JP2007326414A - 車両用操舵装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】自動操舵制御の中断後、ステアリングホイール1が手動操作され、舵取り車輪4が転舵されるときに、2次元座標系メモリ25の情報を読み出し、車両が車両周囲の障害物と干渉し得る方向に車輪4が転舵されるときには、その転舵操作を抑制するためのガイダンストルクを、反力アクチュエータ19を操作することにより発生させる。
【選択図】図1
Description
特許文献1に開示の技術では、車速の検出値とアクセル開度の検出値との関係に基づいて、駐車支援制御の中断の必要性が判断され、アクセルペダルの踏み込み動作から実際に車速が増加するまでの時間の遅れを考慮して、車速が駐車支援制御を中断すべき高い値に達する前に、未然に自動駐車制御を中断させるという技術である。
この発明は、また、車両用操舵装置が、自動操舵から手動操作に切り換わった際に、運転者が車両を周囲の障害物等に接触する方向に操舵することを防止して、運転者のうっかりミス等による誤操舵を防ぐようにした車両用操舵装置を提供することを他の目的とする。
上記構成では、運転者が操作部材(1)を操作することにより、舵取り機構(2、5)により舵取り車輪(4)を転舵させて、車両を所望の向きに操舵することができる。
また、運転者が自動走行モード設定手段(21)を操作することにより、自動走行制御が行われる状態にすることができる。自動走行制御(自動走行モード)では、車両が所定の走行(たとえば予め決められた駐車位置へ自動駐車するなど)を行うように、自動操舵制御手段(20、22)によって舵取り車輪(4)が転舵される。
そして、自動走行モードが中断したときには、2次元座標系記憶手段(25)から、自車両を中心とする周囲の障害物等に関する情報が読み出され、その読み出された情報に基づき、車両が車両周囲の障害物等と干渉し得る方向に手動操作によって車輪が転舵されるときには、その転舵操作を抑制するためのガイダンストルクが操作部材(1)に発生される。よって、このガイダンストルクに基づき、運転者は操作部材(1)をその方向へ操作してはいけないことに気付き、運転者のうっかり運転等によって、自動操舵制御中断後に、車両が周囲の障害物等と接触することを防止することができる。
図1は、この発明の一実施形態に係る車両用操舵装置の構成を説明するための図解図であり、いわゆるステア・バイ・ワイヤシステムの構成が示されている。この車両用操舵装置は、運転者が操向のために操作する操作部材としてのステアリングホイール1と、ステアリングホイール1が回転操作されることに応じて駆動される操舵用アクチュエータ2と、操舵用アクチュエータ2の駆動力を、舵取り車輪としてのたとえば前方左右車輪4に伝達するステアリングギヤ3とを備えている。ステアリングホイール1と、操舵用アクチュエータ2を含む舵取り機構5との間には、ステアリングホイール1に加えられた操作トルクが舵取り機構5に機械的に伝達されるような機械的な結合はなく、ステアリングホイール1の操作量(操作角または操作トルク)に応じて操舵用アクチュエータ2が駆動制御されることによって、車輪4が転舵されるようになっている。
これらの角度センサ11、トルクセンサ12、舵角センサ13、速度センサ14、横加速度センサ15およびヨーレートセンサ16は、コンピュータにより構成される制御装置20にそれぞれ接続されている。制御装置20は、駆動回路22、23を介して、操舵用アクチュエータ2および反力アクチュエータ19を制御するようになっている。制御装置20には、後述する自動駐車モードにおいて活用する2次元座標系メモリ(2次元座標系記憶手段)25が備えられている。
自動走行モード設定スイッチ21がオンされると、その信号が制御装置20に与えられ、車両用操舵装置は、制御装置20によって自動制御される。自動走行モードが自動駐車モードの場合には、後方モニタカメラ17や障害物センサ18の検出出力が活用される。
自車両Aを、現在位置P1から目標位置としての駐車位置P2までバック移動させて、側方駐車車両Bおよび後方駐車車両Cの間に縦列駐車させる場合を想定する。現在位置P1において、自車両Aの運転者は、自動走行モード設定スイッチ21(図1参照)を押し、自車両Aの車両用操舵装置を自動駐車モードにする。これに応答して、後方モニタカメラ17が作動され、自車両Aの後方の風景が撮像されて、その様子が自車両A内のモニタ画面(図示せず)に映し出される。運転者は、モニタ画面を確認しながら、モニタ画面において、駐車位置(目標位置)P2を指定する。
駐車位置P2が指定されると、制御装置20は、現在位置P1から駐車位置P2までの移動すべきコース、すなわち自車両Aが障害物等と接触せずに、駐車位置P2へ縦列駐車のためにバックで移動するべきコースを目標軌跡40として求める。
