JP2008019654A - トンネル設計に用いる応力解放率の算定方法及びそのプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】支保の剛性を考慮した掘削解析を行うことにより、応力解放率を正確に算定することができる方法及びそのプログラムを提供すること。
【解決手段】本発明のトンネル設計に用いる応力解放率の算定方法は、所定長さの掘削及び支保の設置を行う掘進区間、及び、周辺地山及び支保の弾性係数を設定し、掘削部分、支保の設置部分及び周辺地山を有限要素に分割して解析モデルを作成する工程と、i−1番目の掘進区間の支保の設置を行ったのち、i番目の掘進区間の掘削を行い、該i番目の掘削が完了した時点で、前記i−1番目の掘進区間における地山と支保との境界に位置する要素の節点変位と半径方向応力とを算出する処理を、iを1ずつ増加させてiが掘進区間の総数になるまで逐次繰り返す工程と、前記地山と支保との境界に位置する要素の節点変位と半径方向応力の、前記各掘進区間内での平均値を算出する工程と、前記掘進区間内での節点変位の平均値と前記掘進区間内での半径方向応力の平均値とに基づいて応力解放率を求める工程とを有する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、トンネルの安定性の検討や支保設計に用いる応力解放率の算定方法及びそのプログラムに関するものである。
トンネルの構築方法としてNATM(New Austrian Tunneling Method)が導入されて以来、特性曲線法を用いた2次元平面ひずみモデルによる解析や2次元有限要素法解析を用いて、トンネル建設時の安定性の検討や支保設計が行われている。応力解放率は、これら2次元解析における重要なパラメータのひとつである。この応力解放率とは、切羽あるいは支保設置位置での、初期地圧とトンネル壁面から地山に作用する支保反力又は掘削直前の地山の反力との差の、初期地圧に対する比である。
一般の交通トンネルにおける応力解放率は、様々な地質条件での多くの建設実績があるために、その値の取り得る範囲が知られている。
一方、高レベル放射性廃棄物の処分方法として、地下深くにトンネル群を建設してその中に埋設する「地層処分」が検討されており、この地層処分施設等を対象とした坑道の安定性評価や支保設計を行う場合には、坑道の断面寸法が一般トンネルと比べて小さいことや、地山の強度に比べて初期地圧が大きい深部での建設であることを考慮する必要があり、単純にこれまでの建設実績を基に応力解放率を決定することができない。
上記の地層処分施設を対象とした坑道のように、これまでの建設実績から応力解放率を決定することができない場合においては、例えば、弾性地山のトンネル軸方向の縦断面を解析領域とした軸対称モデルを用いて、支保の設置を想定しない、すなわち、無支保の場合の掘削解析を行い、この解析により得られた切羽からの距離と壁面変位との関係から応力解放率を求め、この無支保の掘削解析で算定した応力解放率を用いて2次元横断面モデルによる解析を実施することにより、支保設計を行っている。
図12(b)のグラフは、上記の無支保の場合の掘削解析により得られた切羽からの距離と壁面変位との関係の一例を示したものであり、x軸は切羽からの距離Lでありy軸は最終壁面変位u0に対する壁面変位uの比(壁面変位比)である。グラフでは、切羽から離れるにつれて壁面変位が増大し、ある程度の距離で壁面変位が収束することが示されている。このグラフから応力解放率を求めるには以下の手順をとる。説明を分かりやすくするために、設計・施工条件で定められた位置に仮に支保を置いてみる。例えば、図12(a)に示すように、支保1が切羽2に接する態様で支保を置く。一般的なNATM工法では、「掘削工程、支保設置工程」を繰り返すことにより掘り進められていく。以後、本明細書ではこの繰り返しの区間を「掘進区間」とよぶことにする。なお、図12(a)では3掘進区間分の支保が示されている。まず、図12(b)のグラフから先行変位率を求める。先行変位率を求めるための基準位置(切羽からの距離)は明確に規定されていないが、一般的には、切羽2に隣接する掘進区間1a内で決定される。従って、図12(b)のグラフでは、例えば、切羽側端部のA点、支保1の中心であるB点、切羽反対側端部のC点のうちいずれかを、先行変位率を求めるための基準位置とする。弾性地山では先行変位率が応力解放率と等しくなるので、この先行変位率が応力解放率となる。
