JP2008024429A - 電子装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】窒素原子を含む塩基性化合物の汚染を抑制することが可能な半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】中間生成物から窒素原子を含む塩基性化合物を放出可能にする第1製造工程の後、塩基性化合物による汚染で工程性能が劣化する第2製造工程に中間生成物を密閉型搬送容器60に収納して搬送する特定の工程間搬送経路において、密閉型搬送容器60の内部の相対湿度を密閉型搬送容器外部の環境相対湿度より低く制御する。
【選択図】図1
【解決手段】中間生成物から窒素原子を含む塩基性化合物を放出可能にする第1製造工程の後、塩基性化合物による汚染で工程性能が劣化する第2製造工程に中間生成物を密閉型搬送容器60に収納して搬送する特定の工程間搬送経路において、密閉型搬送容器60の内部の相対湿度を密閉型搬送容器外部の環境相対湿度より低く制御する。
【選択図】図1
Description
本発明は、密閉型搬送容器を用いる電子装置の製造方法に関する。
半導体装置の製造工程において、製造環境中に存在するアンモニア(NH3)、第1級〜第3級アミンを含むアミン類等の窒素原子を含む塩基性化合物が、化学増幅型レジストと反応して寸法変動を引き起こすことが知られている。したがって、化学増幅型レジストを使用するフォトリソグラフ工程では、製造環境中に存在するNH3やアミン類が装置内へ混入しないよう厳重に装置管理を行っている。例えば、保管環境のアンモニア濃度を所定の濃度に制御することにより、半導体基板に塗布された化学増幅型レジストの感度を変動させることなく保管する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
一方、NH3は製造環境からだけではなく半導体基板から発生する場合もある。例えば、エッチングガスとしてNH3を用いるドライエッチングやシリコン窒化膜化学気相成長(CVD)等の工程を経た半導体基板では、半導体基板に吸着したNH3が以後の工程を実施する装置内に持ち込まれる。また、過水素化シラザンを塗布して形成されたポリシラザン(PSZ)膜では、膜中に不安定なシリコン(Si)−窒素(N)結合を含み保管中に加水分解してNH3が放出される。このようにNH3を発生させる基板を前面ドア付きポッド(FOUP)等の密閉性の高い収納容器で保管すると、NH3が容器内に蓄積する。そのため、リソグラフィ等、NH3汚染制御が必要な工程前には、汚染防止のためにNH3に汚染されていない容器に交換する必要がある。しかし、容器交換を行うと、工程数の増加、必要収納容器数の増加、容器保管場所の増大等、生産効率の低下や製造コストの増大をもたらすという問題点がある。
特開平11−125914号公報
本発明の目的は、窒素原子を含む塩基性化合物の汚染を抑制することが可能な電子装置の製造方法を提供することにある。
本発明の一態様によれば、中間生成物から窒素原子を含む塩基性化合物を放出可能にする第1製造工程の後、塩基性化合物による汚染で工程性能が劣化する第2製造工程に中間生成物を密閉型搬送容器に収納して搬送する特定の工程間搬送経路において、密閉型搬送容器の内部の相対湿度を密閉型搬送容器外部の環境相対湿度より低く制御する電子装置の製造方法が提供される。
本発明によれば、窒素原子を含む塩基性化合物の汚染を抑制することが可能な電子装置の製造方法を提供することが可能となる。
以下図面を参照して、本発明の形態について説明する。以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号が付してある。但し、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
なお、以下に示す実施の形態では、半導体装置(半導体記憶装置)の製造方法に着目して、例示的に説明するが、本発明は、液晶装置、磁気記録媒体、光記録媒体、薄膜磁気ヘッド、超伝導素子等種々の清浄化を必要とする技術分野におけるロボット搬送(自動搬送)による製造方法に適用できることは勿論である。
本発明の実施の形態に係る電子装置の製造方法で用いる密閉型搬送容器60には、FOUPを用いる。「FOUP」とは半導体製造装置材料協会(SEMI:Semiconductor Equipment and Materials Institute)の規格に準拠している300ミリウェハ用の搬送容器であり、クリーン度を保つ密閉ポッドである。図1(a)に示すように、密閉型搬送容器60は、容器本体61の底部に設けられたバルブ66a、66bを有する。バルブ66a、66bの開閉により、パージ孔64a、64bを介して密閉型搬送容器60の内部に窒素(N2)等の不活性ガスをパージガスとして導入排気することができる。パージガスは、ガス供給システム(図示省略)から配管68a、68bを通して供給される。バルブ66a、66bを開いて密閉型搬送容器60内をパージガスで置換した後、バルブ66a、66bを閉じて密閉型搬送容器60を搬送する。なお、配管68a、68bは、密閉型搬送容器60が搬送される経路上に複数設置されている。配管68a、68bとバルブ66a、66bとの接続は、オペレータの操作、あるいは半導体装置の製造を管理する制御サーバ(図示省略)の指示により実施される。
図1(b)は、密閉型搬送容器の前開きの蓋62が開けられた状態であり、容器本体61の内側に切られた溝(スロット)を介して、例えば1ロットの24枚のウェハ(半導体基板)11が容器本体61の内部に収納された状態を示している。一方、図1(c)は、密閉型搬送容器の前開きの蓋62が閉じられ、密閉状態を示している。
本発明の実施の形態に係る電子装置としての半導体装置の製造を実施する製造設備は、図2に示すように、複数の製造装置58a、58b、・・・、58cと、工業製品の製造工程の流れに従い、複数の製造装置58a〜58c間に規定される複数の工程間搬送経路に沿い、製造工程で処理された半導体装置の中間生成物を収納して搬送する密閉型搬送容器60を複数保存することが可能な保管庫52とを備える。
ここで「工程間搬送経路」とは、時系列に配置された複数の工程間にそれぞれ定義される論理的な搬送経路であるので、現実の機械的(物理的)な搬送経路は、同一の製造装置を複数の異なる工程で用いる等の場合(事情)があるので、互いにその一部若しくは全部が重複する物理的経路が存在しうる。
更に、各製造装置58a〜58c間で定義される工程間搬送経路、及び保管庫52と各製造装置58a〜58c間の搬送経路で、半導体装置の中間生成物を収納した密閉型搬送容器をロボット搬送(自動搬送)可能なように構成された搬送レール54を備える。製造装置58a〜58cは、それぞれの転送室57a、57b、・・・、57cに設けられたロードポート56a、56b、・・・、56cを介して搬送レール54に接続される。保管庫52は、ロードポート56dを介して搬送レール54に接続される。
