JP2007324327A - ショットキバリアダイオードおよびエピタキシャル基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】オン抵抗の上昇を抑える共に、リーク電流を低減することが可能なショットキバリアダイオードの提供。
【解決手段】導電性III族窒化物基板13は、第1の面13aおよび第2の面13bを有する。また、導電性III族窒化物基板13は、1×10cm−2以下の転位密度D13を有する。n型窒化ガリウム系半導体ドリフト層15は、基板13の第1の面13a上に設けられており、また1×1017cm−3以下のキャリア濃度N15を有する。第1のn型窒化ガリウム系半導体層17は、n型窒化ガリウム系半導体ドリフト層15上に設けられており、また0.5×1017cm−3以下のキャリア濃度n17を有する。ショットキ電極19は、第1のn型窒化ガリウム系半導体層17にショットキ接合を成す。オーミック電極21は、基板13の第2の面上に設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、ショットキバリアダイオードおよびエピタキシャル基板に関する。
非特許文献1は、GaNおよびAlGaNのショットキ接合におけるリーク電流のメカニズムに関する文献である。GaNショットキダイオードが、サファイア基板上に作製された。サファイア基板上のGaNのドナ−濃度は1×1017cm−3であり、ショットキ電極はニッケル(Ni)からなる。実験結果が、表面欠陥の影響を考慮した薄い表面バリアモデルに基づいた計算と比較されており、GaNおよびAlGaNショットキバリアダイオードの実験のI−V−T特性を再現した。この文献における結果は、意図しない表面欠陥ドナーによるバリアの薄化は、トンネリングによる輸送過程を増加させることを意味している。
非特許文献2には、GaNショットキダイオードにおける逆方向リーク電流の一様でない空間分布について記載されている。GaNショットキダイオードが、GaNテンプレート上に作製された。サファイア基板上におけるバックグランドドナ−濃度は1×1015cm−3以下であり、ショットキ電極は白金(Pt)からなる。GaNショットキダイオードにおける逆方向リーク電流は、らせん転位の欠陥で生じている。
APPLIED PHYSICS LETTERS vol.84, No. 24, pp.4884-4886 APPLIED PHYSICS LETTERS vol.78, No. 12, pp.1685-1687
非特許文献1および2によれば、リーク電流の原因としていくつかの要因が議論されている。サファイア基板上にGaNショットバリアダイオードを作製する場合、窒化ガリムエピタキシャル層に転位が極めて多い。このため、非特許文献1および2にも記載されているように、これらのショットキバリアダイオードにはリーク電流が多い。
一方で、発明者らの実験によれば、比較的転位密度の低い窒化ガリウム基板上に設けられたエピタキシャル層を用いてショットキバリアダイオードを作製する場合でも、リーク電流が存在する。エピタキシャル層中のキャリア濃度を下げると、このリーク電流は小さくなると共に、耐圧は向上する。しかしながら、ショットキバリアダイオードのオン抵抗が上がってしまう。実用的なショットキバリアダイオードを得るためには、オン抵抗の上昇を抑えなければならない。
そこで、本発明の目的は、上記の事項を鑑みて為されたものであり、オン抵抗の上昇を抑える共に、リーク電流を低減することが可能なショットキバリアダイオードを提供すること、またショットキバリアダイオードのためのエピタキシャル基板を提供することとしている。
本発明の一側面によれば、ショットキバリアダイオードは、(a)第1および第2の面を有する1×10cm−2以下の転位密度の導電性III族窒化物基板と、(b)前記第1の面上に設けられており1×1017cm−3以下のキャリア濃度を有するn型窒化ガリウム系半導体ドリフト層と、(c)前記n型窒化ガリウム系半導体ドリフト層上に設けられており0.5×1017cm−3以下のキャリア濃度を有する第1のn型窒化ガリウム系半導体層と、(d)前記第1のn型窒化ガリウム系半導体層にショットキ接合を成すショットキ電極と、(e)前記第2の面上に設けられたオーミック電極とを備える。
