JP2008012969A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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尚也 大泉
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Abstract

【課題】少なくとも氷上性能を維持することができ、雪上性能を向上することができる空気入りタイヤを提供すること。
【解決手段】周方向溝21と、ラグ溝22とにより区画された長方形ブロック23および平行四辺形ブロック24がトレッド部2に複数形成されている空気入りタイヤ1において、タイヤ径方向における断面形状がタイヤ内部に向かって凸形状であり、かつ各長方形ブロック23および各平行四辺形ブロック24の側壁面が延在する延在方向に延在するとともに、各長方形ブロック23および各平行四辺形ブロック24の側壁面のうちいずれか1以上に形成される突出部3,4を有する。この突出部3,4は、延在方向と直交する直交方向に形成される突出部サイプを延在方向に1以上有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、空気入りタイヤに関し、さらに詳しくは、ブロックがトレッド部に複数形成されている空気入りタイヤに関するものである。
一般に、空気入りタイヤの雪上性能、特に雪上におけるトラクション性を向上させるためには、タイヤ回転時にエッジ部が雪を引っ掻くことで発生するエッジ効果の向上と、タイヤ回転時に溝に入り込み圧雪された溝内の雪柱をせん断することで発生する雪柱せん断力の向上とが考えられる。エッジ効果を向上するために、従来から空気入りタイヤのブロックにサイプを複数個形成してエッジ部を増加していた。
また、雪柱せん断力を向上させるために、例えば、特許文献1に示すように、溝の溝深さを浅くする空気入りタイヤが提案されている。この特許文献1に示す空気入りタイヤは、溝の溝深さを浅くすることで、溝の溝内に入り込んだ雪の圧縮力を増加し、雪柱せん断力を向上するものである。
また、雪柱せん断力を向上させるためには、溝体積を増加し、せん断される雪柱を大きくすることが考えられる。しかし、溝体積の著しい増加は、トレッド部における溝面積の増加を伴うため、路面、特に路面上の氷との接地面積が減少するため、氷上性能が低下する虞があった。
特開2001−187517号公報
そこで、この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、少なくとも氷上性能を維持することができ、雪上性能を向上することができる空気入りタイヤを提供することを目的とするものである。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明では、タイヤ周方向に連続する周方向溝と、当該周方向溝に少なくとも一方の端部が連通するラグ溝とにより区画されたブロックがトレッド部に複数形成されている空気入りタイヤにおいて、タイヤ径方向における断面形状がタイヤ内部に向かって凸形状であり、かつ前記各ブロックの側壁面が延在する延在方向に延在するとともに、当該各ブロックの側壁面のうちいずれか1以上に形成される突出部を有し、前記突出部は、前記延在方向と直交する直交方向に形成される突出部サイプを当該延在方向に1以上有することを特徴とする。
この発明によれば、突出部は、各ブロックの側壁面のうちいずれか1以上に形成、すなわち周方向溝あるいはラグ溝の少なくともいずれか一方の溝内に形成されるが、タイヤ径方向における断面形状がタイヤ内部に向かって凸形状であるので、溝体積の減少を抑制することができる。従って、溝面積の増加を行わなくても、せん断される雪柱を大きさを維持することができる。これにより、路面、特に路面上の氷との接地面積の減少が抑制されるので、氷上性能を維持することができる。
また、突出部は、延在方向と直交する直交方向に形成される突出部サイプを延在方向に1以上有するので、エッジ部を増加することができる。従って、エッジ効果を向上することができるので、雪上性能を向上することができる。