図2に示した製造装置58a〜58cとして、酸溶液や純水等により中間生成物としての半導体ウェハの表面を洗浄し、或いはレジストを除去する洗浄装置、トンネル酸化膜等の薄いシリコン酸化膜(SiO2膜)を形成するゲート酸化(熱酸化)装置、ポリシリコン膜を堆積するポリシリコン減圧化学的気相堆積(LPCVD)装置、シリコン窒化膜(Si3N4膜)を堆積する窒化膜LPCVD装置、フォトレジスト膜をスピンコートするスピンコート装置(スピンナ)、フォトリソグラフィ技術によりフォトレジスト膜を露光し所望のパターンを転写してパターニングするステッパ(露光装置)、露光後のフォトレジスト膜を現像する現像装置、中間生成物(半導体ウェハ)表面や中間生成物(半導体ウェハ)上に形成された薄膜をエッチングする反応性イオンエッチング(RIE)装置、過水素化シラザン又はポリシラザンを含む溶液を塗布する塗布装置、過水素化シラザンの塗布後、過水素化シラザンを熱処理してPSZ膜を形成する過水素化シラザンベーク装置、PSZ膜を酸化するPSZ膜酸化装置、中間生成物(半導体ウェハ)の表面を研磨して平坦化する化学的・機械的研磨(CMP)装置、Si3N4膜、ストロンチウム酸化物(SrO)膜、アルミニウム酸化物(Al2O3)膜、マグネシウム酸化物(MgO)膜、イットリウム酸化物(Y2O3)膜、ハフニウム酸化物(HfO2)膜、ジルコニウム酸化物(ZrO2)膜、タンタル酸化物(Ta2O5)膜、ビスマス酸化物(Bi2O3)膜、ハフニウム・アルミネート(HfAlO)膜等の電極間絶縁膜を堆積する電極間絶縁膜LPCVD装置、中間生成物(半導体ウェハ)に所望の不純物イオンを注入するイオン注入装置、イオン注入後の中間生成物(半導体ウェハ)を熱処理し、注入されたイオンを活性化するアニール炉、SiO2膜、燐ガラス(PSG)膜、硼素ガラス(BSG)膜、硼素燐ガラス(BPSG)膜、Si3N4膜、炭素添加酸化シリコン(SiOC)等の層間絶縁膜を堆積する層間絶縁膜CVD装置、無機スピンオングラス(SOG)等の無機材料、有機SOG等の低誘電率絶縁膜を塗布して層間絶縁膜を形成する層間絶縁膜塗布装置、低誘電率有機絶縁膜をエッチングするドライエッチング(DE)装置等が用いられる。
また、フォトリソグラフィ技術に関連するスピンナ、ステッパ及び現像装置をストリームライン化しクリーンエリアを内部搬送することにより、共通のロードポートをストリームラインに設け、一体の製造装置として構成しても構わない。同様に、過水素化シラザン塗布装置、過水素化シラザンベーク装置及びPSZ膜酸化装置をストリームライン化しクリーンエリアを内部搬送することにより、共通のロードポートをストリームラインに設け、一体の製造装置として構成しても構わない。
また、中間生成物(半導体ウェハ)表面をエッチング液でエッチングするウェットエッチング装置、中間生成物(半導体ウェハ)に不純物元素を気相から拡散する不純物拡散処理装置、PSG膜、BSG膜、BPSG膜などをリフロー(メルト)する熱処理装置、CVD酸化膜などのデンシファイ等をする熱処理装置、シリサイド膜などを形成するための熱処理をする熱処理装置、金属配線層を堆積するスパッタリング装置、真空蒸着装置、更に金属配線層をメッキにより形成するメッキ処理装置、ダイシング装置、ダイシングされたチップ状の半導体装置の電極をリードフレームに接続するボンディング装置など様々な半導体製造装置が含まれて良いことは勿論である。
さらに、製造設備には、干渉式膜厚計、エリプソメータ、接触式膜厚計、顕微鏡、抵抗測定装置等の種々の検査装置、測定装置も含まれる構成でも構わない。
図3は、図1に示した製造装置58a〜58c、転送室57a〜57c、ロードポート56a〜56cの中の特定の一組を代表として選び、それを包括的に製造装置58、転送室57、ロードポート56として示した図である。図3(a)に示すように、密閉型搬送容器60が、搬送レール54を経由して製造装置58のロードポート56上に搬送される。図3(b)に示すように、密閉型搬送容器60は、ロードポート56中で、自動的に蓋62(図示省略)が開けられる。クリーンエリアにより局所クリーン化された転送室57を介して、製造装置58に密閉型搬送容器60から中間生成物(半導体ウェハ)が転送され、所定の工程の処理がなされる。工程の処理が終了した中間生成物は、転送室57を介して、ロードポート56に転送され、ロードポート56の内部で、自動的に中間生成物が密閉型搬送容器60に収納される。更に、自動的に密閉型搬送容器60の蓋62が閉じられる。その後、搬送レール54を介して、次の工程の製造装置まで密閉型搬送容器60が搬送される。なお、次の工程の製造装置が、他のロットの処理中、あるいはメンテナンス中で使用不可の場合は、密閉型搬送容器60は、次の工程の製造装置の直前の搬送レール54上で待機する。あるいは、次の工程の製造装置が長期間使用不可となると判断されれば、密閉型搬送容器60は、ロードポート56dに搬送され、ロードポート56dを介して保管庫52内に保管される。
ロードポート56には、N2等の不活性ガスを導入排気する配管68a、68bが設けられる。例えば、工程が終了した中間生成物を密閉型搬送容器60に収納後、密閉型搬送容器60に付随のバルブ66a、66bに配管68a、68bが接続される。密閉型搬送容器60の内部を不活性ガスでパージしてクリーンルームの環境相対湿度より低い相対湿度に制御することができる。なお、不活性ガスの導入排気の配管68a、68bを保管庫52やロードポート56dに設けて、密閉型搬送容器60を保管中に密閉型搬送容器60の内部の湿度を制御してもよい。また、搬送レール54の途中に不活性ガスの導入排気配管を設けて、搬送途中で密閉型搬送容器60の内部の湿度を制御してもよい。
次に、本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を、PSZ膜によるNH3等の窒素原子を含む塩基性化合物による密閉型搬送容器60の汚染に関して、図4に示す工程フローを用いて説明する。
半導体装置の素子分離にはシャロー・トレンチ分離(STI)構造が広く用いられている。これは、半導体基板の素子分離領域に溝を形成し、この溝に素子分離絶縁膜となるSiO2膜などを埋め込む方法である。半導体装置の微細化に伴って溝のアスペクト比が大きくなり、従来のオゾン(O3)−テトラエチルオルソシリケート(TEOS)CVDSiO2膜や高密度プラズマ(HDP)CVDSiO2膜では、STIの溝の中に、ボイドやシームを発生させずに埋め込むことが困難になってきている。
このため,100nm世代以降の半導体装置の製造方法では、塗布型溶液SOG(スピン・オン・グラス)を用いてSTI溝に素子分離絶縁膜を埋め込むことが提案されている。特にSOG系の薬液の中では比較的体積収縮の少ない過水素化シラザン重合体溶液が近年注目されている。
例えば、ステップS200で、「中間生成物」としての半導体ウェハ(基板)中に設けられた溝に過水素化シラザン重合体溶液が塗布装置を用いて塗布される。ステップS201で、過水素化シラザンが塗布された半導体ウェハを過水素化シラザンベーク装置を用いて熱処理してPSZ膜を形成する。ステップS202で、PSZ膜が形成された半導体ウェハを半導体ウェハ表面が露出するようにCMP装置を用いて平坦化して溝にPSZ膜を埋め込む。ステップS203で、平坦化された半導体ウェハを洗浄装置を用いて洗浄する。ステップS204で、スピンナ、露光装置、及び現像装置等を用いるフォトリソグラフィにより半導体ウェハの表面にレジストパターンを形成する。ステップS205で、レジストパターンをマスクとして、RIE装置を用いて半導体ウェハをドライエッチングして加工する。
