JP2007332181A - 帯電防止組成物、帯電防止層および帯電防止フィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(メタ)アクリロイル基を有する化合物、4級アンモニウム塩基含有ポリマー、およびアミド基を有する重合性モノマーを含有する帯電防止組成物。アミド基を有する重合性モノマーを組成物中に添加することにより、4級アンモニウム塩基含有ポリマーの相溶性が向上し、また、基材への密着性等も向上する。4級アンモニウム塩基含有ポリマーの相溶性が良好な帯電防止組成物により、紫外線暴露、あるいは高温・高湿負荷の環境下においても、帯電防止性、耐擦傷性、透明性に優れ、基材との密着性にも優れた帯電防止層および帯電防止フィルムが提供される。
【選択図】なし
Description
本発明はまた、このような4級アンモニウム塩基含有ポリマーの相溶性に優れた帯電防止組成物により、紫外線暴露、あるいは高温・高湿負荷の環境下においても、帯電防止性、耐擦傷性、透明性に優れ、基材との密着性にも優れた帯電防止層およびこのような帯電防止層を備える帯電防止フィルムを提供することを課題とする。
(メタ)アクリロイル基を有する化合物、4級アンモニウム塩基含有ポリマー、およびアミド基を有する重合性モノマーを含有することを特徴とする帯電防止組成物、
基材上に該帯電防止組成物を塗布して形成される帯電防止層、
並びに、
基材および該帯電防止層を有する帯電防止フィルム、
に存する。
本発明の帯電防止組成物は、(メタ)アクリロイル基を有する化合物、4級アンモニウム塩基含有ポリマー、およびアミド基を有する重合性モノマーを含有することを特徴とする。
本発明に用いられる(メタ)アクリロイル基を有する化合物は、分子内に(メタ)アクリロイル基を1以上有する化合物を意味し、モノマーであっても、オリゴマーであってもよい。本発明では、アクリロイル基とメタアクリロイル基を総称して、(メタ)アクリロイル基という。すなわち、(メタ)アクリロイル基を有する化合物とは、アクリロイル基のみを有する化合物であってもよく、メタアクリロイル基のみを有する化合物であってもよく、アクリロイル基とメタアクリロイル基とを有する化合物であってもよい。また、以下に記載する(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸エステルについても同様である。
本発明で使用する4級アンモニウム塩基含有ポリマーは、4級アンモニウム塩基を1以上有するポリマーである。4級アンモニウム塩基含有ポリマーは、例えば、4級アンモニウム塩基を含有する不飽和基を有するモノマーと、他の不飽和基を有する化合物(例えば、モノマー、オリゴマー)との共重合によって得ることができる。
(a)4級アンモニウム塩基を含有した重合性基を有するモノマーと、(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体。
(b)4級アンモニウム塩基を含有した重合性基を有するオリゴマーと、(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体。
(c)4級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリル酸エステルと、他の(メタ)アクリル酸エステルおよび/またはスチレン系モノマーとの共重合体
(d)4級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリル酸エステルと、他の(メタ)アクリル酸エステルおよび/またはスチレン系オリゴマーとの共重合体
(e)4級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリル酸エステルと、他の(メタ)アクリル酸エステルおよび/または他の(メタ)アクリル酸エステルオリゴマーとの共重合体
等を例示することができる。
本発明に係るアミド基を有する重合性モノマーとは、一分子内に1以上のアミド基および1以上の重合性基を有するモノマーである。具体的には、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジブチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジオクチル(メタ)アクリルアミド、N−モノブチル(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミド(メタ)アクリロイルモルホリンなどのアクリル系化合物、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニル−ε−カプロラクタムなどのビニル系化合物が挙げられる。この中では、ビニル系化合物が好ましく、特にN−ビニルホルムアミドが好ましい。