上述したように、上記従来の方法では、先行変位率を求めるための基準位置としてA点、B点、C点といった複数の点が考えられ、どの点を基準位置とするかによって応力解放率が異なる。そのため、例えば、基準位置をC点とした場合、基準位置をA点とした場合と比べて応力解放率が高く設定され、その結果、支保に作用する荷重(以下、「支保反力」という)が低く算出され、実際に必要な強度に対して不十分な支保設計となるおそれがある。逆に基準位置をA点とした場合には、応力解放率が低く設定されるため、支保反力が高く算出されることになり、必要以上に安全性を考慮した不経済な支保設計となる可能性がある。
このように、応力解放率を正確に算定する方法については確立された手法が無いのが現状であり、その結果、建設実績の少ないトンネル建設において支保設計を行う際に、正しい支保反力が得られず、精度が高く且つ安定性を確保する設計を行い難いという問題があった。
本発明は、上記の点に鑑み、支保の剛性を考慮した掘削解析を行うことにより、応力解放率を一意的に、且つ、正確に算定することができる方法及びそのプログラムを提供することを目的とする。
本発明の請求項1に係るトンネル設計に用いる応力解放率の算定方法は、所定長さの掘削及び支保の設置を行う掘進区間、及び、周辺地山及び支保の弾性係数を設定し、前記掘削部分、支保の設置部分及び周辺地山を有限要素に分割して解析モデルを作成する工程と、i−1番目の掘進区間の支保の設置を行い、i番目の掘進区間の掘削を行い、該i番目の掘削が完了した時点で、前記i−1番目の掘進区間における地山と支保との境界に位置する要素の節点変位と半径方向応力を算出する処理を、iを1ずつ増加させてiが掘進区間の総数になるまで逐次繰り返す工程と、前記地山と支保との境界に位置する要素の節点変位と半径方向応力の、前記各掘進区間内での平均値を算出する工程と、前記各掘進区間内での節点変位の平均値と前記各掘進区間内での半径方向応力の平均値に基づいて応力解放率を求める工程とを有することを特徴とする。
また、本発明の請求項2に係るプログラムは、請求項1に記載のトンネル設計に用いる応力解放率の算定方法における各工程をコンピュータに実行させるものである。
本発明のトンネル設計に用いる応力解放率の算定方法及びそのプログラムによれば、応力解放率を一意的に、且つ、正確に算定できるため、正しい支保反力が得られるようになり、その結果、建設実績の少ないトンネルの建設において、精度が高く且つ安全な支保設計を行うことが可能となる。
以下に、添付図面を参照して、本発明に係るトンネル設計に用いる応力解放率の算定方法の好適な実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明で適用する解析装置の構成を示したブロック図である。ここで例示する解析装置10は、パーソナルコンピュータ等の数値演算装置にプログラムを読み込ませることによって具現化されるもので、解析モデル作成手段11と、逐次掘削・支保解析手段12と、節点変位・半径方向応力平均値算出手段13と、応力解放率算定手段14とを具える。
解析モデル作成手段11は、キーボード等の入力装置20から入力された解析条件、具体的には、所定長さの掘削及び支保の設置を行う掘進区間、周辺地山及び支保の弾性係数等のデータに基づいて、掘削部分、支保の設置部分及び周辺地山を有限要素に分割して解析モデルを作成するものである。
逐次掘削・支保解析手段12は、上記解析モデルを用いて以下に示す解析を行うものである。逐次掘削・支保解析は、i−1番目の掘進区間の支保の設置を行い、i番目の掘進区間の掘削を行い、このi番目の掘削が完了した時点で、i−1番目の掘進区間における地山と支保との境界に位置する地山要素と支保要素の節点変位と半径方向応力を算出する処理を、iを1ずつ増加させて、iが掘進区間の総数になるまで逐次繰り返す。
節点変位・半径方向応力平均値算出手段13は、逐次掘削・支保解析手段12で算出された地山と支保との境界に位置する各要素における節点変位及び半径方向応力を、各掘進区間内で平均する演算を行うものである。