各工程を実施する製造装置間に規定される各工程間搬送経路に沿って、中間生成物は密閉型搬送容器に収納されて搬送される。過水素化シラザンは、図5に示すように、−(SiH2−NH)n−の構造を持つ物質である。PSZ膜中に存在する不安定なSi−N結合が、環境中の水(H2O)と加水分解反応することにより、Si−N結合が切れてSi−O結合を生成しNH3を発生する。熱処理後のPSZ膜中にはSi−H,N−H,Si−N等シラザン構造が残留しているため、加水分解反応してNH3を発生する。
また、密閉型搬送容器60はポリカーボネート(PC)或いはポリブチレンテレフタレート(PBT)からできているので、密閉型搬送容器の材質とNH3とが反応する。即ち、以下に説明するように、過水素化シラザン塗布膜やベーキングして形成したPSZ膜が露出した段階の半導体ウェハを密閉型搬送容器に保管すると、過水素化シラザン塗布膜やPSZ膜から発生したNH3が密閉型搬送容器の材質と反応し、汚染を発生させてしまう。
このため、ステップS203で、PSZ膜が露出した半導体ウェハを洗浄した後、密閉型搬送容器でフォトリソグラフィ工程に搬送する場合、PSZ膜だけでなく密閉型搬送容器の内壁から放出されるNH3により半導体ウェハは汚染されてしまう。
化学増幅型フォトレジスト等の高感度フォトレジストは、NH3やアミン類等の窒素原子を含む塩基性化合物と反応して密着不良や、パターンの形状くずれを起こし、フォトリソグラフィ工程の性能が劣化する。例えば、図6及び図7に示すように、細いラインアンドスペースの形状に加工された後にNH3と反応すると、非汚染状態(標準状態)のレジストパターン100aに対し、「すそ引き」と呼ばれる形状を引き起こし、形状不良のレジストパターン100bとなる。その結果、レジストパターン100aの線幅Waに対して、レジストパターン100bの線幅Wbが増加して、寸法変動を引き起こす。特に、波長λが193nmのアルゴンフロライド(ArF)エキシマレーザ露光用レジストは、窒素原子を含む塩基性化合物に敏感で寸法変動が著しい。
このように、密閉型搬送容器に半導体ウェハを収納して搬送中にNH3で半導体ウェハが汚染されるため、ステップS204でのフォトリソグラフィにより形成されるレジストパターンの寸法変動が引き起こされる。その結果、ステップS205でのドライエッチングの加工寸法が変動し、工程歩留まりが低減する。
図8(a)、(b)、及び(c)に示すように、密閉型搬送容器としてFOUP1、FOUP2及びFOUP3を用意し、以下の手順で、PSZ膜による密閉型搬送容器の汚染を調べた。図8(a)に示すFOUP1は、標準試料(リファレンス)作成用の密閉型搬送容器である。
(イ)先ず、「中間生成物」として、300mmΦの半導体ウェハ(Siウェハ)48枚のそれぞれに過水素化シラザン重合体溶液を600nmの厚さにスピンコート法により塗布し、その後、150℃で3分の過水素化シラザン塗布膜のベーキングを行い、48枚の半導体ウェハのそれぞれの上にPSZ膜を形成する。
(ロ)そして、リファレンス作成用のFOUP1は、図8(a)に示すように、空のままクリーンルーム内に7日間保管した。一方、図8(b)及び(c)にそれぞれ示すように、FOUP2及びFOUP3には、上記において、PSZ膜を形成した半導体ウェハを24枚ずつに分け、それぞれ、スロット1〜24に挿入して収納し、7日間保管した。
(ハ)その後、図8(a)に示すように、リファレンス作成用のFOUP1には、汚染チェック用のPSZ膜以外のSOG膜(以下において「非シラザンSOG膜」という。)付きウェハ(SOG1)を入れて3日間保管した。一方、図8(b)に示すように、FOUP2からPSZ膜を形成した半導体ウェハ24枚を取り出した後、そのまま、FOUP2に、汚染チェック用の非シラザンSOG膜付きウェハ(SOG2)を入れて3日間保管した。これに対し、図8(c)に示すように、FOUP3からPSZ膜を形成した半導体ウェハ24枚を取り出した後、FOUP3は、容器自動洗浄装置にて洗浄を行う。そして、図8(c)に示すように、洗浄を行った後に、FOUP3に、汚染チェック用の非シラザンSOG膜付きウェハ(SOG3)を入れて3日間保管した。
(ニ)その後、汚染チェック用の非シラザンSOG膜付きウェハSOG1、2、3に吸着したNH3を純水抽出してイオンクロマトグラフにより測定した。
(ニ)その後、汚染チェック用の非シラザンSOG膜付きウェハSOG1、2、3に吸着したNH3を純水抽出してイオンクロマトグラフにより測定した。
以上の手順(イ)〜(ニ)による過水素化シラザンによる密閉型搬送容器の汚染の調査結果を図9に示す。
図9に示すように、FOUP2に保管されたSOG2には、リファレンスのFOUP1に保管されたSOG1に比べ4倍程度のNH3が吸着していることが分かる。また、FOUP3に保管されたSOG3には、洗浄の効果でSOG2に比べて吸着量は減少しているが、リファレンスのSOG1の吸着量より約3倍以上のNH3の吸着量であることが分かる。
このように、半導体ウェハの表面に形成した非シラザンSOG膜に吸着した汚染の結果を見ると、NH3が内壁に吸着しているFOUP2に保管したSOG2だけでなく、洗浄したFOUP3に保管したSOG3からもNH3汚染が検出されている。これは、密閉型搬送容器の内壁表面に吸着したNH3は洗浄により取れても、密閉型搬送容器の材質中に取り込まれたNH3が存在し、じわじわと密閉型搬送容器内に出てきていることを示している。その結果、密閉型搬送容器の材質中に取り込まれたNH3が、収納された半導体ウェハの表面に形成した非シラザンSOG膜に吸着して汚染を生じさせる。したがって、一旦NH3で汚染された密閉型搬送容器では、密閉型搬送容器の材質中から再放出されたNH3で収納された半導体ウェハが汚染される。
フォトリソグラフィ工程でのNH3汚染を抑制するため、ステップS203の洗浄工程とステップS204のフォトリソグラフィ工程の間の工程間搬送経路において、NH3汚染のない専用の密閉型搬送容器を用いることが可能である。しかし、この場合、洗浄工程後の中間生成物表面にはPSZ膜が露出しているため、搬送中に密閉型搬送容器内壁が汚染される。そのため、頻繁に密閉型搬送容器を取り替えなければならず、生産効率の低下や製造コストの増大が生じる。その上、搬送中の中間生成物もPSZ膜から放出されるNH3で汚染されるため、根本的なNH3汚染対策とはなり得ない。
本発明の実施の形態では、図1に示したように、密閉型搬送容器60内に不活性ガスを導入して、密閉型搬送容器60内部の湿度を転送室57やクリーンルーム等の環境の湿度より低くすることができる。例えば、クラス100のクリーンルームは、室内温度が22〜23℃±2℃、相対湿度が50%±10%に制御される。図10に示すように、パージガスとしてN2ガスを密閉型搬送容器60内部に導入すると、相対湿度が急激に減少する。例えば、密閉型搬送容器60内部の相対湿度は、環境の相対湿度約50%から、N2パージ3分後には約30%以下、5分後には約10%以下、45分後には約1%、更に2時間後には約1%以下に減少する。
例えば、N2パージを3時間行って相対湿度を1%以下まで減少させた後に、バルブ66a、66bを閉じてN2パージを終了し密閉型搬送容器60にN2ガスを封じ込める。N2パージ終了後、密閉型搬送容器60内部の相対湿度は一旦急上昇し、その後ゆっくり上昇している。N2パージ終了直後の相対湿度の増加は、ウェハ表面や密閉型搬送容器60内壁に吸着した水分に起因し、徐々に上昇する分は密閉型搬送容器60の樹脂材質を透過する水分の影響である。N2ガスを封じ込めた状態で、密閉型搬送容器60の内部の相対湿度を、例えば30%以下に50時間以上保持することが可能である。このように、不活性ガスを封じ込めることにより、密閉型搬送容器60の内部の相対湿度を環境相対湿度より低く保持することが可能である。
