JP2007303635A - 冷凍サイクル用のシール構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】Oリングのはみ出しを防止し、且つガス透過量を抑えることができる冷凍サイクル用のシール構造を提供することを目的とする。
【解決手段】第1の配管継手1と第2の配管継手2を互いに挿入し、その挿入された結合部に形成された空隙部3にOリング4とバックアップリング5を重ねて設けてそれら配管継手1,2の結合部をシールする冷凍サイクル用のシール構造において、前記第1の配管継手1若しくは前記第2の配管継手2の傾斜面10に沿ったテーパ面11を、前記バックアップリング5に有する。
【選択図】図3
【解決手段】第1の配管継手1と第2の配管継手2を互いに挿入し、その挿入された結合部に形成された空隙部3にOリング4とバックアップリング5を重ねて設けてそれら配管継手1,2の結合部をシールする冷凍サイクル用のシール構造において、前記第1の配管継手1若しくは前記第2の配管継手2の傾斜面10に沿ったテーパ面11を、前記バックアップリング5に有する。
【選択図】図3
Description
本発明は、冷凍サイクル用のシール構造に関し、詳細には、冷凍サイクルに用いられる配管継手同士の接続に使用されるシール技術に関する。
例えば、二酸化炭素を冷媒として使用した冷凍サイクルにおいては、冷媒圧力がフロンガスを使用した場合の圧力よりも10倍以上となるため、配管継手に装着されるゴム材製のOリングなどのシール部からの冷媒の透過漏れが大きくなる。
特に、二酸化炭素を使用することにより過大な押圧力がOリングに掛かることで、継手結合部に形成される大気側の隙間にOリングの一部がはみ出して損傷し、その損傷部から漏れが生じる。
このガス漏れを防止するために、バックアップリングをOリングに重ねて設けることでシール性能を高める技術が知られている(例えば、特許文献1など参照)。
特開2005−42815号公報(第3頁、第12図および第13図など参照)
しかしながら、バックアップリングをOリングに重ねて配置することでOリングのはみ出しは防止できるが、透過漏れを充分に抑制することは困難な状況にある。
そこで、本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、Oリングのはみ出しを防止し、且つガス透過量を抑えることができる冷凍サイクル用のシール構造を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、第1の配管継手と第2の配管継手を互いに挿入し、その挿入された結合部に形成された空隙部にOリングとバックアップリングを重ねて設けてそれら配管継手の結合部をシールする冷凍サイクル用のシール構造において、前記第1の配管継手若しくは前記第2の配管継手の傾斜面に沿ったテーパ面を、前記バックアップリングに有することを特徴としている。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の冷凍サイクル用のシール構造であって、バックアップリングの表面若しくは中間層に、フィルムコーティングした透過漏れ防止層を設けたことを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、Oリングに重ねて設けたバックアップリングに、配管継手の傾斜面に沿ったテーパ面を設けているので、このテーパ面が配管継手の傾斜面に密着することによってガス透過量を抑えることができる。したがって、本発明によれば、Oリングのはみ出しをバックアップリングで防止することができることに加えて、バックアップリングを透過し漏れる冷媒ガスの漏れを有効に抑制することができる。
請求項2に記載の発明によれば、バックアップリングの表面若しくは中間層にフィルムコーティングした透過漏れ防止層を設けたので、この透過漏れ防止層が障壁となって冷媒ガスの透過を抑制させる。
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本実施形態のシール構造部分を分解して示す断面図、図2(A)は配管継手にOリングとバックアップリングを装着した状態を示すシール構造部分の断面図、図2(B)は第1及び第2の配管継手を結合させた状態を示すシール構造部分の断面図である。
