JP2008001798A - Manufacturing method for polyester and polyester obtained by the same - Google Patents
Manufacturing method for polyester and polyester obtained by the same Download PDFInfo
- Publication number
- JP2008001798A JP2008001798A JP2006172484A JP2006172484A JP2008001798A JP 2008001798 A JP2008001798 A JP 2008001798A JP 2006172484 A JP2006172484 A JP 2006172484A JP 2006172484 A JP2006172484 A JP 2006172484A JP 2008001798 A JP2008001798 A JP 2008001798A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polyester
- esterification reaction
- glycol
- reaction tank
- slurry
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Landscapes
- Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
Abstract
Description
本発明はポリエステルの連続製造方法ならびに該製造方法で製造されたポリエステルに関する。さらに詳しくは、経済的に実施することができて、高品質で、かつ均質なポリエステルを安定して生産することができるポリエステルの製造方法ならびに該製造方法で製造されたポリエステルに関するものである。 The present invention relates to a continuous production method of polyester and a polyester produced by the production method. More specifically, the present invention relates to a method for producing a polyester that can be economically implemented and can stably produce a high-quality and homogeneous polyester, and a polyester produced by the production method.
ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等に代表されるポリエステルは、機械的特性および化学的特性に優れており、それぞれのポリエステルの特性に応じて、例えば衣料用や産業資材用の繊維、包装用、磁気テープ用、光学用などのフィルムやシート、中空成形品であるボトル、電気・電子部品のケーシング、その他エンジニアリングプラスチック成形品等の広範な分野において使用されている。 Polyesters represented by polyethylene terephthalate (PET), polybutylene terephthalate (PBT), polyethylene naphthalate (PEN), etc. are excellent in mechanical properties and chemical properties. For example, according to the properties of each polyester, clothing It is used in a wide range of fields such as fibers for industrial and industrial materials, films and sheets for packaging, magnetic tape, optics, bottles that are hollow molded products, casings for electrical and electronic parts, and other engineering plastic molded products. ing.
現在、これらのポリエステルは、反応性を高めるために酸成分に対してグリコール成分を過剰に用いて、エステル化反応あるいはエステル交換反応により両末端にグリコールが縮合されたオリゴマーとして、これを高温、減圧下でエステル交換による脱グリコール反応、いわゆる重縮合反応により高分子量のポリエステルを得る2段階反応の方法がとられている。また、近年、製造コストが安いことより、芳香族ジカルボン酸とグリコールを原料とする、いわゆる直接エステル化法が主流になってきている。そして、それぞれ別の反応槽が用いられており、エステル化反応および重縮合反応ともに均一に段階的に反応を進行させるために、これらの反応装置はそれぞれ複数の反応槽を有している。 At present, these polyesters are used as oligomers in which glycol is condensed at both ends by esterification reaction or transesterification reaction by using glycol component in excess of acid component to increase reactivity. Under the deglycolization reaction by transesterification, a two-stage reaction method for obtaining a high molecular weight polyester by so-called polycondensation reaction is employed. In recent years, so-called direct esterification methods using aromatic dicarboxylic acids and glycols as raw materials have become mainstream due to low production costs. Separate reaction tanks are used, and these reaction apparatuses each have a plurality of reaction tanks in order to cause the esterification reaction and the polycondensation reaction to proceed uniformly and stepwise.
直接エステル化法においては、ポリエステルの製造は芳香族ジカルボン酸とグリコールをスラリー調合槽でスラリーを調合しエステル化反応槽に供給されエステル化反応が行われる。芳香族ジカルボン酸が固体でありグリコールに不溶であることより、これらの原料はスラリー状でエステル化反応槽に供給されるが、このスラリーの流動性を確保するため、理論必要量以上のグリコールを原料として供給し、過剰部分を回収する方法が一般的である。また、エステル化されたオリゴマーは重縮合反応槽で脱グリコール反応によりポリエステルが生成される。これらの過剰使用のグリコールや重縮合反応により生ずるグリコールは回収され再使用する必要がある。これらのグリコールの回収、再使用の方法はポリエステルの製造コストに大きく影響を及ぼすので、各種方法が開示されている。 In the direct esterification method, polyester is produced by preparing an aromatic dicarboxylic acid and glycol in a slurry preparation tank and supplying the slurry to an esterification reaction tank to carry out an esterification reaction. Since the aromatic dicarboxylic acid is solid and insoluble in glycol, these raw materials are supplied in a slurry form to the esterification reaction tank. In order to ensure the fluidity of this slurry, more than the theoretical amount of glycol is required. A method of supplying as a raw material and recovering an excess part is common. The esterified oligomer produces a polyester by deglycolization reaction in a polycondensation reaction tank. These excessively used glycols and glycols generated by the polycondensation reaction must be recovered and reused. Since methods for recovering and reusing these glycols greatly affect the production cost of polyester, various methods are disclosed.
エステル化反応槽の留出液の低沸点留分を精留除去しスラリー調合槽に循環し再使用する方法(特許文献1参照)、エステル化反応槽から排出されるエチレングリコールの低沸点留分を精留除去しエチレングリコール貯槽に供給するとともに、この一部を重縮合反応槽に設けられた湿式コンデンサーの循環液として用い凝縮液をエチレングリコール貯槽に供給し、該エチレングリコール貯槽に滞留したエチレングリコールをスラリー調合用に再使用する方法(特許文献2参照)、重縮合反応槽より発生する留出液を湿式コンデンサーにて凝縮し、エステル化反応槽に設けられた蒸留塔へ送り低沸点留分を除いた後、スラリー調合槽に戻して再使用する方法(特許文献3参照)、重縮合反応槽で発生する留出液を連続的に単蒸留し、この連続単蒸留缶の底部抜き出し液を回分式単蒸留缶に送液して単蒸留を行い、初留部分を除いた蒸留液を重縮合反応ガスの凝縮用冷媒液の一部と使用する方法(特許文献4参照)、エステル化反応槽留出液および重縮合反応槽留出液の一部は低沸点留分を精留除去し、重縮合反応槽留出液の残りの一部は低沸点留分と高沸点留分を除去し、スラリー調合に循環し再使用する方法(特許文献5参照)、エステル化反応2段階目の反応槽から排出される留出液を蒸留精製せずに直接、原料の一部、または全量として再使用する方法(特許文献6参照)、重縮合反応槽からの留出液をフラッシュ蒸留により低沸点留分を精留除去して原料グリコールの一部として再使用する方法(特許文献7参照)が開示されている。
一方、ポリエステルの製造においては、エステル化やエステル交換反応触媒に用いられる金属化合物の封鎖、ポリエステル製造工程で例えば金属化合物との反応により微粒子を析出させるいわゆる内部粒子法あるいはポリエステルに静電密着性を付与するために添加する金属化合物の封鎖や静電密着特性の向上のため等にリン化合物が添加される場合が多い。これらのリン化合物はその一部が留出グリコールに混入する。該留出グリコールに混入したリン化合物は再使用の際に上記反応に影響するのでその混入を阻止あるいは制御する必要があるが、上記の特許文献において開示された技術では、循環再使用されるグリコールへのリン化合物の混入に関しては全く配慮がなされていない。 On the other hand, in the production of polyester, blocking of metal compounds used for esterification and transesterification reaction catalysts, so-called internal particle method in which fine particles are precipitated by reaction with metal compounds in the polyester production process, or electrostatic adhesion to polyesters. In many cases, a phosphorus compound is added to block the metal compound to be added or to improve electrostatic adhesion characteristics. A part of these phosphorus compounds is mixed in the distilled glycol. Since the phosphorus compound mixed in the distillate glycol affects the reaction when reused, it is necessary to prevent or control the mixture. However, in the technique disclosed in the above-mentioned patent document, the glycol that is recycled and reused is used. No consideration is given to the inclusion of phosphorus compounds in the water.
例えば、特定構造のリン化合物を用いた内部粒子法によるポリエチレンテレフタレートの製造方法おいて、リン化合物の一部がエチレングリコールと共に系外に留出し、このエチレングリコールを再使用すると、エステル交換反応や析出粒子の粒子径や粒子量が変化しフィルムとした時、望みの表面特性を与えるポリエステルが再現よく得られないという課題が知られている。該課題を解決する方法として、ポリエステルの製造工程より留出したエチレングリコールをアルカリ化合物の存在下で加熱処理後蒸留したエチレングリコールを使用する方法(特許文献8)、留出エチレングリコールを同容量以上の水を加えて加熱して、混入したリン化合物を水と共に留去させて得たエチレングリコールを使用する方法(特許文献9参照)および留出エチレングリコールに対して0.2〜10wt%の水を添加し加熱処理した後、蒸留して回収したエチレングリコールを使用する方法(特許文献10参照)が開示されている。
上記方法はリン化合物の回収エチレングリコールに混入を阻止する方法としては有効な方法であるが、経済性の点で不利であるという問題を有する。
従って、リン化合物の存在下でポリエステルを連続的に製造する方法において、ポリエステルの品質を低下させることなく、ポリエステルの製造工程で留出されるグリコールを経済性の高い方法で循環再使用できる方法の確立が強く嘱望されている。
Although the above method is an effective method for preventing the phosphorus compound from being mixed into the recovered ethylene glycol, it has a problem that it is disadvantageous in terms of economy.
Therefore, in a method for continuously producing polyester in the presence of a phosphorus compound, glycol which is distilled in the polyester production process can be recycled and reused in an economical manner without degrading the quality of the polyester. Establishment is strongly envyed.
一方、一般に直接エステル化法によるポリエステルの製造は、エステル化反応と重縮合反応の2段階で行われる。ポリエチレンテレフタレートの製造において、製造工程を安定化させるためには、エステル化反応によって得られる中間体である低重合体のカルボキシル末端基とヒドロキシル末端基の比率(以下「末端基比」と記載)を調整することが重要とされている。 On the other hand, the production of polyester by direct esterification is generally carried out in two stages, an esterification reaction and a polycondensation reaction. In the production of polyethylene terephthalate, in order to stabilize the production process, the ratio of carboxyl end groups to hydroxyl end groups (hereinafter referred to as “end group ratio”) of the low polymer, which is an intermediate obtained by esterification reaction, is determined. It is important to adjust.
例えば、末端基比が大きく変動すると重縮合工程において重縮合反応の進行速度が変動するために、エチレングリコール除去の負荷変動を生じたり、ポリマーが所定の重合度に到達しない等の問題が発生する。品質においてはポリマーの色相が変化するような現象が生じる。 For example, if the terminal group ratio fluctuates greatly, the progress rate of the polycondensation reaction fluctuates in the polycondensation step, resulting in problems such as fluctuations in the load of removing ethylene glycol and the polymer not reaching a predetermined degree of polymerization. . In terms of quality, a phenomenon occurs in which the hue of the polymer changes.
一般にポリエステル製造方法においては、得られるポリエステルのカルボキシル末端基濃度が高くなるとポリエステルの加水分解性等の安定性が悪化することや該ポリエステルのカルボキシル末端基濃度は、ポリエステルの製造において重縮合反応工程へ供給される最終エステル化反応生成物であるオリゴマーのカルボキシル末端基濃度の影響を大きく受けることより、該オリゴマーのカルボキシル末端基濃度を低くした状態で重縮合工程に供給することにより製造されている。例えば、エステル化反応率が90〜98%になるように、エステル化反応時の温度、圧力、滞留時間およびエチレングリコール供給量からなる群より選ばれる少なくとも1種の反応条件を調節し、重縮合反応後のポリエステルのカルボキシル末端基濃度を20〜50eq/tonの範囲内の一定量となるように制御する方法(特許文献11参照)、エステル化反応率が92〜98%の範囲であり、かつ全末端基中のカルボキシル末端基の割合が35%以下のオリゴマーとし、これを減圧下に重縮合反応させてポリエステル中のカルボキシル末端基濃度を35eq/ton以下にする方法(特許文献12参照)、第1段重縮合反応時の温度、滞留時間及びエチレングリコール供給量からなる群より選ばれる少なくとも1種の反応条件を調節するか、もしくはエステル化反応物のエステル化反応率と共に第1段重縮合反応条件を調節し、重縮合反応後のポリエステルのカルボキシル末端基量を15〜50eq/tonの範囲内の一定値となるように制御する方法(特許文献13参照)、最終反応容器へ供給されるポリエステル低重合体のカルボキシル末端基濃度を9〜30eq/tonとする方法(特許文献14)が開示されている。
しかしながら、ポリエステル製造に用いられる重縮合触媒系の種類やポリエステルを限定された用途に用いる場合に、上記した方法が必ずしも最適でなく、重縮合反応工程に供給される最終エステル化反応槽出口のポリエステルオリゴマーのカルボキシル末端基濃度を高くした方法が、重縮合活性が高かったり、あるいは高品質のポリエステルが得られるということがある。これらの場合においては、上記方法に比べてオリゴマーのカルボキシル末端基濃度の変動が後続の重縮合反応の反応進行やポリエステル品質に対して極めて大きく影響するために、該オリゴマーのカルボキシル末端基濃度の変動をより高精度に抑制する必要がある。 However, when the type of polycondensation catalyst system used for polyester production or polyester is used for limited applications, the above-described method is not necessarily optimal, and the polyester at the end of the final esterification reaction tank supplied to the polycondensation reaction step A method in which the carboxyl end group concentration of the oligomer is increased may have a high polycondensation activity or a high-quality polyester. In these cases, the variation of the carboxyl end group concentration of the oligomer greatly affects the reaction progress of the subsequent polycondensation reaction and the polyester quality compared to the above method. Must be suppressed with higher accuracy.
一方、製品ポリマーの色調を測定し、その測定値の目標値に対する偏差に応じてエステル化工程でのエステル化率を調節する方法、製品ポリマーの色調を測定し、その測定値の目標値に対する偏差に応じて第1重縮合反応時の滞留時間を調節する方法および製品ポリマーの色調および極限粘度を測定してその測定値の目標値に対する偏差に応じて第1段重縮合反応缶へのエチレングリコールの供給量を調節することにより、製造されるポリエステルの色調(b値)の標準偏差が平均値の0.05倍以内に保ち、かつ極限粘度の標準偏差が平均値の0.005倍以内に保つ方法が開示されている(特許文献15〜17参照)。
しかし、上記の方法では、製品ポリマーの色調を測定した時点では、すでに重縮合反応が進行しているので、エステル化率の調節が遅れるために、上記問題が解消されているとはいえない。 However, in the above method, since the polycondensation reaction has already progressed at the time when the color tone of the product polymer is measured, it cannot be said that the above problem has been solved because the adjustment of the esterification rate is delayed.
上記課題を解決する方法として、エステル化反応生成物の電気伝導度をオンライン測定してその結果によりエステル化反応を制御する方法が開示されている(例えば、特許文献18〜21等参照)。該方法は、エステル化反応生成物の電気伝導度とエステル化反応度が比例することを利用してエステル化反応を制御する方法であり、エステル化反応度を直接測定している点で、前記した方法よりは一歩前進した制御方式である。しかしながら、該方法は、エステル化反応により生ずる水や未反応のエチレングリコールの影響でエステル化反応生成物の電気伝導度に変動を与える等の外乱の影響が大きいという課題を有している。
上記課題を解決する方法として、ポリエステルの製造工程中の原料、反応中間生成物または最終生成物のうち1種以上についての近赤外線特性を連続的に測定し、得られた分光スペクトルから測定物中の物性を解析し、解析データに基づいて製造工程中の反応条件を制御する方法が開示されている(特許文献22参照)該特許文献において、ポリエステル連続製造工程の重縮合槽の底部に設けられた抜き出し口に近赤外線吸収スペクトルの検出端子を設置して、常時抜き出し口を通過するポリエステルのカルボキシル末端基濃度を連続的に測定すると供に、第2エステル化反応槽の出口にも近赤外線吸収スペクトルの検出端子を設置して、該検出端子部を通過するポリエステルオリゴマーのエステル化率を連続測定し、目標エステル化率になるように第2エステル化反応槽温度調節器へフィードバックし、生成ポリエステルのカルボキシル末端基濃度変化を抑制する方法や、赤外線分光吸収を連続測定し反応を制御する方法(特許文献23参照)が開示されている。これらの方法は、ポリエステルのカルボキシル末端基濃度を安定化する制御方法としては有効な方法であるが、長期にわたり連続生産をした場合は、検出器の汚染や検出部の温度や圧力等の環境変化等により測定の変動が発生する等の課題があり長期連続運転における信頼性が劣ことがあるという課題を有する。そのために、より単純化された制御方法で精度よく、かつ長期運転した時の信頼性の高い方法の構築が嘱望されている。
該単純化された制御方法として、ポリエステルの製造工程へ供給するテレフタル酸とエチレングリコールとからなるスラリーの密度や濃度を連続測定して、該測定値より求められるスラリー中のテレフタル酸に対するエチレングリコールのモル比に基づいてエステル化反応を制御する方法やスラリー濃度の変化に応じてスラリー中のテレフタル酸とエチレングリコールとの比率の変動を制御する方法が開示されている(特許文献24および25参照)。例えば、特許文献24において、5日運転した時の、供給スラリーのエチレングリコール/テレフタル酸のモル比の変動が1.51±0.66%に制御され、結果として第1段エステル化後のエステル化反応率が85.0±1.0%に、第2段エステル化後のエステル化反応率が95.0±0.5%になることが開示されている。
これらの方法はエステル化反応の変動を抑制する方法として有効な方法であり、エステル化反応率に関しては高い精度で制御が可能であるが、エステル化反応率はポリエステルオリゴマーのカルボキシル末端基濃度とヒドロキシル末端基濃度の両方より求められ、エステル化反応においては、一般には、該カルボキシル末端基濃度とヒドロキシル末端基濃度の変化は連動しており、エステル化反応率の変動率はカルボキシル末端基濃度単独の変動率よりも小さくなる。従って、ポリエステルオリゴマーのカルボキシル末端基濃度の安定化の要求に関しては、該スラリー密度制御のみでは不十分な場合がある。特に、前述したカルボキシル末端基濃度が高められたオリゴマーを用いて重縮合をする製造方法においては該オリゴマーの特性の変動を目標範囲内に抑制することは困難な場合がある。また、該方法は、長時間の連続運転を行う場合には、スラリー濃度検出器部がスラリー中の固形分であるジカルボン酸により閉塞する事態の生ずる場合があり、前記方法の課題が完全に解決するに至っていない。例えば、特許文献24において、スラリー濃度計を並列に2式備え、それらのいずれかを使用するように切り替え可能として、一定時間毎に交互に使用する方法が開示されている。
These methods are effective methods for suppressing fluctuations in the esterification reaction, and the esterification reaction rate can be controlled with high accuracy. However, the esterification reaction rate depends on the carboxyl end group concentration and hydroxyl group of the polyester oligomer. In the esterification reaction, in general, the change in the carboxyl end group concentration and the hydroxyl end group concentration are linked, and the rate of change in the esterification reaction rate is the same as the carboxyl end group concentration alone. It becomes smaller than the fluctuation rate. Therefore, the slurry density control alone may not be sufficient for the requirement of stabilizing the carboxyl end group concentration of the polyester oligomer. In particular, in the above-described production method in which polycondensation is performed using an oligomer with an increased carboxyl end group concentration, it may be difficult to suppress fluctuations in the characteristics of the oligomer within a target range. Further, in this method, when a continuous operation is performed for a long time, the slurry concentration detector part may be clogged with dicarboxylic acid which is a solid content in the slurry, and the problem of the method is completely solved. It hasn't been done yet. For example,
さらに、前記の特許文献11〜25において開示されているポリエステルの品質安定化の技術においては、ポリエステル製造コストや品質に大きく影響を及ぼす前記した回収グリコールの使用による影響に関しては考慮がなされていない。 Furthermore, in the technology for stabilizing the quality of polyester disclosed in the above-mentioned Patent Documents 11 to 25, no consideration is given to the influence of the use of the recovered glycol, which greatly affects the production cost and quality of the polyester.
本発明は従来技術の問題を背景になされたもので、リン化合物の存在下でポリエステルを連続的に製造する方法において、該ポリエステルの製造工程で留出するグリコールを循環再使用する場合に課題となる該留出グリコールに含まれるリン化合物により引き起こされるポリエステル品質の低下を経済性の高い方法で回避し、高品質で、かつ均質なポリエステルを安定して生産することができるポリエステルの製造方法を提供するものである。また、本発明は低コストで製造でき、かつ高品質、特に静電密着性に優れ、かつ品質変動の少ない均質なポリエステルを提供するものである。 The present invention has been made against the background of the problems of the prior art. In the method for continuously producing a polyester in the presence of a phosphorus compound, there is a problem in the case of recycling the glycol distilled in the production process of the polyester. Provided is a method for producing a polyester capable of stably producing a high-quality and homogeneous polyester by avoiding the deterioration of the polyester quality caused by the phosphorus compound contained in the distillate glycol. To do. The present invention also provides a homogeneous polyester that can be produced at low cost, has high quality, particularly excellent electrostatic adhesion, and has little quality fluctuation.
本発明は上記課題を解決するため、鋭意研究した結果、遂に本発明を完成するに到った。即ち本発明は、スラリー調製槽で調製されたジカルボン酸とグリコールからなるスラリーをエステル化反応槽に連続的に供給し、2槽以上の反応槽を直列に繋いだ複数個のエステル化反応槽を用いてエステル化反応を行い、引き続き重縮合を行うことによりポリエステルを連続的に製造する方法において、該ポリエステルは少なくともアルカリ土類金属原子およびリン原子を含んでなり、かつ下記要件(1)、(2)を同時に満たすことを特徴とするポリエステルの製造方法。
(1)上記ポリエステルの製造工程で留出するグリコールを該ポリエステルの製造装置に直結した蒸留塔で低沸点留分を分留除去した残留液を回収グリコールとして循環再使用すること。
(2)回収グリコール中のリン化合物含有量を、新規のリン化合物の供給量から低減させて、必要量のリン化合物を供給すること。
In order to solve the above-mentioned problems, the present invention has finally been completed as a result of intensive studies. That is, the present invention continuously supplies a slurry of dicarboxylic acid and glycol prepared in a slurry preparation tank to an esterification reaction tank, and includes a plurality of esterification reaction tanks in which two or more reaction tanks are connected in series. In the method of continuously producing a polyester by performing an esterification reaction and subsequently performing polycondensation, the polyester comprises at least an alkaline earth metal atom and a phosphorus atom, and the following requirements (1), ( 2. A method for producing a polyester characterized by satisfying 2) simultaneously.
(1) Recycle and reuse the residual liquid obtained by distilling off the low-boiling fraction in a distillation column directly connected to the polyester manufacturing apparatus, as the recovered glycol.
(2) The phosphorus compound content in the recovered glycol is reduced from the supply amount of the new phosphorus compound, and the necessary amount of the phosphorus compound is supplied.
この場合において、上記ポリエステルの製造工程に供給する新規のリン化合物の供給量を調整することにより得られるポリエステル中のリン原子の含有量を設定値±10%以内に制御することが好ましい。
また、この場合において、上記蒸留塔を少なくとも2基設けて、第1エステル化反応槽から留出するグリコールと第2エステル化反応槽以降で留出するグリコールとを区分して分留することが好ましい。
また、この場合において、第2エステル化反応槽以降で留出するグリコールの分留残留液を第1エステル化反応槽から留出するグリコールを分留する蒸留塔に供給し、該第1エステル化反応槽から留出するグリコールを分留する蒸留塔の分留残留液を回収グリコール成分として循環再使用することが好ましい。
また、この場合において、上記回収グリコール中の水分量を1質量%以上で、かつX±2.0質量%(但しXは2以上3以下の数を表す)を同時に満足する範囲を満たすように制御することが好ましい。
また、この場合において、上記蒸留塔の塔底より抜出した残留液の一部を、それぞれの蒸留塔に循環することが好ましい。
また、この場合において、上記回収グリコールの一部を第2エステル化反応槽以降のエステル化反応槽に供給することが好ましい。
また、この場合において、上記ポリエステルがアルカリ金属を含んでなることが好ましい。
また、この場合において、新規のリン化合物の供給を少なくとも2箇所に分割して行うことが好ましい。
また、この場合において、上記の新規リン化合物の供給量の調整を分割供給の最後の供給分で行うことが好ましい。
また、この場合において、第1エステル化反応槽出口のポリエステルオリゴマーのカルボキシル末端基濃度を設定値の±10%以内に制御することが好ましい。
また、本発明は上記ポリエステルの製造方法で得られたポリエステルであって、該ポリエステルの溶融比抵抗が0.5×108Ω・cm以下であることを特徴とするポリエステルである。
In this case, it is preferable to control the content of phosphorus atoms in the polyester obtained by adjusting the supply amount of the new phosphorus compound supplied to the polyester production process within a set value ± 10%.
Further, in this case, at least two distillation towers may be provided, and the glycol distilled from the first esterification reaction tank and the glycol distilled after the second esterification reaction tank may be separated and fractionated. preferable.
In this case, the residual distillation liquid of glycol distilled after the second esterification reaction tank is supplied to a distillation tower for fractionating glycol distilled from the first esterification reaction tank, and the first esterification It is preferable to recycle and reuse, as a recovered glycol component, a fractional distillation residual liquid of a distillation column for fractionating glycol distilled from the reaction tank.
In this case, the water content in the recovered glycol is 1% by mass or more and X ± 2.0% by mass (where X represents a number of 2 or more and 3 or less) is satisfied. It is preferable to control.
In this case, it is preferable to circulate a part of the residual liquid extracted from the bottom of the distillation tower to each distillation tower.
In this case, it is preferable to supply a part of the recovered glycol to the esterification reaction tank after the second esterification reaction tank.
In this case, it is preferable that the polyester comprises an alkali metal.
In this case, it is preferable to supply the new phosphorus compound in at least two parts.
In this case, it is preferable to adjust the supply amount of the above-mentioned new phosphorus compound in the last supply portion of the split supply.
In this case, it is preferable to control the carboxyl end group concentration of the polyester oligomer at the outlet of the first esterification reaction tank within ± 10% of the set value.
The present invention also relates to a polyester obtained by the above-described method for producing a polyester, wherein the polyester has a melt specific resistance of 0.5 × 10 8 Ω · cm or less.
