以下に本発明の実施の形態を説明するが、本発明の構成要件と、発明の詳細な説明に記載の実施の形態との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、本発明をサポートする実施の形態が、発明の詳細な説明に記載されていることを確認するためのものである。従って、発明の詳細な説明中には記載されているが、本発明の構成要件に対応する実施の形態として、ここには記載されていない実施の形態があったとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、実施の形態が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
すなわち、本発明の払出装置の一側面は、遊技媒体を払い出す払出手段(例えば、図7の遊技媒体払出部85)と、所定数の前記遊技媒体の払い出しが要求された場合、前記所定数の遊技媒体の対価に対応する徴収税額を累積的に蓄積する蓄積手段(例えば、図7の消費税徴収履歴管理部271)と、前記所定数の前記遊技媒体の払い出しが要求された場合、有価価値媒体に記録される有価価値が、前記所定数の遊技媒体の対価と、前記蓄積手段により蓄積されている徴収税額との合算金額より大きいか否かを判定する所定数払出判定手段(例えば、図7の所定数判定部241)と、前記所定数払出判定手段により、前記有価価値媒体に記録されている有価価値が、前記所定数の遊技媒体の対価と、前記蓄積手段により蓄積されている徴収税額との合算金額より大きいと判定されたとき、前記所定数の遊技媒体を払い出すように前記払出手段を制御する払出制御手段(例えば、図7の遊技媒体払出制御部83)と、前記払出制御手段により前記所定数の遊技媒体を払い出すように前記払出手段が制御されたとき、前記払出手段により払い出された前記遊技媒体の対価分を減算して、前記有価価値媒体に記録されている有価価値を更新する更新手段(例えば、図7の有価価値媒体情報読取書込制御部273)と、前記所定数払出判定手段により、前記有価価値媒体に記録されている有価価値が、前記所定数の遊技媒体の対価と、前記蓄積手段により蓄積されている徴収税額との合算金額より大きくないと判定された場合、前記有価価値媒体に記録されている有価価値と、前記蓄積手段により蓄積されている徴収税額との差が前記遊技媒体の単価以上であるか否かを判定する端数払出判定手段(例えば、図7の端数判定部242)とを含み、前記端数払出判定手段により前記有価価値媒体に記録されている有価価値と、前記蓄積手段により蓄積されている徴収税額との差が前記遊技媒体の単価以上であると判定された場合、前記払出制御手段(例えば、図7の遊技媒体払出制御部83)は、前記有価価値媒体に記録されている有価価値と、前記蓄積手段により蓄積されている徴収税額との差に相当する対価の遊技媒体を払い出すように前記払出手段を制御する。
前記有価価値媒体の返却が要求された場合、前記有価価値媒体が返却される前に、前記更新手段(例えば、図7の有価価値媒体情報読取書込制御部273)には、前記蓄積手段により蓄積されている徴収税額を、前記有価価値媒体に記録されている有価価値より減算して更新させるようにすることができる。
前記端数払出判定手段(例えば、図7の端数判定部242)により前記有価価値媒体に記録されている有価価値と、前記蓄積手段により蓄積されている徴収税額との差が前記遊技媒体の単価以上であると判定された場合であって、前記差が前記単価の倍数ではなく、前記単価より小さな端数が発生するとき、または、前記端数払出判定手段(例えば、図7の端数判定部242)により前記有価価値媒体に記録されている有価価値と、前記蓄積手段により蓄積されている徴収税額との差が前記遊技媒体の単価以上ではないと判定され、前記単価より小さな端数が発生する場合、前記更新手段(例えば、図7の有価価値媒体情報読取書込制御部273)には、前記有価価値媒体に記録されている有価価値として、前記端数を未納金として記録することにより、前記有価価値を更新させるようにすることができる。
本発明の払出方法の一側面は、遊技媒体を払い出す払出ステップ(例えば、図12のステップS110の処理)と、所定数の前記遊技媒体の払い出しが要求された場合(例えば、図12のステップS108の処理におけるYesの場合)、前記所定数の遊技媒体の対価に対応する徴収税額を累積的に蓄積する蓄積ステップ(例えば、図12のステップS112の処理)と、前記所定数の前記遊技媒体の払い出しが要求された場合、有価価値媒体に記録される有価価値が、前記所定数の遊技媒体の対価と、前記蓄積手段により蓄積されている徴収税額との合算金額より大きいか否かを判定する所定数払出判定ステップ(例えば、図12のステップS109の処理)と、前記所定数払出判定ステップの処理により、前記有価価値媒体に記録されている有価価値が、前記所定数の遊技媒体の対価と、前記蓄積ステップの処理により蓄積されている徴収税額との合算金額より大きいと判定されたとき、前記所定数の遊技媒体を払い出すように前記払出手段を制御する払出制御ステップ(例えば、図12のステップS110の処理)と、前記払出制御ステップの処理により前記所定数の遊技媒体を払い出すように前記払出ステップの処理が制御されたとき、前記払出ステップの処理により払い出された前記遊技媒体の対価分を減算して、前記有価価値媒体に記録されている有価価値を更新する更新ステップ(例えば、図12のステップS111の処理)と、前記所定数払出判定ステップの処理により、前記有価価値媒体に記録されている有価価値が、前記所定数の遊技媒体の対価と、前記蓄積手段により蓄積されている徴収税額との合算金額より大きくないと判定された場合、前記有価価値媒体に記録されている有価価値と、前記蓄積ステップの処理により蓄積されている徴収税額との差が前記遊技媒体の単価以上であるか否かを判定する端数払出判定手段(例えば、図12のステップS114の処理)とを含み、前記端数払出判定ステップの処理により前記有価価値媒体に記録されている有価価値と、前記蓄積ステップの処理により蓄積されている徴収税額との差が前記遊技媒体の単価以上であると判定された場合(例えば、図12のステップS114の処理でYesの場合)、前記払出制御ステップの処理は、前記有価価値媒体に記録されている有価価値と、前記蓄積手段により蓄積されている徴収税額との差に相当する対価の遊技媒体を払い出すように前記払出ステップの処理を制御する(例えば、図12のステップS115の処理)。
図1は、本発明に係る遊技店の遊技媒体貸出管理システムの一実施の形態の構成を示す図である。
遊技店1−1乃至1−nは、いわゆるパチンコ店、または、パチスロ店である。また、これらの遊技店1−1乃至1−nは、系列店舗または第3者遊技店管理センタの加盟店であって、複数の店舗を統括的に管理する必要のある店舗である。各遊技店1−1乃至1−nは、第3者遊技店管理バス2により接続されており、第3者遊技店管理バス2およびインターネット等に代表される公衆通信回線網3を介して、相互にそれぞれ第3者遊技店管理情報を授受している。尚、以降において、遊技店1−1乃至1−nのそれぞれについて、特に区別する必要がない場合、単に、遊技店1と称するものとし、その他の構成についても同様に称するものとする。
