JP2007298866A - シャッタ装置、カメラ、シャッタ装置の製造方法および加締ピン - Google Patents
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Abstract
【課題】シャッタ動作の際の繰り返し衝撃力によるアームの損傷を防止すること。
【解決手段】シャッタ装置は、カシメピン40と、カシメピン40が取り付けられる遮光羽根11(12〜14,21〜24)と、カシメピン40を介して遮光羽根11(12〜14,21〜24)と相対運動するアーム15(16,25,26)と、カシメピン40とアーム15(16,25,26)との間に設けられる衝撃吸収部50とを備えている。
【選択図】図4
【解決手段】シャッタ装置は、カシメピン40と、カシメピン40が取り付けられる遮光羽根11(12〜14,21〜24)と、カシメピン40を介して遮光羽根11(12〜14,21〜24)と相対運動するアーム15(16,25,26)と、カシメピン40とアーム15(16,25,26)との間に設けられる衝撃吸収部50とを備えている。
【選択図】図4
Description
本発明は、シャッタ装置、そのシャッタ装置を備えるカメラおよびシャッタ装置の製造方法に関する。
一般的なフォーカルプレーンシャッタでは、複数枚のシャッタ羽根がそれぞれ加締ピンを介して回転自在にアームに取り付けられている。アームの回動に従って、複数枚のシャッタ羽根は、開口を有する基板表面に沿って走行し開口の開閉動作を行う。開閉動作の終了時には急激にアームの回動を停止するため、加締ピンはアームから衝撃力を受ける。アームとカシメピンとの間で繰り返し発生する衝撃力によってアームとカシメピンとの間で磨耗が進行する。そこで、磨耗を抑制して磨耗粉の発生を防止するために、磨耗しやすいカシメピンの表面硬度をアームの表面硬度よりも大きくする技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1の技術では、加締ピンからの磨耗粉の発生は抑制されるが、繰り返し衝撃力によるアームの損傷は防止するのが困難である。
(1)本発明の請求項1に係る発明のシャッタ装置は、加締ピンと、加締ピンが取り付けられるシャッタ羽根と、加締ピンを介してシャッタ羽根と相対運動するアーム部材と、前記加締ピンとアーム部材との間に設けられる衝撃吸収部材とを備えることを特徴とする。
(2)請求項2に係る発明は、請求項1に記載のシャッタ装置において、衝撃吸収部材は、加締ピンがアーム部材に嵌合する嵌合周面に沿って設けられることを特徴とする。
(3)請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載のシャッタ装置において、衝撃吸収部材は、樹脂を素材とすることを特徴とする。
(4)請求項4に係る発明は、請求項3に記載のシャッタ装置において、樹脂は、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、シリコーン樹脂またはシリコーンゲルであることを特徴とする。
(5)請求項5に係る発明のカメラは、請求項1〜4のいずれか一項に記載のシャッタ装置を備えることを特徴とする。
(6)請求項6に係る発明のシャッタ装置の製造方法は、加締ピンと、加締ピンが取り付けられるシャッタ羽根と、加締ピンを介してシャッタ羽根と相対運動するアーム部材と、加締ピンとアーム部材との間に設けられる衝撃吸収部材とを備えるシャッタ装置の製造方法であって、加締ピンの嵌合周面に衝撃吸収部材を形成する工程と、衝撃吸収部材が設けられた加締ピンをアーム部材に嵌合させる工程と、加締ピンをシャッタ羽根に加締める工程とを含むことを特徴とする。
(7)請求項7に係る発明は、請求項6に記載のシャッタ装置の製造方法において、衝撃吸収部材は、樹脂を素材として形成することを特徴とする。
