JP2008045766A - チャージ用バルブのバルブコア - Google Patents
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Abstract
【課題】冷媒洩れ量を抑えることのできるチャージ用バルブのバルブコアを実現する。
【解決手段】流体通路の内圧と圧縮コイルバネ40とが弁体37、38を弁座28に着座させる方向に付勢されて大気側と流体通路側とを気密するチャージ用バルブのバルブコアにおいて、弁体37、38には、大気側に通ずる方向に配置される第1気密部材37と、流体通路側に通ずる方向に配置される第2気密部材38とが設けられ、第2気密部材38は、CO2冷媒に対して耐ブリスタ性の優れる弾性材料で形成されるとともに、第1気密部材37は、第2気密部材38よりもCO2冷媒に対して透過係数が小さい樹脂材料で形成される。これにより、冷媒洩れ量を最小限に抑えることができる。
【選択図】図1
【解決手段】流体通路の内圧と圧縮コイルバネ40とが弁体37、38を弁座28に着座させる方向に付勢されて大気側と流体通路側とを気密するチャージ用バルブのバルブコアにおいて、弁体37、38には、大気側に通ずる方向に配置される第1気密部材37と、流体通路側に通ずる方向に配置される第2気密部材38とが設けられ、第2気密部材38は、CO2冷媒に対して耐ブリスタ性の優れる弾性材料で形成されるとともに、第1気密部材37は、第2気密部材38よりもCO2冷媒に対して透過係数が小さい樹脂材料で形成される。これにより、冷媒洩れ量を最小限に抑えることができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、気体の充填もしくは回収をするためのチャージ用バルブのバルブコアに関するものである。
従来、この種のバルブコアとして、例えば、特許文献1に示すように、テーパー面状の弁座を有するバルブコア本体と、このバルブコア本体に挿通され、樹脂材料からなる気密部材と弾性材料からなるOリングとからなる弁体を有する可動シャフトとを備えて、テーパー面状の弁座にOリングと気密部材とを当接させて気密を保持しているバルブコアが知られている。
より具体的には、特許文献1に記載された図1および図4に示すように、可動シャフトの下方側に樹脂材料からなる弁体を形成し、その弁体の一部に溝部を形成し、その溝部にOリングを配設するとともに、その溝部の下方に角部からなる気密部材を形成している。
つまり、テーパー面状の弁座に対して、上方にOリング、下方に角部からなる気密部材を当接させてシールしている。そして、可動シャフトに係る内圧が高くなったときには、角部からなる気密部材でテーパー面状の弁座に当接させることでOリングの変形が過大とならないように構成している。
米国特許第6719003号明細書
この種のシール構造では、一般的に、シール径を小さくすると、接触部における弁座に係る面圧を高めることができることでシール性が良好となる。しかしながら、特許文献1では、弁体が可動シャフトを覆うように形成されているためOリングおよび気密部材のシール径を小さくすることに限度がある。
しかも、Oリングに対して樹脂材料からなる気密部材が下方側に設けられていることで気密部材側のシール径が大きくなる問題がある。
さらに、二酸化炭素を冷媒として使用する超臨界冷凍サイクルでは、超臨界状態における二酸化炭素冷媒に接触または浸漬されるとゴム系材料や樹脂材料において旧来のフロン系や代替フロン系の冷媒よりも透過性が高いことが判明している。
上記特許文献1では、二酸化炭素冷媒に対する透過性に関する記載がないが、Oリングや樹脂材料からなり気密材料の透過係数が大きいとそれらの内部を二酸化炭素冷媒が透過して大気側に漏れる恐れがある。
そこで、本発明の目的は、上記点を鑑みたものであり、冷媒洩れ量を抑えることのできるチャージ用バルブのバルブコアを提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1ないし請求項6に記載の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の発明では、気体を収容する流体通路または容器の内外を連通する開口部に配設され、テーパー面状の弁座(28)を有するバルブコア本体(20)と、このバルブコア本体(20)に挿通され、弁座(28)を気密する弁体(37、38)を有する可動シャフト(30)と、バルブコア本体(20)と可動シャフト(30)との間に配設されたバネ部材(40)とを備え、内圧とバネ部材(40)とが弁体(37、38)を弁座(28)に着座させる方向に付勢するチャージ用バルブのバルブコアにおいて、
