JP2008049373A - 金型の加熱方法、金型、誘導加熱ヒータ及びその電源装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数の分割型12,14を備える金型10における少なくとも1つの分割型12を該分割型12に着脱可能に設けた誘導加熱ヒータ45により高周波誘導加熱する。誘導加熱ヒータ45は、分割型12に設けたヒータ挿入孔48に遊嵌状に挿入されてその型内部において分割型12を高周波誘導加熱する。分割型12が、製品成形部21を有する入れ子20と、その入れ子20を組込んだ母型23とを備える。ヒータ挿入孔48が、母型23を通じて入れ子20内を貫通している。
【選択図】図1
Description
本発明が解決しようとする課題は、金型を短時間で高温に加熱することのできる金型の加熱方法、金型、誘導加熱ヒータ及びその電源装置を提供することにある。
すなわち、特許請求の範囲の請求項1にかかる金型の加熱方法によると、複数の分割型を備える金型における少なくとも1つの分割型を誘導加熱ヒータにより誘導加熱することにより、金型を短時間で高温に加熱することができる。
本発明の実施例1を図面にしたがって説明する。本実施例では、ダイカスト鋳造に用いられるダイカスト成形機にセットされる金型を例示する。また、説明の都合上、金型の基本的構成を説明した後で金型の加熱にかかる構成について説明する。
図1に示すように、前記可動型14は、製品成形部26を有する左右2個(図1では1個のみを示す。)の入れ子25と、その入れ子25を組込んだ母型28とを備えている。可動型14の入れ子25及び母型28は、固定型12の入れ子20及び母型28に対して対向状をなすように配置されている。
型締めにより固定型12の入れ子20の製品成形部21に可動型14の入れ子25の製品成形部26が整合することにより、キャビティ30が形成される。また、固定型12に対する可動型14の合わせ面には、キャビティ30に連通するランナ32及びゲート33が形成されている。
また、図示しないが、前記金型10には、成形後の製品を押し出すための製品押し出し機構、キャビティ30に加圧プランジャを出没させるキャビティ内加圧機構、ランナ32内に可動ピンを出没させるランナ内加圧機構等が設けられている。
図2に示すように、前記固定型12には、左右方向に直線状に延びかつ母型23及び入れ子20内を貫通する中空円筒状のヒータ挿入孔48が形成されている。ヒータ挿入孔48は、入れ子20の製品成形部21及び湯逃がし通路42の近く(図1において右上方近く)を横切るように形成されている。なお、ヒータ挿入孔48は、図3〜図5によく示されている。図3は金型の加熱にかかる要部を示す断面図、図4は図3のIV−IV線矢視断面図、図5は金型と誘導加熱ヒータとの関係を示す分解斜視図である。なお、ヒータ挿入孔48は、本明細書でいう「凹部」に相当する。
図6に示すように、電源装置47は、その主体をなしかつ高周波トランス61を有する電源装置本体60と、冷却液を供給及び回収する冷却装置64と、電源装置本体60と冷却装置64を1組として搭載した台車68とを備えている。電源装置本体60の高周波トランス61に給電ケーブル62が設けられている。給電ケーブル62は、前記誘導加熱ヒータ45の把持部55に接続されている。電源装置本体60は、図示されない電源から高周波トランス61、給電ケーブル62を介して、誘導加熱ヒータ45(詳しくは、誘導加熱コイル52(図3参照。))に高周波電流を流すものである。
