JP2007306874A - 植木植栽方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】植栽を容易にすると同時に植栽穴に雨水を透過させ泥土の流入を防止しつつ、既存の舗装地帯の中に、植木を植栽でき、それにより、無味乾燥の公共の舗装スペースを容易に緑化でき、美観性を創生するばかりでなく、健康にも配慮した空間にすることができる植栽方法を提供する。
【解決手段】既存のアスファルトなどの舗装面に、植栽すべき植木4の大きさに適する程度の直径を有する植栽のための穴5を開け、植栽のための穴5の大きさに相当するマット1を、植栽のための穴5いっぱいに敷いて、そのマット1の中心に向かい鍵状の切り込み10、もしくは、植木の直径より少し小さい植栽穴3を設け、その切り込み10、もしくは、植栽穴3に植木4の幹がきつく入るようにする植栽方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、コンクリート舗装道路、アスファルト舗装道路のような公共道路を緑化する手段を提供し、公共の道路に植木、樹木を植えて、緑化し、温暖化を回避し、エネルギー消費の節約する苗木植栽方法に関する。
現在、埼玉県では花いっぱい運動の一環として国道の歩道の緑化に取り組んでいる。歩道緑化の手法としては、植樹帯に街路樹を植栽したり、プランターを置いたりするのが一般的である。しかし、場所によっては歩道幅が狭く植樹帯が存在しないところがあり、緑化が進んでいない。一方、緑化の需要は道路だけに留まらず、駐車場など既存の舗装地帯においても高い。このような場所に新たに植樹帯を設置するには、大規模な工事と十分な設置スペースが必要となる。即ち、従来では緑化できなかった場所における緑化の需要に対応するために、少ない植樹スペースにおける舗装地帯の苗木植栽技術を開発した
公共スペースを緑化することは、重要であり、また、求められていることである。何処にでも、植栽することは、困難であり、いろいろ問題も考えられる。しかしながら、根圏の制限されている舗装面、アスファルト舗装歩道への植栽は、ほ場への植栽に比べ、初期成育が劣るが、病害虫発生や植物生理傷害などは、認められず、植樹帯への植栽については、基礎肥料などの肥料管理、支柱の設置による根の安定などを行うことで、初期生育は改善できると考えられる。
本発明の基本的な課題は、コンクリート舗装道路、アスファルト舗装道路のような舗装面の環境を緑化することである。しかも、効率的に、労力コストをかけることなく、また、どのような植物でも舗装面の環境に植栽が可能な植栽方法を提供することである。
緑化のため、苗木植栽方法を提供し、そして、次のような構成の苗木植栽方法が発明された。
1、既存のアスファルトなどの舗装面に、植栽すべき植木(4)の大きさに適する程度の直径を有する植栽のための穴(5)を開け、その植栽のための穴(5)に植木を植え、栽培し、舗装地帯の緑化をする苗木植栽方法である。
2.前記の植栽のための穴(5)の大きさに相当するマット(1)を、植栽のための穴(5)いっぱいに敷いて、そのマット(1)の中心に向かい鍵状の切り込み、もしくは、植木の直径より少し小さい植栽穴(3)を設け、その切り込み、もしくは、植栽穴(3)に植木(4)の幹がきつく入るように、植栽し、該マット(1)が植木の支柱の役を果たす構造である。
3.前記のマットは、3次元構造のマットである。
4.前記のマットは、3次元構造のマットの2層構造である。
本発明で用いられるマットは、好適には、次のようなものである。マットは、水は通すがゴミなどを通過しないもので強度のある程度ある薄くすることができるものであれば、どんな材質でもよい。例えば、小穴を多数設けたプラスチック円板でも利用できる。実施例で使用したものは、その1つは、プラスチック製であり、3次元構造のマットであり、その表面層と裏面充填層からなり、表面層は泥土流入を防止するため、密になっている薄層である。そして、裏面充填層は、750デニール乃至1500〜3000デニールの太さで、比重1.1以下のプラスチック繊維を、密度1500g/m2以上に巻き線状で3次元に絡み合って3次元構造を成すものである。その表面層は、小穴のあいたプラスチック樹脂でも、或いは10デニール以下とか10〜40デニールの同種プラスチック繊維が、蜜に絡み合ったものでもよい。もう1つは、ポリエステルを主繊維としたフェルトマットである。