弁体(37、38)には、第1気密部材(37)と、この第1気密部材(37)よりも流体通路または容器の内側に配置される第2気密部材(38)とが設けられ、
第2気密部材(38)は、収容された気体に対して耐ブリスタ性の優れる弾性材料で形成されるとともに、第1気密部材(37)は、第2気密部材(38)よりも収容された気体に対して透過係数が小さい樹脂材料で形成されることを特徴としている。
弁体(37、38)には、第1気密部材(37)と、この第1気密部材(37)よりも流体通路または容器の内側に配置される第2気密部材(38)とが設けられ、
第2気密部材(38)は、収容された気体に対して耐ブリスタ性の優れる弾性材料で形成されるとともに、第1気密部材(37)は、第2気密部材(38)よりも収容された気体に対して透過係数が小さい樹脂材料で形成されることを特徴としている。
この発明によれば、第1気密部材(37)および第2気密部材(38)の内部を透過する冷媒洩れ量を抑えることができる。また、第1気密部材(37)の方が第2気密部材(38)よりも外側に配置されることで第2気密部材(38)よりもシール径を小さくすることができる。
特に内圧が高くなると接触部におけるテーパー面状の弁座(28)に係る面圧が高くなることで弁座(28)とのシール性が良好である。さらに、内圧に応じて第1気密部材(37)と第2気密部材(38)とでシールすることができる。
請求項2に記載の発明では、気体を収容する流体通路または容器の内外を連通する開口部に配設され、テーパー面状の弁座(28)を有するバルブコア本体(20)と、このバルブコア本体(20)に挿通され、弁座(28)を気密する弁体(37、38)を有する可動シャフト(30)と、バルブコア本体(20)と可動シャフト(30)との間に配設されたバネ部材(40)とを備え、内圧とバネ部材(40)とが弁体(37、38)を弁座(28)に着座させる方向に付勢するチャージ用バルブのバルブコアにおいて、
弁体(37)には、第1気密部材(37)が設けられ、この第1気密部材(37)は、収容された気体に対して透過係数が小さい樹脂材料で形成されることを特徴としている。
弁体(37)には、第1気密部材(37)が設けられ、この第1気密部材(37)は、収容された気体に対して透過係数が小さい樹脂材料で形成されることを特徴としている。
この発明によれば、弾性材料の第2気密部材(38)を設けなくとも第1気密部材(37)の内部を透過する冷媒洩れ量を抑えることができる。
請求項3に記載の発明では、第1気密部材(37)の弁座(28)に圧接される接触面積は、第2気密部材(38)の弁座(28)に圧接される接触面積よりも小さく形成されることを特徴としている。この発明によれば、第1気密部材(37)の方が第2気密部材(38)よりもシール径を小さくすることができるため、第2気密部材(38)よりも第1気密部材(37)の方の面圧を高めることができる。従って、弁座(28)とのシール性が良好である。
請求項4に記載の発明では、第1気密部材(37)は、略矩形状、略多角形状、略扇形状、略半円形状、または略円形状のいずれか一つの断面形状で、かつリング状に形成されたことを特徴としている。
この発明によれば、これらの形状にすると、第1気密部材(37)が弁座(28)に対して、線接触により気密することができる。これにより、接触部における弁座(28)に係る面圧を高めることができるため弁座(28)とのシール性が良好である。
請求項5に記載の発明では、第1気密部材(37)は、PA11(ナイロン11)、PA12(ナイロン12)、またはHDPE(高密度ポリエチレン)のいずれか一つで形成されることを特徴としている。
この発明によれば、第2気密部材(38)は、CO2冷媒に対して耐ブリスタ性の優れる弾性材料として、例えば、IIR、H−NBR、EPDMなどがあるが、上記材質の樹脂材料は、これらよりもCO2冷媒に対して透過係数が小さいため透過による冷媒洩れ量を抑えることができる。