なお、上記空気入りタイヤにおいては、前記突出部は、対向する側壁面に形成されていることが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいては、前記突出部は、前記延在方向における一端から他端に向かって前記タイヤ径方向における断面積が減少して形成されていることが好ましい。
この発明によれば、突出部は、タイヤ径方向における断面積が延在方向における一端から他端に向かって減少しているので、タイヤ径方向における断面積が延在方向における一端から他端に向かって一定の場合と比較して、その体積を減少させることができる。従って、溝体積を増加することができるので、雪中せん断力をさらに向上することができる。これにより、雪上性能をさらに向上することができる。
また、上記空気入りタイヤにおいては、前記突出部は、当該突出部が形成される側壁面と、当該突出部が形成される側壁面に隣接する側壁面とのなす角の鋭角側から鈍角側に向かって前記タイヤ径方向における断面積が減少して形成されていることが好ましい。
ここで、ブロックのうち、突出部が形成される側壁面と、この突出部が形成される側壁面に隣接する側壁面とのなす角が鋭角側の部分は、鈍角側の部分よりもその剛性が低い。つまり、ブロックの鋭角側の部分と鈍角側の部分とでは、剛性が均一ではない。従って、ブロックは、その表面を均一に路面に接地させることが困難であった。しかしながら、この発明よれば、突出部のタイヤ径方向における断面積は、ブロックの剛性の低いブロックの鋭角側から剛性の高い鈍角側に向かって減少している。従って、突出部のうち、剛性の高い部分がブロックの剛性の低いブロックの鋭角側に位置し、剛性の低い部分がブロックの剛性の高いブロックの鋭角側に位置するので、ブロックの鋭角側の部分と鈍角側の部分とでの剛性が不均一を抑制することができる。これにより、ブロックの表面を均一に路面に接地させることができるので、路面上の氷との接触面積を向上することができ、氷上性能を向上することができる。
また、上記空気入りタイヤにおいては、前記突出部サイプは、波形状であることが好ましい。
この発明によれば、突出部サイプを波形状とすることで、エッジ部を増加することができる。従って、エッジ効果を向上することができ、雪上性能をさらに向上することができる。
また、上記空気入りタイヤにおいては、前記突出部の最大高さdmaxは、当該ブロックの高さをDとした際に、0.5D≦dmaxであることが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいては、前記突出部の前記直交方向における最大幅w1maxは、隣り合う前記ブロックのタイヤ幅方向における間隔をWとした際に、0.3W≦w1max≦1.0Wであることが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいては、前記突出部サイプの前記直交方向における最大幅w2maxは、当該突出部のタイヤ幅方向における最大幅w1maxとした際に、0.9w1max≦w2max≦1.6w1maxであることが好ましい。
この発明にかかる空気入りタイヤは、氷上性能を維持でき、雪上性能を向上することができるという効果を奏する。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、以下の説明における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの或いは実質的に同一のものが含まれる。なお、空気入りタイヤとしては、トラック、バスなどに装着される重荷重用空気入りタイヤや、乗用車に装着される空気入りタイヤなどがあるが、本発明はいずれの空気入りタイヤに用いても良い。また、以下の実施例では、トレッド部にブロックのみが形成されているタイヤについて説明するが、この発明はこれに限定されるものではなく、トレッド部にブロックが形成されていれば、リブが形成されていても良い。
図1は、この発明にかかる空気入りタイヤのトレッド部を示す図である。また、図2は、タイヤ径方向における断面積が一定の突起部の構成例を示す図である。また、図3は、タイヤ径方向における断面積が減少する突起部の構成例を示す図である。なお、図1は、この発明にかかる空気入りタイヤのトレッド部の一部を示すものである。また、図2および図3において突出部サイプは、簡易的に波形状を直線形状にて図示している。
