にシート(燃料極層11bとなる層)を印刷法により形成してから1400℃・1時間にて焼成し、更に、その焼成体の上面にシート(空気極層11cとなる層)を同じく印刷法により形成してから1200℃・1時間にて焼成することにより形成される。ここでは、緻密なジルコニア固体電解質層11aの厚さを30μm、燃料極層11bの厚さを10μm、空気極層11cの厚さを10μmとした。薄板体11のサイズは30mm×30mm(a×b)とした。これらの寸法については、以下において同じである。
ところで、緻密なジルコニア固体電解質層11aを構成するYSZの熱膨張率と、燃料極層11bを構成するNi+YSZサーメットの熱膨張率と、空気極層11cを構成するLSMの熱膨張率と、は互いに相違している。従って、それぞれが焼成されるとき、焼成収縮差と熱膨張差があることから、焼成後には残留応力に伴う基板反りが発生する。その後、その基板(ジルコニア固体電解質層11a、燃料極層11b及び空気極層11cが形成された薄板体)の反りを修正するために、凸状部111及び凹状部112を形成するための起伏が形成されているセッターの上に基板を載置するとともに、例えば、300gのアルミナ製のおもりを基板の上に載せた状態(図19の(C)に示した状態と同様の状態)において、1400℃・1時間の条件にて再度加熱する。以上により、基板の反りが修正されるとともに凸状部111及び凹状部112を備えた薄板体11が製造される。
なお、固体電解質層11aとなるジルコニアテープの一面に燃料極層11bとなる層を印刷法により形成してから、両者を1400℃・1時間にて焼成し、その後、空気極層となる層11cを上述した方法により形成してもよい。或いは、固体電解質層11aとなるジルコニアテープと燃料極層11bとなるテープとを積層一体化し、両者を1400℃・1時間にて焼成し、その後、空気極層11cとなるテープを上述した方法により形成してもよい。
(第2製法例)
第2製法例においては、先ず、図17の(A)に示したように、セラミックス(この場合、YSZ)のグリーンシート11Aと、押し型30とを準備する。押し型30の上面には、凸状部111及び凹状部112を形成するための起伏が形成されている。次いで、グリーンシート11Aを押し型30の上面に対して押圧する。この結果、図17の(B)に示したように、グリーンシート11Aに凸状部111及び凹状部112となる起伏が形成される。そして、このグリーンシート11Aを所定の焼成条件(例えば、1400℃、1時間)にて焼成し、電解質層11aを得る。
その後、その焼成された電解質層11aの上面にシート(燃料極層11bとなる層)を印刷法により形成してから1400℃・1時間にて焼成し、更に、その電解質層11aの下面にシート(空気極層11cとなる層)を同じく印刷法により形成してから1200℃・1時間にて焼成する。以上により、凸状部111及び凹状部112を備えた薄板体11が製造される。
(第3製法例)
第3製法例においては、図18の(A)に示したように、セラミックス(この場合、YSZ)のグリーンシート11Aと、焼成用セッター40とを準備する。この焼成用セッター40の上面には、研削、研磨及びブラスト処理等のうちの適当な手法により、凸状部111及び凹状部112を形成するための起伏が形成されている。次に、図18の(B)に示したように、グリーンシート11Aを焼成用セッター40の上面に対して押圧しながら、このグリーンシート11Aを所定の焼成条件(例えば、1400℃、1時間)にて焼成する。その後、第2製法例と同様に、燃料極層11b及び空気極層11cを形成する。以上により、凸状部111及び凹状部112を備えた薄板体11が製造される。
(第4製法例)
第4製法例においては、図19の(A)に示したように、セラミックス(この場合、YSZ)のグリーンシート11Aを準備し、そのグリーンシート11Aの両端の片面側に焼成前セラミックス小片11Bを印刷により成形する。焼成前セラミックス小片11Bは、グリーンシート11Aと同種のセラミックスからなる。
次に、グリーンシート11A及び焼成前セラミックス小片11Bを所定の焼成条件(例えば、1400℃、1時間)にて焼成する。この結果、グリーンシート11Aと焼成前セラミックス小片11Bとの収縮差によって、図19の(B)に示したように、グリーンシート11Aが反りを有する薄板体11Cとなる。なお、グリーンシート10Aとセラミックス小片10Bとの焼成収縮差は、例えば粒子径が異なる材料を使用することなどにより容易に制御可能である。次に、第2製法例等と同様に、燃料極層11b及び空気極層11cを形成する。
