JP2008038769A - ギヤポンプ - Google Patents

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鈴木  茂
Masaki Ota
太田  雅樹
Kazuro Murakami
和朗 村上
Katsumi Yamashita
勝巳 山下
Hironao Yokoi
宏尚 横井
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Abstract

【課題】組立て時のバックラッシ量の調整や、実測寸法による部品のランク分け及び選択嵌合を必要とすることなく、バックラッシレス状態での運転を実現すると共に、ギヤ対が互いに押し付けあう荷重を低減し、部品の耐久性や機械効率の向上を図ったギヤポンプを提供する。
【解決手段】平行部3b2を有する軸受穴3bが、直線L1に対してθ°傾いた状態で配置されている。軸受穴3bにはプレーン軸受9が挿入されており、プレーン軸受は直線L1に対してθ°傾いた方向へ移動可能となっている。傾きの方向は、プレーン軸受9が駆動ギヤ回転軸6の方向に移動するにつれて高圧側空間領域HP側へ向かう方向となっている。傾きの角度は、オイル圧に起因する荷重Fpと、伝達トルクに起因する荷重Ftとの合力の方向と、直線L1に対して垂直方向とが成す角度θ1よりも小さくなっている。
【選択図】図5

Description

この発明はギヤポンプに関する。
ギヤポンプにおいて、吐出脈動を増大させる原因の1つにバックラッシの存在が挙げられる。バックラッシとは、図15に示されるように、駆動ギヤ71のギヤ歯72の歯面72aと、従動ギヤ73のギヤ歯74の歯面74aとの間に形成された隙間(バックラッシBR)のことである。バックラッシBRが存在すると、駆動ギヤ71側の閉塞領域75と従動ギヤ73側の閉塞領域76とがバックラッシBRを介して連通し、1つの閉塞領域を形成する。このバックラッシBRを縮小して閉塞領域75と閉塞領域76とを分離することにより、ギヤポンプの吐出脈動の増大及び、これに起因する騒音の増大をともに抑制することが公知である。
例えば特許文献1では、バックラッシを0または略0、すなわちバックラッシレスの状態で運転を行うために、従動ギヤ側の軸受穴を長穴形状にして軸受をギヤ対が接離する方向に移動可能とし、軸受の位置を調整可能にするねじ機構を設け、組立て時にねじ機構の調整を行うことによって、駆動ギヤ側の軸受と従動ギヤ側の軸受との軸受間距離をバックラッシレスのギヤ噛合いが可能な最適な距離にするギヤポンプが記載されている。
また、特許文献2には、ギヤポンプの運転中、ギヤ対にはギヤポンプ内部に生じる圧力差に起因する荷重が互いに接近する方向に作用することを利用して、駆動ギヤ及び従動ギヤに接続される回転軸と、それぞれの回転軸を支持する軸受との間に隙間を設け、この荷重によってギヤ対同士が押し付け合ってバックラッシレスのギヤ噛合いが可能となるギヤポンプが記載されている。
特開2001−32780号公報 特開2000−179468号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたギヤポンプのように、組立て時にバックラッシ量の調整を行うことは効率的とは言えず、コストが高くなるという問題点を有している。また、組立て時の調整を行わずにバックラッシレス状態での運転を実現するためには、各部品を実測寸法に応じてランク分けし、組立て時に選択嵌合を行う必要があり、同様にコストが高くなるという問題点を有している。