応力解放率算定手段14は、節点変位・半径方向応力平均値算出手段13で算出された、各掘進区間内での節点変位の平均値及び半径方向応力の平均値に基づいて、応力解放率を算定するものである。
なお、逐次掘削・支保解析手段12で算出された各要素における節点変位と半径方向応力、節点変位・半径方向応力平均値算出手段13で算出された節点変位と半径方向応力の掘進区間内での平均値、及び、応力解放率算定手段14で算定された応力解放率は、ディスプレイやプリンタ等の出力手段30を通じて出力を行うことが可能である。
図2は、上述した解析装置が実施する処理の手順を示したフローチャートである。以下、このフローチャートに基づき、地層処分に適用される円形坑道を解析対象とした本発明の実施例について説明する。
(ステップS100)
まず、入力装置20から解析条件を入力し、解析モデル作成手段11において解析モデルを作成する。解析条件は以下のとおりである。
解析対象となる坑道は、断面形状を円形とし、内径を5m(掘削径6m)とする。支保は吹付コンクリートのみを考慮し、吹付の厚さを0.5mとする。図3に解析対象とした実際の坑道の断面形状と寸法を示す。一掘進長(掘進区間の長さ)は1.5mと0.5mの2種類を設定する。一掘進長0.5mは、一般の交通トンネルに適用される掘削径10m,一掘進長1.0mと、掘削径と掘進長の比が同じとなるように定めたものである。
解析領域は100m×100mとし、掘削開始境界の影響を受けないよう、最終切羽位置を境界より60mとする。要素長は0.1m×0.25mに設定する。図4に解析領域と境界の拘束条件を示す。図4に示すように、本実施形態の解析モデルは、円形坑道の中心軸を対称軸とした軸対称モデルである。
図5−1、図5−2は、解析モデルの切羽部分を示したものである。図5−1は、一掘進長1.5mの場合であり、i,i−1・・・は、それぞれ掘進長1.5mの掘進区間を示している。図には示されていないが、坑道入口から最終切羽位置までの間に、40個の掘進区間が設定される。図に示すように、ひとつの掘進区間は6列に分割され、掘削部分a′〜f′、吹付コンクリート設置部分a〜fに細分化してある。
本実施形態では、ひとつの掘進区間で掘削及び吹付コンクリート設置を行い、これを最初の掘進区間1からはじめて、最終の掘進区間40の掘削が完了するまで順次繰り返すことで計算を進める。すなわち、図5−1は、掘進区間i−1までの掘削と吹付コンクリートの設置が終了し、次の掘進区間iの掘削を行う前の状況を示している。同様にして、図5−2において、i,i−1・・・は、それぞれ掘進長0.5mの掘進区間を示している。図に示すように、一掘進長0.5mの場合はひとつの掘進区間を2列に分割し、掘削部分a′,b′、吹付コンクリート部分a,bに細分化してある。
地山と吹付コンクリートは弾性をもつものとした。地山物性は、地層処分施設の安定性の検討に用いられている軟岩系岩盤データセットの中から、強度が最大となるSR−Aと、最小となるSR−Eの中間で、深度500mで現実的に処分可能な限界の地山条件と判断したSR−Cを用いた。初期地圧は10.8MPa、深度は500mである。岩盤SR−Cの諸物性値等を図6に示す。また、吹付コンクリートの弾性係数は5GPa,10GPa,20GPa,40GPaの4種類を設定した。
次いで、逐次掘削・支保解析手段12において、数値解析手法を用いて、解析モデルの逐次掘削・逐次支保解析を行う。逐次掘削・逐次支保解析は、有限差分法のFLACを用いる。本実施形態では、吹付コンクリートの弾性係数、及び、掘進長に応じて、図7に示すような9種類の解析(解析ケース01〜05b)を行う。なお、解析ケース01は本実施形態の比較例であり、吹付コンクリートを設置しない無支保の場合の掘削解析である。この解析ケース01は、掘進区間を設定しない一括掘削による解析を行う。
また、上述したように、本実施形態では地山と吹付コンクリートを弾性をもつものとしており、且つ、切羽進行に伴う吹付コンクリートの硬化は考慮しないこととした。
なお、本実施形態では、以下に説明するように、逐次掘削・支保解析を実行するステップ101〜105と、この解析により算出される地山と支保との境界に位置する各要素の節点変位と半径方向応力を掘進区間内で平均する演算ステップ106を、最終掘進区間まで逐次繰り返す手順としている。
(ステップS101)〜(ステップS108)