まず、金型10がセットされたダイカスト成形機15の近くに電源装置47を移動させる。次に、誘導加熱ヒータ45のヒータ本体50を金型10の固定型12のヒータ挿入孔48に挿入する。このとき、金型10が型締め状態におかれているものとする。ヒータ本体50を、ストッパ54がヒータ挿入孔48の開口端面すなわち固定型12の一側面に当接するまで挿入する。この状態で、電源装置本体60により、図示されない電源から高周波トランス61、給電ケーブル62を介して、誘導加熱ヒータ45(詳しくは、把持部55の電極につながる誘導加熱コイル52)に高周波電流を流す。すると、固定型12のヒータ挿入孔48の周りに強い磁束と渦電流が生じ、その渦電流による固定型12の電気抵抗による発熱により、固定型12が高周波誘導加熱すなわち予熱される。これにともない、可動型14も同時に加熱される。また、冷却装置64を運転することにより、冷却液を冷却液供給管65を通じて誘導加熱コイル52の内部に冷却水を供給し、かつその誘導加熱コイル52内を経由した冷却液を冷却液回収管66を通じて回収し、冷却液を誘導加熱コイル52内に流通すなわち循環させる。これにより、誘導加熱コイル52を冷却することができる。そして、前記予熱を終えたならば、金型10の固定型12のヒータ挿入孔48から誘導加熱ヒータ45を抜き取る。その後、予熱された金型10を用いて前記ダイカスト成形を行なえばよい。
また、誘導加熱ヒータ45は、固定型12が有する入れ子20自体を誘導加熱することができる。
また、電源装置本体60は台車68により容易に移動させることができる。
すなわち、前記実施例では、固定型12のヒータ挿入孔48内に1つの誘導加熱ヒータ45のヒータ本体50を挿入する例を示したが、本変更例では、図7に示すように、固定型12のヒータ挿入孔48内に、2つの誘導加熱ヒータ45のヒータ本体50を左右対称状に挿入している。このため、各誘導加熱ヒータ45のヒータ本体50は、前記実施例のものと比べて半減した長さのものとなっている。したがって、固定型12を、2つの誘導加熱ヒータ45により高周波誘導加熱することができる。
また、試料2は、前記変更例にかかるもので、ヒータ本体50の長さが250mmで外径がφ17mmの2本の誘導加熱ヒータ45を図7に示すように金型に対して左右から装着し、25kWの電力で60分の予熱を行なったもので、その予熱開始から90分後の型温を測定した結果である。
また、試料3は、前記従来例(温水による加熱)にかかるもので、金型10内に設けられた冷却水通路に80℃の温水を120分通水したもので、その予熱開始から150分後の型温を測定した結果である。
また、試料1(実施例1)と試料2(変更例)とを比較した場合、試料1(実施例1)の電力量は5kWhであるのに対して、試料2(変更例)の電力量は25kWhである。したがって、試料1(実施例1)によれば、試料2(変更例)と比べて、1/5の電力量で消費電力が少ないにもかかわらず、短い加熱時間で高い型温に加熱することができ、熱効率が向上していることが判る。
本発明の実施例2を説明する。本実施例は、前記実施例1の一部に変更を加えたものであるから、その変更部分について説明し、重複する説明は省略する。また、以降の実施例についても、その変更部分について説明し、重複する説明は省略する。なお、図8は金型10を示す側断面図である。
本実施例は、図8に示すように、前記金型10の固定型12に、左右方向(図8において紙面表裏方向)に直線状に延びかつ母型23内を貫通する中空円筒状のヒータ挿入孔78が形成されている。ヒータ挿入孔78は、前記射出スリーブ35における下流側(図1において右側)の開口端の下方近くを横切るように形成されている。したがって、ヒータ挿入孔78は、射出スリーブ35の湯口36に隣接している。このため、ヒータ挿入孔78内に挿入した誘導加熱ヒータ45のヒータ本体50により、湯口36の近辺を高周波誘導加熱することができる。なお、ヒータ挿入孔78は、本明細書でいう「凹部」に相当する。
本発明の実施例3を説明する。本実施例は、前記実施例1に変更を加えたものである。なお、図9は固定型のキャビティ側を示す正面図である。