また、特許文献2に記載されたギヤポンプでは、ギヤポンプ内部の圧力差によりギヤ対が押し付けあう荷重が大きすぎる場合、ギヤの歯面及び軸受の、磨耗やピッチングの原因となり、また、動力損失が発生するためにギヤポンプの機械効率が悪化する原因にもなっている。
この発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、組立て時のバックラッシ量の調整や、実測寸法による部品のランク分け及び選択嵌合を必要とすることなく、バックラッシレス状態での運転を実現すると共に、ギヤ対が互いに押し付けあう荷重を低減し、部品の耐久性や機械効率の向上を図ったギヤポンプを提供することを目的とする。
この発明に係るギヤポンプは、ギヤ室内に収容され、互いに外接して噛合う駆動ギヤ及び従動ギヤのギヤ対と、駆動ギヤに接続し、外部から駆動力を与えられる駆動ギヤ回転軸と、従動ギヤに接続する従動ギヤ回転軸と、従動ギヤ回転軸を回転可能に支持するすべり軸受と、すべり軸受を挿入する軸受穴を有するハウジングとを備え、外部から吸入された流体をギヤ室で昇圧して吐出するギヤポンプにおいて、軸受穴はギヤ対が接離する方向に対して、傾きを持った方向へ移動可能にすべり軸受を支持し、傾きの方向は、すべり軸受が駆動ギヤ側に移動するにつれて、ギヤ室内に発生する高圧側空間領域側へ向かう方向であり、傾きの角度は、ギヤ室内に発生する流体圧力により、従動ギヤ回転軸に作用する荷重と、駆動ギヤ回転軸を介して外部から伝達される伝達トルクにより、従動ギヤ回転軸に作用する荷重との合力が作用する方向と、ギヤ対が接離する方向に垂直な方向とがなす角度よりも小さいことを特徴とするものである。
すべり軸受を移動可能に支持することによって、組立て時のバックラッシ量の調整や、実測寸法による部品のランク分け及び選択嵌合を必要とすることなく、バックラッシレス状態での運転することが実現できる。さらに、軸受穴をギヤ対が接離する方向に対して傾けて配置することによって、ギヤ対が互いに押し付けあう荷重を低減してギヤ対に作用する荷重が最適化され、部品の耐久性や機械効率を向上させることが実現できる。
軸受穴は傾きの方向に平行な平行部を備え、すべり軸受が平行部に沿って移動可能であってもよい。
すべり軸受は、軸受穴の平行部と対向する位置に平坦面を備え、すべり軸受の平坦面は、平行部と接触して、すべり軸受の回転を規制してもよい。すべり軸受が回り止めされるので、すべり軸受の外周面及び軸受穴の摩耗を低減できる。
ハウジングには、すべり軸受を支持するピンが設けられ、すべり軸受は、傾きの方向を長手方向とする長穴形状を有するガイド穴を備え、すべり軸受のガイド穴はピンが挿入されて、すべり軸受の回転を規制してもよい。すべり軸受の外周面に平坦面を設けなくても、すべり軸受の回り止めが可能となる。
軸受穴は、傾きの方向に平行な平行部を備え、すべり軸受に接触する軸受接触面と、軸受穴の平行部に接触する軸受穴接触面とを有するスライドブロックが、軸受穴に挿入され、平行部に沿って移動可能であってもよい。円筒状のすべり軸受を利用でき、すべり軸受の肉厚を薄くすることが可能となる。
この発明によれば、組立て時のバックラッシ量の調整や、実測寸法による部品のランク分け及び選択嵌合を必要とすることなく、バックラッシレス状態での運転を実現すると共に、ギヤ対が互いに押し付けあう荷重を低減し、部品の耐久性や機械効率を向上させることが可能となる。
以下に、この発明の実施の形態1〜3を添付図面1〜10に基づいて説明する。
実施の形態1.
