JP2008052072A - 定着装置及びこれを搭載した画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】外周面にゴム層が形成された加熱ローラは、表面温度が上昇するのに時間がかかるため、加熱源の異常時において過剰な昇温が検知されにくい。
【解決手段】定着装置12において、ヒートローラ120の通紙域外でシリコン系ゴムの被覆層122に被覆されることなく露出したネック部120bの表面に対向してサーマルプロテクタ132が配置されている。通常、ヒータ130の熱は芯材である胴体部120aを介して被覆層122に伝わり、その表面温度を画像の定着温度にまで上昇させているが、ヒータ130の異常時には、被覆層122の表面温度よりも芯材の一部であるネック部120bの表面温度の方が先に上昇するので、早期にヒータ130の加熱を停止することができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えば複写機やファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置において形成された未定着画像を加熱して用紙に定着させる定着装置及びこれを搭載した画像形成装置に関する。
画像形成装置等の定着装置に関しては、従来から温度条件によって作動するサーマルプロテクタ等を用いてローラの過熱を防止する先行技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。先行技術にみられるように、この種の定着装置では、内部に熱源を有する加熱ローラに対し、その表面の近傍に非接触のサーマルプロテクタ(温度ヒューズ)等を配置しておき、異常時の過昇温に対しては、サーマルプロテクタを作動させて熱源の電力供給を停止させる方法が一般的である。
特開平5−303299号公報
近年、画像形成装置の定着装置では、画像の定着性を高めて印刷品質を向上するため、用紙を通過させる通紙域にシリコンゴム等の弾性部材を有するローラを採用することが多くなってきている。すなわち、弾性部材を有したローラを採用することで、トナー画像を定着させる際に用紙が通過するニップをフラット状に形成することができ、それによってトナー画像の定着性を高めることができる。このようなフラット状のニップは、特にフルカラー画像のように多色分のトナー画像が重ねて形成されている場合の定着に効果を発揮する。
しかしながら、弾性部材を有したローラにおいては、加熱源の発熱に対して表面の温度上昇速度は遅くなる傾向にある。すなわち、加熱源はローラの内部から芯材に対して輻射熱を与えているが、外側の弾性部材には芯材を介して熱が伝わるため、それだけ熱伝導に時間がかかることになる。この場合、加熱源に異常が発生したとしても、弾性部材の表面の温度上昇に時間がかかるため、それだけ非接触タイプのサーマルプロテクタの作動は遅れることになる。
このような傾向は、弾性部材の層の厚みが大きくなるにつれてより顕著になり、厚みが大きくなれば、それだけ表面温度の上昇速度はさらに遅くなり、非接触のサーマルプロテクタが作動する温度条件に達した時点では、既に芯材と弾性部材との界面の温度が弾性部材の発煙温度を超えてしまっていることがある。このような状況では、最悪の場合弾性部材から煙やガスが発生するおそれがある。
そこで本発明は、通紙域に弾性部材が設けられたローラについて、加熱源の異常時(加熱源の暴走)においても、弾性部材から煙やガスが発生する前に加熱を停止させる技術の提供を課題とする。
上記の課題を解決するため、本発明は、加熱ローラの通紙域外で弾性部材に被覆されることなく露出した芯材の表面に対向してサーマルプロテクタを配置する構成を採用している。通常、加熱源の熱は芯材を介して弾性部材に伝わり、その表面温度を画像の定着温度にまで上昇させているが、加熱源の異常時には、弾性部材の表面温度よりも芯材の表面温度の方が先に上昇する。これは、弾性部材の熱伝導率が芯材に比較して低く、表面の温度上昇にそれだけ時間を要するためである。なお、このような傾向は、弾性部材の厚さが大きくなるほどより顕著となることは先に述べたとおりである。
本発明では上記の傾向に着目し、通紙域の外ではあるが、芯材の表面に対向させてサーマルプロテクタを配置することにより、異常発生時に弾性部材が発煙温度に達する前にサーマルプロテクタを作動させ、加熱源による加熱を直ちに停止させることができる。