本発明によるポリエステルの製造方法は、リン化合物の存在下でポリエステルを連続的に製造する方法において、該ポリエステルの製造工程で留出するグリコールを循環再使用する場合に課題となる該留出グリコールに含まれるリン化合物により引き起こされるポリエステル品質の低下を経済性の高い方法で回避しているので、原料費、運転経費の削減と設備の簡略化が達成できポリエステルの製造コストを大幅に低減することができるという利点を有する。また、該製造方法において、高品質、特に静電密着性の優れたポリエステルが安定して製造できる。さらに、ポリエステルの品質変動が抑制されているので、極めて均質なポリエステルが安定して生産することができるという極めて顕著な効果を奏する。また、本発明のポリエステルは安価である上に、高品質、特に静電密着性が優れており、かつ、品質変動が少なく均質性に優れているので、例えば、フィルム等の成型体の原料樹脂として好適であるという利点を有する。 The method for producing a polyester according to the present invention is a method for continuously producing a polyester in the presence of a phosphorus compound. Since the degradation of polyester quality caused by the phosphorus compounds contained is avoided in an economical way, it is possible to achieve a reduction in raw material costs, operating costs and simplification of equipment, greatly reducing the production cost of polyester. It has the advantage of being able to. In addition, in the production method, a polyester having high quality, in particular, excellent electrostatic adhesion can be produced stably. Furthermore, since the variation in the quality of the polyester is suppressed, there is an extremely remarkable effect that a very homogeneous polyester can be stably produced. In addition, the polyester of the present invention is inexpensive and has high quality, in particular, excellent electrostatic adhesion, and has little variation in quality and excellent homogeneity. It has the advantage that it is suitable as.
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のポリエステルは、芳香族ジカルボン酸を主成分とするジカルボン酸と、炭素数2〜4のアルキレングリコールのいずれか1種を主成分とするグリコールを原料としたポリエステルである。
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
The polyester of the present invention is a polyester obtained by using a dicarboxylic acid having an aromatic dicarboxylic acid as a main component and a glycol having as a main component any one of alkylene glycols having 2 to 4 carbon atoms.
また、本発明のポリエステルの製造は、経済性の点より、上記原料を用いて、エステル化反応を行い、次いで重縮合反応を行う、いわゆる直接エステル化法で、かつ連続法で行うのが好ましい。 In addition, the production of the polyester of the present invention is preferably carried out by a so-called direct esterification method and a continuous method in which an esterification reaction is performed using the raw materials, followed by a polycondensation reaction, from the viewpoint of economy. .
本発明で用いられる芳香族ジカルボン酸としては、例えばオルソフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、5−(アルカリ金属)スルホイソフタル酸、ジフェニン酸、1,3−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、4、4’−ビフェニルジカルボン酸、4、4’−ビフェニルスルホンジカルボン酸、4、4’−ビフェニルエーテルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−p,p’−ジカルボン酸、パモイン酸、アントラセンジカルボン酸などが挙げられる。 Examples of the aromatic dicarboxylic acid used in the present invention include orthophthalic acid, isophthalic acid, terephthalic acid, 5- (alkali metal) sulfoisophthalic acid, diphenic acid, 1,3-naphthalenedicarboxylic acid, and 1,4-naphthalenedicarboxylic acid. 1,5-naphthalenedicarboxylic acid, 2,6-naphthalenedicarboxylic acid, 2,7-naphthalenedicarboxylic acid, 4,4′-biphenyldicarboxylic acid, 4,4′-biphenylsulfone dicarboxylic acid, 4,4′-biphenyl Examples thereof include ether dicarboxylic acid, 1,2-bis (phenoxy) ethane-p, p′-dicarboxylic acid, pamoic acid, anthracene dicarboxylic acid and the like.
また、全ジカルボン酸に対して30モル%以下であればジカルボン酸としては、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、テトラデカンジカルボン酸、ヘキサデカンジカルボン酸、1,3−シクロブタンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2,5―ノルボルナンジカルボン酸、ダイマー酸などに例示される飽和脂肪族ジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸などに例示される不飽和脂肪族ジカルボン酸を併用してもよい。 Moreover, if it is 30 mol% or less with respect to all the dicarboxylic acids, as dicarboxylic acids, succinic acid, malonic acid, succinic acid, glutaric acid, adipic acid, pimelic acid, suberic acid, azelaic acid, sebacic acid, decanedicarboxylic acid, Dodecanedicarboxylic acid, tetradecanedicarboxylic acid, hexadecanedicarboxylic acid, 1,3-cyclobutanedicarboxylic acid, 1,3-cyclopentanedicarboxylic acid, 1,2-cyclohexanedicarboxylic acid, 1,3-cyclohexanedicarboxylic acid, 1,4-cyclohexane Saturated aliphatic dicarboxylic acid exemplified by dicarboxylic acid, 2,5-norbornane dicarboxylic acid, dimer acid and the like, and unsaturated aliphatic dicarboxylic acid exemplified by fumaric acid, maleic acid, itaconic acid and the like may be used in combination.
また、本発明のポリエステルには、例えばトリメリット酸、ピロメリット酸、グリセロール等の三官能以上の多官能化合物あるいは安息香酸、イソシアン酸フェニル等の単官能化合物等の化合物を全ジカルボン酸に対して5モル%以下の範囲で用いることができる。 In the polyester of the present invention, for example, a trifunctional or higher polyfunctional compound such as trimellitic acid, pyromellitic acid, and glycerol or a monofunctional compound such as benzoic acid and phenyl isocyanate is added to all dicarboxylic acids. It can be used in the range of 5 mol% or less.
炭素数2〜4のアルキレングリコールとしては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオールまたは1,4−ブタンジオールが挙げられる。
また、全グリコールの30モル%以下であれば、炭素数2〜4のアルキレングリコール以外のグリコールとしては、例えばエチレングリコール(主たるグリコールがエチレングリコール以外のとき)、ネオペンチルグリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール(主たるグリコールが1,3−プロパンジオール以外のとき)、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール(主たるグリコールが1,4−ブタンジオール以外のとき)、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、プロピレングリコール等が挙げられる。これらのグリコール成分は、1種のみで用いても、あるいは2種以上を併せて用いてもよい。また、当然ながら、炭素数2〜4のアルキレングリコールが全グリコール成分に対して100モル%であってもよい。
Examples of the alkylene glycol having 2 to 4 carbon atoms include ethylene glycol, 1,3-propanediol, and 1,4-butanediol.
Moreover, as long as it is 30 mol% or less of all glycols, as glycols other than C2-C4 alkylene glycol, for example, ethylene glycol (when main glycol is other than ethylene glycol), neopentyl glycol, 1,2-propane Diol, 1,3-propanediol (when main glycol is other than 1,3-propanediol), 1,3-butanediol, 1,4-butanediol (when main glycol is other than 1,4-butanediol) 1,5-pentanediol, 1,6-hexanediol, 1,2-cyclohexanedimethanol, 1,3-cyclohexanedimethanol, 1,4-cyclohexanedimethanol, diethylene glycol, triethylene glycol, polyalkylene glycol, propylene Glycol And the like. These glycol components may be used alone or in combination of two or more. Of course, the alkylene glycol having 2 to 4 carbon atoms may be 100 mol% with respect to the total glycol component.
これらグリコール以外に、全グリコールの5モル%以下であれば多価アルコールを併用しても良い。該多価アルコールとしては、トリメチロールメタン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、グリセロール、ヘキサントリオールなどが挙げられる。 In addition to these glycols, a polyhydric alcohol may be used in combination as long as it is 5 mol% or less of the total glycol. Examples of the polyhydric alcohol include trimethylolmethane, trimethylolethane, trimethylolpropane, pentaerythritol, glycerol, hexanetriol, and the like.
また、ヒドロキシカルボン酸を併用しても良い。該ヒドロキシカルボン酸としては、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、ヒドロキシ酢酸、3―ヒドロキシ酪酸、p−ヒドロキシ安息香酸、p―(2―ヒドロキシエトキシ)安息香酸、4―ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸、またはこれらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。 Moreover, you may use together hydroxycarboxylic acid. Examples of the hydroxycarboxylic acid include lactic acid, citric acid, malic acid, tartaric acid, hydroxyacetic acid, 3-hydroxybutyric acid, p-hydroxybenzoic acid, p- (2-hydroxyethoxy) benzoic acid, 4-hydroxycyclohexanecarboxylic acid, or These ester-forming derivatives are exemplified.
また、環状エステルの併用も許容される。該環状エステルとしては、ε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、β−メチル−β−プロピオラクトン、δ−バレロラクトン、グリコリド、ラクチドなどが挙げられる。 Moreover, combined use of cyclic ester is also permitted. Examples of the cyclic ester include ε-caprolactone, β-propiolactone, β-methyl-β-propiolactone, δ-valerolactone, glycolide, and lactide.
本発明のポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリプロピレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリプロピレンナフタレート(PPN)が好ましく、これらのうちPETが特に好ましい。 The polyester of the present invention is preferably polyethylene terephthalate (PET), polybutylene terephthalate (PBT), polypropylene terephthalate (PTT), polyethylene naphthalate (PEN), polybutylene naphthalate (PBN), or polypropylene naphthalate (PPN). Of these, PET is particularly preferred.
本発明のポリエステルの製造は重縮合触媒の存在下で行われる。
本発明において使用される重縮合触媒は、限定されないが、アンチモン化合物やゲルマニウム化合物等のリン化合物による重縮合活性の低下が少ない化合物の使用が好ましい。
The polyester of the present invention is produced in the presence of a polycondensation catalyst.
The polycondensation catalyst used in the present invention is not limited, but it is preferable to use a compound that causes little decrease in polycondensation activity due to a phosphorus compound such as an antimony compound or a germanium compound.
アンチモン化合物としては、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、酢酸アンチモン、アンチモングリコキサイドなどが好適であり、特に好ましくは三酸化アンチモンである。また、ゲルマニウム化合物としては、二酸化ゲルマニウム、四塩化ゲルマニウムなどが好適であり、特に好ましくは二酸化ゲルマニウムである。二酸化ゲルマニウムとしては、結晶性のものと非晶性のものもいずれもが使用できる。 As the antimony compound, antimony trioxide, antimony pentoxide, antimony acetate, antimony glycoloxide and the like are suitable, and antimony trioxide is particularly preferred. Further, as the germanium compound, germanium dioxide, germanium tetrachloride and the like are preferable, and germanium dioxide is particularly preferable. As germanium dioxide, both crystalline and amorphous materials can be used.
本発明においては、上記化合物とともに、チタン化合物、スズ化合物およびアルミニウム化合物等の重縮合触媒を併用してもかまわない。 In the present invention, a polycondensation catalyst such as a titanium compound, a tin compound and an aluminum compound may be used in combination with the above compound.
チタン化合物としては、テトラ−n−プロピルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート、テトライソブチルチタネート、テトラ−tert−ブチルチタネート、テトラシクロヘキシルチタネート、テトラフェニルチタネート、テトラベンジルチタネート、蓚酸チタン酸リチウム、蓚酸チタン酸カリウム、蓚酸チタン酸アンモニウム、酸化チタン、チタンとケイ素やジルコニウムやアルカリ金属やアルカリ土類金属などとの複合酸化物、チタンのオルトエステルまたは縮合オルトエステル、チタンのオルトエステルまたは縮合オルトエステルとヒドロキシカルボン酸からなる反応生成物、チタンのオルトエステルまたは縮合オルトエステルとヒドロキシカルボン酸とリン化合物からなる反応生成物、チタンのオルトエステルまたは縮合オルトエステルと少なくとも2個のヒドロキシル基を有する多価アルコール、2−ヒドロキシカルボン酸および塩基からなる反応生成物などが挙げられ、このうちチタンとケイ素の複合酸化物、チタンとマグネシウムの複合酸化物、チタンのオルトエステルまたは縮合オルトエステルとヒドロキシカルボン酸とリン化合物からなる反応生成物が好ましい。 Titanium compounds include tetra-n-propyl titanate, tetraisopropyl titanate, tetra-n-butyl titanate, tetraisobutyl titanate, tetra-tert-butyl titanate, tetracyclohexyl titanate, tetraphenyl titanate, tetrabenzyl titanate, lithium oxalate titanate , Potassium oxalate titanate, ammonium oxalate titanate, titanium oxide, complex oxides of titanium with silicon, zirconium, alkali metals, alkaline earth metals, etc., titanium ortho ester or condensed ortho ester, titanium ortho ester or condensed ortho Reaction product comprising ester and hydroxycarboxylic acid, reaction product comprising titanium orthoester or condensed orthoester, hydroxycarboxylic acid and phosphorus compound, titanium Examples thereof include a reaction product composed of an ortho ester or condensed ortho ester and a polyhydric alcohol having at least two hydroxyl groups, 2-hydroxycarboxylic acid and a base. Of these, a composite oxide of titanium and silicon, titanium and magnesium A composite product, a reaction product comprising a titanium orthoester or condensed orthoester, a hydroxycarboxylic acid and a phosphorus compound is preferred.
またスズ化合物としては、ジブチルスズオキサイド、メチルフェニルスズオキサイド、テトラエチルスズ、ヘキサエチルジスズオキサイド、トリエチルスズハイドロオキサイド、モノブチルヒドロキシスズオキサイド、トリイソブチルスズアセテート、ジフェニルスズジラウレート、モノブチルスズトリクロライド、ジブチルスズサルファイド、ジブチルヒドロキシスズオキサイド、メチルスタンノン酸、エチルスタンノン酸などが挙げられ、特にモノブチルヒドロキシスズオキサイドの使用が好ましい。 In addition, as tin compounds, dibutyltin oxide, methylphenyltin oxide, tetraethyltin, hexaethylditin oxide, triethyltin hydroxide, monobutylhydroxytin oxide, triisobutyltin acetate, diphenyltin dilaurate, monobutyltin trichloride, dibutyltin sulfide, Examples thereof include dibutylhydroxytin oxide, methylstannoic acid, and ethylstannic acid, and the use of monobutylhydroxytin oxide is particularly preferable.
また、アルミニウム化合物としては、ギ酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、塩基性酢酸アルミニウム、プロピオン酸アルミニウム、シュウ酸アルミニウム、アクリル酸アルミニウム、ラウリン酸アルミニウム、ステアリン酸アルミニウム、安息香酸アルミニウム、トリクロロ酢酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、クエン酸アルミニウム、酒石酸アルミニウム、サリチル酸アルミニウムなどのカルボン酸塩、塩化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、炭酸アルミニウム、リン酸アルミニウム、ホスホン酸アルミニウムなどの無機酸塩が挙げられる。これらのうちカルボン酸塩が特に好ましい。
このような触媒を供給する位置や供給方法については、特に限定されるものではなく、製造条件に対応して適宜決定すればよい。
Aluminum compounds include aluminum formate, aluminum acetate, basic aluminum acetate, aluminum propionate, aluminum oxalate, aluminum acrylate, aluminum laurate, aluminum stearate, aluminum benzoate, aluminum trichloroacetate, aluminum lactate, citric acid. Inorganic acid salts such as carboxylic acid salts such as aluminum acid, aluminum tartrate, and aluminum salicylate, aluminum chloride, aluminum hydroxide, aluminum hydroxide chloride, aluminum nitrate, aluminum sulfate, aluminum carbonate, aluminum phosphate, and aluminum phosphonate . Of these, carboxylates are particularly preferred.
The position and supply method for supplying such a catalyst are not particularly limited, and may be appropriately determined according to the manufacturing conditions.
本発明では、リン化合物の使用が必須である。リン化合物としては、特に限定はされないが、リン酸ならびにトリメチルリン酸、トリエチルリン酸、フェニルリン酸、トリフェニルリン酸等のリン酸エステル、亜リン酸ならびにトリメチルホスファイト、トリエチルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)4,4’−ビフェニレンジホスファイト等の亜リン酸エステルなどが挙げられる。 In the present invention, the use of a phosphorus compound is essential. Although it does not specifically limit as a phosphorus compound, Phosphoric acid and phosphoric acid esters, such as trimethyl phosphoric acid, triethyl phosphoric acid, phenyl phosphoric acid, and triphenyl phosphoric acid, phosphorous acid, trimethyl phosphite, triethyl phosphite, triphenyl Phosphites such as phosphite, tris (2,4-di-tert-butylphenyl) phosphite, tetrakis (2,4-di-tert-butylphenyl) 4,4′-biphenylenediphosphite It is done.
本発明においては、アルカリ土類金属化合物の使用が好ましい。さらに、アルカリ金属化合物の併用がより好ましい。 In the present invention, it is preferable to use an alkaline earth metal compound. Furthermore, the combined use of an alkali metal compound is more preferable.
アルカリ金属としては、Li、Na、K、Rb、Csであり、特に好ましくはNaまたはK化合物の使用である。アルカリ土類金属としては、Be、Mg、Ca、Sr、Baから選択される少なくとも1種であることが好ましく、特に高度な静電密着性を付与するためには、Mg化合物またはCa化合物を使用することが好ましい。 The alkali metal is Li, Na, K, Rb, or Cs, and particularly preferably Na or K compound is used. The alkaline earth metal is preferably at least one selected from Be, Mg, Ca, Sr, and Ba, and in order to provide particularly high electrostatic adhesion, an Mg compound or a Ca compound is used. It is preferable to do.
上記のアルカリ金属やアルカリ土類金属などの金属化合物としては、例えば、これら金属のギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、蓚酸などの飽和脂肪族カルボン酸塩、アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和脂肪族カルボン酸塩、安息香酸などの芳香族カルボン酸塩、トリクロロ酢酸などのハロゲン含有カルボン酸塩、乳酸、クエン酸、サリチル酸などのヒドロキシカルボン酸塩、炭酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホスホン酸、炭酸水素、リン酸水素、硫化水素、亜硫酸、チオ硫酸、塩酸、臭化水素酸、塩素酸、臭素酸などの無機酸塩、1−プロパンスルホン酸、1−ペンタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸などの有機スルホン酸塩、ラウリル硫酸などの有機硫酸塩、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、iso−プロポキシ、n−ブトキシ、tert−ブトキシなどのアルコキサイド、アセチルアセトネートなどとのキレート化合物、水素化物、酸化物、水酸化物などが挙げられる。 Examples of the metal compounds such as alkali metals and alkaline earth metals include saturated aliphatic carboxylates such as formic acid, acetic acid, propionic acid, butyric acid, and succinic acid, and unsaturated fats such as acrylic acid and methacrylic acid. Aromatic carboxylates, aromatic carboxylates such as benzoic acid, halogen-containing carboxylates such as trichloroacetic acid, hydroxycarboxylates such as lactic acid, citric acid and salicylic acid, carbonic acid, sulfuric acid, nitric acid, phosphoric acid, phosphonic acid, Inorganic acid salts such as hydrogen carbonate, hydrogen phosphate, hydrogen sulfide, sulfurous acid, thiosulfuric acid, hydrochloric acid, hydrobromic acid, chloric acid, bromic acid, 1-propanesulfonic acid, 1-pentanesulfonic acid, naphthalenesulfonic acid, etc. Organic sulfonates, organic sulfates such as lauryl sulfate, methoxy, ethoxy, n-propoxy, iso-propoxy, n-butoxy Alkoxides such as tert- butoxy, chelate compounds and the like acetylacetonate, hydrides, oxides, and hydroxides and the like.
これらのアルカリ金属、アルカリ土類金属などの化合物のうち、水酸化物等のアルカリ性の強いものを用いる場合、これらはエチレングリコール等のジオールもしくはアルコール等の有機溶媒に溶解しにくい傾向があるため、水溶液で重合系に添加しなければならず重合工程上問題となる場合が有る。さらに、水酸化物等のアルカリ性の強いものを用いた場合、重合時にポリエステルが加水分解等の副反応を受け易くなるとともに、重合したポリエステルが着色し易くなる傾向があり、耐加水分解性も低下する傾向がある。 Among these compounds such as alkali metals and alkaline earth metals, when using strongly alkaline compounds such as hydroxides, these tend to be difficult to dissolve in diols such as ethylene glycol or organic solvents such as alcohols. It must be added to the polymerization system in an aqueous solution, which may cause a problem in the polymerization process. Furthermore, when a strongly alkaline material such as a hydroxide is used, the polyester is liable to undergo side reactions such as hydrolysis during polymerization, and the polymerized polyester tends to be colored, and the hydrolysis resistance also decreases. Tend to.
従って、本発明で好適に使用することのできるアルカリ金属化合物あるいはアルカリ土類金属化合物としては、アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属の飽和脂肪族カルボン酸塩、不飽和脂肪族カルボン酸塩、芳香族カルボン塩、ハロゲン含有カルボン酸塩、ヒドロキシカルボン酸塩、硫酸、硝酸、リン酸、ホスホン酸、リン酸水素、硫化水素、亜硫酸、チオ硫酸、塩酸、臭化水素酸、塩素酸、臭素酸から選ばれる無機酸塩、有機スルホン酸塩、有機硫酸塩、キレート化合物、および酸化物である。これらの中でもさらに、取り扱い易さや入手のし易さ等の観点から、アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属などの金属の飽和脂肪族カルボン酸塩、特に酢酸塩の使用が好ましい。 Therefore, the alkali metal compound or alkaline earth metal compound that can be suitably used in the present invention includes alkali metal or alkaline earth metal saturated aliphatic carboxylate, unsaturated aliphatic carboxylate, aromatic carboxylate. Salt, halogen-containing carboxylate, hydroxycarboxylate, sulfuric acid, nitric acid, phosphoric acid, phosphonic acid, hydrogen phosphate, hydrogen sulfide, sulfurous acid, thiosulfuric acid, hydrochloric acid, hydrobromic acid, chloric acid, bromic acid Inorganic acid salts, organic sulfonates, organic sulfates, chelate compounds, and oxides. Among these, from the viewpoint of ease of handling and availability, it is preferable to use a saturated aliphatic carboxylate of metal such as alkali metal or alkaline earth metal, particularly acetate.
上記のアルカリ土類金属化合物、アルカリ金属化合物およびリン化合物を添加することにより、ポリエステルの静電密着性を向上させることができる。ポリエステルの静電密着性とは、例えば、ポリエステルをフィルムやシートに溶融押出し法で成型する場合のキャスティング時に必要な特性である。すなわち、押出口金から溶融押出したフィルム状物を回転冷却ドラムで急冷する際、該フィルム状物の表面に静電荷を析出させ、フィルム状物を冷却ドラムの表面に静電力で密着させる静電密着法が知られている。しかし、この方法においては、生産能力を高めるために冷却ドラムの回転速度を上げるとフィルム状物と冷却ドラムとの密着力が減少し、フィルム状物と冷却ドラムとの間に気体を噛み込むようになるピンナーバブルの発生がおこり、厚み斑や外観不良発生の原因となる。静電密着性とは、この静電密着法において、大きな静電密着力が付与でき、高速でキャスティングしても厚み精度の高い製膜製品が得られるポリエステル樹脂の特性である。
近年ポリエステルフィルムやシートに対する品質に対する要求特性はますます厳しくなり、それに伴い厚み精度を向上させることが必要な条件となってきており、ポリエステルの重要な特性の一つである。
By adding the above alkaline earth metal compound, alkali metal compound and phosphorus compound, the electrostatic adhesion of the polyester can be improved. The electrostatic adhesiveness of polyester is a characteristic required at the time of casting when, for example, polyester is molded into a film or sheet by a melt extrusion method. That is, when a film-like material melt-extruded from an extrusion die is rapidly cooled with a rotary cooling drum, an electrostatic charge is deposited on the surface of the film-like material, and the film-like material adheres to the surface of the cooling drum with an electrostatic force. The adhesion method is known. However, in this method, when the rotation speed of the cooling drum is increased in order to increase the production capacity, the adhesion between the film-like material and the cooling drum decreases, so that gas is caught between the film-like material and the cooling drum. The pinner bubble is generated, resulting in thickness spots and appearance defects. Electrostatic adhesion is a property of a polyester resin that can provide a large electrostatic adhesion force in this electrostatic adhesion method, and can produce a film-formed product with high thickness accuracy even when casting at high speed.
In recent years, the required properties for the quality of polyester films and sheets have become stricter, and accordingly, it has become a necessary condition to improve the thickness accuracy, which is one of the important properties of polyester.
この静電密着性はポリエステルの溶融比抵抗と相関しており、ポリエステルの溶融比抵抗により静電密着キャスト法においてピンナーバブルの発生を抑制しながらキャストできる最高のキャスティング速度、すなわち静電密着性が変化する。溶融比抵抗が低ポリエステルほど、高速でキャスティングすることが可能となり、フィルム生産性の面から非常に重要である。 This electrostatic adhesion correlates with the melt specific resistance of polyester, and the maximum casting speed that can be cast while suppressing the occurrence of pinner bubbles in the electrostatic adhesion casting method, that is, the electrostatic adhesion changes, due to the melt specific resistance of polyester. To do. A polyester having a lower melt specific resistance can be cast at a higher speed, which is very important in terms of film productivity.
ポリエステルの溶融比抵抗は、0.5×108Ω・cm以下であることが好ましい。溶融比抵抗が0.5×108Ω・cmより高ければ、静電密着性が悪化し、キャスティング速度が遅くなり生産性が悪くなる。好ましくは、0.4×108Ω・cm以下、さらに好ましくは、0.3×108Ω・である。一方、耐熱性や着色の点から、下限値は0.05×108Ω・cmとすることが好ましく、特に好ましくは0.09×108Ω・cmである。 The melt specific resistance of the polyester is preferably 0.5 × 10 8 Ω · cm or less. When the melting specific resistance is higher than 0.5 × 10 8 Ω · cm, the electrostatic adhesion is deteriorated, the casting speed is lowered, and the productivity is deteriorated. Preferably, it is 0.4 × 10 8 Ω · cm or less, and more preferably 0.3 × 10 8 Ω · cm. On the other hand, from the viewpoint of heat resistance and coloring, the lower limit is preferably 0.05 × 10 8 Ω · cm, and particularly preferably 0.09 × 10 8 Ω · cm.
ポリエステルに溶融比抵抗に付与する方法としては、上記のアルカリ土類金属化合物、アルカリ金属化合物およびリン化合物をポリエステルに添加し、これらの原子の原子比を特定範囲にすることが好ましい実施態様である。この場合、リン原子の量によりポリエステルの溶融比抵抗が大きく変化するので厳密な制御が必要である。 As a method for imparting the melt specific resistance to the polyester, it is a preferred embodiment that the above-mentioned alkaline earth metal compound, alkali metal compound and phosphorus compound are added to the polyester, and the atomic ratio of these atoms is within a specific range. . In this case, since the melt specific resistance of the polyester greatly varies depending on the amount of phosphorus atoms, strict control is necessary.