本実施形態の冷凍サイクル用のシール構造は、図1及び図2に示すように、第1の配管継手1と第2の配管継手2を互いに挿入し、その挿入された結合部に形成された空隙部3にOリング4とバックアップリング5を重ねて設けてそれら配管継手1,2の結合部をシールするように構成されている。
第1の配管継手1は、所定の直径とされた円筒形状をなすチューブ管本体1Aと、そのチューブ管本体1Aの先端部に後述する第2の配管継手2の先端結合部を挿入させてOリング4及びバックアップリング5を配置させる空隙部3を形成する先端結合部1Bとから構成されている。
先端結合部1Bは、チューブ管本体1Aよりも直径を大とした拡径部とされ、その内部空間6には、第2の配管継手2の先端結合部を挿入させるようになっている。なお、前記チューブ管本体1Aとの連結側における先端結合部1Bの段差面7には、前記第2の配管継手2の先端結合部の先端部が接触しないようになっている。
第2の配管継手2は、第1の配管継手1の先端結合部1Bと同一直径とされた円筒形状のチューブ管本体2Aと、そのチューブ管本体2Aよりも若干小径の第1先端結合部2Bと、その第1先端結合部2Bよりも小径で且つOリング4を装着させる第2先端結合部2Cとから構成されている。
前記チューブ管本体2Aと第1先端結合部2B間の段差面8には、第1の配管継手1における先端結合部1Bの先端面9が接触する。この段差面8と先端面9との対向部分が、大気と連通する冷媒流れ出口側となる。また、第1先端結合部2Bと第2先端結合部2Cとの間には、バックアップリング5を密着させて装着させるための傾斜面10が形成されている。この傾斜面10が形成された部位が、前記バックアップリング5の装着部位である。
Oリング4は、第2の配管継手2の第2先端結合部2Cの周面に装着され、一側面を前記バックアップリング5に密着させる。このOリング4は、第1の配管継手1と第2の配管継手2の結合により外周部が潰れると共に冷媒ガス圧力によってバックアップリング5との接触面が潰れる。かかるOリング4には、例えばNBR(ニトリルゴム)、HNBR(水素化ニトリルゴム)、EPDM(エチレンプロピレンジエン三元共重合体)、CPE(塩素化ポリエチレン)、IIR(ブチルゴム)などの従来この種に使用される材料からなるものが使用される。
バックアップリング5は、第2の配管継手2の第1先端結合部2Bと第2先端結合部2C間に形成された傾斜面10に装着される。このバックアップリング5には、第2の配管継手2に形成された傾斜面10に沿ったテーパ面11が形成されている。テーパ面11は、前記傾斜面10と同一の傾斜角度として形成されており、隙間無く密着するようになっている。
そして、このバックアップリング5には、冷媒の透過性防止に優れた材料を用いることが望ましく、例えばPA6または66(ポリアミド6またはポリアミド66)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、POM(ポリオキシメチレン(ポリアセタール))、LCP(液晶ポリマー)、EVOH(エチレン・ビニルアルコール共重合体)、PVDC(ポリ塩化ビニリデン)、PVA(ポリビニルアルコール)、PVF(ポリフッ化ビニル)などが好適である。
また、これら材料に充填剤を添加して冷媒透過漏れをさらに抑制することが好ましい。充填剤としては、例えばタルク、マイカ、炭酸カルシウム、ガラス繊維、硫酸バリウム、ワラステナイトなどが挙げられる。
タルクは、マグネシウムの含水ケイ酸塩鉱物であり、通常、板状の結晶構造を持っている。粒度はカオリナイト粘土よりも大きく(粒子形状は板状で粒子2〜6μm)、ポリプロピレンの充填剤として使われ、その役割は剛性と熱変形の向上にある。
マイカ(雲母)は、アルカリ金属を含むアルミノケイ酸塩であり、板状構造を持つ(粒子形状は板状で粒子600〜325メッシュ)。従って、フレークの強化能力を持つ充填剤として使うことができる。マイカを添加する効果としては、熱変形温度、弾性率、曲げ強さおよび引張強さの向上、電気的特性、耐化学薬品性およびクリープ性の改善等があげられる。
ワラステナイト(珪灰石)は、カルシウム、鉄、マンガンのシクロケイ酸塩であり、各種結晶形態のうち、針状結晶を有するものは補強能力を有する充填剤として使われる。粒子形状は、針状、板状である。