本発明では、上記の弾性部材が2.5mm以上の厚さを有するシリコン系ゴムから構成されている。シリコン系ゴムは、トナー画像の定着温度でも充分な弾力性を発揮し、加熱ローラと加圧ローラとの間に形成されるニップを良好に形成することに寄与する。
その一方で、弾性部材に2.5mm以上の厚さを有するシリコン系ゴムを用いた場合、上記のように芯材からの熱伝導に時間がかかり、加熱源の異常発生時には表面温度がサーマルプロテクタの作動温度に達する前に芯材との界面温度がシリコン系ゴムの発煙温度に達するおそれがある。
このような条件下であっても、本発明では芯材の表面に対向してサーマルプロテクタが配置されているため、加熱源の異常を早期に察知し、その加熱(電力供給)を直ちに停止することができる。
なお、サーマルプロテクタが設けられている位置は、加熱ローラの軸方向でみた場合、加熱源が発熱する発熱域の外である。加熱源は、用紙を搬送するニップの通紙域内で発熱し、加熱ローラを加熱している。この発熱域は断熱部材が形成されている範囲と略一致する。したがって、弾性部材に被覆されていない部分は加熱源による加熱域の外に位置することになる。
上記のような配置であっても、発熱域外で芯材の表面の温度上昇は、弾性部材の表面での温度上昇よりも早いため、異常発生時にはサーマルプロテクタを良好に作動させることができる。
本発明において、サーマルプロテクタは非接触タイプ、接触タイプのいずれのタイプであってもよい。非接触タイプのサーマルプロテクタは、加熱ローラの回転によって摩耗を生じない利点がある。一方、接触タイプのサーマルプロテクタは、芯材の表面に接触した状態で熱を受けることができるため、さらに応答性に優れるという利点がある。
本発明の定着装置は、加熱ローラに加えて加圧ローラの内部にも加熱源が配置されている態様であってもよい。この場合、加圧ローラにも弾性部材が設けられるとともに、加圧ローラの通紙域外で弾性部材に被覆されることなく露出した芯材の表面に対向してサーマルプロテクタが配置される。
また本発明は、上述した定着装置を搭載し、これを用いて画像形成部により形成したトナー画像を用紙に定着させる画像形成装置としても構成することができる。
本発明は、異常発生時に加熱源による加熱(電熱の場合はその電力供給)をいち早く停止し、煙やガスの発生による被害を未然に防止することができる。
また本発明では、通紙域に弾性部材を用いているため、加熱時にその表面温度は緩やかに上昇し、通紙域で表面温度の急激な変化がないことから、用紙の熱損傷を引き起こすことはない。
さらに本発明では、サーマルプロテクタを通紙域の外に配置しているため、芯材に接触するタイプのサーマルプロテクタを用いてその表面温度を直に検知することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。定着装置は、例えば複写機や複合機、ネットワーク用の多機能周辺機器(MFP)等の画像形成装置において、トナー画像を用紙に定着させる用途に用いられる。
図1は、一実施形態の定着装置が適用された画像形成装置1を右前上方から示した斜視図である。図1中の左斜め下方向は、ユーザに相対する画像形成装置1の正面である。また、図1中の右斜め下方向は画像形成装置1の右側面であり、左斜め上方向は画像形成装置1の左側面である。
先ず、画像形成装置1について概略を説明する。
画像形成装置1は、胴内排紙型と称される箱形状の本体2を備えている。このため本体2の内側には、胴内型の用紙排出トレイ15が形成されている。この用紙排出トレイ15には、画像形成装置1で印刷された用紙が本体2の左側から右側へ向かって排出されるものとなっている。ユーザは、用紙排出トレイ15に排出された用紙を本体2の正面側(又は右側)から取り出すことができる。なお、画像形成装置1には胴内排紙型でない排出トレイが設けられていてもよいし、パンチング処理やステープル処理等の後処理を行う後処理装置(図示されていない)が連結されていてもよい。
本体2の上側には、原稿送り装置8が搭載されている。画像形成装置1を複写機やファクシミリ、ネットワークスキャナとして利用するときは、原稿送り装置8に原稿をセットして原稿を読み取らせることができる。本体2の上部位置には光学式の画像読取部9が内蔵されており、原稿送り装置8に搬送された原稿の画像面は、画像読取部9にて光学的に読み取られる。