第3者遊技店管理センタ4は、第3者遊技店管理センタを管理運営する事業者により使用されるサーバである。管理部4aは、第3者遊技店管理データベース(DB)5で管理されている媒体貸出管理情報からなるDBを各遊技店1より供給されてくる情報に基づいて更新することで、順次蓄積すると供に、更新した最新の媒体貸出管理情報をRTC(Real Time Clock)4bにより発生される時刻情報に基づいて、所定時間間隔で各遊技店1の媒体貸出管理装置24に対して配信する。
遊技店管理装置21は、いわゆるホールコンピュータと呼ばれるものであり、遊技店管理情報バス31を介して遊技台36−1乃至36−mの動作を監視している。遊技店管理装置21は、遊技台36の出玉もしくはメダルの払い出しの情報、各遊技台36−1乃至36−mの遊技者の呼び出し情報、またはエラーの発生などの監視状況に応じて、所定の処理を実行し、実行結果をCRT(Cathode Tube Ray)またはLCD(Liquid Crystal Display)などからなる表示部22に表示する。遊技店管理装置21は、精算販売機32、貸出機33、計数機34、貯球払機35、遊技台36−1乃至36−m、および遊技媒体貸出装置37−1乃至37−mのそれぞれより供給されてくる情報を、それぞれを識別する識別情報(例えば、遊技台番号)とを対応付けて遊技台管理データベース23により管理する。
媒体貸出管理装置24は、精算販売機32、貸出機33、および計数機34、貯球払機35、および遊技媒体貸出装置36からの情報に基づいて、貸し出される遊技媒体の媒体貸出管理情報を媒体貸出管理データベース26を用いて管理すると供に、媒体貸出管理データベース26に登録されている媒体貸出管理情報を更新する際、その更新情報を、第3者遊技店管理バス2および公衆通信回線網3を介して第3者遊技店管理センタ4に送る。さらに、媒体貸出管理装置24は、第3者遊技店管理バス2および公衆通信回線網3を介して第3者遊技店管理センタ4により供給されてくる媒体貸出管理情報を取得し、媒体貸出管理データベース26に蓄積させる。
貸出機33は、遊技者が遊技台36で遊技する際、現金やプリペイドカードなどにより所定の金額を受け付けると、金額に応じた個数の遊技媒体を貸し出す。この際、貸出機33は、受け付けた現金やプリペイドカードの残数などの情報と供に、貸し出した遊技媒体の個数の情報を媒体貸出管理装置24に供給する。これにより、媒体貸出管理装置24は、受け付けた現金やプリペイドカードの残数などの情報と供に、貸し出した遊技媒体の個数の情報をプリペイドカードなどの有価価値媒体情報として、媒体貸出管理情報データベース29に登録する。
精算販売機32は、貸球を借りるための遊技度数をつけてプリペイドカードのような使い捨ての有価価値媒体(ビジタ型有価価値媒体)を販売する。このとき、精算販売機32は、販売した有価価値媒体の遊技度数や払いうけた金額を媒体貸出管理装置24に供給する。また、精算販売機32は、有価価値媒体などの遊技度数として貸し出した遊技媒体の残数に基づいて現金を精算して払い出す。このとき、精算販売機32は、有価価値媒体の残数と払い戻した現金の金額を媒体貸出管理装置24に供給する。また、精算販売機32は、遊技者が所定の手続により入会することで得られる会員カードと一体化した有価価値媒体を発行することもでき、同様に遊技球を貸出すことができる。さらに、精算販売機32は、現金を受け付けて会員カード型の有価価値媒体(会員カード型有価価値媒体)に、受け付けた金額に応じて遊技度数をチャージさせることができる。
計数機34は、遊技者が遊技台36により遊技することにより獲得した遊技媒体の数を、計数し、計数結果を磁気カードやレシートなどとして出力する。
貯球払機35は、遊技者が、遊技台36を遊技することにより得られた遊技球などの遊技媒体の個数を貯球すると供に、貯球した遊技球数などの情報を遊技者の所有する会員カード(有価価値媒体)に記録する。また、貯球払機35は、会員カード(有価価値媒体)に記録された貯球の情報に基づいて、必要に応じて貯球されている遊技球を払い出し、払い出すことにより変化した貯球の情報を会員カードに記録(更新)する。
遊技台36−1乃至36−mは、例えば、図2で示されるように、遊技者によりハンドル54が回転されるといった所定の操作がなされることにより、遊技を実行し、いわゆる小当たりや大当たりに応じて、遊技球、または、メダルを払い出す。
遊技媒体貸出装置37−1乃至37−mは、例えば、図2で示されるように、各遊技台36−1乃至36−mに対応して設けられている、いわゆる台間機であり、台間球貸機(原理的には、貸出機33と同様のもの)などが設けられている。
次に、遊技台36および遊技媒体貸出装置37の詳細な構成について説明する。
図2で示されるように、遊技台36には、中央部分に表示部51、貸出ボタン52、および返却ボタン53が設けられており、右下部分にハンドル54が設けられている。表示部51は、遊技媒体貸出装置37に挿入された有価価値媒体301または321(図8,図9)に記録されている遊技度数を表示する。貸出ボタン52は、遊技者が遊技媒体である遊技球を借りたいとき、操作されるボタンである。返却ボタン53は、遊技者が遊技台36に対応して設けられている遊技媒体貸出装置37に投入したビジタ型有価価値媒体、または会員カード型有価価値媒体の返却を要求するとき操作される。
また、図3で示されるように、遊技媒体貸出装置37には、上から紙幣投入返却口61、表示部62、操作部63、ノズル64、ICコイン型有価価値媒体投入部65、カード型有価価値媒体投入返却部66、およびICコイン型有価価値媒体返却部67が設けられている。
紙幣投入返却口61は、遊技媒体である遊技球を借りるとき遊技者より紙幣が投入される。また、後述する紙幣投入返却口61より投入された紙幣の真偽判定により真券ではないと判定された場合、紙幣投入返却口61は、投入された紙幣を返却する。表示部62は、遊技媒体貸出装置37に挿入された有価価値媒体301または321(図8,図9)に記録されている遊技度数を表示する。操作部63は、遊技媒体の貸出を要求するとき操作される。ノズル64は、遊技媒体である遊技球を貸し出すとき、貸し出す遊技球を排出する。
ICコイン型有価価値媒体投入部65は、ICコイン型の有価価値媒体が挿入されると、挿入されたICコイン型の有価価値媒体を有価価値媒体投入返却部87(図4)に搬送する。また、ICコイン型有価価値媒体返却部67は、ICコイン型有価価値媒体の返却が要求されたとき、有価価値媒体投入返却部87より排出されるICコイン型有価価値媒体を搬出することにより返却する。カード型有価価値媒体投入返却部66は、挿入されるカード型の有価価値媒体を、有価価値媒体が、有価価値媒体情報を有価価値媒体情報読取書込制御部273(図7)と通信できる位置にまで搬送させると供に、カード型有価価値媒体の返却が要求されたとき、カード型有価価値媒体を排出することにより返却する。このように、有価価値媒体には、ICコイン型の形式のものと、カード型の形式のものとが存在するが、いずれにおいても、有価価値媒体情報の読み出し、または、書き込みについては、有価価値媒体情報読取書込制御部273との通信により実現される。尚、当然のことながら、ICコイン型の形式のものと、カード型の形式のものと、それぞれについて有価価値媒体情報の読み出し、または、書き込みを行う機構を設けるようにしても良いことは言うまでもない。