図1に示すように、この発明にかかる空気入りタイヤ1は、トレッド部2に周方向溝21とラグ溝22とが形成されている。
周方向溝21は、タイヤ周方向に連続する溝である。この実施例では、周方向溝21は、直線形状の溝である。なお、このトレッド部2には、この周方向溝21がタイヤ幅方向に複数本形成されている。ここで、周方向溝21は、直線形状に限られず、波形状(直線的なジグザグ形状を含む)であっても良い。
ラグ溝22は、タイヤ周方向と異なる方向、例えばタイヤ幅方向に延在する溝である。この実施例では、ラグ溝22は、直線形状の溝である。このラグ溝22は、その両端部のうち少なくとも一方の端部、この実施例では、両端部が上記周方向溝21に連通して形成されている。
このトレッド部2には、周方向溝21と、ラグ溝22とにより区画されたブロックが複数形成されている。この実施例では、トレッド部2には、長方形ブロック23と、平行四辺形ブロック24とが複数形成されている。
この長方形ブロック23は、タイヤ周方向に連続して配置され、長方形ブロック群を形成している。従って、長方形ブロック23のタイヤ周方向において隣り合うブロックは、長方形ブロック23となる。ここで、この長方形ブロック23には、タイヤ幅方向に平行な2つのタイヤ幅方向側壁面23a,23aおよびタイヤ周方向において平行な2つのタイヤ周方向側壁面23b,23bが形成されている。長方形ブロック23は、隣接する側壁面、すなわちタイヤ幅方向側壁面23aとタイヤ周方向側壁面23bとのなす角が直角となる。また、長方形ブロック23には、タイヤ幅方向に延在するブロックサイプ23cが複数形成されている。この実施例では、ブロックサイプ23cは、1つの長方形ブロック23に対してタイヤ周方向に3つ形成されている。このブロックサイプ23cは、エッジ部を増加するために波形状に形成されている。
この平行四辺形ブロック24は、タイヤ周方向に連続して配置され、平行四辺形ブロック群を形成している。従って、平行四辺形ブロック24のタイヤ周方向において隣り合うブロックは、平行四辺形ブロック24となる。また、この平行四辺形ブロック群は、タイヤ幅方向において上記長方形ブロック群を挟んでトレッド部2に形成されている。従って、長方形ブロック23のタイヤ幅方向において隣り合うブロックは、平行四辺形ブロック24となる。ここで、この平行四辺形ブロック24には、タイヤ幅方向に平行な2つのタイヤ幅方向側壁面24a,24aおよびタイヤ周方向に対して傾斜する傾斜方向に平行な2つの傾斜方向側壁面24bが形成されている。平行四辺形ブロック24は、隣接する側壁面、すなわちタイヤ幅方向側壁面24aと傾斜方向側壁面24b,24bとのなす角が、鋭角側のなす角度θ1と、鈍角側のなす角度θ2となる(図2参照)。また、平行四辺形ブロック24には、傾斜方向に延在するブロックサイプ24cが複数形成されている。この実施例では、ブロックサイプ24cは、1つの平行四辺形ブロック24に対してタイヤ周方向に3つ形成されている。このブロックサイプ24cは、エッジ部を増加するために波形状に形成されている。
突出部3、4は、各ブロックの側壁面のうちいずれか1以上に形成される。この実施例では、突出部3は、長方形ブロック23の2つのタイヤ幅方向側壁面23a,23a、2つのタイヤ周方向側壁面23b,23bおよび平行四辺形ブロック24の2つのタイヤ幅方向側壁面24a,24aにそれぞれ形成されている。一方、突出部4は、平行四辺形ブロック24の2つの傾斜方向側壁面24b,24bにそれぞれ形成されている。従って、突出部3は、対向する長方形ブロック23の2つのタイヤ周方向側壁面23a,23aに、対向する長方形ブロック23のタイヤ幅方向側壁面23aと平行四辺形ブロック24のタイヤ幅方向側壁面24aとに、それぞれ形成されている。一方、突出部4は、対向する平行四辺形ブロック24の2つの傾斜方向側壁面24b,24bに形成されている。つまり、突出部3,4は、対向する側壁面にそれぞれ形成されている。