(8)請求項8に係る発明の加締ピンは、請求項1〜4のいずれか一項に記載のシャッタ装置に用いる加締ピンであって、アーム部材に嵌合する嵌合周面に沿って衝撃吸収部材が設けられていることを特徴とする。
(9)請求項9に係る発明は、請求項8に記載の加締ピンにおいて、衝撃吸収部材は、樹脂を素材とすることを特徴とする。
(10)請求項10に係る発明は、請求項9に記載の加締ピンにおいて、樹脂は、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、シリコーン樹脂またはシリコーンゲルであることを特徴とする。
(2)請求項2に係る発明は、請求項1に記載のシャッタ装置において、衝撃吸収部材は、加締ピンがアーム部材に嵌合する嵌合周面に沿って設けられることを特徴とする。
(3)請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載のシャッタ装置において、衝撃吸収部材は、樹脂を素材とすることを特徴とする。
(4)請求項4に係る発明は、請求項3に記載のシャッタ装置において、樹脂は、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、シリコーン樹脂またはシリコーンゲルであることを特徴とする。
(5)請求項5に係る発明のカメラは、請求項1〜4のいずれか一項に記載のシャッタ装置を備えることを特徴とする。
(6)請求項6に係る発明のシャッタ装置の製造方法は、加締ピンと、加締ピンが取り付けられるシャッタ羽根と、加締ピンを介してシャッタ羽根と相対運動するアーム部材と、加締ピンとアーム部材との間に設けられる衝撃吸収部材とを備えるシャッタ装置の製造方法であって、加締ピンの嵌合周面に衝撃吸収部材を形成する工程と、衝撃吸収部材が設けられた加締ピンをアーム部材に嵌合させる工程と、加締ピンをシャッタ羽根に加締める工程とを含むことを特徴とする。
(7)請求項7に係る発明は、請求項6に記載のシャッタ装置の製造方法において、衝撃吸収部材は、樹脂を素材として形成することを特徴とする。
(8)請求項8に係る発明の加締ピンは、請求項1〜4のいずれか一項に記載のシャッタ装置に用いる加締ピンであって、アーム部材に嵌合する嵌合周面に沿って衝撃吸収部材が設けられていることを特徴とする。
(9)請求項9に係る発明は、請求項8に記載の加締ピンにおいて、衝撃吸収部材は、樹脂を素材とすることを特徴とする。
(10)請求項10に係る発明は、請求項9に記載の加締ピンにおいて、樹脂は、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、シリコーン樹脂またはシリコーンゲルであることを特徴とする。
本発明によれば、シャッタ羽根とアーム部材の相対運動によって加締ピンとアーム部材との間に生じる衝撃力を衝撃吸収部材により緩和することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態による一眼レフデジタルカメラの全体構成図である。一眼レフデジタルカメラ1では、カメラボディ2に撮影レンズ3が交換可能に取り付けられる。カメラボディ2は、クイックリターンミラー4、ペンタプリズム5、接眼レンズ6、サブミラー7、焦点検出装置8、撮像素子9およびシャッタ装置100を備えている。シャッタ装置100はフォーカルプレーンシャッタであり、撮像素子9に近接して配置されている。また、撮影レンズ3は、その鏡筒内にレンズ、絞りなどからなる撮影光学系を有する。
図1は、本発明の実施の形態による一眼レフデジタルカメラの全体構成図である。一眼レフデジタルカメラ1では、カメラボディ2に撮影レンズ3が交換可能に取り付けられる。カメラボディ2は、クイックリターンミラー4、ペンタプリズム5、接眼レンズ6、サブミラー7、焦点検出装置8、撮像素子9およびシャッタ装置100を備えている。シャッタ装置100はフォーカルプレーンシャッタであり、撮像素子9に近接して配置されている。また、撮影レンズ3は、その鏡筒内にレンズ、絞りなどからなる撮影光学系を有する。
