JP2008007310A - フイルム剥離装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 フイルム付シートのシートに損傷や変形を加えることなくフイルムを確実に剥離してフイルムを回収できるようにしたフイルム剥離装置を提供する。
【解決手段】 接着ステーションAと剥離回収ステーションBとに移動可能な剥離ヘッド14のヘッド本体22に同方向へ移動可能な移動体24を設け、移動体24に粘着テープ4の一端側に繋がる粘着テープ巻付体29を巻戻し回転可能なテープ支持装置30を設け、ヘッド本体22に粘着テープ4の他端側に繋がる粘着テープ巻取体35を巻取り回転可能な巻取り装置36を設け、剥離ヘッドの移動によってシートから剥がされたフイルム3を保持可能なフイルム保持手段18と、フイルム保持手段18をフイルム回収容器16の上方へ移動可能な移動手段20を備える。
【選択図】 図1
Description
特許文献1には、グリーンセラミックス基板を保持する保持台の上方位置に水平方向に移動できる台車を設け、その台車にフイルムの耳を剥離する粘着ローラを備えたアームと、粘着ローラにより剥離されたフイルムの耳を開閉爪で把持して斜め上方へ引き上げる引上げ機構とを設け、粘着ローラをフイルム付基板の端部に接触させた状態で台車を移動させ、粘着ローラが回転することで基板端部のフイルムの耳を剥離し、そのフイルムの耳を引上げ機構の開閉爪で把持して引上げると共に台車を移動させてフイルムを剥離し、開閉爪がフイルムの把持を開放するようにしたフイルム剥離装置が記載されている。
特許文献2には、ドラムを回転させる回転駆動機構と、ドラムを周速と等速度で径方向に移動させるリニア駆動機構と、ドラムを上下させる上下動機構とを備え、ドラムの円周面の一部に設けた平坦な吸着面をセラミックグリーンシートの端縁部に当ててその端縁部を吸着し、その状態でドラムを他方の端縁部に向かって移動させると共に転がり回転させ、キャリアフイルムをドラムの周面で押えた状態でそのキャリアフイルムを剥離し、吸着面での吸着を解除してキャリアフイルムを廃棄するようにしたキャリアフイルム剥離装置が記載されている。
特許文献4には、シートを固定するための保持部材と、粘着性の外周面を有してキャリアフイルムの一部をセラミックグリーンシートから剥離する剥がし代形成用粘着ロールと、粘着性の外周面を有してキャリアフイルムをセラミックグリーンシートから除去するための除去用粘着ロールから成るロール部と、ロール部のシートに対する相対的な位置を調整する位置調整機構とを備え、キャリアフイルムに押し当てた粘着ロールを転動させることでキャリアフイルムの一部を巻取って剥離する部分剥離工程と、粘着ロールを転動の逆向きに回転させてキャリアフイルムから離す工程とを含む剥がし代形成工程と、剥がし代の領域のうち端部を避けた位置に粘着ロールを押し当てて回転させてキャリアフイルムを引き剥がすキャリアフイルム除去工程と、セパレータにより粘着ロールの外周面からキャリアフイルムを剥ぎ取って回収筒に回収する工程を行うキャリアフイルム剥離装置が記載されている。
特許文献2に記載のものでは、ドラムの吸着面でセラミックグリーンシートの端縁部を吸着した状態でドラムを他方の端縁部に向かって移動させると共に転がり回転させてキャリアフイルムを剥離するようにしているので、ドラムの移動と回転によってセラミックグリーンシートを損傷させ易い問題がある上に、ドラムの移動と回転を同期させるための装置が複雑になってコスト高になり、しかも、吸着面の当接具合で誤作動を生じ易い問題がある。
特許文献4に記載のものでは、キャリアフイルムに押し当てた粘着ロールをセラミックグリーンシートの移動により転動させることでキャリアフイルムを巻取って剥離するようにしているので、特許文献1と同様に、セラミックグリーンシートの粘着ロール接着部にシート移動方向の力が作用してシートを損傷させたり変形させる問題があり、また、剥がし代形成用粘着ロールと除去用粘着ロールとでキャリアフイルムを剥離するようにしているので、工程が複雑になって処理時間が長くなったり機構が複雑になる問題があり、しかも、セパレータによって粘着ロールの外周面からキャリアフイルムを剥ぎ取るようにしているので、粘着ロールからのキャリアフイルムの剥ぎ取りが不安定で誤作動を起こし易く、また、粘着ロールの粘着力の低下により誤作動を起こし易い問題がある。