各突出部3は、タイヤ周方向側壁面23bから対向するタイヤ周方向側壁面23bに、タイヤ幅方向側壁面23aから対向するタイヤ幅方向側壁面24aに向かって、タイヤ幅方向側壁面24aから対向するタイヤ幅方向側壁面23aに向かって、それぞれ突出して形成されている。図2に示すように、タイヤ幅方向側壁面23a,24aに形成される各突出部3は、タイヤ幅方向側壁面23a,24aが延在する延在方向であるタイヤ周方向に延在して形成されている。また、タイヤ周方向側壁面23bに形成される各突出部3は、タイヤ周方向側壁面23bが延在する延在方向であるタイヤ幅方向に延在して形成されている。また、各突出部3は、この実施例では、上記各側壁面の延在方向における両端部まで延在して形成されている。また、この各突出部3は、タイヤ径方向における断面形状がタイヤ内部、ここでは長方形ブロック23あるいは平行四辺形ブロック24の内部に向かって凸形状に形成されている(同図S1,S2参照)。また、各突出部3は、延在方向における一端から他端に向かってタイヤ径方向における断面積が一定に形成されている。従って、各突出部3の一端側におけるタイヤ径方向における断面積S1と、他端側におけるタイヤ径方向における断面積S2とが同面積となる。
各突出部4は、傾斜方向側壁面24bから対向する傾斜方向側壁面24bに向かって、それぞれ突出して形成されている。図3に示すように、傾斜方向側壁面24bに形成される各突出部4は、傾斜方向側壁面24bが延在する延在方向である傾斜方向に延在して形成されている。また、各突出部4は、この実施例では、上記傾斜方向側壁面24bの延在方向における両端部まで延在して形成されている。また、この各突出部4は、タイヤ径方向における断面形状がタイヤ内部、ここでは平行四辺形ブロック24の内部に向かって凸形状に形成されている(同図S3,S4参照)。また、各突出部4は、延在方向における一端から他端に向かってタイヤ径方向における断面積が減少して形成されている。この実施例では、突出部4は、この突出部4が形成される傾斜方向側壁面24bと、この突出部4が形成される傾斜方向側壁面24bに隣接するタイヤ幅方向側壁面24aとのなす角の鋭角(θ1)側から鈍角(θ2)側に向かってタイヤ径方向における断面積が減少して形成されている。従って、各突出部4の他端側、すなわち平行四辺形ブロック24の鈍角側におけるタイヤ径方向における断面積S4は、一端側、すなわち平行四辺形ブロック24の鋭角側におけるタイヤ径方向における断面積S3よりも小さくなる。
ここで、各突出部3,4には、突出部サイプ31,41が延在方向に1以上形成されている。この実施例では、突出部サイプ31,41は、1つの突出部3,4に対して延在方向に3つ形成されている。この各突出部サイプ31,41は、延在方向と直交する直交方向に形成されている。従って、この発明にかかる空気入りタイヤ1では、トレッド部2におけるエッジ部を増加することができる。これにより、エッジ効果を向上することができるので、雪上性能を向上することができる。また、各突出部サイプ31,41は、波形状に形成されている。従って、この発明にかかる空気入りタイヤ1では、各突出部サイプ31,41のエッジ部を増加することができる。これにより、エッジ効果をさらに向上することができるので、雪上性能をさらに向上することができる。ここで、各突出部サイプ31,41は、直線的なジグザグ形状や、サイン波形状のいずれか波形状であっても良い。また、各突出部サイプ31,41は、波形状に限られず、直線形状であっても良い。
また、突出部サイプ31,41は、対向する側壁面に、一方の側壁面から他方の側壁面に向かってそれぞれ形成されている各突出部3,4に形成されている。従って、周方向溝21およびラグ溝22の溝底にサイプが形成される場合と比較してクラックの発生を抑制することができる。
上述のように、各突出部3,4は、そのタイヤ幅方向側壁面23a、タイヤ周方向側壁面23b、タイヤ幅方向側壁面24a、傾斜方向側壁面24bにそれぞれ形成されているが、タイヤ径方向における断面形状がタイヤ内部に向かって凸形状であるので、隣り合う各ブロックの間に形成される周方向溝21およびラグ溝22の溝体積の減少を抑制することができる。従って、周方向溝21およびラグ溝22の溝面積の増加を行わなくても、せん断される雪柱の大きさを維持することができるので、突出部3,4が形成されていない空気入りタイヤと比較して、雪上性能の低下を抑制することができる。また、周方向溝21およびラグ溝22の溝面積の増加を行わなくても良いので、路面、特に路面上の氷との接地面積の減少が抑制され、氷上性能を維持することができる。