撮影レンズ3を透過した被写体からの光束Lは、その一部がクイックリターンミラー4により図中上方に反射され、ペンタプリズム5および接眼レンズ6を介して撮影者の目に達する。一方、光束Lの他の一部はクイックリターンミラー4を透過し、サブミラー7により図中下方に反射されて焦点検出装置8へ導かれる。シャッターがレリーズされると、フォーカルプレーンシャッタ100が動作を開始し、クイックリターンミラー4とサブミラー7が跳ね上げられて撮影光路から退避する。撮影レンズ3を透過した光束Lのすべては撮像素子9へ導かれ、撮像素子9に被写体像が形成される。
図2、図3は、本発明の実施の形態によるシャッタ装置100(フォーカルプレーンシャッタ100)の全体構成図である。図2はシャッタがチャージされた状態、図3はシャッタがレリーズされて露光動作が終了した状態を示す。図2、図3に示されるフォーカルプレーンシャッタ100は、先幕10、後幕20およびシャッタ基板30を備えている。
先幕10は、4枚の遮光羽根(シャッタ羽根)11〜14と先幕主アーム16と先幕従アーム15とを含む。先幕主アーム16は軸受孔16a,16bと4つの連結孔16cとを有し、先幕従アーム15は軸受孔15aと4つの連結孔15cとを有する。それぞれ4つの連結孔16c,15cにカシメピン(不図示)を嵌合させ、これらのカシメピンを4枚の遮光羽根11〜14に加締めることにより、先幕主アーム16と先幕従アーム15は、遮光羽根11〜14を回転可能に保持する。
後幕20は、4枚の遮光羽根(シャッタ羽根)21〜24と後幕主アーム26と後幕従アーム25とを含む。後幕20も先幕10と同様に、後幕主アーム26は軸受孔26a,26bと4つの連結孔26cとを有し、後幕従アーム25は軸受孔25aと4つの連結孔25cとを有する。それぞれ4つの連結孔26c,25cにカシメピン(不図示)を嵌合させ、これらのカシメピンを4枚の遮光羽根21〜24に加締めることにより、後幕主アーム26と後幕従アーム25は、遮光羽根21〜24を回転可能に保持する。
図2では、先幕10の遮光羽根11〜14は、展開してシャッタ基板30に形成された開口窓30aを覆う遮蔽状態にあり、後幕20の遮光羽根21〜24は、開口窓30aの上方に重なり合って開口窓30aを開放する開放状態にある。すなわち、先幕10が遮蔽状態、後幕20が開放状態にあって、露光を阻止している。
図3では、先幕10の遮光羽根11〜14は、開口窓30aの下方に重なり合って開口窓30aを開放する開放状態にあり、後幕20の遮光羽根21〜24は、展開して開口30aを覆う遮蔽状態にある。すなわち、先幕10が開放状態、後幕20が遮蔽状態にあって、露光を阻止している。
回動軸X1,X2は、シャッタ基板30に植設され、先幕従アーム15、先幕主アーム16は、回動軸X1、X2にそれぞれ回転可能に取り付けられ、平行リンク機構を構成する。先幕主アーム16の軸受孔16bを貫通している駆動ピン31は、シャッタ基板30のレンズ側(図2,3中、手前側)に設置されている不図示の駆動機構に設けられており、駆動ピン31が回動軸X2周りに円弧運動することにより、先幕10の露光動作が行われる。
同様に、回動軸X3,X4もシャッタ基板30に植設され、後幕従アーム25、後幕主アーム26は、回動軸X3、X4にそれぞれ回転可能に取り付けられ、平行リンク機構を構成する。後幕主アーム26の軸受孔26bを貫通している駆動ピン32も駆動ピン31と同様に、上述の不図示の駆動機構に設けられており、駆動ピン32が回動軸X4周りに円弧運動することにより、後幕20の走行(露光動作)が行われる。
図2のシャッタチャージ状態から図3の露光動作終了状態までのシャッタ動作は次の順番で行われる。先ず、シャッタがレリーズされると、遮光羽根11〜14が先幕従アーム15、先幕主アーム16の回動により、開口窓30aの上から下へ走行して開口窓30aを開いていく。一定時間経過後に、開口窓30aの上方に重なり合っていた遮光羽根21〜24が後幕従アーム25、後幕主アーム26の回動により、走行を開始しつつ展開して開口窓30aを覆っていく。