次に、図4を参照して、遊技媒体貸出装置37の内部構成について詳細を説明する。図4は、遊技媒体貸出装置37の側面断面図である。
遊技媒体貸出装置37の上前部には、紙幣識別装置81が設けられており、紙幣投入返却口61より投入された紙幣が真券であるか否かを判定し、真券である場合、有価価値媒体投入返却部87に供給する。消費税対応制御部82は、遊技球の貸出に際して発生する対価に見合う消費税を計算する。遊技媒体払出制御部83は、消費税対応制御部82、および、後述する有価価値媒体投入返却部87からの情報に基づいて、遊技媒体払出部85を制御して、図5で示されるように、遊技媒体供給通路84を介して供給される遊技球を払出通路86を介してノズル64より遊技者に貸し出す。尚、遊技媒体払出制御部83は、貸し出すべき遊技球を払いだせれば必ずしもノズル64から払い出す必要は無く、例えば、遊技台36の内部に設けられている遊技球の払い出し機構を制御して払い出すようにしても良い。
尚、本実施例においては、遊技球の貸し出し料金に科せられる税金として消費税の場合について説明を進めるものとするが、計算される課税額は、遊技球の貸し出し料金に対応して課税される金額であればよいので、必ずしも消費税に限るものではなく、その他の税金や、追加徴収される料金などであってもよい。
より詳細には、遊技媒体払出部85は、図6の上部で示されるように、遊技媒体供給通路84より供給される遊技球を遊技球供給口121で受けると、遊技球と略同径の媒体通路131,132を介して、払出口134より後段の払出通路86に払い出す。この際、遊技媒体払出部85は、スプロケット135の回転を制御することにより、排出する遊技球の個数を制御する。より具体的には、遊技媒体払出部85は、遊技球を払い出すとき、検出部136で遊技球を検出している状態で、スプロケット135を図中の回転方向に回転させ、計数部133により遊技球の球数を計測して、所定数分だけを払い出した後、スプロケット135の回転を停止させる。この処理により、遊技媒体払出部85は、スプロケット135の回転により払い出す遊技球の個数を制御する。
尚、図6の上段は、遊技媒体払出部85の外観斜視図であり、図6の中段は、遊技媒体払出部85の側面断面図であり、図6の下段は、遊技媒体払出部85の媒体通路131,132およびスプロケット135のみを示した側面断面図である。
遊技媒体投入返却部87は、ICコイン型有価価値媒体投入部65より、投入通路88を介して投入されたICコイン型有価価値媒体に記録されている有価価値を、有価価値媒体読取書込部273を制御して読み出し、読み出した有価価値の情報を遊技媒体払出制御部83に供給する。
遊技媒体投入返却部87においては、通路93を介して、図示せぬICコイン型有価価値媒体のホッパよりICに有価価値のデータが記録されていないICコイン有価価値媒体が搬送部92に供給される。または、遊技者がICコインをICコイン型有価価値媒体投入部65にICコイン型有価価値媒体を投入すると投入通路88を介して、投入されたICコイン型有価価値媒体が搬送部92に供給される。
搬送部92は、図4で示されるように、略円盤状の一部に凹部が設けられた形状であり、その中心部92aを軸として、図中の矢印AまたはB方向に回転する。また、搬送部92の凹部は、通路93または投入通路88より供給されてくるICコイン型有価価値媒体を捕捉できる程度の大きさの窪みであり、通常、図4で示されるように搬送部92の中心92aの垂直上方に固定された状態となっている。
さらに、図4で示されるように、搬送部92の凹部にICコイン型有価価値媒体が固定される位置は、ICコイン型有価価値媒体が停留する位置と、略同位置の高さであって、ICコイン型有価価値媒体の面と平行となる位置に有価価値媒体情報読取書込部91が設けられており、必要に応じてICコイン型有価価値媒体のICに記録されている情報を読み出す、または、ICコイン型有価価値媒体のICに情報を記録する。
また、搬送部92は、ICコイン型有価価値媒体が投入された状態、すなわち、搬送部92の凹部によりICコイン型有価価値媒体が固定されている状態において、例えば、ICコイン型有価価値媒体に有価価値、すなわち、遊技度数が0の状態であって、返却の必要が無いような場合、図中の矢印A方向に回転することで、使用済みのICコイン型有価価値媒体を通路90を介して回収部94に排出して、ICコイン型有価価値媒体を回収する。また、ICコイン型有価価値媒体であっても、有価価値、すなわち、遊技度数が0以上であり、遊技者により返却が求められた場合、搬送部92は、図中の矢印B方向に回転することにより、返却通路89を介して、ICコイン型有価価値媒体返却部67にICコイン型有価価値媒体を排出することで、ICコイン型有価価値媒体を返却する。
尚、以上においては、ICコイン型有価価値媒体の例にのみ詳細を説明してきたが、カード型有価価値媒体に対応した、機能上は、磁気式、または、IC式などのカード型有価価値媒体の有価価値媒体情報を記録更新できる有価価値媒体情報読取書込部91と同一のものが図示しないが設けられている。
次に、図7を参照して、媒体貸出管理装置24、および遊技媒体貸出装置37により実現される機能について説明する。
税率球単価設定部201は、操作ボタンなどにより遊技球の単価、および遊技球の貸し出しにかかる対価に課される税率を設定し、設定情報を設定情報送信部202に供給して、各遊技球媒体貸出装置37に配信させる。
有価価値媒体制御部203は、個々の有価価値媒体が発行される際に媒体貸出管理データベース26に登録すると共に、それらの有価価値媒体が用いられることにより変化する有価価値を履歴として更新して、媒体貸出管理データベース26を管理する。さらに、有価価値媒体制御部203は、RTC(Real Time Clock)215により発生する時刻情報に基づいて、媒体貸出管理データベース26の更新情報を第3者遊技店管理センタ4にアップロードすると共に、各遊技店1よりアップロードされることにより更新された第3者遊技店管理データベース5の情報が配信されてくると、ダウンロードし媒体貸出管理データベース26を更新する。
有価価値媒体情報管理部211は、有価価値媒体情報送受信部212により遊技媒体貸出装置37で新たな有価価値媒体の発行があったことを示す通知があった場合、その有価価値媒体の媒体IDを登録し、対応する各種の有価価値媒体情報を媒体貸出管理データベース26に登録する。また、有価価値媒体情報管理部211は、有価価値媒体情報送受信部212により遊技媒体貸出装置37に投入された有価価値媒体の媒体IDを含む有価価値媒体情報が供給されてきた場合、その有価価値媒体の媒体IDに基づいて、有価価値媒体を照合して正規の有価価値媒体であるか否かを判定し、判定結果を有価価値媒体情報送受信部212を制御して、遊技媒体貸出装置37に供給する。
遊技媒体貸出履歴記憶部213は、遊技媒体貸出装置37より有価価値媒体により遊技媒体が貸し出された場合、遊技媒体貸出装置37より供給されてくる有価価値媒体情報を貸出履歴情報として遊技媒体貸出履歴受信部214を介して受信し、媒体貸出管理データベース26を更新する。
