JP2008019332A - 高耐久性塗料及びその塗膜を形成した構築物 - Google Patents

高耐久性塗料及びその塗膜を形成した構築物 Download PDF

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Abstract

【課題】高い耐久性能を有し、移動体からの振動衝撃を低減しする塗料であって、その塗膜を形成した構築物の破壊を低減できる塗料と、その塗料塗膜を形成した構築物を提供する
【解決手段】樹脂材料30.0〜80.0重量%、グラファイト2.3〜12.0重量%、構造助剤10.0〜45.0重量%並びに粘度調整剤0.5〜15.0重量%及び/又は可塑剤0.5〜15.0重量%を含有し、グラファイトが、不定形で粒径が1001〜2000μmの範囲にある大粒径グラファイトをグラファイト全量中0.1〜10.0重量%含有する塗料、及び、この塗料で形成された塗膜を有する構築物。
【選択図】なし

Description

本発明は、高い耐久性能を有し、移動体からの振動衝撃を低減しする塗料であって、その塗膜を形成した構築物の破壊を低減できる塗料に関するものである。
従来、接地面積が非常に小さい硬質プラスチック、硬質ゴムなどの車輪を有する台車などに重量物を載せて一般的な塗料を塗布した所を移動させると、移動時に発生する振動衝撃により、下地床面からの破壊が進み比較的短い期間で塗膜が剥離する問題があった。そのため、例えば防塵などの機能を保持するために、何度も補修を繰り返すか、または床面の耐久性を向上させるために高強度コンクリートを使って基礎からの打ち直しを行うなどの問題があった。
特開平8−143793号公報
本発明は、従来技術における上記の問題点を解決した高耐久性塗料及びその塗膜を形成した構築物を提供するものである。
本発明は、不定形で粒径が1001〜2000μmの範囲にあるグラファイトを含む塗料で、その塗膜で形成された構築物に対し、高い耐久性能を有する塗料を提供するものである。
また、この塗料を例えば中塗り塗料として用い、使用する下塗り塗料、上塗り塗料を使用目的にあわせ、高い耐久性を維持しながら構成される塗膜を形成した構築物を提供するものである。
本発明は次のものに関する。
(1) 樹脂材料30.0〜80.0重量%、グラファイト2.3〜12.0重量%、構造助剤10.0〜45.0重量%並びに粘度調整剤0.5〜15.0重量%及び/又は可塑剤0.5〜15.0重量%を含有し、グラファイトが、不定形で粒径が1001〜2000μmの範囲にある大粒径グラファイトをグラファイト全量中0.1〜10.0重量%含有することを特徴とする塗料。
(2)上記の塗料で形成された塗膜を有する構築物。
本発明の塗料は、不定形で粒径が1001〜2000μmの範囲にあるグラファイトを一般的なグラファイトに含む塗料であり、その塗膜で形成された構築物に対し、高い耐久性を与えることができるものである。
また、この塗料を、例えば中塗り塗料として用い、使用する下塗り塗料、上塗り塗料を使用目的にあわせて選択使用することにより、高い耐久性を維持しながら様々な特性を有する塗膜を形成することができる。また、本発明の塗料を中塗り塗料として用いた場合、従来から問題となっていた構成塗膜の耐久性の低さ、下地からの剥離、上塗りのクラック等も抑制させことができ、構築物の床面等に、極めて耐久性に優れた塗膜を形成することができる。
