JP2007297607A - 無機粒子を含有するポリアミド樹脂組成物の製造方法、並びに、そのポリアミド樹脂組成物を用いたフィルム成形用樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、優れた滑り性を持ち、かつ透明性、機械特性、表面外観に優れたフィルムを製造するための無機粒子を含有するポリアミド樹脂組成物の製造方法、並びに、その無機粒子を含有するポリアミド樹脂組成物を配合してなるフィルム成形用樹脂組成物を提供することを課題とする。
【解決手段】ポリアミド樹脂(A)を押出機の元込め位置から供給し、ポリアミド樹脂(A)100重量部に対し無機粒子(B)1〜25重量部をポリアミド樹脂(A)の溶融後に供給し、溶融混練することを特徴とする無機粒子を含有するポリアミド樹脂組成物(C)の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、無機粒子の分散性に優れた無機粒子を含有するポリアミド樹脂組成物の製造方法に関するものである。並びに、フィルム用途に適したフィルム成形用樹脂組成物に関するものである。
ポリアミド樹脂からなるフィルムはガスバリアー性や機械的特性に優れるため、食品包装用途、工業用途など広範な用途に使用されている。
しかしながらポリアミド樹脂からなるフィルムは一般的に滑り性があまり良好でないことから、ポリアミド樹脂からなるフィルムの滑り性を改良するために無機粒子を添加することがしばしば行われている。すなわち、無機粒子を配合することでフィルム表面に突起を形成させ、フィルム同士の間に隙間を作るというものである。
ポリアミド樹脂に無機粒子を含有させる製造方法としては、例えば、特許文献1および2に記載されるように冷凍粉砕したポリアミド樹脂と無機粒子とを、ドライブレンドした後、2軸押出機に供給し溶融混練して得る方法、特許文献3に記載されるようにポリアミド樹脂を重合する際に重合成分中に無機粒子を配合して得る方法がある。
しかしながら、特許文献1〜3に記載されている方法によれば、フィルムの滑り性を改善できるものの、まだ満足できるレベルではなく、更に滑り性を向上する方法が求められている。また、ポリアミド樹脂に配合された無機粒子等の滑り性改良剤は、溶融成形時に凝集し易いため、成形されたフィルム中にフィッシュアイ等の異物を生じさせる原因となり、例えば、延伸加工時にフィルムの破断を引き起こすとか、得られた延伸フィルムの商品価値を低下させる等の問題に繋がっている。
特開2000−239522号公報 特開2005−105167号公報 特開2004−339465号公報
そこで本発明は、優れた滑り性を持ち、透明性、機械特性、表面外観に優れたフィルムを製造するためのフィルム用樹脂組成物を提供することを目的とする。
そこで本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち本発明は、
(1)ポリアミド樹脂(A)を押出機の元込め位置から供給し、ポリアミド樹脂(A)100重量部に対し無機粒子(B)1〜25重量部をポリアミド樹脂(A)の溶融後に供給し、溶融混練することを特徴とする無機粒子を含有するポリアミド樹脂組成物(C)の製造方法、
(2)ポリアミド樹脂(A)がナイロン6またはナイロン6/66共重合体であることを特徴とする上記(1)記載の無機粒子を含有するポリアミド樹脂組成物(C)の製造方法、
(3)ポリアミド樹脂(A)をペレットの状態で供給することを特徴とする上記(1)または(2)に記載の無機粒子を含有するポリアミド樹脂組成物(C)の製造方法、
(4)ポリアミド樹脂(A)の、25℃における98%硫酸の1.0%溶液でのオストワルド粘度計を用いた相対粘度が、2.7〜6.0であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の無機粒子を含有するポリアミド樹脂組成物(C)の製造方法、
(5)ポリアミド樹脂(A)の、水分率が0.1重量%以下であることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の無機粒子を含有するポリアミド樹脂組成物(C)の製造方法、
(6)無機粒子(B)がシリカ粒子であることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の無機粒子を含有するポリアミド樹脂組成物(C)の製造方法、
(7)無機粒子(B)のコールターカウンター法により測定した平均粒径が0.5〜10μmであることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の無機粒子を含有するポリアミド樹脂組成物(C)の製造方法、