消費税対応制御部82の設定情報受信部251は、媒体貸出管理装置24より供給されてくる遊技媒体の単価や、遊技媒体の貸し出しに係る料金に課される税率の情報を受信して、設定情報登録部252に供給する。設定情報登録部252は、設定情報受信部251より供給されてくる設定情報を登録して記憶する。消費税対応遊技媒体払出制御部253は、遊技媒体払出制御部83により制御され、遊技媒体払出制御部83より供給されてくる今現在の遊技度数の情報に基づいて、また、遊技媒体払出制御部83は、有価価値媒体投入返却部87からの有価価値の情報に基づいて、所定数判定部241、および端数制御部242を制御して、払い出す遊技球数を決定して、遊技媒体払出制御部83に供給する。また、遊技媒体払出制御部83は、未納金計算部243を制御して、未納金を計算させる。
遊技媒体払出制御部83は、操作部63が操作されることにより、遊技球の貸し出しが指示された場合、有価価値媒体投入返却部87からの有価価値媒体に記録された有価価値の情報、すなわち、現在の遊技度数を消費税対応制御部82に供給し、払い出す遊技球数を問い合わせ、その問合結果に応じて、遊技媒体払出部85を制御して、遊技球を払い出させる。この際、遊技媒体払出制御部83は、有価価値媒体投入返却部87からの遊技度数の情報に基づいて、表示部62に遊技度数を表示する。
消費税徴収履歴管理部271は、遊技媒体払出制御部83により遊技球が払い出されるときの消費税の徴収の状態を管理する。消費税徴収履歴管理部271は、有価価値媒体毎にメモリ271aに消費税の徴収履歴の情報として、消費税遊技媒体数を記憶させる。消費税遊技媒体数は、遊技度数から徴収されていない、遊技球の貸し出し料金に課せられる未徴収の消費税を示すデータである。
有価価値媒体情報送受信部272は、有価価値媒体情報読取書込制御部273より供給されてくる有価価値媒体の情報を媒体貸出管理装置24に送信すると共に、有価価値媒体の情報に含まれる媒体IDに基づいた照合結果を受信し、遊技媒体払出制御部83に供給する。
有価価値媒体情報読取書込制御部273は、有価価値媒体情報読取書込部91を制御して、有価価値媒体に記録されている有価価値の情報の読み出し、および、記録を制御する。
遊技媒体貸出履歴管理装置274は、有価価値媒体毎に遊技媒体の貸し出し履歴を管理し、貸し出し履歴の情報を媒体貸出管理装置24に送信する。
有価価値媒体発行部275は、紙幣投入返却口61より紙幣が投入されて、紙幣識別装置81により真券であるとみなされた場合、有価価値媒体情報読取書込制御部273を制御して、紙幣の金額に相当する遊技度数を記録した、新たな有価価値媒体を発行する。
次に、図8,図9を参照して、有価価値媒体の構成について説明する。有価価値媒体は、使い捨てのビジタ用有価価値媒体301(図8)と、会員カードと一体化した会員用有価価値媒体321(図9)の2種類が存在する。図8は、使い捨てのビジタ用有価価値媒体301の構成について示されている。媒体ID311は、発行の際、有価価値媒体301を個別に識別するためのIDである。遊技度数データ312は、有価価値媒体301に記録される借り受けることができる有価価値の個数を示す情報であり、例えば、遊技度数が1で遊技媒体1個分を借りることが可能であることを示す情報が記録される。未納金データ313は、遊技度数データ312から所定個数ずつ(所定遊技度数毎に)遊技媒体が貸し出される中で、貸し出される遊技球の数により変化する遊技度数と、諸費税の徴収により変化する遊技度数により遊技球の球単価以下の金額として残された金額のデータである。通信部314は、例えば、電波などにより上述した媒体ID311、遊技度数データ312、および未納金データ313の情報を有価価値媒体情報読取書込部91と授受することで、有価価値媒体情報読取書込部91により各種のデータを読み出させると供に、供給された情報を記録する。尚、以降においては、媒体ID311、遊技度数データ312、および未納金データ313の情報を、総称して有価価値媒体情報と称するものとする。
図9は、会員カード型有価価値媒体321の構成を示している。尚、図9において、図8と同様の構成については、同一の符号を付しており、その説明は適宜省略するものとする。図9において、図8と異なるのは、個人ID331がさらに含まれていることである。個人ID331とは、会員カードを識別する際に発行されるIDであり、会員カードの発行時に登録された個人データ331aを含んでいる。
次に、図10のフローチャートを参照して、税率球単価設定処理について説明する。
ステップS1において、税率球単価設定部201は、税率または球単価の設定処理がなされたか否かを判定し、税率または球単価の設定処理がなされるまで、その処理を繰り返す。例えば、ステップS1において、税率または球単価の設定処理がなされた場合、ステップS2において、税率球単価設定部201は、税率または球単価の設定情報を設定情報送信部202に供給し、遊技媒体貸出装置37に送信させる。
ステップS11において、設定情報受信部251は、媒体貸出管理装置24より設定情報が送信されてきたか否かを判定し、送信されてきたと判定されるまで、その処理を繰り返す。ステップS11において、例えば、ステップS2の処理により、設定情報が送信されてきた場合、ステップS12において、設定情報受信部251は、送信されてきた設定情報を受信して、設定情報登録部252に登録させる。
以上の処理により、設定情報が設定情報登録部252に登録される。
次に、図11のフローチャートを参照して、有価価値媒体発行処理について説明する。
ステップS21において、紙幣識別装置81は、紙幣投入返却口61に紙幣が投入されたか否かを判定し、紙幣が投入されるまでその処理を繰り返す。ステップS21において、例えば、遊技者が有価価値媒体を購入するために紙幣を、紙幣投入返却口61に投入した場合、紙幣識別装置81は、紙幣投入返却口61に紙幣が投入されたと判定し、ステップS22において、紙幣投入返却口61を制御して、それ以降の紙幣の投入を禁止状態に設定する。
ステップS23において、紙幣識別装置81は、投入された紙幣が真券であるか否かを判定し、真券であると判定した場合、処理は、ステップS24に進む。
ステップS24において、紙幣識別装置81は、投入された紙幣が真券であることと共に、投入された紙幣の金額の情報を有価価値媒体投入返却部87に通知する。有価価値媒体投入返却部87は、紙幣を投入した遊技者に対して有価価値媒体を既に所持している場合には、所持している有価価値媒体を投入するように促す表示を表示部62に表示するように、遊技媒体払出制御部83に通知する。これに応じて、遊技媒体払出制御部83は、有価価値媒体を投入するように促す表示を表示部62に表示する。
ステップS25において、有価価値媒体投入返却部87は、ICコイン型有価価値媒体投入部65またはカード型有価価値媒体投入返却部66よりICコイン型、またはカード型の有価価値媒体が投入されたか否かを判定する。
ステップS25において、有価価値媒体が投入されてこない場合、遊技者は、それまでに生成した有価価値媒体を所持していないものとみなし、ステップS26において、有価価値媒体投入返却部87は、有価価値媒体発行部275を制御して、有価価値が記録されていない有価価値媒体301を発行し、有価価値媒体情報読取書込制御部273により有価価値情報が記録できる状態にする。より具体的には、例えば、ICコイン型有価価値媒体の場合、有価価値媒体投入返却部87は、有価価値媒体発行部275を制御して、通路93を介して、図示せぬICコイン型有価価値媒体のホッパよりICに有価価値媒体情報が記録されていないICコイン有価価値媒体を排出させ、搬送部92にセットさせる。