請求項6に記載の発明では、流体通路または容器は、冷凍サイクルであって、CO2冷媒を使用する超臨界冷凍サイクルであることを特徴としている。この発明によれば、透過係数の小さい樹脂材料を用いることで超臨界冷凍サイクルに好適である。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態の具体的手段との対応関係を示すものである。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態におけるチャージ用バルブのバルブコアを図1ないし図6に基づいて説明する。図1は第1実施形態におけるチャージ用バルブの全体構成を示す縦断面図である。図2は第1気密部材37の断面形状を示す縦断面図である。図3は第1気密部材37の全体構成を示す平面図である。また、図4は第2気密部材38の断面形状を示す縦断面図である。
以下、本発明の第1実施形態におけるチャージ用バルブのバルブコアを図1ないし図6に基づいて説明する。図1は第1実施形態におけるチャージ用バルブの全体構成を示す縦断面図である。図2は第1気密部材37の断面形状を示す縦断面図である。図3は第1気密部材37の全体構成を示す平面図である。また、図4は第2気密部材38の断面形状を示す縦断面図である。
本発明のチャージ用バルブを車両用空調装置における冷凍サイクルの流体通路(図示せず)に適用したものである。チャージ用バルブは流体通路(図示せず)に冷媒を充填もしくは回収を行うためのバルブであり、図1に示すように、バルブステム10とバルブコア50とを備えている。
本実施形態では、冷凍サイクルが、封止対象気体としての二酸化炭素を収容する流体通路または容器を提供している。例えば、冷凍サイクルの冷媒配管が、流体通路を提供する。そして、バルブステム10が、冷凍サイクルの内外を連通する開口部を提供している。なお、冷凍サイクルの冷媒収容容器に本実施形態のチャージ用バルブが配設されても良い。さらに、この冷凍サイクルに封入される冷媒を収容した運送用タンクに本実施形態のチャージ用バルブが配設されても良い。
バルブステム10は、筒状に形成されており、図示しない基幹部が、例えば、二酸化炭素CO2を冷媒として用いる超臨界冷凍サイクルの流体通路(図示せず)に通ずるように配設される。ここでは、冷凍サイクルの高圧側の流体通路に通ずるように配設されている。そして、バルブステム10の内側には、上方より雌ネジからなる雌ネジ部11、ストレート状の開口部12、テーパー面13、ストレート状の開口部14、雌ネジ部15、および連通孔16が順次形成して設けられている。なお、連通孔16は冷凍サイクルの流体通路(図示せず)に通じている。
バルブコア50は、上記バルブステム10の連通孔16の中途に配設され、冷凍サイクルの流体通路に通ずる連通孔16を開閉するバルブであって、通常時には閉弁状態を維持し、流体通路内に冷媒を充填するとき、もしくは流体通路内に充填された冷媒の回収を行うときに開弁するように構成されている。
バルブコア50は、逆有底筒状のバルブコア本体20、上下方向に可動する可動シャフト30、およびバルブコア本体20と可動シャフト30との間に配設されるバネ部材である圧縮コイルバネ40から構成される。
バルブコア本体20には、その外側面の上部にバルブステム10のテーパー面13と線接触にて当接するテーパー面21と、外側面の中間位置にOリング22を嵌合する溝部23と、外側面の下方に雄ネジからなる雄ネジ部24とが形成されている。
さらに、バルブコア本体20には、その上端の中心に可動シャフト30の軸31を挿入する挿入穴25と、その挿入穴25の近傍にすり割り加工によって形成された冷媒流通用の窓部26と、挿入穴25に繋ぐ内部穴27を形成し、その内部穴27の下端部には、断面がハの字状もしくはテーパー面状の、略円錐面状の弁座28を設けている。
可動シャフト30は、軸31と、その軸31の下方側に嵌着される弁体37、38とを備えている。ここで、軸31は一体的に形成するために、その上方側をバルブコア本体20の挿入穴25に挿通するように形成し、軸31の下方側にテーパー面32を形成し、そのテーパー面32の下方に第1弁体受け面33、およびその第1弁体受け面33の下方に受け面支持部34とを一体的に形成している。