本発明で使用するグラファイトは、一般的なグラファイトに不定形で粒径が1001〜2000μmの大粒径グラファイトを混入して使用する。全グラファイトの含有量は塗料中に2.3〜12.0重量%であり、5.0〜12.0重量%が好ましく、7.0〜10.0重量%がより好ましい。不定形で粒径が1001〜2000μmの大粒径グラファイトは全グラファイト量中、0.1〜10.0重量%含有され、0.3〜5.0重量%含有されることが好ましく、0.5〜2.0重量%含有されることがより好ましい。ここで全グラファイト量が、3.0重量%未満であると耐久性能が低下し、12.0重量%を超えると塗料のバランスがくずれ、接着力などの低下、粘度の上昇などがある。また、不定形で粒径が1001〜2000μmの大粒径グラファイトの含有量が0.1重量%未満であると耐久性能が低下し、10.0重量%を超えると塗装後の仕上がり外観に悪影響を及ぼすとともに塗料バランスがくずれ、接着力、耐クラック性が低下し、粘度の低減などがある。全グラファイト中の大粒径グラファイト以外のグラファイトは、粒径が1μm以上、1001μm未満であることが好ましく、5〜900μmであることがより好ましく、10〜800μmであることがさらに好ましい。
本発明に使用される構造助剤としては、顔料など種々のものが挙げられ、例えば炭酸カルシウム、タルク、硫酸バリウム等が挙げられるが、炭酸カルシウムが好ましい。前記構造助剤の含有量は、塗料中、10.0〜45.0重量%であり、20.0〜40.0重量%が好ましく、25.0〜35.0重量%がより好ましい。ここで構造助剤の含有量が10.0重量%未満であると構造付与性効果がなく、50.0重量%を超えると塗料の耐久性、接着力、耐クラック性が低下し、粘度の上昇などがある。
本発明に用いられる樹脂材料は、通常、樹脂と必要に応じて用いられる反応硬化剤からなる。樹脂としては、アルキド樹脂、アミノアルキド樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂等の合成樹脂があり、中でもエポキシ樹脂が好ましい。またエポキシ樹脂は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型ジグリシジルエーテル樹脂等があるが、中でもビスフェノールA型エポキシ樹脂が好ましい。またエポキシ樹脂の反応硬化剤としては、ポリアミン、変性ポリアミン、変性脂肪族ポリアミン等があるが、中でも変性脂肪族ポリアミンが好ましい。
樹脂材料の配合量は、塗料中30.0〜80.0重量%、好ましくは35.0〜70.0重量%、より好ましくは40.0〜60.0重量%である。20.0重量%未満では塗料粘度の増加により作業性が低下する傾向があり、更に耐久性も低下する。一方80.0重量%を超えると硬化性、耐久性が劣る傾向がある。
粘度調整剤又は可塑剤としては、DOP等のフタル酸エステル、TEP、TBP、PGE、ベンジルアルコール、アセチルクエン酸系可塑剤、エポキシ系可塑剤、トリメット系可塑剤等があげられる。粘度調整剤及び可塑剤は、各々単独で用いてもよいし、両者を併用してもよい。粘度調整剤及び可塑剤の配合量は、使用する場合、各々、塗料中0.5〜15.0重量%であり、好ましくは5.0〜12.0重量%、より好ましくは7.0〜10.0重量%である。0.5重量%未満では低温時の可とう性が劣る傾向があり、一方15.0重量%を超えると硬化性、耐久性が劣る傾向がある。
本発明での塗料には、一般に上記成分と共にその他の成分を必要に応じて充填又は混練して製造される。このような成分としては、顔料分散剤、消泡剤、レベリング剤、有機溶剤等がある。
本発明に用いられる顔料分散剤としては、例えば、ポリカルボン酸のアルキルアミン塩、アルキルアンモニウム塩、アルキルロールアンモニウム塩、アクリル系共重合物のアンモニウム塩、ポリカルボン酸ナトリウム塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アミノアルコール塩、ポリアミノアマイド系カルボン酸塩、ポリアミノアマイド系の極性酸エステル塩等が挙げられる。