次に、燃料極層11b及び空気極層11cが形成された薄板体11Cの反りを修正するために、図19の(C)に示したように、薄板体11Cの上部におもり50を載置し、この状態にて(即ち、おもり50により薄板体11Cを伸ばすように下方に押圧しながら)、薄板体11Cを所定の条件所定の条件にて加熱・冷却(焼成)する(例えば、図13に示した凸状部11及び凹状部12を形成するための起伏が形成されているセッター40の上に薄板体11Cを載置するとともに、300gのアルミナ製のおもり50を薄板体11Cの上に載せた状態において、1400℃・1時間の条件にて焼成する。)。係るそり修正のための加熱・冷却時にも、各層の膨張・収縮量が相違するので、各層の界面において残留応力が発生し、凸状部111及び凹状部112が形成される。その結果、図1に示した凸状部111及び凹状部112を有する薄板体11が形成される。
なお、グリーンシート11Aに対して焼成前セラミックス11Bを印刷することなく、グリーンシート11Aを所定の条件にて焼成することにより、図19の(B)に示したような反りを有する薄板体11Cを得ることもできる。即ち、例えば、セッター中央部がくり抜かれた(すなわち4方の外枠のみがある)セッター上にグリーンシート11Aを置いた状態にてグリーンシート11Aを焼成すれば、グリーンシート11Aの中央部が自重によって撓み、焼成後において中央部が凹形状となった反りを有する薄板体11Cを得ることができる。そして、その後、上述した第4製法例と同じ方法によって薄板体11を製造することができる。
次に、本発明による薄板体の各種変形例について説明する。
(第1変形例)
図20に示したように、本発明の第1変形例に係る薄板体61は、薄板体61の周辺部のみに凸状部111と凹状部112とを備えている。このように、周辺部のみに凸状部111及び凹状部112が形成されていても、それらは燃料電池10の温度変化に伴う薄板体11と支持部材12との間の伸縮量差を吸収するように変形するから、薄板体11の特に中央部近傍が薄板体11の平面Pに直交する方向へ変形することを抑制することができる。ところで、この薄板体61に対して、図11乃至図13を用いて説明した場合と同じ条件(梁の長さL=40mm、奥行きb=30mm、厚みt=30μm、材質はジルコニア)にて荷重を加え、薄板体61を1mm撓ませる(y=1mm)のに必要な荷重Fを実測したところ、50.2g重であった。このように、薄板体61の周辺部のみに凸状部111と凹状部112を形成させた場合であっても、凸状部111及び凹状部112を備えない上記仮想薄板体と比較して、外力に対して極めて変形しにくい薄板体が提供されることが理解できる。
(第2変形例)
図21に示したように、本発明の第2変形例に係る薄板体62は、薄板体62の中央部のみに凸状部111と凹状部112とを備えている。このように、中央部のみに凸状部111及び凹状部112が形成されていても、それらは燃料電池10の温度変化に伴う薄板体11と支持部材12との間の伸縮量差を吸収するように変形する。
(第3変形例)
図22に示したように、本発明の第3変形例に係る薄板体63は、山脈状の凸状部111及び溝状の凹状部112が方向性を有して(同一方向に)整列されているものである。このように、凸状部111及び凹状部112が整列されていても、それらは燃料電池10の温度変化に伴う薄板体11と支持部材12との間の伸縮量差を吸収するように変形する。
(第4変形例)
図23に示したように、本発明の第4変形例に係る薄板体64は、凸状部111及び凹状部112が規則的に交互に整列されたものである。即ち、波形のしわの尾根が正方格子に沿うように形成されていてもよい。このように、凸状部111及び凹状部112が正方格子状に形成されていても、それらは燃料電池10の温度変化に伴う薄板体11と支持部材12との間の伸縮量差を吸収するように変形する。
(第5変形例)
図24に示したように、本発明の第5変形例に係る薄板体65は、凸状部111及び凹状部112が平面P上において分布上の偏りが略ないように(略均一に)、不規則に設けられたものである。このように、凸状部111及び凹状部112がランダムに形成されていても、それらは燃料電池10の温度変化に伴う薄板体11と支持部材12との間の伸縮量差を吸収するように変形する。
なお、これらの第1変形例〜第5変形例の薄板体61〜65も、第2製法例の押し型30の上面に形成される起伏の形状、又は、第3製法例の焼成用セッター40の上面に形成される起伏の形状を適宜設定することにより簡単に製造することができる。