より具体的には、弁体37、38を軸31に一体的に嵌着するために、軸31の下方には、上方側に弁体37、38のうち、第1気密部材37を受けるための第1弁体受け面33をテーパー面32よりも大きい外径で形成する。
換言すると、弁座28のテーパー面に対応するように第1気密部材37の外形を形成し、その第1気密部材37の下面側の外形と略同一の外径で形成している。これにより、第1気密部材37に形成された角部27a(後述する)が弁座28に線接触で当接することができる。そして、この第1弁体受け面33の下方に形成される受け面支持部34はテーパー面32の外径よりも小さい外形で形成する。
次に、弁体37、38のうち、第2気密部材38と、その第2気密部材38を受けるための第2弁体受け面35を別体で設けておく。ここで、第2弁体受け面35は、弁座28のテーパー面に対応するように第2気密部材38の外形を形成し、その第2気密部材38の下面側の外形と略同一の外径で形成している。
そして、第2気密部材38と受け面支持部34とを軸31に嵌め合わせた後に、受け面支持部34をかしめ加工によって塑性変形させて一体的に結合する。これにより、第1弁体受け面33と受け面支持部34との間に第2気密部材38が配置できる。ここで、第2気密部材38の外形は、詳しくは後述するが第1気密部材37の外形よりも大きく形成している。
また、第2弁体受け面35は、上述した第1弁体受け面33の外形よりも僅かに大きくなるように形成するとともに、第2気密部材38の底部を密着するように形成される。これにより、流体通路から通ずる冷媒側の圧力である内圧を第2弁体受け面35の底部で均等に受けることができる。
また、以上の構成により、軸31が一体的に形成できるとともに、その軸31の下方側に弁体37、38が配置できる。ここで、大気側に通ずる方向に第1気密部材37が配置され、流体通路側に通ずる方向に第2気密部材38が配置される。
さらに、バルブコア本体20の上端部には、軸31の上端部を挿入穴25に挿入し、その後、軸31に圧縮コイルバネ40をはめ込んで、軸31の上端をかしめ加工によってバネ止め部36を形成している。
これにより、弁体37、38を含んだ可動シャフト30がバルブコア本体20に組み合わされてバルブコア50が形成される。また、可動シャフト30とバルブコア本体20との間に配設された圧縮コイルバネ40が、弁体37、38を弁座28に着座させる方向に付勢されている。
次に、バルブコア50は、バルブステム10の連通孔16を塞ぐように配設される。つまり、バルブコア本体20の雄ネジ部24をバルブステム10の雌ネジ部15に螺合させることでバルブコア50がバルブステム10に固定される。これにより、可動シャフト30の第2弁体受け面35が流体通路側に通ずることになる。
従って、流体通路側の冷媒の圧力、すなわち内圧が第2弁体受け面35の底部に受けることで連通孔16を閉止した状態にされる。換言すると、圧縮コイルバネ40および流体通路側の冷媒の圧力によって、通常時には、可動シャフト30の弁体37、38を弁座28に着座させる方向に付勢している。つまり、可動シャフト30の弁体37、38が弁座28を閉止した状態に付勢されている。
そして、バルブステム10の上方から冷媒をチャージ(充填)したときには、そのチャージ圧が流体通路側の内圧と圧縮コイルバネ40の弾発力とを合わせた力より大きいときに、弁体37、38が弁座28を開弁してバルブステム10の上方から冷媒が流体通路側にチャージ(充填)される。
次に、本実施形態の弁体である第1気密部材37および第2気密部材38について、図1ないし図4に基づいて説明する。第1気密部材37が、図1に示すように、軸31に一体的に形成された第1弁体受け面33に配置され、第2気密部材38が軸に一体的に構成された第2弁体受け面35に配置されている。
一方の第1気密部材37は、図2および図3に示すように、断面が略5角形状のリング状に形成され、かつ上方の外周端の角部37aがテーパー面状の弁座28に線接触により当接するように形成されている。また、第1気密部材37の内周部37bは、軸31に嵌め合うように形成されている。