アルカリ土類金属化合物は、アルカリ土類金属原子の残存量として、ポリエステルに対し3〜200ppmとなるように反応系に添加することが好ましい。アルカリ土類金属原子の残存量が3ppm未満では、ポリエステルの溶融比抵抗が大きくなり、静電密着性が悪化しやすくなる。一方、200ppmを超えた場合は、ポリエステルの熱安定性が低下しやすくなり、ポリエステルの着色が増大しやすくなる。 The alkaline earth metal compound is preferably added to the reaction system so that the residual amount of alkaline earth metal atoms is 3 to 200 ppm based on the polyester. If the residual amount of alkaline earth metal atoms is less than 3 ppm, the melt specific resistance of the polyester is increased, and the electrostatic adhesion tends to deteriorate. On the other hand, when it exceeds 200 ppm, the thermal stability of the polyester tends to decrease, and the coloring of the polyester tends to increase.
ポリエステル中のアルカリ土類金属原子の残存量は、静電密着性の点から、下限値を5ppmに制御することがより好ましく、さらに好ましくは10ppm、特に好ましくは15ppmに制御する。一方、熱安定性の点から、上限値を160ppmに制御することがより好ましく、さらに好ましくは120ppm、特に好ましくは100ppmに制御する。 The residual amount of alkaline earth metal atoms in the polyester is more preferably controlled to a lower limit of 5 ppm, more preferably 10 ppm, and particularly preferably 15 ppm from the viewpoint of electrostatic adhesion. On the other hand, from the viewpoint of thermal stability, the upper limit value is more preferably controlled to 160 ppm, further preferably 120 ppm, and particularly preferably 100 ppm.
また、アルカリ金属化合物は、アルカリ金属原子の残存量として、ポリエステルに対し0.5〜20ppmとなるように反応系に添加することが好ましい。アルカリ金属原子の残存量が0.5ppm未満では、ポリエステルの溶融比抵抗が大きくなり、静電密着性が悪化しやすくなる。さらに、副反応であるグリコール成分同士の縮合反応が増加し、例えば、グリコール成分としてエチレングリコールを用いた場合は、ジエチレングリコールの副生が増大する。該副反応の増大により、ポリエステルの融点低下や熱酸化安定性等の品質が低下しやすくなる。一方、50ppmを超えた場合は、ポリエステルの溶融比抵抗の低下やグリコール成分同士の縮合反応の抑制効果が頭打ちになり、かつポリエステルの着色が増大により色調の低下が起こりやすくなる。 Moreover, it is preferable to add an alkali metal compound to a reaction system so that it may become 0.5-20 ppm with respect to polyester as a residual amount of an alkali metal atom. When the residual amount of alkali metal atoms is less than 0.5 ppm, the melt specific resistance of the polyester increases, and the electrostatic adhesion tends to deteriorate. Furthermore, the condensation reaction between glycol components, which are side reactions, increases. For example, when ethylene glycol is used as the glycol component, the by-product of diethylene glycol increases. Due to the increase of the side reaction, the quality of the polyester, such as lowering of the melting point and thermal oxidation stability, tends to decrease. On the other hand, when it exceeds 50 ppm, the effect of suppressing the condensation specific resistance of the polyester and the condensation reaction between the glycol components reaches its peak, and the color tone tends to decrease due to the increase in coloration of the polyester.
ポリエステル中のアルカリ金属原子の残存量は、静電密着性、副生成物による融点低下や熱酸化安定性の点から、下限値を1ppmに制御することがより好ましく、さらに好ましくは2ppm、特に好ましくは3ppmに制御する。一方、色調の点から、上限値を40ppmに制御することがより好ましく、さらに好ましくは30ppm、特に好ましくは20ppmに制御する。 The residual amount of alkali metal atoms in the polyester is more preferably controlled to a lower limit of 1 ppm, more preferably 2 ppm, particularly preferably from the viewpoints of electrostatic adhesion, melting point reduction due to by-products and thermal oxidation stability. Is controlled to 3 ppm. On the other hand, from the viewpoint of color tone, the upper limit is more preferably controlled to 40 ppm, more preferably 30 ppm, and particularly preferably 20 ppm.
また、リン化合物の必要量は、ポリエステル中の残存量として、リン原子/アルカリ土類金属原子の原子比で0.1〜5.0の範囲となるように、添加量を制御することが好ましい。ここで原子比とは、原子の数の比を表し、以下原子比と記した場合、同様である。 The necessary amount of the phosphorus compound is preferably controlled so that the residual amount in the polyester is in the range of 0.1 to 5.0 in terms of the atomic ratio of phosphorus atom / alkaline earth metal atom. . Here, the atomic ratio represents the ratio of the number of atoms, and the same applies when the atomic ratio is hereinafter described.
リン原子/アルカリ土類金属原子(残存原子比)が、0.10未満ではポリエステルの熱安定性が低下しやすくなる。一方、リン原子/アルカリ土類金属原子(原子比)が5.0を超えた場合は、ポリエステルの溶融比抵抗が大きくなり、静電密着性が悪化しやすくなる。リン原子/アルカリ土類金属原子(残存原子比)は、熱安定性の点から、下限値を0.15に制御することがより好ましく、特に好ましくは0.20に制御する。一方、静電密着性の点から、上限値を4.0に制御することがより好ましく、特に好ましくは3.0に制御する。 If the phosphorus atom / alkaline earth metal atom (residual atom ratio) is less than 0.10, the thermal stability of the polyester tends to be lowered. On the other hand, when the phosphorus atom / alkaline earth metal atom (atomic ratio) exceeds 5.0, the melt specific resistance of the polyester increases and the electrostatic adhesion tends to deteriorate. The lower limit of the phosphorus atom / alkaline earth metal atom (residual atomic ratio) is more preferably controlled to 0.15, particularly preferably 0.20, from the viewpoint of thermal stability. On the other hand, from the viewpoint of electrostatic adhesion, the upper limit value is more preferably controlled to 4.0, and particularly preferably 3.0.
本発明におけるポリエステルの製造方法は連続式重縮合法であることが好ましい。連続式重縮合法は回分式重縮合法に比して品質の均一性や経済性において有利である。 The polyester production method in the present invention is preferably a continuous polycondensation method. The continuous polycondensation method is advantageous in terms of quality uniformity and economy compared to the batch polycondensation method.
本発明においては、該連続式重縮合法において、2槽以上の反応槽を直列に繋いだ複数個のエステル化反応槽を用いてエステル化反応を実施するのが好ましい。該方法によりエステル化反応におけるエステル化反応の変動抑制ができ、均質なポリエステルを得る点で有利である。 In the present invention, in the continuous polycondensation method, the esterification reaction is preferably carried out using a plurality of esterification reaction vessels in which two or more reaction vessels are connected in series. This method is advantageous in that fluctuation of the esterification reaction in the esterification reaction can be suppressed and a homogeneous polyester can be obtained.
代表例として、ポリエチレンテレフタレートの製造法を以下に例示する。
テレフタル酸1モルに対して1.02〜1.5モル、好ましくは1.03〜1.4モルのエチレングリコ−ルを含むスラリ−を調製し、これをエステル化反応工程に連続的に供給する。
As a representative example, a method for producing polyethylene terephthalate is illustrated below.
A slurry containing 1.02 to 1.5 mol, preferably 1.03 to 1.4 mol, of ethylene glycol per mol of terephthalic acid is prepared and continuously supplied to the esterification reaction step. To do.
エステル化反応は、複数のエステル化反応槽を直列に連結した多段式装置を用いて、反応によって生成した水を精留塔で系外に除去しながら実施する。第1段のエステル化反応の温度は240〜270℃、好ましくは245〜265℃、圧力は常圧〜0.29MPa、好ましくは0.005〜0.19MPaである。最終段階のエステル化反応の温度は通常250〜290℃好ましくは255〜275℃であり、圧力は通常0〜0.15MPa、好ましくは0〜0.13MPaである。3段階以上で実施する場合には、中間段階のエステル化反応の反応条件は、上記第1段の反応条件と最終段階の反応条件の間の条件である。これらのエステル化反応の反応率の上昇は、それぞれの段階で滑らかに分配することが好ましい。最終的にはエステル化反応率は90%以上、好ましくは93%以上に達することが望ましい。これらのエステル化反応により分子量500〜2000程度の低縮合物が得られる。 The esterification reaction is carried out using a multistage apparatus in which a plurality of esterification reaction tanks are connected in series while removing water generated by the reaction from the system using a rectification column. The temperature of the esterification reaction in the first stage is 240 to 270 ° C., preferably 245 to 265 ° C., and the pressure is normal pressure to 0.29 MPa, preferably 0.005 to 0.19 MPa. The temperature of the esterification reaction in the final stage is usually 250 to 290 ° C, preferably 255 to 275 ° C, and the pressure is usually 0 to 0.15 MPa, preferably 0 to 0.13 MPa. When carried out in three or more stages, the reaction conditions for the esterification reaction in the intermediate stage are conditions between the reaction conditions for the first stage and the reaction conditions for the final stage. The increase in the reaction rate of these esterification reactions is preferably distributed smoothly at each stage. Ultimately, it is desirable that the esterification reaction rate reaches 90% or more, preferably 93% or more. By these esterification reactions, a low condensate having a molecular weight of about 500 to 2,000 is obtained.
引き続き、上記低縮合物を重縮合反応槽に移送し重縮合を行う。一般には初期重縮合、中期重縮合および後期重縮合の3段階方式が取られている。重縮合反応条件は、第1段階の重縮合の反応温度は250〜290℃、好ましくは260〜280℃であり、圧力は0.065〜0.0026MPa、好ましくは200〜30Torrである。また、最終段階の重縮合反応の温度は265〜300℃、好ましくは275〜295℃であり、圧力は0.0013〜0.000013MPa、好ましくは0.00065〜0.000065MPaである。3段階以上で実施する場合には、中間段階の重縮合反応の反応条件は、上記第1段目の反応条件と最終段目の反応条件の間の条件である。これらの重縮合反応工程の各々において到達される極限粘度の上昇の度合は滑らかに分配することが好ましい。 Subsequently, polycondensation is carried out by transferring the low condensate to a polycondensation reaction tank. In general, a three-stage system of initial polycondensation, intermediate polycondensation and late polycondensation is employed. Regarding the polycondensation reaction conditions, the reaction temperature of the first stage polycondensation is 250 to 290 ° C., preferably 260 to 280 ° C., and the pressure is 0.065 to 0.0026 MPa, preferably 200 to 30 Torr. The temperature of the final stage polycondensation reaction is 265 to 300 ° C., preferably 275 to 295 ° C., and the pressure is 0.0013 to 0.000013 MPa, preferably 0.00065 to 0.000065 MPa. When carried out in three or more stages, the reaction conditions for the intermediate stage polycondensation reaction are conditions between the reaction conditions for the first stage and the reaction conditions for the last stage. The degree of increase in intrinsic viscosity achieved in each of these polycondensation reaction steps is preferably distributed smoothly.
本発明においては、上記ポリエステルの製造工程で留出するグリコールを該ポリエステル製造装置に直結した蒸留塔で低沸点留分を分留除去した残留液を回収グリコールとして循環再使用することが好ましい。該対応により、新規グリコールの使用量を大幅に低減することができるので、ポリエステルの製造コストを大幅に低減することができる。 In the present invention, it is preferable to circulate and reuse the residual liquid obtained by distilling off the low-boiling fraction in the distillation tower directly connected to the polyester production apparatus as the recovered glycol. As a result of this measure, the amount of novel glycol used can be greatly reduced, and the production cost of the polyester can be greatly reduced.
本発明においては、上記の分留において留出物から分離される低沸点物としては、グリコールとしてエチレングリコールを使用した場合は、水、アセトアルデヒド、2−メチル−1,3−ジオキソラン、メチルセロソルブあるいはこれらの化合物以外の沸点が165℃以下のものが主たる対象となる。グリコールとして1,3−プロパンジオールを使用した場合は、水、アリルアルコール、アクロレイン、3−エトキシ−1−プルパノールあるいはこれらの化合物以外の沸点が165℃以下のものが主たる対象となる。グリコールとして1,4−ブタンジオールを使用した場合は、テトラヒドロフラン、水あるいはテトラヒドロフラン以外の沸点が165℃以下の化合物が主たる対象となる。 In the present invention, as the low boiling point product separated from the distillate in the above fractional distillation, when ethylene glycol is used as the glycol, water, acetaldehyde, 2-methyl-1,3-dioxolane, methyl cellosolve or Those having boiling points other than these compounds of 165 ° C. or lower are the main targets. When 1,3-propanediol is used as the glycol, water, allyl alcohol, acrolein, 3-ethoxy-1-propanol or those having a boiling point other than these compounds of 165 ° C. or less are mainly targeted. When 1,4-butanediol is used as the glycol, compounds having a boiling point of 165 ° C. or lower other than tetrahydrofuran, water, or tetrahydrofuran are mainly targeted.
上記方法により回収される回収グリコール中に共通して存在する水はポリエステルの製造において、例えばエステル化反応の進行に影響し、結果としてポリエステルの品質や生産性に影響が及ぶ。従って、該水分量を制御しないと高品質のポリエステルを安定して生産することができない。該課題を回避する方法としては、上記の蒸留塔の性能を高めて実質的に水分が含まれないグリコールを得る方法がある。従来技術においては、品質重視の観点より殆ど実質的に無水の状態で回収されていた。該方法は、ポリエステルの反応や品質を安定化させる点では有効であるが、高性能の蒸留塔が必要となり経済性の点で不利となる。一方、水分量が高くなるとグリコールの回収の経済性は向上するが、ポリエステルの品質の安定化に関しては不利になる。 Water commonly present in the recovered glycol recovered by the above method affects, for example, the progress of the esterification reaction in the production of the polyester, and consequently affects the quality and productivity of the polyester. Accordingly, high quality polyester cannot be stably produced unless the moisture content is controlled. As a method for avoiding this problem, there is a method for improving the performance of the above-mentioned distillation column to obtain a glycol substantially free of moisture. In the prior art, it was recovered in an almost anhydrous state from the viewpoint of quality. This method is effective in stabilizing the reaction and quality of the polyester, but it requires a high-performance distillation column and is disadvantageous in terms of economy. On the other hand, the higher the water content, the better the economics of glycol recovery, but this is disadvantageous in terms of stabilizing the quality of the polyester.
本発明者等は、該回収グリコールの最適な水分量について鋭意検討して、回収グリコール中の水分量をX±2.0質量%(但しXは2以上3以下の数を表す)以内%に制御して蒸留することが好ましい。X±1.5質量%(但しXは2以上3以下の数を表す)以内がより好ましく、X±1.0質量%(但しXは2以上3以下の数を表す)以内がさらに好ましい。一方、変動範囲の下限は無変動である±0%が最も好ましいが、コストパフォーマンスの点より、±0.03質量%が好ましく、±0.05質量%がより好ましい。該方法で実施することにより、スラリー調製に用いるグリコールに占める該回収グリコールの混合比率が50〜66質量%という広い範囲で変動させても、スラリーの水分調整をしなくてもスラリー中の水分量を前記した本発明の好ましい範囲に保つことが可能となり、スラリー中の水分量の管理の安定化に繋げることができる。また、回収グリコール中の水分量のXを2〜3質量%で制御することは、水分量をそれより低くする方法に比べて回収コスト低減になるので上記範囲で制御することがコストパフォーマンスにおいて最上であることを見出した。上記水分量の変動範囲は±1.5質量%以内がより好ましく、±1.0質量%以内がさらに好ましい。一方、変動範囲の下限は無変動である±0%が最も好ましいが、コストパフォーマンスの点より、±0.1質量%が好ましく、±0.3質量%がより好ましい。該方法で実施することにより、上記した水分量によるエステル化反応への影響の安定化と回収コストのバランスが取れる。さらに、その上に、該回収グリコール中の水分によりカルボン酸とグリコールよりなるスラリーの流動性が向上し、エステル化反応の安定化に繋がり、結果としてポリエステルの品質の安定化に繋がるという効果が発現される。すなわち、ポリエステルの製造を新規グリコールのみで製造あるいは、回収グリコールの水分量を実質的に無水状態にして回収して製造する場合に比べて、回収グリコール中の水分によりスラリーの流動性が向上し、該スラリーのエステル化反応槽への供給精度が向上し工程や品質の安定化に繋げることができる。また、スラリー調製時のグリコール使用量を低くしてもスラリーの供給安定性が確保できるのでスラリー中のグリコール量比を下げてとも安定生産が可能となり経済的に有利となる。すなわち、設定値が3質量%を超えた場合は、スラリーの流動性の向上効果が飽和する上に、エステル化反応が不安定になりポリエステルオリゴマーの特性変動が大きくなり、結果として最終ポリエステルのカルボキシル末端基濃度や色調等の品質変動が大きくなるので好ましくない。逆に設定値が2質量%未満では、回収コストが上がり、かつスラリーの流動性が悪化するので好ましくない。また、変動範囲が±2質量%を超えた場合は、エステル化反応が不安定になりポリエステルオリゴマーの特性変動が大きくなり、結果として最終ポリエステルのカルボキシル末端基濃度や色調等の品質変動が大きくなるので好ましくない。 The inventors of the present invention diligently studied about the optimum water content of the recovered glycol, and set the water content in the recovered glycol to X ± 2.0% by mass (where X represents a number of 2 or more and 3 or less). Preferably, the distillation is controlled. Within X ± 1.5% by mass (where X represents a number of 2 or more and 3 or less) is more preferable, and within X ± 1.0% by mass (where X represents a number of 2 or more and 3 or less) is more preferable. On the other hand, the lower limit of the fluctuation range is most preferably ± 0%, which is unchanged, but is preferably ± 0.03% by mass, more preferably ± 0.05% by mass from the viewpoint of cost performance. By carrying out by this method, even if the mixing ratio of the recovered glycol in the glycol used for slurry preparation is varied within a wide range of 50 to 66% by mass, the amount of water in the slurry can be adjusted without adjusting the water content of the slurry. Can be kept within the preferred range of the present invention as described above, and it is possible to stabilize the management of the amount of water in the slurry. Also, controlling the water content X in the recovered glycol at 2 to 3% by mass reduces the recovery cost compared to the method of lowering the water content, so controlling in the above range is the best in terms of cost performance. I found out. The fluctuation range of the moisture content is more preferably within ± 1.5% by mass, and further preferably within ± 1.0% by mass. On the other hand, the lower limit of the fluctuation range is most preferably ± 0%, which is unchanged, but from the viewpoint of cost performance, ± 0.1% by mass is preferable, and ± 0.3% by mass is more preferable. By carrying out by this method, it is possible to balance the effect on the esterification reaction due to the amount of water and the recovery cost. Furthermore, the fluidity of the slurry consisting of carboxylic acid and glycol is improved by the moisture in the recovered glycol, leading to stabilization of the esterification reaction, and as a result, the effect of leading to stabilization of the quality of the polyester is manifested. Is done. In other words, compared to the case where the production of polyester is produced only with a new glycol, or the water content of the recovered glycol is recovered and manufactured in a substantially anhydrous state, the fluidity of the slurry is improved by the water in the recovered glycol, The supply accuracy of the slurry to the esterification reaction tank can be improved, and the process and quality can be stabilized. Further, since the supply stability of the slurry can be ensured even if the amount of glycol used during slurry preparation is reduced, stable production is possible even if the ratio of the amount of glycol in the slurry is lowered, which is economically advantageous. That is, when the set value exceeds 3% by mass, the effect of improving the fluidity of the slurry is saturated, the esterification reaction becomes unstable, and the characteristic fluctuation of the polyester oligomer increases, resulting in the carboxyl of the final polyester. It is not preferable because quality fluctuations such as end group concentration and color tone increase. Conversely, if the set value is less than 2% by mass, the recovery cost increases and the fluidity of the slurry deteriorates, which is not preferable. In addition, when the variation range exceeds ± 2% by mass, the esterification reaction becomes unstable and the characteristic variation of the polyester oligomer increases, resulting in a large quality variation such as the carboxyl end group concentration and color tone of the final polyester. Therefore, it is not preferable.
上記の回収グリコール中の水分量を上記範囲にする方法は限定されないが、蒸留塔の圧力および温度の制御を行い、蒸留塔底部より取り出される分留の残留分中の水分量を制御するのが好ましい。 The method for setting the amount of water in the recovered glycol to the above range is not limited, but the pressure and temperature of the distillation column are controlled to control the amount of water in the residue of the fraction taken from the bottom of the distillation column. preferable.
蒸留塔の圧力は限定されないが、該蒸留塔に供給されるグリコールの発生源であるエステル化反応槽の圧力設定と連動して設定するのが好ましい。該エステル化反応槽の圧力との連動および蒸留効率と蒸留に要するエネルギーとのバランス等を総合的なパフォーマンスより微加圧状態で実施するのが好ましい。 The pressure in the distillation column is not limited, but it is preferably set in conjunction with the pressure setting in the esterification reaction tank which is a generation source of glycol supplied to the distillation column. It is preferable to carry out the interlocking with the pressure of the esterification reaction tank and the balance between the distillation efficiency and the energy required for distillation in a slightly pressurized state from the overall performance.
上記のエステル化反応槽の圧力設定と連動して設定する方法においては、蒸留塔は塔頂圧力を10〜300kPa(ゲージ圧)に保つことが好ましい。全蒸留塔を該圧力範囲で制御してもよい。20〜250kPa(ゲージ圧)がより好ましく、80〜200kPa(ゲージ圧)がさらに好ましい。10kPa(ゲージ圧)未満では、大気圧変動による圧力変動の影響を受け、蒸留塔の温度管理精度の低下に繋がる。また、大気圧の変動により、エステル化反応槽の圧力が変化しエステル化反応の変動増大に繋がるので好ましくない。一方、300kPa(ゲージ圧)を超えた場合は、分留精度の低下に繋がる。また、該塔頂圧力でエステル化反応槽の圧力調整をする方法においては、エステル化反応工程におけるジエチレングリコールの副生が増大に繋がるので好ましくない。さらに、エステル化反応槽の圧力の増大により、圧力変動によるエステル化反応に対する影響度が大きくなるためにエステル化反応の変動が増大するので好ましくない。 In the method of setting in conjunction with the pressure setting of the esterification reaction tank, the distillation tower preferably keeps the top pressure at 10 to 300 kPa (gauge pressure). The entire distillation column may be controlled within the pressure range. 20-250 kPa (gauge pressure) is more preferable, and 80-200 kPa (gauge pressure) is more preferable. If it is less than 10 kPa (gauge pressure), it will be influenced by the pressure fluctuation by atmospheric pressure fluctuation, and will lead to the fall of the temperature management precision of a distillation column. In addition, the pressure in the esterification reaction tank changes due to fluctuations in atmospheric pressure, leading to increased fluctuations in the esterification reaction, which is not preferable. On the other hand, when it exceeds 300 kPa (gauge pressure), it leads to the fall of fractionation precision. Further, in the method of adjusting the pressure in the esterification reaction tank with the tower top pressure, by-product of diethylene glycol in the esterification reaction step is increased, which is not preferable. Furthermore, an increase in the pressure of the esterification reaction tank increases the degree of influence on the esterification reaction due to the pressure fluctuation, and therefore the fluctuation of the esterification reaction increases.
上記の蒸留塔の塔頂圧力の制御方法は限定されない。例えば、蒸留塔のベント配管に調圧弁を設置し、該調圧弁で調整する方法や該ベント配管を水封し、該水封の液面あるいは水封部分の配管の位置変更で調整する方法などが挙げられる。 The method for controlling the top pressure of the distillation column is not limited. For example, a pressure regulating valve is installed in the vent pipe of a distillation column, and the method of adjusting with the pressure regulating valve, the method of adjusting the vent pipe with water, and adjusting by changing the position of the liquid surface of the water seal or the pipe of the water sealed portion, etc. Is mentioned.
本発明は、グリコールとしてエチレングリコールを用いたポリエステルの製造方法に適用するのが好ましい。該グリコールとしてエチレングリコールを用いる場合は、上記分留において、残留分を回収グリコールとしてスラリー調製槽の戻すラインを有する蒸留塔の中段温度を106±3℃に制御することが好ましい。該制御は上記の圧力制御と連動して実施することが好ましい。一般に蒸留塔の制御は蒸留塔の塔頂温度で管理されるが、本発明の分留においては、該塔頂温度で管理して、蒸留塔の底部より取り出される残留分中の水分量に制御するには、極めて範囲の狭い温度制御をする必要がある。一方、例えば、特許文献10で開示されている塔底部の温度で管理した場合は、塔頂温度が成り行き任せとなり、塔頂より取り出される水を主体とした低沸点留分中のエチレングリコール量の変動が大きくなる。一般に、該低沸点留分は廃棄処分されるので該低沸点留分中のエチレングリコール量の変動が大きくなると廃液の処理負荷の変動に繋がり、環境負荷が増大するので好ましくない。蒸留塔中段の温度管理をすることにより、上記課題のバランスが取れる。なお、中段温度とは、蒸留塔の棚段のほぼ中央部を意味している。すなわち、棚段数が奇数段の場合は中央の棚段部に、偶数の場合は、2分割した各分割部の中央側の棚段のいずれかの部分の温度を指す。該温度範囲は106±2℃がより好ましい。該温度が103℃未満では、残留分中の水分量が上記範囲より多くなるので好ましくない。一方、110℃を超えた場合は、残留分中の水分量が上記範囲より少なくなり、かつ低沸点留分中のエチレングリコール量が増大し、該低沸点留分を廃液処理する場合の負荷が増大するので好ましくない。
The present invention is preferably applied to a method for producing a polyester using ethylene glycol as the glycol. In the case of using ethylene glycol as the glycol, it is preferable to control the middle temperature of the distillation column having a line for returning the residue as recovered glycol and returning the slurry preparation tank to 106 ± 3 ° C. in the fractionation. The control is preferably performed in conjunction with the pressure control described above. In general, the control of the distillation column is controlled by the top temperature of the distillation column, but in the fractionation of the present invention, the amount of water in the residue taken out from the bottom of the distillation column is controlled by controlling the top temperature. In order to achieve this, it is necessary to control the temperature in a very narrow range. On the other hand, for example, when the temperature is controlled at the temperature at the bottom of the column disclosed in
また、本発明においては、上記の回収グリコール中の水分量を上記範囲に制御する方法としては近赤外線分光光度計を用いて回収グリコール中の水分量を計測し、該計測値を上記の蒸留塔の温度設定値にフィードバックして制御し、水分量制御精度を向上させてもよい。例えば、蒸留塔底部あるいは、該蒸留塔底部よりスラリー調製槽に至る回収グリコールの送液ラインに近赤外線分光光度計の検出器を設置して該回収グリコール中の水分量をオンライン計測し、該計測値を蒸留塔の温度設定値にフィードバックして制御する方法が挙げられる。 Further, in the present invention, as a method for controlling the water content in the recovered glycol within the above range, the water content in the recovered glycol is measured using a near infrared spectrophotometer, and the measured value is used as the distillation column. The temperature control value may be fed back and controlled to improve the water content control accuracy. For example, a near-infrared spectrophotometer detector is installed on the bottom of the distillation column or a recovery glycol feed line from the bottom of the distillation column to the slurry preparation tank to measure the amount of water in the recovered glycol online. A method of controlling the value by feeding it back to the temperature setting value of the distillation column can be mentioned.