ステップS27において、有価価値媒体発行部275は、有価価値媒体情報読取書込制御部273を制御して、投入された紙幣の金額に相当する有価価値媒体情報である、遊技度数データ312の情報をセットされている有価価値媒体301に記録させる。この際、有価価値媒体発行部275は、図8で示したような媒体ID311を発行し、媒体ID311も有価価値媒体情報読取書込制御部273を制御して、有価価値媒体301に記録させる。
一方、ステップS25において、有価価値媒体が投入された場合、ステップS26の処理はスキップされる。ただし、この場合、ステップS27においては、投入された有価価値媒体の有価価値である遊技度数に、投入された紙幣の金額に相当する有価価値が加算された遊技度数が有価価値媒体に記録されることになる。また、このように有価価値、すなわち、遊技度数がチャージできるのは、会員カードと一体化された会員用有価価値媒体321に限られる。従って、ビジタ用有価価値媒体301に限って使用する場合、ステップS25の判定処理は削除するようにしてもよい。
ステップS28において、有価価値媒体情報送受信部272は、有価価値媒体読取書込部273を制御して、有価価値媒体301または321に記録されている有価価値媒体情報を読み出し、読み出した有価価値媒体情報を媒体貸出管理装置24に送信する。
ステップS29において、有価価値媒体投入返却部87は、投入された紙幣の金額に対応する遊技度数データ312を記録した(更新した)有価価値媒体301または321をカード型有価価値媒体投入返却部66またはICコイン型有価価値媒体返却部67より返却する。より具体的には、ICコイン型有価価値媒体の場合、搬送部92を制御して、図4における矢印B方向に回転させて、ICコイン型有価価値媒体を返却通路89を介して、ICコイン型有価価値媒体返却部67に排出させる。
ステップS41において、有価価値媒体情報送受信部212は、遊技媒体貸出装置37より有価価値媒体情報が送信されてくるか否かを判定し、送信されてくるまでの処理を繰り返す。ステップS41において、例えば、ステップS28の処理により、有価価値媒体情報が送信されてきた場合、ステップS42において、有価価値媒体情報送受信部212は、送信されてきた有価価値情報を受信して有価価値媒体情報管理部211に供給する。有価価値媒体情報管理部211は、供給されてきた有価価値媒体を媒体貸出管理データベース26に登録する。
以上の処理により、有価価値媒体301が発行される(または、有価価値媒体321の遊技度数がチャージされる)と共に、有価価値媒体情報が媒体貸出管理データベース26に登録(更新)される。尚、有価価値媒体が発行される際には、未納金データ313についても併せて登録されるが、このときの情報は、いずれもゼロとなることは言うまでもない。
次に、図12のフローチャートを参照して、遊技媒体貸出処理について説明する。
ステップS101において、有価価値媒体投入返却部87は、有価価値媒体301または321が投入されたか否かを判定し、投入されたと判定されるまで、その処理を繰り返す。ステップS101において、遊技者が、上記の有価価値媒体301または321の発行処理により発行された有価価値媒体301(または、遊技度数がチャージされた有価価値媒体321)を投入した場合、有価価値媒体301または321が投入されたと判定されたとみなし、処理は、ステップS102に進む。
ステップS102において、有価価値媒体投入返却部87は、以降の有価価値媒体の投入ができないように制御する。
ステップS103において、有価価値媒体情報読取書込制御部273は、投入された有価価値媒体301または321に記録されている有価価値媒体情報を読み出し、消費税徴収履歴管理部271、遊技媒体貸出履歴管理部274、および遊技媒体払出制御部83に供給する。
ステップS104において、有価価値媒体投入返却部87は、投入された有価価値媒体が正規のものであるか否かを判定する。より具体的には、有価価値媒体投入返却部87は、有価価値媒体情報送受信部272を制御して、有価価値媒体情報を媒体貸出管理装置24に送信させる。そして、媒体貸出管理装置24の有価価値媒体情報送受信部212は、送信されてきた有価価値媒体情報を受信して、有価価値媒体情報管理部211に供給する。有価価値媒体情報管理部211は、供給されてきた有価価値媒体情報を、媒体ID311に基づいて、媒体貸出管理データベース26に対して照合し、正規の有価価値媒体であるか否かを判定し、判定結果を有価価値媒体情報送受信部212を制御して、遊技媒体貸出装置37に送信させる。
有価価値媒体投入返却部87は、このようにして媒体貸出管理装置24より送信されてくる判定結果に基づいて、有価価値媒体が正規であるか否かを判定する。
ステップS104において、投入された有価価値媒体が正規であると判定された場合、ステップS105において、遊技媒体払出制御部83は、有価価値媒体情報のうち、遊技度数データ312を読み出し、遊技度数が残されているか、すなわち、遊技媒体の貸出が可能な有価価値が記録されているか否かを判定する。
ステップS105において、例えば、遊技度数が残されていると判定された場合、ステップS106において、遊技媒体払出制御部83は、表示部62に遊技度数を表示させる。
ステップS107において、遊技媒体払出制御部83は、消費税徴収履歴管理部271に問い合わせて、メモリ271aに記憶されている、消費税遊技媒体数を問い合わせて、読み取る。消費税遊技媒体数は、有価価値媒体が挿入されてからの累積的な値が記録されるものであるので、最初の処理では0となる。
ステップS108において、遊技媒体払出制御部83は、操作部63が操作されて、遊技球の貸し出しが要求されたか否かを判定する。ステップS108において、遊技球の貸し出しが要求されたと判定された場合、ステップS109において、遊技媒体払出制御部83は、消費税対応制御部82に対して遊技度数の情報を供給する。消費税対応制御部82は、設定情報登録部252に登録されている球単価および消費税の情報に基づいて、消費税を計算し、消費税遊技媒体数に変換する。すなわち、消費税は、必ずしも球単価の倍数とはならないので、消費税対応制御部82は、求められた消費税額を球単価で割ることにより消費税の徴収額に相当する遊技球数である消費税遊技媒体数を求める。さらに、消費税対応制御部82は、所定数判定部241を制御して、今現在の遊技度数が、所定数遊技球を貸し出した際に発生する消費税分の消費税遊技媒体数と、それまでの消費税遊技媒体数とを加算した遊技度数を除いても、所定数の遊技球数以上残るか否か、すなわち、遊技度数が、貸し出しが要求された所定数の遊技球分の消費税遊技媒体、および、それまでの消費税遊技媒体数とを合算した分以上であるか否かを判定させる。
ステップS109において、遊技度数が、消費税遊技媒体数を除いても、所定数の遊技球数以上残ると判定された場合、ステップS110において、消費税対応遊技媒体払出制御部253は、その旨を遊技媒体払出制御部83に通知する。この通知に応じて、遊技媒体払出制御部83は、遊技媒体払出部85を制御して所定数の遊技媒体(遊技球)を払い出させ、有価価値媒体投入返却部87に対して、所定数の遊技球を払い出したことを通知する。