また、請求項2の発明は、剥離ヘッドに接着ステーションと剥離回収ステーションとに往復移動可能なヘッド本体とそのヘッド本体に対して同方向へ所定量往復移動可能な移動体を備え、ヘッド本体に粘着テープの剥離終端側隅角部側の端部を保持させ、移動体に粘着テープの剥離始端側隅角部側の端部を保持させ、接着ステーションにおいて移動体を剥離終端側隅角部方向へ移動させて粘着テープの剥離始端側隅角部側の端部のみを剥離終端側隅角部方向へ移動可能にしたことを特徴とする。
また、請求項4の発明は、剥離ヘッドの剥離回収ステーション付近に剥離後のフイルムを収容可能なフイルム回収容器を備え、剥離ヘッドの剥離回収ステーションへの移動によってシートから剥がされたフイルムを保持可能なフイルム保持手段と、そのフイルム保持手段をフイルム回収容器の上方へ移動可能な移動手段を備え、剥離したフイルムを粘着テープから剥がすとともにフイルム回収容器に回収可能にしたことを特徴とする。
また、請求項5の発明は、剥離ヘッドに、剥離ヘッド移動方向へ延びる粘着テープの押圧手段による押下げ位置より剥離終端側部分が下側へ弛むのを防止する弛み防止手段を備えていることを特徴とする。
また、請求項6の発明は、押圧手段による押下げ位置より剥離始端側の粘着テープを剥離終端側方向へ移動させることでフイルム付シートの隅角部がシートから剥がれて折り返されたことを検出可能な検出器を備えていることを特徴とする。
本願の請求項3の発明は、剥離ヘッドの剥離始端側部分に、粘着部が下側の片面粘着テープの一端側に繋がる新しい未使用の粘着テープ巻付体を回転可能に支持するテープ支持装置と、粘着テープの他端側に繋がる粘着テープ巻取体を巻取り回転可能な巻取り装置を備え、粘着テープ巻取体を巻取り回転させて粘着テープ巻付体の粘着テープを引き出し、フイルム付シートの剥離始端側隅角部上に接着させる粘着テープの接着部を新しくできるようにしたので、粘着テープの巻取りにより粘着テープの中間部の接着部を新たな粘着部に変更でき、フイルム剥離に市販の巻付け粘着テープを長期間使用でき、また、粘着テープの消費量を必要最小限に少なくでき、粘着テープの交換時間を少なくして装置の稼働率を良くできる。
本願の請求項5の発明は、剥離ヘッドに、剥離ヘッド移動方向へ延びる粘着テープの押圧手段による押下げ位置より剥離終端側部分が下側へ弛むのを防止する弛み防止手段を備えているので、接着部より剥離始端側の粘着テープを剥離終端側方向へ大きく移動させる場合でも粘着テープの剥離終端側がフイルム付シートに接着するトラブルを防止でき、剥離ヘッドの移動のみで粘着テープを移動させてフイルムを剥離でき、簡易な構成にできる。
本願の請求項6の発明は、押圧手段による押下げ位置より剥離始端側の粘着テープを剥離終端側方向へ移動させることでフイルム付シートの隅角部がシートから剥がれて折り返されたことを検出可能な検出器を備えているので、フイルム付シートのフイルム剥離の誤作動を未然に防止でき、フイルム付シートの損傷を阻止できる。
図1は、フイルム付シートであるセラミックグリーンシート2(シート2とも記す)の上側のフイルム3を粘着面が下側になっている粘着部が片面の粘着テープ4を用いてシート2から剥離するようにしてあるフイルム剥離装置1の正面図、図2は、図1のフイルム剥離装置1の平面図、図3は、図1のフイルム剥離装置1の作動状態を示す正面図である。
フイルム剥離装置1は、床に設置されているフレーム6と、フレーム6上に設置されている載置台8と、フレーム6上に設置されている支持体10によって載置台上のフイルム3付のシート2(フイルム付シート2と記す)の剥離始端側隅角部2a上方からフイルム付シート2の相対向する剥離終端側隅角部2b上方の方向へほぼ水平に支持されている移動手段12と、移動手段12によって載置台上のフイルム付シート2の剥離始端側隅角部2aに対応する接着ステーションAとフイルム付シート2の相対向する剥離終端側隅角部2bに対応する剥離回収ステーションBとに往復移動可能にしてある剥離ヘッド14を備えている。また、フイルム剥離装置1は、剥離ヘッド14の剥離回収ステーションB付近のフレーム6上に載置されて剥離後のフイルムを収容可能なフイルム回収容器16と、剥離ヘッド14の剥離回収ステーションBへの移動によってシート2から剥がされたフイルム3を保持可能なフイルム保持手段18と、そのフイルム保持手段18をフイルム回収容器16の上方へ移動可能な移動手段20とを備えている。