本発明に用いられる消泡剤としては、例えば、ビニル系重合物(ディスパロンP420、楠本化成(株)製商品名)、アクリル系重合物(ディスパロンOX−70、楠本化成(株)製商品名)、シリコン添加アクリル系重合物(ディスパロンOX−66、楠本化成(株)商品名)等が挙げられる。
顔料分散剤及び消泡剤を用いる場合、それらの量は特に制限はないが、通常、塗料中、それぞれ0.01〜5.0重量%が好ましく、0.05〜3.0重量%がより好ましく、0.1〜1.0重量%がさらに好ましい。0.01重量%未満では、塗料の分散、消泡性が低くなる傾向がある。一方5.0重量%を超えると、分散、消泡性は良好であるが、塗装時において塗膜表面にはじきや柚子肌現象が生じやすくなる。
本願発明に用いられるレベリング剤としては、例えば、アクリル系重合物(ディスパロン1970、1980−50、1985−50、楠本化成(株)製商品名)、シリコン系重合物(ディスパロン−1171、楠本化成(株)製商品名)等が挙げられる。
レベリング剤を用いる場合、その量は特に制限はないが、通常、塗料中、0.1〜5.0重量%が好ましく、0.3〜3.0重量%がより好ましく、0.5〜2.0重量%が更に好ましい。0.1重量%未満では、レベリング効果が不十分となる傾向があり、5.0重量%を超えると、使用する上塗り材のハジキや付着性が低下する傾向がある。
塗料の製造方法は特に制限はないが、まず、グラファイトと、顔料等の構造助剤を分散させる必要がある。この方法としては通常、樹脂材料及び顔料を有機溶剤と混合し、この混合物を三本ロール、ボールミル、サンドミル、ビーズミル、ニーダー等の各種分散、混錬装置を用いて混合、分散させて行うことができる。粘度調整剤が樹脂材料を溶解可能なものである場合には、粘度調整剤を有機溶剤の代わりに用いてもよい。。また、樹脂材料の樹脂と顔料とを有機溶剤又は粘度調整剤等と混練し、別個に、樹脂材料の硬化剤を有機溶剤(又は粘度調整剤)と混練しておき、塗料の使用直前に両混練物を混合、混練してもよい。
このとき用いる有機溶剤としては特に制限はなく、例えば、ケトン系、アルコール系、芳香族系等が挙げられる。具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、エチレングリコール、プロピレングリコール、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ブチルアルコール、ベンゼン、トルエン、キシレン、乳酸エチル、酢酸エチル等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。
ただし、後述するように、有機溶剤の選定は、顔料、分散剤等、他の材料との組み合わせにおいて適切に決められるものであり、場合によっては、ある有機溶剤を用いると樹脂との相溶性が低下し、塗料としての性能が特定の範囲からはずれることになれば、その有機溶剤はその系には使用できないことは自明である。したがって、用いる有機溶剤に制限はないが、その系に適した有機溶剤を選定しなければならない。
また、顔料分散の際、上記の顔料分散剤を用いると顔料の分散性や分散安定性が良好になり好ましい。
顔料分散の際の顔料分散剤は、顔料100重量部に対して10重量部以下で用いることが好ましい。また、グラファイト、他の構造助剤等は顔料分散時に加えてもよく、分散後に加えてもよい。同様に有機溶剤も顔料の分散時に全量用いてもよく、有機溶剤の一部を分散後に加えてもよい。ただし、有機溶剤は分散時の樹脂及び顔料の全量100重量部に対して、分散時に少なくとも5重量部以上用いることが好ましい。5重量部未満では、分散時の粘度が高すぎて、特にボールミル、サンドミル、ビーズミル等で分散する場合には分散が困難になる可能性がある。
次にこのようにして得られた塗料の塗布方法としては、刷毛塗り、ローラ刷毛塗り、コテ塗りで行うが、その中でもコテ塗りが好ましい。