もう一方の第2気密部材38は、図4に示すように、断面が略D状のリング状に形成されて、その外周がテーパー面状の弁座28に線接触により当接するように形成されている。また、第2気密部材38の内周部38bは、軸31に嵌め合うように形成されている。
なお、これら気密部材37、38の外径、すなわち、シール径は、上方に配置される第1気密部材37の方が、下方に配置される第2気密部材38よりも小径となるように形成している。換言すると、第1気密部材37の角部37aが第2気密部材38の外径よりも小さくすることで弁座28に係る面圧が高くなることで弁座28とのシール性が良好となる。
さらに、流体通路側に通ずる方向に配置される第2気密部材38は、ゴムなどの弾性材料による一体成形によって形成するとともに、特に、特に、超臨界状態(液体と気体とが単一相となる状態)の二酸化炭素冷媒CO2に対して、接触や浸漬による発泡などの影響を受け難い耐ブリスタ性の優れる材料であるIIR、H−NBR、またはEPDMのいずれかで形成している。
そして、第1気密部材37は、上述した第2気密部材38が冷媒側の圧力により変形して潰し代を過大に潰すことを防止するための気密部材であり、樹脂材料によって形成している。より具体的には、その樹脂材料は、上述した第2気密部材38のIIR、H−NBR、またはEPDMよりも二酸化炭素CO2に対する透過係数が小さい材料で、例えば、PA11(ナイロン11)、PA12(ナイロン12)、またはHDPE(高密度ポリエチレン)のいずれかより形成している。
これによれば、上述したゴム系および樹脂系の材料における二酸化炭素CO2に対する透過係数は、EPDM>H−NBR(中高ニトリル)>PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)>IIR>PA12(ナイロン12)の順に小さくなっている。つまり、PA11(ナイロン11)もしくはPA12(ナイロン12)により第1気密部材37を形成することで、第2気密部材38により透過した二酸化炭素冷媒CO2を第1気密部材37で透過を防止することができる。
また、上記、PA11(ナイロン11)、PA12(ナイロン12)、およびHDPE(高密度ポリエチレン)は、ともに緻密な分子構造である結晶性樹脂材であるためガスバリア性にも優れるものである。なお、バルブコア本体20の溝部23に配設されるOリング22においても、第2気密部材38と同じように、耐ブリスタ性の優れる材料で形成することが望ましい。
次に、以上の構成によるバルブコア50の作用について図5および図6に基づいて説明する。図5(a)ないし図5(c)は可動シャフト30の作用形態を示す説明図である。図6(a)は超臨界冷凍サイクルにおける温度と圧力との関係を示す特性図であり、図6(b)は高温高圧域における洩れ量の比較を示す特性図である。
まず、通常時には、圧縮コイルバネ40と内圧とによって可動シャフト30の弁体37、38を弁座28に着座させる方向に付勢されている。そして、バルブステム10の上方から冷媒をチャージ(充填)するときには、圧縮コイルバネ40の弾発力よりも大きい力を掛けることで、図5(a)に示すように、可動シャフト30が下方側に可動して弁体37、38が弁座28を開弁してバルブステム10の上方から冷媒が流体通路側にチャージ(充填)される。
なお、ここでは、冷媒をチャージするときに開弁させたが、これに限らず、流体通路側の冷媒の回収を行うときにも開弁させている。次に、流体通路側に冷媒が充填されているときのシール性について説明する。流体通路側の冷媒の圧力、すなわち内圧が低いときは、図5(b)に示すように、可動シャフト30が内圧により上方側に押されることで、下方第2気密部材38と上方の第1気密部材37の角部37aが弁座28に当接される。
具体的には、第2気密部材38が弁座28に当接されることで外形が潰されてシールしている。このときに、第1気密部材37においても、角部37aが弁座28に当接されてシールを行っている。つまり、第2気密部材38での二酸化炭素冷媒CO2の透過量が小さいため角部37aと弁座28との接触部に係る面圧が小さいがこの部分においてもシールを行っている。
そして、流体通路側の冷媒の内圧が高くなってくると、図5(c)に示すように、可動シャフト30が上方側に押されることで、第2気密部材38が上述よりもさらに潰されるとともに、第1気密部材37の角部37aと弁座28との接触部に係る面圧が高くなってくる。