ステップS111において、有価価値媒体投入返却部87は、有価価値媒体情報読取書込制御部273を制御して、払い出した遊技球数に応じて有価価値媒体の遊技度数データ312を更新させる。
ステップS112において、消費税対応遊技媒体払出制御部82は、貸し出した遊技球数に相当する消費税遊技媒体数の情報を有価価値媒体投入返却部87に供給する。これに応じて、有価価値媒体投入返却部87は、消費税徴収履歴管理部271を制御して、メモリ271aに記憶されている、消費税遊技媒体数を、消費税対応遊技媒体払出制御部82より供給されてきた消費税遊技媒体数に応じて更新させ、処理は、ステップS107に戻る。
一方、ステップS109において、遊技度数が、消費税遊技媒体数を除くと、所定数の遊技球数以上残らないと判定された場合、すなわち、要求のあった所定数の遊技媒体の貸し出しができないと判定された場合、ステップS113において、消費税対応遊技媒体払出制御部253は、その旨を遊技媒体払出制御部83に通知する。この通知に応じて、遊技媒体払出制御部83は、消費税遊技媒体数を表示部62に表示する。
ステップS114において、消費税対応遊技媒体払出制御部253は、端数判定部242を制御して、遊技度数が、消費税遊技媒体数分の遊技媒体が消費税として徴収されても残るか否かを判定し、例えば、遊技度数が、消費税遊技媒体数が消費税として徴収されても残ると判定した場合、ステップS115において、その旨を通知する。この通知に応じて、遊技媒体払出制御部83は、遊技媒体払出制御部85を制御して、遊技度数から消費税遊技媒体数を差し引いた残りの数の遊技媒体を払い出させる。すなわち、遊技度数から消費税遊技媒体数を差し引いた、所定数に対して端数となる遊技媒体が払い出される。
尚、ステップS114において、遊技度数が、消費税遊技媒体数が消費税として徴収されると残らないと判定された場合、すなわち、遊技度数と消費税遊技媒体数とが一致している場合、払い出せる遊技球数は0となるので、ステップS115の処理はスキップされる。
ステップS116において、未納金計算部243は、遊技度数と消費税遊技媒体数とから未納金を計算し、未納金が発生しているか否かを判定し、未納金が発生していると判定した場合、ステップS117において、計算結果である未納金の情報を有価価値媒体投入返却部87に供給する。有価価値媒体投入返却部87の有価価値媒体情報読取書込制御部273は、消費税対応制御部82より供給されてきた未納金の情報に基づいて、有価価値媒体の未納金データ313を更新する。
尚、ステップS116において、未納金が発生していないと判定された場合、ステップS117の処理はスキップされる。
ここで、未納金について説明する。未納金とは、有価価値媒体に記録されている有価価値の情報である、遊技度数に対して、消費税の課税額を遊技媒体の単価に転嫁させることにより発生する、有価価値の端数である。
未納金は、具体的には、図13乃至図15で示されるように、特定の消費税、球単価、および貸し出されるときに払い出される所定数に応じて決まるものである。
図13においては、貸し出される遊技球数が、100円単位における消費税毎の徴収媒体数(消費税遊技媒体数)と未納金を示したものである。図13乃至図15においては、上段より消費税が1%間隔で5乃至15%についてそれぞれ徴収媒体数と未納金とが示されており、また、各列は球単価が1.00円、2.00円、2.50円、4.00円、および5.00円の場合を示している。
図13においては、球単価が1.00円であれば、1回の貸し出しにより払い出される遊技球数(遊技媒体数)は、100個であり、球単価が2.00円であれば、1回の貸し出しにより払い出される遊技球数(遊技媒体数)は、50個であり、球単価が2.50円であれば、1回の貸し出しにより払い出される遊技球数(遊技媒体数)は、40個であり、球単価が4.00円であれば、1回の貸し出しにより払い出される遊技球数(遊技媒体数)は、25個であり、球単価が5.00円であれば、1回の貸し出しにより払い出される遊技球数(遊技媒体数)は、20個となることが示されている。
図13で示されるように、例えば、球単価が1.00円の場合、消費税が5乃至15%であれば、税金分として徴収される徴収媒体数(消費税遊技媒体数)は、5乃至15個で、未納金は0.00円である。ところが、球単価が2.00円の場合、消費税が5,7,9,11,13,15%であれば、徴収媒体数(消費税遊技媒体数)は、それぞれ3乃至8個で、未納金は1.00円である。すなわち、消費税が5%の場合、消費税として徴収すべき金額は、100円に対して5.00円であるが、球単価は2.00円であるので、3個を消費税徴収媒体数とすると、1.00円余計に徴収したことになるため、この余分な端数1.00円が未納金として残ることになる。ただし、消費税が6,8,10,12,14%の場合、端数が発生しないので、この場合、未納金は0.00となる。
同様にして、図13においては、球単価が2.50円の場合、消費税が6,11%であれば、徴収媒体数(消費税遊技媒体数)は、それぞれ3,5個で、未納金は1.50円であり、消費税が7,12%であれば、徴収媒体数は、それぞれ3,5個で、未納金は0.50円であり、消費税が8,13%であれば、徴収媒体数は、それぞれ4,6個で、未納金は2.00円であり、消費税が9,14%であれば、徴収媒体数は、それぞれ4,6個で、未納金は1.00円であり、消費税が5,10,15%であれば、徴収媒体数は、それぞれ2,4,6個で、未納金は0.00円である。
また、図13においては、球単価が4.00円の場合、消費税が5,9,13%であれば、徴収媒体数(消費税遊技媒体数)は、それぞれ2,3,4個で、未納金は3.00円であり、消費税が6,10,14%であれば、徴収媒体数は、それぞれ2,3,4個で、未納金は2.00円であり、消費税が7,11,15%であれば、徴収媒体数は、それぞれ2,3,4個で、未納金は1.00円であり、消費税が8,12%であれば、徴収媒体数は、それぞれ3,4個で、未納金は0.00円である。
さらに、図13においては、球単価が5.00円の場合、消費税が5,10,15%であれば、徴収媒体数(消費税遊技媒体数)は、それぞれ1,2,3個で、未納金は0.00円であり、消費税が6,11%であれば、徴収媒体数は、それぞれ2,3個で、未納金は4.00円であり、消費税が7,12%であれば、徴収媒体数は、それぞれ2,3個で、未納金は3.00円であり、消費税が8,13%であれば、徴収媒体数は、それぞれ2,3個で、未納金は2.00円であり、消費税が9,14%であれば、徴収媒体数は、それぞれ2,3個で、未納金は1.00円である。
また、図14においては、貸し出される遊技球数が、500円単位における消費税毎の徴収媒体数と未納金を示したものである。
図14においては、球単価が1.00円であれば、1回の貸し出しにより払い出される遊技球数(遊技媒体数)は、500個であり、球単価が2.00円であれば、1回の貸し出しにより払い出される遊技球数(遊技媒体数)は、250個であり、球単価が2.50円であれば、1回の貸し出しにより払い出される遊技球数(遊技媒体数)は、200個であり、球単価が4.00円であれば、1回の貸し出しにより払い出される遊技球数(遊技媒体数)は、125個であり、球単価が5.00円であれば、1回の貸し出しにより払い出される遊技球数(遊技媒体数)は、100個となることが示されている。