例えば、図23に示した薄板体64は、図17を参照して説明した第2製法例において、押し型30として金属メッシュを使用することにより製造できる。より具体的に述べると、セラミックスのグリーンシート11Aと金属メッシュからなる押し型30とを、例えば5〜100kgf/cm程度の加重を印加しながら互いに押圧させる。これにより、セラミックスのグリーンシート11Aの表面にメッシュ形状に沿った凹状部及び凸状部を形成することができる。この凹状部及び凸状部の深さは荷重により制御可能である。そして、そのグリーンシート11Aを前述したように焼成する。その後、上記製法例等と同様に、燃料極層11b及び空気極層11cを形成する。この結果、図23に示した凸状部111及び凹状部112がメッシュ状に配置された薄板体64が容易に製造される。
以上、説明したように、本発明の実施形態及び変形例に係るデバイスは、薄板体11が凸状部111及び凹状部112を備えているので、燃料電池10の温度が変化した場合であっても、薄板体11の特に中央部近傍が平面Pに直交する方向へ大きく変形することを回避することができる。更に、薄板体11は、凸状部及び凹状部を有さない同種の薄板体(仮想薄板体)よりも、変形し難い。従って、この薄板体11を使用すれば、製造し易く且つ信頼性の高いデバイスが提供される。
なお、本発明は上記実施形態及び変形例に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、燃料極層11bは、白金、白金−ジルコニアサーメット、白金−酸化セリウムサーメット、ルテニウム、ルテニウム−ジルコニアサーメット等から構成することができる。
更に、空気極層11cは、例えば、ランタンを含有するペロブスカイト型複合酸化物(例えば、上述のランタンマンガナイトのほか、ランタンコバルタイト)から構成することができる。ランタンコバルタイト及びランタンマンガナイトは、ストロンチウム、カルシウム、クロム、コバルト(ランタンマンガナイトの場合)、鉄、ニッケル、アルミニウム等をドープしたものであってよい。また、パラジウム、白金、ルテニウム、白金−ジルコニアサーメット、パラジウム−ジルコニアサーメット、ルテニウム−ジルコニアサーメット、白金−酸化セリウムサーメット、パラジウム−酸化セリウムサーメット、ルテニウム−酸化セリウムサーメットであってもよい。
加えて、上記実施形態のデバイスは燃料電池10であったが、センサやアクチュエータ等であってもよい。更に、薄板体11は、3層の積層体であったが、セラミックスの単層体からなっていてもよく、2層又は4層以上の積層体(例えば、4層〜7層)であってもよい。
また、支持部材12は、図25乃至図27に示したような空気又は燃料を流通させるための凸状の流通規制部が、平面部12aの上面及び下面に設けられていてもよい。具体的には、図25に示した支持部材12においては、燃料又は空気を面内に分布させて蛇行させるために、平面部12aに凸状の蛇行隔壁部(流通規制部)12eが形成されている。図26に示した支持部材12においては、燃料又は空気を面内に分布させるために、平面部12aに凸状の分離した流通規制部12fが形成されている。図27に示した支持部材12においては、燃料又は空気を面内に分布させるために、平面部12aに凸状の複数の突起部(流通規制部)12gが形成されている。このようにすることにより、燃料又は空気が平面部12aの面内を広く分布しながら流通することになるので、燃料電池10は効率よく発電を行うことができる。
更に、薄板体11及び/又は支持部材12の温度変化時に薄板体11に加わる応力を低減するため、図28乃至図30に示したような構造を採用してもよい。
即ち、図28の(A)及び図28の(B)に示した例においては、支持部材12の上方枠体部12b及び下方枠体部12cに薄板体11を支持する弾性支持部71が形成されている。弾性支持部71は、上方枠体部12b及び下方枠体部12cのそれぞれから、平面部12aとほぼ平行に突出したリング状の板バネ体である。
この構造は、図28の(A)に示したように、ロウ材RWを弾性支持部71の一面(上面又は下面)と薄板体11の角部との間に配置し、そのロウ材を溶融させて図28の(B)に示したように弾性支持部71と薄板体11とを接合することにより、作成される。このように、弾性支持部71を平面部12aから分離して形成することにより、平面部12aが熱等によって変形した場合であっても薄板体11に応力が加わり難いので、薄板体11の破損や支持部材12と薄板体11と接合部の接合不良を回避することが可能となる。
図29の(A)乃至(C)に示した例は、図28の(A)及び(B)に示した弾性支持部71を、弾性支持部72に置換した構造を備えている。弾性支持部72は、弾性支持部71と同様に、板バネ体である。ただし、弾性支持部72は、湾曲部(断面形状U字部)72aと接合平面部72bとを備えている。湾曲部72aの一端は上方枠体部12b及び下方枠体部12cのそれぞれに接合されている。湾曲部72aの他端は接合平面部72bと連接している。接合平面部72bの上面は、ロウ材RWによって薄板体11の端部下面即ち空気極層11c(又は薄板体11の端部上面、即ち、燃料極層11b)と接合されている。
