JP2007336045A - 音叉型水晶振動片の形状パラメータ決定方法、音叉型水晶振動片、音叉型水晶振動子、及び音叉型水晶振動子を備えた電波時計、発振器、電子機器 - Google Patents

音叉型水晶振動片の形状パラメータ決定方法、音叉型水晶振動片、音叉型水晶振動子、及び音叉型水晶振動子を備えた電波時計、発振器、電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】 外部から圧力を印加する場合のみならず、励振電力を変化させる場合であっても、共振周波数や共振抵抗値の変化の小さい小型で高精度の音叉型水晶振動片の形状寸法決定方法、音叉型水晶振動片及び音叉型水晶振動子を提供する。
【解決手段】 音叉型水晶振動片をケースに組み込んで音叉型水晶振動子とし、外部から所定の圧力を加えて共振周波数及び共振抵抗値の変化率を評価する耐圧特性評価工程と、基準励振電力を含む所定範囲の励振電力を供給して共振周波数及び共振抵抗値の変化率を評価するドライブレベル特性評価工程とを行い、双方の特性評価を同時に満足する基部の長さと振動腕の厚みとを有する音叉型水晶振動片とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、音叉型水晶振動片の形状パラメータ決定方法、音叉型水晶振動片、音叉型水晶振動子、及び該音叉型水晶振動子を備えた電波時計、発振器、電子機器に関する。
電波時計においては、40kHz、60kHz、68.5kHz、77.5kHzなどの搬送波が用いられるために、フィルタ部には、2本の平行な振動腕を持つ音叉型の水晶振動片を用いた圧電振動子が用いられている。その圧電振動子のパッケージには、外径が約2mmのシリンダ型パッケージが慣用されているため、シリンダ型パッケージ音叉型水晶振動子と呼ばれている。
ここで、シリンダ型パッケージの音叉型水晶振動子に関して、図を参照して簡潔に説明する。図14は、シリンダ型パッケージ音叉型水晶振動子Pの構造を説明するための分解斜視図である。
図14に示すように、水晶振動片101の表面には金属膜からなる励振電極が形成されている。励振電極は水晶振動片101の基部の基端側に形成された接続用の電極102に電気的に接続されている。この接続用の電極102はマウントパッドとも呼ばれ、保持器と成る気密端子103の1対のリード104に電気的に接続される。リード104の反対側には、シリンダ型という表現の元である有底円筒型のケース106が被せられる。ケース106は金属材料にて形成されており、水晶振動片101を覆うように気密端子103のステム105と真空中で冷間圧入されて、真空気密封止を実現している。
シリンダ型パッケージ音叉型水晶振動子Pは上述のように構成され、真空に密封された水晶振動片101の励振電極は、リード104の気密空間を形成する側(インナーリードと称する)に接続されており、リード104を介して外部回路接続側(アウターリードと称する)で外部回路と電気的に接続することが可能となっている。外部回路は交流電圧による所定の励振電力を供給できる回路である。この励振電力をリード104を介して励振電極に供給することにより、水晶振動片101は屈曲モードで所定の周波数で発振する。
前記水晶振動片101は、金属材料からなるケース106に内蔵されるため、ケース106に接触して起きる電気的なショートの発生や、機械的に拘束されて発振が停止すること等がないように、空間的な余裕を持って配置される必要がある。外径が2mmのケース106の場合には、水晶振動片101は、長さが最大4100μm、幅が最大1200μmといった制約がある。前記2mmのケースに用いられる代用的な水晶震振動片の寸法例としては、その共振周波数が32.768kHzの場合では、全長Lが3544μmで、基部の幅Wは674μmものが採用されていた。
しかしながら電波時計では、例えば40kHzと60kHzの搬送波の組み合わせのように、複数の搬送波に対応できるように、互いに周波数の異なる複数の振動子を組み込む場合がある。このような場合、例えば腕時計のような小さな時計ケーシング内では、水晶振動子搭載空間の占める割合が増加してしまい、腕時計自体を大型化させる要因となってしまう。このため、個々の水晶振動子を小型化する必要があり、外径2mmの寸法を大幅に縮小した、例えば外径1.2mmのシリンダ型パッケージの出現が待たれている。このような要求に応えるべく、シリンダ型パッケージ音叉型水晶振動子Pを小型化するには、当然に、ケース106内に内蔵される音叉型の水晶振動片101も小型化する必要がある。例えば、外径が約1.2mmのシリンダ型のケース106に空間的な余裕を持って内蔵するためには、水晶振動片101は、長さが最大3300μm、幅が最大600μmという制約を受ける。
このような小型の音叉型水晶振動片の製造方法に関して、水晶ウエハに複数の振動片の外形形状をエッチング加工によって形成する方法が知られている。そして、そのエッチング加工を施して形成された水晶振動片の特定の部位の寸法関係が、水晶振動片の特性に影響を与えることが知られている。特に、水晶振動子として組み立てた後の、外部からの印加圧力や衝撃力に対する共振周波数や共振抵抗の変化という耐圧特性に影響を与えることが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1によれば、音叉型水晶振動片の腕部の間隔Dと、股部の音叉型の長さ方向のエッチング残りをHとした時に、D/Hを6から14の範囲内に設定することで、耐圧特性に優れた水晶振動片を製造できるとしている。すなわち、外部からの印加圧力、衝撃力に対して振動子の周波数変化と共振抵抗値の変化が少なくできるとしている。
特開平5−308238号公報
しかしながら、水晶振動片の寸法を格段に縮小し、長さが最大3300μm、幅が最大600μmという制約を満たすようにする場合には、特許文献1に記載された技術で上記のD/Hの値だけを満足させても、音叉型水晶振動子としての安定性を満足させることができないことが明らかになってきた。
例えば、耐圧特性を計測するための励振電力を変化させる場合や、水晶振動片に極性の異なる励振電極間の微小な間隙における異物による短絡を防止するための絶縁性の保護膜を形成する場合には、水晶振動子の共振周波数や共振抵抗値が所定の値以上の変化を引き起こす場合が出てくることがわかった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、外部から圧力を印加する場合のみならず、励振電力を変化させる場合であっても、共振周波数や共振抵抗値の変化の小さい小型で高精度の音叉型水晶振動片の形状寸法決定方法、音叉型水晶振動片及び音叉型水晶振動子を提供することにある。
本発明は、前記課題を解決するために、以下の構成を採用した。
1)音叉型水晶振動子に組み込まれ、基部と、該基部から平行に突出する1対の振動腕とを備える音叉型水晶振動片の形状パラメータ決定方法であって、
前記音叉型水晶振動子のケースに外部から所定の圧力を加えたとき、共振周波数の変化率が第1の規格値に入っているか否かを評価すると共に、共振抵抗値の変化率が第2の規格値に入っているか否かを評価する耐圧特性評価工程と、前記音叉型水晶振動子の接続端子に、基準励振電力を含む所定範囲の励振電力を供給したとき、前記励振電力の範囲内において共振周波数の変化率が第3の規格値に入っているか否かを評価すると共に、共振抵抗値の変化率が第4の規格値に入っているか否かを評価するドライブレベル特性評価工程とを行い、前記耐圧特性評価工程における評価と前記ドライブレベル特性評価工程おける評価とを同時に満足するように、前記振動腕の突出方向における前記基部の長さL1及び/又は前記振動腕の厚みtを決定することを特徴とする。
本発明によれば、パッケージに外部から所定値の圧力を加える場合と、音叉型水晶振動子の接続端子に規格電力を含む所定範囲の電力を変化させた場合との、双方の局面から評価しているので、安定した振動特性が得られるかどうかを高精度で評価することができる。
2)更に、前記耐圧特性評価工程及び前記ドライブレベル特性評価工程は、前記音叉型水晶振動片の表面に絶縁性の保護膜を形成してから該音叉型水晶振動片を前記音叉型水晶振動子に組み込んで評価する工程と、前記保護膜を形成することなく組み込んで評価する工程とに、それぞれ分かれていることを特徴とする音叉型水晶振動片の形状パラメータ決定方法とした。
このようにすることで、水晶振動片の表面に保護膜を形成する場合と、形成しない場合とを評価するので、より厳密な評価を行うことができる。
3)本発明は、前記形状パラメータ決定方法により、前記基部の長さL1及び/又は前記振動腕の厚みtが決定されている音叉型水晶振動片とした。
これにより、適切な範囲で基部長さと水晶振動片の厚みが得られるので、安定した振動を持続可能な水晶振動片を得ることができる。
4)本発明は、前記形状パラメータ決定方法により、前記基部の長さL1(μm)及び/又は前記振動腕の厚みt(μm)が、1055≦L1≦1105、105≦t≦115であり、共振周波数が略40(kHz)である音叉型水晶振動片とした。
このように基部長L1と振動腕の厚みtを設定することで、共振周波数が略40kHzの安定した振動を持続可能な水晶振動片を得ることができる。
5)本発明は、前記形状パラメータ決定方法により決定された前記基部の長さL1(μm)及び/又は前記振動腕の厚みt(μm)が、1095≦L1≦1105、115<t≦125であり、共振周波数が略40(kHz)である音叉型水晶振動片とした。
このように更に広い範囲の基部長L1と振動腕の厚みtが設定されることで、共振周波数が略40kHzの安定した振動を持続可能な水晶振動片をより得やすくできる。
6)本発明は、前記振動腕の幅W1(μm)が、185≦W1≦205である共振周波数が略40(kHz)の音叉型水晶振動片とした。
7)本発明は、前記形状パラメータ決定方法により決定された前記基部の長さL1(μm)及び/又は前記振動腕の厚みt(μm)が、1095≦L1≦1305、105≦t≦115であり、共振周波数が略60(kHz)である音叉型水晶振動片とした。