また原稿送り装置8は、図示しないヒンジ機構を介して本体2に連結されている。ヒンジ機構は本体2の後端部に位置しており、原稿送り装置8はヒンジ機構を支点として上方へ跳ね上げるようにして開閉動作することができる。
本体2の上部位置で、画像読取部9よりも手前側には操作・表示部102が設置されている。操作・表示部102には、ユーザの各種操作を受け付ける複数の操作キーやスイッチが配置されているほか、各種情報を表示する表示画面104が配置されている。また操作・表示部102は、表示画面104を介してユーザの操作を受け付けるタッチ式パネルの機能をも有している。
本体2の下部位置には上下2段の給紙カセット4が設置されている。給紙カセット4はいわゆるフロントローディング式であり、ユーザは給紙カセット4を本体2から手前側に引き出して用紙の補充を行うことができる。
本体2の右側面には、開閉式の手差しトレイ5が備えられている。手差しトレイ5は、給紙カセット4に収容されていないサイズの用紙や、OHPシート等を1枚ずつ給紙する場合に使用される。不使用時には、手差しトレイ5は本体2の右側面にたたみ込んで収納される。
次に、本実施形態の定着装置が搭載された画像形成装置1の内部構造について説明する。
図2は、画像形成装置1を概略的に示した垂直断面正面図である。なお、図2中の実線矢印は用紙の搬送経路及びその搬送方向を示している。図2に示されるように、画像形成装置1の本体2の下部には、用紙供給装置を構成するカセット式給紙部3が配置されている。カセット式給紙部3には、上記のように2段の給紙カセット4が備えられている。各給紙カセット4内には印刷前のカットペーパー等の用紙Pが積載して収容されている。カセット式給紙部3からは、給紙カセット4内に積載された用紙Pが1枚ずつ分離して送り出される。
上下2段の給紙カセット4には、それぞれの位置で異なる用紙サイズや用紙タイプを設定することができる。例えば、上段の給紙カセット4には使用頻度が比較的高いA4普通紙を収容し、下段の給紙カセット4にはA4より大型サイズの用紙を収容することができる。あるいは、上下段いずれかの給紙カセット4を多目的用途とし、ここにOHPシートや厚紙、薄紙等を収容することもできる。いずれにしても、各段の給紙カセット4に収容される用紙サイズや用紙タイプ等は、予め画像形成装置1に設定しておくことができる。
画像形成装置1は、その内部に用紙搬送部6を備えている。用紙搬送部6は、カセット式給紙部3との関係でみると、その給紙方向である左方に位置する。カセット式給紙部3から送り出された用紙Pは、用紙搬送部6により本体2の左側面に沿って形成された搬送路内を垂直上方に搬送され、また手差しトレイ5から送り出された用紙Pは本体2の内部を右側から左方向へ水平に搬送されてそれぞれ転写部11に至る。
画像形成装置1において画像の形成は、以下のように行われる。
本体2内には、用紙搬送部6からの用紙搬送方向でみて下流位置に画像形成部10及び転写部11が備えられている。このうち画像形成部10では、読み取り画像を処理した画像データに基づいて原稿画像の静電潜像が形成され、さらにこの静電潜像からトナー画像が形成される。
用紙搬送部6よりも用紙搬送方向下流側で、転写部11のすぐ上流側には、レジストローラ7が備えられている。レジストローラ7は、用紙Pの斜め送りを矯正するとともに、画像形成部10で形成されるトナー画像との同期をとりながら転写部11に向けて用紙Pを送り出す。転写部11では、レジストローラ7によって同期をとりつつ送られてきた用紙Pにトナー画像が転写される。
本実施形態の定着装置(参照符号12)は、用紙搬送方向でみて転写部11の下流側に配置されている。転写部11にて未定着トナー画像を転写された用紙Pは定着装置12へと送られる。定着装置12は、ヒートローラ120及び加圧ローラ121を内蔵しており、これらの間のニップを通過する際、用紙Pはここで加熱・加圧されてトナー画像を定着される。