本実施例は、図9に示すように、前記金型10の固定型12に、左右方向(図8において紙面表裏方向)に直線状に延びかつ母型23及び入れ子20内を貫通する中空円筒状のヒータ挿入孔84が形成されている。このヒータ挿入孔84は、湯逃がし通路42及び湯溜まり部43の近くを横切るように形成されている。したがって、ヒータ挿入孔84は、湯逃がし通路42及び湯溜まり部43に隣接している。このため、ヒータ挿入孔84内に挿入した誘導加熱ヒータ45のヒータ本体50により、湯逃がし通路42及び湯溜まり部43の近辺を高周波誘導加熱することができる。なお、ヒータ挿入孔84は、本明細書でいう「凹部」に相当する。
本発明の実施例4を説明する。本実施例は、前記実施例1に変更を加えたものである。なお、図10は金型と誘導加熱ヒータとの関係を示す分解斜視図である。
本実施例は、図10に示すように、前記ヒータ挿入孔48を、上方に向けて開口された断面U字状のヒータ挿入溝86に変更したものである。なお、ヒータ挿入溝86は、本明細書でいう「凹部」に相当する。
本実施例によると、ヒータ挿入溝86に誘導加熱ヒータ45のヒータ本体50をその上方から嵌合させることができる。
本発明の実施例5を説明する。本実施例は、前記実施例1に変更を加えたものである。なお、図11は金型と誘導加熱ヒータとの関係を示す分解斜視図である。
本実施例は、図11に示すように、前記ヒータ挿入孔(符号、88を付す。)を、固定型12と可動型14との型合わせ面に形成したものである。このヒータ挿入孔88は、断面縦長四角形状に形成されている。なお、ヒータ挿入孔88は、本明細書でいう「凹部」に相当する。
また、誘導加熱ヒータ45のヒータ本体(符号、90を付す。)は、長四角形板状の外形に形成されており、前記ヒータ挿入孔88内に挿入可能に形成されている。
本発明の実施例6を説明する。本実施例は、前記実施例5に変更を加えたものである。なお、図12は金型と誘導加熱ヒータとの関係を示す斜視図である。
本実施例は、図12に示すように、前記誘導加熱ヒータ45のヒータ本体(符号、92を付す。)を板状に形成し、そのヒータ本体92を固定型12の外側面に重ねたものである。なお、ヒータ本体92は、固定型12の外側面に接着剤、ねじ止め手段等により固定的あるいは着脱可能に設けてもよい。また、固定型12の外側面を上方に向ければ、その外側面上にヒータ本体92を載置することができる。
本発明の実施例7を説明する。本実施例は、前記実施例1に変更を加えたものである。なお、図13は金型と誘導加熱ヒータとの関係を示す分解斜視図である。
本実施例は、図13に示すように、前記ヒータ嵌合凹部(符号、94を付す。)を、固定型12の外側面に形成したものである。このヒータ嵌合凹部94は、中空円筒状に形成されている。また、誘導加熱ヒータ45のヒータ本体(符号、96を付す。)は、筒状外形をなす中空円筒状に形成されており、前記ヒータ嵌合凹部94内に嵌合可能に形成されている。なお、ヒータ嵌合凹部94は、本明細書でいう「凹部」に相当する。
12 固定型(固定側の分割型)
14 可動型(可動側の分割型)
20 入れ子
21 製品成形部
23 母型
25 入れ子
26 製品成形部
28 母型
32 ランナ
33 ゲート
36 湯口
42 湯逃がし通路
43 湯溜まり部
45 誘導加熱ヒータ
47 電源装置
48 ヒータ挿入孔(凹部)
50 ヒータ本体
54 ストッパ
60 電源装置本体
64 冷却装置
68 台車
78 ヒータ挿入孔(凹部)
80 ヒータ挿入孔(凹部)
82 ヒータ挿入孔(凹部)
84 ヒータ挿入孔(凹部)
86 ヒータ挿入溝(凹部)
88 ヒータ挿入孔(凹部)
90 ヒータ本体
92 ヒータ本体
94 ヒータ嵌合凹部(凹部)
96 ヒータ本体
Claims (21)
- 複数の分割型を備える金型における少なくとも1つの分割型を誘導加熱ヒータにより誘導加熱することを特徴とする金型の加熱方法。
- 請求項1に記載の金型の加熱方法であって、
前記誘導加熱ヒータは、前記分割型をその型内部において誘導加熱することを特徴とする金型の加熱方法。 - 請求項2に記載の金型の加熱方法であって、