近赤外線分光光度計を用いて定量することによりオンライン計測する場合の計測装置および測定波長は限定されない。 The measuring apparatus and the measurement wavelength in the case of online measurement by quantifying using a near-infrared spectrophotometer are not limited.
計測器はオンラインで連続的に測定可能な近赤外分光光度計であれば、特に限定されない。例えば、NIRSシステムズ社(ニレコ社)、BRAN LUEBBEおよび横河電機社製の近赤外オンライン分析計等の市販品を使用してもよいし、本目的のためにシステム化した装置を製作して対応してもよい。 A measuring instrument will not be specifically limited if it is a near-infrared spectrophotometer which can measure continuously on-line. For example, commercial products such as NIRS Systems (Nireco), BRAN LUEBBE, and near infrared on-line analyzers manufactured by Yokogawa Electric may be used, or a systemized device for this purpose can be manufactured. May correspond.
測定波長は限定されない。水分既知のグリコールサンプルを用いて、感度が高く、かつ外乱の少ない波長を調査して適宜設定して検量線を作成して計測するのが好ましい。例えば、1922nmの波長を用いるのが好ましい。また、複数の波長を組み合わせた検量線より算出してもよい。 The measurement wavelength is not limited. It is preferable to use a glycol sample with a known water content and to investigate and measure the wavelength with high sensitivity and little disturbance, and to prepare and measure a calibration curve. For example, it is preferable to use a wavelength of 1922 nm. Moreover, you may calculate from the analytical curve which combined the some wavelength.
本発明においては、蒸留塔の本数は限定されないが少なくとも2基を設けて、第1エステル化反応槽から留出するグリコールと第2エステル化反応槽以降で留出するグリコールとを区分して分留することがより好ましい実施態様である。 In the present invention, the number of distillation columns is not limited, but at least two units are provided, and the glycol distilled from the first esterification reaction tank and the glycol distilled after the second esterification reaction tank are separated and separated. Is a more preferred embodiment.
本発明における2槽以上の反応槽を直列に繋いだ複数個のエステル化反応槽を用いてエステル化反応を行う方法においては、エステル化反応槽から留出するグリコールおよび該グリコールに含まれる水分量は後段になるに従い少なくなる。また、重縮合工程で発生するグリコールは水分含有量がさらに少なくなる。特に、第1エステル化反応槽からグリコールはポリエステルの製造工程で発生するグリコールの約70%以上を占めることが多く、かつ水分量も圧倒的に多い。従って、第1エステル化反応槽よりから留出グリコールと第2エステル化反応槽以降で留出するグリコールとは区分してそれぞれ別個の蒸留塔で分留した方が留出液の全量を1基の蒸留塔で分留する前記特許文献2や3で開示されている方法よりもコストパフォーマンスを高めることができる。すなわち、蒸留塔を分割することにより、それぞれの反応槽で発生するグリコール量および水分量に見合った性能とサイズが設定できるのでトータルの蒸留塔の設備投資や、分留のランニングコストの低減に繋げられるので経済的に有利である。また、回収グリコールの品質安定化の点でも有利である。該蒸留塔の塔数は限定されないが2基が好ましい。3基以上でも構わない。
In the method of performing an esterification reaction using a plurality of esterification reaction tanks in which two or more reaction tanks are connected in series in the present invention, glycol distilled from the esterification reaction tank and the amount of water contained in the glycol Decreases as it goes later. In addition, the glycol generated in the polycondensation step has a lower water content. In particular, the glycol from the first esterification reaction tank often occupies about 70% or more of the glycol generated in the polyester production process, and the amount of water is overwhelmingly large. Therefore, the distillate glycol from the first esterification reaction tank and the glycol distillate after the second esterification reaction tank are separated and fractionated in separate distillation towers to give a total amount of distillate. The cost performance can be improved as compared with the methods disclosed in
本発明の2基以上の蒸留塔で分割分留する場合は、第1エステル化反応槽よりの留出グリコールは水を主体とした低沸点留分を分留除去した残留分をスラリー調製槽に戻して再使用するのが好ましい。一方、第2エステル化反応槽以降の反応槽より留出するグリコールは水を主体とした低沸点留分を分留除去した残留分をスラリー調製槽に戻して再使用してもよいし、第1エステル化反応槽の留出グリコールを分留する蒸留塔に供給して第1エステル化反応槽からの留出グリコールの残留分と合わせて再分留をしてスラリー調製槽の戻してもよい。また、両者を併用してもよい。特に、第2エステル化反応槽以降の反応槽より留出するグリコールは水を主体とした低沸点留分を分留除去した残留分を第1エステル化反応槽の留出グリコールを分留する蒸留塔に供給して第1エステル化反応槽からの留出グリコールの残留分と合わせて再分留してスラリー調製槽に戻す方法は、分留の精度が向上することができる。さらに、前述した回収グリコール中の水分量の制御が一箇所になり、制御が簡略化されるという2重の効奏が発揮される。 In the case of fractional distillation in two or more distillation towers of the present invention, the distillate glycol from the first esterification reaction tank is obtained by distilling and removing the low-boiling fraction mainly composed of water into the slurry preparation tank. It is preferable to put it back and reuse it. On the other hand, the glycol distilled from the reaction tank after the second esterification reaction tank may be reused by returning the residue obtained by fractional removal of the low-boiling fraction mainly composed of water to the slurry preparation tank, The distillate glycol in the 1 esterification reaction tank may be supplied to a distillation column for fractional distillation and may be re-distilled together with the residual distillate glycol from the first esterification reaction tank to return the slurry preparation tank. . Moreover, you may use both together. In particular, the glycol distilled from the reaction tank after the second esterification reaction tank is a distillation that distills the distillate glycol of the first esterification reaction tank from the residue obtained by fractionating and removing the low-boiling fraction mainly composed of water. The method of supplying to the tower and re-distilling together with the residual distillate glycol from the first esterification reaction tank and returning it to the slurry preparation tank can improve the precision of the fractionation. Furthermore, the above-described double effect is achieved in that the water content in the recovered glycol is controlled in one place and the control is simplified.
上記方法に用いられる蒸留塔の性能は限定されないが、8〜18段が好ましい。9〜15段がより好ましい。蒸留塔を複数設けて実施する場合は、全蒸留塔を同じ性能のものを用いてもよいし、それぞれの性能を変えてもよい。第2エステル化反応槽以降の留出分の分留物を第1エステル化反応槽の留出分の分留用蒸留塔に供給し再分留する場合は第1エステル化反応槽に設置する蒸留塔より第2エステル化反応槽に設置する蒸留塔は段数を低くしてもよい。 The performance of the distillation column used in the above method is not limited, but 8 to 18 stages are preferable. 9 to 15 stages are more preferable. In the case where a plurality of distillation towers are provided and used, all distillation towers having the same performance may be used, or the respective performances may be changed. When the fraction from the second esterification reaction tank is fed to the distillation tower for fractionation from the first esterification reaction tank and re-fractionated, distillation is installed in the first esterification reaction tank. The distillation column installed in the second esterification reaction tank from the column may have a lower number of stages.
上記のグリコール回収方法においては、エステル化反応槽からの留出物の低沸点留分の分留除去は、留出物自体が有する熱により連続的に行うことが好適である。このことにより、運転経費の節減と設備の簡略化をより高めることができる。必要に応じて、配管の加熱や熱交換により補助加熱してもよい。 In the above-described glycol recovery method, it is preferable that fraction removal of the low-boiling fraction of the distillate from the esterification reaction tank is continuously performed by the heat of the distillate itself. This can further reduce operating costs and simplify equipment. If necessary, auxiliary heating may be performed by heating the pipe or heat exchange.
一方、重縮合反応槽からの留出物は、湿式コンデンサーで冷却凝縮して回収されるので、加熱して蒸留塔に供給することが必要となる。
また、エステル化反応槽より留出するグリコールの場合は、該グリコールに含まれる固形分は融点が低く、エステル化反応工程で反応系に溶解、反応してポリエステルに取り込まれるので除去する必要はない。ただし、前述した蒸留塔液循環法等による固形分析出による蒸留残留分の送液ラインの詰り防止を行うことが好ましい。
On the other hand, the distillate from the polycondensation reaction tank is recovered by cooling and condensing in a wet condenser, so it is necessary to heat it and supply it to the distillation column.
Further, in the case of glycol distilled from the esterification reaction tank, the solid content contained in the glycol has a low melting point and is dissolved in the reaction system in the esterification reaction step and reacted and taken into the polyester, so it is not necessary to remove it. . However, it is preferable to prevent clogging of the liquid feed line of the distillation residue due to the solid analysis by the distillation column liquid circulation method described above.
一方、重縮合反応槽より留出する留分に含有される固形分は融点が高く、回収グリコールに含有されてポリエステル製造工程に循環されるとポリエステル製造工程でポリエステルに反応せずに異物の発生に繋がる場合があるので好ましくない。従って、該固形分を回収グリコールに混入させない方策を取り入れるのが好ましい。該方策は限定されないが湿式コンデンサーで冷却凝縮して回収された凝縮液中の固形分を除去し蒸留塔に供給するのが好ましい。該固形分の除去方法も限定されない。例えば、濾過、遠心分離あるいは自然沈降等およびこれらを組み合わせた方法で実施するのが好ましい。 On the other hand, the solid content contained in the fraction distilled from the polycondensation reaction tank has a high melting point, and if it is contained in recovered glycol and recycled to the polyester production process, it does not react with the polyester in the polyester production process and generates foreign matter. It is not preferable because it may lead to. Therefore, it is preferable to take measures to prevent the solid content from being mixed into the recovered glycol. Although this method is not limited, it is preferable to remove the solid content in the condensate recovered by cooling and condensing with a wet condenser and supplying it to the distillation column. The method for removing the solid content is not limited. For example, it is preferable to carry out by filtration, centrifugal separation, natural sedimentation or the like and a combination thereof.
本発明においては、上記蒸留塔の底部より抜き出した残留分の一部を該蒸留塔に循環させること(以下、蒸留塔液循環法と称する)が好ましい実施態様である。該方法の実施により、該残留分の送液ラインのライン詰りの発生が抑制され、長期の安定生産が可能となる。ポリエステル製造工程で留出するグリコール中には、飛沫同伴等によりポリエステルのオリゴマー類等よりなるグリコールに難溶性あるいは不溶性の固形分が含まれる。該固形分は、当然のことであるが上記蒸留において、蒸留塔残留分中に含まれポリエステル製造工程に循環される。従って、ポリエステルの製造を長期に渡り連続して実施した場合に、該残留分の送液ラインにおいて、残留分中に存在する固形分あるいは送液ライン中で析出する固形分により該送液ラインの送液性の低下やライン詰まりが発生し安定運転が困難な場合があるという課題を有しておりその改善が嘱望されていた。本発明は上記の極めて単純な方法で該課題を解決したものである。上記蒸留塔液循環法の実施により上記課題が解決される理由は明確でないが、残留分の送液流量および流速の増加、液温度維持、該温度変動抑制および残留分の蒸留塔内の滞留延長による固形分の構造変化等の複数の要因の総和により固形分の析出が抑制されることにより引き起こされるものと推察される。ここで、構造変化は、化学変化と物理変化の両方の効果が加味されていると推察される。すなわち、化学変化としては、固形分中のオリゴマーのグリコリシスによる低分子量化によりグリコールへの溶解性の向上および結晶性低下等が、また、物理変化としては固形分の結晶性等の等の変化が考えられる。また、蒸留塔液循環法の実施は、ライン詰りの抑制に加えて分留精度の向上にも繋がる。 In the present invention, it is a preferred embodiment to circulate a part of the residue extracted from the bottom of the distillation column to the distillation column (hereinafter referred to as a distillation column liquid circulation method). By carrying out the method, occurrence of clogging of the liquid feed line corresponding to the residue is suppressed, and long-term stable production becomes possible. The glycol distilled in the polyester production process contains solids that are hardly soluble or insoluble in glycols made of polyester oligomers and the like due to entrainment of droplets. As a matter of course, the solid content is contained in the distillation column residue and recycled to the polyester production process in the distillation. Therefore, when polyester is continuously produced over a long period of time, in the liquid feed line for the residue, the solid content in the residue or the solid content precipitated in the liquid feed line There has been a problem that stable operation may be difficult due to a decrease in liquid feeding property and clogging of the line, and improvement has been desired. The present invention solves this problem by the above-mentioned extremely simple method. The reason why the above-mentioned problem is solved by the implementation of the distillation column liquid circulation method is not clear, but increases the liquid flow rate and flow rate of the residual liquid, maintains the liquid temperature, suppresses the temperature fluctuation, and extends the residence of the residual liquid in the distillation column. It is inferred that this is caused by the suppression of precipitation of solids due to the sum of a plurality of factors such as the structural change of solids due to. Here, it is speculated that the structural change takes into account the effects of both chemical change and physical change. In other words, chemical changes include improved solubility in glycol and reduced crystallinity due to lower molecular weight due to glycolysis of oligomers in solid content, and physical changes include changes in crystallinity of solid content. Conceivable. Moreover, the implementation of the distillation column liquid circulation method leads to improvement of fractionation accuracy in addition to suppression of line clogging.
従って、残留分の液温および該温度範囲の設定、蒸留塔底部の残留分の貯留容量、循環液の戻し位置および循環量等が重要となる。該条件は限定されないが、以下の方法が好ましい。例えば、循環液の戻し位置は、蒸留塔の中段から蒸留塔底部の残留分の貯留部の最上部が好ましい。蒸留精度向上の点では蒸留塔の中段への戻しが好ましいが、温度管理の点では不利になる。両者のバランスにおいて適宜決定される。また、該循環液の蒸留塔への供給は該液を噴霧状態で供給するのが好ましい。該対応により分留効率の増進や蒸留塔トレイの飛沫同伴による汚染防止効果が付加される上に該供給液の供給量の安定化ができ、循環液の流量変動による循環ラインの詰まり発生が抑制できる。さらに、該循環ライン内での詰まり発生防止のために該循環ラインの配管内面をバフ研磨、または電解研磨処理をしたり、該配管の曲がり半径を大きくする等の対応をするのが好ましい。循環に用いるポンプはリバース形とノンリバース形のどちらでもよいが、リバース形が好ましい。貯留量は循環量に対し25〜70質量%に保つことが好ましい。該循環量は残留分の30〜75質量%が好ましい。 Therefore, the setting of the liquid temperature of the residual part and the temperature range, the storage capacity of the residual part at the bottom of the distillation column, the return position of the circulating liquid, the circulation amount, etc. are important. The conditions are not limited, but the following method is preferred. For example, the return position of the circulating liquid is preferably the uppermost portion of the storage portion of the residue from the middle stage of the distillation column to the bottom of the distillation column. Although it is preferable to return to the middle stage of the distillation column in terms of improving the distillation accuracy, it is disadvantageous in terms of temperature control. It is determined as appropriate in the balance between the two. Moreover, it is preferable to supply the circulating liquid to the distillation tower in a sprayed state. In addition to improving the fractionation efficiency and preventing pollution caused by entrainment of droplets in the distillation column tray, the supply volume of the feed liquid can be stabilized and the clogging of the circulation line due to fluctuations in the flow rate of the circulating liquid can be suppressed. it can. Further, in order to prevent clogging in the circulation line, it is preferable to take measures such as buffing or electrolytic polishing the inner surface of the piping of the circulation line or increasing the bending radius of the piping. The pump used for circulation may be either a reverse type or a non-reverse type, but the reverse type is preferred. The storage amount is preferably maintained at 25 to 70% by mass with respect to the circulation amount. The circulation amount is preferably 30 to 75% by mass of the residual amount.
また、蒸留塔の液面の制御について例えば、エステル化反応槽から留出するグリコールの他に蒸留塔に加えるグリコールの流量を制御することが考えられる。蒸留塔に加えるグリコールは新規グリコール、重合工程で発生し回収したグリコール、他の蒸留塔から留出したグリコール、別の系から回収したグリコールのいずれを用いてもよい。蒸留塔に加えるグリコールの流量は直接的制御する必要は無く、グリコール貯留槽やその前工程の液面や温度などを制御することにより間接的に流量を一定範囲内で規定するものであってもよい。また、蒸留塔からの抜き出し量により液面制御することも考えられる。この場合、抜き出し量は先にも述べたように貯留量を循環量に対し25〜70質量%に保ち、該循環量を残留分の30〜75質量%に保つ範囲内であることが好ましい。抜き出し量は直接的に流量制御する必要は無く、抜き出した液が流入する工程やその後工程の液面や温度などにより間接的に流量を一定範囲内に規定するものであってもよい。 In addition, regarding the control of the liquid level of the distillation column, for example, it is conceivable to control the flow rate of glycol added to the distillation column in addition to glycol distilled from the esterification reaction tank. As the glycol to be added to the distillation column, any of a novel glycol, a glycol generated and recovered in the polymerization step, a glycol distilled from another distillation column, and a glycol recovered from another system may be used. It is not necessary to directly control the flow rate of glycol added to the distillation column, even if the flow rate is indirectly regulated within a certain range by controlling the glycol storage tank and the liquid level and temperature of the previous process. Good. It is also conceivable to control the liquid level by the amount extracted from the distillation column. In this case, the extraction amount is preferably within a range in which the storage amount is kept at 25 to 70% by mass with respect to the circulation amount and the circulation amount is kept at 30 to 75% by mass as described above. It is not necessary to directly control the flow rate of the extraction amount, and the flow rate may be indirectly regulated within a certain range depending on the process into which the extracted liquid flows or the liquid level and temperature in the subsequent process.
また、循環液温度は、160〜180℃がより好ましい。164〜178℃がより好ましく、168〜175℃がさらに好ましい。該温度維持および温度制御のために循環ラインに温度調整機能を付加するのが好ましい。該温度が160℃未満の場合は、ライン詰り頻度が高くなる。逆に、180℃を超えた場合は、エネルギーロスの増加に繋がり経済的に不利となる。また、蒸留精度の低下に繋がる。 The circulating fluid temperature is more preferably 160 to 180 ° C. 164-178 degreeC is more preferable, and 168-175 degreeC is further more preferable. It is preferable to add a temperature adjusting function to the circulation line for maintaining the temperature and controlling the temperature. When the temperature is lower than 160 ° C., the line clogging frequency increases. On the contrary, when it exceeds 180 degreeC, it leads to the increase in energy loss and becomes economically disadvantageous. Moreover, it leads to the fall of distillation accuracy.
上記のエステル化反応槽より留出するグリコールの場合は、該グリコールに含まれる固形分は融点が低く、エステル化反応工程で反応系に溶解、反応してポリエステルに取り込まれるので除去する必要はない。ただし、前述した蒸留塔液循環法等による固形分析出による蒸留残留分の送液ラインの詰り防止を行うことが好ましい。 In the case of glycol distilled from the above esterification reaction tank, the solid content contained in the glycol has a low melting point, and it is dissolved in the reaction system in the esterification reaction step, reacts and is taken into the polyester, so there is no need to remove it. . However, it is preferable to prevent clogging of the liquid feed line of the distillation residue due to the solid analysis by the distillation column liquid circulation method described above.
一方、重縮合反応槽からの留出物は、湿式コンデンサーで冷却凝縮して回収されるので、加熱して蒸留塔に供給することが必要となる。また、重縮合反応槽より留出する留分に含有される固形分は融点が高く、回収グリコールに含有されてポリエステル製造工程に循環されるとポリエステル製造工程でポリエステルに反応せずに異物の発生に繋がる場合があるので好ましくない。従って、該固形分を回収グリコールに混入させない方策を取り入れるのが好ましい。該方策は限定されないが湿式コンデンサーで冷却凝縮して回収された凝縮液中の固形分を除去し蒸留塔に供給するのが好ましい。該固形分の除去方法も限定されない。例えば、濾過、遠心分離あるいは自然沈降等およびこれらを組み合わせた方法で実施するのが好ましい。 On the other hand, the distillate from the polycondensation reaction tank is recovered by cooling and condensing in a wet condenser, so it is necessary to heat it and supply it to the distillation column. In addition, the solid content contained in the fraction distilled from the polycondensation reaction tank has a high melting point, and if it is contained in recovered glycol and circulated in the polyester production process, it does not react with the polyester in the polyester production process, and foreign matter is generated. It is not preferable because it may lead to. Therefore, it is preferable to take measures to prevent the solid content from being mixed into the recovered glycol. Although this method is not limited, it is preferable to remove the solid content in the condensate recovered by cooling and condensing with a wet condenser and supplying it to the distillation column. The method for removing the solid content is not limited. For example, it is preferable to carry out by filtration, centrifugal separation, natural sedimentation or the like and a combination thereof.
上記方法で回収されたグリコールの再使用方法は限定されない。グリコール貯槽に蓄えた後に、ポリエステル製造用のグリコールとして再使用するのが好ましい。 The method for reusing the glycol recovered by the above method is not limited. After storage in a glycol storage tank, it is preferably reused as a glycol for polyester production.
本発明においては、必要に応じて、工程内、外において未精製あるいは精製グリコールを濾過等の処理を行いポリエステルオリゴマー等の固形分を除去し、配管詰りを回避したり、純度を向上させる等の方法を取り入れることも好ましい実施態様である。 In the present invention, if necessary, the solid content such as polyester oligomer is removed by performing a process such as filtration of unpurified or purified glycol in and out of the process to avoid clogging of the pipe or to improve the purity. Incorporating the method is also a preferred embodiment.
回収グリコールの使用割合は制限がなく、適宜設定して使用することができる。 There is no restriction | limiting in the usage rate of collection | recovery glycol, It can set and use suitably.
本発明においては、前記したポリエステル製造工程への新規のリン化合物の供給を少なくても2箇所以上に分割して供給するのが好ましい。該対応により得られるポリエステルの静電密着性が向上する。 In the present invention, it is preferable that the supply of the novel phosphorus compound to the above-described polyester production process is divided and supplied in at least two places. The electrostatic adhesion of the polyester obtained by the countermeasure is improved.
本発明のポリエステル製造方法のように、ポリエステルの製造工程にリン化合物を供給するポリエステルの製造においては、該供給するリン化合物の一部が該ポリエステルの製造工程より留出するグリコールと共に留出する。該グリコールとともに留出するリン化合物は、ポリエステルの製造工程において化学変化を起こし、新規添加のリン化合物とはその構造が変化しており、一般にはグリコールよりも高沸点の化合物になっているので、ポリエステルの製造工程で留出するグリコールを循環再使用する本発明の方法においては、該リン化合物は除去されずに回収グリコールに含まれた形で存在する。従って、上記方法で回収されたグリコールを循環再使用した場合には該回収グリコール中に含まれるリン化合物により、該回収グリコールを使用しない場合と異なり、生産の進行に従いリン化合物の蓄積が進みポリエステル製造工程に供給されるリン化合物の量が増大し、リン化合物による静電密着性向上効果や重縮合触媒の活性に対する作用効果が変化する。特に、静電密着性に対する効果は大きく静電密着性が大幅に低下するので回避する必要がある。該課題を回避する方法として、上記分留の精度を上げて、リン化合物を分留除去しリン化合物を含まない回収グリコールを得る方法が挙げられるが回収コストの上昇に繋がるので好ましくない。 In the production of a polyester for supplying a phosphorus compound to a polyester production process as in the polyester production method of the present invention, a part of the supplied phosphorus compound is distilled together with the glycol distilled from the polyester production process. The phosphorus compound distilled together with the glycol undergoes a chemical change in the production process of the polyester, and its structure has changed from that of the newly added phosphorus compound, and is generally a compound having a higher boiling point than glycol. In the method of the present invention in which the glycol distilled in the polyester production process is recycled and reused, the phosphorus compound is not removed but is present in the recovered glycol. Therefore, when the glycol recovered by the above method is recycled and reused, the phosphorus compound contained in the recovered glycol is different from the case where the recovered glycol is not used. The amount of the phosphorus compound supplied to the process increases, and the effect of improving the electrostatic adhesion by the phosphorus compound and the activity of the polycondensation catalyst are changed. In particular, the effect on the electrostatic adhesion is large, and the electrostatic adhesion is greatly reduced. As a method for avoiding this problem, there is a method of increasing the precision of the fractionation and removing the phosphorus compound by fractional distillation to obtain a recovered glycol containing no phosphorus compound, but this is not preferable because it leads to an increase in recovery cost.
そこで、本発明者等は、グリコールの回収コストを上昇させることなく、かつ上記課題を回避する方法について検討し、下記方法により該課題の回避ができることを見出し本発明を完成した。 Accordingly, the present inventors have studied a method for avoiding the above-mentioned problems without increasing the glycol recovery cost, and found that the problems can be avoided by the following method, and have completed the present invention.
すなわち、本発明においては、上記方法で回収された回収グリコール中のリン化合物に見合う量の新規リン化合物の供給量を低減させて供給するのが好ましい。該対応により回収グリコールを循環再使用しない場合に近い静電密着性のポリエステルが得られる。 That is, in the present invention, it is preferable to supply by supplying a reduced amount of a novel phosphorus compound in an amount commensurate with the phosphorus compound in the recovered glycol recovered by the above method. By this measure, it is possible to obtain an electrostatic adhesive polyester that is close to the case where the recovered glycol is not recycled and reused.