このように基部長L1と振動腕の厚みtを設定することで、共振周波数が略60kHzの安定した振動を持続可能な水晶振動片を得ることができる。
8)本発明は、前記形状パラメータ決定方法により決定された前記基部の長さL1(μm)及び/又は前記振動腕の厚みt(μm)が、1195≦L1≦1305、115<t≦125であり、共振周波数が略60(kHz)である音叉型水晶振動片とした。
このように更に広い範囲の基部長L1と振動腕の厚みtが設定されることで、共振周波数が略60kHzの安定した振動を持続可能な水晶振動片をより得やすくできる。
9)本発明は、前記振動腕の幅W1(μm)が、185≦W1≦205である共振周波数が略60(kHz)の音叉型水晶振動片とした。
10)本発明は、前記音叉型水晶振動片の表面に絶縁性の保護膜が形成され、前記形状パラメータ決定方法により決定された前記基部の長さL1(μm)が、1095≦L1≦1405の範囲に上限が拡大されている、共振周波数が略60(kHz)の音叉型水晶振動片とした。
保護膜の厚みが十分管理される条件では、本方法により設定した基部長L1と振動腕の厚みtで、共振周波数が略60kHzの水晶振動片を得ることができる。
11)本発明は、前記形状パラメータ決定方法により決定された前記基部の長さL1(μm)及び/又は前記振動腕の厚みt(μm)が、1195≦L1≦1305、105≦t≦115であり、共振周波数が略68.5(kHz)である音叉型水晶振動片とした。
このように基部長L1と振動腕の厚みtを設定することで、共振周波数が略68.5kHzの安定した振動を持続可能な水晶振動片を得ることができる。
12)本発明は、前記振動腕の幅W1(μm)が、185≦W1≦205である共振周波数が略68.5kHzの音叉型水晶振動片とした。
13)本発明は、前記形状パラメータ決定方法により決定された前記基部の長さL1(μm)及び/又は前記振動腕の厚みt(μm)が、995≦L1≦1105、105≦t≦115であり、共振周波数が略77.5(kHz)である音叉型水晶振動片とした。
このように基部長L1と振動腕の厚みtを設定することで、共振周波数が略77.5kHzの安定した振動を持続可能な水晶振動片を得ることができる。
14)本発明は、前記振動腕の幅W1(μm)が、185≦W1≦205である共振周波数が略77.5(kHz)の音叉型水晶振動片とした。
15)本発明は、基部と、該基部から平行に突出する1対の振動腕を有する音叉型水晶振動片であって、その音叉型水晶振動片の振動腕の幅W1(μm)が、185≦W1≦205であり、前記基部の長さL1(μm)及び/又は前記振動腕の厚みt(μm)が、1055≦L1≦1105、105≦t≦115であり、共振周波数が略40(kHz)である音叉型水晶振動片とした。
このように振動腕の幅W1と基部長L1と振動腕の厚みの範囲が指定されることで、共振周波数が略40kHzの安定した振動を持続可能な水晶振動片を得ることができる。
16)本発明は、基部と、該基部から平行に突出する1対の振動腕を有する音叉型水晶振動片であって、その音叉型水晶振動片の振動腕の幅W1(μm)が、185≦W1≦205であり、前記基部の長さL1(μm)及び/又は前記振動腕の厚みt(μm)が、1095≦L1≦1105、115≦t≦125であり、共振周波数が略40(kHz)である音叉型水晶振動片とした。
このように更に基部長L1と振動腕の厚みtの広い範囲が指定されることで、共振周波数が略40kHzの安定した振動を持続可能な水晶振動片がより得やすくなる。
17)本発明は、基部と、該基部から平行に突出する1対の振動腕を有する音叉型水晶振動片であって、その音叉型水晶振動片の振動腕の幅W1(μm)が、185≦W1≦205であり、前記基部の長さL1(μm)及び/又は前記振動腕の厚みt(μm)が、1095≦L1≦1305、105≦t≦115であり、共振周波数が略60(kHz)である音叉型水晶振動片とした。
このように振動腕の幅W1と基部長L1と振動腕の厚みの範囲が指定されることで、共振周波数が略60kHzの安定した振動を持続可能な水晶振動片を得ることができる。
18)本発明は、基部と、該基部から平行に突出する1対の振動腕を有する音叉型水晶振動片であって、その音叉型水晶振動片の振動腕の幅W1(μm)が、185≦W1≦205であり、前記基部の長さL1(μm)及び/又は前記振動腕の厚みt(μm)が、1195≦L1≦1305、115≦t≦125であり、共振周波数が略60(kHz)である音叉型水晶振動片とした。
このように更に基部長L1と振動腕の厚みtの広い範囲が指定されることで、共振周波数が略60kHzの安定した振動を持続可能な水晶振動片がより得やすくなる。
19)本発明は、前記音叉型水晶振動片の表面に絶縁性の保護膜が形成され、前記基部の長さL1(μm)が、1095≦L1≦1405の範囲に上限が拡大されている共振周波数が略60kHzの音叉型水晶振動片とした。
保護膜の厚みが十分管理される条件では、本方法により設定した基部長L1と振動腕の厚みtで、共振周波数が略60kHzの水晶振動片を得ることができる。
20)本発明は、基部と、該基部から平行に突出する1対の振動腕を有する音叉型水晶振動片であって、その音叉型水晶振動片の振動腕の幅W1(μm)が、185≦W1≦205であり、前記基部の長さL1(μm)及び/又は前記振動腕の厚みt(μm)が、1195≦L1≦1305、105≦t≦115であり、共振周波数が略68.5(kHz)である音叉型水晶振動片とした。
このように振動腕の幅W1と基部長L1と振動腕の厚みの範囲が指定されることで、共振周波数が略68.5kHzの安定した振動を持続可能な水晶振動片を得ることができる。
21)本発明は、基部と、該基部から平行に突出する1対の振動腕を有する音叉型水晶振動片であって、その音叉型水晶振動片の振動腕の幅W1(μm)が、185≦W1≦205であり、前記基部の長さL1(μm)及び/又は前記振動腕の厚みt(μm)が、995≦L1≦1105、105≦t≦115であり、共振周波数が略77.5(kHz)である音叉型水晶振動片とした。
このように振動腕の幅W1と基部長L1と振動腕の厚みの範囲が指定されることで、共振周波数が略77.5kHzの安定した振動を持続可能な水晶振動片を得ることができる。
22)本発明は、前記いずれかの音叉型水晶振動片を密閉容器内に備えた音叉型水晶振動子とした。
本発明によれば、上記のような寸法に設定しているため、例えば、直径が1.2mmのような小型のシリンダ型パッケージに内蔵することができ、かつ、安定した振動特性が得られる。
23)本発明は、直径2mm〜2.5mmのシリンダ型ケースと、該ケースに収納される音叉型水晶振動片とを備え、前記音叉型水晶振動片は、共通基部及び該共通基部から平行に突出する2対の振動腕を備える音叉型水晶振動子とした。
本発明によれば、一つのシリンダ型ケースに、基部を共通とする2対の振動腕を形成しているので、基部と1対の振動腕とからなる振動片を一つずつケースに収納する場合に比べて、パッケージ数を減らすことができるとともに、省スペース化も実現できる。
24)本発明は、前記音叉型水晶振動片は、3本のリードを有する気密端子に電気的に接続され、前記3本のリードのうち1本のリードは、前記2対の振動腕のそれぞれの一方の電極に電気的に接続されている音叉型水晶振動子とした。
この場合、一つのリードを共通にしているので、部品点数の削減並びに電気回路構成の簡略化を図ることができる。
また、本発明は、前記音叉型水晶振動子がフィルタ部に電気的に接続されている電波時計とした。
また、本発明は、前記音叉型水晶振動子が発振子として集積回路に電気的に接続されている発振器とした。
また、本発明は、前記音叉型水晶振動子を備える電子機器とした。
本発明によれば、外部から圧力を印加する場合のみならず、励振電力を変化させる場合や水晶振動片に絶縁性の保護膜を形成する場合であっても、共振周波数や共振抵抗値の変化の小さい小型で高精度の音叉型水晶振動片及び音叉型水晶振動子を得ることができる。
<第1の実施形態>
第1の実施形態では、音叉型水晶振動片の形状パラメータの決定方法について、図1のフローチャートに沿って説明し、その後40kHzの振動片について具体的に説明を行う。図1のフローチャートを説明する前に、水晶振動片の各部の名称と符号について図2を参照して説明する。
図2は、音叉型水晶振動片の形状パラメータを説明するための外形形状を示す平面図である。励振電極などは省略して描いてある。ここで、符号3で示される部位は、基部と呼ばれる。基部の基端側は、図14に示されるように、インナーリードに接続する領域である。基部の幅はWで示され、また基部の長さ(基部長)はL1で表示されている。基部の非基端側から、1組の振動腕2が突出して形成されており、その長さをL2、振動腕の幅をW2で表す。振動腕の断面は、長方形であり、その厚みはtである。尚、本発明では、水晶振動片の厚みは、基部においても同一とする。
さて、図1は、本発明に係る音叉型水晶振動片の形状パラメータの決定手順を示すフローチャートである。各工程の詳細は後述する。
1)ステップ1(S1)は、水晶振動片の全長Lと基部幅Wの最大範囲の決定である。これらは、水晶振動片を収納する気密容器の内部の空間によって制約される。
2)ステップ2(S2)は、水晶振動片の振動腕の長さL2と振動腕の幅W1等の寸法の決定である。特に、前記L2とW1が、音叉型水晶振動子の共振周波数を略満たすように決定する。
3)ステップ3(S3)は、基部長L1の範囲の算出である。ステップ1で、最大長が求められているので、基部長L1を、(L1+L2)がLを越えないように複数設定する。
4)ステップ4(S4)は、水晶振動片の厚みtの範囲の決定である。水晶片の厚みtは、共振周波数に直接影響しないので、厚みの範囲は、まず、水晶振動子の製造工程の事情を配慮して行う。量産上実用可能な数種類の厚みのウエハを選択する。
以上のステップ1からステップ4は、試作の前に机上で検討される事項である。上記ステップにより試作の水準が絞り込まれ、これに基づいて、外径のエッチング加工に必要なマスクと励振電極形成用マスクなどが準備される。続いて、以下のステップを行う。