図11に示すように、PSZ膜が形成された半導体ウェハ(中間生成物)を既に保管した密閉型搬送容器を用いて、N2パージのNH3汚染に対する影響を調べた。N2パージしてN2ガスを封じ込めた密閉型搬送容器に汚染チェック用の非シラザンSOG膜付きウェハを保管すると、N2パージ無しで保管した場合に比べNH3吸着量が1/2以下に抑制できる。即ち、NH3汚染された密閉型搬送容器を用いても、N2パージにより密閉型搬送容器に保管する半導体ウェハのNH3汚染を抑制することが可能となる。
密閉型搬送容器60を用いて図4に示した工程フローに従い、レジストパターンをマスクとして半導体ウェハにラインアンドスペースを形成して、ライン寸法の変動を調べた。ラインアンドスペースの設計寸法は、70nmである。また、寸法誤差の許容誤差は、70nm±10%である。本発明の実施の形態では、ステップS203の洗浄工程後に、密閉型搬送容器60をN2パージして中間生成物をステップS204のフォトリソグラフィ工程に搬送している。比較例1では、密閉型搬送容器をN2パージ無しで搬送している。比較例2では、ステップS203の洗浄工程後に、内壁を洗浄した密閉型搬送容器により半導体ウェハをステップS204のフォトリソグラフィ工程に搬送している。
図12に示すように、本発明の実施の形態では、RIE等のドライエッチングで形成されたラインアンドスペースのライン寸法は、約70nmである。一方、比較例1及び2共によるライン寸法は、共に100nm以上となり、寸法変動が許容誤差を越えていることがわかる。
図13に示すように、密閉型搬送容器60の内部の相対湿度が約30%以下でNH3吸着量が減少することがわかる。例えば、設計寸法が70nmで許容誤差±10%以内に寸法変動を抑制する場合、洗浄工程からフォトリソグラフィ工程への工程間搬送経路において、密閉型搬送容器60内部の相対湿度を約30%以下、望ましくは約10%以下、更に望ましくは、約1%以下に制御すればよいことが確認されている。
本発明の実施の形態によれば、密閉型搬送容器内部を低湿度に制御することで、PSZ膜が露出した半導体ウェハからのNH3の放出を抑制することができる。また、露出したPSZ膜や環境からの汚染により窒素原子を含む塩基性化合物が蓄積された密閉型搬送容器を用いても、特定の工程間搬送経路において密閉型搬送容器内部を低湿度に制御することで、半導体ウェハに対する窒素原子を含む塩基性化合物の汚染を抑制することができる。したがって、密閉型搬送容器の専用化の必要がなく、生産効率の低下や製造コスト増大をもたらすことなく半導体装置の製造が可能となる。
上記説明においては、密閉型搬送容器60の内部を不活性ガスでパージした後、封じ込めて低湿度に保持している。密閉型搬送容器60内で中間生成物を数日に渡り長期間保管しなければならない場合は、図10に示したように中間生成物表面や密閉型搬送容器60内壁から水分が放出されて相対湿度が徐々に増加するため、間欠的に不活性ガスパージを繰り返して湿度制御することが望ましい。また、長期保管中に、連続して不活性ガスパージを行うと、相対湿度を1%以下に保持でき、更に望ましい。
また、本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造方法では、洗浄工程からフォトリソグラフィ工程までの特定の工程間搬送経路において密閉型搬送容器60内部の湿度を下げて制御しているが、湿度制御する工程間搬送経路は限定されず、複数の工程間搬送経路にわたって湿度制御しても良い。例えば、フォトリソグラフィ工程後のドライエッチング工程までの工程間搬送経路においても、密閉型搬送容器60内部の湿度を制御してもよい。この場合、フォトリソグラフィ工程からドライエッチング工程までの工程間搬送経路でのレジストパターンの形状変化を抑制することが可能となる。また、PSZ成膜工程からフォトリソグラフィ工程間の全ての工程間搬送経路において、密閉型搬送容器60内部の湿度を制御してもよい。この場合、中間生成物に成膜されたPSZ膜からの加水分解によるNH3の放出が抑制され、密閉型搬送容器60のNH3汚染を防止することが可能となる。
また、本発明の実施の形態では、密閉型搬送容器60内部を低湿度にする手段として、N2ガスを用いたが、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)等の不活性ガス、あるいはこれら不活性ガスの混合ガスを用いてもよい。また、酸・塩基性ガスや有機物等の分子状汚染物質を除去した乾燥空気を使用してもよい。また、湿度制御手段として、塩化マグネシウム(MgCl2)、酸化マグネシウム(MgO)、水酸化マグネシウム(Mg(OH2))、塩化カルシウム(CaCl2)、シリカゲル、ゼオライト等の吸湿性に優れた物質を用いる乾燥剤、固体高分子電解質膜等を用いた除湿素子等を使用しても良い。更に、不活性ガスと、乾燥剤あるいは除湿素子とを組み合わせて用いてもよい。
また、上記の説明においては、NH3の汚染を引き起こす汚染源工程として、PSZ膜の成膜工程を例示しているが、汚染源工程は限定されない。NH3ガスを用いる工程、例えば、Si3N4膜CVD工程や、低誘電率有機絶縁膜DE工程等もNH3汚染源工程となり得る。
更に、高感度フォトレジストは、NH3だけでなく第1級〜第3級アミン等のNH3の水素原子を炭化水素基で一つ以上置換したアミン類等の窒素原子を含む塩基性化合物の汚染でも形状変化を引き起こす。そのため、窒素原子を含む塩基性化合物を用いる工程の後のフォトリソグラフィ工程に至る工程間搬送経路において、密閉型搬送容器60の内部の湿度を制御して搬送することが望ましい。
次に、本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造方法の一例として、図17〜図30を用いて、PSZ膜が露出した状態の半導体ウェハが搬送される工程間搬送経路を含み、過水素化シラザン重合体溶液をSTI埋め込み剤として用いたNAND型不揮発性半導体記憶装置の製造方法を説明する。その前に、先ず、図14〜図16を用いて、完成後のNAND型不揮発性半導体記憶装置を説明する。
図14はNAND型不揮発性半導体記憶装置(フラッシュメモリ)の模式的回路構成を示すブロック図である。メモリセルアレイ520の周辺にはトップ・ページバッファ521、ボトム・ページバッファ522、レフト・ロウデコーダ/チャージポンプ523、ライト・ロウデコーダ/チャージポンプ524等の周辺回路(521,522,523,524)が配置されている。メモリセルアレイ520は、図15に示すように、行方向に配列される複数のワード線WL1k,WL2k,・・・・・,WL32k,WL1k-1,・・・・・と、このワード線WL1k,WL2k,・・・・・,WL32k,WL1k-1,・・・・・と直交する列方向に配列される複数のビット線BL2j-1,BL2j,BL2j+1,・・・・・を備えている。そして、図15の列方向には、複数のワード線WL1k,WL2k,・・・・・,WL32k,WL1k-1,・・・・・のいずれかにより、それぞれ電荷蓄積状態を制御される電荷蓄積層を有するメモリセルトランジスタが配列されている。そして、PSZ膜からなる素子分離絶縁膜18が、図15の平面図に示すように、列方向(カラム方向)に平行に走行し、PSZ膜からなる素子分離絶縁膜18を介して隣接するメモリセルトランジスタを分離している。