この構造によれば、図29の(B)に示したような上下方向(z軸方向、薄板体11の平面に直交する方向)の荷重が薄板体11に加わった場合、及び、図29の(C)に示したような左右方向(x−y平面と平行な方向、薄板体11の平面Pと平行な方向)の荷重が薄板体11に加わった場合、の何れの場合にも弾性支持部72(特に、湾曲部72a)が容易に弾性変形する。従って、それらの荷重が薄板体11に及ぼす影響を小さくすることができるので、薄板体11の破損や支持部材12と薄板体11と接合部の接合不良を回避することが可能となる。
図30の(A)乃至(C)に示した例は、図29の(A)乃至(C)に示した弾性支持部72を、弾性支持部73に置換した構造を備えている。弾性支持部73は、平面部12aから湾曲して突出した形状を備える。このように弾性支持部72を形成することにより、図29の(A)乃至(C)に示した例と同様、上下方向の荷重が薄板体11に加わった場合、及び、左右方向の荷重が薄板体11に加わった場合、の何れの場合にも弾性支持部73が容易に弾性変形する。従って、それらの荷重が薄板体11に及ぼす影響を小さくすることができるので、薄板体11の破損や支持部材12と薄板体11と接合部の接合不良を回避することが可能となる。
このように、薄板体11を支持部材12に対して弾性部材71〜73を介して支持・固定することにより、薄板体11の内部応力を低減できるので、薄板体11の変形をより効果的に抑制することができる。
また、薄板体11は、平面視において正方形、長方形、多角形、円形であってもよい。更に、薄板体11は、ロウ材に代え、ガラスによって支持部材12に固定されてもよい。加えて、凸状部111は、円錐台形状を有していてもよい。同様に、凹状部112は、円錐台形状を有していてもよい。
本発明の一実施形態に係るデバイス(SOFC)の破断斜視図である。 図1に示した燃料電池の部分分解斜視図である。 図2に示した1−1線を含むとともにx−z平面と平行な平面に沿って支持部材を切断した支持部材の断面図である。 図1に示した薄板体及び薄板体を支持した状態における支持部材を、それらの平面視における対角線を含む平面にて切断した縦断面図である。 図1に示した薄板体と支持部材との接合部近傍の拡大断面図である。 図1に示した燃料電池における燃料と空気の流通を説明する図である。 図1に示した薄板体の斜視図である。 図1に示した薄板体の部分拡大斜視図である。 図1に示した薄板体の断面図である。 図1に示した薄板体の変形の様子を示した同薄板体の部分断面図である。 図1に示した薄板体の大きさ及び荷重印加箇所等を示した同薄板体の斜視図である。 図11に示した薄板体の正面図である。 図11に示した薄板体が変形した場合の同薄板体の正面図である。 凸状部及び凹状部を備えない仮想薄板体と凸状部及び凹状部を備える薄板体とにおける厚さと撓み量の関係を示すグラフである。 頂部底部間距離平均値とセラミックス薄板体を所定量だけ撓ませるのに必要な荷重との関係を示したグラフである。 頂部底部平面方向距離とセラミックス薄板体を所定量だけ撓ませるのに必要な荷重との関係を示したグラフである。 図1に示した薄板体の第2製法例の工程図である。 図1に示した薄板体の第3製法例の工程図である。 図1に示した薄板体の第4製法例の工程図である。 図1に示した薄板体の第1変形例の斜視図である。 図1に示した薄板体の第2変形例の斜視図である。 図1に示した薄板体の第3変形例の斜視図である。 図1に示した薄板体の第4変形例の斜視図である。 図1に示した薄板体の第5変形例の斜視図である。 図1に示した支持部材の変形例の斜視図である。 図1に示した支持部材の他の変形例の斜視図である。 図1に示した支持部材の更に他の変形例の斜視図である。 図1に示した薄板体と支持部材とを他の接合方法により接合した部分の拡大断面図である。 図1に示した薄板体と支持部材とを更に他の接合方法により接合した部分の拡大断面図である。 図1に示した薄板体と支持部材とを更に他の接合方法により接合した部分の拡大断面図である。 従来の燃料電池における薄板体の変形の様子を示す薄板体と支持部材の断面図である。
符号の説明
10…燃料電池、11…薄板体、11a…ジルコニア固体電解質層、11b…燃料極層、11c…空気極層、11d…セル貫通孔、12…支持部材、12a…平面部、12b…上方枠体部、12b1…外周枠部、12b2…段差形成部、12b3…段差延長部、12c…下方枠体部、12c1…外周枠部、12c2…段差形成部、12c3…段差延長部、21…空気流路、22…燃料流路、30…押し型、40…焼成用セッター、111…凸状部、111a…頂部、112…凹状部、112a…底部、121…第1支持部材、122…第2支持部材。