(8)上記(1)〜(7)のいずれかに記載の製造方法で得られた無機粒子を含有するポリアミド樹脂組成物(C)、
(9)ポリアミド樹脂(D)100重量部と、上記(1)〜(7)のいずれかに記載の製造方法によって得られた無機粒子を含有するポリアミド樹脂組成物(C)0.5〜35重量部を、溶融混練またはドライブレンドすることを特徴とするフィルム成形用樹脂組成物の製造方法、
(10)ポリアミド樹脂(D)の、25℃における98%硫酸の1.0%溶液でのオストワルド粘度計を用いた相対粘度が、2.7〜6.0であることを特徴とする上記(9)に記載のフィルム成形用樹脂組成物の製造方法、
(11)上記(9)または(10)に記載の製造方法で得られたフィルム成形用樹脂組成物、
(12)上記(9)または(10)に記載の製造方法で得られたフィルム成形用樹脂組成物を用いたフィルムに関するものである。
本発明のフィルム成形用樹脂組成物を用いることにより、摩擦特性、機械特性、透明性、表面外観に優れたフィルムを提供することができる。
本発明のフィルム成形用樹脂組成物を用いて得られたフィルムやシートは食品包装用途、ガスバリアー性が必要な用途に好適に用いることができる。
以下、本発明の実施形態を説明する。本発明において「重量」とは「質量」を意味する。
(無機粒子を含有するポリアミド樹脂組成物)
本発明で用いられるポリアミド樹脂(A)としては、3員環以上のラクタム、重合可能なアミノ酸、二塩基酸とジアミン、あるいはこれらの混合物の重縮合によって得られるポリアミド樹脂が挙げられる。
具体的には、ε−カプロラクタム、ウンデカラクタム、ドデカラクタムなどのラクタムから得られるポリアミド樹脂、アミノカプロン酸、エナントラクタム、7−アミノヘプタン酸、8−アミノオクタン酸、9−アミノノナン酸、10−アミノデカン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸などのアミノ酸から得られるポリアミド樹脂、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、2−メチル−1,5−ジミノペンタン、3−メチル−1,5−ジミノペンタン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、o−キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサンなどのジアミンとコハク酸、グルタール酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、1,7−ヘプタンジカルボン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などのジカルボン酸から得られるポリアミド樹脂、あるいはこれらのポリアミド樹脂の任意の共重合体が挙げられる。これらの中でも製膜性、コスト、得られるフィルムの特性の観点からナイロン6樹脂、ナイロン66樹脂、ナイロン6/ナイロン66共重合体、ナイロン6・10樹脂、ナイロン11樹脂、ナイロン12樹脂、ナイロン6/ナイロン12共重合体、ナイロン6/6T共重合体(6T:ヘキサメチレンジアミンとテレフタル酸からなるポリアミド単位)、ナイロン6/6I共重合体(6I:ヘキサメチレンジアミンとイソフタル酸からなるポリアミド単位)、ナイロン6/6T/6I共重合体、ナイロン6/6I/66共重合体、ナイロンMXD・6(m−キシリレンジアミンとアジピン酸から得られるポリアミド樹脂)、ナイロンMXD・6/66共重合体が好ましく、ナイロン6樹脂、ナイロン6/ナイロン66共重合体、ナイロン6・10樹脂、ナイロン11樹脂、ナイロン12樹脂、ナイロン6/ナイロン12共重合体が特に好ましい。とりわけ好ましくはナイロン6、ナイロン6/ナイロン66共重合体、ナイロン6/6I/66共重合体である。
本発明で用いられるポリアミド樹脂の重合度には特に制限はないが、フィルムやシートに成形する時の成形性や得られるフィルムやシートの機械特性の面から、1gを98%硫酸100mLに室温で溶解し、オストワルド粘度計を用いて25℃にて測定した相対粘度(ηr)が2.7〜6.0であることが好ましく、特に3.0〜5.0であることが好ましい。
本発明に用いられるポリアミド樹脂(A)の水分率には特に制限はないが、ISO15512に準拠して測定した水分率は0.1重量%以下であることが好ましく、特に0.09重量%以下が好ましい。0.1重量%以下であれば、無機粒子を含有するポリアミド樹脂組成物(C)中の無機粒子の分散性が良好となり、フィルム中にフィッシュアイ等の異物の発生が少なく、かつ、フィルムの滑り性が良好となる。尚、本特許における水分率は、以下の方法にて求めた。試料10gを精秤し、20ccのメタノールを用いて3時間還流した後、当該メタノール中に抽出された水分量をカールフィッシャー式水分量測定器を用いて測定し、同測定器を用いて測定したメタノール中の水分量を差し引いて、試料の水分量とした。水分率の算出には、次式を用いた。