この実施の形態1に係るギヤポンプの構造について、荷役装置用の油圧ポンプとして適用した場合を例にして、図1〜3に基づいて説明する。
図1に示すように、ギヤポンプ1は、内部にギヤ対を収納するための空洞部を有するボディ2と、この空洞部を塞ぐようにボディ2の両側に設けられた一対のハウジング3とを備えている。また、ボディ2の空洞部とハウジング3の端面との間には、一対のサイドプレート4が設けられている。サイドプレート4がボディ2の空洞部を囲むことにより、ギヤポンプ1の内部には、ギヤ室10が形成されている。
駆動ギヤ5aには、駆動ギヤ回転軸6が一体として回転するように固定されている。一方、一対のハウジング3の駆動ギヤ5aの両端に位置する部位には、それぞれ軸受穴3aが形成されている。軸受穴3aには、それぞれ両端が開口した円筒形状のプレーン軸受7が挿入されている。このプレーン軸受7に駆動ギヤ回転軸6が挿入され、駆動ギヤ回転軸6はプレーン軸受7によって回転自在に支持されている。また、駆動ギヤ回転軸6の一端は一方のハウジング3を貫通してギヤポンプ1の外部に延出し、図示しない外部動力源に接続され、その外部動力源によって駆動ギヤ回転軸6に駆動力が与えられる。外部に延出する駆動ギヤ回転軸6の途中の外周面にはオイルシール11が設けられ、ギヤポンプ1内にあるオイルが、駆動ギヤ回転軸6に沿って外部へ漏洩するのを防止する。
また、従動ギヤ5bには、従動ギヤ回転軸8が一体として回転するように固定されている。一対のハウジング3の従動ギヤ5bの両端に位置する部位にも、それぞれ有底の軸受穴3bが形成されている。軸受穴3bには、それぞれ両端が開口した円筒形状のすべり軸受であるプレーン軸受9が挿入されている。このプレーン軸受9に従動ギヤ回転軸8が挿入され、従動ギヤ回転軸8はプレーン軸受9によって回転自在に支持されている。
図2に示すように、ギヤ室10の内部には、互いに外接して噛合う駆動ギヤ5a及び従動ギヤ5bからなるギヤ対5が噛合い状態で収容されている。昇圧すべき流体であるオイルをギヤポンプ1の外部からギヤ室10内に吸入するため、ギヤ対5の噛合い部の図2の右側には図示しない吸入口が設けられ、ギヤポンプ1の外部とギヤ室10とを連通している。また、昇圧したオイルをギヤポンプ1の外部へ吐出するため、図示しない吐出口もギヤ対5の噛合い部の図2の左側に設けられ、ギヤポンプ1の外部とギヤ室10とを連通している。ここでギヤ室10において、ギヤ対5の図2の右側の部分で、吸入口に連通する空間を吸入側空間INとし、ギヤ対5の図2の左側の部分で、吐出口に連通する空間を吐出側空間OUTとする。
駆動ギヤ5aが矢印方向に回転すると、駆動ギヤ5aと噛合う従動ギヤ5bは噛合いながら逆回転する。吸入口から吸入したオイルは、吸入側空間INから、駆動ギヤ5aの歯間又は従動ギヤ5bの歯間、ボディ2及びサイドプレート4によってほぼ閉成された空間Sに閉じこめられて吐出側空間OUTへ移動し、昇圧された状態で吐出口から吐出する、いわゆるポンプ作用が営まれる。
このポンプ作用により、ギヤ室10内にはオイルの圧力差が生じる。具体的には、太実線で示す高圧側空間領域HPと、太破線で示す低圧側空間領域LPが形成される。高圧側空間領域HPは、サイドプレート4に形成された図示しない小さな面取り部を介して、吐出側空間OUTと連通している領域であって、昇圧されたオイルで満たされている領域である。この高圧側空間領域HPは、吐出側空間OUTから少なくとも中央を越えて、吸入側空間IN側にα°入り込んだ範囲まで形成されている。また、吸入側空間INを中心とした残りの部分が低圧側空間領域LPとなる。この低圧側空間領域LPでのオイル圧力は、昇圧される前の圧力であり、高圧側空間領域HPにおけるオイル圧力とは隔たりがある。
次に、図3を用いて従動ギヤ回転軸8の支持構造を説明する。