以下、一掘進長1.5mの場合の解析手順について説明する。
まず、坑道入口となる最初の掘進区間1を掘削する(ステップS101)。掘削は、図5−1に示すようにa′〜f′の順に0.25mごとに6回行う。なお、この時点では支保は設置されていない。
iに2を入力し、掘進区間i−1の支保要素を設置する(ステップS102及びS103)。支保要素の設置はa〜f部分を一括して行う。
次いで、掘進区間iを掘削する(ステップS104)。掘進区間i−1〜掘進区間1の支保(吹付コンクリート)の弾性係数と強度定数は図6に示すように一定値とする。
なお、吹付コンクリートの経時的な特性すなわち硬化特性を考慮して、掘進区間1から掘進区間iまでのそれぞれの経過時間により、吹付コンクリートの材齢と物性との関係から設定して、掘削解析を実施することもできる。
掘進区間iの掘削(a′〜f′)が完了した時点で、掘進区間i−1の支保と地山との境界に位置する支保要素及び地山要素における節点変位と半径方向応力を算出する(ステップ105)。図5-1に示すように、掘進長1.5mの場合、支保と地山との境界に位置する要素の数は12個である。図8は、地山と支保(吹付コンクリート)との境界部分の地山要素と支保要素を拡大して示したものである。図8に示すように、地山と支保との境界に位置するひとつの要素の節点変位をuj,uj+1とする。また、地山と支保との境界に位置するひとつの支保要素における半径方向応力をσs、この支保要素に隣接する地山要素の半径方向応力をσgとする。
次に、ステップS105で算出した値を節点変位・半径方向応力平均値算出手段13に送り、掘進区間i−1の支保と地山との境界に位置する12個の要素の半径方向応力と節点変位を掘進区間内でそれぞれ平均する(ステップS106)。ステップS106の処理は以下の2段階を経て実行される。まず、図8の式(1)より、ステップS105で算出した要素の半径方向応力σs,σgの平均値を算出する。同様にして、式(2)より、ステップS105で算出した要素の節点変位uj,uj+1の平均値を算出する。ここで、半径方向応力σs,σgの平均値を、地山要素と支保要素との境界に作用する応力、すなわち、地山要素と支保要素との境界における支保反力Pavとみなす。また、節点変位uj,uj+1の平均値を、地山要素と支保要素との境界における壁面変位uavとみなす。
次に、地山要素と支保要素との境界における支保反力Pav及び壁面変位uavを、掘進区間i−1内(a〜f)で平均する。すなわち掘進区間内のa〜fの6箇所の支保反力Pavの平均値を算出する。同様にして、掘進区間内のa〜fの6箇所の壁面変位uavの平均値を算出する。掘進区間i−1内の壁面変位uavの平均値を、掘進区間i−1における壁面変位uとみなす。また、掘進区間内での支保反力Pavの平均値を、掘進区間i−1における支保反力Pとみなす。
上記ステップS103〜ステップS106の処理を最終掘進区間まで繰り返す(ステップS107)。掘進区間39の支保設置を行い、最終掘進区間40の掘削を行い、掘進区間39における壁面変位uと支保反力Pを算出して計算を終了する(ステップS108)。
(ステップS109)
ステップS106で得られた掘進区間1〜掘進区間39までの壁面変位uと支保反力Pの値を応力解放率算定手段14に送り、以下の手順により応力解放率を作成する。解析ケース01における無支保の場合の一括掘削解析で得られる壁面変位の収束値(最終壁面変位)をu0とし、ステップS100で設定した初期地圧をP0とする。無支保の掘削解析で得られる最終壁面変位u0に対する壁面変位uの比(u/u0)をx軸とし、初期地圧P0に対する支保反力Pの比(P/P0)をy軸として、ステップS106で得られた値をプロットする。プロットした点を最小二乗法により直線近似する。この直線は、各掘進区間での壁面変位と支保反力の支保特性曲線である。図9のグラフ(b)に、上記ステップを行って得られた8種類の解析ケース02a〜05bにおける支保特性曲線を示す。なお、グラフ(b)において、x軸及びy軸の1.0を通る直線は弾性地山の円孔の理論解による地山特性曲線である。弾性地山の場合、地山特性曲線は直線となることが分かっている。
(ステップS110)
近似された直線(支保特性曲線)とx軸との交点から応力解放率を求める。近似された直線とx軸との交点(x軸切片)は先行変位率である。弾性地山の場合、先行変位率と応力解放率が等しくなるから、近似された直線とx軸との交点を応力解放率とする。