だから、マットは、基本的には、円形で、植栽のための穴よりも少し大きい直径である。
そのようなマットの中心付近に植栽のための穴或いは切り込みを形成し、その穴は、植栽する苗木の幹より小さい穴にし、植木を押さえつけることができるようにする。また、細い苗木の場合には、穴を開けずに鍵状に切り込みを入れ、苗木をマットの中心に固定できるようにする。
本発明の苗木植栽方法は、都市の緑化を解決するだけでなく、舗装された公共スペースを緑化でき、美しい景観を呈するものにできる。CO2吸収による環境保全、子供への教育的効果など多岐に渡り効果を奏する。その舗装地帯の緑化効果のよいことは、広く一般にも認められる。また、道路歩道のガードフェンスを緑化するにはこの技術が不可欠である。ガードフェンスは今まで緑化が進んでおらず、本発明技術の普及性は高いと考えられる。ガードフェンス緑化が普及した場合は、本発明を活用できる。
更に、本発明の植栽方法では、舗装した公共スペースにおいても、既存の植樹帯を活用しなくても、簡易に後から植栽できるだけでなく、駐車場などにどこでも植栽できる。また、調査により、通常の植樹帯への植栽と比較しても生育が劣らず、防草効果も高かったという実用性がある。
本発明の植栽方法において用いる特定のマットの植木支持効果は、最も重要なものは、生育への影響、植木の支持効果である。更に、雨水を取り入れる効果もあり、泥土流入防止効果もある。しかしながら、アスファルト舗装面での植栽では、景観も良好であり、また、設置労力、資材の加工性や資材コストの面でも、実用性があった。
先ず、景観は、支柱を使用する必要がないために、自然な感じになること、また、歩行者や自転車の安全性の面からは、支柱がないだけ、安全性が高まる。設置労力は、支柱利用では苗木の根鉢に支柱が刺さり難いために、多くの労力が必要であるが、本発明の植栽方法では、マットだけの設置であるために、労力は同程度である。加工性は、プラスチック樹脂製マットは、ハサミでの加工であるので、容易であり、フェルトマットを利用する場合では、ハサミで切り込みを入れるのは、少し困難であった。
本発明の苗木植栽方法で栽培すると、根が伸び過ぎないために、植栽した樹木の高さも抑制される。そして、僅かなスペースでも栽培できるようになる。
本発明の植栽方法は、舗装面に直径20cm程度のコアを抜きこの穴に植木苗木を植栽することで、既設の歩道をはじめ舗装面を緑化するものである。
本発明の植栽方法では、既存のアスファルトなどの舗装面に、植栽すべき植木の大きさに適する程度の直径を有する植栽穴(5)を開け、植栽穴(5)の大きさに相当するマット(2)を、植栽穴いっぱいに敷いて、そのマットの中心に向かい鍵状の切り込み、もしくは、植木の直径より少し小さい穴(3)を設け、その切り込み、もしくは、植栽穴に植木の幹が入るように、植栽し、該マットが植木の支柱の役を果たす。その植栽穴に植木を植え、栽培し、舗装地帯の緑化をする苗木植栽方法である。そのマットは、前記のような3次元構造のマットが適する。即ち、本発明の植栽方法では、ガードフェンスの緑化を、既設の舗装地帯を利用して、安価で短期間に行うものである。従って、そのような植栽技術は今までに例がない。また、既存の舗装面に植栽する類似の技術についても見あたらない。
本発明の植栽方法に用いられるマットとしては、単なるプラスチック樹脂マット(小穴を開けて、水が通過できるようにする。)でも使用でき、また、ポリエステルを主繊維としたフェルトマット(以下の2に説明する)或いは、次の1.に記すようなプラスチック樹脂繊維による3次元構造マットが好適である。
1.ポリプロピレン製繊維の3次元構造マットであり、次の構造が可能である。