このショットキバリアダイオードよれば、ショットキ電極が、n型窒化ガリウム系半導体ドリフト層のキャリア濃度より小さいキャリア濃度を有する第1のn型窒化ガリウム系半導体層にショットキ接合を成すので、ドナー性欠陥に起因するリーク電流を低減することができる。
本発明に係るショットキバリアダイオードでは、前記第1のn型窒化ガリウム系半導体層の厚さは10ナノメートル以上であることが好ましい。
このショットキバリアダイオードでは、第1のn型窒化ガリウム系半導体層の厚さが10ナノメートル以上であるので、低いリーク電流の値が安定して得られる。
本発明に係るショットキバリアダイオードでは、前記第1のn型窒化ガリウム系半導体層の厚さは前記n型窒化ガリウム系半導体ドリフト層の厚さの半分以下であることが好ましい。
このショットキバリアダイオードでは、第1のn型窒化ガリウム系半導体層の厚さがn型窒化ガリウム系半導体ドリフト層の厚さの半分以下であるので、オン抵抗の増加が抑制される。
本発明に係るショットキバリアダイオードは、前記導電性III族窒化物基板と前記n型窒化ガリウム系半導体ドリフト層との間に設けられており1×1017cm−3を超えるキャリア濃度を有する第2のn型窒化ガリウム系半導体層を更に備えることができる。
このショットキバリアダイオードでは、n型窒化ガリウム系半導体ドリフト層により所望の耐圧が得られると共に、第2のn型窒化ガリウム系半導体層によりオン抵抗の上昇が抑えられる。
本発明に係るショットキバリアダイオードでは、前記導電性III族窒化物基板はGaNから成り、前記第1のn型窒化ガリウム系半導体層はGaNから成ることが好ましい。このショットキバリアダイオードによれば、良好なGaN結晶を用いてショットキバリアダイオードが得られる。
本発明の別の側面によれば、エピタキシャル基板は、(a)第1および第2の面を有する1×10cm−2以下の転位密度の導電性III族窒化物基板と、(b)前記第1の面上に設けられており1×1017cm−3以下のキャリア濃度を有するn型窒化ガリウム系半導体ドリフト層と、(c)前記n型窒化ガリウム系半導体ドリフト層上に設けられており0.5×1017cm−3以下のキャリア濃度を有する第1のn型窒化ガリウム系半導体層とを備える。
このエピタキシャル基板によれば、オン抵抗の上昇を抑える共に、リーク電流を低減することが可能なショットキバリアダイオードを作製するために好適である。
本発明に係るエピタキシャル基板では、前記第1のn型窒化ガリウム系半導体層の厚さは10ナノメートル以上であることが好ましい。
このエピタキシャル基板によれば、第1のn型窒化ガリウム系半導体層の厚さが10ナノメートル以上であるので、第1のn型窒化ガリウム系半導体層にショットキ接合を形成しても低いリーク電流の値が安定して得られる。
本発明に係るエピタキシャル基板では、前記第1のn型窒化ガリウム系半導体層の厚さは前記n型窒化ガリウム系半導体ドリフト層の厚さの半分以下であることが好ましい。
このエピタキシャル基板によれば、第1のn型窒化ガリウム系半導体層の厚さがn型窒化ガリウム系半導体ドリフト層の厚さの半分以下であるので、第1のn型窒化ガリウム系半導体層にショットキ接合を形成したとき、ショットキバリアダイオードのオン抵抗の増加が抑制される。
本発明に係るエピタキシャル基板は、前記導電性III族窒化物基板と前記n型窒化ガリウム系半導体ドリフト層との間に設けられており1×1017cm−3を超えるキャリア濃度を有する第2のn型窒化ガリウム系半導体層を更に備えることができる。
このエピタキシャル基板では、第1のn型窒化ガリウム系半導体層にショットキ接合を形成したとき、n型窒化ガリウム系半導体ドリフト層により所望の耐圧が得られると共に、第2のn型窒化ガリウム系半導体層によりオン抵抗の上昇が抑えられる。
本発明に係るエピタキシャル基板では、前記導電性III族窒化物基板はGaNから成り、前記第1のn型窒化ガリウム系半導体層はGaNから成ることが好ましい。
このエピタキシャル基板によれば、良好なGaN結晶を用いてショットキバリアダイオードを作製することができる。
本発明の上記の目的および他の目的、特徴、並びに利点は、添付図面を参照して進められる本発明の好適な実施の形態の以下の詳細な記述から、より容易に明らかになる。
以上説明したように、本発明によれば、オン抵抗の上昇を抑える共に、リーク電流を低減することが可能なショットキバリアダイオードおよびエピタキシャル基板が提供される。
