JP2008002143A - 水洗便器の洗浄構造 - Google Patents

Abstract

【課題】水洗ボウルの後部のボウル面を効率的に洗浄することのできる水洗便器の洗浄構造を提供する。
【解決手段】水洗ボウル２の上縁部略全周に亘って設けたリム通水路３の底面３１に複数の射水孔を有するとともに、洗浄水が上記リム通水路内を一方向に止水部まで略一周し、上記複数の射水孔から射水して旋回流を形成し、洗浄する水洗便器Ａであって、上記複数の射水孔の一部が洗浄水の流水方向と逆に傾斜する下降面１１を有する傾斜射水孔１とされた水洗便器の洗浄構造。
【選択図】図３

Description

本発明は、水洗便器に関する。さらに詳しくは、洗浄水を旋回流として噴出し、水洗ボウルを洗浄する水洗便器の洗浄構造に関する。

従来、水洗ボウル内に水を噴出して洗浄する水洗便器については種々の構造が提案されている。例えば、下記特許文献１には、水洗ボウルの上縁略全周に設けたリム通水路の底面に複数の射水孔を有する水洗便器において、洗浄水がリム通水路内を一方向に止水部まで略一周片側旋回するとともに、便器前端近傍に、通水方向に直径を有する長円または長方形の大穴射水孔を設け、旋回流を形成して汚物等を排出する水洗構造が開示されている。

上記水洗便器においては、導水路からリム通水路に供給された洗浄水は一方向に旋回するとともに、水洗ボウルの上縁に設けられたリム通水路を止水部まで略一周し、その間に複数の射水孔から順次ボウル面に流下する。この射水孔１ａは、本願図５に示すように、通常、直径４〜１２ｍｍ程度であり、リム通水路３の底面３１に流水方向に従って斜めに下降する傾斜面１１ａを有して穿たれ、上記洗浄水の一部が斜め下方に射水するようにされている。
実開平６−６３６８８号公報（第１〜３頁、第１図、第６図）

しかしながら、上記特許文献１に記載の技術は、洗浄水の噴出初期、すなわち、導水路に近く、洗浄水の噴出圧力が大きい場合は、殆どの洗浄水がリム通水路に沿って流水方向に水平に流れるため、上記した流水方向に従って斜め下方に傾斜する傾斜面を有する射水孔からの射水量は少なく、導水路近傍下方、すなわち、水洗ボウルの後部に付着した汚物を洗浄することが困難であるという問題がある。

本発明はこのような問題点を解決して、水洗ボウルの後部、すなわち、導水路近傍下方のボウル面を効率的に洗浄することのできる水洗便器の洗浄構造を提供することを、その課題とする。

上記課題を解決するために、本発明においては、つぎのような技術的手段を講じている。すなわち、請求項１に記載の発明によれば、水洗ボウルの上縁部略全周に亘って設けたリム通水路の底面に複数の射水孔を有するとともに、洗浄水が上記リム通水路内を一方向に止水部まで略一周し、上記複数の射水孔から射水して旋回流を形成し、洗浄する水洗便器であって、上記複数の射水孔の一部が洗浄水の流水方向と逆に傾斜する下降面を有する傾斜射水孔とされた水洗便器の洗浄構造が提供される。

請求項２に記載の水洗便器の洗浄構造は、請求項１に記載の発明に加えて、上記傾斜射水孔の流水方向側の端部に水流を阻止する凸部を設けることが好ましい。

請求項３に記載の水洗便器の洗浄構造は、請求項１に記載の発明に加えて、上記水洗ボウルの上縁部略全周に亘って設けたリム通水路の底面に穿たれた複数の射水孔のうち、水洗ボウルの後部から前側にかけての片側部分を傾斜射水孔とすることが好ましい。

請求項１に記載の発明にかかる水洗便器の洗浄構造は上記のとおりであり、水洗ボウルの上縁部略全周に亘って設けたリム通水路の底面に穿たれた複数の射水孔の一部が洗浄水の流水方向と逆に傾斜する下降面を有する傾斜射水孔とされているため、洗浄水の底流部の流れが上記傾斜下降面に衝突して下向きに方向変換し、傾斜射水孔から射水する洗浄水によって、水洗ボウルのボウル面に付着した汚物を効率よく洗い流すことができる。

請求項２に記載の水洗便器の洗浄構造は上記のとおりであり、請求項１の水洗便器の洗浄構造の有する効果に加え、上記傾斜射水孔の流水方向側の端部に水流を阻止する凸部を設けることにより、洗浄水の底流部が上記凸部に衝突して流水方向を変換するため、傾斜射水孔に流入する洗浄水の量が増し、下向きに勢いよく射水するため、ボウル面に付着した汚物をさらに効率よく洗い流すことができる。