ここで、各長方形ブロック23および各平行四辺形ブロック24の4つの各側壁面すべてに、突出部3,4が形成されている。従って、各長方形ブロック23および各平行四辺形ブロック24のブロック剛性を向上することができる。これにより、氷上性能を向上することができる。
また、各突出部4は、タイヤ径方向における断面積が延在方向における一端から他端に向かって減少しているので、タイヤ径方向における断面積が延在方向における一端から他端に向かって一定である各突出部3と比較して、その体積を減少させることができる。従って、対向する傾斜方向側壁面24bに形成された突出部4が位置するラグ溝22では、その溝体積を増加することができるので、雪中せん断力をさらに向上することができる。これにより、雪上性能を向上することができる。
ここで、平行四辺形ブロック24のうち、突出部4が形成される傾斜方向側壁面24bと、この突出部4が形成される傾斜方向側壁面24bに隣接するタイヤ幅方向側壁面24とのなす角が鋭角(θ1)側の部分は、鈍角(θ2)側の部分よりも剛性が高い。つまり、平行四辺形ブロック24では、平行四辺形ブロック24の鋭角側の部分と鈍角側の部分とで、剛性が均一ではないため、その表面を均一に路面に接地させることが困難であった。従って、トレッド部2に平行四辺形ブロック24が形成されている空気入りタイヤでは、トレッド部2に長方形ブロックのみが形成されている空気入りタイヤと比較して均一な接地が困難であるため、氷上性能が低下する虞があった。
この発明にかかる空気入りタイヤ1では、平行四辺形ブロック24の傾斜方向側壁面24bに形成される各突出部4は、一端である鋭角(θ1)側から他端である鈍角(θ2)側に向かってタイヤ径方向における断面積が減少して形成されている。つまり、角突出部4のうち、剛性の高い部分がブロックの剛性の低い平行四辺形ブロック24の鋭角側に位置し、剛性の低い部分が平行四辺形ブロック24の剛性の高いブロックの鋭角側に位置するので、平行四辺形ブロック24の鋭角側の部分と鈍角側の部分とでの剛性が不均一を抑制することができる。これにより、平行四辺形ブロック24の表面を均一に路面に接地させることができるので、路面上の氷との接触面積を向上することができ、氷上性能を向上することができる。
ここで、各突出部3,4の最大高さdmaxは、長方形ブロック23あるいは平行四辺形ブロック24のブロックの高さをDとした際に、0.5D≦dmaxであることが好ましい。さらには、最大高さdmaxは、0.7D≦dmax≦0.9Dであることが好ましい。これは、0.5D未満であると、ブロック剛性向上に対する寄与が小さくなるためである。なお、最大高さdmaxとは、ブロック高さDの基準、例えば溝底から各突出部3,4において最もタイヤ径方向外側の位置までの高さである。この実施例では、各突出部3,4の最大高さdmaxとは、延在方向のうち一端における高さである。
また、各突出部3,4の直交方向における最大幅w1maxは、隣り合う長方形ブロック23、隣り合う平行四辺形ブロック24あるいは隣り合う長方形ブロック23および平行四辺形ブロック24の間隔、すなわち周方向溝21あるいはラグ溝22の溝幅をWとした際に、0.3W≦w1max≦1.0Wであることが好ましい。さらには、最大幅w1maxは、0.3W≦w1max≦0.7Wであることが好ましい。これは、0.3W未満であると、突出量が小さくなりエッジ部の増加が少なくなるためである。また、1.0Wを超えると、各突出部3,4が対向する側壁面に接触してしまうためである。なお、最大幅w1maxとは、溝幅Wの基準である各突出部3,4が形成される各側壁面から直交方向において最も離れた位置までの幅である。この実施例では、各突出部3,4の最大幅w1maxとは、延在方向のうち一端における直交方向の幅である。
また、各突出部サイプ31,41の直交方向における最大幅w2maxは、上記各突出部3,4の直交方向における最大幅w1maxに対して、0.9w1max≦w2max≦1.6w1maxであることが好ましい。さらには、最大幅w2maxは、1.0w1max≦w2max≦1.4w1maxであることが好ましい。これは、0.9w1max未満であると、トレッド部2の摩耗の進行とともに増加する溝面積に対して、エッジ部の増加が少なくなり、雪上性能を確保することが困難となるためである。また、1.6w1maxを超えると、ブロックの剛性が低下するためである。なお、最大幅w2maxとは、各突出部3,4のうち、各突出部サイプ31,41が位置する部分の直交方向においてこの各突出部3,4が形成される各側壁面から最も離れた位置から直交方向において最も離れた位置までの幅である。