1−1:高密度マット:厚さ5cmのマットで、太さ750テ゛ニール、密度2000g/mの3次元に絡み合った裏面層を、10デニール以下の高密度の薄層表面層に付着した高密度層のマット(チッソ株式会社製造、日祥株式会社販売のRM−77)。
1−2:5cmマット:厚さ5cmのマットで、太さ1500〜3000デニール、密度1500g/m以上の3次元層の裏面層に10〜40デニールの高密度の表面層を付着したマット(チッソ株式会社製造、日祥株式会社販売のRM−131)。
1−3:3cmマット:厚さ3cmのマットで、太さ1500〜3000テ゛ニール、密度1500g/m以上の3次元層に、薄層の10〜40デニールの高密度の表面層を付着したマット(チッソ株式会社製造、日祥株式会社販売のRM−110)。
2.フェルトマット:厚さ2.3cmのポリエステルを主繊維としたフェルトマット(山崎産業株式会社製造−大阪市中央区、エコグリーンマット)。
以上に挙げた1−1〜1−3の3次元構造マットは、
基本的には、層状であり、少なくとも、密な太さ750デニール乃至1500〜3000デニール線からなる裏面3次元層と表面層の2つの層を有する構造である。そして、3次元裏面層は、750から1500〜3000デニールの太さで、比重1.1以下のプラスチック繊維を、密度1500g/m2以上に巻き線状に3次元に絡み合っているものである。プラスチック繊維は、ポリプロピレンが好適であるが、ポリエチレン等の他の軽量のプラスチック繊維も使用でき、それに限定されることはない。また、表面層を形成するプラスチック繊維も同様の材料である。2のフェルトマットは、具体的な材料はポリエステル繊維により製造されたフェルトであり、1層の均一層である。
図1により、本発明の苗木植栽方法を説明するが、本発明はそれに限定されないものである。苗木植栽のスタイル、デザインは、適宜変化を付けることができることは言うまでもない。
本発明の苗木植栽方法では、マットの裏面に形成されたプラスチック繊維積層の中に、泥土が流入しないように、表面層のプラスチック繊維密度を考える。
そして、マットの構成は、植栽の要望から、2重にすることができる。2重にすることにより、植栽した樹木が倒れない能力を高める。
本発明のマット1の略中心部には、植木、苗木、樹木の植栽のための切り込み、もしくは、円形穴を形成する。
アスファルト舗装面6のコア抜きにはホールソー(切削機)を用い、排水性に考慮して舗装面を貫通させ土壌又は砂礫層が現れる深度まで掘削し、植栽のための穴5を作る(図2参照)。
植栽のための穴5は、苗木の根を切断しないようポット苗の大きさを考慮して直径20cm程度の円形とする。これは、従来の植樹帯と比較し極めて小面積であるため雑草の発生が抑制できる(表1参照)。
植栽のための穴5にポットをはずした苗木を植栽し、土壌資材を埋め戻す。雨水の流入と保持を目的として植栽面は舗装面から5cm程度低くする(図1参照)。
このように植栽した後、苗木は通常は支柱で固定するが、本発明方法では、小面積に植栽されるため支柱設置が困難である。植木苗の根鉢を支柱が貫通しにくいことと舗装面において支柱が地面から突出すると歩行者等への安全性の確保と景観形成に不安があるからである。
そのため、厚さ5cmの3次元構造ポリプロピレン製マット(図1,2参照)を植栽のための穴5より少し大きい直径に成形し、マット縁から中心穴3(植栽穴でもある)に向かい切り込み10を1条入れたもの、もしくは、鍵状に切り込みを入れたものを支持基盤マット1とする。支持基盤マット1は薄層高密度層11を上面とし、苗木の主幹が支持基盤マット1の中央に位置するよう切り込み10から植栽穴3にはめ込み、図1の斜視図になるように、植栽する。
この支持基盤マット1は、倒伏防止に有効である(表2参照)。また、本発明の植栽方法での利用したマット1は、雨水のみを通過させ、泥土の流入を防止するので二重根発生の抑制、ウォータースペース確保による雨水利用に有効である(表3,4参照)。
マットでの番号は、前記のマット種類の説明参照、PPP:ポリプロピレン製マット
異なる英文字間a,b,cはLSD(0.05)で有意差有ることを示す。