上記ステップを行うことにより作成された図9(b)に示す支保特性曲線はほぼ直線となり、釣合点も地山特性曲線との交点上にある。この結果は、地山を弾性体と仮定した場合、特性曲線を用いた2次元解析で得られる結果と整合している。従って、上記ステップを行って壁面変位u及び支保反力Pを算定する方法は妥当であり、この壁面変位uと支保反力Pに基づいて作成された支保特性曲線のx軸切片から算定された応力解放率の値が正確であることが十分に裏付けられる。
以上のステップS100〜S110は、コンピュータと、そのコンピュータに実行させるプログラムによって実現することができ、そのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリ等の記録媒体に格納することができる。この場合、解析装置10は、記録媒体から読み込まれたプログラムにより、ステップS100〜S110を実行する。
なお、上記実施形態では、逐次掘削・支保解析手段12で算出される地山要素と支保要素の節点変位と半径方向応力を掘進区間内で平均する演算処理までを最終掘進区間まで逐次繰り返す手順、すなわち、ステップS103からステップS108までの処理を逐次繰り返した後にステップS109に進む手順としたが、この処理の流れは一例であり以下のような手順とすることもできる。
例えば、逐次掘削・支保解析を最終掘進区間まで実行した後に、算出された各要素の節点変位と半径方向応力の値を節点変位・半径方向応力平均値算出手段13に一括して送り、掘進区間1〜掘進区間39での各平均値u,Pを算出する手順としてもよい。すなわち、ステップS103からステップS105までを最終掘進区間まで繰り返した後に、ステップS106に進んで各掘進区間の平均値u,Pを算出する手順としてもよい。
また、逐次掘削・支保解析、掘進区間内の平均値u,Pの演算処理、平均値u,Pのプロット処理までを、最終掘進区間まで逐次繰り返し行う手順としてもよい。すなわち、ステップS103からステップS109までを最終掘進区間まで逐次繰り返す手順としてもよい。
上記ステップS100で設定した吹付コンクリートの弾性係数と、ステップS110で求めた応力解放率との関係を図10に示す。図10において○は、掘進長1.5mの場合、●は、掘進長0.5mの場合の応力解放率である。また、□、■、△、▲は、図9のグラフ(a)に示した無支保の解析ケース01から得られた切羽距離と壁面変位の関係から求めた応力解放率であり、それぞれ0.73(73%)、0.53(53%)、0.60(60%)、0.43(43%)である。これらの値は以下のようにして求めたものである。図9のグラフ(a)は、9種類の解析ケース01〜05bを行って得られた切羽からの距離と壁面変位比との関係を示したものであり、x軸は、切羽からの距離を坑道の掘削径(D=6m)で割った量(L/D)となっており、y軸は壁面変位比(u/u0)である。□及び■は、先行変位率を求めるための基準位置を支保の切羽反対側端部(図12のC点)としたときの応力解放率、すなわち、□は基準位置を切羽から1.5mの距離としたときの応力解放率(73%)であり、■は、基準位置を切羽から0.5mの距離としたときの応力解放率(53%)である。また、△及び▲は、先行変位率を求めるための基準位置を支保の中央(図12のB点)としたときの応力解放率、すなわち、△は基準位置を切羽から0.75mの距離としたときの応力解放率(60%)であり、▲は、基準位置を切羽から0.25mの距離としたときの応力解放率(43%)である。
図10から、吹付コンクリートの弾性係数が大きくなるとともに、応力解放率(=先行変位率)が小さくなることが分かる。また、解析ケース02a〜05bから算定された応力解放率は、解析ケース02bを除いて、無支保の掘削解析から設定された応力解放率より小さいことが分かる。これは無支保の掘削解析よりも、解析ケース02a〜05bの方が、支保の加重分担が大きく算定されることを意味している。