遮光羽根11〜14は、駆動ピン31がブレーキ部材41に衝突して先幕従アーム15、先幕主アーム16の回動が急停止することにより、走行の終了直前で急激に運動エネルギーを失って停止する。遮光羽根21〜24も、駆動ピン32がブレーキ部材42に衝突して後幕従アーム25、後幕主アーム26の回動が急停止することにより、走行の終了直前で急激に運動エネルギーを失って停止する。遮光羽根21〜24が開口窓30aを完全に遮蔽した時点で露光動作が終了する。
この一連のシャッタ動作では、露光動作終了の際に作用する慣性のために、各々の遮光羽根に取り付けられた各々のカシメピンは、これらのカシメピンが嵌合しているアームから衝撃力を受ける。この衝撃力は、カシメピンの嵌合周面とアームの連結孔との間でシャッタをレリーズする度に繰り返し発生する。さらに、このような繰り返しのシャッタレリーズにより、カシメピンの嵌合周面とアームの連結孔内面との間で繰り返し摺動する。特に、デジタルカメラ用のフォーカルプレーンシャッタでは、フィルム消費の心配をせずに済むので、銀塩フィルム用のカメラよりも必然的にシャッタレリーズ回数が多くなる傾向にある。そのため、衝撃力を受ける回数も多くなり、摺動距離が累積して総計も長くなる。
本実施の形態のフォーカルプレーンシャッタ100においては、カシメピンとアームとの間に生じる衝撃力を緩和することにより、アームの損傷を防止し、摩擦による磨耗粉の発生を抑制することが可能である。
図4は、本発明の実施の形態によるフォーカルプレーンシャッタに用いられる加締連結構造を模式的に示す断面図である。以下、アームの代表として先幕従アーム15、遮光羽根の代表として遮光羽根11を選んで説明する。図4に示される加締めによる連結構造では、アーム15と遮光羽根11は、カシメピン40を介して相互に回転運動可能に連結されている。カシメピン40は、軸心AXに対して回転対称形状を呈しており、頭部41、軸部42および足部43を有しており、軸部42の周面には衝撃吸収部50が設けられている。カシメピン40の機能としては、足部43が遮光羽根11を挟持して固定し、軸部42より径の大きい頭部41が遮光羽根11が抜け落ちないように阻止し、軸部42がアーム15の連結孔15cに嵌合し、アーム15の回動(円弧運動)による力を受けるともに連結孔15cに対する回転軸となっている。したがって、軸部42の周面に設けられた円筒状の衝撃吸収部50には、アーム15の回動による力および連結孔15cとの摺動による摩擦力が作用する。上述したように、アーム15の回動による力は、回動終了時(露光動作終了時)には衝撃力となる。
先幕従アーム15は、例えば、チタン材表面に無電解NiPメッキが施され、メッキ層の表面に黒色酸化処理がなされている。遮光羽根11は、例えば、薄板のCFRP(炭素繊維強化プラスチック)を積層した複合材に黒色潤滑塗装が施されている。カシメピン40は、例えば、ステンレス鋼SUS430(JIS規定)で作製されている。円筒状の衝撃吸収部50は、例えば、ポリウレタンで作製されており、金属やセラミックなどに比べて軟らかく弾力性に富み、さらに耐磨耗性にも優れている。
図5は、本発明の実施の形態によるカシメピン40を模式的に示す断面図である。図4で説明したように、カシメピン40は、頭部41、軸部42および足部43を有している。頭部41、軸部42および足部43は同一材料で一体に製作してもよいし、異種材料で製作してもよい。頭部41、軸部42および足部43を製作した後に、軸部42の周面に衝撃吸収部50を配設する。この配設方法としては、軸部42をポリウレタンチューブの内周面に嵌入してもよいし、金型を用いたインジェクションにより軸部42の周囲のみにポリウレタン樹脂層を形成してもよい。