前記誘導加熱ヒータは、前記分割型が有する入れ子自体を誘導加熱することを特徴とする金型の加熱方法。 - 請求項1に記載の金型の加熱方法であって、
前記誘導加熱ヒータは、前記分割型をその型外部において誘導加熱することを特徴とする金型の加熱方法。 - 請求項1〜4のいずれか1つに記載の金型の加熱方法であって、
前記分割型を、複数の誘導加熱ヒータにより誘導加熱することを特徴とする金型の加熱方法。 - 請求項1〜5のいずれか1つに記載の金型の加熱方法であって、
前記分割型を、該分割型に着脱可能に設けた誘導加熱ヒータにより誘導加熱することを特徴とする金型の加熱方法。 - 請求項1〜6のいずれか1つに記載の加熱方法に用いられる金型であって、
前記分割型に、前記誘導加熱ヒータのヒータ本体と嵌合可能な凹部が設けられていることを特徴とする金型。 - 請求項7に記載の金型であって、
前記凹部が、前記誘導加熱ヒータのヒータ本体と所定の隙間を介して遊嵌可能に形成されていることを特徴とする金型。 - 請求項7又は8に記載の金型であって、
前記分割型が、製品成形部を有する入れ子と、その入れ子を組込んだ母型とを備え、
前記凹部が、前記母型を通じて前記入れ子内を貫通していることを特徴とする金型。 - 請求項9に記載の金型であって、
前記誘導加熱ヒータのヒータ本体の誘導加熱にかかる作用部を前記入れ子内に対応させたことを特徴とする金型。 - 請求項7又は8に記載の金型であって、
前記凹部が、湯口に隣接していることを特徴とする金型。 - 請求項7又は8に記載の金型であって、
前記凹部が、前記分割型が有する湯流れ通路に隣接していることを特徴とする金型。 - 請求項7〜12のいずれか1つに記載の金型であって、
前記凹部が、固定側の分割型に設けられていることを特徴とする金型。 - 請求項7〜13のいずれか1つに記載の金型であって、
前記凹部が、可動側の分割型に設けられていることを特徴とする金型。 - 請求項7〜14のいずれか1つに記載の金型であって、
前記分割型に複数の前記凹部を設け、
前記複数の凹部にそれぞれ前記誘導加熱ヒータのヒータ本体を嵌合とした
ことを特徴とする金型。 - 請求項7〜15のいずれか1つに記載の金型の加熱に用いる誘導加熱ヒータであって、
前記ヒータ本体の外形が棒状であることを特徴とする誘導加熱ヒータ。 - 請求項7〜15のいずれか1つに記載の金型の加熱に用いる誘導加熱ヒータであって、
前記ヒータ本体の外形が筒状であることを特徴とする誘導加熱ヒータ。 - 請求項7〜15のいずれか1つに記載の金型の加熱に用いる誘導加熱ヒータであって、
前記ヒータ本体の外形が板状であることを特徴とする誘導加熱ヒータ。 - 請求項16〜18のいずれか1つに記載の誘導加熱ヒータであって、
前記ヒータ本体の基端部に、前記分割型の凹部の開口端面に当接しかつ該凹部内に対する嵌合量を規定するストッパを設けたことを特徴とする誘導加熱ヒータ。 - 請求項16〜19のいずれか1つに記載の誘導加熱ヒータの電源装置本体を移動可能とすることを特徴とする誘導加熱ヒータの電源装置。
- 請求項20に記載の誘導加熱ヒータの電源装置本体を搭載した台車を備えることを特徴とする誘導加熱ヒータの電源装置。
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A911 | Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
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A912 | Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
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