図14で示されるように、例えば、球単価が1.00円の場合、消費税が5乃至15%であれば、税金分として徴収される徴収媒体数(消費税遊技媒体数)は、25、30,35,40,45,50,55,60,65,70,75個で、未納金は0.00円である。また、球単価が2.00円の場合、消費税が5,7,9,11,13,15%であれば、税金分として徴収される徴収媒体数は、13,18,23,28,33,38個で、未納金は1.00円であり、消費税が6,8,10,12,14%であれば、税金分として徴収される徴収媒体数は、15,20,25,30,35個で、未納金は0.00円である。
さらに、図14において、球単価が2.50円の場合、消費税が5乃至15%であれば、税金分として徴収される徴収媒体数は、10,12,14,16,18,20,22,24,26,28,30個で、未納金は0.00円である。
同様にして、図14においては、球単価が4.00円の場合、消費税が5,9,13%であれば、徴収媒体数は、それぞれ7,12,17個で、未納金は3.00円であり、消費税が6,10,14%であれば、徴収媒体数は、それぞれ8,13,18個で、未納金は2.00円であり、消費税が7,11,15%であれば、徴収媒体数は、それぞれ9,14,19個で、未納金は1.00円であり、消費税が8,12%であれば、徴収媒体数は、それぞれ10,15個で、未納金は0.00円である。
また、図14においては、球単価が5円の場合、消費税が5乃至15%であれば、徴収媒体数は、それぞれ5乃至15個で、未納金は0.00円である。
さらに、図15においては、貸し出される遊技球数が、1000円単位における消費税毎の徴収媒体数(消費税遊技媒体数)と未納金を示したものである。
図15においては、球単価が1.00円であれば、1回の貸し出しにより払い出される遊技球数(遊技媒体数)は、1000個であり、球単価が2.00円であれば、1回の貸し出しにより払い出される遊技球数(遊技媒体数)は、500個であり、球単価が2.50円であれば、1回の貸し出しにより払い出される遊技球数(遊技媒体数)は、400個であり、球単価が4.00円であれば、1回の貸し出しにより払い出される遊技球数(遊技媒体数)は、250個であり、球単価が5.00円であれば、1回の貸し出しにより払い出される遊技球数(遊技媒体数)は、200個となることが示されている。
図15で示されるように、球単価が1.00円の場合、消費税が5乃至15%であれば、税金分として徴収される徴収媒体数(消費税遊技媒体数)は、それぞれ50,60,70,80,90,100,110,120,130,140,150個で、未納金は0.00円である。また、球単価が2.00円の場合、消費税が5乃至15%であれば、税金分として徴収される徴収媒体数は、それぞれ25,30,35,40,45,50,55,60,65,70,75個で、未納金は0.00円である。さらに、球単価が2.5円の場合、消費税が5乃至15%であれば、税金分として徴収される徴収媒体数は、それぞれ20,24,28,32,36,40,44,48,52,56,60個で、未納金は0.00円である。また、球単価が4.00円の場合、消費税が5乃至15%であれば、税金分として徴収される徴収媒体数は、それぞれ13,15,18,20,23,25,28,30,33,35,38個で、未納金は0.00円である。さらに、球単価が5.00円の場合、消費税が5乃至15%であれば、税金分として徴収される徴収媒体数は、それぞれ10,12,14,16,18,20,22,24,26,28,30個で、未納金は0.00円である。
このように未納金は、一回に貸し出しする遊技球の金額の単位、球単価、および消費税率により変化する。
ここで、図12のフローチャートの説明に戻る。
ステップS118において、遊技媒体貸出履歴管理部274は、有価価値媒体情報読取書込制御部273を制御して、今現在の有価価値媒体情報を読み出し、これを媒体貸出管理装置24に送信する。このとき、媒体貸出管理装置24の遊技媒体貸出履歴受信部214は、送信されてきた有価価値媒体情報を貸出履歴情報として受信して、遊技媒体貸出履歴記憶部213に供給する。遊技媒体貸出履歴記憶部213は、供給されてきた最新の有価価値媒体情報を貸出履歴情報として、媒体貸出管理データベース26の情報を媒体IDに基づいて更新する。
ステップS119において、有価価値媒体投入返却部87は、投入されている今現在処理している有価価値媒体をカード型有価価値媒体投入返却部66、またはICコイン型有価価値媒体返却部67に排出して返却する。
ステップS120において、有価価値媒体投入返却部87は、有価価値媒体の投入が禁止されている状態を解除すると共に、消費税徴収履歴管理部271を制御してメモリ271aに記録されている消費税遊技媒体数の情報を初期化して0にし、処理は、ステップS101に戻る。
一方、ステップS104において、正規の有価価値媒体ではないと判定された場合、または、ステップS105において、遊技度数がないと判定された場合、処理は、ステップS119に進む。
さらに、ステップS108において、貸し出しが要求されていないと判定された場合、ステップS121において、遊技媒体払出制御部83は、操作部63が操作されて、有価価値媒体の返却が要求されたか否かを判定する。ステップS121において、返却が要求されていないと判定された場合、処理は、ステップS107に戻る。すなわち、貸し出しおよび返却がいずれも要求されていない状態の場合、ステップS107,S108,S121の処理が繰り返される。
ステップS121において、返却が要求されたと判定された場合、ステップS122において、遊技媒体払出制御部83は、有価価値媒体投入返却部87に対して有価価値媒体の返却を指示する。これに応じて、有価価値媒体投入返却部87の有価価値媒体情報読取書込制御部273は、消費税徴収履歴管理部271に問い合わせてメモリ271aに記憶されている消費税遊技媒体数を読み出し、今現在の有価価値媒体に記憶されている遊技度数から減算して更新し、処理は、ステップS118に進む。
以上の処理により、有価価値媒体を用いて遊技媒体の貸し出す処理を行う際にも、遊技媒体の貸し出しに係る税金を徴収しつつ、遊技媒体を貸し出すことが可能になると共に、一回に貸し出される遊技媒体の個数、遊技球の球単価、または税率により発生しうる端数である未納金を有価価値媒体301または321に残すようにすることが可能となる。この有価価値媒体301または321に残された未納金、すなわち、端数については、例えば、端数が球単価となるだけ有価価値媒体を集めた遊技客に対して、対応する遊技球数を別途貸し出せるようにしてもよい。また、図13乃至図15でも示されているように、未納金が発生しないように、税率に合わせて、一回に貸し出される遊技媒体の個数、または遊技球の球単価を設定するようにしてもよい。
さらに、以上の処理においては、基本的に遊技球の貸し出しが指示された場合、消費税として徴収するための消費税遊技媒体数は、メモリ271aに記録されるのみであって、所定数の遊技球数が払い出され、遊技度数が残り少なくなり、消費税遊技媒体数と合わせて所定数の遊技媒体の払出ができない状態になったとき(ステップS109においてYesと判定される状態のとき)に限って、所定数の遊技球数以外の端数となる遊技球数が排出されるように制御される。