また、用紙搬送方向でみて定着装置12の下流側で、本体2の左側面の近傍に排出・分岐部13が備えられている。両面印刷を行わない場合(片面印刷の場合)、定着装置12から排出された用紙Pは排出・分岐部13からそのまま用紙排出トレイ15に排出される。両面印刷を行う場合、用紙Pは一旦、排出・分岐部13から用紙排出トレイ15に向けて途中まで送り出された後、搬送方向が切り換えられて用紙反転部30に引き込まれる。引き込まれた用紙Pは、本体2の左側面に沿って形成されている搬送経路32を通じて下方へ搬送された後、カセット式給紙部3の上方位置で上向きに反転され、レジストローラ7に送られる。なお、用紙Pの幅方向への位置ずれを検知するためのセンサ31が設けられている。位置ずれが検知された場合には、シフト補正機構70によって位置補正(スキュー補正)が行われる。
以上が画像形成装置1の全体的な概要であるが、以下に定着装置12について、より詳しく説明する。
〔第1実施形態〕
先ず、定着装置12の基本形となる第1実施形態について説明する。
図3は、定着装置12に備えられたヒートローラ120の構造を詳細に示した縦断面図である。なお、ここではヒートローラ120の軸方向でみて1つの端部の近傍のみが示されており、反対側の端部については図示が省略されている。また図4は、用紙Pが定着装置12に通紙される様子を図2と同じ正面から示した図である。
ヒートローラ120は、例えばアルミニウム(Al)、鉄(Fe)等の金属材料を用いて円筒状に成形された胴体部120a及びネック部120bを有している。このうち胴体部120aは、軸方向でみて用紙Pが搬送される範囲(通紙範囲)よりも広い範囲にわたって延びている。一方、ネック部120bは、胴体部120aから軸方向に突き出て形成されている。ネック部120bは、その直径が胴体部120aよりも細く絞られている。このためヒートローラ120の回転軸を中心として径方向でみると、胴体部120aとネック部120bとの間はフランジ部120cを介して連結されている。これら胴体部120a及びネック部120bは、同一の軸線を中心に回転する。ヒートローラ120においては、これら金属製の胴体部120a、ネック部120b及びフランジ部120cが芯金(芯材)となっている。
胴体部120aの外周面には、例えば弾性部材の一例としてシリコン系ゴムの被覆層122が形成されている。本実施形態の場合、被覆層122は例えば3mmの厚さ(図中符号T)を有している。被覆層122もまた、軸方向でみて胴体部120aと同様に用紙Pの搬送範囲(通紙範囲)よりも広い範囲にわたって延びている。
ネック部120bの端部には、従動ギア124が取り付けられている。従動ギア124は、例えば画像形成装置1の本体2内にて図示されていない駆動ギア(又は中間アイドルギア)に噛み合っている。なおヒートローラ120には、図示の一端部だけに従動ギア124が取り付けられている。
またネック部120bには、胴体部120aと従動ギア124との間の位置に樹脂軸受126及びベアリング128が取り付けられており、ヒートローラ120は樹脂軸受126及びベアリング128を介して回転自在に支持されている。ヒートローラ120は、従動ギア124に図示しないモータからの動力が伝達されることで回転する。
ヒートローラ120の内部には、加熱源(電熱源)としてのヒータ130が設置されている。ヒータ130は、例えばハロゲンランプ130aの輻射熱でヒートローラ120を加熱するものである。ハロゲンランプ130aは、軸方向でみて胴体部120aの両端間にわたって延びており、この区間内にヒータ130による発熱域が形成されている。ヒータ130は図示しない電源回路に接続されている。ヒータ130は電源回路を通じて電力の供給を受け、ハロゲンランプ130aを発熱させることができる。
ヒートローラ120の外部には、その表面に近接した位置にサーマルプロテクタ132が設置されている。図3に示されているように、第1実施形態ではサーマルプロテクタ132の受熱部(突起状の部分)がネック部120bの外表面に対向して位置付けられている。
サーマルプロテクタ132は、温度条件で回路を遮断するヒューズとしての機能を有するものであり、例えば缶状に形成された金属製(Al)の容器内にバイメタルが収容された構造を有する。バイメタルはヒータ130の電源回路の途上に組み込まれており、サーマルプロテクタ132は、その容器内が予め設定された温度に達すると、バイメタルの変形によって電源回路を遮断することができる。
上記のように画像形成装置1により画像形成動作が行われる場合、定着装置12はヒータ130のハロゲンランプ130aに通電し、ヒートローラ120を加熱する。このときヒートローラ120は、その最も外側の被覆層122の表面温度がトナー画像の定着に適した温度に達するまで加熱される。