移動手段12は、モータ駆動の長いアクチュエータ13によって構成されている。アクチュエータ13は、長いアクチュエータ本体13aと、アクチュエータ本体13a内に回転自在に支承されているねじ軸13bと、アクチュエータ本体13aの端部に固着されてねじ軸13bを回転駆動するサーボモータ13cと、アクチュエータ本体13aに固着された図示しない案内レールに案内されてねじ軸13bの回転によって長手方向へ移動されるスライダ13dを備えている。なお、移動手段12は、モータによって移動されるベルトによってスライダ13dを移動させるように構成した他の手段でも良い。
押圧手段33は、粘着テープ4の一部を押下げ可能なエアシリンダ46によって構成され、エアシリンダ46のシリンダ本体46aが移動体24に固着された支持プレート44に固着され、エアシリンダ46のピストンロッド46bに弾性部材から成る押圧具46cがフイルム付シート2の剥離始端側隅角部2aに対向するように固着されている。ピストンロッド46bは移動体24に固着された案内具47によって摺動自在に案内されている。
前記装置1を作動させてフイルム付シート2のフイルム3を剥離する場合、先ず、載置台8のシート保持板8b上にフイルム付シート2を載せて吸着保持させる。剥離ヘッド14においては、エアシリンダ23を作動させて摺動体23cを図4に示す剥離始端側の移動端に移動させ、移動体24を初期剥離開始位置に停止保持させる。また、押圧手段33のエアシリンダ46を作動させて押圧具46cを図4に示すように上昇位置に保持させると共に、回転阻止装置32のエアシリンダ44を作動させて押当具44cを上昇位置に保持させ、この状態で、揺動アーム41を上側へ揺動させて嵌合体42bに片面粘着テープ4を巻付けて成る例えば市販のセロテープ(登録商標)等の粘着テープ巻付体29をガイドローラ31に案内させる片面粘着テープ4の下側が粘着部になるように嵌着させる。また、粘着テープ巻付体29の粘着テープ4を巻戻して引き出し、ガイドローラ31とガイドローラ37の下側に案内させ、その粘着テープ4の先端部を巻取り装置36の嵌合体51dに嵌着されている粘着テープ巻取体35に接着させ、ガイドローラ31とガイドローラ37間に粘着面が下側となっている粘着テープ4をほぼ水平に配置する。この場合、弛み防止手段38の引張りレバー70が粘着テープ4を引っ掛けて側方へ引っ張り移動させ、ガイドローラ31とガイドローラ37間の粘着テープ4が弛まないようにする。なお、粘着テープ4の弛み量が大きいときは、巻取り装置36の回転体51を巻取り方向へ回転させて粘着テープ4を巻取ったり、テープ支持装置30の回転体42を巻取り方向へ回転させて粘着テープ4を巻取ることで粘着テープ4の弛みを無くする。
なお、巻取り装置36の嵌合体51dに粘着テープ巻取体35を着脱する場合は、取付ねじ55を操作して側板51cを取外し、その状態で粘着テープ巻取体35の中心孔を嵌合体51dに着脱する。
次に、剥離ヘッド14が接着ステーションAに位置されている状態で、押圧手段33のエアシリンダ46が作動されて押圧具46cが下降され、この押圧具46cがガイドローラ31とガイドローラ37間に延びている粘着テープ4の中間部を図7に示すように押下げ、粘着テープ4の接着部をシート2のフイルム3の離始端側隅角部2a上に接着させる。押圧具46cがガイドローラ31とガイドローラ37間の粘着テープ4を押下げるとき、ガイドローラ31とガイドローラ37間の粘着テープ4が僅かに引き延ばされることになるが、この粘着テープ4の延び分は、弛み防止手段38の引張りレバー70が引き戻されることで与えられる。粘着テープ4の接着部をフイルム3の剥離始端側隅角部3aに接着させた後は、押圧手段33のエアシリンダ46を作動させて押圧具46cを上昇位置に保持させる。その後、粘着テープ巻付体29をガイドローラ31上に当てた後、回転阻止装置32のエアシリンダ44を作動させて押当具44cを粘着テープ巻付体29に当接させ、粘着テープ巻付体29をガイドローラ31に押圧させて粘着テープ巻付体29の自由回転を阻止する。なお、回転阻止装置32による粘着テープ巻付体29の押圧は、押圧手段33による粘着テープ4の押下げより前に行っても良い。