図14及び図15の場合は、列方向に32個のメモリセルトランジスタが配列されてメモリセルカラムを構成した場合を示している。このメモリセルカラムの配列の両端には、列方向に隣接して配置され、メモリセルカラムに配列された一群のメモリセルトランジスタを選択する一対の選択トランジスタが配置されている。この一対の選択トランジスタのそれぞれのゲートには、一対の選択ゲート配線SGDk,SGSkが接続されている。複数のビット線コンタクトBC及びソースコンタクトSCが、選択トランジスタのソース・ドレイン領域に接続される。トップ・ページバッファ521及びボトム・ページバッファ522は、ビット線BL2j-1,BL2j,BL2j+1,・・・・・に接続され、それぞれのメモリセルカラム情報を読み出す場合のバッファである。レフト・ロウデコーダ/チャージポンプ523、ライト・ロウデコーダ/チャージポンプ524はワード線WL1k,WL2k,・・・・・,WL32k,WL1k-1,・・・・・に接続され、メモリセルカラムを構成している各メモリセルトランジスタの電荷蓄積状態を制御する。
図16は図15のA−A方向(行方向)から見たメモリセルアレイ520の一部を示す模式的な断面図である。即ち、図16は図14のビット線BL2j-1,BL2j,BL2j+1,・・・・・方向に沿った切断面に相当する。図16の断面図に示すように、p型の半導体基板11の表面にメモリセルトランジスタのソース・ドレイン領域25が形成され、それぞれのソース・ドレイン領域25の間に定義されるチャネル領域上にゲート絶縁膜(トンネル酸化膜)12が配置されている。ソース・ドレイン領域25は、p型の半導体基板11中に高濃度にn型不純物をドープしたn+型の半導体領域である。図16では図示を省略しているが、図14及び図15から明らかなように、メモリセルカラムの端部にはメモリセルトランジスタとほぼ同様な構造の選択トランジスタが位置し、選択トランジスタのソース・ドレイン領域が、ビット線コンタクト領域として機能している。p型の半導体基板11の代わりに、n型の半導体基板中に設けられたp型のウェル領域(pウェル)でも良い。
そして、このゲート絶縁膜(トンネル酸化膜)12上には、電荷を蓄積するための浮遊電極13と、浮遊電極13上の電極間絶縁膜20と、電極間絶縁膜20上の制御電極22が配置され、それぞれのメモリセルトランジスタのゲート電極を構成している。図示を省略しているが、選択トランジスタも、ゲート絶縁膜(トンネル酸化膜)12、浮遊電極13、電極間絶縁膜20、電極間絶縁膜20中の開口部で浮遊電極13と電気的に導通した制御電極22からなるゲート電極構造を備えているが、電極間絶縁膜20の電極間絶縁膜短絡窓を介して、制御電極22と浮遊電極13とが電気的に導通している。図15から理解できるであろうが、隣接するメモリセルカラムにそれぞれ属するメモリセルトランジスタの浮遊電極13は、STIを構成するPSZ膜からなる素子分離絶縁膜18を介して行方向(ワード線方向)に対向している。
電荷蓄積層となる浮遊電極13は、燐(P)、砒素(As)等のn型不純物をドープした多結晶シリコン(以下において「ドープド多結晶シリコン膜」という。)膜で形成されている。
制御電極22は、n型不純物をドープド多結晶シリコン膜、タングステンシリサイド(WSi2)膜及びキャップ絶縁膜の3層構造から構成されていても良い。シリサイド膜としては、タングステンシリサイド(WSi2)膜の他、コバルトシリサイド(CoSi2)膜、チタンシリサイド(TiSi2)膜、モリブデンシリサイド(MoSi2)膜等の金属シリサイド膜が使用可能である。シリサイド膜の代わりに、タングステン(W)、コバルト(Co)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)等の高融点金属でも良く、更には、これらのシリサイド膜を用いたポリサイド膜で構成しても良い。シリサイド膜の代わりに、アルミニウム(Al)或いは銅(Cu)等の高導電率の金属膜を多結晶シリコン膜の上に配置して、この高導電率の金属膜がワード線WL1k,WL2k,・・・・・,WL32k,WL1k-1,・・・・・を兼用するようにしても良い。又、タングステン窒化物(WN)膜、チタン窒化物(TiN,Ti2N)膜のいずれか1つ或いは複数の積層膜を、シリサイド膜の代わりに多結晶シリコン膜の上に配置しても良い。
なお、図示を省略しているが、周辺トランジスタは、選択トランジスタとほぼ同じ積層構造、若しくは、選択トランジスタの積層構造から、浮遊電極13及び電極間絶縁膜20分を除去した、制御電極22のみの構造に対応するようなゲート電極を有するトランジスタで構成される。
図16に示すビット線方向に沿った断面図に明らかなように、本発明の実施の形態に係る半導体記憶装置では、各メモリセルトランジスタの浮遊電極13が、層間絶縁膜26を介して対向している。この際、列方向に配設された複数のメモリセルトランジスタのそれぞれの浮遊電極13間に、3.9よりも比誘電率εrの低い層間絶縁膜26の埋め込みを行えば、同一カラム内で列方向に隣接するメモリセルトランジスタ間で生じる列方向近接セル間干渉効果による誤書き込みを抑制することができる。
なお、図16では、詳細な構造の図示を省略しているが、例えば、多結晶シリコン膜(第1導電層)13、電極間絶縁膜20、制御電極22からなる積層構造(13,20,22)の側壁に、厚さ6nm程度のシリコン酸化膜からなるセル分離下地膜を形成しても良い。又、行方向に隣接するセルカラムの選択トランジスタの間には、層間絶縁膜26とコア充填絶縁膜との2層構造を用いても良い。コア充填絶縁膜としては、例えば、BPSG膜等が使用可能である。即ち、層間絶縁膜26の構成する凹部の中央を充填するように、コア充填絶縁膜が配置され、このコア充填絶縁膜の中央部を貫通して、コンタクトプラグを埋め込むようにしても良い。コンタクトプラグは、低いコンタクト抵抗で、ビット線コンタクト領域(図示省略)にオーミック接触をしている。コンタクトプラグは、層間絶縁膜26の上に配置されたビット線(BL2j)27に接続されている。図16では、ビット線27が層間絶縁膜26の上に配置されているが、層間絶縁膜26にダマシン溝を形成し、このダマシン溝の内部に、銅(Cu)を主成分とする金属配線を埋め込んで、ダマシン配線としても構わない。
次に、図17〜図30を用いて、本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を説明する。ここで図17〜図26は、図15に示したワード線WL1k,WL2k,・・・・・,WL32k,WL1k-1,・・・・・に平行で、且つ特定のワード線を切る断面図であり、図27〜図30は、図15のA−A方向に対応するビット線BL2j-1,BL2j,BL2j+1,・・・・・に平行な断面図である。
図17〜図30に示す製造工程の流れは、本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための便宜上のものであり、現実には、閾値制御のイオン注入工程等の工程等、他のいくつかの工程が、以下の(イ)〜(ム)に示すNAND型不揮発性半導体記憶装置(フラッシュメモリ)の製造方法の流れに追加されていても良い。即ち、以下に説明するNAND型不揮発性半導体記憶装置の製造方法は、半導体装置の製造方法の内容を理解するための一例であり、この変形例を含めて、これ以外の種々の製造工程の流れにより、NAND型不揮発性半導体記憶装置の製造が、本発明の趣旨のもとで可能であることは勿論である。