そして定着装置12は、ヒートローラ120(被覆層122の表面)を適温にまで上昇させた状態でトナー画像が転写された用紙Pを受け取り、これをヒートローラ120と加圧ローラ121と間のニップを通して搬送しながら加熱及び加圧することで、トナー画像を用紙Pに定着させる。
図4に示されているように、ヒートローラ120はシリコン系ゴムからなる被覆層122を有するため、加圧ローラ121との間にはある程度の接触面領域(参照符号S)を有したフラットニップが形成されている。このようなフラットニップは、特にフルカラー印刷のように多色のトナー画像が厚み方向に重なって転写されている場合の定着に適している。
トナーを良好に定着させるには、被覆層122の表面温度をトナーの定着温度にまで上昇させる必要があるが、ヒータ130によるヒートローラ120の加熱時には、ハロゲンランプ130aの発熱域(通紙域)に対応して金属製の胴体部120aの温度が先に上昇し、そこからの熱伝導によってシリコン系ゴムの被覆層122の温度が上昇する仕組みである。この場合、シリコン系ゴムの被覆層122の厚さTが大きいほど、その表面の昇温速度は遅くなる傾向にある。
一方、ネック部120bはハロゲンランプ130aの発熱域の外側に位置するが、熱伝導特性でみると、シリコン系ゴム製の被覆層122の表面温度の上昇よりも、金属製のネック部120bの温度上昇の方が早くなる傾向にある。このため、被覆層122の表面近くにサーマルプロテクタ132を配置して温度監視をしているよりも、金属製のネック部120bの表面に対向してサーマルプロテクタ132を設置する方が異常発生時の作動を早くすることができる。
ヒートローラ120の過昇温等の異常は、ヒータ130の温度調節(図示しないサーミスタが用いられる)が正常に機能しなくなった場合に発生し得る。すなわち、ヒータ130の温度調節が正常に機能しないと、ヒータ130が長時間にわたり通電状態のまま発熱し続け、ヒートローラ120を過度に昇温させてしまう。
この点、第1実施形態では、非通紙域となる被覆層122の外側の位置にサーマルプロテクタ132を設けているため、異常発生時に熱伝導率の低い被覆層122(シリコン系ゴム)の表面温度の上昇を待つことなく、より早期にヒータ130への電力供給を停止させることができる。したがって、被覆層122から発煙する前にヒータ130への通電を遮断し、その過熱を最小限で食い止めることができる。
〔比較例〕
上述した第1実施形態の技術的な優位性は、以下の比較例との対比をもってより明らかにすることができる。
図5は、本発明の実施形態と対比される定着装置12の比較例を示した縦断面図である。この比較例は、第1実施形態のヒートローラ120とほとんど共通の構成を有するが、サーマルプロテクタ132の配置が第1実施形態とは全く異なっている。
すなわち、比較例ではサーマルプロテクタ132が被覆層122の表面に近接した位置に設けられている。このため比較例では、異常発生時のヒートローラ120の過大な温度上昇について、これを被覆層122(シリコン系ゴム)の表面からの輻射熱によって検知することになる。
この場合、上述したシリコン系ゴムの熱伝導特性から、異常発生時に被覆層122の表面温度が上昇するまでにはある程度の時間がかかるため、サーマルプロテクタ132が作動温度に達する前に金属製の胴体部120aの温度が過剰に高くなってしまう。このため比較例では、いざサーマルプロテクタ132が作動してヒータ130への通電を停止した時には、既に胴体部120aと被覆層122との界面部分(図中符号B)でシリコン系ゴムの発煙温度を超えてしまっている可能性がある。
これに対し、第1実施形態では金属製のネック部120bの表面からの輻射熱でサーマルプロテクタ132を作動させているため、異常発生時の応答が早いという利点がある。
上述した第1実施形態の開示により本発明は既に明確となっているが、より広汎な実施を可能とするため、以下に他の実施形態を挙げて説明する。
〔第2実施形態〕
図6は、第2実施形態の定着装置12に備えられたヒートローラ120の構造を詳細に示した縦断面図である。なお、以下では第1実施形態と共通する部材や部品については同じ符号を付し、その重複した説明を省略している。