本発明方法により、植栽した苗木は、必要に応じ枝条の誘引・結束を行う。誘引は、例えば、ガードフェンスに沿って弧状又は線状に仕立てる。これにより植物の上方への生育を抑制し、剪定作業を軽減することが可能になる。また、誘引により花芽数が増加し、美しい景観が形成される。
本発明による植栽方法では、舗装面6に直径20cm程度のコア5を抜きこの植栽穴5に植木苗木を植栽することで、既設の歩道をはじめ舗装面を緑化するものである。
支柱を必要としないので、ガードフェンスの脇の舗装面に植栽すると、植栽された植物による緑化が容易に可能であり、既設の舗装地帯を利用して、緑化を安価で短期間に行うことができる。このように舗装面の植栽技術は今までに例がない。また、既存の舗装面に植栽する類似の技術についても見あたらなく、特に本発明による植栽方法は、全くの新しい発想である。
図3に示すように、二重のマットを用いる本発明の植栽方法を説明する。図示のような2つのマット1−1,1−2を二重に用いて、その各々の植栽穴3いっぱいに、苗木4を通して、苗木4を固定する構造である。植木4は、2つのマットにより、支持されて、倒れ難いものとなった。
更に、本発明の植栽方法で植えた植木4は、2つのマット1−1,1−2の植栽穴3により、固定されて、植木4はより倒れ難くなる。
平成17年7月25日に樹高1m程度のセイヨウネズ‘スエシカ’(以下、スエシカ)を、縦に埋め込んだ直径20cm高さ20cmの塩ビ管の中空部分に植栽した。前記の種類のマットを、直径20cmの円状に切り取り中心植栽穴3まで切り込みを入れたマット1を、スエシカの主幹が植栽穴3中心に入るように設置した。マット1は薄層面1−1が上になるようにした。
マットの種類は、フェルトマット(2)、3cmマット(1−3)、5cmマット(1−2)、高密度マット(1−1)の3種類を用いたもので植栽した。それと、支柱をしない無処理植栽、直接露地に植え付けた対照の計6種類で経過を観察した。対照、無処理植栽は、植栽の深さを地表面と一致させ、各マット植栽ではマットの厚さと同等に植栽物を深く植えた(表5参照)。
(倒伏調査)
植栽した直後、地上30cmの幹にヒモを結びテンションゲージでヒモを水平に引き、木が完全に倒伏した地点での張力を測定した。また、平成17年11月8日に同様に張力を測定した。11月8日にはフェルトマットを用いて植栽したものも植栽時の張力測定を行った。(結果は表5参照)
(長期使用調査)
平成17年7月25日から10月25日までスエシカの倒伏状況、マット支持基盤の設置状況などを観察した。また、10月25日に樹高を測定した。
倒伏に対する支持強度は、植栽時には高密度マット(1−1)植栽が最も高く、ついで支柱植栽、5cmマット(1−2)植栽の順に高かった。植栽後では高密度マット植栽で支持強度が高かった。(表5及び6参照)。
いずれの処理区についても定植時には一定の効果は認められたが、苗木植栽に対する支持強度、長期使用実績から高密度マット植栽及び5cmマット植栽が支持基盤として適していると考えられた。
(2)植え穴への雨水活用技術の検討
街路樹の水管理は、主に植樹帯に流入する雨水にのみ頼っており、散水することは希である。少ない植樹スペースでは苗木の植栽の深さが地表面と同等の場合、雨水の流入量が少なく、雨水の確保が困難であると予想されるため、支持基盤マット部分をウォータースペースとして確保することは重要である。そこで、マットごとの活用可能な雨水量など基礎データ(表7参照)を収集する。
直径20cmの円状に切り取った上記の4種のマットを、各々、内径20cm長さ40cmの塩化ビニル管に蓋をするように内部にはめ込み、反対側の端にはビニル袋を取り付け、マットがある端が上になるよう塩化ビニル管を立てた。その際、マットの薄層高密度面が上になるようにした。マットを取り付けない対照も設けた。
平成17年9月5日11時に各処理を施した塩化ビニル管を露天設置した。設置後48時間の雨水を各処理植栽ごとに回収し、マットを透過した透過量、マットに停滞した停滞量を測定した。また、雨水升により試験実施地の48時間の降雨量を測定した。