本発明の帯電防止組成物は、通常、ガンマ線、電子線又は紫外線などの活性エネルギー線を照射することによって硬化する。紫外線を用いて硬化させる場合、本発明の帯電防止組成物には重合開始剤を添加することが好ましい。重合開始剤としては、ベンゾフェノン系開始剤、ジケトン系開始剤、アセトフェノン系開始剤、ベンゾイン系開始剤、チオキサントン系開始剤、キノン系開始剤等のいかなる公知の重合開始剤を用いてもよい。
本発明の帯電防止組成物は、溶剤を含有させて使用してもよく、硬化後に得られる帯電防止層が所望の厚さとなるよう任意の量の溶剤を含有させることができる。
これらの溶剤は、1種を単独で用いても、2種以上の溶剤を組み合わせて用いてもよい。
本発明の帯電防止組成物には、シリコーン系、フッ素系のレベリング剤を添加することも可能である。また、本発明の帯電防止組成物に微粒子を添加することにより、ハードコート層の表面に微細な凸凹が形成されるため、防眩性も付与することができる。この場合、微粒子としては、シリカ等の無機系微粒子や、ポリメチル(メタ)アクリレート等の有機系微粒子等が挙げられる。
また、本発明の帯電防止組成物には、上記以外にも必要に応じてその他の添加剤を含有させてもよい。
本発明の帯電防止組成物は、特に制限されるものではないが、通常、公知の塗工装置を用いて基材上に塗布した後、溶剤を除去して乾燥し、活性エネルギー線を照射して硬化させることにより、帯電防止層を形成する用途に用いられる。
また、基材としては、特に制限されるものではないが、例えば、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、トリアセチルセルロース樹脂、ノルボルネン系樹脂等の樹脂フィルムや樹脂基板を挙げることができる。
撹拌翼、滴下ロートおよびガスの導入口を備えたフラスコを乾燥窒素で充分置換した後、n−ブチルアルコール32gと金属ナトリウム1gを仕込み、撹拌して金属ナトリウムを溶解させた。次に、フラスコを40℃のオイルバスに浸漬し、撹拌しながらε−カプロラクトン500gを滴下ロートより滴下した。1時間後、撹拌を停止し、フラスコの内容物を取り出し、クロロホルム5Lに溶解した。得られた溶液を5Lの脱イオン水中に投入し、洗浄を行いクロロホルム層を分液した。この洗浄をもう一度繰り返し、クロロホルム溶液から減圧下に溶媒を留去して無色透明のポリエステルアルコールを得た。このポリエステルアルコールの水酸基価は56.1mg−KOH/gであった。
撹拌翼、還流冷却器、およびガス導入口を備えたフラスコに、オクチルポリエチレングリコールポリプロピレングリコールメタクリレート(商品名:「ブレンマー50POEP-800B」日本油脂製)18.0g、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド35.0g、シクロヘキシルメタクリレート14.0g、アゾビスイソブチロニトリル0.3g、イソプロピルアルコール100g、およびメチルエチルケトン40gを仕込み、窒素気流下、70℃で2時間重合した。重合終了後、反応液をヘキサン中に投入し、生成物を析出させた後乾燥した。得られた4級アンモニウム塩基含有ポリマーの数平均分子量は38,000で、収率は85%であった。
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(製品名:「NKエステルA−DPH」新中村化学工業製)40重量部、ジペンタエリスリトールペンタ/ヘキサアクリレート(製品名:「M−403」東亜合成製)25重量部、フェノキシエチルアクリレート(製品名:「ライトアクリレートPO−A」共栄社化学製)20重量部、N−ビニルホルムアミド(製品名:「ビームセット770」荒川化学工業製)10重量部、および合成例1で合成した4級アンモニウム塩基含有ポリマー5重量部、光重合開始剤としてイルガキュアー907(チバスペシャリティーケミカルズ製)3重量部からなる組成物を、メチルエチルケトン/イソプロピルアルコール/メチルイソブチルケトン=75/20/5(重量部比)の混合溶媒で固形分60重量%に希釈して本発明の帯電防止組成物を調製した。
(1)表面抵抗値:JIS K6911による。
(2)基材密着性:JIS K5400碁盤目テープ法(すきま間隔1mm)による。
(3)鉛筆硬度:JIS K5400による。
(4)耐擦傷性:スチールウール#0000を用い、1000g荷重にて10往復擦傷後、外観を目視にて評価。
(5)透明性:ヘーズ値(Hz)をJIS K7136によって求め、全光線透過率(TT)をJIS K7361−1にて求めた。
試験A(高温・高湿負荷):85℃、85%RHの雰囲気下に100時間放置した。
試験B(紫外線暴露):サンシャインカーボンアーク灯式耐光性試験機を用いて500
時間試験した。
表1,2より明らかなように、いずれの評価においても良好な結果が得られた。