さらに塗布後、硬化させて塗膜化させる方法については、自然乾燥、加熱乾燥の方法があるがその中でも自然乾燥が望ましい。
本発明の塗料は、建造物の床を構築するコンクリート、アスファルト等の構築物に、下塗り材等で下地処理をした基材に塗装するのが好ましい。例えばエポキシ樹脂系等の下塗り材を10〜100μmの厚さで塗装した後、本発明の塗料を塗布し、更に上塗り塗料、たとえばエポキシ樹脂系塗料、ウレタン樹脂系塗料等を塗装するのが好ましい。
以上の方法により本発明の塗料、及びそれを塗膜形成し、高い耐久性を有する構成層を有する塗膜を形成した構築物が得られる。
下塗り材には、溶剤タイプあるいは水系タイプのエポキシ樹脂系下塗り塗料、ウレタン樹脂系下塗り塗料、アクリル樹脂系下塗り塗料等を構築物に塗布し、構築物との接着性を向上させて使用する。
上塗り塗料には、例えば、無溶剤タイプで厚塗り塗装ができるエポキシ樹脂系、ウレタン樹脂系、MMA樹脂系塗料等を塗布し、仕上がり外観を向上させ、上塗り塗料の有するその他の機能を発揮させながら、高い耐久性を有する構成層及び構築物が得られる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明は実施例に何ら制限されるものではない。なお実施例中、特にことわりのないかぎり、「%」は「重量%」「部」は「重量部」を示す。
[実施例1〜11]
Figure 2008019332
Figure 2008019332
以下に、表中の各材料を説明する。
アデカレジンEp4200: 商品名、旭電化(株)製ビスフェノールA型エポキシ樹脂
BYK−W935: 商品名、ビックケミー社製(高分子ポリカルボン酸の塩)
ディスパロンP420: 商品名、楠本化成(株)製消泡剤(ビニル系重合物)
FのCB−A: 商品名、日立化成工業(株)製グラファイト
GのCB−A: 商品名、日立化成工業(株)製グラファイト
アデカハードナーEH451K: 商品名、旭電化(株)製変性脂肪族ポリアミン
表1−1に示すA〜Hの成分をディゾルバーで混合し、主剤とした。
表1−2に示すI及びJは、別配合としディゾルバーで混合し、硬化剤とした。
表1−1、表1−2で示した配合をそれぞれ混合した後、主剤・硬化剤を4対1の割合で混合し、エポキシ溶剤型コンクリート用下塗り材(日立化成工材(株)製、商品名ハイスターEP下塗り材)上にそれぞれコテで塗装した。
[比較例1−11]
Figure 2008019332
Figure 2008019332
表2−1に示すA〜Hの成分をディゾルバーで混合し、主剤とした。
表2−2に示すI及びJは、別配合としディゾルバーで混合し、硬化剤とした。
表2−1、表2−2で示した配合をそれぞれ混合した後、主剤・硬化剤を4対1の割合で混合し、エポキシ溶剤型コンクリート用下塗り材の上にそれぞれコテで塗装した。
但し、[比較例2〜4]については、エポキシ樹脂のエポキシ当量と変性脂肪族ポリアミンの持つ活性水素量から配合量を求め、各配合に見合った量の硬化剤を混合した(比較例2は、A:I=82:34.8、比較例3は、A:I=18:7.7、比較例4は、A:I=66:28となる量で混合した。)。
[比較例12]
Figure 2008019332
表3で示した配合をそれぞれ混合した後、エポキシ溶剤型コンクリート用下塗り材の上に、コテで塗装した。
[比較例13]
Figure 2008019332
表4で示した配合をそれぞれ混合した後、エポキシ溶剤型コンクリート用下塗り材の上に、コテで塗装した。
[比較例14]
更にエポキシ溶剤型コンクリート用下塗り材(日立化成工材(株)製、商品名ハイスターEP下塗り材)の上に、エポキシ無溶剤型反応系塗料[比較例1]をコンクリートブロックに直接塗布したものを比較とした。
[試験板の作製]