以下に、従来例とこの発明にかかる空気入りタイヤとの走行試験の実施結果について説明する。ここで、この走行試験に用いる各タイヤは、トレッド部に複数のブロックが形成されているものであり、そのタイヤサイズが185/60R14で共通である。また、複数のブロックには、平行四辺形ブロックが含まれる。また、上記サイズの各タイヤをJATMAに規定されている適正リム(14×5 1/2J)にリム組みし、車両規定空気圧とし、排気量1500CCクラスの前輪駆動車両に装着して実施した。
ここで、下記の表1における突出部の有無は、ブロックの4つの側壁面に突出部形成されているかを示すものである。突出部の有無のうち周方向溝は、ブロックの側壁面のうち周方向溝を形成する側壁面に突出部が形成されているかを示すものである。突出部の有無のうちラグ溝は、ブロックの側壁面のうちラグ溝を形成する側壁面に突出部が形成されているかを示すものである。なお、突出部は、タイヤ径方向における断面積が延在方向における一端から他端に向かって減少している形成されている。最大高さdmaxは、ブロック高さDに対する突出部の延在方向における一端の高さである。最小高さdminは、ブロック高さDに対する突出部の延在方向における他端の高さである。最大幅w1maxは、突出部が形成される側壁面が形成する溝幅Wに対するこの突出部の延在方向における一端の直交方向における幅である。最小幅w1minは、突出部が形成される側壁面が形成する溝幅Wに対するこの突出部の延在方向における他端の直交方向における幅である。最大幅w2maxは、最大幅w1maxに対する突出部サイプの直交方向における幅である。断面積減少方向は、平行四辺形ブロックに対して形成される突出部の断面積の減少する方向である。
また、雪上制動性能および氷上制動性能は、雪上路面および氷上路面を初速50km/hからの制動距離を指数評価したものである。雪上旋回性能および氷上旋回性能は、雪上路面および氷上路面の旋回路1周のタイムを指数評価したものである。この雪上制動性能、氷上制動性能、雪上旋回性能および氷上旋回性能は、「従来例」を100とし、数値が大きいほど優れている。
ここで、「従来例」は、突出部がいずれのブロックに対しても形成されていない空気入りタイヤを示す。
また、「本発明1」は、突出部が周方向溝を形成する側壁面のみに形成され、最大高さdmax=0.8D、最小高さdmin=0.2D、最大幅w1max=0.6W、最小幅w1min=0.2W、最大幅w2max=1.2w1max、断面積減少方向が鈍角側から鋭角側に向かう方向である空気入りタイヤを示す。「本発明2」は、「本発明1」に対して突出部がラグ溝を形成する側壁面のみに形成された点が異なる空気入りタイヤを示す。「本発明3」は、「本発明1」に対して突出部が4つの側壁面に形成された点が異なる空気入りタイヤを示す。「本発明4」は、「本発明1」に対して断面積減少方向が鋭角側から鈍角側に向かう方向(上記実施例における突出部4)である点が異なる空気入りタイヤを示す。「本発明5」は、「本発明4」に対して突出部がラグ溝を形成する側壁面のみに形成された点で異なる空気入りタイヤを示す。「本発明6」は、「本発明4」に対して突出部が4つの側壁面に形成された点が異なる空気入りタイヤを示す。
Figure 2008012969
この表1から明らかなように、「本発明1」〜「本発明6」に示すタイヤは、「従来例」に示すタイヤと比較して、雪上制動性能、氷上制動性能、雪上旋回性能および氷上旋回性能のすべてが向上している。つまり、少なくとも氷上性能を維持することができ、雪上性能を向上することができている。
また、ブロックの4つの側壁面すべてに突出部が形成されている「本発明3」に示す空気入りタイヤでは、ブロックの剛性が向上し、エッジ部が増加しているため、「本発明1」および「本発明2」に示す空気入りタイヤと比較して、雪上制動性能、氷上制動性能、雪上旋回性能および氷上旋回性能のすべてが向上している。