本発明の知見は、例示として示された添付図面を参照して以下の詳細な記述を考慮することによって容易に理解できる。引き続いて、添付図面を参照しながら、本発明のショットキバリアダイオードおよびエピタキシャル基板に係わる実施の形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付する。
(第1の実施の形態)
図1は、本実施の形態に係るショットキバリアダイオードを示す図面である。ショットキバリアダイオード11は、導電性III族窒化物基板13と、n型窒化ガリウム系半導体ドリフト層15と、第1のn型窒化ガリウム系半導体層17と、ショットキ電極19と、オーミック電極21とを備える。導電性III族窒化物基板13は、第1の面13aおよび第2の面13bを有する。また、導電性III族窒化物基板13は、1×10cm−2以下の転位密度D13を有する。n型窒化ガリウム系半導体ドリフト層15は、基板13の第1の面13a上に設けられており、また1×1017cm−3以下のキャリア濃度n15を有する。第1のn型窒化ガリウム系半導体層17は、n型窒化ガリウム系半導体ドリフト層15上に設けられており、また0.5×1017cm−3以下のキャリア濃度n17を有する。n型窒化ガリウム系半導体ドリフト層15は第1のn型窒化ガリウム系半導体層17とホモ接合16を成す。ショットキ電極19は、第1のn型窒化ガリウム系半導体層17にショットキ接合を成す。オーミック電極21は、基板13の第2の面13b上に設けられている。
このショットキバリアダイオード11よれば、ショットキ電極19は、n型窒化ガリウム系半導体ドリフト層15のキャリア濃度n15より小さいキャリア濃度n17を有する第1のn型窒化ガリウム系半導体層17にショットキ接合を成すので、ドナー性欠陥に起因するリーク電流を低減することができる。
ショットキバリアダイオード11は、第2のn型窒化ガリウム系半導体ドリフト層23を更に備えることができる。第2のn型窒化ガリウム系半導体ドリフト層23は、導電性III族窒化物基板13とn型窒化ガリウム系半導体ドリフト層15との間に設けられており、また1×1017cm−3を超えるキャリア濃度n23を有する。
ショットキバリアダイオード11では、n型窒化ガリウム系半導体ドリフト層15により所望の耐圧が得られると共に、第2のn型窒化ガリウム系半導体ドリフト層23によりオン抵抗の上昇が抑えられる。
ショットキバリアダイオード11では、導電性III族窒化物基板13はGaNから成ることが好ましい。また、第1のn型窒化ガリウム系半導体層17はGaNから成ることが好ましい。このショットキバリアダイオード11によれば、良好なGaN結晶を用いてショットキバリアダイオードが得られる。さらに、第2のn型窒化ガリウム系半導体層23はGaNから成ることが好ましい。
ショットキバリアダイオード11では、第1のn型窒化ガリウム系半導体層17の厚さL17は10ナノメートル以上であることが好ましい。第1のn型窒化ガリウム系半導体層17の厚さL17が10ナノメートル以上であるので、低いリーク電流の値が安定して得られる。また、第1のn型窒化ガリウム系半導体層17の厚さL17はn型窒化ガリウム系半導体ドリフト層15の厚さL15の半分以下であることが好ましい。第1のn型窒化ガリウム系半導体層17の厚さL17がn型窒化ガリウム系半導体ドリフト層15の厚さL15の半分以下であるので、オン抵抗の増加が充分に抑制される。
ショットキ電極19の材料としては、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、銀(Ag)、タングステン(W)、パラジウム(Pd)、銅(Cu)等を用いることができる。
(実施例1)
図2(A)、図2(B)、図3(A)、図3(B)、図4(A)および図4(B)を参照しながら、実施例を説明する。低転位導電性自立GaN基板31およびサファイアテンプレート41(「Sapテンプレート」と記す)を準備する。このGaN基板31の転位密度は1×10cm−2である。Sapテンプレート41は、サファイア基板41aとその上に形成されたGaN層41bとを含み、GaN層41bの転位密度は5×10cm−2である。これらのGaN基板31およびSapテンプレート41上に有機金属気相成長(OMVPE)炉を用いてエピタキシャル層の成長を行う。