Claims (9)

  1. 少なくともセラミックスシートを含む焼成された薄板体と、前記薄板体を支持する支持部材と、を備えるデバイスにおいて、
    前記薄板体は同薄板体の少なくとも二箇所の部分において前記支持部材に固定され、且つ、同薄板体の一つの平面から突出した凸状部を複数備えるとともに同平面から陥没した凹状部を複数備えたデバイス。
  2. 請求項1に記載のデバイスにおいて、
    前記薄板体の厚さが5μm以上且つ100μm以下の均一の厚さであるデバイス。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のデバイスであって、
    前記複数の凸状部のうちの少なくとも一つの凸状部は同凸状部の最高点に位置する頂部が前記平面に沿う方向に連続的に伸びるように形成され、且つ、前記複数の凹状部のうちの少なくとも一つの凹状部は同凹状部の最低点に位置する底部が前記平面に沿う方向に連続的に伸びるように形成されていることを特徴とするデバイス。
  4. 請求項2又は請求項3に記載のデバイスであって、
    前記凸状部の最高点に位置する頂部の前記平面からの距離を前記複数の凸状部について単純平均した頂部距離平均値と、前記凹状部の最低点に位置する底部の前記平面からの距離を前記複数の凹状部について単純平均した底部距離平均値と、の和である頂部底部間距離平均値が20μm以上且つ400μm以下であることを特徴とするデバイス。
  5. 請求項4に記載のデバイスにおいて、
    前記薄板体は、前記複数の凸状部のうちの一つの凸状部と同一つの凸状部に隣接した前記複数の凹状部うちの一つの凹状部とからなるとともに同一つの凸状部の頂部と同一つの凹状部の底部との前記平面に沿う方向の距離が0.05mm以上且つ1.00mm以下である少なくとも一組の凸状部及び凹状部を含むことを特徴とするデバイス。
  6. 請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載のデバイスにおいて、
    前記薄板体は、セラミックスシートと同セラミックスシートとは熱膨張率が相違する材料からなるシートとの積層体であることを特徴とするデバイス。
  7. 請求項6に記載のデバイスにおいて、
    前記薄板体は、前記セラミックススシートとしての焼成により形成された固体電解質層と、同固体電解質層の一面に焼成により形成された前記熱膨張率が相違する材料からなるシートとしての燃料極層と、同固体電解質層の他面に焼成により形成された前記熱膨張率が相違する材料からなるシートとしての空気極層と、を備えることを特徴とするデバイス。
  8. 請求項7に記載のデバイスであって、
    前記支持部材は、平面部と同平面部の周囲において同平面部の上方に向けて立設した上方枠体部と同平面部の下方に向けて立設した下方枠体部とを有する第1支持部材と、前記第1支持部材と同一形状の第2支持部材と、を備え、
    前記第1支持部材及び前記第2支持部材は、前記第1支持部材の上方枠体部の上に前記第2支持部材の下方枠体部が対向するように互いに同軸的に配置され、
    前記薄板体は、前記第1支持部材の上方枠体部と前記第2支持部材の下方枠体部との間に挟持されることにより前記第1支持部材の平面部の上面に前記空気極層が対向するように配置され且つ前記第2支持部材の平面部の下面に前記燃料極層が対向するように配置され、
    前記第1支持部材の平面部の上面と同第1支持部材の上方枠体部の内側壁面と前記薄板体の空気極層とにより酸素を含む気体が供給される空気流路が形成され、
    前記第2支持部材の平面部の下面と同第2支持部材の下方枠体部の内側壁面と前記薄板体の燃料極層とにより燃料が供給される燃料流路が形成されたデバイス。
  9. 請求項1乃至請求項8の何れか一項に記載のデバイスにおいて、
    前記薄板体は、前記薄板体単体を同薄板体の所定の支持箇所で支持するとともに同薄板体に対し同支持箇所以外の荷重印加箇所に前記平面に直交する方向であって所定の大きさの荷重を加えたときの撓み量が、前記薄板体が前記凸状部及び前記凹状部を備えることなく平坦であると仮定した場合に同仮定した薄板体単体を前記支持箇所で支持するとともに同仮定した薄板体に対し前記荷重印加箇所に前記平面に直交する方向であって前記所定の大きさの荷重を加えたときの撓み量よりも小さいことを特徴とするデバイス。
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