また、平行四辺形ブロックに対して形成される突出部の断面積減少方向が鋭角側から鈍角側に向かう方向である「本発明4」〜「本発明6」に示す空気入りタイヤでは、平行四辺形ブロックの表面を均一に路面に接地させることができるので、路面上の氷との接触面積を向上することができるため、「本発明1」〜「本発明3」に示す空気入りタイヤと比較して、少なくとも氷上制動性能および氷上旋回性能が向上している。
また、ブロックの4つの側壁面すべてに突出部が形成されている「本発明6」に示す空気入りタイヤでは、ブロックの剛性が向上し、エッジ部が増加しているため、「本発明4」および「本発明5」に示す空気入りタイヤと比較して、雪上制動性能、氷上制動性能、雪上旋回性能および氷上旋回性能のすべてが向上している。
なお、上記実施例では、トレッド部2に形成される複数のブロックのうち、隣り合うブロックの対向した側壁面のそれぞれに突出部3,4を形成するがいずれか一方のみに形成しても良い。
以上のように、この発明にかかる空気入りタイヤは、ブロックがトレッド部に形成されている空気入りタイヤに有用であり、特に、少なくとも氷上性能を維持することができ、雪上性能を向上するのに適している。
この発明にかかる空気入りタイヤのトレッド部を示す図である。 タイヤ径方向における断面積が一定の突起部の構成例を示す図である。 タイヤ径方向における断面積が減少する突起部の構成例を示す図である。
符号の説明
1 空気入りタイヤ
2 トレッド部
21 周方向溝
22 ラグ溝
23 長方形ブロック
23a タイヤ幅方向側壁面
23b タイヤ周方向側壁面
23c ブロックサイプ
24 平行四辺形ブロック
24a タイヤ幅方向側壁面
24b 傾斜方向側壁面
24c ブロックサイプ
3 突出部
31 突出部サイプ
4 突出部
41 突出部サイプ

Claims (8)

  1. タイヤ周方向に連続する周方向溝と、当該周方向溝に少なくとも一方の端部が連通するラグ溝とにより区画されたブロックがトレッド部に複数形成されている空気入りタイヤにおいて、
    タイヤ径方向における断面形状がタイヤ内部に向かって凸形状であり、かつ前記各ブロックの側壁面が延在する延在方向に延在するとともに、当該各ブロックの側壁面のうちいずれか1以上に形成される突出部を有し、
    前記突出部は、前記延在方向と直交する直交方向に形成される突出部サイプを当該延在方向に1以上有することを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記突出部は、対向する側壁面にそれぞれ形成されていることを特徴とする空気入りタイヤ。
  3. 前記突出部は、前記延在方向における一端から他端に向かって前記タイヤ径方向における断面積が減少して形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記突出部は、当該突出部が形成される側壁面と、当該突出部が形成される側壁面に隣接する側壁面とのなす角の鋭角側から鈍角側に向かって前記タイヤ径方向における断面積が減少して形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記突出部サイプは、波形状であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記突出部の最大高さdmaxは、当該ブロックの高さをDとした際に、0.5D≦dmaxであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記突出部の前記直交方向における最大幅w1maxは、隣り合う前記ブロックの間隔をWとした際に、0.3W≦w1max≦1.0Wであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記突出部サイプの前記直交方向における最大幅w2maxは、当該突出部の当該直交方向における最大幅w1maxとした際に、0.9w1max≦w2max≦1.6w1maxであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
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