第2実施形態では、サーマルプロテクタ132がフランジ部120cの外表面に対向して配置されている。フランジ部120cの表面もまた、ハロゲンランプ130aの発熱域(通紙域)よりも外側に位置しているが、フランジ部120cは金属製であるため、その熱伝導特性に鑑みると、被覆層122よりも早く温度が上昇することになる。
したがって、第2実施形態についても第1実施形態と同様に、異常発生時にはより早期にヒータ130への電力供給を停止させることができ、被覆層122から発煙を生じる前にヒータ130への通電を遮断し、その過熱を最小限で食い止めることができる。
〔第3実施形態〕
次に図7は、第3実施形態の定着装置12に備えられたヒートローラ120の構造を詳細に示した縦断面図である。ここでも同様に、第1,第2実施形態と共通する部材や部品については同じ符号を付し、その重複した説明を省略している。以下、第1,第2実施形態と異なる点を中心に説明する。
第3実施形態では、ヒートローラ120の形状が端部において段付きではなく、いわゆるストレート形状となっている。このため第1,第2実施形態のようなネック部120b、フランジ部120cは設けられておらず、ストレート形状の胴体部120aのみを有している。このため第3実施形態では、胴体部120aの端部にて、その外周面にベアリング128及び従動ギア124が嵌め合わされている。なお、従動ギア124への動力伝達については第1,第2実施形態と略共通である。
この場合、二点鎖線で示されているようにサーマルプロテクタ132が被覆層122の表面に近接した位置に設けられていると、上述した比較例と同様に、異常発生時のヒートローラ120の過大な温度上昇を被覆層122(シリコン系ゴム)の表面からの輻射熱によって検知することになり、それだけ作動が遅れることになる。
このため第3実施形態では、軸方向でみて被覆層122の外側、つまり通紙域の外側で、胴体部120aの外表面に対向してサーマルプロテクタ132が配置されている。通紙域の外側は、ハロゲンランプ130aの発熱域(通紙域)よりも外側に位置しているが、胴体部120aは金属製であるため、その熱伝導特性に鑑みると、被覆層122よりも早く温度が上昇することになる。
したがって第3実施形態では、第1,第2実施形態と同様に、異常発生時にはより早期にヒータ130への電力供給を停止させることができ、被覆層122から発煙を生じる前にヒータ130への通電を遮断し、その過熱を最小限で食い止めることができる。
なお、上述した第1〜第3実施形態において、サーマルプロテクタ132は芯金の表面に接触した状態で配置されていてもよい。このような配置であっても、サーマルプロテクタ132が通紙域の外に配置されているため、サーマルプロテクタ132との接触により被覆層122を損傷するおそれがない。
本発明は上述した各実施形態に制約されることなく、各種の変形や置換を伴って実施することができる。
各実施形態で挙げた被覆層122の厚さは一例に過ぎない。本発明の発明者が行った検証によれば、金属製の胴体部120aの外周に2.5mm以上の厚さのシリコン系ゴムで被覆層122が形成されている場合、異常発生時に被覆層122の表面温度の上昇を検知するよりも、ネック部120bやフランジ部120cの表面温度の上昇を検知した方がサーマルプロテクタ132を早く作動させられることが確認されている。
第1〜第3実施形態ではヒートローラ120の構造について説明しているが、各実施形態で説明した構造を加圧ローラ121にも適用することができる。例えば、ヒートローラ120だけでなく加圧ローラ121の外周にもシリコン系ゴムの被覆層を形成し、内部にヒータ等の熱源を配置してヒートローラ120及び加圧ローラ121をともに加熱しながらトナー画像を定着させる。このような定着装置12の形態は、画像形成装置1にフルカラー(イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック)対応の画像形成部と中間転写ベルトが搭載されている場合に有効である。
また、胴体部120aやネック部120b等の芯材の材質、被覆層122の材質は各実施形態に例示されたものに限らず、適宜に変更することが可能である。この場合でも、被覆層122にはゴム材料が使用される前提であるため、一定の厚さ(例えば2.5mm)以上になると、その表面の昇温よりも芯材表面の昇温の方が早いため、サーマルプロテクタ132を用いて早期に異常を発見することができる。