図6は、本発明の実施の形態によるフォーカルプレーンシャッタに用いられる加締連結方法を説明する模式的な断面図である。図6(a)は加締め加工前、図6(b)は加締め加工後の状態を示している。図6(a)に示されるように、カシメピン40(図5参照)の軸部42をアーム15の連結孔15cに嵌合させ、足部43をシャッタ羽根11のカシメ孔11cに挿入する。続いて図6(b)に示されるように、足部43を外側に折り曲げ変形させる加締めによりシャッタ羽根11を機械的に挟持する。これにより、加締連結構造が完成する。以上の説明では、先幕従アーム15、遮光羽根11を例に挙げたが、先幕主アーム16、後幕従アーム25および後幕主アーム26、ならびに遮光羽根12〜14、21〜24についても同様である。
〈実施例〉
次に、本実施の形態によるフォーカルプレーンシャッタ100の耐久試験とその結果について説明する。図4に示される加締連結構造を有するフォーカルプレーンシャッタ100では、カシメピン40の材料としてステンレス鋼SUS430を用い、衝撃吸収部50として円筒状のポリウレタン樹脂を軸部42の周面に配設している。一方、図4と同じ加締連結構造であるが、衝撃吸収部50を設けないフォーカルプレーンシャッタをこの耐久試験の比較例とした。軸部42の周面に配設された衝撃吸収部50の外径は1.6mmであり、比較例のカシメピンの軸部の外径も1.6mmである。すなわち、本実施の形態の加締連結構造でも比較例の加締連結構造でもアームの連結孔に対するクリアランスは同寸法である。なお、アームも共通であり、上述したチタン製である。
次に、本実施の形態によるフォーカルプレーンシャッタ100の耐久試験とその結果について説明する。図4に示される加締連結構造を有するフォーカルプレーンシャッタ100では、カシメピン40の材料としてステンレス鋼SUS430を用い、衝撃吸収部50として円筒状のポリウレタン樹脂を軸部42の周面に配設している。一方、図4と同じ加締連結構造であるが、衝撃吸収部50を設けないフォーカルプレーンシャッタをこの耐久試験の比較例とした。軸部42の周面に配設された衝撃吸収部50の外径は1.6mmであり、比較例のカシメピンの軸部の外径も1.6mmである。すなわち、本実施の形態の加締連結構造でも比較例の加締連結構造でもアームの連結孔に対するクリアランスは同寸法である。なお、アームも共通であり、上述したチタン製である。
耐久試験では、幕速(シャッタ羽根の走行速度に対応)2.9msecで20万回の繰り返しシャッタレリーズを実施した。耐久試験後、比較例のフォーカルプレーンシャッタではアームの連結孔の変形(孔拡がり等)が発生したが、本実施の形態のフォーカルプレーンシャッタ100ではアームの連結孔の変形や損傷は認められなかった。これは、衝撃吸収部50が弾力性をもち、露光動作終了時の衝撃力を緩和するためである。さらに、本実施の形態では、衝撃吸収部50と連結孔の内周面とが摺動しても、磨耗粉の発生がほとんど無いという結果が得られた。これは、衝撃吸収部50が連結孔の内周面との摺動に対して良好な耐磨耗性をもつことが大きな理由である。
以上説明したように、本実施の形態によるフォーカルプレーンシャッタ100は、カシメピン40の軸部42の周面に衝撃吸収部50を配設したので、アームの連結孔の変形や損傷を防止することができ、また、磨耗粉の発生も防止することができる。
また、このフォーカルプレーンシャッタ100を搭載した一眼レフデジタルカメラ1(図1参照)は、アームの連結孔の変形や損傷がなくなるので、シャッタレリーズ回数が増加しても当初のシャッタ性能(例えば、シャッタ秒時)が維持される。また、摺動による磨耗粉もほとんど全く発生しなくなるので、磨耗粉による撮像素子9の受光面の汚染を防止できる。したがって、撮像に際して常に良好な画質が得られる。これらの効果は、シャッタレリーズ回数が多くなる傾向にあるデジタルカメラにおいては特に大きい。