図3は、従動ギヤ回転軸8の支持構造について、従動ギヤ回転軸8の軸中心線方向から見た断面図である。従動ギヤ回転軸8と駆動ギヤ回転軸6との位置関係を明確にするために、駆動ギヤ回転軸6を破線で示す。
従動ギヤ回転軸8がプレーン軸受9を介して挿入される軸受穴3bの断面形状は、同径の2つの半円部3b1を対向して配置し、その対向する半円部の端点同士を平行な2本の直線である平行部3b2で結んだ長穴形状となっている。また、平行部3b2は、ギヤ対5が接離する方向である直線L1に対して、反時計回りの方向(図3の左側方向)、すなわち、プレーン軸受9が、駆動ギヤ5a側に移動するにつれて、ギヤ室10内に発生する高圧側空間領域HP側へ向かう方向に傾きの角度θ°の状態となっている。ここで、ギヤ対5が接離する方向とは、軸受穴3aの中心3a1と軸受穴3bの中心3b3とを結ぶ直線の方向であり、軸受穴3bの中心とは、平行部3b2の中点同士を結んだ直線と、対向する半円部3b1の中心点同士を結んだ直線の交点である。すなわち軸受穴3bは、半円部3b1と平行部3b2とで構成された長穴形状が、駆動ギヤ5a側の半円部3b1が図3の左側方向に、直線L1に対してθ°傾いた状態で配置されたものである。ここで、軸受穴3bの中心3b3から見て直線L1に対してθ°の傾きを示す直線をL2とする。
直線L2を長手方向とする長穴形状の軸受穴3bにプレーン軸受9が挿入されるため、プレーン軸受9は軸受穴3bの直線L2に沿った方向に移動可能な構造となっている。したがって、軸受穴3bは従動ギヤ回転軸8を回転可能に支持すると共に、直線L2に沿った方向に移動可能に支持している。
なお、プレーン軸受9の外周は円筒面を形成しているが、その一部は削除されて2つの矩形の平坦面9bが形成されている。それぞれの平坦面9bは、軸受穴3bの平行部3b2と対向する位置に配置され、プレーン軸受9の回り止め機能を果たしている。
さらに、プレーン軸受9の内周面側には従動ギヤ回転軸8が挿入される。従動ギヤ回転軸8とプレーン軸受9との間には軸受隙間CLSが形成されており、従動ギヤ回転軸8とプレーン軸受9とが、油膜を介して接触点Pで接触する構造となっている。
ハウジング3に形成される長穴形状の軸受穴3b、プレーン軸受9及び従動ギヤ回転軸8は、以上のような位置関係をもって配置される支持構造となっている。
次に、この実施の形態1に係るギヤポンプ1の動作について、図2、図4〜10に基づいて説明する。
まず、図2に示すように、駆動ギヤ回転軸6に外部より駆動力を与えると、それに伴って駆動ギヤ5aが図2の矢印方向に回転する。駆動ギヤ5aと互いに噛合う従動ギヤ5bは、従動ギヤ回転軸8と共に駆動ギヤ5aとは逆方向に同期回転を始める。ギヤ対5が噛合いながら回転を始めると、吸入口から吸入したオイルは吸入側空間INから空間Sに閉じこめられて吐出側空間OUTへ移動し、昇圧された状態で吐出口から吐出される。同時に、ギヤ室10内には昇圧前のオイル圧と昇圧後のオイル圧との差が生じ、駆動ギヤ5a及び従動ギヤ5bにはオイルの圧力差に起因する荷重Fpが作用する。よって、駆動ギヤ回転軸6及び従動ギヤ回転軸8にはオイル圧の差に起因する荷重Fpが、それぞれ図示の矢印のように高圧側空間領域HPから低圧側空間領域LPに向かう方向で作用する。
また、ギヤ対5の噛合い部においては、外部より駆動ギヤ回転軸6に与えられる駆動力が、駆動ギヤ5aの歯面から、接触している従動ギヤ5bの歯面へと伝達される。この伝達トルクに起因する荷重Ftが、駆動ギヤ5a及び従動ギヤ5bの互いに接触している歯面に、それぞれ反対方向に向かって作用している状態となる。したがって、駆動ギヤ回転軸6及び従動ギヤ回転軸8には伝達トルクに起因する荷重Ftが、それぞれ図示の矢印のように反対方向に向かって作用する。
ところで、ギヤポンプ1を構成する各部品の寸法には、製造時に所定の公差範囲内のばらつきが生じる。このばらつきによって、従動ギヤ回転軸8とプレーン軸受9との接触点Pの位置にもばらつきが生じる。