各実施形態では被覆層122をシリコン系ゴム製としているが、他の物質を含有していてもよい。また被覆層122はシリコン系ゴム以外の弾性部材であってもよい。
各実施形態で挙げたサーマルプロテクタ132の構造もあくまで一例であり、予め設定された温度条件に達したことを契機に電力供給を停止できる機能を有するものであれば、その他の構造であってもよい。
その他、一実施形態で挙げた各種の部材・部品等はいずれも好ましい例示であり、これらは適宜変形して実施することが可能である。
画像形成装置を右前上方から示した斜視図である。 画像形成装置を概略的に示した垂直断面正面図である。 第1実施形態の定着装置に備えられたヒートローラの構造を詳細に示した縦断面図である。 未定着のトナー画像を転写された用紙が定着装置に通紙される様子を図2と同じ正面から示した図である。 定着装置の比較例を示した縦断面図である。 第2実施形態の定着装置に備えられたヒートローラの構造を詳細に示した縦断面図である。 第3実施形態の定着装置に備えられたヒートローラの構造を詳細に示した縦断面図である。
符号の説明
1 画像形成装置
2 本体
3 カセット式給紙部
4 給紙カセット
6 用紙搬送部
8 原稿搬送装置
9 画像読取部
10 画像形成部
11 転写部
12 定着装置
120 ヒートローラ
121 加圧ローラ
120a 胴体部
120b ネック部
120c フランジ部
122 被覆層
130 ヒータ
130a ハロゲンランプ
132 サーマルプロテクタ

Claims (7)

  1. 内部に加熱源を有した加熱ローラと、この加熱ローラに隣接して配置された加圧ローラとを備え、前記加熱源により加熱ローラを加熱しながら、前記加熱ローラと前記加圧ローラとの間に形成されるニップを通じて未定着画像が転写された用紙を搬送し、この搬送過程で未定着画像を用紙に定着させる定着装置において、
    前記加熱ローラを構成する芯材の外周面に設けられ、前記ニップが形成される通紙域内で外周面を被覆する弾性部材と、
    前記加熱ローラの通紙域外で前記弾性部材に被覆されることなく露出した芯材の表面に対向して設けられ、所定の温度条件に達すると前記加熱源による加熱を停止させるサーマルプロテクタと
    を備えたことを特徴とする定着装置。
  2. 請求項1に記載の定着装置において、
    前記弾性部材は、2.5mm以上の厚さを有するシリコン系ゴムから構成されていることを特徴とする定着装置。
  3. 請求項1又は2に記載の定着装置において、
    前記サーマルプロテクタが設けられている位置は、前記加熱ローラの軸方向でみて前記加熱源が発熱する発熱域外であることを特徴とする定着装置。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の定着装置において、
    前記サーマルプロテクタは、前記芯材の表面から間隔をおいた非接触の状態で配置されていることを特徴とする定着装置。
  5. 請求項1から3のいずれかに記載の定着装置において、
    前記サーマルプロテクタは、前記芯材の表面に接触した状態で配置されていることを特徴とする定着装置。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の定着装置において、
    前記加熱ローラに加えて前記加圧ローラの内部に前記加熱源が配置されており、
    前記加圧ローラを構成する芯材の外周面に設けられ、前記ニップが形成される通紙域内で外周面を被覆する弾性部材と、
    前記加圧ローラの通紙域外で前記弾性部材に被覆されることなく露出した芯材の表面に対向して設けられ、所定の温度条件に達すると前記加熱源による加熱を停止させるサーマルプロテクタとをさらに備えたことを特徴とする定着装置。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の定着装置を搭載し、これを用いて画像形成部により形成したトナー画像を用紙に定着させる画像形成装置。
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JPH02135480A (ja) * 1988-11-17 1990-05-24 Canon Inc 定着装置
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