(1)エポキシ溶剤型コンクリート用下塗り材を30cm角コンクリートブロックに塗装し乾燥した後、[実施例1〜11]で調製した塗料を塗装、乾燥膜厚が0.5〜15.0mmの範囲になるように塗装し、乾燥後、上塗り塗料(エポキシ無溶剤型反応系塗料、日立化成工材(株)製、商品名ハイスターEF8410)を塗布したものを試験体とした。上塗り塗料は、塗装無しの場合([実施例12、13])と、乾燥塗装膜厚を0.2mm〜5.0mmの範囲になるように塗装したもの([実施例1〜11][比較例1〜14])との場合に分け、試験板(1)を作製した。。
[比較例1〜13]についても同様に作製した。
(2)JIS−K5600に準じて作製した試験片に(1)同様に塗装を行い、試験板(2)を作製した。
[塗膜試験]
(1) 耐久性試験
上記の方法で作製した試験板(1)を常温で7日間乾燥後、JIS−K5600−5−3に準じ1kgの鉄球を100cmの高さから落下させ、塗膜の浮き、剥離、クラックなどの状態を観察し、その耐性回数を評価した。
評価結果は、[比較例12]を規準とし、耐性回数が3倍以上を良好とした。
判定基準は ○:3倍以上、△:3倍未満2倍以上、×:2倍未満
(2) その他の試験
上記の方法で作製した試験板(2)を常温で7日間乾燥後、JIS−K5600に準じ、その他の各種塗膜試験を行い、その結果を評価した。試験項目、判定基準は、以下の通りである。
塗料粘度 :主剤、硬化剤を混合した直後の塗料の好ましい粘度範囲を10〜20Pa・sとし、その範囲内のもの=○ それ以外=×
塗装作業性 :コテ塗り作業において、コテ捌き、平滑性、硬化性の3点から
一般エポキシ上塗り塗料と比較して同等もしくはそれ以上=○
それよりも劣るもの=×
塗装外観 :塗装後、塗膜外観が平滑=○ ムラ、段差あり=×
下地付着性 :下地モルタルとの接着強度が建研式試験機を用いて下地母材破壊で、尚且つ1.96MPa(20kgf/cm2)以上=○、それ以下=×
(試験方法は、塗り床工業会に示すNNK−005に従った)
上塗作業性:上記塗装膜厚で塗装した際、中塗り材を隠蔽できるもの、塗装時、コテ捌きに問題が無いもの=○、それ以外=×
上塗付着性:JIS−K5600−5−6に準じ、の2mm×2mm×100個の碁盤目試験において90%以上付着した場合=○、それ以下=×
耐クラック性:JIS−K5600−5−1に準じ、厚み0.8mmの鉄板に塗装し、硬化乾燥後折り曲げ試験を実施し、φ=10mm、90°折り曲げにおいてクラック等異常が発生しない場合=○、それ以外=×
[実施例12、13]
尚[実施例3]の上塗り塗装無しを[実施例12]、[実施例9]の上塗り塗装無しを[実施例13]として評価した。
これらの試験結果を以下の表にまとめた。
Figure 2008019332
尚、総合判定は、評価項目において全て満足したものを○とし、ひとつでも満足できないものがある場合は、×とした。
表5で示した塗膜性能試験結果から[実施例][比較例]を中塗り材として塗布し、一般的な下塗り材、上塗り材の構成層の一部として組み合わせ、評価を行なった。
[実施例1〜11]は、塗料中に、樹脂材料(樹脂及び硬化剤)を53.6重量%(主剤中の樹脂量:47重量%、硬化剤中の硬化剤量:80重量%)、全グラファイト量を2.4〜12重量%(主剤中の全グラファイト量:3〜15重量%)とし、そこに不定形で粒径が1001〜2000μmの範囲にあるグラファイトを全グラファイトの量に対して0.1〜10.0重量%含有するものとし、粘度調整剤を10.4重量%(主剤中の粘度調整剤量:8重量%、硬化剤中の粘度調整剤量:20重量%)、構造助剤としての体質顔料を21.6〜31.2重量%(主剤中の構造助剤量:27〜39重量%)を配合して評価した結果で、いずれも耐久性、塗装作業性、塗装外観など全ての評価項目において満足できる性能を得ることができた。