例えば図4に示すように、従動ギヤ回転軸8の中心から見て直線L2と垂直な方向に一致する点をP0として、接触点Pの位置がP0より図4の上側にある場合、接触点Pには従動ギヤ回転軸8の中心から見て接触点Pの方向に荷重Fが作用する。この荷重Fは、オイル圧の差に起因する荷重Fpと回転トルクに起因する荷重Ftとの合力の、従動ギヤ回転軸8の中心から見て接触点Pへ向かう方向の成分である。接触点Pに作用する荷重Fの直線L2方向成分である荷重FLにより、プレーン軸受9は直線L2の方向に沿って駆動ギヤ回転軸6に接近する方向(図4の上方向)に移動する。
プレーン軸受9が図4の上方向に移動するにつれて接触点Pの位置も変化し、従動ギヤ回転軸8の中心から見て直線L2と垂直な方向に一致する点である点P0に近づいてくる。従動ギヤ回転軸8とプレーン軸受9とが点P0で接触すると、図5に示すように荷重Fが作用する方向は直線L2と垂直になるため、プレーン軸受9に作用する荷重Fの直線L2方向成分である荷重FLは0となる。したがって、プレーン軸受9は従動ギヤ回転軸8と点P0で接触する位置、すなわち図5に示した位置で安定する。
一方、図6に示すように接触点Pの位置がP0より図6の下方になった場合も、接触点Pには従動ギヤ回転軸8の中心から見て接触点Pの方向に荷重Fが作用する。荷重Fの直線L2方向成分である荷重FLによって、プレーン軸受9は図4の場合とは逆に直線L2の方向に沿って駆動ギヤ回転軸6から離れる方向(図6の下方向)に移動し、従動ギヤ回転軸8と点P0で接触する位置、すなわち図5で示した位置で安定する。
以上のように、ギヤポンプ1においては、ギヤ室内のオイル圧の差に起因する荷重Fpと回転トルクに起因する荷重Ftとによって、プレーン軸受9が点P0で従動ギヤ回転軸8に接触するまで自律的に移動して安定する。
ここで、図7に示すように、プレーン軸受9の位置が安定した後の従動ギヤ回転軸8は、オイル圧の差に起因する荷重Fp及び回転トルクに起因する荷重Ftと、プレーン軸受9の軸受反力Fbが作用している状態となる。プレーン軸受9の軸受反力Fbは図5における荷重Fの反力であるから、その作用方向は直線L2に直角な方向となっている。すなわち、軸受反力Fbが作用する方向は、従動ギヤ回転軸8の中心から見て水平な方向に対して、図7に示す方向にθ°の角度を成している。
オイル圧の差に起因する荷重Fpと、回転トルクに起因する荷重Ftと、軸受反力Fbとの各垂直方向成分によって、従動ギヤ回転軸8に作用する垂直方向(直線L1方向)の荷重Fgが発生する。この荷重Fgが図7の上方に向かって従動ギヤ回転軸8に作用することによって、従動ギヤ5bは駆動ギヤ5aに押し付けられた状態で回転し、バックラッシレス状態での運転が可能となる。
また、図8に示すように、直線L1と軸受穴3bとの傾きが0°、すなわち軸受穴3bの平行部3b2が直線L1と略平行となる場合、軸受反力Fbは水平方向に作用する荷重となる。よって、軸受反力Fbはギヤ対5を接離させる方向には作用せず、従動ギヤ5bが駆動ギヤ5aに押し付けられる荷重Fgは、荷重Fp及びFtの垂直方向成分のみによって生じる荷重となる。
以上より、軸受穴3bを直線L1に対して高圧側空間領域HPへ向かう方向、すなわち、プレーン軸受9が、駆動ギヤ5a側に移動するにつれて、ギヤ室10内に発生する高圧側空間領域HP側へ向かう方向に傾けて配置した場合、軸受反力Fbの垂直方向成分はギヤ対5が接近する方向への荷重を低減させる方向に作用する。したがって、従動ギヤ5bが駆動ギヤ5aに押し付けられる荷重Fgは、傾きを設けない場合と比較して低減される状態となる。
次に、図9、10を用いて直線L1と軸受穴3bとが成す角度θについて説明する。