なお、図3に示したように、説明に用いられる製造装置58では、密閉型搬送容器60が、搬送レール54を経由して製造装置58のロードポート56上に搬送される。密閉型搬送容器60は、ロードポート56中で、自動的に蓋62が開けられる。クリーンエリアにより局所クリーン化された転送室57を介して、製造装置58に密閉型搬送容器60から中間生成物(半導体ウェハ)が転送され、所定の工程の処理がなされる。工程の処理が終了した中間生成物は、転送室57を介して、ロードポート56に転送され、ロードポート56の内部で、自動的に中間生成物が密閉型搬送容器60に収納される。更に、自動的に密閉型搬送容器60の蓋62が閉じられる。以下の説明では、各製造装置内で実施される半導体ウェハの転送は同様であるので、詳細な説明は省略する。
(イ)説明の簡略化のため、「中間生成物」としてのp型シリコン基板11(若しくはn型シリコン基板中にp型ウェルを形成したもの)の上に、ゲート酸化装置、ポリシリコン減圧CVD装置、窒化膜減圧CVD装置などを用いて、トンネル酸化膜12p、浮遊電極となる多結晶シリコン膜(第1導電層)13p、及びSi3 N4膜等のCMPストッパ層14pが順次堆積されているとする。更に、図17に示すように、スピンナ、ステッパ、及び現像装置を用いて、CMPストッパ層14pの上にレジストマスク15が形成されている。例えば、トンネル酸化膜12pの厚さは、1−15nm程度、例えば8nm程度、第1導電層13pの厚さは、10−200nm程度、例えば150nm程度、及びCMPストッパ層14pの厚さは、80−300nm程度、例えば100nm程度である。レジストマスク15が形成された半導体ウェハ11は、レジストキュア後、現像装置のロードポートに転送される。現像装置のロードポートの内部で、半導体ウェハ11が密閉型搬送容器60の内部に収納される。搬送レール54を介して、RIE装置のロードポートまで密閉型搬送容器60が搬送される。
(ロ)RIE装置のロードポートに搬送された密閉型搬送容器60から、RIE装置のエッチングチャンバー中に半導体ウェハ11が転送され、レジストマスク15を用いて、CMPストッパ層14p、第1導電層13p、トンネル酸化膜12pを連続的にエッチングし、トンネル酸化膜12、第1導電層13、CMPストッパ層14及びレジストマスク15のパターンが順に積層したパターンを形成する。更に、RIE装置のエッチングチャンバー中で連続的なRIEを継続し、シリコン基板11をエッチングする。連続的なRIEが終了した半導体ウェハ11は、RIE装置のロードポートに転送され、密閉型搬送容器60の内部に収納される。搬送レール54を介して、洗浄装置のロードポートまで密閉型搬送容器60が搬送される。
(ハ)洗浄装置のロードポートに搬送された密閉型搬送容器60から、洗浄装置の洗浄槽に半導体ウェハ11が転送され、レジストマスク15が除去される。レジストマスク15を除去すれば、図18に示すように、シリコン基板11中に素子分離溝31が形成される。図18において、素子分離溝31は紙面に垂直方向に、互いに平行に延伸するストライプとして形成される。両側を素子分離溝31で挟まれた半導体基板11からなる凸部が活性領域(AA)となる。レジストマスク15が除去された半導体ウェハ11は、洗浄装置のロードポートに転送され、密閉型搬送容器60の内部に収納される。搬送レール54を介して、過水素化シラザン塗布装置のロードポートまで密閉型搬送容器60が搬送される。
(ニ)過水素化シラザン塗布装置のロードポートに搬送された密閉型搬送容器60から、過水素化シラザン塗布装置の回転ステージに半導体ウェハ11が転送され、スピンコーティング法により、素子分離溝31内が完全に埋まるように、シリコン基板11、トンネル酸化膜12、第1導電層13及びCMPストッパ層14の全面上に過水素化シラザン重合体溶液18pが、図19に示すように、塗布される。過水素化シラザン重合体溶液18pが、500−1000nm程度、例えば600nm程度の厚さに塗布されされた半導体ウェハ11は、過水素化シラザン塗布装置のロードポートに転送され、密閉型搬送容器60の内部に収納される。搬送レール54を介して、過水素化シラザンベーク装置のロードポートまで密閉型搬送容器60が搬送される。
(ホ)過水素化シラザンベーク装置のロードポートに搬送された密閉型搬送容器60から、過水素化シラザンベーク装置に半導体ウェハ11が転送され、過水素化シラザン塗布装置により塗布された過水素化シラザン重合体溶液(過水素化シラザン塗布膜)18pに対して、200℃以下、例えば、150℃程度で3分程度のベーキング処理を行う。このベーキング処理により、過水素化シラザン重合体溶液18pの溶媒が揮発され、図20に示すように、PSZ膜18qが形成される。PSZ膜18qが形成された半導体ウェハ11は、過水素化シラザンベーク装置のロードポートに転送され、密閉型搬送容器60の内部に収納される。搬送レール54を介して、PSZ膜酸化装置のロードポートまで密閉型搬送容器60が搬送される。
(ヘ)PSZ膜酸化装置のロードポートに搬送された密閉型搬送容器60から、PSZ膜酸化装置に半導体ウェハ11が転送され、過水素化シラザンベーク装置により形成されたPSZ膜18qに対して、200℃より高く600℃以下の温度で酸化処理を行う。この酸化処理によって、PSZ膜18qがSiO2膜18rに変換される。PSZ膜18qがSiO2膜18rに変換された半導体ウェハ11は、PSZ膜酸化装置のロードポートに転送され、密閉型搬送容器60の内部に収納される。搬送レール54を介して、CMP装置のロードポートまで密閉型搬送容器60が搬送される。
(ト)CMP装置のロードポートに搬送された密閉型搬送容器60から、CMP装置に半導体ウェハ11が転送され、CMPストッパ層14をストッパとして用いて、CMPプロセスにより、トレンチ外のSiO2膜18rを図21に示すように研磨し、且つ、表面を平坦化する。表面が平坦化された半導体ウェハ11は、CMP装置のロードポートに転送され、密閉型搬送容器60の内部に収納される。搬送レール54を介して、ウェットエッチング装置のロードポートまで密閉型搬送容器60が搬送される。
(チ)ウェットエッチング装置のロードポートに搬送された密閉型搬送容器60から、ウェットエッチング装置に半導体ウェハ11が転送され、希フッ酸(HF)溶液を用いたウェットエッチングによりSiO2膜18rの上部を、図22に示すように除去し、素子分離絶縁膜18を素子分離溝31の奥に埋め込む。更にリン酸(H3 PO4)溶液を用いたウェットエッチングによりCMPストッパ層14を、図23に示すように除去する。この結果SiO2膜18rの上部が除去されることにより、第1導電層13の側面の上部が、図23に示すように、例えば100nm程度、素子分離絶縁膜18の上面から露出する。図23に示す状態の半導体ウェハ11は、電極間絶縁膜の減圧CVDの前処理としての所定の洗浄をした後、ウェットエッチング装置のロードポートに転送され、密閉型搬送容器60の内部に収納される。搬送レール54を介して、電極間絶縁膜減圧CVD装置のロードポートまで密閉型搬送容器60が搬送される。