GaN基板31およびSapテンプレート41をOMVPE炉に配置し、以下のような成長シーケンスを行う。
(1)まず、熱的クリーニングを行う。熱処理温度は摂氏990度であり、熱処理ガスとしてアンモニア(NH)および水素(H)を用いる。アンモニア流量は16.5slmであり、水素流量は3.5slmである。熱処理の圧力は26664.4パスカル(200torr)である。熱処理時間は600秒である。
(2)OMVPE炉を用いてGaN基板31およびSapテンプレート41上にn型GaN層(バッファ層)33、43の成長をそれぞれ行う。成長温度は摂氏1050度であり、成長圧力は26664.4パスカル(200torr)である。成膜のためのガスとして、トリメチルガリウム(TMG)、アンモニア、水素およびシランを用いる。アンモニアの流量は9slmであり、水素の流量は11slmである。トリメチルガリウムの流量は56sccmであり、また成長速度が2マイクロメートルになるように調整される。10ppmに希釈したシラン(SiH)の流量は10sccmであり、シリコン濃度が1×1018cm−3になるように調整される。3600秒の成長時間で約2マイクロメートルの窒化ガリウムを成長する。
(3)OMVPE炉を用いてn型GaN層33、43上にn型GaN層(ドリフト層)35、45の成長をそれぞれ行う。成長温度は摂氏1050度であり、成長圧力は26664.4パスカル(200torr)である。成膜のためのガスとして、トリメチルガリウム(TMG)、アンモニア、水素およびシランを用いる。アンモニアの流量は9slmであり、水素の流量は11slmである。トリメチルガリウムの流量は56sccmであり、また成長速度が2マイクロメートルになるように調整される。10ppmに希釈したシラン(SiH)の流量は0.3sccmであり、シリコン濃度が3×1016cm−3になるように調整される。180000秒の成長時間で約10マイクロメートルの窒化ガリウムを成長する。
図2(A)および図2(B)は、エピタキシャル基板Aおよびエピタキシャル基板Bを模式的に示す図面である。これらの手順により、GaN基板31上に設けられた約3×1016cm−3のドナー濃度のドリフト層35を有するエピタキシャル基板A、Sapテンプレート41上に設けられた約3×1016cm−3のドナー濃度のドリフト層45を有するエピタキシャル基板Bが作製される。
図3(A)および図3(B)は、エピタキシャル基板Cおよびエピタキシャル基板Dを模式的に示す図面である。上記の手順において、n型ドーパントガスの流量を調整して、GaN基板31上にそれぞれ設けられた約1×1016cm−3のドナー濃度のドリフト層55を有するエピタキシャル基板C、Sapテンプレート41上に設けられた約1×1016cm−3のドナー濃度のドリフト層65を有するエピタキシャル基板Dが作製される。
さらに、上記の手順(1)〜(3)に続けて成長シーケンスを行う、
(4)図4(A)および図4(B)に示されるように、ドリフト層の厚さよりも薄い厚さのn型GaN層57a、67aをドリフト層35、45上に形成する。具体的には、これらのn型GaN層57a、67aの成長をOMVPE炉を用いて行う。成長温度は摂氏1050度であり、成長圧力は26664.4パスカル(200torr)である。成膜のためのガスとして、トリメチルガリウム(TMG)、アンモニア、水素およびシランを用いる。アンモニアの流量は9slmであり、水素の流量は11slmである。トリメチルガリウムの流量は56sccmであり、また成長速度が2マイクロメートルになるように調整される。10ppmに希釈したシラン(SiH)の流量は0.1sccmであり、シリコン濃度が3×1016cm−3になるように調整される。180秒の成長時間で約0.1マイクロメートルの窒化ガリウムを成長する。
図4(A)および図4(B)は、エピタキシャル基板Eおよびエピタキシャル基板Fを模式的に示す図面である。GaN基板31上に設けられた約3×1016cm−3のドナー濃度のドリフト層35および約1×1016cm−3のドナー濃度のn型GaN層57aとを有するエピタキシャル基板E、Sapテンプレート41上に設けられた約3×1016cm−3のドナー濃度のドリフト層45と約1×1016cm−3のドナー濃度のn型GaN層67aとを有するエピタキシャル基板Fが作製される。