請求項３に記載の水洗便器の洗浄構造は上記のとおりであり、請求項１の水洗便器の洗浄構造の有する効果に加え、水洗ボウルの上縁部略全周に亘って設けたリム通水路の底面に穿たれた複数の射水孔のうち、水洗ボウルの後部から前側にかけての片側部分を傾斜射水孔とすることにより、導水路近傍、すなわち、洗浄水の噴出圧力が高い部分から水洗ボウルの前側にかけて上記傾斜射水孔から下向きに流れる洗浄水の量が増すため、汚物をさらに効率よく洗い流すことができる。

以下、本発明にかかる水洗便器の洗浄構造の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図１は上記水洗便器Ａを示す平面図であり、該水洗便器Ａによって生じる洗浄水の旋回流を模式的に示す。図１に示すように、水洗ボウル２の上縁部略全周に亘って設けられたリム通水路３の底面には複数の射水孔が設けられ、給水口５から導水路４を経て噴出する洗浄水は白抜きの矢印の方向に流れて上記リム通水路３内を止水部６まで略一周し、射水して水洗ボウル２のボウル面２１を洗浄する。本実施形態においては、導水路４近傍の水洗ボウル２の後部から前側２２にかけての片側部分のリム通水路３の底面に本発明にかかる傾斜射水孔１が穿たれている。

図２は、上記水洗ボウル２の上縁部に設けられたリム通水路３を示す部分破断斜視図であり、洗浄水は白抜き矢印の方向に流れるとともに、上記リム通水路３の底面３１には本発明にかかる傾斜射水孔１が穿たれている。図３は、図２におけるＸ−Ｘ線に沿う断面図である。図３に示されているように、上記傾斜射水孔１は洗浄水の流水方向と逆に傾斜する傾斜下降面１１を有している。

上記吸水口５から給水され、導水路４を経て噴出する洗浄水は、導水路４を出た直後の噴出圧力が大きいため、洗浄水の底流部は上記傾斜下降面１１に衝突して下向きに方向変換し、傾斜射水孔１から下向きに射水する。このようにして旋回流を形成するとともに、傾斜射水孔１から下向きに噴出する洗浄水によって、水洗ボウル２の後部のボウル面２１に付着した汚物は効率よく洗い流され、清浄にすることができる。

図４は、上記傾斜射水孔１の流水方向側の端部に水流を阻止するように凸部７を設けた他の実施形態を示す側断面図である。図４に示すように、上記凸部７によって、洗浄水の底流部の流れは阻止され、傾斜下降面１１に衝突する水流を増やすとともに、下向きに方向変換し、傾斜射水孔１から射水してボウル面２１に付着した汚物をさらに効率よく洗い流すことができる。

本発明にかかる傾斜射水孔１は、洗浄水の噴出圧力が高いほど上記流水方向と逆に傾斜する傾斜下降面１１に衝突する洗浄水の量が増えるため、導水路４近傍下方、すなわち、水洗ボウル２の後部の比較的汚物が付着し易いボウル面２１を効率よく洗浄することができる。あるいは、本発明にかかる傾斜射水孔１と従来技術における射水孔とを交互に配設し、射水方向、射水量に強弱パターン機能を付与して洗浄力を高めてもよい。このように、本発明にかかる水洗便器の洗浄構造は設計変更自在であり、特許請求の範囲を逸脱しない限り、いずれも本発明の技術的範囲に属する。

本発明にかかる水洗便器の平面図である。 水洗ボウルの上縁部に設けたリム通水路を示す部分破断斜視図である。 図２におけるＸ−Ｘ線に沿う断面図である。 本発明の水洗便器の構造にかかる傾斜射水孔の他の実施形態を示す側断面図である。 公知の射水孔を示す側断面図である。

符号の説明

Ａ 本発明にかかる水洗便器
１ 傾斜射水孔
１１ 傾斜下降面
１ａ 公知の射水孔
１１ａ 傾斜面
２ 水洗ボウル
２１ ボウル面
２２ 前側
３ リム通水路
３１ 底面
４ 導水路
５ 給水口
６ 止水部
７ 凸部

Claims (3)

1. 水洗ボウルの上縁部略全周に亘って設けたリム通水路の底面に複数の射水孔を有するとともに、洗浄水が上記リム通水路内を一方向に止水部まで略一周し、上記複数の射水孔から射水して旋回流を形成し、洗浄する水洗便器であって、上記複数の射水孔の一部が洗浄水の流水方向と逆に傾斜する下降面を有する傾斜射水孔とされた水洗便器の洗浄構造。
2. 上記傾斜射水孔の流水方向側の端部に水流を阻止する凸部が設けられた請求項１に記載の水洗便器の洗浄構造。
3. 上記水洗ボウルの上縁部略全周に亘って設けたリム通水路の底面に穿たれた複数の射水孔のうち、水洗ボウルの後部から前側にかけての片側部分が上記傾斜射水孔とされた請求項１に記載の水洗便器の洗浄構造。

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