次に、フイルム保持手段18を移動させる移動手段20の回転シリンダ75が作動し、フイルム保持手段18の吸引パッド78をフイルム回収容器16上方の保持開放位置Dから剥離ヘッド14の剥離回収ステーションB下方の吸着保持位置Cに移動させる。その結果、フイルム保持手段18の吸引パッド78は、粘着テープ4から垂れ下がっているフイルム3の後面に対向し、この状態で吸引を開始して剥離ヘッド14から垂れ下がっている剥離後のフイルム4を吸着保持する。即ち、粘着テープ4の移動によりシート2から剥がされて略水平状態の粘着テープ4の中間部分から垂れ下がっているフイルム3をフイルム保持手段18によって保持する。
なお、前記説明では、シート2から剥がされたフイルム3をフイルム保持手段18によって保持させた状態で、剥離ヘッド14を第2剥離移動と同方向へ移動させて接着部より剥離終端側の粘着テープ4をフイルム3から遠去けることで粘着テープ4とフイルム3の接着を剥がしているが、フイルム保持手段18を図示しない移動手段により剥離始端側方向または下方へ移動させてフイルム3を粘着テープ4から剥がすようにしても良い。
2 :フイルム付シート
3 :フイルム
4 :粘着テープ
8 :載置台
A :接着ステーション
B :剥離回収ステーション
14:剥離ヘッド
16:フイルム回収容器
18:フイルム保持手段
20:移動手段
22:ヘッド本体
24:移動体
29:粘着テープ巻付体
30:テープ支持装置
33:押圧手段
35:粘着テープ巻取体
36:巻取り装置
38:弛み防止手段
84:検出器
Claims (6)
- 載置台上に保持したフイルム付シートの上側のフイルムを粘着テープを用いてシートから剥離するようにしたフイルム剥離装置において、フイルム付シートの剥離始端側隅角部に対応する接着ステーションとフイルム付シートの相対向する剥離終端側隅角部に対応する剥離回収ステーションとに往復移動可能な剥離ヘッドを備え、その剥離ヘッドに接着ステーションにおいてフイルム付シートの剥離始端側隅角部の上方を剥離ヘッド移動方向へ延びる粘着テープを粘着部が下側になるように備えると共にその粘着テープの一部を押下げ可能に設け、フイルム付シートの剥離始端側隅角部の上方に位置する粘着テープの一部を押下げてフイルム付シートの剥離始端側隅角部上に接着可能な押圧手段を備えて成るフイルム剥離装置。
- 剥離ヘッドに接着ステーションと剥離回収ステーションとに往復移動可能なヘッド本体とそのヘッド本体に対して同方向へ所定量往復移動可能な移動体を備え、ヘッド本体に粘着テープの剥離終端側隅角部側の端部を保持させ、移動体に粘着テープの剥離始端側隅角部側の端部を保持させ、接着ステーションにおいて移動体を剥離終端側隅角部方向へ移動させて粘着テープの剥離始端側隅角部側の端部のみを剥離終端側隅角部方向へ移動可能にした請求項1記載のフイルム剥離装置。
- 剥離ヘッドに、粘着部が下側の片面粘着テープの一端側に繋がる粘着テープ巻付体を回転可能に支持するテープ支持装置と、粘着テープの他端側に繋がる粘着テープ巻取体を巻取り回転可能な巻取り装置を備え、粘着テープ巻取体を巻取り回転させて粘着テープ巻付体の粘着テープを引き出し、フイルム付シートの剥離始端側隅角部上に接着させる粘着テープの接着部を新しくできるようにした請求項1または2記載のフイルム剥離装置。
- 剥離ヘッドの剥離回収ステーション付近に剥離後のフイルムを収容可能なフイルム回収容器を備え、剥離ヘッドの剥離回収ステーションへの移動によってシートから剥がされたフイルムを保持可能なフイルム保持手段と、そのフイルム保持手段をフイルム回収容器の上方へ移動可能な移動手段を備え、剥離したフイルムを粘着テープから剥がすとともにフイルム回収容器に回収可能にした請求項1または2記載のフイルム剥離装置。
- 剥離ヘッドに、剥離ヘッド移動方向へ延びる粘着テープの押圧手段による押下げ位置より剥離終端側部分が下側へ弛むのを防止する弛み防止手段を備えている請求項1乃至4の何れかに記載のフイルム剥離装置。
- 押圧手段による押下げ位置より剥離始端側の粘着テープを剥離終端側方向へ移動させることでフイルム付シートの隅角部がシートから剥がれて折り返されたことを検出可能な検出器を備えている請求項1乃至3の何れかに記載のフイルム剥離装置。
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