48時間の降水量は、近隣アメダスポイントのさいたま市で48.5mm、越谷市で25mm、試験実施地で20.2mmであった(表7)。試験実施地の降雨状況は越谷市のアメダスポイントと近似していると考えられる。越谷市の時間降水量は4mm、7mmが1回、2mmが3回、1mmが8回観測された。
試験実施地の総雨量がさいたま市よりも越谷市に近いことから、降雨状況は越谷市のアメダスポイントと近似していると考えられる。越谷市の時間降水量は最も多くて8mmで降雨状況は、普通〜弱い雨であった。試験実施地においても同様の普通〜弱い雨であったと考えられる。強い雨ほど垂直にしみこむ前に水平方向へ流れ出しやすい。今回の雨の場合、垂直方向にしみ込みやすかったと考えられる。
以上のような条件下で、雨水の透過量は、3cmマット(1−3)、5cmマット(1−2)で多く、停滞量はフェルトマットが他のものより約3倍程度多かった。透過量と停滞量を加算した確保量は3cmマット(1−3)、5cmマット(1−2)で多く、対照の80%以上確保できた(表8参照)。
高密度マット植栽(1−1)は、確保量、透過量、停滞量が少なく、雨水の活用が難しいと考えられる。フェルト植栽(2)は、確保量、透過量が少なかったが、停滞量が非常に多かった。実際の利用場面ではフェルト下面が土壌面と密着して、毛管水が切れていなければ土壌の吸い込みにより透過率が上がり、その差が縮まることが予想されるが、その場合は毛管がつながっているため、逆に晴天時にフェルト面からの蒸発で乾燥が進むと考えられる。マットの場合は毛管が切れるので一度透過させた水を蒸発させにくいと考えられ、3cmマット植栽(1−3)、5cmマット植栽(1−2)が雨水透過と蒸発防止の両方の点から雨水の活用に優れていると考えられる。(表8参照)
各々の確保量=透過量+停滞量
確保率(%)=各々の確保量/対照の確保量×100
透過率(%)=各々の透過量/対照の確保量×100
停滞率(%)=各々の停滞量/対照の確保量×100
(3)植え穴への泥土流入防止技術の検討
マットの支持基盤を用いた場合、苗木が深植えになるため、植え穴に泥土が流入すると二重根になる恐れがあると同時に、ウォータースペースの確保が難しくなる。そこで、2層構造のマット支持基盤を利用することで泥土の流入を防止する可能性を検討する。
測定したところは、フェルトマット(2)、3cmマット(1−3)、5cmマット(1−2)、高密度マット(1−1)の4つの場合を観察した。
土壌試料は、花と緑の振興センター内ほ場より採取した土壌を風乾し、3mmふるいを通過させたものを使用した。マットは直径20cmの円状に切り取り、薄層高密度面を上にして、内径20cmの塩ビ管にはめ込みふるいとした。マット上に計量した試料を置き、30秒間浸透し、マットを通過した試料を計量した。これを5回繰り返した。
フェルトマット植栽(2)、5cmマット植栽(1−2)、高密度マット植栽(1−1)は、土壌透過率が低かった(表8参照)。
フェルトマット(2)、5cmマット(1−2)、高密度マット(1−1)は土壌の流入を防止できるため、ウォータースペースの確保、防草効果が期待できる。
ただし、フェルトマット、高密度マットでは、表8の結果より雨水の確保量が少ないことが分かっており、5cmマットが雨水確保、泥土流入防止の点から有効であると考える。支持基盤の違いにより、前記の表3に示されるような土壌透過率(%)の差が見られる。
舗装道をコア抜きして植栽する手法は、既存の植樹帯を活用しなくても、簡易に後から植栽できるだけでなく、駐車場などどこにでも植栽できるなど利点が多い。今回の調査で、植樹帯への植栽と比較しても生育が劣らず防草効果も高かったことから実用的であると言える。
一方、各種マットの苗木支持効果については、最も重要な点である生育への影響、苗木支持効果をはじめ、雨水活用、泥土流入防止効果について検討した。しかし、アスファルト舗装への植栽については景観も重視されるべきであり、また、設置労力、資材の加工性、資材コストなどの点からも、有利であることが分かった。
植栽時の支持効果はいずれのマットでも認められたが、フェルトマット植栽ではフェルトマットが折れ曲がり易く安定性が足りない。銅管支柱植栽では、銅管支柱が折れ曲がり、継続的に使用する場合は交換の必要があることが分かった。また、銅管はスエシカの根元付近に支柱として立てたが、根鉢が堅くなっている場合は、設置が難しかった。