つまり、内圧が高くなると、第2気密部材38での二酸化炭素冷媒CO2の透過量が増加するため、第1気密部材37の接触部に係る面圧が高くなることでシール性が良好となる。しかも、第1気密部材37が透過係数の小さい樹脂材料で形成されているため、第1気密部材37の内部を透過する冷媒洩れ量を最小限に抑えることができる。
ここで、圧縮コイルバネ40の付勢力と第2気密部材38の弾性力とは、上記のような第1気密部材37の着座特性を生み出すように設定されている。これを図6(a)および図6(b)で説明すると、二酸化炭素冷媒CO2を使用する超臨界冷凍サイクルでは、図6(a)に示すように、一定温度(臨界点)を超えると温度に対して圧力は一意に決まらなくなるが、一般的に温度が高くなると圧力が急激に上昇する傾向がある。
従って、洩れ量と温度/圧力との関係は、図6(b)に示すように、温度/圧力が高くなると洩れ量が増加する傾向がある。図中の破線で示す従来例では、二酸化炭素CO2に対する透過係数を問わない通常のゴム材から成る弾性材料で形成された弁体を用いたときの洩れ量と温度/圧力との関係であって、温度/圧力が高くなると洩れ量が急激に増加している。
ところが、図中の実線で示す本実施形態のように、樹脂材料からなる第1気密部材37と弾性材料からなる第2気密部材38を用いると、特に、温度/圧力が高温/高圧域において洩れ量を最小限に抑えることができる。
以上の第1実施形態によるチャージ用バルブのバルブコアによれば、弁体37、38には、大気側に通ずる方向に配置される第1気密部材37と、流体通路側に通ずる方向に配置される第2気密部材38とが設けられ、第2気密部材38は、CO2冷媒に対して耐ブリスタ性の優れる弾性材料で形成されるとともに、第1気密部材37は、第2気密部材38よりも二酸化炭素CO2冷媒に対して透過係数が小さい樹脂材料で形成されている。
これよれば、第1気密部材37および第2気密部材38の内部を透過する冷媒洩れ量を最小限に抑えることができる。また、第1気密部材37が大気側に通ずる方向に配置されることでシール径を小さくすることができる。また、特に内圧が高くなるとシール部である接触部における弁座28に係る面圧が高くなることで弁座28とのシール性が良好である。さらに、内圧に応じて第1気密部材37と第2気密部材38とで弁座28をシールすることができる。
また、第1気密部材37の弁座28に圧接される接触面積は、弁座28に圧接される第2気密部材38の接触面積よりも小さく形成されることにより、流体通路側に通ずる第2気密部材38よりも大気側に通ずる第1気密部材37の方がシール径を小さくすることができるため面圧を高めることができる。従って、第1気密部材37の方が第2気密部材38よりも弁座28とのシール性が良好である。
また、第1気密部材37を略5角形状のリング状に形成し、その外形に角部27a設けたことにより、第1気密部材37が弁座28に対して、線接触により気密することができる。これにより、接触部における弁座28に係る面圧を高めることができるため弁座28とのシール性が良好である。
また、第1気密部材37は、PA11(ナイロン11)、PA12(ナイロン12)、またはHDPE(高密度ポリエチレン)のいずれか一つで形成されることにより、第2気密部材38は、CO2冷媒に対して耐ブリスタ性の優れる弾性材料として、例えば、IIR、H−NBR、EPDMなどがあるが、上記材質の樹脂材料は、これらよりもCO2冷媒に対して透過係数が小さいため透過による冷媒洩れ量を最小限に抑えることができる。
また、冷凍サイクルは、CO2冷媒を使用する超臨界冷凍サイクルであることにより、透過係数の小さい樹脂材料を用いることで超臨界冷凍サイクルに好適である。
(第2実施形態)
以上の第1実施形態では、可動シャフト30に二つの弁体37、38を構成させたが、これに限らず、図7に示すように、樹脂材料からなる第1気密部材37のみを構成させても良い。ここで、第1気密部材37を受ける第1弁体受け面33は、別体で形成し、その第1弁体受け面33を軸31に嵌め合わせた後に、受け面支持部34をかしめ加工によって塑性変形させて一体的に結合している。