5)ステップ5(S5)は、実際に試作を行い、耐圧特性評価を行う工程である。即ち、選択した数種類の厚みのウエハを用いて、前記ステップ2とステップ3で決めた諸寸法の水晶振動片を作成する。通常は、1つの厚みのウエハの中に、水準を振った多数の水晶振動片を形成する。ただし、水晶振動片には、保護膜を形成しない。前記水晶振動片を気密端子に接続し、周波数調整を実施(後述する)し、その後ケースを真空中で圧入し、シリンダ型パッケージの水晶振動子に仕上げる。このように準備した各水準の水晶振動子サンプルの耐圧特性評価工程を行う。
6)ステップ6(S6)は、ステップ5で試作した水晶振動子サンプルに対して、ドライブレベル特性評価を行う工程である。
上記ステップ5とステップ6の両者を満足する水晶振動片の基部長L1と振動片の厚みtの範囲が、保護膜を形成しない場合の、安定して振動を持続できる水晶振動片の形状パラメータである。
7)ステップ7(S7)は、水晶振動片に保護膜を形成した場合の耐圧特性評価を行う工程である。即ち、ステップ5)では、水晶ウエハ上の形成された水晶振動片には、保護膜が形成されていないが、本ステップ7では、さらに保護膜を形成した水晶振動片を用いてシリンダ型パッケージの水晶振動子に仕上げる。その後、試作した各水準の水晶振動子サンプルの耐圧特性評価を行う。
8)ステップ8(S8)は、ステップ7で試作した水晶振動子サンプルに対してドライブレベル特性評価を行う工程である。
9)ステップ9は、基部長L1と振動片の厚みtの決定工程である。ここでは、ステップ5からスッテプ8までの結果を勘案して、基部長L1と振動片の厚みtの最適な範囲を決定する。即ち、ステップ5からステップ8までに実施した耐圧特性評価及びドライブレベル特性評価での、各評価を満たす基部長L1と振動片の厚みtの各範囲の共通範囲を、好ましい範囲として最終的に決定し、この範囲を設計に採用する。
従来の方法では、上記のステップ1からステップ5までの工程を実施することで十分であった。そして、ステップ3における基部長の長さの選定においても、寸法を細かに設定する必要はなく、2、3の数値で確認すれば十分であった。これは、前述のように、水晶振動片の寸法に余裕があり基部長L1を十分長くすることで、耐圧特性の調整が容易であったことによっている。そして、水晶振動片の寸法に余裕がったので、励振電極の異極となるパターンの距離が比較的広く、保護膜の形成が不要であったこと、さらに、ドライブレベル特性が問題となるような音叉型水晶振動子の使用方法が求められなかったことによる。
安定した振動を持続できる小型の音叉型水晶振動片の実現においては、各寸法の縮小により、寸法の余裕度が減少するために、振動子の特性が寸法の変化に敏感になることを勘案して、より慎重なパラメータの決定方法が必要になる。スッテプ3においても細かな基部長の寸法設定をするとともに、従来のステップ1から5に加え、ステップ6からステップ9までを新たに加えて、保護膜なしのドライブレベル特性の評価だけでなく、さらに、保護膜を形成した場合の耐圧特性とドライブレベル特性を評価する。これによって、安定した振動を持続できるもっとも好ましい範囲の基部長L1と振動片の厚みtを選択できる。
以下、本発明の第1の実施の形態である水晶振動子について、図面を参照しながら説明する。第1の実施の形態では、共振周波数として40kHzの水晶振動子の小型化に好適な、水晶振動片の形状およびその評価方法について説明する。説明の前に、その前提となる、耐圧特性とドライブレベル特性、及び保護膜の形成、並びにその他の形状パラメータの決定方法についてそれぞれ説明する。
―耐圧特性―
水晶振動子の耐圧特性について、図1を参照して説明する。図1は、水晶振動子の耐圧特性の測定方法を説明するための模式図である。
図1に示すように、水晶振動子の耐圧特性は、水晶振動片が組み込まれたシリンダ型パッケージの水晶振動子PのケースCに所定の静荷重を印加した場合と、印加しない場合とを比較することで確認する。所定の静荷重とは、通常1kgである。比較項目は共振周波数と共振抵抗値であり、それぞれについて静荷重を印加した場合、印加しない場合の値をインピーダンスアナライザで読み取る。読み取った値を用いて、例えば共振周波数であれば、静荷重を印加した場合の共振周波数が、静荷重を印加しない場合の共振周波数に対して何Hzずれたかといった偏差量を引き算して求める。この求められた偏差量を、印加していない場合の共振周波数で割り算した値、すなわち変化率をppmで表示することで、その水晶振動子の共振周波数に関する耐圧特性と定義する。静荷重の印加箇所は、ここでは6箇所のポイントに個別に印加するものとした。そして、共振周波数に関する耐圧特性の規格値として、±2ppmを設定した(第1の規格値)。
共振抵抗値についても共振周波数と同様であり、静荷重を印加した場合、印加しない場合の値を読み取る。読み取った値を用いて、静荷重を印加した場合の共振抵抗値が、静荷重を印加しない場合の共振抵抗値に対して何Ωずれたかといった偏差量を引き算して求める。この求められた偏差量を、印加していない場合の共振抵抗値で割り算した値、すなわち変化率をppmで表示することで、その水晶振動子の共振抵抗値に関する耐圧特性と定義する。静荷重の印加箇所も、共振周波数の測定の際と同じ6箇所のポイントであり、共振周波数を読み取る際に、共振抵抗値も同時に読み取ることができる。共振抵抗値に関する耐圧特性の規格値として、±2ppmを設定した(第2の規格値)。
耐圧特性は、水晶振動子における振動漏れの度合いを示す量であり、もし振動漏れが起きている場合は、外部から圧力が加わると共振周波数や共振抵抗値の変動が発生する。例えば図2の音叉型水晶振動片の形状例に示すように、水晶振動片1の小型化を目的に、全長Lを短縮するために基部の長さL1を短縮すると、振動腕2のエネルギーを基部が十分に吸収できない。このとき、気密端子のリードを介してケースCに振動が伝播する。逆に、ケースCに荷重が印加されるとリード104を介して振動腕2の振動に影響を及ぼすという不具合が生じる。このため耐圧特性は、水晶振動子をはじめとする内部に振動体を有する圧電振動子にとって極めて重要な特性であり、音叉型水晶振動片の形状パラメータを決定するためには欠くことのできない評価項目である。
―ドライブレベル特性―
水晶振動子の使い方として、電源が一度オンになると継続して常にオンして振動するだけの使い方の他に、省エネルギーモード等により、水晶振動子が他の回路と共に頻繁にオンとオフを繰り返す使用方法がある。後者の場合は、電源がオンになった瞬間には、定常的に発振動作をしている場合に要する小電力ではなく、比較的大きな過渡的電力が印加される。従って、水晶振動子には、このような比較的大きな過渡的電力が印加された場合でも、共振周波数と共振抵抗値が所定の範囲に収まるような特性が要求されている。従って、このドライブレベル特性も音叉型水晶振動片の形状パラメータを決定するためには欠くことのできない評価項目である。
通常、音叉型水晶振動子は、0.1μW程度の励振電力で動作するが、ここでは、0.01μWから5μWまでの励振電力を印加するものとした。例えば、サンプルの水晶振動子のリードをインピーダンスアナライザの計測治具に接続し、印加する励振電力を0.01μWに設定して発振させて、共振周波数と共振抵抗値を測定し、メモリに保存する。次に、0.1μWの励振電力を印加して、同様に共振周波数と共振抵抗値を測定してメモリに保存する。このような測定を繰り返し、0.01μWから5μWまで印加電力を離散的に上昇させていく。5μWまで測定した後に、今度は逆に5μWから離散的に印加電力を下げて測定し、各励振電力値での再現性を確認する。ここで、ドライブレベルの規格値は、共振周波数の変化が±15ppm以内(第3の規格値)、共振抵抗値の変化が7kΩ以内(第4の規格値)と設定した。
尚、この例では、印加する励振電力は離散的に上昇させたり下降させたりしたが、メモリ容量の大きなインピーダンスアナライザを用いることにより、励振電力を連続的にスイープさせて、大量の共振周波数と共振抵抗値のデータを読み取るようにしてもよい。
―保護膜の形成―
音叉型水晶振動片は、振動片を小型化すると振動腕に形成される導電性の励振電極のパターンが微細になり、異極同士の電極パターンの間隔が十数μm程度になる。このため、導電性の微粒子などが製造工程中で振動腕に付着すると、該微粒子が励振電極の異極のパターン間に接触してショートを引き起こし、発振不良に到ることがある。これを防ぐために、励振電極の形成された振動腕と基部の表面に、励振電極を覆うようにSiO2等の絶縁性の保護膜を薄く形成し、導電性の微粒子が付着した場合でもショートしないようにする場合がある。
このような保護膜の形成は、前述したエッチングによる振動片の外形形成や、励振電極の成膜やパターニング後の工程で実施する必要がある。従って、保護膜が形成された後の音叉型水晶振動片を用いる水晶振動子は、耐圧特性やドライブレベル特性を満足するものであるかどうか、改めて確認しなければならない。すなわち、保護膜の必要な音叉型水晶振動片を用いる水晶振動子にあっては、音叉型水晶振動片の形状パラメータを決定するために、保護膜が形成された後の音叉型水晶振動片を用いた水晶振動子で耐圧特性やドライブレベル特性を評価することが欠かせない。保護膜のない状態で耐圧特性を測定するだけの従来の試験では、小さな音叉型水晶振動片を備えた小型水晶振動子の安定性を十分に保証することは出来ない。
―音叉型水晶振動片のその他の形状パラメータの決定方法―
今回発明のパラメータ決定方法は、基部長と振動片の厚みに関するものであるが、その他の形状パラメータ(全長L、腕の長さL2、基部の幅W、腕幅W1、両腕間の間隔D)について、その決定方法の基本的な考え方をここで簡潔に述べる。
音叉型水晶振動片の全長Lと基部の幅Wは、まず、振動片が収納されるパッケージ寸法によって制約される(前記ステップ1)。音叉型水晶振動片は、その形状の特徴として、基部の幅Wに比較して、その全長Lが6から7倍の長さになることから、気密端子103のインナーリードに接続する際に、振動片がインナーリードに曲がって接続されないように位置精度を管理している。仮に位置がずれて振動片が斜めに接続されると、振動片の先端がケースに接触して発振周波数が不安定になる。そのために、振動片の全長Lと基部の幅Wは、振動片の収納空間に対して余裕を持って配置できるような寸法に制限されている。前述のように、ケースの外径が2mmのシンリンダ型パッケージに関しては、全長Lは、最大4100μm、基部の幅Wは1200μm以下である。外径が1.2mmの場合は、全長Lが3300μm、基部の幅Wは600μm以下である。