(リ)電極間絶縁膜減圧CVD装置のロードポートに搬送された密閉型搬送容器60から、電極間絶縁膜減圧CVD装置に半導体ウェハ11が転送され、図24に示すように、第1導電層13及び素子分離絶縁膜18の上に電極間絶縁膜20が堆積される。素子分離絶縁膜18を電極間絶縁膜20で被覆した半導体ウェハ11は、電極間絶縁膜減圧CVD装置のロードポートに転送され、密閉型搬送容器60の内部に収納される。搬送レール54を介して、ポリシリコン減圧CVD装置のロードポートまで密閉型搬送容器60が搬送される。
(リ)電極間絶縁膜減圧CVD装置のロードポートに搬送された密閉型搬送容器60から、電極間絶縁膜減圧CVD装置に半導体ウェハ11が転送され、図24に示すように、第1導電層13及び素子分離絶縁膜18の上に電極間絶縁膜20が堆積される。素子分離絶縁膜18を電極間絶縁膜20で被覆した半導体ウェハ11は、電極間絶縁膜減圧CVD装置のロードポートに転送され、密閉型搬送容器60の内部に収納される。搬送レール54を介して、ポリシリコン減圧CVD装置のロードポートまで密閉型搬送容器60が搬送される。
(ヌ)ポリシリコン減圧CVD装置のロードポートに搬送された密閉型搬送容器60から、ポリシリコン減圧CVD装置に半導体ウェハ11が転送され、図25に示すように、電極間絶縁膜20上に、図16に示した制御電極22となる第2導電層22pを堆積する。例えば、多結晶シリコン膜が10−200nmの厚さに減圧CVD法を用いて電極間絶縁膜20上に堆積された半導体ウェハ11は、ポリシリコン減圧CVD装置のロードポートに転送され、密閉型搬送容器60の内部に収納される。更に、密閉型搬送容器60のバルブ66a、66bに配管68a、68bが接続され、密閉型搬送容器60内部が不活性ガスで5分〜180分間パージされる。不活性ガスパージ後、バルブ66a、66bが閉じられ、配管68a、68bが取り外される。搬送レール54を介して、スピンナのロードポートまで密閉型搬送容器60が搬送される。
(ル)スピンナのロードポートに搬送された密閉型搬送容器60から、スピンナの回転ステージに半導体ウェハ11が転送され、第2導電層22p上にフォトレジスト膜が全面に塗布される。フォトレジスト膜が塗布された半導体ウェハ11は、プレベーク後、スピンナのロードポートに転送され、密閉型搬送容器60の内部に収納される。更に、密閉型搬送容器60のバルブ66a、66bに配管68a、68bが接続され、密閉型搬送容器60内部が不活性ガスで5分〜180分間パージされる。不活性ガスパージ後、バルブ66a、66bが閉じられ、配管68a、68bが取り外される。搬送レール54を介して、ステッパのロードポートまで密閉型搬送容器60が搬送される。
(ヲ)ステッパのロードポートに搬送された密閉型搬送容器60から、ステッパの露光ステージに半導体ウェハ11が転送され、フォトレジスト膜に所定のマスクパターンの像がステップ・アンド・リピート方式で投影露光され、所望のマスクパターンの像が転写される。マスクパターンの像が転写された半導体ウェハ11は、ポストベーク後、ステッパのロードポートに転送され、密閉型搬送容器60の内部に収納される。更に、密閉型搬送容器60のバルブ66a、66bに配管68a、68bが接続され、密閉型搬送容器60内部が不活性ガスで5分〜180分間パージされる。不活性ガスパージ後、バルブ66a、66bが閉じられ、配管68a、68bが取り外される。搬送レール54を介して、現像装置のロードポートまで密閉型搬送容器60が搬送される。
(ワ)現像装置のロードポートに搬送された密閉型搬送容器60から、現像装置に半導体ウェハ11が転送され、フォトレジスト膜が現像液により現像される。この結果、図26に示すように、レジストマスク24が第2導電層22p上に形成される。レジストマスク24が形成された半導体ウェハ11は、レジストキュア後、現像装置のロードポートに転送され、密閉型搬送容器60の内部に収納される。搬送レール54を介して、RIE装置のロードポートまで密閉型搬送容器60が搬送される。
(カ)RIE装置のロードポートに搬送された密閉型搬送容器60から、RIE装置のエッチングチャンバー中に半導体ウェハ11が転送され、レジストマスク24をカラム内セル分離用エッチングマスクとして、第2導電層22p、電極間絶縁膜20、第1導電層13及びゲート絶縁膜12を、シリコン基板11が露出するまで選択的にエッチングし、行方向(ワード線方向)に延びる複数のスリット状のセル分離溝を形成する。この結果、図27に示すように、セルカラム内のメモリセルトランジスタが分離される(図27に示す断面構造は図26の紙面に垂直なA−A方向から見た断面である。即ち、図17〜図26までの説明では、図15に示したワード線WL1k,WL2k,・・・・・,WL32k,WL1k-1,・・・・・に平行で、且つ特定のワード線を切る断面図に着目していたが、以後の図27−図30は、図15のA−A方向に対応するビット線BL2j-1,BL2j,BL2j,・・・・・に平行な断面図に着目して説明する。)。セル分離溝により、それぞれのセルカラム内の各メモリセルトランジスタの制御電極22、第1導電層からなる浮遊電極13が分離する。図示を省略しているが、選択トランジスタもカラム方向(列方向)において、メモリセルトランジスタからセル分離溝分離する。連続的なRIEが終了した半導体ウェハ11は、RIE装置のロードポートに転送され、密閉型搬送容器60の内部に収納される。搬送レール54を介して、洗浄装置のロードポートまで密閉型搬送容器60が搬送される。
(ヨ)洗浄装置のロードポートに搬送された密閉型搬送容器60から、洗浄装置の洗浄槽に半導体ウェハ11が転送され、レジストマスク24が除去される。レジストマスク24が除去された半導体ウェハ11は、洗浄装置のロードポートに転送され、密閉型搬送容器60の内部に収納される。搬送レール54を介して、イオン注入装置のロードポートまで密閉型搬送容器60が搬送される。
(タ)イオン注入装置のロードポートに搬送された密閉型搬送容器60から、イオン注入装置に半導体ウェハ11が転送され、セル分離溝で互いに分離されたゲート絶縁膜12、浮遊電極13、電極間絶縁膜20、制御電極22からなる積層構造(12,13,20,22)をマスクとして、図28に示すように、自己整合的に、セル分離溝に露出した半導体基板11に砒素イオン(75As+)、或いは燐イオン(31P+)等のn型不純物のイオンを注入する。図28では、破線で活性化されない状態のイオン注入領域25iを示している。n型不純物のイオンが注入された半導体ウェハ11は、イオン注入装置のロードポートに転送され、密閉型搬送容器60の内部に収納される。搬送レール54を介して、アニール炉のロードポートまで密閉型搬送容器60が搬送される。
(レ)アニール炉のロードポートに搬送された密閉型搬送容器60から、アニール炉に半導体ウェハ11が転送され、イオン注入後の活性化アニールがなされる。この結果、図29に示すように、半導体基板11の表面に、ソース・ドレイン領域25が形成され、各メモリセルトランジスタが構成される。ソース・ドレイン領域25が形成された半導体ウェハ11は、アニール炉のロードポートに転送され、密閉型搬送容器60の内部に収納される。搬送レール54を介して、層間絶縁膜CVD装置のロードポートまで密閉型搬送容器60が搬送される。