ここに、自車両Aの情報とは、たとえば自車両Aの位置および向き、自車両Aのスペック(ホイールベース長、トレッドベース長、その他)、現在のステアリングホイール1の操舵角、現在の車輪4の転舵角、速度センサ14により検出される車速V、横加速度センサ15により検出される横加速度Gy、ヨーレートセンサ16により検出されるヨーレートγ等の、自車両Aの位置情報および走行に関連する各種の情報である。
これらの情報は、自車両Aのたとえば中心部を原点0とし、原点0を通る直交するX軸およびY軸で表わされる2次元座標系における座標データとして2次元座標系メモリ25に記憶される。
そして、記憶された2次元座標系データは、自車両Aが、算出された目標軌跡40を辿るように移動されるに従い、自車両Aと周囲情報との位置関係が変化していくから、自車両情報および周囲情報は、自車両Aの移動に伴って随時更新して記憶されていく。
ところで、図2に図解的に示すように、自車両Aが目標軌跡40を辿るように自動駐車制御されている場合において、途中で何らかの原因、たとえば運転者が操舵介入したこと等に起因して、自車両Aの向きが大きく変わり、自動駐車制御が途中で中断し、たとえば図3に示す状態で自車両Aが停車されて、自動駐車制御が解除された場合を想定する。
この実施形態では、このような場合に、自車両Aが側方駐車車両Bの右後方角部51と接触するのを回避するために、運転者が操作しようとするステアリングホイール1に対してガイダンストルク(左回転の操舵を禁止するための左回転に対する反力トルク)を発生させて、運転者が自車両Aの現在の状況を十分に把握せずにうっかりとして手動運転を開始した場合における車両の接触等を防止する。
よって、制御装置20は、メモリ25に記憶されているこれら自車両情報および周囲情報に基づき、適切なガイダンストルクを発生させて、運転者に注意を促すことが可能である。
次に、図4の流れに従って、図1ないし図3を参照して、この実施形態における制御手順について説明をする。
制御が開始し、自動走行モード設定スイッチ21が押されて、自動駐車モードが設定された場合には(ステップS1でYES)、制御装置20により目標軌跡が演算される(ステップS2)。
そして、制御装置20により、駆動回路22を介して操舵用アクチュエータ2を含む舵取り機構5が自動操舵され、自動駐車制御が開始される(ステップS3)。
制御装置20は、自動駐車制御を行っている間に、自動駐車モードが解除されたか否かの判別をする(ステップS5)。自動駐車モードの解除は、たとえば、自動走行モード設定スイッチ21がオフされることや、その他の公知の方法により解除を実現することができる。公知の方法としては、たとえば、特開平10−114272号公報記載のように、運転者がブレーキペダルから足を離した場合や、運転者がステアリングホイール1を操作して操舵介入をした場合等を例示できる。
この演算は、メモリ25に更新記憶されている、自動駐車モードが解除される直前における、自車両Aと側方駐車車両Bとの位置関係、自車両Aの向き、自車両Aのスペック(ホイールベース長やトレッドベース長、回転半径等)、自車両Aの現在のステアリング操舵角、舵取り車輪4の現在の転舵角等に基づいて、自車両Aとたとえば側方車両Bとの現在の位置関係から、自車両の車速Vがいくらでどの方向に進行した場合に、側方駐車車両Bの右後方角部51と接触するか否かが算出される。
この実施形態によれば、このような接触が起こり得る状況の場合には、接触が起こる方向への操舵を禁止するために、接触方向への操舵禁止用ガイダンストルクを発生し、車両が接触事故を起こす等の不都合を未然に防止するものである。
Claims (1)
- 車両の操向のために運転者が操作する操作部材と、
前記操作部材が操作されることに応答して、舵取り車輪を転舵させる舵取り機構と、
自動走行制御が行われる状態にするための自動走行モード設定手段と、
自動走行制御中における自車両を中心とする周囲の障害物に関する情報を2次元座標系において更新しながら記憶する2次元座標系記憶手段と、
自動走行モードにおいて、車両が所定の走行を行うように、前記舵取り機構を制御する自動操舵制御手段と、
前記自動操舵制御手段による自動操舵制御の中断後、前記操作部材が操作され、前記舵取り機構により舵取り車輪が転舵されるときに、前記2次元座標系記憶手段の情報を読み出し、車両が車両周囲の障害物と干渉し得る方向に車輪が転舵されるときには、その転舵操作を抑制するためのガイダンストルクを前記操作部材に発生させる操舵抑制手段と、
を含むことを特徴とする車両用操舵装置。
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