次に、振動腕の長さL2と振動腕の幅W1等の寸法の決定について述べる(前記ステップ2)。音叉型水晶振動子の機械的な共振周波数については、「振動腕の幅W1に比例し、振動腕の長さL2の2乗に反比例する」ことが周知である。即ち、式で表現すれば、共振周波数fは、f=α×(W1/(L2)2)である。ここで、比例定数αは、水晶の密度、弾性定数、振動モード(振動の次数、即ち基本波、2次、より高次の振動など)によって決まる。ただし、水晶の異方性により弾性定数はカット角により変化する。カット角と比例定数の値の関係は刊行物に記載がある(例えば、下記刊行物1参照)。刊行物1では、X板でカット角が−1度から7度までの周波数定数の値が示されている。慣用されるZ板の場合は、前記周波数定数を(2×円周率)で除算した値が比例定数αである。上記関係式から、L2とW1はその一方を決めれば他方の概略の数値を求めることが可能であるが、ここで、概略と述べる理由は、実際は、上記比例定数はそのほかに励振電極膜の材料の影響もあるために、過去の多くのデータから抽出された経験値が用いられる。実際の振動片の製造においては、L2とW1の寸法は、共振周波数が目的の共振周波数より若干高めになるようにその寸法を選定する。通常は、W1を基準にして、L2の長さを上記計算値より求められる値よりもやや短く設計して、共振周波数を若干高めに設定する。そして、振動片の先端に金(Au)や銀(Ag)等の重り用の金属を付加し、目的の共振周波数よりも低い範囲に設定する。この後、周波数の調整工程で、前記付加した重りをYAGレーザー等を照射して適量取り去ることで、共振周波数を低い範囲から徐徐に高くしながら目的の周波数範囲に絞り込む方法が慣用されている。
(刊行物1:滝 貞男監修、「人口水晶とその応用」、日刊工業新聞社、1974年、p64−65)
前記周波数調整は、通常2回実施される。1回目の周波数調整は、粗調と呼ばれ、振動片が水晶ウエハに接続された段階で、発振周波数をモニタしながら、振動腕先端の重り用金属にYAGレーザー等を照射して、発振周波数を周波数の低い領域から高い領域へ粗い範囲内で絞り込む。2回目の周波数調整は、微調と呼ばれ、振動片を気密端子に接続後、真空中で周波数をモニタしながら、許容される目的の周波数範囲の中に入るように、微調用の領域の金属薄膜をYAGレーザー等で取り去って調整する。
さて、振動腕の幅W1と基部の幅Wの関係について述べる。基部の幅Wの最小値は、振動腕の幅W1の2倍と振動腕の間隔Dの和である。基部の幅Wは、この最小値よりも幅が広いほうが振動漏れが少ないことが知られており、本発明においても同様の扱いをした。 また、振動腕の間隔Dは、振動片の厚み程度の値が望ましい。これは、背景技術の項で説明したように、間隔Dと股部のエッチング残りHとの関係式が一定の範囲(D/Hが6から14)に入るように選定する。
前述のように、共振周波数は振動腕の幅W1に比例するから、振動腕の幅が仮に1%ずれたとすると、共振周波数も1%即ち10000ppmのずれを生ずることになる。背景技術の項で示した、2mmのシリンダ型パッケージに用いられた水晶振動片では、振動腕の長さL2は2444μm、振動腕の幅W1は244μm、振動腕の厚み130μm、振動腕の間の間隔Dは122μmであった。ここで、振動腕の幅W1の1%とは、2.44μmである。振動腕の長さ2444μmの長さの中で、2.44μm程度のずれは発生する可能性がある。振動片の小型化により振動腕の幅W1がより縮小されると、この影響はより顕著になる。例えば、振動片の幅が100μmに縮小された場合は、1%の幅寸法変化は1μmの変化であるから、エッチング加工は厳しい管理が要求される。このように、水晶振動片を小型化すると寸法の余裕が減少し、これは小型化が進むほど著しい。尚、振動片の長さL2の変動は、振動片の長さが振動片の幅寸法に比較して十分長いことから、共振周波数の変化に与える変化は約1桁小さくなる。これらの事項を考慮して、ステップ2が行われる。
振動片の厚みtについて簡潔に説明する(前記ステップ4)。音叉型水晶振動子の共振周波数は、共振周波数を表す式からも自明のように、振動腕の厚みに依存しないために、厚みの選択はかなり自由に行える。しかし、大量生産を前提とした工業的な生産工程においては、水晶ウエハの研磨の歩留まりに制約される。水晶振動片の外径形成は、水晶ウエハをフッ酸系溶液でエッチングして行われる。そして、水晶ウエハの厚みが、振動片の厚みとなる。以下に、水晶ウエハの製造工程を簡潔に記して、この事情を明らかにする。
水晶ウエハは、まず、ランバード原石から所定の角度で切断された後、研磨工程を経て所定の厚みになる。原石の切断は、ワイヤーソーで約200μmから220μm程度の厚みで行われる。切断におけるウエハのそりを考慮するとこの程度の厚みが必要である。水晶ウエハの寸法は、2インチから4インチ程度の寸法が慣用される。そして、このウエハの中に、数百個から3千個程度の振動片が形成される。研磨は、通常まずラッピング(緑色炭化珪素など遊離砥粒の系が約十数μm)が行われ、150μmから160μm程度の厚みまで研磨される。その後、鏡面加工(ポリッシュ)および表面の加工変質層のエッチングによる除去が行われ、100μmから130μmの厚みに仕上げられる。特に、3インチ以上の大口径ウエハでは、100μm以下厚みに仕上げることは、歩留まりの大幅な低下を招いている。現時点では実用上の目安として、100μmをウエハの厚みの限界値としている。
一方、音叉型水晶振動子の振動腕の振動は、周知のように、振動腕の主面に設けられた励振電極とこれと異なる極性を持つ側面の励振電極との間に発生する電界によって水晶の振動腕が屈曲運動をすることで成り立っている。そして、振動片の小型化とは、振動腕の幅W1と振動片の長さL2を縮小することを伴っておこなわれるが、振動腕の幅W1を縮小する場合は、振動片の厚みt即ちウエハの厚みも、薄くなるように考慮しなければならない。これは、前記電界の利用効率の低下を抑制するためである。具体的には、振動腕の幅と振動腕の厚みの比(W1/t)は1.0よりも十分大きいことが望ましく、好ましくは2.0程度である。仮に振動腕の幅よりも振動腕の厚みが大きく(W1/t)<1.0となる場合、前記電界の利用効率が低下し、共振抵抗値が上昇し、振動のQ値が低下してしまう。従って、振動腕の幅W1の最小値は、前述した水晶ウエハ研磨工程の歩留まりの制約から、水晶ウエハの厚み程度であり、実用上は先に記述したように100μm程度である。
更に、大量生産を前提とした製造の管理の面からは、ウエハの厚みを細かく分類して準備するよりも、ある程度の厚みの加工誤差を許容して、数種類の厚みのウエハから選択して、その選択したウエハの厚みの幅で十分安定な振動特性を有する形状パラメータを設定するほうが望ましい。
本発明においては、第1の実施の形態から第4の実施の形態において、ウエハの厚みは、前記2mmの外径のシリンダ型パッケージで用いられた水晶振動片の厚み130μmよりも薄くした、100μm、110μm、120μmの3種類を検討した。
次に、共振周波数として40kHzの水晶振動子の小型化に好適な、水晶振動片1の形状について図2を参照して説明する。外径が、約1.2mmの小型のシリンダ型パッケージに内蔵させるためには、振動片1の外形寸法の制約として、図2に示す全長L(基部3の長さL1と振動腕2の長さL2の合計値)は約3300μm以下、基部3の幅Wは約600μm以下が望ましい(ステップ1)。
振動腕2の長さL2は、前述のよう音叉型振動子の共振周波数を表す周知の関係、即ち、「共振周波数は振動腕2の幅W1に比例し、振動腕2の長さL2の2乗に反比例する」ことから概略寸法が求められる。ここでは、振動腕2の幅W1の設計値を195μm±10μmに設定して、共振周波数を40kHzよりも若干高い40.6kHzから41kHzの範囲になるようなL2を算出し、L2の値として約1995μmとした(ステップ2)。基部長L1は、耐圧特性とドライブレベル特性を満足するように選ぶ必要がある。ただし、振動片1の全長Lは前記のように約3300μm以下が望ましいので、L1の寸法値は、約3300μmから上記の約1995μmを差し引いた約1205μm以下の範囲で選定しなければならない。これより、基部長L1は900μmから1100μmまで40μmの間隔で離散的に6種類を準備した(ステップ3)。また、基部幅Wは、500μm〜600μmとした。なお、振動腕幅W1の値と基部幅W及び振動腕幅W1については、以下の60kHz用、68.5kHz用、及び77.5kHz用のそれぞれの音叉型水晶振動子の実験についても同様な値を採用した(ステップ2)。
水晶ウエハは、厚みが約100μm(製作誤差を考慮すると、95μmから105μmの範囲)、約110μm(製作誤差を考慮すると、105μmから115μmの範囲)、約120μm(製作誤差を考慮すると、115μmから125μmの範囲)の3種類を選択した(ステップ4)。
以下に、共振周波数が40kHzの水晶振動子の耐圧特性(保護膜有無の2種類)とドライブレベル特性(保護膜有無の2種類)の合計4種類の試験結果を図4に基づいて詳細に説明する。図4は、第1の実施形態に係る40kHzの音叉型水晶振動子について、音叉型水晶振動片の基部長及び厚みと、耐圧特性及びドライブレベル特性との関係を説明する図であり、(a)は厚みが100μmの場合、(b)は厚みが110μmの場合、(c)は厚みが120μmの場合である。
以後、特性試験において、保護膜のない振動片を用いた水晶振動子の耐圧特性試験を実験A(ステップ5)、保護膜の形成された振動片を用いた水晶振動子の耐圧特性試験を実験B(ステップ7),保護膜のない振動片を用いた水晶振動子のドライブレベル特性試験を実験C(ステップ6),保護膜を形成した振動片を用いた水晶振動子のドライブレベル特性試験を実験D(ステップ8)とする。これらの特性試験は、勿論、前述したように、該当する水晶振動片1を気密端子に接続した後に真空中でケースに圧入して、音叉型水晶振動子として完成体とした状態で評価している。