これらのエピタキシャル基板A〜F上にショットキ電極を形成する。ショットキ電極の材料として、金(Au)を使用し、抵抗加熱法を用いて真空蒸着を行った。ダブルショットキ電極をショットキバリアダイオードの評価を用いて行った。評価として、オン抵抗Ronといった順方向特性、ブレークダウン電圧(耐圧)VBおよびリーク電流IRLといった逆方向特性を測定する。ここでは、オン抵抗Ron(単位:mΩcm)は200A/cmの電流密度における微分抵抗であり、耐圧(単位:V)は、1mA/cmの逆方向電流密度における電圧であり、リーク電流IRL(単位:mA/cm)は逆方向電圧100Vにおける電流密度である。
試料 耐圧(V) リーク電流(A/cm) オン抵抗(mΩcm
A.(GaN基板、3×1016エピタキシャル層)
241 7.9×10−8 0.71
B.(Sapテンプレート、3×1016エピタキシャル層)
146 2.5×10−6 12.3
C.(GaN基板、1×1016エピタキシャル層)
638 6.3×10−10 1.56
D.(Sapテンプレート、1×1016エピタキシャル層)
342 4.0×10−8 28.6
E.(GaN基板、1×1016/3×1016エピタキシャル層)
360 5.9×10−9 0.73
F.(Sapテンプレート、1×1016/3×1016エピタキシャル層)
148 1.6×10−6 12.8
これらの測定結果から以下のことが理解される。
Sapテンプレートを用いたショットキバリアダイオード(試料B、D、F)では、ドリフト層にショットキ接合を成すショットキ電極を含むショットキバリアダイオード(試料B、D)と、このドリフト層よりも小さいドーパント(ドナー)濃度のエピタキシャル層にショットキ接合を成すショットキ電極を含むショットキバリアダイオード(試料F)を比べるとき、ショットキバリアダイオード(試料F)のオン抵抗がショットキバリアダイオード(試料B、D)のオン抵抗に比べて実質的に上昇することはない。同時に、ショットキバリアダイオード(試料F)のリーク電流がショットキバリアダイオード(試料B、D)のリーク電流に比べて実質的に低減されるということはなく、さらにショットキバリアダイオード(試料F)の耐圧がショットキバリアダイオード(試料B、D)の耐圧に比べて実質的に向上するということもない。
低転位GaN基板を用いたショットキバリアダイオード(試料A、C、E)では、ドリフト層にショットキ接合を成すショットキ電極を含むショットキバリアダイオード(試料A、C)と、このドリフト層よりも小さいドーパント(ドナー)濃度のエピタキシャル層にショットキ接合を成すショットキ電極を含むショットキバリアダイオード(試料E)を比べるとき、ショットキバリアダイオード(試料E)のオン抵抗はショットキバリアダイオード(試料A、C)のオン抵抗に比べて実質的に上昇することない。ショットキバリアダイオード(試料E)のリーク電流はショットキバリアダイオード(試料A)のリーク電流に比べて低減される。ショットキバリアダイオード(試料F)の耐圧はショットキバリアダイオード(試料A)の耐圧に比べて向上される。
したがって、低転位のGaN基板を用いると共に、ドリフト層のドーパント濃度よりも小さいドナー濃度のn型窒化ガリウム系半導体層をドリフト層上に設けると、オン抵抗の実質的な上昇なくリーク電流および耐圧を向上させることができる。
(実施例2)
図5(A)および図5(B)は、エピタキシャル基板Gおよびエピタキシャル基板Hを模式的に示す図面である。上記の手順(1)〜(3)に続けて成長シーケンスを行うと共に、手順(4)における成長時間を調整してエピタキシャ基板G、Hを作製する。エピタキシャル基板Gは、GaN基板31上に設けられた約3×1016cm−3のドナー濃度、10μm厚のドリフト層35および約1×1016cm−3のドナー濃度、10nm厚のn型GaN層57bとを有する。エピタキシャル基板Hは、GaN基板31上に設けられた約3×1016cm−3のドナー濃度のドリフト層35と約1×1016cm−3のドナー濃度、5μm厚のn型GaN層57cとを有する。
実施例1と同様に、これらのエピタキシャル基板G、H上にショットキ電極を形成する。エピタキシャル基板G、Hの評価を同様に行う。
試料 耐圧(V) リーク電流(A/cm) オン抵抗(mΩcm