(ソ)層間絶縁膜CVD装置のロードポートに搬送された密閉型搬送容器60から、層間絶縁膜CVD装置のチャンバに半導体ウェハ11が転送され、例えば、ジフロロシラン(SiH2F2)ガスを使用したHDP法により、SiOF膜を層間絶縁膜26として堆積する。この結果、図30に示すように、セル分離溝で互いに分離したメモリセルトランジスタのそれぞれの間、及びメモリセルトランジスタと選択トランジスタ(図示省略)の間が層間絶縁膜26で埋め込まれる。層間絶縁膜26が堆積された半導体ウェハ11は、層間絶縁膜CVD装置のロードポートに転送され、密閉型搬送容器60の内部に収納される。更に、密閉型搬送容器60のバルブ66a、66bに配管68a、68bが接続され、密閉型搬送容器60内部が不活性ガスで5分〜180分間パージされる。不活性ガスパージ後、バルブ66a、66bが閉じられ、配管68a、68bが取り外される。搬送レール54を介して、スピンナのロードポートまで密閉型搬送容器60が搬送される。
(ツ)スピンナ、その後のステッパ、更にその後の現像装置による工程は、上述した(ル)〜(ワ)の工程と同様であるが、新たなフォトレジスト膜を全面に塗布後、通常のフォトリソグラフィ技術により新たなフォトレジスト膜をパターニングし、この新たなフォトレジスト膜をエッチングマスクとして、RIE装置により、2つの選択トランジスタの間にビアホール(コンタクトホール)を開口する。このコンタクトホールに、スパッタリング装置、真空蒸着装置、金属CVD装置等によりタングステン等の導電体を埋め込みコンタクトプラグを形成する。更に、これらのスパッタリング装置、真空蒸着装置、金属CVD装置等により金属膜(導電体膜)を堆積する。その後、金属膜(導電体膜)のパターニングを上述した(ル)〜(ワ)の工程と同様のフォトリソグラフィ技術や、(カ)の工程と同様なRIEを用いて行えば(或いはダマシン技術を用いて行えば)、層間絶縁膜26の上に、図16に示すようなビット線27の配線がなされ、本発明の実施の形態に係る半導体記憶装置が完成する。なお、図16では図示を省略しているが、ビット線27の配線の上には、シリコン窒化膜やポリイミド膜等の絶縁膜がパッシベーション膜として形成されても良いことは、通常のNAND型不揮発性半導体記憶装置(フラッシュメモリ)の製造工程と同様である。
本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造方法によれば、密閉型搬送容器60の内部の湿度を環境湿度より下げることができるため、過水素化シラザン重合体溶液の塗布工程、この塗布工程後のベーキング工程、このベーキング工程後の酸化工程に係る搬送時に発生する半導体ウェハ及び密閉型搬送容器のNH3汚染の影響を抑制できる。特に、窒素を含む塩基性化合物により性能が劣化するフォトリソグラフィ工程において、フォトレジスト膜の微細パターンの形状異常を防止することが可能となる。その結果、高精度、高品質のNAND型不揮発性半導体記憶装置(フラッシュメモリ)を、高い製造歩留まりで製造できる。
なお、上記の半導体装置の製造方法においては、PSZ膜成膜後のフォトリソグラフィ工程に至る工程間搬送経路、及びフォトリソグラフィ工程内での工程間搬送経路に対して密閉型搬送容器60の内部の湿度制御を行っているが、他の工程間搬送経路に対しても密閉型搬送容器60の内部の湿度制御を行ってもよい。例えば、成膜されたPSZ膜が露出した状態の半導体ウェハを搬送する場合に、密閉型搬送容器60の内部の湿度制御を行うと、PSZ膜からのNH3放出を抑制することができ、密閉型搬送容器60のNH3汚染を防止することが可能となる。
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明の実施の形態を記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者にはさまざまな代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
上記のように、本発明の実施の形態を記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者にはさまざまな代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
本発明の実施の形態においては、「中間生成物」としてSi基板等の半導体ウェハを用いた半導体装置の製造方法について説明したが、中間生成物は半導体ウェハに限定するものではなく、例えば絶縁体基板等を用いても良い。更に、半導体装置に限定されず、液晶装置、磁気記録媒体、光記録媒体、薄膜磁気ヘッド、超伝導素子、音響電気変換素子、等の電子装置の製造方法においても、本発明が適用できることは、上記説明から容易に理解できるであろう。
また、実施の形態の説明においては、NAND型不揮発性半導体記憶装置(フラッシュメモリ)に着目し、その製造方法を例示的に説明したが、NAND型のフラッシュメモリ以外のAND型のフラッシュメモリやDINOR型フラッシュメモリ等にも同様に適用可能であり、更にはDRAMやSRAM等の他の種々の半導体記憶装置等にも、適用可能である。更には、論理集積回路等種々の半導体装置の製造にも適用可能であることは勿論である。
また、密閉型搬送容器として、FOUPを用いて説明したが、FOUPに限定されるものではない。例えば、SEMIスタンダードに準拠した200ミリウェハ用の密閉型搬送容器は、「スミフ(SMIF:Standard of Mechanical Interface) ポッド」と称されるが、SMIFポッドでもよい。
このように、本発明はここでは記載していないさまざまな実施の形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係わる発明特定事項によってのみ定められるものである。
52…保管庫
54…搬送レール
56、56a〜56d…ロードポート
58、58a〜58c…製造装置
60…密閉型搬送容器
64a、64b…パージ孔
66a、66b…バルブ
68a、68b…配管
54…搬送レール
56、56a〜56d…ロードポート
58、58a〜58c…製造装置
60…密閉型搬送容器
64a、64b…パージ孔
66a、66b…バルブ
68a、68b…配管
Claims (5)
- 中間生成物から窒素原子を含む塩基性化合物を放出可能にする第1製造工程の後、前記塩基性化合物による汚染で工程性能が劣化する第2製造工程に前記中間生成物を密閉型搬送容器に収納して搬送する特定の工程間搬送経路において、
前記密閉型搬送容器の内部の相対湿度を前記密閉型搬送容器外部の環境相対湿度より低く制御することを特徴とする電子装置の製造方法。 - 相対湿度制御手段として、不活性ガス、乾燥空気、乾燥剤、及び電解質膜の少なくとも一つを用いることを特徴とする請求項1に記載の電子装置の製造方法。
- 前記第2製造工程が、フォトリソグラフィ工程であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子装置の製造方法。
- 前記密閉型搬送容器の内部が、前記環境相対湿度を50%としたとき、30%以下の相対湿度に制御されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子装置の製造方法。
- 前記第1製造工程が、過水素化シラザン及びポリシラザンのいずれかを含む溶液の塗布工程であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子装置の製造方法。
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