図9に示すように、従動ギヤ回転軸8の中心から見て水平な方向(図9の左右方向)と、オイル圧の差に起因する荷重Fpと回転トルクに起因する荷重Ftとの合力が作用する方向とが成す角度をθ1とする。θ>θ1と設定した場合、図中下方向に作用する荷重Ft及びFbの垂直方向成分の和は図中上方向に作用する荷重Fpの垂直方向成分より大きくなり、Fgは図9の下方向への荷重となる。よって、荷重Fgはギヤ対5が押し付けあう方向ではなく、離れる方向へ作用してしまい、バックラッシが発生してしまう。
また、図10に示すように、θ<0、すなわち、軸受穴3bが図10の右側へ傾くようにθを設定した場合、軸受反力Fbの垂直方向成分は、荷重Fpと同様にギヤ対5が押し付けあう方向に作用する。よって、ギヤ対5の歯面の面圧が高くなり、ギヤの歯面及び軸受の磨耗やピッチングの原因となる。また、動力損失が発生してギヤポンプの機械効率が悪化する。
したがって、軸受穴3bの傾きの角度θは、図5に示すように、0<θ<θ1であることが望ましく、具体的にはθが5°〜12°の範囲内であることが望ましい。
このように、ギヤポンプ1においては、軸受穴3bを長穴形状として従動ギヤ回転軸8を移動可能に支持することによって、組立て時の調整や選択嵌合を行うことを必要とせずに、バックラッシレス状態での運転が可能になる。
さらに、軸受穴3bを、従動ギヤ回転軸8が駆動ギヤ5aに接近するにつれて高圧側空間領域HPの方向へ向かうように傾けて配置し、傾きθの角度を、ギヤ室10内に発生するオイル圧に起因する荷重Fpと外部から駆動ギヤ回転軸6に伝達される駆動力に起因する荷重Ftとの合力の方向と、直線L1に垂直な方向とが成す角度よりも小さくすることによって、ギヤ対5が離れる方向に所定の荷重を発生させることが可能となるため、最適な荷重でギヤ対5が押し付けあうようにすることができる。これにより、ギヤ対5の歯面に作用する面圧が最適化されて動力損失が低減し、歯面及びプレーン軸受の、摩耗やピッチングが低減される。したがって、ギヤ対5やプレーン軸受9等の部品の耐久性を向上させることが可能となる。
また、プレーン軸受9の外周の一部に平坦面9bを設け、平坦面9bと軸受穴3bの平行部3b2とが接触するように配置することによって、プレーン軸受9が回り止めが実現でき、軸受穴3bやプレーン軸受9の摩耗を低減することが可能となる。
実施の形態2
実施の形態2に係るギヤポンプについて図11、12に基づいて説明する。尚、以下の実施の形態において、図1〜10の参照符号と同一の符号は、同一または同様な構成要素であるので、その詳細な説明は省略する。
この実施の形態2に係るギヤポンプ20は、実施の形態1に対して、プレーン軸受の支持構造を変更したものである。図11は、軸受穴3bの傾きの方向を示す直線L2(図12参照)に沿った断面を示す部分断面側面図である。また、図12は従動ギヤ回転軸8の支持構造について従動ギヤ回転軸8の中心線方向から見た断面図である。
図11及び12に示すように、ハウジング23には直線L2上に有底の円筒形状である2つのピン穴23aが形成されており、それぞれのピン穴23aには円筒形状のピン21の一端が挿入されている。ピン21の他端は、プレーン軸受19の径方向に対向して形成されているガイド穴19aに挿入されている。図12に示すように、ガイド穴19aの断面形状は、対向する2つの半円部を対向して配置し、その対向する半円部の端点同士を平行な直線で結んだ長穴形状となっており、すなわち、直線L2の方向を長手方向とする長穴形状となっている。その他の構成については実施の形態1と同様である。
長穴形状であるガイド穴19aに、軸受穴3bの傾きを示す直線L2上に設けられたピン21が挿入されるため、プレーン軸受19は、ガイド穴19aが軸受穴3bと同様に傾いた状態で支持される。したがって、プレーン軸受19は軸受穴3b内をL2方向へ移動可能に支持されると共に、ピン21によって回り止めされる状態となる。