図4(a)は、水晶ウエハの厚みが100μmの場合のサンプル実験結果を示している。実験Aは、基部長L1が1060μmと1100μmの2点で良品であった。ここで、良品の判定基準は、サンプル数5個で、前述した第1乃至第4の規格値を用いて算出した工程管理係数(Cpk)が2.0以上の場合を良品と定義した(以後の判定も全てこの基準をもとに判定して示した)。尚、基部長は、その製作誤差を±5μmとした。実験Bの場合は、しかしながら、基部長L1が1060μm及び1100μmにおいて、良品とならなかった。かつ、他の基部長L1でも安定したものは無かった。このように、耐圧特性は、背景技術の項で説明したD/Hが所定の値の範囲にあるにも係らず、保護膜の有無により安定性に大きな差が生じている。
一方、実験Cの安定した基部長L1は、940μmから1020μmであり、これは、先の保護膜なしで耐圧特性が安定する基部長が1060μm及び1100μmの領域とオーバーラップしていない。さらにまた、保護膜を形成した振動片の場合の試験、即ち実験Dでは、1020μmを除いて良好な結果であった。このように、ドライブラベル特性においても、保護膜の有無で差がでている。
水晶ウエハの厚みが100μmの場合は、このように、耐圧特性とドライブレベル特性のそれぞれにおいて保護膜の有無により特性が異なり、かつ4つの実験で、良品と判定される領域に重なる部分が存在しない(ステップ9)。従って、水晶ウエハの厚みが100μmの場合は、安定した水晶振動子を構成する振動片1の実現は出来ないことが明白である。
図4(b)は、水晶ウエハの厚みが約110μmの場合の4つの実験結果を示したものである。実験Aと実験Bは、基部長L1が1060μmと1100μmで良品となっている。即ち、保護膜の有無により耐圧特性が変化していない。一方、実験Cは、基部長L1が900μmを除く広い範囲で、良好な結果を得ている。さらにまた、実験Dは、基部長L1が900μm及び1020μmを除いて良好であった。
本実験では、耐圧特性で良品となった基部長L1が1060μm及び1100μmでドライブレベル特性も良品になっている。即ち、4つの実験結果において、基部長L1が1060μm及び1100μmは良品となる領域が重なっており、この範囲の基部長L1を選択する(製作誤差を考慮して1055μmから1105μmの範囲を選択する)ことで、安定した音叉型水晶振動子を実現できる(ステップ9)。
基部長L1として1100μmを選定した場合の振動片1の全長Lは、前記の振動腕2の長さL2=1995μmと合せて、約3100μmであり、全長Lの制約値であった3300μm以下を満足することができる。従って、水晶ウエハの厚みが約110μmの場合には、初期の目的であった、外径が約1.2mm以下のシリンダ型パッケージの振動子を実現することが可能である。
図4(c)は、同様に水晶ウエハの厚みが約120μmの場合の4つの実験結果を示したものである。これによれば、耐圧特性は、前記図4(b)と同じく、その基部長L1が1060μmと1100μmの場合が安定であった。一方、ドライブレベル特性は、実験C及び実験Dにおいて基部長L1が1100μmの場合が安定であった。この結果、水晶ウエハの厚みが約120μmの場合には、4つの実験結果において、基部長1100μmが良品として重なった領域である(ステップ9)。この基部長1100μm(製作誤差を考慮すると、1095μmから1105μmの範囲)を用いて、前記図4(b)と同じように、外径が約1.2mmのシリンダ型パッケージの振動子を実現できる。ただし、図4(b)に比較して、ドライブレベル特性を満足する基部長L1の範囲が狭いために、より安定した振動子を選択する場合は、前記図4(b)に示した水晶ウエハの厚みtとして、約110μm(105μm〜115μm)を選択するのが好適である。
以上の3つの厚みを持つ水晶ウエハの実験結果並びに製作誤差を考慮すると、基部幅Wが500μm〜600μm、基部長L1が1055μm〜1105μm、振動腕幅W1が185μm〜205μm、振動腕の厚みが105μm〜125μmの範囲内に、それぞれ設定されている場合に、ほぼ良好な振動特性の水晶振動片1が得られることがわかる。
<第2の実施形態>
次に、共振周波数が60kHzである小型の音叉型水晶振動子に好適な水晶振動片の形状について、図5を参照して説明する。尚、以下の第2の実施の形態から第4の実施の形態においては、図1の示す音叉型水晶振動片の形状パラメータの決定方法に関する記述は、その共振周波数が第1の実施の形態と異なるだけであり、決定のフローは同じであるので、説明を省略する。
図5は、第2の実施形態に係る60kHzの音叉型水晶振動子について、音叉型水晶振動片の基部長及び厚みと、耐圧特性及びドライブレベル特性との関係を説明する図であり、(a)は厚みが100μmの場合、(b)は厚みが110μmの場合、(c)は厚みが120μmの場合である。
第1の実施の形態と同様、約100μm、約110μm、約120μmの3種の厚みの水晶ウエハを準備した。振動腕2の幅W1を195μm±10μmに設定し、振動腕2の長さL2の概略寸法を第1の実施形態と同様にして約1615μmとした。基部長L1は、900μmから100μm間隔で、離散的に1500μmまでの7点を選択した。このように選択することで、全長が3300μm以下という制約を満たすことができる。
図5(a)は、水晶ウエハの厚みが約100μmの場合の4つの実験結果を示している。これによれば、実験Aにおいて基部長L1が1200μmで良品であった。しかし、実験Bでは、基部長L1が同じ1200μmで良品になっていない。第1の実施の形態と同様に保護膜の影響を受けている。実験C,実験Dにおいても基部長L1が1200μmを含む全領域でドライブレベル特性が良品となっていない。従って、水晶ウエハの厚みが約100μの場合は、基部長L1を大きく振ったのにもかかわらず良品となる基部長L1が存在しておらず、安定した振動片1の供給は不可能である。
図5(b)は、水晶ウエハの厚みが約110μmの場合の4つの実験結果を示している。これによれば、実験Aでは、基部長L1が1100μmから1300μmで良品である。保護膜を付けた実験Bでは、基部長L1が1100μmから1400μmで良品となり、基部長L1の範囲が広がっている。さらに、また、実験Cでは、基部長L1が1100μmから1500μmの範囲でドライブレベル特性で良品であった。また、基部長L1が900μmにおいても良品となった。保護膜をつけた実験Dでは、全範囲の基部長L1で良品であった。
この実験結果より、基部長L1が1100μmから1300μmの範囲で4つの実験結果の良品の領域が重なっている。従って、水晶ウエハの厚みが約110μmの場合には、基部長L1として1100μmから1300μm(製作誤差を考慮すれば1095μmから1305μmの範囲)を選択した水晶振動片1を用いることで、安定した水晶振動子を実現できる。また、保護膜を形成する前提であれば、基部長L1として1100μmから1400μm(製作誤差を考慮すれば1095μmから1405μm)と拡大した範囲で、安定した水晶振動子を実現できる。
図5(c)は、同様に、水晶ウエハの厚みが約120μmの場合の4つの実験結果を示している。実験Aでは、基部長L1が1200μmと1300μmで良品であった。保護膜を形成した実験Bにおいては、基部長L1がより広い範囲で良品になり、1100μmから1400μmの領域で良品である。一方、実験Cでは、基部長L1が1100μmから1300μmで良品になったほか、900μmと1500μmでも良品となった。保護膜を形成した実験Dでは、全範囲の基部長L1でドライブレベル特性が良品となった。
この実験結果より、基部長L1が1200μmから1300μmの範囲(製作誤差を考慮すれば1195μmから1305μmの範囲)で4つの実験結果の良品の領域が重なっている。従って、水晶ウエハの厚みが約120μmの場合には、基部長L1として1200μmから1300μmを選択した水晶振動片1を用いることで、安定した水晶振動子を実現できる。また、保護膜を形成する前提であれば、基部長L1として1100μmから1400μm(製作誤差を考慮すれば1095μmから1405μm)と拡大した範囲で、安定した水晶振動子を実現できる。
以上の3つの厚みを持つ水晶ウエハの実験結果並びに製作誤差を考慮すると、基部幅Wが500μm〜600μm、基部長L1が1095μm〜1305μm、振動腕幅W1が185μm〜205μm、振動腕2の厚みが105μm〜125μmの範囲内に、それぞれ設定されている場合に、ほぼ良好な振動特性の水晶振動片1が得られることがわかる。
<第3の実施形態>
次に、共振周波数が68.5kHzである小型の音叉型水晶振動子に好適な水晶振動片の形状について、図6を参照して説明する。図6は、第3の実施形態に係る68.5kHzの音叉型水晶振動子について、音叉型水晶振動片の基部長及び厚みと、耐圧特性及びドライブレベル特性との関係を説明する図であり、(a)は厚みが100μmの場合、(b)は厚みが110μmの場合、(c)は厚みが120μmの場合である。
第1の実施の形態と同様、約100μm、約110μm、約120μmの3種の厚みの水晶ウエハを準備した。振動腕2の幅W1を195μm±10μmに設定し、振動腕2の長さL2の概略寸法を、第1の実施形態と同様にして約1520μmとした。基部長は、900μmから100μm間隔で、離散的に1600μmまでの8点を選択した。このように選択することで、全長が3300μm以下という制約を満たすことができる。
図6(a)は、水晶ウエハの厚みが約100μmの場合の4つの実験結果を示している。これによれば、実験A、実験B、実験C、実験D、いずれにおいても全領域で特性を満たしていない。従って、水晶ウエハの厚みが約100μの場合は、基部長L1を大きく振ったのにもかかわらず良品となる基部長L1が存在しておらず、安定した水晶振動片1の供給は不可能である。