A.(GaN基板、3×1016(10μm)エピタキシャル層)
241 7.9×10−8 0.71
C.(GaN基板、1×1016(10μm)エピタキシャル層)
638 6.3×10−10 1.56
E.(GaN基板、1×1016(100nm)/3×1016(10μm)エピタキシャル層)
360 5.9×10−9 0.73
G.(GaN基板、1×1016(10nm)/3×1016(10μm)エピタキシャル層)
255 6.7×10−8 0.71
H.(GaN基板、1×1016(5μm)/3×1016(10μm)エピタキシャル層)
560 1.5×10−10 1.46
これらの測定結果から以下のことが理解される。
低転位GaN基板を用いたショットキバリアダイオード(試料A、E、G、H)では、ドリフト層にショットキ接合を成すショットキ電極を含むショットキバリアダイオード(試料A)と、このドリフト層よりも小さいドーパント(ドナー)濃度のエピタキシャル層にショットキ接合を成すショットキ電極を含むショットキバリアダイオード(試料G)を比べるとき、ショットキバリアダイオード(試料G)のオン抵抗は、それぞれ、ショットキバリアダイオード(試料A)のオン抵抗に比べて実質的な変わらない。また、ショットキバリアダイオード(試料G)の耐圧およびリーク電流はショットキバリアダイオード(試料A)の耐圧およびリーク電流に比べて実質的に優れている。これ故に、ドリフト層よりも小さいドーパント(ドナー)濃度のエピタキシャル層の厚さは、少なくとも10nmであることが好ましい。
ショットキバリアダイオード(試料H)の耐圧およびリーク電流は、それぞれ、ショットキバリアダイオード(試料C)の耐圧およびリーク電流に比べて実質的な変わらない。また、ショットキバリアダイオード(試料H)のオン抵抗はショットキバリアダイオード(試料C)のオン抵抗に比べて実質的に優れている。これ故に、10μm厚のドリフト層に対して、ドリフト層よりも小さいドーパント(ドナー)濃度のエピタキシャル層の厚さは5μm以下であることが好ましい。したがって、第1のn型窒化ガリウム系半導体層17の厚さL17がn型窒化ガリウム系半導体ドリフト層15の厚さL15の半分以下であることが好ましく、これによれば、オン抵抗の増加が抑制される。
以上説明したように、GaNエピタキシャル領域にショットキ接合を形成したショットキバリアダイオードのリーク電流は多いけれども、GaNエピタキシャル領域のキャリア濃度を下げると、リーク電流を低減することが可能となるが、オン抵抗が大きくなる。表面付近の実効キャリアは、GaNエピタキシャル領域の表面に多数形成されるドナー性欠陥からのキャリアとドナードーパントからのキャリアとからなると考えられる。このドナー性欠陥に起因してリーク電流の大部分が生じていると考えると、表面のドーピング濃度を下げて表層のキャリアを減らすことにより、表面付近の実効キャリア濃度を高くすることなくリーク電流が低減できる。これにより、リーク電流の低減と耐圧の維持または向上が達成される。ドーパントからのキャリア濃度は表面付近で下がるけれども、この低下分は、表面欠陥起因のドナーからのキャリアにより補われるので、オン抵抗は実質的に上昇しない。
サファイアテンプレートを用いるショットキバリアダイオードは、低転位GaN基板を用いたショットキバリアダイオードと異なる特性を示す。GaNエピタキシャル領域にショットキ接合を形成したショットキバリアダイオードのリーク電流の原因としては、転位に起因のものと表面の欠陥起因のものとがある。
好適な実施の形態において本発明の原理を図示し説明してきたが、本発明は、そのような原理から逸脱することなく配置および詳細において変更され得ることは、当業者によって認識される。本発明は、本実施の形態に開示された特定の構成に限定されるものではない。したがって、特許請求の範囲およびその精神の範囲から来る全ての修正および変更に権利を請求する。
図1は、本実施の形態に係るショットキバリアダイオードを示す図面である。 図2(A)および図2(B)は、エピタキシャル基板Aおよびエピタキシャル基板Bを模式的に示す図面である。 図3(A)および図3(B)は、エピタキシャル基板Cおよびエピタキシャル基板Dを模式的に示す図面である。 図4(A)および図4(B)は、エピタキシャル基板Eおよびエピタキシャル基板Fを模式的に示す図面である。 図5(A)および図5(B)は、エピタキシャル基板Gおよびエピタキシャル基板Hを模式的に示す図面である。