本発明においては、前述したごとくポリエステル製造工程への新規のリン化合物の供給を少なくても2箇所以上に分割して供給するのが好ましいが、上記の新規のリン化合物の供給量の低減は、該分割供給の最後の供給分で調整するのが好ましい。該分割供給の最後の供給分とは、工程の後の方で供給するリン化合物の供給分を指しており、例えば、リン化合物の添加を第2エステル化反応槽と第3エステル化反応槽に供給する場合においては、第3エステル化反応槽に供給する分を指す。 In the present invention, as described above, the supply of the new phosphorus compound to the polyester production process is preferably divided into at least two parts, and the supply of the new phosphorus compound is reduced. It is preferable to adjust at the last supply of the divided supply. The last supply of the divided supply refers to the supply of the phosphorus compound supplied later in the process. For example, the addition of the phosphorus compound is added to the second esterification reaction tank and the third esterification reaction tank. In the case of supplying, it refers to the amount supplied to the third esterification reaction tank.
上記対応により回収グリコールによる静電密着性の低下および変動の増大が抑制される。 By the above measures, a decrease in electrostatic adhesion and an increase in fluctuation due to the recovered glycol are suppressed.
また、本発明においては、回収グリコールはスラリー調製槽に供給されるが、その一部を第2エステル化反応槽以降のエステル化反応槽に供給することが好ましい。該供給量は限定されないが、製造工程全体におけるグリコール成分の全添加量の2〜10質量%を添加するのが好ましく、4〜8質量%添加することがより好ましい。該対応により得られるポリエステルの静電密着性の変動を抑制されることがある。 Moreover, in this invention, although the collection | recovery glycol is supplied to a slurry preparation tank, it is preferable to supply a part to the esterification reaction tank after a 2nd esterification reaction tank. Although the supply amount is not limited, it is preferable to add 2 to 10% by mass, and more preferably 4 to 8% by mass, based on the total amount of glycol component added in the entire production process. Variations in the electrostatic adhesion of the polyester obtained by the countermeasure may be suppressed.
以上の対応により、回収グリコールによる静電密着性の低下および変動の増大が抑制される理由は明確でないが、これらの対応により、アルカリ土類金属化合物、アルカリ金属化合物およびリン化合物の反応生成物が微妙に変化をして静電密着性に対する効果が変化することにより引き起こされているものと推察している。 Although the reason why the decrease in electrostatic adhesion and the increase in fluctuation due to the recovered glycol are suppressed by the above measures is not clear, the reaction products of alkaline earth metal compounds, alkali metal compounds, and phosphorus compounds are not supported by these measures. It is presumed that it is caused by subtle changes in the effect on electrostatic adhesion.
上記方法において、新規リン化合物の供給量の調整は、回収グリコール中のリン化合物の濃度の尺度であるリン原子の含有量を測定して、該測定値に見合った量のリン化合物を供給するようにフィードバック制御するのが好ましい。しかし、該方法で実施する場合は、該フィードバック制御システムが必要となり工程管理が複雑になるという課題を有する。本発明者等はこの課題解決について検討し、ポリエステルの工程条件を本発明の範囲で制御することにより、回収グリコール中のリン原子の含有量はほぼ一定で安定化できるので、回収グリコールの循環再使用をしない状態でポリエステルの製造を開始し、該方法による製造が安定した時点で回収グリコール中のリン原子含有量を測定して、該回収グリコールとして循環されるリン原子の含有量分だけ新規に供給するリン化合物の供給量を減じて供給することで、ほぼ回収グリコールの循環再使用をしない状態で得られるポリエステルに近い静電密着性を有したポリエステルを得ることができることを見出した。ただし、長期に渡って連続生産する場合は、1〜2回/日程度の頻度で回収グリコール中のリン原子含有量を計測して該回収グリコール中のリン原子含有量の変動を補正するように新規のリン化合物の供給量の微調整をするのがより好ましい実施態様である。すなわち、得られるポリエステル中のリン原子の含有量を該ポリエステルの製造工程に供給する新規のリン化合物の供給量を調整することにより設定値の±10%以下に制御することが好ましい。該得られるポリエステル中のリン原子の含有量の変動幅は±8%以下がより好ましく、±5%以下がさらに好ましい。該対応により回収グリコールを循環再使用しない場合に近い静電密着性のポリエステルが得られ、かつその変動を抑制することができる。 In the above method, the supply amount of the novel phosphorus compound is adjusted by measuring the phosphorus atom content, which is a measure of the concentration of the phosphorus compound in the recovered glycol, and supplying an amount of the phosphorus compound corresponding to the measured value. It is preferable to perform feedback control. However, when the method is used, the feedback control system is necessary, and the process management is complicated. The present inventors have investigated the solution of this problem, and by controlling the process conditions of the polyester within the scope of the present invention, the content of phosphorus atoms in the recovered glycol can be stabilized at a substantially constant level. The production of polyester is started in a state where it is not used, and when the production by the method is stabilized, the phosphorus atom content in the recovered glycol is measured, and the amount of phosphorus atoms circulated as the recovered glycol is newly determined. It has been found that a polyester having electrostatic adhesion close to that of a polyester obtained in a state where the recycled glycol is not recycled and reused can be obtained by reducing the supply amount of the phosphorus compound to be supplied. However, in the case of continuous production over a long period of time, the phosphorus atom content in the recovered glycol is measured at a frequency of about 1 to 2 times / day so as to correct the fluctuation of the phosphorus atom content in the recovered glycol. It is a more preferable embodiment to finely adjust the supply amount of the new phosphorus compound. That is, it is preferable to control the content of phosphorus atoms in the obtained polyester to ± 10% or less of the set value by adjusting the supply amount of a new phosphorus compound supplied to the production process of the polyester. The fluctuation range of the phosphorus atom content in the obtained polyester is more preferably ± 8% or less, and further preferably ± 5% or less. By this measure, it is possible to obtain an electrostatic adhesive polyester that is close to the case where the recovered glycol is not recycled and reused, and to suppress fluctuations thereof.
上記の新規のリン化合物の供給量の微調整においても、前述した分割供給の最後の供給分で調整するのが好ましい実施態様である。 In the fine adjustment of the supply amount of the above-mentioned novel phosphorus compound, it is a preferred embodiment to adjust the final supply amount of the above-mentioned divided supply.
本発明におけるエステル化条件や生成物のオリゴマーの特性および重縮合反応条件は、ポリエステルの品質や生産性を考慮し適宜設定すればよいが、本発明においては、回収グリコールを循環し再使用するので、該回収グリコール中の水分量を上記範囲に制御したとしても、従来公知の回収グリコールを循環し再使用しない製造方法に比べて、エステル化反応の変動が増大することがあるので、エステル化反応の変動抑制を取り入れるのが好ましい。 In the present invention, the esterification conditions, the characteristics of the oligomer of the product, and the polycondensation reaction conditions may be set as appropriate in consideration of the quality and productivity of the polyester. Even if the amount of water in the recovered glycol is controlled within the above range, the esterification reaction may increase in comparison with a production method in which a conventionally known recovered glycol is circulated and not reused. It is preferable to incorporate the suppression of fluctuations.
本発明においては、ジカルボン酸とグリコールとからなるスラリーをスラリー調製槽で調製して該スラリーをエステル化反応槽に連続的に定量供給し、複数のエステル化反応槽を用いてエステル化反応を行い引き続き重縮合を行いポリエステルを連続的に製造する方法において、第1エステル化反応層出口のポリエステルオリゴマーのカルボキシル末端基濃度を設定値の±10%以内に制御することが重要である。 In the present invention, a slurry comprising dicarboxylic acid and glycol is prepared in a slurry preparation tank, and the slurry is continuously supplied to the esterification reaction tank in a fixed amount, and an esterification reaction is performed using a plurality of esterification reaction tanks. In the method of continuously producing polyester by subsequently performing polycondensation, it is important to control the carboxyl end group concentration of the polyester oligomer at the outlet of the first esterification reaction layer within ± 10% of the set value.
前記した特許文献等で開示されている技術においては、ポリエステルオリゴマーのカルボキシル末端基は重縮合工程に供給されるポリエステルオリゴマーの値に注目されその制御がなされている。該重縮合工程に供給されるポリエステルオリゴマーのカルボキシル末端基濃度により、後続の重縮合反応の進行やポリエステル品質に対して大きな影響を及ぼすことより当然の帰結である。 In the techniques disclosed in the above-mentioned patent documents and the like, the carboxyl terminal group of the polyester oligomer is focused on and controlled by the value of the polyester oligomer supplied to the polycondensation step. Naturally, the concentration of carboxyl end groups of the polyester oligomer supplied to the polycondensation step has a great influence on the progress of the subsequent polycondensation reaction and the quality of the polyester.
本発明者等は、最終エステル化反応槽出口のポリエステルオリゴマーのカルボキシル末端基濃度の変動を抑制する方法について鋭意検討し、該最終エステル化反応槽出口のポリエステルオリゴマーのカルボキシル末端基濃度の変動は、第1エステル化反応槽出口のポリエステルオリゴマーのカルボキシル末端基濃度によりほぼ支配されることおよび該第1エステル化反応槽出口のポリエステルオリゴマーのカルボキシル末端基濃度は、第1エステル化反応槽内に滞留する反応物の単位時間当たりの熱量の影響を大きく受け、該熱量を制御することにより、第1エステル化反応槽出口のポリエステルオリゴマーのカルボキシル末端基濃度の変動が抑制でき、結果として後続の重縮合反応やポリエステル品質に対して大きな影響を及ぼす最終エステル化反応槽出口のポリエステルオリゴマーのカルボキシル末端基濃度変動が抑制されることを見出して本発明を完成した。当然のことであるが、第1エステル化反応槽以降のエステル化反応条件により最終エステル化反応槽出口のポリエステルオリゴマーのカルボキシル末端基濃度が変化するので、該反応条件は一定範囲に制御する必要があるが、該制御は従来公知の方法を適用し制御するレベルで、本発明方法で得られる高度なカルボキシル末端基濃度の制御が可能となる。 The present inventors diligently studied a method for suppressing the fluctuation of the carboxyl terminal group concentration of the polyester oligomer at the final esterification reaction tank outlet, and the fluctuation of the carboxyl terminal group concentration of the polyester oligomer at the final esterification reaction tank outlet is: It is almost governed by the carboxyl end group concentration of the polyester oligomer at the outlet of the first esterification reaction tank, and the carboxyl end group concentration of the polyester oligomer at the outlet of the first esterification reaction tank stays in the first esterification reaction tank. By being greatly affected by the amount of heat per unit time of the reactant and controlling the amount of heat, fluctuations in the carboxyl end group concentration of the polyester oligomer at the outlet of the first esterification reaction tank can be suppressed, resulting in subsequent polycondensation reaction. And the final s The present invention has been completed found that carboxyl-terminal group concentration variation of the polyester oligomer Le reaction vessel outlet is suppressed. Naturally, the carboxyl end group concentration of the polyester oligomer at the outlet of the final esterification reaction tank changes depending on the esterification reaction conditions after the first esterification reaction tank, so the reaction conditions must be controlled within a certain range. However, the control can be performed at a level at which a conventionally known method is applied, and a high level of carboxyl end group concentration obtained by the method of the present invention can be controlled.
すなわち、第1エステル化反応槽出口のポリエステルオリゴマーのカルボキシル末端基濃度を設定値±10%以内に抑制するのが重要である。±9%以内が好ましく、±8%以内がより好ましく、±6%以内がさらに好ましい。該範囲にすることにより最終エステル化反応槽出口のオリゴマーのカルボキシル末端基濃度の変動を好ましい範囲に抑制することが可能となり、後続の重縮合反応や得られるポリエステルの品質の安定化に繋げることができるので好ましい。一方、下限は無変動である±0%が最も好ましいが、コストパフォーマンスの点より、±0.5%が好ましく、±1.0%がより好ましい。 That is, it is important to suppress the carboxyl end group concentration of the polyester oligomer at the outlet of the first esterification reaction tank within a set value ± 10%. Within ± 9% is preferable, within ± 8% is more preferable, and within ± 6% is more preferable. By making this range, it becomes possible to suppress the fluctuation of the carboxyl end group concentration of the oligomer at the outlet of the final esterification reaction tank to a preferable range, which leads to the subsequent polycondensation reaction and stabilization of the quality of the obtained polyester. It is preferable because it is possible. On the other hand, the lower limit is most preferably ± 0%, which is unchanged, but from the viewpoint of cost performance, ± 0.5% is preferable, and ± 1.0% is more preferable.
上記第1エステル化反応槽出口のポリエステルオリゴマーのカルボキシル末端基濃度の設定値は限定されないが、前記した最終エステル化反応槽出口のポリエステルオリゴマーのカルボキシル末端基濃度や第2エステル化反応槽以降のエステル化反応槽の反応条件により適宜設定すればよい。後述のごとく、一般に最終エステル化反応槽出口のポリエステルオリゴマーのカルボキシル末端基濃度は設定値で150〜900eq/tonの範囲が好ましい。該範囲にするには、第1エステル化反応槽出口のポリエステルオリゴマーのカルボキシル末端基濃度の設定値は800〜3700eq/tonの範囲にするのが好ましい。1000〜3400eq/tonがより好ましく、1200〜3000eq/tonがさらに好ましい。第1エステル化反応槽出口のポリエステルオリゴマーのカルボキシル末端基濃度の設定値が3700eq/tonを超えた場合は、該オリゴマーによる移送ライン等の配管詰りが発生することがある。 Although the set value of the carboxyl terminal group concentration of the polyester oligomer at the outlet of the first esterification reaction tank is not limited, the carboxyl terminal group concentration of the polyester oligomer at the outlet of the final esterification reaction tank or the ester after the second esterification reaction tank What is necessary is just to set suitably according to the reaction conditions of a chemical reaction tank. As described later, generally, the carboxyl end group concentration of the polyester oligomer at the outlet of the final esterification reaction tank is preferably set to a range of 150 to 900 eq / ton. In order to make this range, it is preferable that the set value of the carboxyl end group concentration of the polyester oligomer at the outlet of the first esterification reaction tank is in the range of 800 to 3700 eq / ton. 1000 to 3400 eq / ton is more preferable, and 1200 to 3000 eq / ton is more preferable. When the set value of the carboxyl terminal group concentration of the polyester oligomer at the outlet of the first esterification reaction tank exceeds 3700 eq / ton, the clogging of the transfer line or the like by the oligomer may occur.
該第1エステル化反応槽出口のポリエステルオリゴマーカルボキシル末端基濃度を上記範囲に設定する方法が限定されない。例えば、エステル化反応装置の構造等の製造装置要因や、エステル化反応槽に供給するスラリーのジカルボン酸とグリコールの組成比、エステル化反応温度、エステル化反応圧、エステル化反応時間等のエステル化反応条件等を適宜設定することにより行えばよい。また、エステル化反応工程に水を添加して調整してもよい。 The method for setting the polyester oligomer carboxyl end group concentration at the outlet of the first esterification reaction tank to the above range is not limited. For example, production equipment factors such as the structure of the esterification reaction apparatus, composition ratio of dicarboxylic acid and glycol in the slurry supplied to the esterification reaction tank, esterification reaction temperature, esterification reaction pressure, esterification reaction time, etc. What is necessary is just to set reaction conditions etc. suitably. Moreover, you may adjust by adding water to an esterification reaction process.
もう一つの重要条件である第1エステル化反応槽内に滞留する反応物の単位時間当たりの熱量の変動範囲は±1.7%以内がより好ましく、±1.4%以内がさらに好ましい。下限は無変動である±0%が最も好ましいが、コストパフォーマンスの点より±0.3%が好ましく、±0.5%がより好ましい。 The variation range of the amount of heat per unit time of the reactant staying in the first esterification reaction tank, which is another important condition, is more preferably within ± 1.7%, and further preferably within ± 1.4%. The lower limit is most preferably ± 0% with no variation, but is preferably ± 0.3%, more preferably ± 0.5% from the viewpoint of cost performance.
上記第1エステル化反応槽内に滞留する反応物の単位時間当たりの熱量の制御方法は限定されない。例えば、以下に示すような方法が挙げられる。 The method for controlling the amount of heat per unit time of the reactant staying in the first esterification reaction tank is not limited. For example, the following methods are mentioned.
その第1の方法は、第1エステル化反応槽内に滞留する反応物温度および流量、スラリー温度および流量を計測し、第1エステル化反応槽内に滞留する反応物の単位時間当たりの熱量が一定になるようにスラリーの持ち込む単位時間当たりの熱量を制御することにより行うのが好ましい。該方法において、スラリーの持ち込む単位時間当たりの熱量の制御方法としては、スラリー温度、スラリー供給量および両者を制御する方法があるが、スラリー供給量を変更すると第1エステル化反応槽の液面変動等のエステル化反応に影響を及ぼす要因の変動を引き起こすことになるので、スラリー流量は一定になるようにして、スラリー温度を制御するのが好ましい。該方法で実施する場合は、スラリー供給量を設定値±3%以内に制御することが好ましい。±2.5%以内がより好ましく、±2.0%以内がさらに好ましい。下限は無変動である±0%が最も好ましいが、コストパフォーマンスの点より±0.3%が好ましく、±0.5%がより好ましい。該スラリーの供給量の制御方法は限定されない。例えば、流量計を用いて設定流量になるように送液ポンプ回転数を変更する方法、送液ラインの送液ポンプの後に、スラリー調合槽に戻るバイパスラインを設け、送液ポンプの回転数を一定回転とし、送液ラインに設けた流量計の流量が一定になるようにバイパスラインに設けたコントロール弁の開度を調整する方法、スラリー調製槽と第1エステル化反応槽の位置に高低差を設けて、ヘッド圧でスラリーの送液を行い、該送液ラインに設けた流量計の流量が一定になるように送液ラインに設けたコントロール弁の開度調整により行う等が挙げられる。流量計の種類は限定されない。例えば、ローター流量計、ローターピストン流量計、オーバル流量計およびマイクロモーション流量計等が挙げられる。また、第1エステル化反応槽の液面レベルが一定になるように調整してもよい。また、反応槽内に滞留する反応物温度は、反応槽の底部の缶壁より200〜400mm内部の温度を測定するのが好ましい。 The first method measures the temperature and flow rate of the reactants retained in the first esterification reaction tank, the slurry temperature and the flow rate, and the amount of heat per unit time of the reactants retained in the first esterification reaction tank is determined. It is preferable to carry out by controlling the amount of heat per unit time brought into the slurry so as to be constant. In this method, as a method of controlling the amount of heat per unit time brought into the slurry, there is a method of controlling the slurry temperature, the slurry supply amount, and both, but if the slurry supply amount is changed, the liquid level fluctuation of the first esterification reaction tank Therefore, it is preferable to control the slurry temperature so that the slurry flow rate is constant. In the case of carrying out by this method, it is preferable to control the slurry supply amount within a set value ± 3%. Within ± 2.5% is more preferred, and within ± 2.0% is even more preferred. The lower limit is most preferably ± 0% with no variation, but is preferably ± 0.3%, more preferably ± 0.5% from the viewpoint of cost performance. The method for controlling the supply amount of the slurry is not limited. For example, a method of changing the feed pump rotation speed so as to achieve a set flow rate using a flow meter, a bypass line returning to the slurry preparation tank is provided after the feed pump of the feed line, and the revolution speed of the feed pump is set. Method of adjusting the opening of the control valve provided in the bypass line so that the flow rate of the flow meter provided in the liquid feed line is constant, and the position of the slurry preparation tank and the first esterification reaction tank For example, and by feeding the slurry with the head pressure and adjusting the opening of a control valve provided in the liquid feed line so that the flow rate of the flow meter provided in the liquid feed line is constant. The type of flow meter is not limited. For example, a rotor flow meter, a rotor piston flow meter, an oval flow meter, a micro motion flow meter, and the like can be given. Moreover, you may adjust so that the liquid level of a 1st esterification reaction tank may become fixed. Moreover, it is preferable to measure the temperature inside the reaction tank of 200 to 400 mm from the can wall at the bottom of the reaction tank.
また、第1エステル化反応槽を通過する反応物の通過量は高温用の流量計を用いて第1エステル化反応槽出口の反応物流量を計測する、あるいは該第1エステル化反応槽に供給されるスラリー供給量と第1エステル化反応槽の液面レベルより算出する方法等が挙げられる。 The amount of the reactant passing through the first esterification reaction tank is measured by using a high-temperature flow meter to measure the reactant flow rate at the outlet of the first esterification reaction tank, or supplied to the first esterification reaction tank. The method of calculating from the slurry supply amount and the liquid level of a 1st esterification reaction tank etc. are mentioned.
第2の方法は、第1エステル化反応槽内に滞留する反応物の温度および液面レベルをそれぞれ設定値の±3.0%以内および±0.2%以内になるように制御した上で、エステル化反応槽に供給するスラリーの単位時間当たりの熱量を設定値の±2.0%以内になるように制御する方法である。 In the second method, the temperature and the liquid level of the reaction product staying in the first esterification reaction tank are controlled to be within ± 3.0% and ± 0.2% of the set values, respectively. In this method, the amount of heat per unit time of the slurry supplied to the esterification reaction tank is controlled to be within ± 2.0% of the set value.
第1エステル化反応槽出口のポリエステルオリゴマーのカルボキシル末端基濃度の変動は第1エステル化槽の温度および滞留時間(限定されたポリエステル製造ラインにおいては、反応槽の液面レベル)の影響を受けるので、該要因は上記範囲に制御するのが好ましい。例えば、温度は設定値±2.0%以内がより好ましい。一方、下限は無変動である±0%が最も好ましいが、コストパフォーマンスの点より、±0.2%が好ましく、±0.5%がより好ましい。また、液面レベルは設定値±0.2%以内が好ましく、±0.1%以内がより好ましい。一方、下限は無変動である±0%が最も好ましいが、コストパフォーマンスの点より、±0.02%が好ましく、±0.05%がより好ましい。該液面レベルの制御は前記のスラリー流量制御を上記範囲にすることにより制御が可能である。 The fluctuation of the carboxyl end group concentration of the polyester oligomer at the outlet of the first esterification reaction tank is affected by the temperature and residence time of the first esterification tank (in the limited polyester production line, the liquid level of the reaction tank). The factor is preferably controlled within the above range. For example, the temperature is more preferably within a set value ± 2.0%. On the other hand, the lower limit is most preferably ± 0% with no variation, but from the viewpoint of cost performance, ± 0.2% is preferable, and ± 0.5% is more preferable. The liquid level is preferably within a set value ± 0.2%, and more preferably within ± 0.1%. On the other hand, the lower limit is most preferably ± 0%, which is unchanged, but from the viewpoint of cost performance, ± 0.02% is preferable, and ± 0.05% is more preferable. The liquid level can be controlled by setting the slurry flow rate control within the above range.
上記要件を満たした上で、エステル化反応槽に供給するスラリーの単位時間当たりの熱量を設定値の±2.0%以内になるように制御するのが好ましい。±1.7%以内がより好ましく、±1.4%以内がさらに好ましい。下限は無変動である±0%が最も好ましいが、コストパフォーマンスの点より±0.3%が好ましく、±0.5%がより好ましい。 It is preferable to control the amount of heat per unit time of the slurry supplied to the esterification reaction tank to be within ± 2.0% of the set value after satisfying the above requirements. Within ± 1.7% is more preferred, and within ± 1.4% is even more preferred. The lower limit is most preferably ± 0% with no variation, but is preferably ± 0.3%, more preferably ± 0.5% from the viewpoint of cost performance.
上記の第1エステル化反応槽内に供給するスラリーの単位時間当たりの熱量の制御方法は限定されない。例えば、第1エステル化反応槽に供給するスラリーの温度およびスラリー流量を計測し、スラリー温度および/またはスラリー流量を制御する方法が挙げられるが、スラリー流量を制御する方法は第1エステル化反応槽内の反応物の液面変動等のエステル化反応に影響する要因の変動に繋がるので、スラリー流量は一定になるようにして、スラリー温度を制御するのが好ましい。該方法で実施する場合は、スラリー供給量を設定値±3.0%以内に制御することが好ましい。±2.5%以内がより好ましく、±2.0%以内がさらに好ましい。下限は無変動である±0%が最も好ましいが、コストパフォーマンスの点より±0.3%が好ましく、±0.5%がより好ましい。該スラリーの供給量の制御方法は限定されない。例えば、流量計を用いて設定流量になるように送液ポンプ回転数を変更する方法、送液ラインの送液ポンプの後に、スラリー調合槽に戻るバイパスラインを設け、送液ポンプの回転数を一定回転とし、送液ラインに設けた流量計の流量が一定になるようにバイパスラインに設けたコントロール弁の開度を調整する方法、スラリー調製槽と第1エステル化反応槽の位置に高低差を設けて、ヘッド圧でスラリーの送液を行い、該送液ラインに設けた流量計の流量が一定になるように送液ラインに設けたコントロール弁の開度調整により行う等が挙げられる。流量計の種類は限定されない。例えば、ローター流量計、ローターピストン流量計、オーバル流量計およびマイクロモーション流量計等が挙げられる。また、第1エステル化反応槽の液面レベルが一定になるように調整してもよい。 The method for controlling the amount of heat per unit time of the slurry supplied into the first esterification reaction tank is not limited. For example, a method of measuring the temperature and slurry flow rate of the slurry supplied to the first esterification reaction tank and controlling the slurry temperature and / or slurry flow rate can be mentioned. The method of controlling the slurry flow rate is the first esterification reaction tank. It is preferable to control the slurry temperature so that the flow rate of the slurry is constant, since this causes fluctuations in factors affecting the esterification reaction such as fluctuations in the liquid level of the reactants. In the case of carrying out by this method, it is preferable to control the slurry supply amount within a set value ± 3.0%. Within ± 2.5% is more preferred, and within ± 2.0% is even more preferred. The lower limit is most preferably ± 0% with no variation, but is preferably ± 0.3%, more preferably ± 0.5% from the viewpoint of cost performance. The method for controlling the supply amount of the slurry is not limited. For example, a method of changing the feed pump rotation speed so as to achieve a set flow rate using a flow meter, a bypass line returning to the slurry preparation tank is provided after the feed pump of the feed line, and the revolution speed of the feed pump is set. Method of adjusting the opening of the control valve provided in the bypass line so that the flow rate of the flow meter provided in the liquid feed line is constant, and the position of the slurry preparation tank and the first esterification reaction tank For example, and by feeding the slurry with the head pressure and adjusting the opening of a control valve provided in the liquid feed line so that the flow rate of the flow meter provided in the liquid feed line is constant. The type of flow meter is not limited. For example, a rotor flow meter, a rotor piston flow meter, an oval flow meter, a micro motion flow meter, and the like can be given. Moreover, you may adjust so that the liquid level of a 1st esterification reaction tank may become fixed.