このように構成された冷凍サイクル用のシール構造では、冷媒ガスが図2(B)中矢印Xで示す第2の配管継手2から第1の配管継手1に流れるとした場合、その冷媒ガスが二酸化炭素であるときには、Oリング4にフロンを冷媒ガスとしたときに比べて10倍以上もの圧力が掛かることになる。そこで、Oリング4にバックアップリング5を重ねて配置することで、当該Oリング4の変形を抑えて損傷を回避する。
特に、本実施形態では、第2の配管継手2に形成した傾斜面10に沿ったテーパ面11をバックアップリング5に形成しているので、このテーパ面11が傾斜面10に隙間無く密着し、バックアップリング5を透過して外部へと冷媒ガスが漏れるのを抑制することができる。また、バックアップリング5に形成したテーパ面11は、垂直面とは異なる傾斜面であるからバックアップリング5と第2の配管継手2との接触面積をより多く確保することができることと、バックアップリング5が受ける冷媒による圧力をこのテーパ面11で分散させることができる。したがって、本実施形態によれば、バックアップリング5によってOリング4のはみ出しを防止することができると共に、ガス透過量を抑えることができる。
また、本実施形態では、バックアップリング5の材料として透過性の低いPA6または66、PET、PBT、POM、LCP、EVOH、PVDC、PVA、PVFなどを使用しているので、冷媒漏れをさらに低減させることができる。
また、本実施形態では、バックアップリング5を構成する材料にタルク、マイカ、炭酸カルシウム、ガラス繊維、硫酸バリウム、ワラステナイトなどの充填剤を添加しているので、充填剤が冷媒ガス拡散の障害になり外部へ透過し難くなる。
図3は第1の配管継手に形成した傾斜面に沿ったテーパ面をバックアップリングに形成した例を示し、(A)は第1の配管継手にOリングとバックアップリングを装着させた状態を示すシール構造部分の断面図、(B)は第1及び第2の配管継手を結合させた状態を示すシール構造部分の断面図である。
図3では、第1の配管継手1の先端結合部1Bにおける内面に傾斜面10を形成し、その傾斜面10にバックアップリング5に形成したテーパ面11を密着させた構造としている。バックアップリング5に形成したテーパ面11は、図1のものとは異なり外周側に形成されている。このテーパ面11は、前記傾斜面10と同一角度とされ、当該傾斜面10に沿って隙間無く密着するようになっている。なお、図3の構造では、第2の配管継手2は、第1先端結合部2Bを有しておらず、第2先端結合部2CにOリング4とバックアップリング5の両方を装着させた構造をなしている。
このように構成された冷凍サイクル用のシール構造では、図1の構造と同様、第1の配管継手1に形成した傾斜面10に沿ったテーパ面11をバックアップリング5に形成しているので、このテーパ面11が傾斜面10に密着することで、冷媒ガスの漏れを抑制することができる。
図4は第1及び第2の配管継手の両方に形成した傾斜面に沿ったテーパ面をバックアップリング内外に形成した例を示し、(A)は第1の配管継手にOリングとバックアップリングを装着させた状態を示すシール構造部分の断面図、(B)は第1及び第2の配管継手を結合させた状態を示すシール構造部分の断面図である。
図4では、第1の配管継手1の先端結合部1Bにおける内面と第2の配管継手2の第1先端結合部2Bと第2先端結合部2Cとの間にそれぞれ傾斜方向を異にした傾斜面10A、10Bを形成し、その傾斜面10A、10Bにバックアップリング5内外に形成したそれぞれのテーパ面11A、11Bを密着させた構造としている。すなわち、本例では、図2における第2の配管継手2の構造と図3における第1の配管継手1の構造を組み合わせたシール構造とされている。
バックアップリング5に形成したテーパ面11A、11Bは、接触するそれぞれの前記傾斜面10A、10Bと同一角度とされ、当該傾斜面10A、10Bに沿って隙間無く密着するようになっている。
このように構成された冷凍サイクル用のシール構造では、第1及び第2の配管継手1、2に形成したそれぞれの傾斜面10A、10Bに沿ったテーパ面11A、11Bをバックアップリング5に形成しているので、このテーパ面11A、11Bがそれぞれの傾斜面10A、10Bに密着することで、冷媒ガスの漏れをより一層抑制することができる。