符号の説明
11…ショットキバリアダイオード、13…導電性III族窒化物基板、15…n型窒化ガリウム系半導体ドリフト層、17…第1のn型窒化ガリウム系半導体層、19…ショットキ電極、21…オーミック電極、23…第2のn型窒化ガリウム系半導体ドリフト層、L17…第1のn型窒化ガリウム系半導体層の厚さ、L15…n型窒化ガリウム系半導体ドリフト層の厚さ、31…低転位導電性自立GaN基板、33、43…n型GaN層、35、45…n型GaN層、41…サファイアテンプレート、41a…サファイア基板、41b…GaN層、A〜H…エピタキシャル基板、A〜H…ショットキバリアダイオード、55…ドリフト層、65…ドリフト層、57a、67a…n型GaN層、57b…n型GaN層、57c…n型GaN層

Claims (10)

  1. 第1および第2の面を有する1×10cm−2以下の転位密度の導電性III族窒化物基板と、
    前記第1の面上に設けられており1×1017cm−3以下のキャリア濃度を有するn型窒化ガリウム系半導体ドリフト層と、
    前記n型窒化ガリウム系半導体ドリフト層上に設けられており0.5×1017cm−3以下のキャリア濃度を有する第1のn型窒化ガリウム系半導体層と、
    前記第1のn型窒化ガリウム系半導体層にショットキ接合を成すショットキ電極と、
    前記第2の面上に設けられたオーミック電極と
    を備える、ことを特徴とするショットキバリアダイオード。
  2. 前記第1のn型窒化ガリウム系半導体層の厚さは10ナノメートル以上である、ことを特徴とする請求項1に記載されたショットキバリアダイオード。
  3. 前記第1のn型窒化ガリウム系半導体層の厚さは前記n型窒化ガリウム系半導体ドリフト層の厚さの半分以下である、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載されたショットキバリアダイオード。
  4. 前記導電性III族窒化物基板と前記n型窒化ガリウム系半導体ドリフト層との間に設けられており1×1017cm−3を超えるキャリア濃度を有する第2のn型窒化ガリウム系半導体層を更に備える、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載されたショットキバリアダイオード。
  5. 前記導電性III族窒化物基板はGaNから成り、
    前記第1のn型窒化ガリウム系半導体層はGaNから成る、ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載されたショットキバリアダイオード。
  6. 第1および第2の面を有する1×10cm−2以下の転位密度の導電性III族窒化物基板と、
    前記第1の面上に設けられており1×1017cm−3以下のキャリア濃度を有するn型窒化ガリウム系半導体ドリフト層と、
    前記n型窒化ガリウム系半導体ドリフト層上に設けられており0.5×1017cm−3以下のキャリア濃度を有する第1のn型窒化ガリウム系半導体層と
    を備える、ことを特徴とするエピタキシャル基板。
  7. 前記第1のn型窒化ガリウム系半導体層の厚さは10ナノメートル以上である、ことを特徴とする請求項6に記載されたエピタキシャル基板。
  8. 前記第1のn型窒化ガリウム系半導体層の厚さは前記n型窒化ガリウム系半導体ドリフト層の厚さの半分以下である、ことを特徴とする請求項6または請求項7に記載されたエピタキシャル基板。
  9. 前記導電性III族窒化物基板と前記n型窒化ガリウム系半導体ドリフト層との間に設けられており1×1017cm−3を超えるキャリア濃度を有する第2のn型窒化ガリウム系半導体層を更に備える、ことを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項に記載されたエピタキシャル基板。
  10. 前記導電性III族窒化物基板はGaNから成り、
    前記第1のn型窒化ガリウム系半導体層はGaNから成る、ことを特徴とする請求項6〜請求項9のいずれか一項に記載されたエピタキシャル基板。
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