上記の実施の形態では様々な変形例が考えられる。例えば、カシメピン40の衝撃吸収部50の材質として、ポリウレタン樹脂に限らず、塩化ビニル樹脂、シリコーン樹脂またはシリコーンゲルを用いることができ、これらの他にも、軟らかく弾力性に富み耐磨耗性に優れている樹脂やプラスチックを用いることができる。また、カシメピン40の軸部42全体を上記の樹脂やプラスチックで製作し熱加締めにより締結してもよいし、足部43以外のすべてを上記の樹脂やプラスチックで製作してもよい。さらに、衝撃吸収部50をカシメピン40の軸部42に設ける代わりに、アームの連結孔の内周面に設けてもよい。なお、本実施の形態のフォーカルプレーンシャッタ100および上記変形例のカシメピンを用いたフォーカルプレーンシャッタは、一眼レフデジタルカメラに限らず、フィルムタイプの一眼レフカメラにも適用できる。
1:一眼レフデジタルカメラ 10:先幕
11〜14:遮光羽根 15:先幕従アーム
16:先幕主アーム 15c,16c:連結孔
20:後幕 21〜24:遮光羽根
25:後幕従アーム 26:後幕主アーム
25c,26c:連結孔 40:カシメピン
41:頭部 42:軸部
43:足部 50:衝撃吸収部
100:シャッタ装置(フォーカルプレーンシャッタ)
11〜14:遮光羽根 15:先幕従アーム
16:先幕主アーム 15c,16c:連結孔
20:後幕 21〜24:遮光羽根
25:後幕従アーム 26:後幕主アーム
25c,26c:連結孔 40:カシメピン
41:頭部 42:軸部
43:足部 50:衝撃吸収部
100:シャッタ装置(フォーカルプレーンシャッタ)
Claims (10)
- 加締ピンと、
前記加締ピンが取り付けられるシャッタ羽根と、
前記加締ピンを介して前記シャッタ羽根と相対運動するアーム部材と、
前記加締ピンとアーム部材との間に設けられる衝撃吸収部材とを備えることを特徴とするシャッタ装置。 - 請求項1に記載のシャッタ装置において、
前記衝撃吸収部材は、前記加締ピンが前記アーム部材に嵌合する嵌合周面に沿って設けられることを特徴とするシャッタ装置。 - 請求項1または2に記載のシャッタ装置において、
前記衝撃吸収部材は、樹脂を素材とすることを特徴とするシャッタ装置。 - 請求項3に記載のシャッタ装置において、
前記樹脂は、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、シリコーン樹脂またはシリコーンゲルであることを特徴とするシャッタ装置。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載のシャッタ装置を備えることを特徴とするカメラ。
- 加締ピンと、前記加締ピンが取り付けられるシャッタ羽根と、前記加締ピンを介して前記シャッタ羽根と相対運動するアーム部材と、前記加締ピンとアーム部材との間に設けられる衝撃吸収部材とを備えるシャッタ装置の製造方法であって、
前記加締ピンの嵌合周面に前記衝撃吸収部材を形成する工程と、
前記衝撃吸収部材が設けられた加締ピンを前記アーム部材に嵌合させる工程と、
前記加締ピンを前記シャッタ羽根に加締める工程とを含むことを特徴とするシャッタ装置の製造方法。 - 請求項6に記載のシャッタ装置の製造方法において、
前記衝撃吸収部材は、樹脂を素材として形成することを特徴とするシャッタ装置の製造方法。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載のシャッタ装置に用いる加締ピンであって、
前記アーム部材に嵌合する嵌合周面に沿って衝撃吸収部材が設けられていることを特徴とする加締ピン。 - 請求項8に記載の加締ピンにおいて、
前記衝撃吸収部材は、樹脂を素材とすることを特徴とする加締ピン。 - 請求項9に記載の加締ピンにおいて、
前記樹脂は、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、シリコーン樹脂またはシリコーンゲルであることを特徴とする加締ピン。
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