以上のように、プレーン軸受19の外周面に、平坦面を形成する面取り加工を施さなくても、プレーン軸受19の回り止めが実現できる。
実施の形態3
実施の形態3に係るギヤポンプの従動ギヤ回転軸8の支持構造を図13に示す。この実施の形態3は、実施の形態2に対して軸受穴及びプレーン軸受の形状を変更したものである。
図13に示すように、プレーン軸受29及び軸受穴33aの断面形状は曲線及び直線を組み合わせた形状となっている。プレーン軸受29には、直線L2方向を長手方向とする長穴形状であるガイド穴29aが形成されており、ガイド穴29aにはピン31の一端が挿入されている。ピン31の他端については、実施の形態2と同様にハウジングに設けられたピン穴に挿入されて支持されている。その他の構成についても実施の形態2と同様である。
このように、軸受穴及びプレーン軸受の形状を変更することによって、ガイド穴29a及びピン31の配置に関して、より自由度の高い設計を行うことが可能となり、プレーン軸受29が移動可能なストローク量を長く取ることが実現できる。
実施の形態4
実施の形態4に係るギヤポンプの従動ギヤ回転軸8の支持構造を図14に示す。この実施の形態4は、従動ギヤ回転軸8が、プレーン軸受39及びスライドブロック40を介して軸受穴43aに支持されるものである。
図14に示すように、従動ギヤ回転軸8がプレーン軸受39を介して挿入される軸受穴43aの断面形状は、低圧側空間領域LP側(図14の右側)の平行部43a2が、高圧側空間領域HP側(図14の左側)の平行部43a1よりも長くなった非対称の長穴形状となっている。このような長穴形状の軸受穴43aに、スライドブロック40及び円筒形状であるプレーン軸受39が挿入されている。
スライドブロック40の断面形状の一辺は、プレーン軸受39と接触する軸受接触面40aを形成しており、軸受接触面40aはプレーン軸受39の外径と略同径である円筒形状となっている。また、軸受接触面40aに対向した位置にあり、軸受穴43aと接触する一辺は、平坦面である軸受穴接触面40bを形成している。
このような形状であるスライドブロック40が、軸受穴43aの平行部43a2と軸受穴接触面40bとが接触するように配置されている。さらに、スライドブロック40の軸受接触面40aに接触する状態で、プレーン軸受39が挿入されている。したがって、プレーン軸受39及びスライドブロック40は、一体となって軸受穴43aの直線L2に沿った方向、すなわち、平行部43a2に沿って移動可能な構造となっている。その他の構成については実施の形態1と同様である。
このように、スライドブロック40を用いてプレーン軸受39を支持することによって、プレーン軸受39の軸受肉厚tを薄くすることが可能となる。また、荷重を受ける側(図14の右側)にスライドブロック40を配置することにより、接触面積を増やしてプレーン軸受39の摩耗を抑制することができる。
実施の形態1〜4において、この発明に係るギヤポンプを荷役装置用の油圧ポンプを例として説明したが、これに限定されるものではない。エンジンのオイル潤滑に用いる油圧ポンプや、燃料供給に用いるギヤポンプなど、他の用途に用いるギヤポンプにも適用できる。また、昇圧する流体も荷役装置用の油圧ポンプに使用されるオイルに限定されるものではなく、軽油やジメチルエーテル(DME)にも応用できる。