遊技媒体払出部85は、上述の図6で示されるように、スプロケット135の回転を制御することにより、払い出される遊技球数が制御されており、いわば媒体通路131,132内を移動する遊技球のストッパとして機能しながら、払い出される遊技球数が制御されている。
遊技球の貸し出しが要求される度に、毎回消費税を考慮して計算し、端数を毎回調整して払い出される遊技球数を制御するようにした場合、スプロケット135により制御すべき払い出される遊技球数は一定とならないため、スプロケット135の回転を払い出す遊技球数に応じて毎回制御する必要がある。このようにすると、スプロケット135の回転と停止を繰り返す頻度が若干ながら高まる可能性があり、結果としてスプロケット135の寿命を縮める恐れがあった。
しかしながら、上述したように遊技度数が残り少なくなり、消費税遊技媒体数と合わせて所定数の遊技媒体の払い出しができない状態になったときに限って、所定数の遊技球数以外の端数となる遊技球数が排出されるように制御されることにより、スプロケット135の回転の制御を容易なものとすることが可能になると共に、スプロケット135の寿命を不必要に短くしないようにすることが可能となる。
次に、図16のフローチャートを参照して、第3者遊技店管理データベース更新処理について説明する。
ステップS121において、有価価値媒体制御部203は、RTC215を参照して、所定の時間が経過したか否かを判定し、所定の時間が経過するまで、その処理を繰り返す。
ステップS121において、所定の時間が経過したと判定された場合、ステップS122において、有価価値媒体制御部203は、媒体貸出管理データベース26に記憶されている全ての有価価値媒体情報を読み出し、ステップS123において、第3者遊技店管理センタ4に送信する。
ステップS141において、管理部4aは、遊技店1の媒体貸出管理装置24より媒体貸出管理データベース26に格納されていた有価価値媒体情報が送信されてきたか否かを判定し、送信されてきたと判定されるまで、その処理を繰り返す。
ステップS141において、ステップS123の処理により、媒体貸出管理データベース26に記憶されている全ての有価価値媒体情報が送信されてきた場合、ステップS142において、管理部4aは、送信されてきた媒体貸出管理データベース26に記憶されている全ての有価価値媒体情報により第3者遊技店管理データベース5を更新する。
以上の処理を他の遊技店1から送信されてくる有価価値媒体情報に対しても同様に施すことにより、管理すべき全ての遊技店1の有価価値媒体情報が第3者遊技店管理データベース5に回収されて蓄積されることになる。
次に、図17のフローチャートを参照して、媒体貸出管理データベース更新処理について説明する。
ステップS161において、管理部4aは、RTC4bを参照して、所定の時間が経過したか否かを判定し、所定の時間が経過するまで、その処理を繰り返す。
ステップS161において、所定の時間が経過したと判定された場合、ステップS162において、管理部4aは、第3者遊技店管理データベース5に記憶されている全ての有価価値媒体情報を読み出し、ステップS163において、各遊技店1に送信する。
ステップS181において、有価価値媒体制御部203は、第3者遊技店管理センタ4の管理部4aより第3者遊技店管理データベース5に格納されていた有価価値媒体情報が送信されてきたか否かを判定し、送信されてきたと判定されるまで、その処理を繰り返す。
ステップS181において、例えば、ステップS163の処理により、第3者遊技店管理データベース5に記憶されている全ての有価価値媒体情報が送信されてきた場合、ステップS182において、有価価値媒体制御部203は、送信されてきた第3者遊技店管理データベース5に記憶されている全ての有価価値媒体情報により媒体貸出管理データベース26を更新する。
以上の処理が全ての遊技店1によりなされることにより、管理すべき全ての遊技店1の媒体貸出管理データベース26には、同一の有価価値媒体情報が蓄積されることになるので、遊技者は、系列の遊技店であれば、有価価値媒体が発行された遊技店に限らず、他の遊技店であっても同一の有価価値媒体により遊技媒体の貸し出しを受けることが可能となる。
以上によれば、貸出用の遊技媒体の払い出しに際して、貸し出しに係る税金の徴収を考慮しつつ、税金の徴収に際して発生する装置の負荷を低減することが可能となる。さらに、系列の遊技店であれば、遊技者は、全ての遊技店において、どの遊技店で発行された有価価値媒体であっても、遊技球を借り受けることが可能となる。
ところで、上述した一連の監視処理は、ハードウェアにより実行させることもできるが、ソフトウェアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、記録媒体からインストールされる。
図18は、汎用のパーソナルコンピュータの構成例を示している。このパーソナルコンピュータは、CPU(Central Processing Unit)1001を内蔵している。CPU1001にはバス1004を介して、入出力インタフェース1005が接続されている。バス1004には、ROM(Read Only Memory)1002およびRAM(Random Access Memory)1003が接続されている。
入出力インタフェース1005には、ユーザが操作コマンドを入力するキーボード、マウスなどの入力デバイスよりなる入力部1006、処理操作画面や処理結果の画像を表示デバイスに出力する出力部1007、プログラムや各種データを格納するハードディスクドライブなどよりなる記憶部1008、LAN(Local Area Network)アダプタなどよりなり、インターネットに代表されるネットワークを介した通信処理を実行する通信部1009が接続されている。また、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)を含む)、光磁気ディスク(MD(Mini Disc)を含む)、もしくは半導体メモリなどのリムーバブルメディア1011に対してデータを読み書きするドライブ1010が接続されている。
CPU1001は、ROM1002に記憶されているプログラム、または磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、もしくは半導体メモリ等のリムーバブルメディア1011から読み出されて記憶部1008にインストールされ、記憶部1008からRAM1003にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM1003にはまた、CPU1001が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
尚、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理は、もちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理を含むものである。
また、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。