以上の第1実施形態では、可動シャフト30に二つの弁体37、38を構成させたが、これに限らず、図7に示すように、樹脂材料からなる第1気密部材37のみを構成させても良い。ここで、第1気密部材37を受ける第1弁体受け面33は、別体で形成し、その第1弁体受け面33を軸31に嵌め合わせた後に、受け面支持部34をかしめ加工によって塑性変形させて一体的に結合している。
これによれば、弾性材料の第2気密部材38を設けなくとも第1気密部材37の内部を透過する冷媒洩れ量を最小限に抑えることができる。なお、第1気密部材37が大気側に通ずる方向に配置されることでシール径を小さくすることができる。特に内圧が高くなると接触部における弁座28に係る面圧が高くなることで弁座28とのシール性が良好である。また、第1弁体受け面33を別体で形成することで軸10を小径で形成することができる。
(第3実施形態)
以上の実施形態では、第1気密部材37の断面形状を略5角形状のリング状に形成したが、これに限らず、略5角形状の多角形状の他に、図8(a)ないし図8(d)に示すように形成しても良い。
以上の実施形態では、第1気密部材37の断面形状を略5角形状のリング状に形成したが、これに限らず、略5角形状の多角形状の他に、図8(a)ないし図8(d)に示すように形成しても良い。
より具体的には、図8(a)に示すように、断面形状を台形の略矩形状のリング状に形成し、その上方の外周端に角部37aを設けている。また、図8(b)に示すように、断面形状を略扇形状のリング状に形成している。また、図8(c)に示すように、断面形状を略半円形状のリング状に形成している。さらに、図8(d)に示すように、断面形状を略円形状のリング状に形成している。
以上の形状によれば、第1気密部材37を上述のような断面形状で形成することにより第1気密部材37が弁座28に対して、線接触により気密することができる。これにより、接触部における弁座28に係る面圧を高めることができるため弁座28とのシール性が良好である。また、以上の形状のうち、略半円形状および略円形状で形成すると、軸31への組付けが容易である。
(他の実施形態)
以上の実施形態では、第1気密部材37を受ける第1弁体受け面33を軸31に一体的に形成して設けたが、これに限らず、具体的には、図9に示すように、第1弁体受け面33を設けずに、第1気密部材37と第2気密部材38とが隣接して配置するように可動シャフト30を構成しても良い。
以上の実施形態では、第1気密部材37を受ける第1弁体受け面33を軸31に一体的に形成して設けたが、これに限らず、具体的には、図9に示すように、第1弁体受け面33を設けずに、第1気密部材37と第2気密部材38とが隣接して配置するように可動シャフト30を構成しても良い。
また、以上の実施形態のチャージ用バルブは、種々の冷媒を用いる冷凍サイクルに適用でき、好適な例として、二酸化炭素のような比較的透過性が高い冷媒を用いる冷凍サイクルに適用することができる。
20…バルブコア本体
28…弁座
30…可動シャフト
37…第1気密部材、弁体
38…第2気密部材、弁体
40…圧縮コイルバネ(バネ部材)
28…弁座
30…可動シャフト
37…第1気密部材、弁体
38…第2気密部材、弁体
40…圧縮コイルバネ(バネ部材)
Claims (6)
- 気体を収容する流体通路または容器の内外を連通する開口部に配設され、テーパー面状の弁座(28)を有するバルブコア本体(20)と、
前記バルブコア本体(20)に挿通され、前記弁座(28)を気密する弁体(37、38)を有する可動シャフト(30)と、
前記バルブコア本体(20)と前記可動シャフト(30)との間に配設されたバネ部材(40)とを備え、
内圧と前記バネ部材(40)とが前記弁体(37、38)を前記弁座(28)に着座させる方向に付勢するチャージ用バルブのバルブコアにおいて、
前記弁体(37、38)には、第1気密部材(37)と、前記第1気密部材(37)よりも前記流体通路または前記容器の内側に配置される第2気密部材(38)とが設けられ、
前記第2気密部材(38)は、収容された気体に対して耐ブリスタ性の優れる弾性材料で形成されるとともに、前記第1気密部材(37)は、前記第2気密部材(38)よりも収容された気体に対して透過係数が小さい樹脂材料で形成されることを特徴とするチャージ用バルブのバルブコア。 - 気体を収容する流体通路または容器の内外を連通する開口部に配設され、テーパー面状の弁座(28)を有するバルブコア本体(20)と、