図5は、バックアップリングの表面若しくは中間層にフィルムコーティングを施して透過漏れ防止層を形成した例を示すバックアップリングの要部拡大断面図である。図5(A)はバックアップリング5の表面5a全体を覆ってフィルムコーティングを施すことにより透過漏れ防止層12を形成した構造とし、図5(B)はOリング4と接触する面側(高圧側)の表面5aにのみ透過漏れ防止層12を形成した構造とし、図5(C)はその反対側である低圧側の裏面5bにのみ透過漏れ防止層12を形成し、図5(D)は中心層にのみ透過漏れ防止層12を形成している。
透過漏れ防止層12を構成するフィルム材としては、例えばPVA、EVOH、PVDC、PET、アルミまたはアルミナまたはシリカ蒸着などの材料が好ましく、これらを熱溶着法などによってバックアップリング5の表面5aや裏面5b或いは中間層に形成する。
バックアップリング5の表面5aなどにPVA、EVOH、PVDC、PET、アルミナなどの材料からなる透過漏れ防止層12を形成すれば、冷媒ガスの漏れをより一層抑制させることができる。
以上、本発明を適用した具体的な実施の形態について説明したが、本発明は、上述の実施の形態に制限されることなく種々の変更が可能である。
図6は第2の配管継手の第2先端結合部にフランジを有した場合のシール構造部分の断面図である。
なお、第2先端結合部2Cにフランジ部13が形成されている場合には、バックアップリング5の第2の配管継手2への装着を容易なものとするために、当該バックアップリング5に切込み部14を形成する必要がある。なお、図6に示すシール構造は、第2の配管継手2の第2先端結合部2Cにフランジ部13が形成された点とバックアップリング5に切込み部14が形成された点を除いては図1に示したシール構造と同一構造である。そのため、この実施形態のシール構造では、図1に示したシール構造と同様の作用効果が得られる。
1…第1の配管継手
1A…チューブ管本体
1B…先端結合部(第1の配管継手の先端結合部)
2…第2の配管継手
2B…第1先端結合部(第2の配管継手の第1先端結合部)
2C…第2先端結合部(第2の配管継手の第2先端結合部)
3…空隙部
4…Oリング
5…バックアップリング
10(10A、10B)…傾斜面
11(11A、11B)…テーパ面
1A…チューブ管本体
1B…先端結合部(第1の配管継手の先端結合部)
2…第2の配管継手
2B…第1先端結合部(第2の配管継手の第1先端結合部)
2C…第2先端結合部(第2の配管継手の第2先端結合部)
3…空隙部
4…Oリング
5…バックアップリング
10(10A、10B)…傾斜面
11(11A、11B)…テーパ面
Claims (2)
- 第1の配管継手(1)と第2の配管継手(2)を互いに挿入し、その挿入された結合部に形成された空隙部(3)にOリング(4)とバックアップリング(5)を重ねて設けてそれら配管継手(1,2)の結合部をシールする冷凍サイクル用のシール構造において、
前記第1の配管継手(1)若しくは前記第2の配管継手(2)の傾斜面(10)に沿ったテーパ面(11)を、前記バックアップリング(5)に有する
ことを特徴とする冷凍サイクル用のシール構造。 - 請求項1に記載の冷凍サイクル用のシール構造であって、
前記バックアップリング(5)の表面(5a)若しくは中間層に、フィルムコーティングした透過漏れ防止層(12)を設けた
ことを特徴とする冷凍サイクル用のシール構造。
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JP2006135040A JP2007303635A (ja) | 2006-05-15 | 2006-05-15 | 冷凍サイクル用のシール構造 |
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JP2006135040A JP2007303635A (ja) | 2006-05-15 | 2006-05-15 | 冷凍サイクル用のシール構造 |
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2006
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