第3の方法は、第2の方法と同様に第1エステル化反応槽内に滞留する反応物の温度および液面レベルをそれぞれ設定値の±3.0%以内および±0.2%以内になるように制御した上で、第1エステル化反応槽内に滞留している反応物温度と第1エステル化反応槽供給されるスラリー温度との温度差とスラリー流量およびスラリー比熱より求められ該第1エステル化反応槽供給されるスラリーの単位時間当たりの熱量を設定値の±2.0%以内になるように制御することが好ましい。該上記方法で求められる第1エステル化反応槽内に供給するスラリーの単位時間当たりの熱量の変動範囲は±1.7%以内がより好ましく、±1.4%以内がさらに好ましい。下限は無変動である±0%が最も好ましいが、コストパフォーマンスの点より±0.3%が好ましく、±0.5%がより好ましい。 In the third method, as in the second method, the temperature and the liquid level of the reactant staying in the first esterification reaction tank are within ± 3.0% and ± 0.2% of the set values, respectively. And the temperature difference between the temperature of the reactant remaining in the first esterification reaction tank and the temperature of the slurry supplied to the first esterification reaction tank, the slurry flow rate and the specific heat of the slurry. It is preferable to control the amount of heat per unit time of the slurry supplied to one esterification reaction tank to be within ± 2.0% of the set value. The variation range of the amount of heat per unit time of the slurry supplied into the first esterification reaction tank determined by the above method is more preferably within ± 1.7%, and further preferably within ± 1.4%. The lower limit is most preferably ± 0%, which is unchanged, but is preferably ± 0.3%, more preferably ± 0.5% from the viewpoint of cost performance.
該方法は、第1エステル化反応槽内に滞留する反応物の単位時間当たりの熱量変動は第1エステル化反応槽内に滞留している反応物温度で近似でき、かつ該熱量の変動は第1エステル化反応槽内に滞留している反応物温度と第1エステル化反応槽供給されるスラリー温度との温度差とスラリー流量およびスラリー比熱より求められ該第1エステル化反応槽供給されるスラリーの単位時間当たりの熱量変動を小さくすることで抑制できることを見出したことに基づいている。すなわち、第1エステル化反応槽へ供給されるスラリーにより持ち込まれる熱量の変動を抑制すれば第1エステル化反応槽内に滞留する反応物の単位時間当たりの熱量変動抑制ができるとともに、該第1エステル化反応槽へ供給されるスラリーにより持ち込まれる熱量の変動が大きくなると第1エステル化反応槽の温度制御の過応答が起こることがあり、第1エステル化反応槽内に滞留している反応物温度制御が困難となるがあるが、該方法により該過応答の回避に繋がり、第1エステル化反応槽におけるエステル化反応の変動が抑制され、第1エステル化反応槽出口のポリエステルオリゴマーのカルボキシル末端基濃度の変動が抑制される。 According to this method, the fluctuation of the amount of heat per unit time of the reaction product staying in the first esterification reaction tank can be approximated by the temperature of the reaction substance staying in the first esterification reaction tank. Slurry obtained from the temperature difference between the temperature of the reactant staying in one esterification reaction tank and the slurry temperature supplied to the first esterification reaction tank, the slurry flow rate and the specific heat of the slurry, and supplied to the first esterification reaction tank This is based on the finding that it can be suppressed by reducing the fluctuation of heat per unit time. That is, if the variation in the amount of heat brought in by the slurry supplied to the first esterification reaction tank is suppressed, the variation in the amount of heat per unit time of the reactant staying in the first esterification reaction tank can be suppressed, and the first When the fluctuation of the amount of heat brought in by the slurry supplied to the esterification reaction tank becomes large, an over-response of the temperature control of the first esterification reaction tank may occur, and the reactant staying in the first esterification reaction tank Although it is difficult to control the temperature, this method leads to avoidance of the overresponse, the fluctuation of the esterification reaction in the first esterification reaction tank is suppressed, and the carboxyl terminal of the polyester oligomer at the outlet of the first esterification reaction tank Variation of the base concentration is suppressed.
上記方法における第1エステル化反応槽内に供給するスラリーの単位時間当たりの熱量の制御方法は限定されない。例えば、第1エステル化反応槽内に供給するスラリーの温度およびスラリー流量を計測し、スラリー温度および/またはスラリー流量を制御する方法が挙げられるが、スラリー流量を制御する方法は第1エステル化反応槽内の反応物の液面変動等のエステル化反応に影響する要因の変動に繋がるので、スラリー流量は一定になるようにして、スラリー温度を制御するのが好ましい。該方法で実施する場合は、スラリー供給量を設定値±3.0%以内に制御することが好ましい。±2.5%以内がより好ましく、±2.0%以内がさらに好ましい。下限は無変動である±0%が最も好ましいが、コストパフォーマンスの点より±0.3%が好ましく、±0.5%がより好ましい。該スラリーの供給量の制御方法は限定されない。例えば、流量計を用いて設定流量になるように送液ポンプ回転数を変更する方法、送液ラインの送液ポンプの後に、スラリー調合槽に戻るバイパスラインを設け、送液ポンプの回転数を一定回転とし、送液ラインに設けた流量計の流量が一定になるようにバイパスラインに設けたコントロール弁の開度を調整する方法、スラリー調製槽と第1エステル化反応槽の位置に高低差を設けて、ヘッド圧でスラリーの送液を行い、該送液ラインに設けた流量計の流量が一定になるように送液ラインに設けたコントロール弁の開度調整により行う等が挙げられる。流量計の種類は限定されない。例えば、ローター流量計、ローターピストン流量計、オーバル流量計およびマイクロモーション流量計等が挙げられる。また、第1エステル化反応槽の液面レベルが一定になるように調整してもよい。 The method for controlling the amount of heat per unit time of the slurry supplied into the first esterification reaction tank in the above method is not limited. For example, a method of measuring the temperature and slurry flow rate of the slurry supplied into the first esterification reaction tank and controlling the slurry temperature and / or slurry flow rate can be mentioned. The method of controlling the slurry flow rate is the first esterification reaction. It is preferable to control the slurry temperature so that the flow rate of the slurry is constant, because this causes fluctuations in factors affecting the esterification reaction such as fluctuations in the liquid level of the reactant in the tank. In the case of carrying out by this method, it is preferable to control the slurry supply amount within a set value ± 3.0%. Within ± 2.5% is more preferred, and within ± 2.0% is even more preferred. The lower limit is most preferably ± 0% with no variation, but is preferably ± 0.3%, more preferably ± 0.5% from the viewpoint of cost performance. The method for controlling the supply amount of the slurry is not limited. For example, a method of changing the feed pump rotation speed so as to achieve a set flow rate using a flow meter, a bypass line returning to the slurry preparation tank is provided after the feed pump of the feed line, and the revolution speed of the feed pump is set. Method of adjusting the opening of the control valve provided in the bypass line so that the flow rate of the flow meter provided in the liquid feed line is constant, and the position of the slurry preparation tank and the first esterification reaction tank For example, and by feeding the slurry with the head pressure and adjusting the opening of a control valve provided in the liquid feed line so that the flow rate of the flow meter provided in the liquid feed line is constant. The type of flow meter is not limited. For example, a rotor flow meter, a rotor piston flow meter, an oval flow meter, a micro motion flow meter, and the like can be given. Moreover, you may adjust so that the liquid level of a 1st esterification reaction tank may become fixed.
上記方法で実施する場合のスラリー温度の制御方法は限定されない。例えば、上記スラリー調製槽の温度および/またはテレフタル酸温度を検出し、該調製槽に供給されるグリコール温度にフィードバックし制御するのが好ましい。また、スラリー温度制御はスラリー調製槽やスラリーの移送ラインに熱交換器を設置して制御してもよい。また、スラリー調製槽に循環ラインを設けてスラリー調製槽中のスラリーを循環させて温度制御の精度向上を図ってもよい。該方法の場合は、循環ラインにも温度制御機能を付加するのが好ましい。以上の方法を単独でおこなってもよいし、複数の方法を組み合わせて行ってもよい。また、スラリー調製槽出口からエステル化反応槽供給するまでの間にスラリー貯留槽を設けてスラリー温度制御の精度を高めてもよい。該方法の場合に、スラリー貯留槽に温度制御機構を付加してもよい。該スラリー貯留槽を設ける方法はスラリー調製槽におけるスラリー調整はバッチ式で実施してもよい。バッチ式スラリー調製法は、スラリー調製における重要工程管理項目であるスラリーのジカルボン酸とグリコールとの組成比の管理が容易となるので該管理の制御系を簡略化することができるという利点にも繋がる。また、該方法の場合は、スラリー貯留槽において、上記のジカルボン酸とグリコールとの組成比の調整が実施できるので、該組成比の変動抑制に繋げることもできるという利点を有する。該方法においては、スラリー調製を連続法やセミバッチ法で実施してもよい。また、該方法と前者の方法を組み合わせて実施してもよい。 The method for controlling the slurry temperature when carried out by the above method is not limited. For example, it is preferable to detect and control the temperature of the slurry preparation tank and / or the terephthalic acid temperature and feed back to the glycol temperature supplied to the preparation tank. The slurry temperature control may be controlled by installing a heat exchanger in the slurry preparation tank or slurry transfer line. In addition, a circulation line may be provided in the slurry preparation tank to circulate the slurry in the slurry preparation tank to improve the accuracy of temperature control. In the case of this method, it is preferable to add a temperature control function also to the circulation line. The above methods may be performed alone or a plurality of methods may be combined. Further, a slurry storage tank may be provided between the slurry preparation tank outlet and the esterification reaction tank supply to improve the accuracy of the slurry temperature control. In the case of this method, a temperature control mechanism may be added to the slurry storage tank. As a method of providing the slurry storage tank, the slurry adjustment in the slurry preparation tank may be carried out by a batch method. The batch type slurry preparation method facilitates the management of the composition ratio of the dicarboxylic acid and glycol of the slurry, which is an important process management item in slurry preparation, leading to the advantage that the control system for the management can be simplified. . In the case of this method, since the composition ratio of the dicarboxylic acid and the glycol can be adjusted in the slurry storage tank, there is an advantage that the composition ratio can be suppressed. In this method, slurry preparation may be carried out by a continuous method or a semibatch method. Moreover, you may implement combining this method and the former method.
上記のスラリー温度の設定値は限定されないが室温から180℃が好ましい。本発明においては、インプラントで回収された回収グリコールが循環再使用される。該回収グリコールは、エネルギー効率の点より加温状態で循環するのが好ましい。従って、回収グリコールは加温状態にあるので、該設定温度は加温状態が好ましく70〜150℃がより好ましい。本発明においては、該循環再使用される回収グリコールの温度変動はスラリー温度変動に影響する。従って、該回収グリコールの温度管理や供給量管理は重要管理項目となる。 The set value of the slurry temperature is not limited, but is preferably from room temperature to 180 ° C. In the present invention, the recovered glycol recovered by the implant is recycled. The recovered glycol is preferably circulated in a heated state from the viewpoint of energy efficiency. Therefore, since the recovered glycol is in a warmed state, the set temperature is preferably a warmed state, and more preferably 70 to 150 ° C. In the present invention, the temperature variation of the recovered glycol that is recycled and reused affects the slurry temperature variation. Therefore, temperature management and supply amount management of the recovered glycol are important management items.
本発明においては、第1エステル化反応槽圧力を設定値±4%以内になるように制御するのが好ましい。±3%以内がより好ましい。±2%以内がより好ましい。一方、下限は無変動である±0%が最も好ましいが、コストパフォーマンスの点より、±0.2%が好ましく、±0.5%がより好ましい。該第1エステル化反応槽圧力が設定値±4%を超えた場合は、前記制御をしても第1エステル化反応槽出口のオリゴマーのカルボキシル末端基濃度の変動が後述の範囲を超えることがあるので好ましくない。 In the present invention, it is preferable to control the first esterification reaction tank pressure to be within a set value ± 4%. Within ± 3% is more preferable. Within ± 2% is more preferable. On the other hand, the lower limit is most preferably ± 0% with no variation, but from the viewpoint of cost performance, ± 0.2% is preferable, and ± 0.5% is more preferable. When the pressure of the first esterification reaction tank exceeds a set value ± 4%, the fluctuation of the carboxyl end group concentration of the oligomer at the outlet of the first esterification reaction tank may exceed the range described later even if the control is performed. This is not preferable.
上記第1エステル化反応槽圧力の設定値は限定されないが、前述のごとく大気圧〜300kPaが好ましい。20〜280kPaが好ましく、40〜260kPaがさらに好ましく、蒸留塔の塔頂圧力調整法で調整するのが好ましい。 The set value of the first esterification reaction tank pressure is not limited, but is preferably from atmospheric pressure to 300 kPa as described above. 20-280 kPa is preferable, 40-260 kPa is more preferable, and it is preferable to adjust by the tower top pressure adjustment method of a distillation column.
また、該スラリーの中のジカルボン酸とグリコールとのモル比もエステル化反応に影響するので一定範囲に制御することが好ましい。該変動範囲は、前記した公知技術の範囲で十分である。設定値±0.3%以内が好ましい。設定値±0.25%以内がより好ましく、設定値±0.2%以内がさらに好ましい。一方、下限は無変動である±0%が最も好ましいが、コストパフォーマンスの点より、±0.01%が好ましく、±0.02%がより好ましい。 Moreover, since the molar ratio of dicarboxylic acid and glycol in the slurry also affects the esterification reaction, it is preferably controlled within a certain range. As the variation range, the range of the known technique described above is sufficient. A setting value within ± 0.3% is preferable. A set value within ± 0.25% is more preferable, and a set value within ± 0.2% is even more preferable. On the other hand, the lower limit is most preferably ± 0% which is unchanged, but from the viewpoint of cost performance, ± 0.01% is preferable, and ± 0.02% is more preferable.
第1エステル化反応槽出口のポリエステルオリゴマーのカルボキシル末端基濃度を設定値±10%以内に抑制するのが重要である。±9%以内が好ましく、±8%以内がより好ましく、±6%以内がさらに好ましい。該範囲にすることにより最終エステル化反応槽出口のオリゴマーのカルボキシル末端基濃度の変動を好ましい範囲に抑制することが可能となり、後続の重縮合反応や得られるポリエステルの品質の安定化に繋げることができるので好ましい。一方、下限は無変動である±0%が最も好ましいが、コストパフォーマンスの点より、±0.5%が好ましく、±1.0%がより好ましい。 It is important to suppress the carboxyl end group concentration of the polyester oligomer at the outlet of the first esterification reaction tank within a set value ± 10%. Within ± 9% is preferable, within ± 8% is more preferable, and within ± 6% is more preferable. By making it within this range, it becomes possible to suppress the fluctuation of the carboxyl end group concentration of the oligomer at the outlet of the final esterification reaction tank to a preferable range, leading to the subsequent polycondensation reaction and stabilization of the quality of the obtained polyester. It is preferable because it is possible. On the other hand, the lower limit is most preferably ± 0%, which is unchanged, but from the viewpoint of cost performance, ± 0.5% is preferable, and ± 1.0% is more preferable.
なお、本発明においては、回収PETボトルの化学分解回収法で得られたテレフタル酸、ジメチルテレフタレートあるいはエチレングリコール等のリサイクル原料を用いることは、省資源や環境保護に役立つので好ましい実施態様である。 In the present invention, the use of recycled raw materials such as terephthalic acid, dimethyl terephthalate, or ethylene glycol obtained by the chemical decomposition recovery method for recovered PET bottles is a preferred embodiment because it helps save resources and protects the environment.
本発明方法により得られたポリエステルを減圧下あるいは不活性ガス気流下でポリエステル樹脂を加熱し、さらに重縮合を進めたり、該ポリエステル樹脂中に含まれている環状3量体等のオリゴマーやアセトアルデヒド等の副生成物を除去する等の手段を取ることも何ら制約を受けない。また、例えば超臨界圧抽出法等の抽出法でポリエステル樹脂を精製し前記の副生成物等の不純物を除去する等の処理を行うことを取り入れても良い。 The polyester obtained by the method of the present invention is heated under reduced pressure or under an inert gas stream to further proceed with polycondensation, an oligomer such as a cyclic trimer contained in the polyester resin, acetaldehyde, etc. There are no restrictions on taking measures such as removing the by-products. Further, for example, it is possible to incorporate a treatment such as purifying a polyester resin by an extraction method such as a supercritical pressure extraction method to remove impurities such as the by-products.
本発明のポリエステル中には、有機系、無機系、及び有機金属系のトナー、ならびに蛍光増白剤などを含むことができ、これらを一種もしくは二種以上含有することによって、ポリエステルの黄み等の着色をさらに優れたレベルにまで抑えることができる。また他の任意の重合体や制電剤、消泡剤、染色性改良剤、染料、顔料、艶消剤、蛍光増白剤、安定剤、酸化防止剤、その他の添加剤が含有されていてもよい。酸化防止剤としては、芳香族アミン系、フェノール系等の酸化防止剤が使用可能であり、安定剤としては、リン酸やリン酸エステル系等のリン系、硫黄系、アミン系等の安定剤が使用可能である。 The polyester of the present invention can contain organic, inorganic, and organometallic toners, and a fluorescent brightening agent. By containing one or more of these, the yellowness of the polyester, etc. Can be suppressed to an even better level. It also contains other optional polymers, antistatic agents, antifoaming agents, dyeability improvers, dyes, pigments, matting agents, fluorescent brighteners, stabilizers, antioxidants, and other additives. Also good. As antioxidants, aromatic amine-based and phenol-based antioxidants can be used, and as stabilizers, phosphoric acid and phosphate ester-based phosphorus-based, sulfur-based, amine-based stabilizers, etc. Can be used.
これらの添加剤は、ポリエステルの重合時もしくは重合後、あるいはポリエステルの成形時の任意の段階で添加することが可能であり、どの段階が好適かは対象とするポリエステルの構造や得られるポリエステルの要求性能に応じてそれぞれ適宜選択すれば良い。 These additives can be added at any stage during or after polymerization of the polyester, or at the time of molding the polyester. Which stage is suitable depends on the structure of the target polyester and the requirements of the resulting polyester. What is necessary is just to select suitably according to performance, respectively.
本発明の製造法で得られたポリエステルは常法の溶融紡糸法により繊維を製造することが可能であり、紡糸・延伸を2ステップで行う方法及び1ステップで行う方法が採用できる。さらに、捲縮付与、熱セットやカット工程を備えたステープルの製造方法やモノフィラメントなど公知の繊維製造方法がすべて適用できるものである。 The polyester obtained by the production method of the present invention can produce fibers by a conventional melt spinning method, and a method in which spinning and stretching are performed in two steps and a method in which it is performed in one step can be employed. Furthermore, all known fiber manufacturing methods such as staple manufacturing methods and monofilaments with crimping, heat setting and cutting steps can be applied.
また得られた繊維は異型断面糸、中空断面糸、複合繊維、原着糸等の種々繊維構造となすことができ、糸加工においても例えば混繊、混紡、等の公知の手段を採用することができる。 The obtained fibers can be made into various fiber structures such as atypical cross-section yarns, hollow cross-section yarns, composite fibers, original yarns, etc., and well-known means such as blending, blending, etc. can also be used in yarn processing. Can do.
更に上記ポリエステル繊維は織編物或いは不織布、等の繊維構造体となすことができる。 Furthermore, the polyester fiber can be made into a fiber structure such as a woven or knitted fabric or a non-woven fabric.
そして上記ポリエステル繊維は、衣料用繊維、カーテン、カーペット、ふとん綿、ファイバーフィル等に代表されるインテリア・寝装用繊維、タイヤコード、ロープ等の抗張力線、土木・建築資材、エアバッグ等の車輛用資材、等に代表される産業資材用繊維、各種織物、各種編物、ネット、短繊維不織布、長繊維不織布用、等の各種繊維用途に使用することができる。 The above polyester fibers are used for interior and bedding fibers such as clothing fibers, curtains, carpets, futons, fiber fills, tensile cords such as tire cords and ropes, civil engineering and building materials, and vehicles such as airbags. It can be used for various fiber applications such as fibers for industrial materials represented by materials, various fabrics, various knitted fabrics, nets, short fiber nonwoven fabrics, and long fiber nonwoven fabrics.
本発明のポリエステルの製造方法で得られたポリエステルは、中空成形体として好適に用いられる。 The polyester obtained by the method for producing a polyester of the present invention is suitably used as a hollow molded body.
中空成形体としては、ミネラルウオーター、ジュース、ワインやウイスキー等の飲料容器、ほ乳瓶、瓶詰め食品容器、整髪料や化粧品等の容器、住居および食器用洗剤容器等が挙げられる。 Examples of the hollow molded body include mineral water, juice, beverage containers such as wine and whiskey, milk bottles, bottled food containers, containers for hairdressing products and cosmetics, housing and dishwashing detergent containers, and the like.
これらの中でも、ポリエステルの持つ衛生性及び強度、耐溶剤性を活かした耐圧容器、耐熱耐圧容器、耐アルコール容器として各種飲料用に特に好適である。中空成形体の製造は、溶融重合や固相重合によって得られたポリエステルチップを真空乾燥法等によって乾燥後、押し出し成型機や射出成形機等の成形機によって成形する方法や、溶融重合後の溶融体を溶融状態のまま成形機に導入して成形する直接成形方法により、有底の予備成形体を得る。さらに、この予備成形体を延伸ブロー成形、ダイレクトブロー成形、押出ブロー成形などのブロー成型法により最終的な中空成形体が得られる。もちろん、上記の押し出し成型機や射出成形機等の成形機によって得られた成形体を最終的な中空容器とすることもできる。 Among these, polyester is particularly suitable for various beverages as a pressure-resistant container, a heat-resistant pressure-resistant container, and an alcohol-resistant container utilizing the hygiene and strength and solvent resistance of polyester. The hollow molded body is manufactured by a method in which a polyester chip obtained by melt polymerization or solid phase polymerization is dried by a vacuum drying method or the like, and then molded by a molding machine such as an extrusion molding machine or an injection molding machine, or melted after melt polymerization. A preform with a bottom is obtained by a direct molding method in which the body is introduced into a molding machine in a molten state and molded. Further, a final hollow molded body can be obtained by blow molding such as stretch blow molding, direct blow molding, and extrusion blow molding. Of course, a molded product obtained by a molding machine such as the above-described extrusion molding machine or injection molding machine can be used as a final hollow container.
このような中空成形体の製造の際には、製造工程で発生した廃棄樹脂や市場から回収されたポリエステル樹脂を混合することもできる。このようなリサイクル樹脂であっても、本発明のポリエステル樹脂は劣化が少なく、高品質の中空成型品を得ることができる。 When manufacturing such a hollow molded body, waste resin generated in the manufacturing process or polyester resin recovered from the market can be mixed. Even with such a recycled resin, the polyester resin of the present invention is less deteriorated and a high-quality hollow molded product can be obtained.
さらには、このような容器は、中間層にポリビニルアルコールやポリメタキシリレンジアミンアジペートなどのガスバリア性樹脂層、遮光性樹脂層やリサイクルポリエステル層を設けた多層構造をとることも可能である。また、蒸着やCVD(ケミカルベーパーデポジット)等の方法を用いて、容器の内外をアルミニウムなどの金属やダイヤモンド状カーボンの層で被覆することも可能である。 Further, such a container can have a multilayer structure in which an intermediate layer is provided with a gas barrier resin layer such as polyvinyl alcohol or polymetaxylylenediamine adipate, a light shielding resin layer or a recycled polyester layer. It is also possible to coat the inside and outside of the container with a metal such as aluminum or a layer of diamond-like carbon using a method such as vapor deposition or CVD (chemical vapor deposit).
なお、中空成形体の口栓部等の結晶性を上げるため、ポリエチレンを初めとする他の樹脂やタルク等の無機核剤を添加することもできる。 In addition, in order to raise crystallinity, such as a plug part of a hollow molded object, inorganic nucleating agents, such as other resin including polyethylene and talc, can also be added.
また、本発明のポリエステルの製造方法で得られたポリエステルは押し出し機からシ−ト状物に押し出し、シートとすることもできる。このようなシートは、真空成形や圧空成形、型押し等により加工し、食品や雑貨用のトレイや容器、カップ、ブリスタ−パック、電子部品のキャリアテープ、電子部品配送用トレイとして用いる。また、シートは各種カードとして利用することもできる。 Further, the polyester obtained by the method for producing a polyester of the present invention can be extruded into a sheet-like material from an extruder to form a sheet. Such sheets are processed by vacuum forming, pressure forming, stamping, etc., and used as trays and containers for food and sundries, cups, blister packs, carrier tapes for electronic components, and electronic component delivery trays. The sheet can also be used as various cards.
これら、シートの場合でも、上述のような中間層にガスバリア性樹脂層、遮光性樹脂層やリサイクルポリエステル層を設けた多層構造をとることも可能である。 Even in the case of these sheets, it is also possible to take a multilayer structure in which a gas barrier resin layer, a light shielding resin layer, and a recycled polyester layer are provided on the intermediate layer as described above.
また、同様にリサイクル樹脂を混合することもできる。さらには、結晶性の耐熱性容器とすることを目的に、ポリエチレンを初めとする他の樹脂やタルク等の無機核剤を添加し、結晶性を高めることできる。 Similarly, recycled resin can be mixed. Furthermore, for the purpose of forming a crystalline heat-resistant container, other resins such as polyethylene and inorganic nucleating agents such as talc can be added to enhance crystallinity.