前記バルブコア本体(20)に挿通され、前記弁座(28)を気密する弁体(37、38)を有する可動シャフト(30)と、
前記バルブコア本体(20)と前記可動シャフト(30)との間に配設されたバネ部材(40)とを備え、
内圧と前記バネ部材(40)とが前記弁体(37、38)を前記弁座(28)に着座させる方向に付勢するチャージ用バルブのバルブコアにおいて、
前記弁体(37)には、第1気密部材(37)が設けられ、
前記第1気密部材(37)は、収容された気体に対して透過係数が小さい樹脂材料で形成されることを特徴とするチャージ用バルブのバルブコア。 - 前記第1気密部材(37)の前記弁座(28)に圧接される接触面積は、前記第2気密部材(38)の前記弁座(28)に圧接される接触面積よりも小さく形成されることを特徴とする請求項1に記載のチャージ用バルブのバルブコア。
- 前記第1気密部材(37)は、略矩形状、略多角形状、略扇形状、略半円形状、または略円形状のいずれか一つの断面形状で、かつリング状に形成されたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のチャージ用バルブのバルブコア。
- 前記第1気密部材(37)は、PA11(ナイロン11)、PA12(ナイロン12)、またはHDPE(高密度ポリエチレン)のいずれか一つで形成されることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のチャージ用バルブのバルブコア。
- 前記流体通路または前記容器は、冷凍サイクルであって、CO2冷媒を使用する超臨界冷凍サイクルであることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のチャージ用バルブのバルブコア。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006218803A JP2008045766A (ja) | 2006-08-10 | 2006-08-10 | チャージ用バルブのバルブコア |
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JP2006218803A JP2008045766A (ja) | 2006-08-10 | 2006-08-10 | チャージ用バルブのバルブコア |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2008045766A true JP2008045766A (ja) | 2008-02-28 |
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ID=39179675
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JP2006218803A Pending JP2008045766A (ja) | 2006-08-10 | 2006-08-10 | チャージ用バルブのバルブコア |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2008045766A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012177484A (ja) * | 2011-02-25 | 2012-09-13 | Ngk Spark Plug Co Ltd | 燃焼圧力センサ付きグロープラグ |
WO2018186106A1 (ja) * | 2017-04-05 | 2018-10-11 | 株式会社デンソー | 冷媒漏れ検知装置、冷凍サイクル装置 |
-
2006
- 2006-08-10 JP JP2006218803A patent/JP2008045766A/ja active Pending
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