図11は、図10で示したように無支保の解析ケース01から設定された応力解放率73%、53%(代表位置を切羽反対側端部とした場合)、及び、60%、43%(代表位置を支保中央とした場合)として算出される支保反力P01に対する、解析ケース02a〜05bの支保反力Pの比P/P01と、吹付コンクリートの弾性係数との関係を示したものである。図11に示すように、解析ケース02a〜05bの支保反力Pは、吹付コンクリートの弾性係数が大きくなるとともに大きくなることが分かる。また、P/P01が1以上であることから、解析ケース02a〜05bの支保反力Pは、無支保の掘削解析により算出される支保反力P01よりも大きく算出されることが分かる。
以上説明したように、本発明のトンネル設計に用いる応力解放率の算定方法及びそのプログラムによれば、応力解放率を一意的に定めることができる。本発明における各工程を実行して得られた支保反力と壁面変位に基づいて作成された支保特性曲線は、特性曲線を用いた2次元解析で得られる結果と整合しており、本発明の算定方法により得られた応力解放率は精度が高いことが裏付けられる。従って、建設実績の少ないトンネル建設の支保設計を行う際に正しい支保反力が得られるようになり、精度の高い設計を行うことが可能となる。
また、本発明のトンネル設計に用いる応力解放率の算定方法によれば、吹付コンクリートの弾性係数が大きくなるにつれて、応力解放率が小さくなり、支保反力が大きくなることを把握することができ、この結果を支保設計に反映させることができる。
本発明で適用する解析装置の構成を示すブロック図である。 図1で示した解析装置が実施する処理の手順を示したフローチャートである。 本発明の実施例で適用する解析モデルの坑道の断面図である。 本発明の実施例で適用する解析モデルの解析領域を示す概念図である。 本発明の実施例で適用する解析モデル(掘進長1.5mの場合)の要素分割状況を示す概念図である。 本発明の実施例で適用する解析モデル(掘進長0.5mの場合)の要素分割状況を示す概念図である。 本発明の実施例で適用する解析モデルの物性等を示す図表である。 本発明の実施例である解析ケース01〜05bを示す図表である。 本発明の実施例で適用する解析モデルの地山と支保との境界を拡大して示した図、及び、壁面変位及び半径方向応力を算出する式である。 本発明の実施例である解析ケース01〜05bにおける切羽からの距離と壁面変位比との関係を示すグラフ及び、解析ケース01〜05bにおける支保内圧比と壁面変位比との関係及び支保特性曲線を示すグラフである。 本発明の実施例である解析ケース01〜05bにおける吹付コンクリートの弾性係数と応力解放率との関係を示したグラフである。 本発明の実施例である解析ケース01〜05bにおける吹付コンクリートの弾性係数と支保反力の倍率との関係を示したグラフである。 支保が切羽に直に設置された場合の支保の切羽からの距離の定義について示した図である。
符号の説明
10 解析装置
11 解析モデル作成手段
12 逐次掘削・支保解析手段
13 節点変位・半径方向応力平均値算出手段
14 応力解放率算定手段
20 入力装置
30 出力装置

Claims (2)

  1. 所定長さの掘削及び支保の設置を行う掘進区間、及び、周辺地山及び支保の弾性係数を設定し、掘削部分、支保の設置部分及び周辺地山を有限要素に分割して解析モデルを作成する工程と、
    i−1番目の掘進区間の支保の設置を行ったのち、i番目の掘進区間の掘削を行い、該i番目の掘削が完了した時点で、前記i−1番目の掘進区間における地山と支保との境界に位置する要素の節点変位と半径方向応力とを算出する処理を、iを1ずつ増加させてiが掘進区間の総数になるまで逐次繰り返す工程と、
    前記地山と支保との境界に位置する要素の節点変位と半径方向応力の、前記各掘進区間内での平均値を算出する工程と、
    前記各掘進区間内での節点変位の平均値と、前記各掘進区間内での半径方向応力の平均値とに基づいて応力解放率を求める工程と
    を有することを特徴とするトンネル設計に用いる応力解放率の算定方法。
  2. 請求項1に記載のトンネル設計に用いる応力解放率の算定方法における各工程を、コンピュータに実行させるためのプログラム。
JP2006193280A 2006-07-13 2006-07-13 トンネル設計に用いる応力解放率の算定方法及びそのプログラム Active JP4650768B2 (ja)

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