本発明のポリエステルの製造方法で得られたポリエステルは、フィルムに用いることができる。その方法は、ポリエステルを溶融押出しし、T−ダイスより冷却回転ロール上にシート状に成型し、未延伸シートを作成する。この際、例えば特公平6−39521号公報、特公平6−45175号公報に記載の技術を適用することにより、高速製膜性が可能となる。また、複数の押出し機を用い、コア層、スキン層に各種機能を分担させ、共押出し法により積層フィルムとしても良い。 The polyester obtained by the method for producing a polyester of the present invention can be used for a film. In this method, polyester is melt-extruded and formed into a sheet shape from a T-die on a cooling rotary roll to create an unstretched sheet. In this case, for example, by applying the technique described in Japanese Patent Publication No. 6-39521 and Japanese Patent Publication No. 6-45175, high-speed film formation is possible. Moreover, it is good also as a laminated | multilayer film by a co-extrusion method, using a several extruder, assigning various functions to a core layer and a skin layer.
本発明のポリエステルの製造方法で得られたポリエステルは、配向ポリエステルフィルムに用いることができる。配向ポリエステルフィルムは、公知の方法を用いて、ポリエステルのガラス転移温度以上結晶化温度未満で、少なくとも一軸方向に1.1〜6倍に延伸することにより得ることができる。 The polyester obtained by the method for producing a polyester of the present invention can be used for an oriented polyester film. The oriented polyester film can be obtained by stretching 1.1 to 6 times at least in the uniaxial direction at a temperature not less than the glass transition temperature of the polyester and less than the crystallization temperature using a known method.
例えば、二軸配向ポリエステルフィルムを製造する場合、縦方向または横方向に一軸延伸を行い、次いで直交方向に延伸する逐次二軸延伸方法、縦方向及び横方向に同時に延伸する同時二軸延伸する方法、さらに同時二軸延伸する際の駆動方法としてリニアモーターを用いる方法のほか、横・縦・縦延伸法、縦・横・縦延伸法、縦・縦・横延伸法など、同一方向に数回に分けて延伸する多段延伸方法を採用することができる。 For example, in the case of producing a biaxially oriented polyester film, a sequential biaxial stretching method in which uniaxial stretching is performed in the longitudinal direction or the transverse direction, and then stretching in the orthogonal direction, and a simultaneous biaxial stretching method in which stretching is performed simultaneously in the longitudinal direction and the transverse direction. In addition to using a linear motor as the driving method for simultaneous biaxial stretching, the horizontal / longitudinal / longitudinal stretching method, vertical / horizontal / longitudinal stretching method, longitudinal / vertical / horizontal stretching method, etc. are performed several times in the same direction. It is possible to adopt a multistage stretching method in which the stretching is performed separately.
さらに、延伸終了後、フィルムの熱収縮率を低減させるために、(融点−50℃)〜融点未満の温度で30秒以内、好ましくは10秒以内で熱固定処理を行い、0.5〜10%の縦弛緩処理、横弛緩処理などを施すことが好ましい。 Further, after the completion of stretching, in order to reduce the thermal shrinkage rate of the film, a heat setting treatment is performed at a temperature of (melting point−50 ° C.) to less than the melting point within 30 seconds, preferably within 10 seconds. % Longitudinal relaxation treatment, lateral relaxation treatment, etc. are preferably performed.
前述のごとく本発明のポリエステルは優れた静電密着性を有しているので、該フィルムの製造時のキャスティング工程には静電密着法を採用するのが好ましい実施態様である。 As described above, since the polyester of the present invention has excellent electrostatic adhesion, it is a preferred embodiment to employ an electrostatic adhesion method in the casting process during the production of the film.
得られた配向ポリエステルフィルムは、厚みが1μm以上1000μm以下が好ましく、より好ましくは5μm以上500μm以下、より好ましくは10μm以上200μm以下である。1μm未満では腰が無く取り扱いが困難である。また1000μmを超えると硬すぎて取り扱いが困難である。 The obtained oriented polyester film has a thickness of preferably 1 μm or more and 1000 μm or less, more preferably 5 μm or more and 500 μm or less, and more preferably 10 μm or more and 200 μm or less. If it is less than 1 μm, it is difficult to handle because there is no waist. Moreover, when it exceeds 1000 micrometers, it is too hard and handling is difficult.
また、接着性、離型性、制電性、赤外線吸収性、抗菌性、耐擦り傷性、などの各種機能を付与するために、配向ポリエステルフィルム表面にコーティング法により高分子樹脂を被覆してもよい。また、被覆層にのみ無機及び/又は有機粒子を含有させて、易滑高透明ポリエステルフィルムとしてもよい。さらに、無機蒸着層を設け酸素、水、オリゴマーなどの各種バリア機能を付与したり、スパッタリング法などで導電層を設け導電性を付与することもできる。また、配向ポリエステルフィルムの滑り性、走行性、耐摩耗性、巻き取り性などのハンドリング特性を向上させるために、ポリエステルの重合工程で、無機及び有機塩粒子又は耐熱性高分子樹脂粒子を添加して、フィルム表面に凹凸を形成させてもよい。また、これらの粒子は無機・有機又は親水・疎水等の表面処理がされたもの、されていないもの、どちらを使っても良いが、例えば分散性を向上させる等の目的で、表面処理した粒子を用いる方が好ましいケースがある。 In addition, in order to provide various functions such as adhesion, releasability, antistatic, infrared absorption, antibacterial properties, scratch resistance, etc., the surface of the oriented polyester film may be coated with a polymer resin by a coating method. Good. Moreover, it is good also as a slippery highly transparent polyester film by making an inorganic and / or organic particle | grain contain only in a coating layer. Furthermore, an inorganic vapor deposition layer can be provided to provide various barrier functions such as oxygen, water, and oligomer, or a conductive layer can be provided by a sputtering method or the like to provide conductivity. In addition, inorganic and organic salt particles or heat-resistant polymer resin particles are added in the polyester polymerization process in order to improve the handling properties such as slipping property, running property, wear resistance, and winding property of the oriented polyester film. Then, irregularities may be formed on the film surface. These particles may be either inorganic / organic or hydrophilic / hydrophobic surface-treated or non-surface-treated particles. For example, particles that have been surface-treated for the purpose of improving dispersibility. There are cases where it is preferable to use.
無機粒子としては、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、リン酸リチウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ジルコニウム、フッ化リチウム、ソジュウムカルシウムアルミシリケート等が挙げられる。 Inorganic particles include calcium carbonate, kaolin, talc, magnesium carbonate, barium carbonate, calcium sulfate, barium sulfate, lithium phosphate, calcium phosphate, magnesium phosphate, aluminum oxide, silicon oxide, titanium oxide, zirconium oxide, lithium fluoride, Examples include sodium calcium aluminum silicate.
有機塩粒子としては、蓚酸カルシウムやカルシウム、バリウム、亜鉛、マンガン、マグネシウム等のテレフタル酸塩等が挙げられる。 Examples of the organic salt particles include terephthalate such as calcium oxalate, calcium, barium, zinc, manganese, and magnesium.
架橋高分子粒子としては、ジビニルベンゼン、スチレン、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸またはメタクリル酸のビニル系モノマーの単独または共重合体が挙げられる。その他に、ポリテトラフルオロエチレン、ベンゾグアナミン樹脂、熱硬化エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、熱硬化性尿素樹脂、熱硬化性フェノール樹脂などの有機粒子を用いても良い。 Examples of the crosslinked polymer particles include homopolymers or copolymers of vinyl monomers of divinylbenzene, styrene, acrylic acid, methacrylic acid, acrylic acid or methacrylic acid. In addition, organic particles such as polytetrafluoroethylene, benzoguanamine resin, thermosetting epoxy resin, unsaturated polyester resin, thermosetting urea resin, and thermosetting phenol resin may be used.
上記不活性粒子を基材フィルムとなるポリエステル中に含有させる方法は、限定されないが、(a)ポリエステル構成成分であるジオール中で不活性粒子をスラリー状に分散処理し、該不活性粒子スラリーをポリエステルの重合反応系へ添加する方法、(b)ポリエステルフィルムの溶融押出し工程においてベント式二軸押出し機で、溶融ポリエステル樹脂に分散処理した不活性粒子の水スラリーを添加する方法、(c)ポリエステル樹脂と不活性粒子を溶融状態で混練する方法(d)ポリエステル樹脂と不活性粒子のマスターレジンを溶融状態で混練する方法などが例示される。 A method for incorporating the inert particles in the polyester as the base film is not limited, but (a) the inert particles are dispersed in a slurry form in a diol which is a polyester component, A method of adding polyester to a polymerization reaction system, (b) a method of adding a water slurry of inert particles dispersed in a molten polyester resin by a vent type twin screw extruder in a melt extrusion step of a polyester film, (c) polyester Examples include a method of kneading a resin and inert particles in a molten state (d) a method of kneading a polyester resin and a master resin of inert particles in a molten state.
重合反応系に添加する方法の場合、不活性粒子のジオールスラリーを、エステル化反応またはエステル交換反応前から重縮合反応開始前の溶融粘度の低い反応系に添加することが好ましい。また、不活性粒子のジオールスラリーを調製する際には、高圧分散機、ビーズミル、超音波分散などの物理的な分散処理を行うとことが好ましい。さらに、分散処理したスラリーを安定化させるために、使用する粒子の種類に応じて適切な化学的な分散安定化処理を併用することが好ましい。 In the case of the method of adding to the polymerization reaction system, it is preferable to add the diol slurry of inert particles to the reaction system having a low melt viscosity before the esterification reaction or transesterification reaction and before the start of the polycondensation reaction. Moreover, when preparing the diol slurry of inert particles, it is preferable to perform a physical dispersion treatment such as a high-pressure disperser, a bead mill, or ultrasonic dispersion. Furthermore, in order to stabilize the dispersion-treated slurry, it is preferable to use an appropriate chemical dispersion stabilization treatment according to the type of particles used.
分散安定化処理としては、例えば無機酸化物粒子や粒子表面にカルボキシル基を有する架橋高分子粒子などの場合には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ化合物をスラリーに添加し、電気的な反発により粒子間の再凝集を抑制することができる。また、炭酸カルシウム粒子、ヒドロキシアパタイト粒子などの場合にはトリポリ燐酸ナトリウムやトリポリ燐酸カリウムをスラリー中に添加することが好ましい。 As the dispersion stabilization treatment, for example, in the case of inorganic oxide particles or crosslinked polymer particles having a carboxyl group on the particle surface, an alkali compound such as sodium hydroxide, potassium hydroxide or lithium hydroxide is added to the slurry. Further, reaggregation between particles can be suppressed by electrical repulsion. In the case of calcium carbonate particles, hydroxyapatite particles, etc., it is preferable to add sodium tripolyphosphate or potassium tripolyphosphate to the slurry.
また、不活性粒子のジオールスラリーをポリエステルの重合反応系へ添加する際、スラリーをジオールの沸点近くまで加熱処理することも、重合反応系へ添加した際のヒートショック(スラリーと重合反応系との温度差)を小さくすることができるため、粒子の分散性の点で好ましい。 In addition, when adding the diol slurry of inert particles to the polyester polymerization reaction system, heat treatment of the slurry to near the boiling point of the diol can also be applied to heat shock (addition between the slurry and the polymerization reaction system). (Temperature difference) can be reduced, which is preferable in terms of dispersibility of the particles.
本発明の配向ポリエステルフィルムは、好ましくは帯電防止性フィルム、易接着性フィルム、カード用、ダミー缶用、農業用、建材用、化粧材用、壁紙用、OHPフィルム用、印刷用、インクジェット記録用、昇華転写記録用、レーザービームプリンタ記録用、電子写真記録用、熱転写記録用、感熱転写記録用、プリント基板配線用、メンブレンスイッチ用、プラズマディスプレイ用、タッチパネル用、マスキングフィルム用、写真製版用、レントゲンフィルム用、写真ネガフィルム用、位相差フィルム用、偏光フィルム用、偏光膜保護(TAC)用、プロテクトフィルム用、感光性樹脂フィルム用、視野拡大フィルム用、拡散シート用、反射フィルム用、反射防止フィルム用、導電性フィルム用、セパレータ用、紫外線防止用、バックグラインドテープ用などに用いられる。 The oriented polyester film of the present invention is preferably an antistatic film, an easily adhesive film, a card, a dummy can, an agricultural product, a building material, a decorative material, a wallpaper, an OHP film, a printing, and an inkjet recording. For sublimation transfer recording, laser beam printer recording, electrophotographic recording, thermal transfer recording, thermal transfer recording, printed circuit board wiring, membrane switch, plasma display, touch panel, masking film, photoengraving, For X-ray film, For photographic negative film, For retardation film, For polarizing film, For polarizing film protection (TAC), For protective film, For photosensitive resin film, For field-of-view film, For diffusion sheet, For reflective film, Reflective For prevention film, for conductive film, for separator, for ultraviolet protection, back glass It is used, for example, for Ndotepu.
帯電防止用フィルムとしては、例えば特許第2952677号公報、特開平6−184337号公報に記載の技術を用いることができる。易接着性フィルムとしては、例えば特公平07−108563、特開平10−235820、特開平11−323271号公報に、カード用としては例えば特開平10−171956、特開平11−010815号公報に記載の技術を本発明のフィルムに適用できる。ダミー缶用としては例えば特開平10−101103号公報に記載のシート状筒体の替わりに、本発明のフィルム上に意匠を印刷し筒状、半筒状にしたものを用いることができる。建材用、建材用化粧版、化粧材用としては、例えば特開平05−200927号公報に記載の基材シート、特開平07−314630号公報に記載の透明シートとして本発明のフィルムを用いることができる。OHP用(オーバーヘッドプロジェクタ用)としては特開平06−297831号公報に記載の透明樹脂シート、特開平08−305065号公報に記載の透明高分子合成樹脂フィルムとして本発明のフィルムを用いることができる。インクジェット記録用としては、例えば特開平05−032037号公報に記載の透明基材として本発明のフィルムを用いることができる。昇華転写記録用としては例えば特開2000−025349号公報に記載の透明なフィルムとして本発明のフィルムを用いることができる。レーザービームプリンタ用、電子写真記録用としては例えば特開平05−088400号公報に記載のプラスチックフィルムとして本発明のフィルムを用いることができる。熱転写記録用としては例えば特開平07−032754号公報に感熱記録用としては特開平11−034503号公報にそれぞれ記載の方法で本発明のフィルムを用いることができる。プリント基板用としては例えば特開平06−326453号公報に記載のポリエステルフィルムとして本発明のフィルムを用いることができる。メンブレンスイッチ用としては例えば特開平05−234459号公報に記載の方法で本発明のフィルムを用いることができる。光学フィルタ(熱線フィルタ、プラズマディスプレイ用)としては、例えば特開平11−231126号公報に記載の方法で本発明のフィルムを用いることができる。透明導電性フィルム、タッチパネル用としては例えば特開平11−224539号公報に記載の方法で本発明のフィルムを用いることができる。マスキングフィルム用としては、例えば特開平05−273737号公報に記載の方法で本発明のフィルムを用いることができる。写真製版用としては例えば特開平05−057844号公報に記載の方法で本発明のフィルムを用いることができる。写真用ネガフィルムとしては例えば特開平06−167768号公報の段落番号(0123)に記載のポリエチレンテレフタレートフィルムとして本発明のフィルムを用いることができる。位相差フィルム用としては例えば特開2000−162419号公報に記載のフィルムとして本発明のフィルムを用いることができる。セパレータ用としては、例えば特開平11−209711号公報の段落番号(0012)に記載のフィルムとして本発明のフィルムを用いることができる。紫外線防止用としては例えば特開平10−329291号公報に記載のポリエステルフィルムとして本発明のフィルムを用いることができる。農業用フィルムとしては、特開平10−166534号公報に記載のポリエチレンテレフタレートフィルムに本発明のフィルムを適用することにより得ることができる。粘着シートとしては例えば特開平06−122856号公報に記載のポリエチレンテレフタレートフィルムに本発明の配向ポリエステルフィルムを適用することにより得られる。 As the antistatic film, for example, the techniques described in Japanese Patent No. 2952677 and JP-A-6-184337 can be used. Examples of the easy-adhesive film include Japanese Patent Publication No. 07-108563, Japanese Patent Application Laid-Open No. 10-235820, and Japanese Patent Application Laid-Open No. 11-323271. The technique can be applied to the film of the present invention. For the dummy can, for example, instead of the sheet-like cylinder described in JP-A-10-101103, a design obtained by printing a design on the film of the present invention to form a cylinder or a half cylinder can be used. For building materials, decorative plates for building materials, and decorative materials, for example, the film of the present invention can be used as a base sheet described in JP-A No. 05-200927 and a transparent sheet described in JP-A No. 07-314630. it can. As the OHP (for overhead projector), the film of the present invention can be used as the transparent resin sheet described in JP-A No. 06-297831 and the transparent polymer synthetic resin film described in JP-A No. 08-305065. For inkjet recording, for example, the film of the present invention can be used as a transparent substrate described in JP-A No. 05-032037. For sublimation transfer recording, for example, the film of the present invention can be used as a transparent film described in JP-A No. 2000-025349. For laser beam printers and electrophotographic recording, for example, the film of the present invention can be used as a plastic film described in JP-A No. 05-088400. For thermal transfer recording, the film of the present invention can be used by the methods described in JP-A-07-032754, for thermal recording, and JP-A-11-034503, respectively. For printed circuit boards, for example, the film of the present invention can be used as a polyester film described in JP-A-06-326453. For the membrane switch, the film of the present invention can be used, for example, by the method described in JP-A No. 05-234459. As the optical filter (for heat ray filter, plasma display), for example, the film of the present invention can be used by the method described in JP-A-11-231126. For transparent conductive films and touch panels, the film of the present invention can be used by the method described in JP-A-11-224539, for example. For the masking film, the film of the present invention can be used, for example, by the method described in JP-A No. 05-273737. For photoengraving, for example, the film of the present invention can be used by the method described in JP-A No. 05-057844. As a photographic negative film, for example, the film of the present invention can be used as a polyethylene terephthalate film described in paragraph No. (0123) of JP-A No. 06-167768. For the retardation film, for example, the film of the present invention can be used as a film described in JP-A No. 2000-162419. For the separator, for example, the film of the present invention can be used as the film described in paragraph No. (0012) of JP-A No. 11-209711. For preventing ultraviolet rays, for example, the film of the present invention can be used as a polyester film described in JP-A-10-329291. As an agricultural film, it can be obtained by applying the film of the present invention to a polyethylene terephthalate film described in JP-A-10-166534. The pressure-sensitive adhesive sheet can be obtained, for example, by applying the oriented polyester film of the present invention to a polyethylene terephthalate film described in JP-A-06-122856.
これら、シートの場合でも、上述のような中間層にガスバリア性樹脂層、遮光性樹脂層やリサイクルポリエステル層を設けた多層構造をとることも可能である。 Even in the case of these sheets, it is also possible to take a multilayer structure in which a gas barrier resin layer, a light shielding resin layer, and a recycled polyester layer are provided on the intermediate layer as described above.
また、同様にリサイクル樹脂を混合することもできる。さらには、結晶性の耐熱性容器とすることを目的に、ポリエチレンを初めとする他の樹脂やタルク等の無機核剤を添加し、結晶性を高めることできる。 Similarly, recycled resin can be mixed. Furthermore, for the purpose of forming a crystalline heat-resistant container, other resins such as polyethylene and inorganic nucleating agents such as talc can be added to enhance crystallinity.
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。なお、評価法は以下の方法で実施した。 EXAMPLES Hereinafter, although an Example demonstrates this invention, this invention is not restrict | limited to these Examples. In addition, the evaluation method was implemented with the following method.
1、固有粘度(IV)の測定
フェノール/テトラクロロエタン(60:40、重量比)混合溶媒を用いて、30℃で測定した。
1. Measurement of Intrinsic Viscosity (IV) Measurement was performed at 30 ° C. using a mixed solvent of phenol / tetrachloroethane (60:40, weight ratio).
2、ポリマー溶融比抵抗(ρi)
275℃で溶融したポリエステル中に2枚の電極板を置き、120Vの電圧を印加した時の電流値(i0)を測定し、比抵抗値ρiを次式により求める。
ρi(Ω・cm)=A/l×V/ i0
ここで、A=電極面積(cm2)、l=電極間距離(cm)、V=電圧(V)である。
2. Polymer melt resistivity (ρi)
Two electrode plates are placed in polyester melted at 275 ° C., a current value (i 0 ) when a voltage of 120 V is applied is measured, and a specific resistance value ρi is obtained by the following equation.
ρi (Ω · cm) = A / l × V / i 0
Here, A = electrode area (cm 2 ), l = interelectrode distance (cm), and V = voltage (V).
3、静電密着性
押出機の口金部と冷却ドラムの間にタングステンワイヤー製の電極を設け、電極とキャスティングドラム間に10〜15KVの電圧を印加してキャスティングを行い、得られたキャスティング原反の表面を肉眼で観察し、ピンナーバブルの発生が起こり始めるキャスティング速度で評価する。キャスティング速度が大きいポリマー程、静電密着性が良好である。
3. Electrostatic adhesion An electrode made of tungsten wire is provided between the die part of the extruder and the cooling drum, and casting is performed by applying a voltage of 10 to 15 KV between the electrode and the casting drum. The surface of the film is observed with the naked eye, and evaluated at the casting speed at which pinner bubbles start to occur. The higher the casting speed, the better the electrostatic adhesion.
4、回収エチレングリコールの組成分析
試料液に30容量%のジメチルスルホキサイドを添加し、H−NMRおよびC−NMR測定を行い評価した。
4. Composition analysis of recovered
5、回収エチレングリコール中のリン原子含有量の定量
試料を硝酸マグネシウム共存下、550℃で灰化後、1.2M塩酸溶液としてから高周波プラズマ発光分析法により定量した。
5. Quantification of phosphorus atom content in recovered ethylene glycol The sample was incinerated at 550 ° C. in the presence of magnesium nitrate, and then quantified by high-frequency plasma emission spectrometry after preparing a 1.2 M hydrochloric acid solution.
6、回収グリコール中の水分量
試料中の水分量に見合った量の試料をマイクロシリンジあるいは注射器で採取し、電子天秤で精秤した後、KF水分率計(京都電子工業(株)製、MKC−210)を用いて水の量を測定し、試料に対する質量%として算出した。
6. Moisture content in recovered glycol A sample of an amount corresponding to the moisture content in the sample was collected with a microsyringe or syringe and precisely weighed with an electronic balance. -210) was used to measure the amount of water and calculated as mass% relative to the sample.
実施例1
エステル化反応装置として、攪拌装置、蒸留塔、分縮器、原料仕込口および生成物取り出し口を有する3段の完全混合槽よりなる連続エステル化反応装置を使用し、テレフタル酸を2トン/hrとし、エチレングリコールをテレフタル酸1モルに対して2モルとし、三酸化アンチモンを生成PETに対してアンチモン原子が160ppmとなる量とし、これらのスラリーをエステル化反応装置の第1エステル化反応缶に連続供給し、常圧にて平均滞留時間4時間で255℃で反応させた。次に、上記第1エステル化反応缶内の反応性生物を連続的に系外に取り出して第2エステル化反応缶に供給し、第2エステル化反応缶内に第1エステル化反応缶から留去されるエチレングリコールを生成ポリマー(生成PET)に対し8重量%供給し、さらに、生成PETに対してマグネシュウム原子が80ppmとなる量の酢酸マグネシウムのエチレングリコール溶液、生成PETに対してナトリウム原子で5ppmとなる量の酢酸ナトリウムのエチレングリコール溶液および生成PETに対してリン原子が30ppmのとなる量のトリエチルリン酸のエチレングリコール溶液を添加し、常圧にて平均滞留時間1.5時間で260℃で反応させた。次に、上記第2エステル化反応缶内の反応生成物を連続的に系外に取り出して第3エステル化反応缶に供給し、さらに生成PETに対してリン原子が39ppmとなる量のトリエチルリン酸のエチレングリコール溶液を添加し、常圧にて平均滞留時間0.5時間で260℃で反応させた。
Example 1
As the esterification reaction apparatus, a continuous esterification reaction apparatus comprising a three-stage complete mixing tank having a stirrer, a distillation column, a partial condenser, a raw material charging port and a product take-out port is used, and terephthalic acid is 2 ton / hr. The amount of ethylene glycol is 2 moles per mole of terephthalic acid, the amount of antimony trioxide is 160 ppm of antimony atoms relative to the produced PET, and these slurries are placed in the first esterification reactor of the esterification reactor. The mixture was continuously supplied and reacted at 255 ° C. with an average residence time of 4 hours at normal pressure. Next, the reactive organism in the first esterification reaction can is continuously taken out of the system and supplied to the second esterification reaction can, and the second esterification reaction can is distilled from the first esterification reaction can. The ethylene glycol to be removed is supplied by 8% by weight with respect to the produced polymer (produced PET), and further, an ethylene glycol solution of magnesium acetate in an amount of 80 ppm of magnesium atoms with respect to the produced PET, and sodium atoms with respect to the produced PET. An ethylene glycol solution of sodium acetate in an amount of 5 ppm and an ethylene glycol solution of triethyl phosphoric acid in an amount of 30 ppm of phosphorus atoms are added to the produced PET, and an average residence time of 1.5 hours is 260 at normal pressure. The reaction was carried out at ° C. Next, the reaction product in the second esterification reaction can is continuously taken out of the system and supplied to the third esterification reaction can. Further, triethyl phosphorus having an amount of phosphorus atoms of 39 ppm with respect to the generated PET is obtained. An ethylene glycol solution of acid was added and reacted at 260 ° C. with an average residence time of 0.5 hours at normal pressure.