図6(b)は、水晶ウエハの厚みが約110μmの場合の4つの実験結果を示している。これによれば、実験Aでは、基部長L1が1100μmから1300μmで良品である。保護膜を付けた実験Bでは、基部長L1が1200μmと1300μmが良品である。良品となる基部長L1の範囲が狭まっている。また、実験Cでは、基部長L1が900μmから1500μmの広い範囲でドライブレベル特性で良品であった。さらに、また、保護膜をつけた実験Dでは、基部長L1が1200μmから1500μmで良品であった。また、基部長L1が900μmにおいても良品であった。
この実験結果より、基部長L1が1200μmと1300μmで、4つの実験結果の良品の領域が重なっている。従って、水晶ウエハの厚みが約110μmの場合には、基部長L1として1200μmから1300μm(製作誤差を考慮すれば1195μmから1305μmの範囲)を選択した水晶振動片1を用いることで、安定した水晶振動子を実現できる。また、保護膜の形成が不要という前提にたてば、実験Aと実験Cにおける良品範囲が重なった部分で良く、安定した水晶振動子を実現できる基部長L1の範囲が1100μmから1300μm(製作誤差を考慮すれば1095μmから1305μm)に拡大する。
図6(c)は、同様に、水晶ウエハの厚みが約120μmの場合の4つの実験結果を示している。実験Aでは、基部長L1が1200μmと1300μmで良品であった。保護膜を形成した実験Bにおいては、基部長L1が1200μmで良品であったが、1300μmでは良品とはならず、1400μmで良品であった。一方、実験Cでは、基部長L1が1300μmと1400μmで良品であった。保護膜を形成した実験Dでは、いずれの範囲においても良品となる基部長L1が存在していなかった。
この実験結果より、4つの実験結果が良品となる範囲は存在しなかった。従って、水晶ウエハの厚みが約120μmの場合は、基部長L1を大きく振ったのにもかかわらず良品となる基部長L1が存在しておらず、安定した水晶振動片1の供給は保護膜の形成を前提とする場合には不可能である。保護膜の形成が不要という前提にたてば、実験Aと実験Cにおける良品範囲が重なった部分で良く、安定した水晶振動子を実現できる基部長L1が1300μm(製作誤差を考慮すれば1295μmから1305μm)となる。
以上の3つの厚みを持つ水晶ウエハの実験結果並びに製作誤差を考慮すると、基部幅Wが500μm〜600μm、基部長L1が1195μm〜1305μm、振動腕幅W1が185μm〜205μm、振動腕の厚みが105μm〜115μmの範囲内に、それぞれ設定されている場合に、ほぼ良好な振動特性の水晶振動片1が得られることがわかる。
<第4の実施形態>
次に、共振周波数が77.5kHzである小型の音叉型水晶振動子に好適な水晶振動片の形状について、図7を参照して説明する。図7は、第4の実施形態に係る77.5kHzの音叉型水晶振動子について、音叉型水晶振動片の基部長及び厚みと、耐圧特性及びドライブレベル特性との関係を説明する図であり、(a)は厚みが100μmの場合、(b)は厚みが110μmの場合、(c)は厚みが120μmの場合である。
第1の実施の形態と同様、約100μm、約110μm、約120μmの3種の厚みの水晶ウエハを準備した。振動腕2の幅W1を195μm±10μmに設定し、振動腕2の長さL2の概略寸法は、第1の実施形態と同様にし約1420μmとした。基部長は、1000μmから100μm間隔で、離散的に1700μmまでの8点を選択した。このように選択することで、全長が3300μm以下という制約を満たすことができる。
図7(a)は、水晶ウエハの厚みが約100μmの場合の4つの実験結果を示している。これによれば、実験Aは、基部長L1が1700μmで良品であった。実験B、実験C、実験Dの場合には、基部長L1が1700μmを含む全領域で良品となっていない。従って、水晶ウエハの厚みが約100μの場合は、基部長L1を大きく振ったのにもかかわらず良品となる基部長L1が存在しておらず、安定した水晶振動片1の供給は不可能である。
図7(b)は、水晶ウエハの厚みが約110μmの場合の4つの実験結果を示している。これによれば、実験Aでは、基部長L1が1000μmと1100μmで良品であった。また、1700μmでも良品であった。保護膜を付けた実験Bでは、基部長L1が1000μmと1100μmで良品であった。また、実験C及び実験Dでは、基部長L1が1000μmから1200μmの範囲で良品であった。
この実験結果より、水晶ウエハの厚みが約110μmの場合には、基部長L1の1000μmと1100μmで、4つの実験結果の良品の領域が重なっている。従って、基部長L1として1000μmから1100μmの範囲(製作誤差を考慮すれば995μmから1105μmの範囲)を選択した振動片を用いることで、安定した振動子を実現できる。
図7(c)は、同様に、水晶ウエハの厚みが約120μmの場合の4つの実験結果を示している。実験Aでは、基部長が1000μmと1700μmで良品であった。他の実験B、実験C及び実験Dでは、基部長が1000μm及び1700μmを含む全領域で良品となっていない。
この実験結果より、4つの実験結果が良品となる範囲は存在しなかった。従って、水晶ウエハの厚みが約120μの場合は、基部長を大きく振ったのにもかかわらず良品となる基部長が存在しておらず、安定した振動片の供給は不可能である。
以上の3つの厚みを持つ水晶ウエハの実験結果並びに製作誤差を考慮すると、基部幅Wが500μm〜600μm、基部長L1が995μm〜1105μm、振動腕幅W1が185μm〜205μm、振動腕の厚みが105μm〜115μmの範囲内に、それぞれ設定されている場合に、ほぼ良好な振動特性の水晶振動片1が得られることがわかる。
<第5の実施の形態>
上記の第1の実施の形態〜第4の実施の形態で述べた振動片を収納した音叉型水晶振動子を、電波時計のフィルタ部に用いた例を、図8を参照して説明する。
電波時計10は、時刻情報を含む標準の電波を受信して、正確な時刻に自動修正して表示する機能を備えた時計である。日本国内には、福島県(40kHz)と佐賀県(60kHz)に標準の電波を送信する送信所(送信局)があり、それぞれ標準電波を送信している。40kHzもしくは60kHzのような長波は、地表を伝播する性質と、電離層と地表を反射しながら伝播する性質を併せ持つため、伝播範囲が広く、上記の2つの送信所で日本国内を全て網羅している。
図8を参照して、電波時計の機能的構成について説明する。
アンテナ11は、前記40kHzもしくは60kHzの長波の標準電波を受信する。長波の標準電波は、タイムコードと呼ばれる時刻情報を、前記40kHzもしくは60kHzの搬送波にAM変調をかけたものである。
受信された長波の標準電波は、アンプ12によって増幅され、水晶振動子を有するフィルタ(フィルタ部)13によって濾波、同調される。本実施形態における水晶振動子は、上記搬送周波数と同一の40kHz及び60kHzの共振周波数を有する水晶振動子部14A、14Bを備えている。
さらに、濾波された所定周波数の信号は、検波、整流回路15により検波復調される。続いて、波形成形回路16を介してタイムコードが取り出され、CPU17でカウントされる。CPU17では、現在の年、積算日、曜日、時刻等の情報を読み取る。読み取られた情報は、RTC(リアルタイムクロック)18に反映され、正確な時刻情報が表示される。
搬送波は、40kHzもしくは60kHzであるから、水晶振動子部14A、14Bは、前述した第1の実施の形態及び第2の実施の形態で示した音叉型水晶振動子が好適であり、並列に接続して用いればよい。この実施の形態では、従来の外径が約2mmのシリンダ型パッケージから外径が約1.2mmのシリンダ型パッケージに小型化したので、水晶振動子の搭載空間が格段に低減されている。
上述の説明は、日本国内の例で示したが、長波の標準電波の周波数は、海外では異なっている。例えば、ドイツでは77.5kHzの標準電波が用いられている。また、中国では68.5kHzが採用されている。68.5kHzや77.5kHzはそれぞれ第3の実施の形態及び第4の実施の形態に示した音叉型水晶振動子を用いることが可能である。
海外でも対応可能な電波時計10を携帯機器に組み込む場合は、上述のように、日本の場合とは異なる周波数の水晶振動子を必要とするので、個々の振動子を小型化することは搭載空間を縮小する上でこのように重要になっている。
<第6の実施の形態>
上述した第1の実施の形態〜第4の実施の形態は、1つの基部に対して1対の振動腕が基部より平行に突出した構成を有する振動片の場合である。図9に示すこの第6の実施の形態は、これらの変形例であり、1つの共通の基部23に対して2対以上の振動腕22を組み合わせたものである
その1つの例として40kHzと60kHzに対応する振動片21の組み合わせの例を説明する。
40kHzの振動子の場合は、第1の実施の形態で示したように、約110μmの厚みの水晶ウエハを採用した場合は、基部長が1060μmから1100μmで4つの実験A〜実験Dの良品の領域が重なり、安定した小型水晶振動子を実現できた。
一方、60kHzの振動子の場合は、第2の実施の形態で示したように、同じく約110μmの厚みの水晶ウエハを採用した場合は、基部長は1100μmから1300μmで4つの実験A〜実験Dの良品の領域が重なり、安定した小型水晶振動子を実現できた。
従って、40kHzと60kHzを組み合わせた場合には、約110μmの厚みの水晶ウエハを採用して、基部長として1100μmを選定すると、容易に、1つの基部23に対して2対の振動腕22A、22Bを有する安定した小型水晶振動子を実現できる。これを図9に示した(図9は、外形のみを示している)。図9では、基部長L1が約1100μmの長さを持つ1つの基部23に対して、40kHzと60kHzに対応した2組の振動腕22A、22Bを有している。振動片21の全長Lは、振動腕長の長い40kHzの振動腕22Aの長さで規定されるが、第1の実施の形態で示した基部長L1と振動腕長L2の合計値約3100μmとなる。これに対して、基部23の幅Wは、2つの基部長の幅Wの2倍となる。即ち、1個の基部長の幅Wを565μmとしたので、新しい基部の幅W3は1130μmとなる。