この発明の実施の形態1に係るギヤポンプの構造を示す断面側面図である。 実施の形態1に係るギヤポンプの構造を模式的に示す断面正面図である。 実施の形態1に係るギヤポンプの従動ギヤ回転軸の支持構造について、従動ギヤ回転軸の軸中心線方向から見た断面図である。 実施の形態1に係るギヤポンプの動作を説明するための模式図である。 実施の形態1に係るギヤポンプの動作を説明するための模式図である。 実施の形態1に係るギヤポンプの動作を説明するための模式図である。 実施の形態1に係るギヤポンプの従動ギヤ回転軸に作用する荷重を説明するための模式図である。 実施の形態1に係るギヤポンプの従動ギヤ回転軸に作用する荷重を説明するための模式図である。 実施の形態1に係るギヤポンプの角度θの設定範囲を説明するための模式図である。 実施の形態1に係るギヤポンプの角度θの設定範囲を説明するための模式図である。 この発明の実施の形態2に係るギヤポンプの構造を示す部分断面側面図である。 この発明の実施の形態2に係るギヤポンプの従動ギヤ回転軸の支持構造について、従動ギヤ回転軸の軸中心線方向から見た断面図である。 この発明の実施の形態3に係るギヤポンプの従動ギヤ回転軸の支持構造について、従動ギヤ回転軸の軸中心線方向から見た断面図である。 この発明の実施の形態4に係るギヤポンプの従動ギヤ回転軸の支持構造について、従動ギヤ回転軸の軸中心線方向から見た断面図である。 従来のギヤポンプの駆動ギヤ及び従動ギヤの噛合いを説明するための断面正面図である。
符号の説明
1,20 ギヤポンプ、3,23 ハウジング、3b,33a,43a 軸受穴、3b2,43a1,43a2 平行部、5 ギヤ対、5a 駆動ギヤ、5b 従動ギヤ、6 駆動ギヤ回転軸、8 従動ギヤ回転軸、9,19,29,39 プレーン軸受(すべり軸受)、9b 平坦面、10 ギヤ室、19a,29a ガイド穴、21,31 ピン、40 スライドブロック、40a 軸受接触面、40b 軸受穴接触面、HP 高圧側空間領域、θ° 傾きの角度。

Claims (5)

  1. ギヤ室内に収容され、互いに外接して噛合う駆動ギヤ及び従動ギヤのギヤ対と、
    前記駆動ギヤに接続し、外部から駆動力を与えられる駆動ギヤ回転軸と、
    前記従動ギヤに接続する従動ギヤ回転軸と、
    前記従動ギヤ回転軸を回転可能に支持するすべり軸受と、
    前記すべり軸受を挿入する軸受穴を有するハウジングと
    を備え、外部から吸入された流体を前記ギヤ室で昇圧して吐出するギヤポンプにおいて、
    前記軸受穴は、前記ギヤ対が接離する方向に対して、傾きを持った方向へ移動可能に、前記すべり軸受を支持し、
    前記傾きの方向は、前記すべり軸受が、前記駆動ギヤ側に移動するにつれて、前記ギヤ室内に発生する高圧側空間領域側へ向かう方向であり、
    前記傾きの角度は、
    前記ギヤ室内に発生する流体圧力により、前記従動ギヤ回転軸に作用する荷重と、
    前記駆動ギヤ回転軸を介して、外部から伝達される伝達トルクにより、前記従動ギヤ回転軸に作用する荷重と
    の合力が作用する方向と、
    前記ギヤ対が接離する方向に垂直な方向と
    がなす角度よりも小さいことを特徴とするギヤポンプ。
  2. 前記軸受穴は、前記傾きの方向に平行な平行部を備え、
    前記すべり軸受は、前記平行部に沿って移動可能である請求項1に記載のギヤポンプ。
  3. 前記すべり軸受は、前記軸受穴の前記平行部と対向する位置に、平坦面を備え、
    前記すべり軸受の前記平坦面は、前記平行部と接触して、前記すべり軸受の回転を規制する請求項2に記載のギヤポンプ。
  4. 前記ハウジングには、前記すべり軸受を支持するピンが設けられ、
    前記すべり軸受は、前記傾きの方向を長手方向とする長穴形状を有する、ガイド穴を備え、
    前記すべり軸受の前記ガイド穴は、前記ピンが挿入されて、前記すべり軸受の回転を規制する請求項1または2に記載のギヤポンプ。
  5. 前記軸受穴は、前記傾きの方向に平行な平行部を備え、
    前記すべり軸受に接触する軸受接触面と、前記軸受穴の前記平行部に接触する軸受穴接触面とを有するスライドブロックが、前記軸受穴に挿入され、前記平行部に沿って移動可能である請求項1に記載のギヤポンプ。
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