なお、上記エステル化反応工程において、第1エステル化反応槽内に滞留する反応物温度および反応物の通過量および反応物の比熱より第1エステル化反応槽内に滞留する反応物の単位時間当たりの熱量を算出し、該熱量が一定になるように、該第1エステル化反応槽に供給されるスラリーの単位時間当たりの熱量を制御した。なお、反応槽内に滞留する反応物温度は、反応槽の底部の缶壁より300mm内部に入った位置で測定した。また、第1エステル化反応槽の反応物の通過量は第1反応槽に供給されるスラリー供給量と第1エステル化反応槽の液面レベルより算出した。また、スラリー熱量は、スラリー供給量の変動をロータリーピストン流量計を用いて送液ポンプの回転数を変えて設定値の±2.0%以内になるように制御した上でスラリー温度を調整することにより行った。該スラリー温度制御はスラリー調製槽内温度と該調製槽に供給するグリコール温度を連続的に監視しながら、フィードバック回路により連続的にグリコール添加温度を熱交換器を用いて変更することとスラリー調製槽に温度調整機能を付加してスラリー温度調整精度を上げる方法で実施した。第1エステル化反応槽内に滞留する反応物の単位時間当たりの熱量変動は±1.9%であった。なお、第1エステル化反応槽に供給するスラリー温度は110℃を中心値として熱量制御をした。また、熱量計算の単位時間は1時間当たりで算出した。また、エチレングリコール及びテレフタル酸をモル比は、±0.25%以内に制御した。該モル比の調整は、近赤外線分光光度計を用いてスラリーのテレフタル酸量を計測して、スラリー調製槽に供給するエチレングリコール量を調整することにより行った。また、第1エステル化反応槽の圧力変動は±1.3%以内に制御した。また、第1エステル化反応槽の液面レベルの変動は±0.2%以内であった。 In the esterification reaction step, per unit time of the reactant staying in the first esterification reaction tank based on the temperature of the reactant staying in the first esterification reaction tank, the passing amount of the reactant and the specific heat of the reactant. The amount of heat of the slurry was calculated, and the amount of heat per unit time of the slurry supplied to the first esterification reaction tank was controlled so that the amount of heat became constant. The temperature of the reaction product staying in the reaction vessel was measured at a position 300 mm inside the can wall at the bottom of the reaction vessel. Moreover, the passage amount of the reactant in the first esterification reaction tank was calculated from the slurry supply amount supplied to the first reaction tank and the liquid level of the first esterification reaction tank. In addition, the slurry heat amount is adjusted by controlling the fluctuation of the slurry supply amount to be within ± 2.0% of the set value by changing the number of revolutions of the liquid feed pump using a rotary piston flow meter. Was done. The slurry temperature control is performed by continuously changing the glycol addition temperature using a heat exchanger by a feedback circuit while continuously monitoring the temperature in the slurry preparation tank and the glycol temperature supplied to the preparation tank. A temperature adjustment function was added to the slurry to increase the accuracy of slurry temperature adjustment. The amount of heat fluctuation per unit time of the reaction product staying in the first esterification reaction tank was ± 1.9%. The slurry temperature to be supplied to the first esterification reaction tank was controlled for heat quantity with 110 ° C. as the center value. The unit time for calorific value calculation was calculated per hour. The molar ratio of ethylene glycol and terephthalic acid was controlled within ± 0.25%. The molar ratio was adjusted by measuring the amount of terephthalic acid in the slurry using a near-infrared spectrophotometer and adjusting the amount of ethylene glycol supplied to the slurry preparation tank. The pressure fluctuation in the first esterification reaction tank was controlled within ± 1.3%. Moreover, the fluctuation | variation of the liquid level of the 1st esterification reaction tank was less than +/- 0.2%.
上記第3エステル化反応缶内で生成したエステル化反応生成物を3段の連続重縮合反応装置に連続的に供給して重縮合を行いPETを得た。 The esterification reaction product produced in the third esterification reaction can was continuously supplied to a three-stage continuous polycondensation reaction apparatus to perform polycondensation to obtain PET.
上記ポリエステル製造工程におけるエチレングリコールの流れを図1に示す。
スラリー調合槽2へ供給される新規エチレングリコールと回収エチレングリコールは質量比で0.4:0.6である。
The flow of ethylene glycol in the polyester production process is shown in FIG.
The new ethylene glycol and recovered ethylene glycol supplied to the
第1エステル化反応槽3より留出する留出分は段数が15段の泡鐘タイプの蒸留塔9に、第2エステル化反応槽4、第3エステル化反応槽5および重縮合反応槽6〜8より留出する留分は段数が9段の泡鐘タイプの蒸留塔10に供給され水を主体として低沸点留分を除去する。3基の重縮合反応槽6〜8よりから留出する留出分は減圧系で発生するため各反応槽に設置された湿式コンデンサーで凝縮させてエチレングリコール凝縮液貯槽16〜18に供給された後に蒸留塔10に供給される。該供給液は熱交換器22で蒸留のための熱量が供給される。この時、湿式コンデンサーに噴霧されるエチレングリコール液の温度の上昇を抑えるために冷却器19〜21で冷却し湿式コンデンサーに供給される。この凝縮液は各湿式コンデンサーで凝縮された凝縮液自体の自己循環で実施されるが、必要に応じて新規エチレングリコールを供給してもよい。また、上記凝縮液はエチレングリコール凝縮液貯槽16〜18に設置した金網で固形分を分離して蒸留塔10に供給した。両蒸留塔ともに、底部より取り出される残留分の一部をそれぞれの蒸留塔の中間部に循環させた。該循環液の温度は168℃近辺で安定していた。該循環により蒸留塔底部より取り出される残留液(本実施例の場合は回収エチレングリコール)の送液ラインの詰まりは発生しなかった。蒸留塔9は、7段目に設置した温度検出器で検出した温度が106±2℃になるよう制御した。得られた残留分はエチレングリコール貯層15に供給される。得られた回収エチレングリコール中の水分量は3±0.5質量%に制御されていた。また、蒸留塔10は5段目の空間の温度は126±2℃で制御し、得られた残留分は蒸留塔9の中段に供給した。また、前述のごとく該残留分の一部を第2エステル化反応槽に供給した。得られた残留分中の水分量は0.5±0.5質量%であった。なお、エステル化反応槽3〜5からの留出分に関しては、蒸留に必要な熱は留出分自体が有する熱量で足りるので加熱の必要はない。なお、蒸留塔の塔頂の圧力を100kPa±2%以内(ゲージ圧)に制御した。該圧力は蒸留塔ベント配管に設置した調圧弁で制御した。
The distillate distilled from the first esterification reaction tank 3 is added to a bubble-bell
該製造のスタートは、上記回収グリコールはスラリー調製槽に戻すことなくポリエステル製造系外に取り出した。反応が安定化した時点で上記のような回収グリコールの循環再使用を開始した。該循環再使用の開始と同時に第3エステル化反応缶に供給するトリエチルリン酸のエチレングリコール溶液の供給量を生成PETに対してリン原子が30ppmとなるように供給量を低減した。 At the start of the production, the recovered glycol was taken out of the polyester production system without returning to the slurry preparation tank. When the reaction was stabilized, recycling of the recovered glycol as described above was started. The supply amount of the ethylene glycol solution of triethyl phosphoric acid supplied to the third esterification reactor at the same time as the start of recycling was reduced so that the phosphorus atom was 30 ppm with respect to the produced PET.
反応が安定した時点のPETの極限粘度は0.62、溶融比抵抗は0.18×108Ω・cmであり、最大キャスチング速度は65m/分であった。 When the reaction was stabilized, the intrinsic viscosity of PET was 0.62, the melt specific resistance was 0.18 × 10 8 Ω · cm, and the maximum casting speed was 65 m / min.
回収グリコールを循環再使用し始めてからは12時間に1回の割合で得られるポリエステル中のリン原子含有量を測定して、該リン原子含有量が60ppmになるように第3エステル化反応缶に供給するトリエチルリン酸のエチレングリコール溶液の供給量を調整した。 After starting to recycle the recovered glycol, the phosphorus atom content in the polyester obtained at a rate of once every 12 hours is measured, and the third esterification reactor is adjusted so that the phosphorus atom content is 60 ppm. The supply amount of the ethylene glycol solution of triethyl phosphate supplied was adjusted.
以上の方法により連続的にPETを生産し、時間の異なる代表サンプルを採取した。そのサンプルの極限粘度、オリゴマー酸価、ポリマー酸価および溶融比抵抗を測定した。そのサンプル間の平均値、変動幅を表1に示す。いずれの測定値も良好で安定に推移し、品質変動の小さいポリエステルが得られた。また、長期にわたり安定性生産ができた。
なお、表1に示した値は、12時間毎にサンプリングした50個のサンプル(25日分)の評価結果である。また、変動幅は、50個のサンプルの最大値、最小値および平均値より下記式(1)で求めた。
[{(最大値―最小値)×1/2}/平均値]×100(%)・・・・(1)
PET was continuously produced by the above method, and representative samples with different times were collected. The intrinsic viscosity, oligomer acid value, polymer acid value and melt specific resistance of the sample were measured. Table 1 shows the average value and the fluctuation range between the samples. All the measured values were good and stable, and a polyester with small quality fluctuation was obtained. In addition, stable production was possible for a long time.
The values shown in Table 1 are the evaluation results of 50 samples (for 25 days) sampled every 12 hours. Moreover, the fluctuation range was calculated | required by following formula (1) from the maximum value of 50 samples, the minimum value, and the average value.
[{(Maximum value−minimum value) × 1/2} / average value] × 100 (%) (1)
比較例1
実施例1の方法において、回収グリコールの循環再使用後も第3エステル化反応缶に供給するトリエチルリン酸のエチレングリコール溶液の供給量の変更および制御を行わずに一定量を供給するように変更する以外は、実施例1と同様の方法でPETを得た。本比較例においては、回収グリコール中にリン化合物が含まれており、製造の時間の経過に伴いPET中のリン原子含有量が増加して行き静電密着性が段々悪化して行くので好ましくない。例えば、回収グリコールの循環再使用を開始して48時間が経過後のPETの溶融比抵抗は0.88×108Ω・cmと高く、最大キャスチング速度は28m/分であり、静電密着性が著しく劣っていた。
Comparative Example 1
In the method of Example 1, after the recycle of recovered glycol, changed to supply a constant amount without changing and controlling the supply amount of ethylene glycol solution of triethyl phosphate supplied to the third esterification reactor. Except that, PET was obtained in the same manner as in Example 1. In this comparative example, since the phosphorus compound is contained in the recovered glycol, the phosphorus atom content in the PET increases as the manufacturing time elapses and the electrostatic adhesion gradually deteriorates, which is not preferable. . For example, after 48 hours from the start of circulating reuse of recovered glycol, the melt specific resistance of PET is as high as 0.88 × 10 8 Ω · cm, the maximum casting speed is 28 m / min, and the electrostatic adhesion is remarkably high. It was inferior.
(実施例2)
実施例1の方法において、第1エステル化反応槽に供給するスラリー流量の変動幅を設定値±1.0%に向上するように変更する以外は、実施例1同様の方法でポリエステルを得た。第1エステル化反応槽内に滞留する反応物の単位時間当たりの熱量変動は±1.1%に向上した。結果を表1に示す。実施例1よりもさらに品質変動が抑制された。
(Example 2)
In the method of Example 1, polyester was obtained by the same method as in Example 1 except that the fluctuation range of the slurry flow rate supplied to the first esterification reaction tank was changed to improve the set value ± 1.0%. . The variation in the amount of heat per unit time of the reactant staying in the first esterification reaction tank was improved to ± 1.1%. The results are shown in Table 1. The quality fluctuation was further suppressed as compared with Example 1.
(実施例3)
実施例1の方法において、スラリー調製槽からエステル化反応槽への移送ラインの途中に攪拌機および温度調整機能を有したスラリー貯留槽を設けて、該スラリー貯留槽においてもスラリーの温度制御を行いスラリー温度の調整精度を上げるように変更する以外は、実施例1同様の方法でポリエステルを得た。第1エステル化反応槽内に滞留する反応物の単位時間当たりの熱量変動は±0.6%に向上した。結果を表1に示す。実施例1や実施例2よりもさらに品質変動が抑制された。
(Example 3)
In the method of Example 1, a slurry storage tank having a stirrer and a temperature adjusting function is provided in the middle of the transfer line from the slurry preparation tank to the esterification reaction tank, and the slurry temperature is controlled also in the slurry storage tank. A polyester was obtained in the same manner as in Example 1, except that the temperature adjustment accuracy was changed. The variation in the amount of heat per unit time of the reactant staying in the first esterification reaction tank was improved to ± 0.6%. The results are shown in Table 1. The quality fluctuation was further suppressed as compared with Example 1 and Example 2.
(実施例4)
実施例1の方法において、蒸留塔9および10温度制御精度を±1%に向上させてかつ、スラリー中の水分量管理を近赤外線分光光度計を用いて行うように強化することにより、スラリー中の水分量が1.8±0.1%以内になるように変更する以外は、実施例1同様の方法でポリエステルを得た。結果を表1に示す。実施例1よりもさらに品質変動が抑制された。
Example 4
In the method of Example 1, by increasing the temperature control accuracy of the
(実施例5)
実施例1の方法において、第1エステル化反応槽内に滞留している反応物の温度および液面レベルの変動を±1.3%以内および±0.2%以内に制御し、実施例1と同様の方法で第1エステル化反応槽に供給するスラリーの単位時間当たりの熱量変動を±1.9%になるように制御するように変更する以外は、実施例1同様の方法でPETを得た。結果を表1に示す。実施例1で得られたものと同等であり高品質であった。なお、熱量計算の単位時間は1時間当たりで算出した。
(Example 5)
In the method of Example 1, the temperature and liquid level fluctuations of the reactants staying in the first esterification reactor were controlled within ± 1.3% and ± 0.2%. In the same manner as in Example 1, except that the change in the amount of heat per unit time of the slurry supplied to the first esterification reaction tank is controlled to be ± 1.9%, PET is obtained in the same manner as in Example 1. Obtained. The results are shown in Table 1. It was equivalent to that obtained in Example 1 and was of high quality. The unit time for calorific value calculation was calculated per hour.
(実施例6)
実施例1の方法において、第1エステル化反応槽内に滞留している反応物の温度および液面レベルの変動を±1.3%以内および±0.2%以内に制御し、第1エステル化反応槽内に滞留している反応物温度と第1エステル化反応槽に供給されるスラリー温度を計測してこれらの温度差とスラリー流量およびスラリー比熱より算出される該スラリーにより持ち込まれる単位時間当りの熱量が一定になるように実施例1と同様の方法でスラリー温度を制御することにより、第1エステル化反応槽に供給するスラリーの単位時間当たりの熱量変動を±1.7%に制御するように変更する以外は、実施例1同様の方法でPETを得た。結果を表1に示す。実施例1で得られたものと同等であり高品質であった。なお、熱量計算の単位時間は1時間当たりで算出した。また、反応槽内に滞留する反応物温度は、反応槽の底部の缶壁より300mm内部に入った位置で測定した。
(Example 6)
In the method of Example 1, the temperature and liquid level fluctuations of the reactant staying in the first esterification reaction vessel are controlled within ± 1.3% and ± 0.2%, and the first ester Unit time brought in by the slurry calculated from the temperature difference, the slurry flow rate, and the slurry specific heat by measuring the temperature of the reactant staying in the crystallization reaction tank and the temperature of the slurry supplied to the first esterification reaction tank By controlling the slurry temperature in the same manner as in Example 1 so that the amount of heat per unit is constant, the variation in the amount of heat per unit time of the slurry supplied to the first esterification reaction tank is controlled to ± 1.7%. PET was obtained in the same manner as in Example 1 except that the change was made. The results are shown in Table 1. It was equivalent to that obtained in Example 1 and was of high quality. The unit time for calorific value calculation was calculated per hour. In addition, the temperature of the reactant staying in the reaction vessel was measured at a position entering 300 mm from the can wall at the bottom of the reaction vessel.
(実施例7)
実施例1の方法において、第1エステル化反応槽内に滞留する反応物の単位時間当たりの熱量が一定になる制御およびスラリー温度の制御を取りやめる以外は、実施例1と同様の方法でポリエステルを得た。第1エステル化反応槽内に滞留する反応物の単位時間当たりの熱量変動は±4.9%であった。結果を表1に示す。実施例1に比べて品質変動はやや悪化したが、比較例1のような静電密着性の大幅悪化は見られなかった。
(Example 7)
In the method of Example 1, the polyester was prepared in the same manner as in Example 1 except that the control of the amount of heat per unit time of the reactant remaining in the first esterification reaction tank and the control of the slurry temperature were canceled. Obtained. The amount of heat fluctuation per unit time of the reaction product staying in the first esterification reaction tank was ± 4.9%. The results are shown in Table 1. Although the quality variation was slightly worse than that in Example 1, no significant deterioration in electrostatic adhesion as in Comparative Example 1 was observed.
(実施例8)
実施例1の方法において、スラリー調製時のエステル化反応槽内に滞留する反応物の単位時間当たりの熱量が一定になる制御を止め、単に、スラリー調製槽内温度と該調製槽に供給するグリコール温度を連続的に監視しながら、フィードバック回路により連続的にグリコール添加温度を熱交換器を用いて変更しスラリー調製槽内のスラリー温度が一定になるように調整するのみに変更する以外は、実施例1と同様の方法でPETを得た。第1エステル化反応槽内に滞留する反応物の単位時間当たりの熱量変動は±3.5%であった。結果を表1に示す。実施例1に比べて品質変動はやや悪化したが、比較例1のような静電密着性の大幅悪化は見られなかった。
(Example 8)
In the method of Example 1, the control to make the amount of heat per unit time of the reactant staying in the esterification reaction tank at the time of slurry preparation constant is stopped, and the temperature in the slurry preparation tank and the glycol supplied to the preparation tank are simply Implemented except changing the glycol addition temperature continuously using a heat exchanger and adjusting the slurry temperature in the slurry preparation tank to be constant while monitoring the temperature continuously. PET was obtained in the same manner as in Example 1. The amount of heat fluctuation per unit time of the reactant staying in the first esterification reaction tank was ± 3.5%. The results are shown in Table 1. Although the quality variation was slightly worse than that in Example 1, no significant deterioration in electrostatic adhesion as in Comparative Example 1 was observed.
(実施例9)
実施例1において、蒸留塔9および10の棚段数を7段として、温度検出器の位置を4段目の空間に変更し、該温度を106±5℃で管理するよう変更する以外は、実施例1同様の方法でポリエステルを得た。回収エチレングリコール中の水分量は3±2.2質量%であった。結果を表2に示す。実施例1に比べて品質変動はやや悪化したが、比較例1のような静電密着性の大幅悪化は見られなかった。
Example 9
In Example 1, except that the number of shelves of the
(実施例10)
実施例1の方法において、第3エステル化反応缶に供給するトリエチルリン酸のエチレングリコール溶液の供給量を調整を行わず、全製造期間に渡り、一定量を供給する以外は、実施例1と同様の方法でPETを得た。結果を表2に示す。実施例1よりは静電密着性の変動が増大したが、比較例1のような大幅悪化は見られなかった。
(Example 10)
In the method of Example 1, except that the supply amount of the ethylene glycol solution of triethyl phosphate supplied to the third esterification reactor is not adjusted, and a constant amount is supplied over the entire production period, Example 1 and PET was obtained by the same method. The results are shown in Table 2. Although the variation in electrostatic adhesion increased as compared with Example 1, no significant deterioration as in Comparative Example 1 was observed.
(比較例2)
比較例1の方法において、蒸留塔9および10に設けた蒸留塔底部より抜き出した残留分の蒸留塔への循環ラインを取り外し、該循環を取りやめて残留分の全量をそれぞれの供給先に送液するように変更した。本比較例で実施した場合は、比較例1の方法の課題に加えて、蒸留塔底部から抜き出した残留分の送液ラインにおいて、時々固形分析出によるライン詰りが起こり、長期に渡り安定生産をすることができなかった。
(Comparative Example 2)
In the method of Comparative Example 1, the circulation line to the distillation column of the residual portion extracted from the bottom of the distillation column provided in the
以上、本発明のポリエステルの製造方法について、複数の実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、各実施例に記載した構成を適宜組み合わせる等、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。 As mentioned above, although the manufacturing method of the polyester of this invention was demonstrated based on the several Example, this invention is not limited to the structure described in the said Example, The structure described in each Example is combined suitably. The configuration can be changed as appropriate without departing from the spirit of the invention.
本発明によるポリエステルの製造方法は、リン化合物の存在下でポリエステルを連続的に製造する方法において、該ポリエステルの製造工程で留出するグリコールを循環再使用する場合に課題となる該留出グリコールに含まれるリン化合物により引き起こされるポリエステル品質の低下を経済性の高い方法で回避しているので、原料費、運転経費の削減と設備の簡略化が達成できポリエステルの製造コストを大幅に低減することができるという利点を有する。また、該製造方法において、高品質、特に静電密着性の優れたポリエステルが安定して製造できる。さらに、ポリエステルの品質変動が抑制されているので、極めて均質なポリエステルが安定して生産することができるという極めて顕著な効果を奏する。また、本発明のポリエステルは安価である上に、高品質、特に静電密着性が優れており、かつ、品質変動が少なく均質性に優れているので、例えば、フィルム等の成型体の原料樹脂として好適であるという利点を有するので産業界に寄与することが大である。 The method for producing a polyester according to the present invention is a method for continuously producing a polyester in the presence of a phosphorus compound. Since the degradation of polyester quality caused by the phosphorus compounds contained is avoided in an economical way, it is possible to achieve a reduction in raw material costs, operating costs and simplification of equipment, greatly reducing the production cost of polyester. It has the advantage of being able to. In addition, in the production method, a polyester having high quality, in particular, excellent electrostatic adhesion can be produced stably. Furthermore, since the variation in the quality of the polyester is suppressed, there is an extremely remarkable effect that a very homogeneous polyester can be stably produced. In addition, the polyester of the present invention is inexpensive and has high quality, in particular, excellent electrostatic adhesion, and has little variation in quality and excellent homogeneity. Therefore, it is important to contribute to the industry.
1:計量タンク
2:スラリー調合槽
3:第1エステル化反応槽
4:第2エステル化反応槽
5:第3エステル化反応槽
6:第1重縮合反応槽
7:第2重縮合反応槽
8:第3重縮合反応槽
9、10:蒸留塔
11〜13:湿式コンデンサー
14:エチレングリコール貯槽
15〜17:エチレングリコール凝縮液貯槽
18〜20:冷却器
21:熱交換器
22〜37:ポンプ
1: Metering tank 2: Slurry preparation tank 3: First esterification reaction tank 4: Second esterification reaction tank 5: Third esterification reaction tank 6: First polycondensation reaction tank 7: Second polycondensation reaction tank 8 : Third
Claims (12)
(1)上記ポリエステルの製造工程で留出するグリコールを該ポリエステルの製造装置に直結した蒸留塔で低沸点留分を分留除去した残留液を回収グリコールとして循環再使用すること。
(2)回収グリコール中のリン化合物含有量を、新規のリン化合物の供給量から低減させて、必要量のリン化合物を供給すること。 The slurry consisting of dicarboxylic acid and glycol prepared in the slurry preparation tank is continuously supplied to the esterification reaction tank, and the esterification reaction is performed using a plurality of esterification reaction tanks in which two or more reaction tanks are connected in series. In the method of continuously producing polyester by performing polycondensation, the polyester comprises at least an alkaline earth metal atom and a phosphorus atom, and simultaneously satisfies the following requirements (1) and (2): A process for producing polyester, characterized in that
(1) Recycle and reuse the residual liquid obtained by distilling off the low-boiling fraction in a distillation column directly connected to the polyester manufacturing apparatus, as the recovered glycol.
(2) The phosphorus compound content in the recovered glycol is reduced from the supply amount of the new phosphorus compound, and the necessary amount of the phosphorus compound is supplied.
A polyester obtained by the production method according to claim 1, wherein the polyester has a melt specific resistance of 0.5 × 10 8 Ω · cm or less.
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006172484A JP2008001798A (en) | 2006-06-22 | 2006-06-22 | Manufacturing method for polyester and polyester obtained by the same |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006172484A JP2008001798A (en) | 2006-06-22 | 2006-06-22 | Manufacturing method for polyester and polyester obtained by the same |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008001798A true JP2008001798A (en) | 2008-01-10 |
Family
ID=39006445
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006172484A Withdrawn JP2008001798A (en) | 2006-06-22 | 2006-06-22 | Manufacturing method for polyester and polyester obtained by the same |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008001798A (en) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009119511A1 (en) * | 2008-03-28 | 2009-10-01 | 三菱化学株式会社 | Process for production of aliphatic polyester |
KR101753005B1 (en) * | 2016-06-14 | 2017-06-30 | 도레이첨단소재 주식회사 | Ethylene glycol recovery system and recovery method for the same |
-
2006
- 2006-06-22 JP JP2006172484A patent/JP2008001798A/en not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009119511A1 (en) * | 2008-03-28 | 2009-10-01 | 三菱化学株式会社 | Process for production of aliphatic polyester |
JP2009256643A (en) * | 2008-03-28 | 2009-11-05 | Mitsubishi Chemicals Corp | Process for production of aliphatic polyester |
US8344093B2 (en) | 2008-03-28 | 2013-01-01 | Mitsubishi Chemical Corporation | Production method of aliphatic polyester |
KR101753005B1 (en) * | 2016-06-14 | 2017-06-30 | 도레이첨단소재 주식회사 | Ethylene glycol recovery system and recovery method for the same |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US20090264611A1 (en) | Polybutylene terephthalate | |
KR20080048025A (en) | Polyester, process for production of polyester, and polyester molded article | |
JP5251049B2 (en) | Copolyester | |
TWI529195B (en) | Polyester resin | |
US7550552B2 (en) | Process for producing polybutylene terephthalate | |
JP4867421B2 (en) | Continuous production method of copolyester | |
JP5428503B2 (en) | Biaxially stretched polyester film and method for producing the same | |
JP5034335B2 (en) | Continuous production method of copolyester | |
JP2005187558A (en) | Polyester and manufacturing method of polyester | |
JP2005187556A (en) | Polyester and manufacturing method of polyester | |
JP2008001798A (en) | Manufacturing method for polyester and polyester obtained by the same | |
JP4848806B2 (en) | Method for producing copolyester | |
JP2007297482A (en) | Process for producing copolyester | |
JP2007254642A (en) | Continuous polyester production apparatus and its operation method | |
JP2008308569A (en) | Method for producing copolyester | |
JP2008094936A (en) | Method for producing polyester | |
JP2006290908A (en) | Polyester production method, polyester and polyester molding | |
JP5181409B2 (en) | Polyester polymerization catalyst, polyester produced using the same, and method for producing polyester | |
JP4552107B2 (en) | Polyester and method for producing polyester | |
JP5045384B2 (en) | Polyester manufacturing method | |
JP4524572B2 (en) | Polyester and method for producing polyester | |
JP5082350B2 (en) | Method for producing polyester and polyester obtained therefrom | |
JP2008094934A (en) | Method for producing polyester | |
JP5082369B2 (en) | Polyester manufacturing method | |
JP5045158B2 (en) | Continuous production method of copolyester |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20090608 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20110208 |
|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20110609 |