背景技術の項で説明したように、外径が約2mmのシリンダ型パッケージに内蔵できる振動片の幅の最大値は1200μmであった。本実施の形態で示した新しい振動片1の基部23は、幅W3が1130μmであり、この幅の制約を満足している。従って、2つの共振周波数を有する振動片を外径約2mmのシリンダ型パッケージに内蔵可能となり、格段の小型化を可能にしている。
次に、もう1つの変形例を図10に示す。本変形例は、1つの基部33に対して3組の振動腕32A、32B、32Cを持つ振動片31の例である。先の変形例では、水晶の厚みが約110μmで、基部長を1100μmに選定し、それぞれ40kHzと60kHzの共振周波数に対応する振動腕を有していた。第3の実施の形態で示したように、77.5kHzの共振周波数を持つ音叉型水晶振動子の振動片は、水晶ウエハの厚みを約110μmとし、基部長として1000μmから1100μmを採用すると4つの実験の良品の領域が重なり、安定した水晶振動子を実現できた。この結果を用いると、図10に示すように、先の基部33の幅を拡張して、基部幅W3が個々の振動片の基部幅の3倍である約1695μmの基部幅を持ち、基部長が1100μmであり、40kHzと60kHzと77.5kHzに対応する振動腕32A、32B、32Cを持つ振動片31を得ることが容易に可能である。
上述した2つの変形例の振動片を用いた音叉型水晶振動子を、第5の実施の形態で示した電波時計10のフィルタ部に採用することも勿論可能である。
<第7の実施の形態>
本発明に係る第7の実施の形態について、図11を参照して説明する。
本実施の形態では、基部43を共有し2組の振動腕42を有する振動片41を3本のリード46を有する気密端子47に接続し、その後に真空中でケース48を圧入して気密封止した振動子の例である。
図11(a)は、40kHzと60kHzの共振周波数を対応する振動腕42A、42Bを持つ振動片41を示している。振動片41に形成するマウントパッド44と励振電極45が模式的に描かれている(一部省略して示した)。励振電極は、その1つを共通電極45Aとし、もう片方は独立した構成になっている。図11(b)は、前記の振動片を気密端子の3本のリード46に接続し、その後にケース48を圧入して気密封止した振動子を示すが、ケース48は透明体で示され、その輪郭を2点鎖線で示してある。
図11(c)は、図11(b)を電気回路で表現したものであり、振動子の一方の極が共通であり、片方の極はそれぞれ独立した構成になることを表している。
このように、2つの振動腕42A、42Bに形成される励振電極45を独立にしたことで、2つの振動子の振動が完全に独立できるので、干渉の少ない高精度な振動子として機能させることが可能である。
この実施の形態の音叉型水晶振動子を、第5の実施の形態で示した電波時計10のフィルタ部に採用することも可能である。この場合は、フィルタ部にどちらの振動片を駆動させるか選択する選択回路を配置すればよい。
<第8の実施の形態>
次に、本発明の第8の実施形態について、図12を参照して説明する。
図12において、符号38は、本発明の第8の実施形態に係る発振器を示すものである。
発振器50は、上記第1の実施形態〜第5の実施形態の水晶振動子54が発振子として用いられて構成されたものである。
発振器50は、コンデンサなどの電子部品51が実装された基板52を備えている。基板52には、発振器用の集積回路53が実装されており、この集積回路53の近傍に、水晶振動子54が実装されている。そして、これら電子部品51、集積回路53及び水晶振動子54は、不図示の配線パターンによって電気的に接続されている。なお、各構成部品は、不図示の樹脂によりモールドされている。
このような構成のもと、水晶振動子54に電圧を印加すると、上述の水晶振動片が振動し、その振動が、水晶の持つ圧電特性により電気信号に変換されて、集積回路53に電気信号として入力される。この入力された電気信号は、集積回路53によって、各種処理がなされ、周波数信号として出力される。これにより、水晶振動子54が発振子として機能する。
また、集積回路53の構成を、例えばRTCモジュール等を要求に応じて選択的に設定することにより、時計用単機能発振器などの他、当該機器や外部機器の動作日や時刻を制御したり、時刻やカレンダーなどを提供したりする機能を付与することができる。
以上より、本実施形態における発振器50によれば、上記第1から第4の実施形態に係る小型化した水晶振動子を用いたので、発振器の構成要素の中で最大の体積を占める振動子54が格段に縮小された。その結果、発振器自体を小型化することが可能である。そしてまた、耐圧特性とドライブレベル特性に優れた水晶振動子54を内蔵することで、発振器は長期にわたって安定した高精度な周波数信号を提供することができる。
<第9の実施の形態>
次に、本発明の第9の実施の形態について説明する。
本実施の形態では、上記第1の実施形態〜第4の実施形態に係る水晶振動子54を備える電子機器として、携帯情報機器について説明する。
図13において、符号56は、携帯情報機器を示すものであり、図13を参照して、携帯情報機器56の機能的構成について説明する。
携帯情報機器56は、電力を供給するための電源部57を備えている。電源部57は、例えばリチウム二次電池からなっている。
電源部57には、各種制御を行う制御部58と、時刻等のカウントを行う計時部61と、外部との通信を行う通信部62と、各種情報を表示する表示部66と、それぞれの機能部の電圧を検出する電圧検出部63と、が並列に接続されている。そして、電源部57によって、各機能部に電力が供給されるようになっている。
制御部58は、各機能部を制御して、音声データの送信及び受信、現在時刻の計測や表示など、システム全体の動作制御を行う。また、制御部58は、あらかじめプログラムが書き込まれたROMと、このROMに書き込まれたプログラムを読み出して実行するCPUと、このCPUのワークエリアとして使用されるRAMなどを備えている。
計時部61は、発振回路、レジスタ回路、カウンタ回路及びインターフェイス回路などを内蔵する集積回路と、水晶振動子54とを備えている。水晶振動子54に電圧を印加すると、上述の水晶振動子片が振動し、その振動が、水晶の持つ圧電特性により電気信号に変換されて、発振回路に電気信号として入力される。発振回路の出力は2値化され、レジスタ回路とカウンタ回路とにより計数される。そして、インターフェイス回路を介して、制御部58と信号の送受信が行われ、表示部66に、現在時刻や現在日付あるいはカレンダー情報などが表示される。
通信部62は、従来の携帯電話と同様の機能を有し、無線部67、音声処理部68、切替部71、増幅部72、音声入出力部73、電話番号入力部76、着信音発生部77及び呼制御メモリ部78を備えている。
無線部67は、音声データ等の各種データを、アンテナを介して基地局と送受信のやりとりを行う。音声処理部68は、無線部67または増幅部72から入力された音声信号を符号化及び復号化する。増幅部72は、音声処理部68または音声入出力部73から入力された信号を所定のレベルまで増幅する。音声入出力部73は、スピーカやマイクロフォンなどからなり、着信音や受話音声を拡声したり、話者音声を集音したりする。
また、着信音発生部77は、基地局からの呼び出しに応じて着信音を生成する。切替部71は、着信時に限って、音声処理部68に接続されている増幅部72を着信音発生部77に切り替えることによって、着信音発生部77において生成された着信音が、増幅部72を介して音声入出力部73に出力される。なお、呼制御メモリ部78は、通信の発着呼制御に係るブログラムを格納する。また、電話番号入力部76は、例えば0から9の番号キー及びその他のキーを備えており、これら番号キーなどを押下することにより、通話先の電話番号などが入力される。
電圧検出部63は、電源部57によって制御部58などの各機能部に対して加えられている電圧が、所定の値を下回った場合に、その電圧降下を検出して制御部58に通知する。このときの所定の電圧値は、通信部62を安定して動作させるために必要な最低限の電圧としてあらかじめ設定されている値であり、例えば3V程度となる。電圧検出部63から電圧降下の通知を受けた制御部58は、無線部67、音声処理部68、切替部71及び着信音発生部77の動作を禁止する。特に、消費電力の大きな無線部67の動作停止は必須となる。さらに、表示部66に、通信部62が電池残量の不足により使用不能になった旨が表示される。
すなわち、電圧検出部63と制御部58とによって、通信部62の動作を禁止し、その旨を表示部66に表示することができる。この表示は、文字メッセージであってもよいが、より直感的な表示として、表示部66の表示面の上部に表示された電話アイコンに、×(バツ)印を付けるようにしてもよい。
なお、携帯情報機器56は、通信部62の機能に係る部分の電源を、選択的に遮断することができる電源遮断部79を備えており、この電源遮断部79によって、通信部62の機能が確実に停止される。
以上より、本実施形態における携帯情報機器56によれば、上記第1の実施の形態〜第4の実施の形態に係る水晶振動子54と同様の効果を奏することができるだけでなく、耐圧特性とドライブレベル特性に優れた水晶振動子54が内蔵されることから、長期にわたって安定した高精度な計時情報を表示することができる。
なお、本発明の技術範囲は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。例えば、1から4までの実施形態により得られた音叉型水晶振動片は、シリンダ型パッケージの気密容器に収納される場合に限定されず、セラミックパッケージの容器に収納することも勿論可能である。