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(製品名:「NKエステルA−DPH」新中村化学工業製)50重量部、ジペンタエリスリトールペンタ/ヘキサアクリレート(製品名:「M−403」東亜合成製)25重量部、フェノキシエチルアクリレート(製品名:「ライトアクリレートPO−A」共栄社化学製)10重量部、N−ビニルホルムアミド(製品名:「ビームセット770」荒川化学工業製)10重量部、および合成例2で合成した4級アンモニウム塩基含有ポリマー5重量部、光重合開始剤としてイルガキュアー907(チバスペシャリティーケミカルズ製)3重量部からなる組成物を、メチルエチルケトン/イソプロピルアルコール/メチルイソブチルケトン=75/20/5(重量部比)の混合溶媒で固形分60重量%に希釈して本発明の帯電防止組成物を調製した以外は実施例1と同様にして、帯電防止フィルムを得、同様に評価を行って、評価結果を表1および表2に示した。
表1,2より明らかなように、いずれの評価においても良好な結果が得られた。
イソホロンジイソシアネート38重量部、トリス−(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート15重量部、ペンタエリスリトールトリアクリレート52重量部、ジブチル錫ジオクトエート0.006重量部、4−メトキシフェノール0.1重量部を水分含有量0.1%の乾燥空気下、70℃で8時間反応させてウレタンアクリレートを合成した。
表1,2より明らかなように、いずれの評価においても良好な結果が得られた。
トリアセチルセルロースフィルムに代えて、ポリカーボネート樹脂フィルムを使用した以外は、実施例1と同様にして、帯電防止フィルムを得、同様に評価を行って、評価結果を表1および表2に示した。
表1,2より明らかなように、いずれの評価においても良好な結果が得られた。
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(製品名:「NKエステルA−DPH」新中村化学工業製)40重量部、ジペンタエリスリトールペンタ/ヘキサアクリレート(製品名:「M−403」東亜合成製)35重量部、フェノキシエチルアクリレート(製品名:「ライトアクリレートPO−A」共栄社化学製)20重量部、および合成例1で合成した4級アンモニウム塩基含有ポリマー5重量部、光重合開始剤としてイルガキュアー907(チバスペシャリティーケミカルズ製)3重量部からなる組成物を、メチルエチルケトン/イソプロピルアルコール/メチルイソブチルケトン=75/20/5(重量部比)の混合溶媒で固形分60重量%に希釈して帯電防止組成物を調製した以外は、実施例1と同様にして、帯電防止フィルムを得、同様に評価を行って、評価結果を表1および表2に示した。
表1,2より明らかなように、N−ビニルホルムアミドを含まない帯電防止組成物で形成された帯電防止フィルムは、透明性および帯電防止層の基材密着性の低いフィルムであった。
Claims (8)
- (メタ)アクリロイル基を有する化合物、4級アンモニウム塩基含有ポリマー、およびアミド基を有する重合性モノマーを含有することを特徴とする、帯電防止組成物。
- 該アミド基を有する重合性モノマーが、ビニル系化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の帯電防止組成物。
- 該ビニル系化合物が、N−ビニルホルムアミドであることを特徴とする、請求項2に記載の帯電防止組成物。
- 該4級アンモニウム塩基含有ポリマーが、
4級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリル酸エステルと、
(メタ)アクリル酸エステルおよび/またはスチレン系オリゴマーとの共重合体であることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の帯電防止組成物。 - 該4級アンモニウム塩基含有ポリマーが、
4級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリル酸エステルと、
(メタ)アクリル酸エステルおよび/または他の(メタ)アクリル酸エステルオリゴマーとの共重合体であることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の帯電防止組成物。 - 該アミド基を有する重合性モノマーの含有量が、該組成物中の固形分100重量部に対して、50重量部以下であることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれか一項に記載の帯電防止組成物。
- 基材上に、請求項1ないし6のいずれか一項に記載の帯電防止組成物を塗布して形成されることを特徴とする、帯電防止層。
- 基材および請求項7に記載の帯電防止層を有することを特徴とする、帯電防止フィルム。
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