植栽後の調査は、高密度マット植栽(1−1)及び5cmマット植栽(1−2)では倒伏させたスエシカが元の位置に戻り支持基盤として安定性があった。高密度マット植栽以外は無処理植栽と同程度の支持効果であったが、これは、スエシカの根量が多くなったことで、スエシカ自体の支持効果が高くなったと考えられる。
いずれのマット植栽においても調査期間中に枯れることはなく、生育への悪影響はなかった。しかし、マットなし植栽、対照植栽、3cmマット(前記の1−3のマット)植栽では傾きが認められた個体があった。また、3cmマット植栽(1−3)は、支持基盤マットがはずれたことが数度確認された。
いずれの植栽についても植栽時には一定の効果は認められたが、苗木植栽に対する支持強度、長期使用実績から高密度マット植栽(1−1)及び5cmマット植栽(1−2)が支持基盤として適していると考えられた。
円形マットで説明したが、丸型、楕円形型でも、本発明の植栽方法の要求に従って、容易に変えることができる。即ち、本発明のマットを、丸型、楕円形型にすることができる。
産業上の利用可能性は、上記に記述したが、一般的には、本発明の植木植栽方法を利用すると、既存の舗装地帯の中に、植木を植栽でき、それにより、無味乾燥の舗装スペースを容易に緑化でき、美観性を創生するばかりでなく、健康にも配慮した空間にすることができる。また、植木が倒れないようにする支柱の代わりになるマットを使用することにより、植栽を容易にすると同時に植木穴には雨水を透過させて、供給し、良好な植木の育成条件を確保する。また、植木穴の中に泥土の流入を防止する構造が自然に確立される。
また、同時に支柱を使用しないために、植物を植えた場合、舗装地帯に設けたガードフェンスなどに枝条を誘引し、結束することが容易にできる。即ち、本発明の植栽方法を用いると、容易に、はやく、簡単に、きれいに、舗装面に植栽でき、容易に緑化ができる。
即ち、低コストの舗装面植栽システムを提供できる。そして、駐車場などの既存の舗装地帯にも、大規模な工事と十分な設置スペースの必要なしに、即ち、容易に緑化可能な方法を提供する。従来では、緑化できなかった場所での緑化の需要に対応することができ、少ない植樹スペースにおける舗装地帯の植木植栽方法を提供する。
本発明による植栽方法で、舗装面の一部に植栽した結果を示す斜視図である。 本発明の植栽方法により植栽したものの断面を示す断面図である。 本発明の植栽方法により2重マットを用いて植栽したものの断面を示す断面図である。
符号の説明
1、1−1,1−2 マット
3 マットの中心の植栽穴
4 植栽樹木
5 舗装面に設ける植栽のための穴
6 舗装面(アスファルト層或いはコンクリート層)
6−1 舗装面の基礎石
7 植栽樹木の根
10 切り込み
11 マット表面層(薄層高密度層)
12 プラスチック樹脂繊維充填層(3次元構造層)

Claims (4)

  1. 既存のアスファルトなどの舗装面に、植栽すべき植木(4)の大きさに適する程度の直径を有する植栽のための穴(5)を開け、その植栽のための穴(5)に植木を植え、栽培し、舗装地帯の緑化をする苗木植栽方法。
  2. 前記の植栽のための穴(5)の大きさに相当するマット(1)を、植栽のための穴(5)いっぱいに敷いて、そのマット(1)の中心に向かい鍵状の切り込み、もしくは、植木の直径より少し小さい植栽穴(3)を設け、その切り込み、もしくは、植栽穴(3)に植木(4)の幹がきつく入るように、植栽し、該マット(1)が植木の支柱の役を果たす構造であることを特徴とする請求項1に記載の苗木植栽方法。
  3. 前記のマット(1)は、3次元構造のマットであることを特徴とする請求項1に記載の苗木植栽方法。
  4. 前記のマット(1)は、3次元構造のマットの2層構造であることを特徴とする請求項3に記載の苗木植栽方法。
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