また[実施例12、13]に示すように上塗りを塗装せずに本発明品だけで耐久性を試験を行った結果、高い耐久性を得ることができた。
[比較例1]は、[実施例3〜9]と比較したもので、塗料中にグラファイトを全く使用せず、体質顔料のみを塗料中に含有量33.6重量%(主剤中の含有量42重量%)配合し、塗膜性能試験を行った結果であって、耐久性、下地付着性、耐クラック性に対して目標とする性能は得られなかった。
[比較例2]は使用するグラファイト量は本発明の範囲内とし、使用する樹脂材料量、体質顔料量が本発明の範囲を外れた場合の評価とした。
[実施例]の塗料中の樹脂材料量:53.6重量%(主剤中の樹脂材料量:47重量%)、塗料中の体質顔料量:21.6〜31.2重量%(主剤中の体質顔料量:27〜39重量%)
[比較例2]の塗料中の樹脂材料量:81.4重量%(主剤中の樹脂材料量:82重量%)、塗料中の体質顔料量:0重量%(主剤中の体質顔料量:0重量%)
[比較例3]は、全グラファイト量、樹脂材料量、体質顔料量が本発明の範囲を外れた場合の評価とした。
[比較例3]の塗料中の全グラファイト量:13.7重量%(主剤中の全グラファイト量:13.5重量%)、樹脂材料量:23.4重量%(主剤中の樹脂材料量:18重量%)、塗料中の体質顔料量:47.9重量%(主剤中の体質顔料量:52.5重量%)
また[比較例4]は体質顔料量のみ本発明の範囲を外れたもので比較評価した。
[比較例4]の塗料中の体質顔料量:5.9重量%(主剤中の体質顔料量:8重量%)
その結果、[比較例2〜4]では、いずれも耐久性、塗料粘度、下地付着性などで目標とする性能が得られなかった。
[比較例5〜11]は全グラファイト量及び/又は不定形で粒径が1001〜2000μmの範囲にある大粒径グラファイトの含有量が本発明の範囲を外れたもので比較評価したもので、その結果、耐久性が向上しないものや、塗料粘度が所定の範囲を外れたもの、上塗りの作業性が低下したものなどがあった。更に全てにおいて耐クラック性の向上がみられなかった。
[比較例5]の塗料中の全グラファイト量:2.2重量%(主剤中の全グラファイト量:2.75重量%)
[比較例6]の塗料中の全グラファイト量:2.4重量%(主剤中の全グラファイト量:3重量%)、大粒径グラファイト量:0重量%
[比較例7]の塗料中の全グラファイト量:8重量%(主剤中の全グラファイト量:10重量%)、大粒径グラファイト量:0重量%
[比較例8]の塗料中の全グラファイト量:9.6重量%(主剤中の全グラファイト量:12重量%)、全グラファイト量中の大粒径グラファイト量:20重量%
[比較例9]の塗料中の全グラファイト量:12重量%(主剤中の全グラファイト量:15重量%)、大粒径グラファイト量:0重量%
[比較例10]の塗料中の全グラファイト量:12.12重量%(主剤中の全グラファイト量:15.15重量%)、全グラファイト量中の大粒径グラファイト量:1重量%
[比較例11]の塗料中の全グラファイト量:12.4重量%(主剤中の全グラファイト量:15.5重量%)、全グラファイト量中の大粒径グラファイト量:9.7重量%
[比較例13、14]は、一般的に用いられるモルタルの代表例だが、いずれも耐久性は得られなかった。

Claims (2)

  1. 樹脂材料30.0〜80.0重量%、グラファイト2.3〜12.0重量%、構造助剤10.0〜45.0重量%並びに粘度調整剤0.5〜15.0重量%及び/又は可塑剤0.5〜15.0重量%を含有し、グラファイトが、不定形で粒径が1001〜2000μmの範囲にある大粒径グラファイトをグラファイト全量中0.1〜10.0重量%含有することを特徴とする塗料。
  2. 請求項1記載の塗料で形成された塗膜を有する構築物。
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