本発明に係る音叉型水晶振動片の形状パラメータの決定手順を示すフローチャートである。 音叉型水晶振動片の形状パラメータを説明するための外形形状を示す平面図である。 振動子の耐圧特性測定を説明する図である。 本発明に係る第1の実施形態の40kHzの音叉型水晶振動子について、振動片の基部長と耐圧特性及びドライブレベル特性との関係を説明する図である。 本発明に係る第2の実施形態の60kHzの音叉型水晶振動子について、振動片の基部長と耐圧特性及びドライブレベル特性の関係を説明する図である。 本発明に係る第3の実施形態の68.5kHzの音叉型水晶振動子について、振動片の基部長と耐圧特性及びドライブレベル特性の関係を説明する図である。 本発明に係る第4の実施形態の77.5kHzの音叉型水晶振動子について、振動片の基部長と耐圧特性及びドライブレベル特性の関係を説明する図である。 本発明に係る第5の実施形態の電波時計の回路ブロック図である。 本発明に係る第6の実施形態の水晶振動子の平面図である。 本発明に係る第6の実施形態の変形例を示す平面図である。 本発明に係る第7の実施形態の水晶振動子の平面図である。 本発明の第8の実施形態としての発振器を示す平面図である。 本発明の第9の実施形態としての携帯情報機器を示すブロック図である。 従来のシリンダ型パッケージの水晶振動子を説明する図である。
符号の説明
1 水晶振動片
2 振動腕
3 基部
10 電波時計
21、31、41 振動片
22、32、42 振動腕
23、33、43 基部
44 マウントパッド
45 励振電極
46 リード
47 気密端子
48 ケース
50 発振器
53 集積回路
56 携帯情報機器(電子機器)

Claims (27)

  1. 音叉型水晶振動子に組み込まれ、基部と、該基部から平行に突出する1対の振動腕とを備える音叉型水晶振動片の形状パラメータ決定方法であって、
    前記音叉型水晶振動子のケースに外部から所定の圧力を加えたとき、共振周波数の変化率が第1の規格値に入っているか否かを評価すると共に、共振抵抗値の変化率が第2の規格値に入っているか否かを評価する耐圧特性評価工程と、
    前記音叉型水晶振動子の接続端子に、基準励振電力を含む所定範囲の励振電力を供給したとき、前記励振電力の範囲内において共振周波数の変化率が第3の規格値に入っているか否かを評価すると共に、共振抵抗値の変化率が第4の規格値に入っているか否かを評価するドライブレベル特性評価工程とを行い、
    前記耐圧特性評価工程における評価と前記ドライブレベル特性評価工程おける評価とを同時に満足するように、前記振動腕の突出方向における前記基部の長さL1及び/又は前記振動腕の厚みtを決定することを特徴とする音叉型水晶振動片の形状パラメータ決定方法。
  2. 前記耐圧特性評価工程及び前記ドライブレベル特性評価工程は、前記音叉型水晶振動片の表面に絶縁性の保護膜を形成してから該音叉型水晶振動片を前記音叉型水晶振動子に組み込んで評価する工程と、前記保護膜を形成することなく組み込んで評価する工程とに、それぞれ分かれていることを特徴とする請求項1に記載の音叉型水晶振動片の形状パラメータ決定方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の音叉型水晶振動片の形状パラメータ決定方法により、前記基部の長さL1及び/又は前記振動腕の厚みtが決定されていることを特徴とする音叉型水晶振動片。
  4. 前記基部の長さL1(μm)及び/又は前記振動腕の厚みt(μm)が、
    1055≦L1≦1105、
    105≦t≦115であり、
    共振周波数が略40(kHz)であることを特徴とする請求項3に記載の音叉型水晶振動片。
  5. 前記基部の長さL1(μm)及び/又は前記振動腕の厚みt(μm)が、
    1095≦L1≦1105、
    115<t≦125であり、
    共振周波数が略40(kHz)であることを特徴とする請求項3に記載の音叉型水晶振動片。
  6. 前記振動腕の幅W1(μm)が、
    185≦W1≦205
    であることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の音叉型水晶振動片。
  7. 前記基部の長さL1(μm)及び/又は前記振動腕の厚みt(μm)が、
    1095≦L1≦1305、
    105≦t≦115であり、
    共振周波数が略60(kHz)であることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の音叉型水晶振動片。
  8. 前記基部の長さL1(μm)及び/又は前記振動腕の厚みt(μm)が、
    1195≦L1≦1305、
    115<t≦125であり、
    共振周波数が略60(kHz)であることを特徴とする請求項に記載の音叉型水晶振動片。
  9. 前記振動腕の幅W1μmが、
    185≦W1≦205
    であることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の音叉型水晶振動片。
  10. 前記音叉型水晶振動片の表面に絶縁性の保護膜が形成され、
    前記基部の長さL1(μm)が、
    1095≦L1≦1405
    の範囲に上限が拡大されていることを特徴とする請求項7乃至請求項9のいずれか1項に記載の音叉型水晶振動片。
  11. 前記基部の長さL1(μm)及び/又は前記振動腕の厚みt(μm)が、
    1195≦L1≦1305、
    105≦t≦115であり、
    共振周波数が略68.5(kHz)であることを特徴とする請求項3に記載の音叉型水晶振動片。
  12. 前記振動腕の幅W1(μm)が、
    185≦W1≦205
    であることを特徴とする請求項11に記載の音叉型水晶振動片。
  13. 前記基部の長さL1(μm)及び/又は前記振動腕の厚みt(μm)が、
    995≦L1≦1105、
    105≦t≦115であり、
    共振周波数が略77.5(kHz)であることを特徴とする請求項3に記載の音叉型水晶振動片。
  14. 前記振動腕の幅W1(μm)が、
    185≦W1≦205
    であることを特徴とする請求項13に記載の音叉型水晶振動片。
  15. 基部と、該基部から平行に突出する1対の振動腕を有する音叉型水晶振動片であって、
    その音叉型水晶振動片の振動腕の幅W1(μm)が、
    185≦W1≦205
    であり、前記基部の長さL1(μm)及び/又は前記振動腕の厚みt(μm)が、
    1055≦L1≦1105、
    105≦t≦115であり、
    共振周波数が略40(kHz)であることを特徴とする音叉型水晶振動片。
  16. 基部と、該基部から平行に突出する1対の振動腕を有する音叉型水晶振動片であって、
    その音叉型水晶振動片の振動腕の幅W1(μm)が、
    185≦W1≦205
    であり、前記基部の長さL1(μm)及び/又は前記振動腕の厚みt(μm)が、
    1095≦L1≦1105、
    115≦t≦125であり、
    共振周波数が略40(kHz)であることを特徴とする音叉型水晶振動片。
  17. 基部と、該基部から平行に突出する1対の振動腕を有する音叉型水晶振動片であって、
    その音叉型水晶振動片の振動腕の幅W1(μm)が、
    185≦W1≦205
    であり、前記基部の長さL1(μm)及び/又は前記振動腕の厚みt(μm)が、
    1095≦L1≦1305、
    105≦t≦115であり、
    共振周波数が略60(kHz)であることを特徴とする音叉型水晶振動片。
  18. 基部と、該基部から平行に突出する1対の振動腕を有する音叉型水晶振動片であって、
    その音叉型水晶振動片の振動腕の幅W1(μm)が、
    185≦W1≦205
    であり、前記基部の長さL1(μm)及び/又は前記振動腕の厚みt(μm)が、
    1195≦L1≦1305、
    115≦t≦125であり、
    共振周波数が略60(kHz)であることを特徴とする音叉型水晶振動片。
  19. 前記音叉型水晶振動片の表面に絶縁性の保護膜が形成され、
    前記基部の長さL1(μm)が、
    1095≦L1≦1405
    の範囲に上限が拡大されていることを特徴とする請求項17又は請求項18のいずれか1項に記載の音叉型水晶振動片。
  20. 基部と、該基部から平行に突出する1対の振動腕を有する音叉型水晶振動片であって、
    その音叉型水晶振動片の振動腕の幅W1(μm)が、
    185≦W1≦205
    であり、前記基部の長さL1(μm)及び/又は前記振動腕の厚みt(μm)が、
    1195≦L1≦1305、
    105≦t≦115であり、
    共振周波数が略68.5(kHz)であることを特徴とする音叉型水晶振動片。
  21. 基部と、該基部から平行に突出する1対の振動腕を有する音叉型水晶振動片であって、
    その音叉型水晶振動片の振動腕の幅W1(μm)が、
    185≦W1≦205
    であり、前記基部の長さL1(μm)及び/又は前記振動腕の厚みt(μm)が、
    995≦L1≦1105、
    105≦t≦115であり、
    共振周波数が略77.5(kHz)であることを特徴とする音叉型水晶振動片。
  22. 請求項3乃至請求項21のいずれか1項に記載の音叉型水晶振動片を密閉容器内に備えたことを特徴とする音叉型水晶振動子。
  23. 直径2mm〜2.5mmのシリンダ型ケースと、
    該ケースに収納される音叉型水晶振動片と、を備え、
    前記音叉型水晶振動片は、共通基部及び該共通基部から平行に突出する2対の振動腕を備えることを特徴とする音叉型水晶振動子。
  24. 前記音叉型水晶振動片は、3本のリードを有する気密端子に電気的に接続され、
    前記3本のリードのうち1本のリードは、前記2対の振動腕のそれぞれの一方の電極に電気的に接続されていることを特徴とする請求項23に記載の音叉型水晶振動子。
  25. 請求項22乃至請求項24のいずれか1項に記載の音叉型水晶振動子が、フィルタ部に電気的に接続されていることを特徴とする電波時計。
  26. 請求項22乃至請求項24のいずれか1項に記載の音叉型水晶振動子が、発振子として集積回路に電気的に接続されていることを特徴とする発振器。
  27. 請求項22乃至請求項24のいずれか1項に記載の音叉型水晶振動子を備えることを特徴とする電子機器。
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