水分率(重量%)=試料の水分量(g)/試料の重量(g)×100。
また本発明においてはポリアミド樹脂(A)としてポリアミド樹脂(A)のペレットを用いることが好ましい。ポリアミド樹脂(A)のペレットの代わりにポリアミド樹脂ペレットの粉砕品を用いると、無機粒子を含有するポリアミド樹脂組成物中の無機粒子の分散性に多少の効果はあるものの、粉砕工程が必要となるため工程が複雑化し、さらに粉砕費用が嵩むためコスト面で好ましくない。更に、得られたポリアミド粉砕品の水分率を0.1重量%以下とするため、乾燥工程が必要となり、工程が複雑化し、さらに乾燥費用が嵩むためコスト面で好ましくない。
本発明で用いられる無機粒子(B)の種類としては、特に制限は無く、ガラス粉末、チタン酸カリウムウィスカ、酸化亜鉛ウィスカ、硼酸アルミニウムウィスカ、ワラステナイト、ゼオライト、セリサイト、カオリン、マイカ、クレー、パイロフィライト、ベントナイト、アスベスト、タルク、アルミナシリケートなどの珪酸塩、アルミナ、シリカ、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化鉄などの金属酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイトなどの炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの硫酸塩、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウムなどの水酸化物、ガラスフレーク、ガラスビーズ、セラミックビーズ、窒化ホウ素、炭化珪素などがあげられ、これらの無機粒子は中空であってもよい。これら無機粒子を複数種類併用することも可能であるし、同じ種類の無機粒子であって平均粒径の異なる粒子を複数併用してもかまわない。
これらの中でも分散性、コスト、得られるフィルムの特性などの観点からタルク、カオリン、シリカが好ましく、シリカが特に好ましい。
無機粒子のコールターカウンター法により測定した平均粒径は0.5μm〜10μmであることが好ましい。0.5μm以上であれば無機粒子を含有するポリアミド樹脂組成物(C)中の無機粒子の分散性が十分となり、また得られたフィルムの滑り性が良好となる。また10μm以下であればフィルム中にフィッシュアイ等の異物の発生が少なく、機械特性や透明性、外観に優れる。ここで、コールターカウンター法とは、サンプル粒子を懸濁させた電解液を細孔チューブに通過させ、そのときに粒子の体積に比例して発生する電圧パルスを読み取って粒子径を定量する方法である。
また、無機粒子の添加量は、ポリアミド樹脂(A)100重量部に対し1〜25重量部であり、好ましくは2〜20重量部である。1重量部未満では、フィルム成形用樹脂組成物に用いる場合、無機粒子を含有するポリアミド樹脂ペレットの添加量が多くなり、経済性が悪く、25重量部を超えると、無機粒子を含有する樹脂ペレット中の無機粒子の分散が低下し、フィルム成形時において、押出ダイ出口にメヤニが発生したり、成形フィルムに粒状のフィッシュアイや筋状のダイライン等を生じ易くなって、表面外観の良好なフィルムを連続して安定に成形することが困難になるばかりでなく、最終製品であるフィルムの外観、透明性、機械特性および滑り性が低下する。
また、これら無機粒子をイソシアネート系化合物、有機シラン系化合物、有機チタネート系化合物、有機ボラン系化合物、およびエポキシ化合物などのカップリング剤で同時にもしくは予備的に処理して使用することは、最終製品であるフィルムの外観、透明性、機械特性、滑り性を得る意味において好ましい。
また、これら無機粒子の無機粒子を含有するポリアミド樹脂組成物(C)中への分散性を向上するために、予め滑剤などとドライブレンドしたものを用いても良い。
さらに、本発明の無機粒子を含有するポリアミド樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、要求される特性に応じて他のポリマー類、添加剤、結晶核剤、耐熱剤や紫外線吸収剤などの安定剤、難燃剤、帯電防止剤、可塑剤、滑剤、着色剤、およびカップリング剤などを添加することも可能である。
(無機粒子を含有するポリアミド樹脂組成物の製造方法)
本発明においては、無機粒子を含有するポリアミド樹脂組成物(C)中の無機粒子を均一に分散させることが重要である。無機粒子をポリアミド樹脂組成物中に均一分散させるには、2軸押出機を用いることが好ましい。2軸押出機は、同方向回転式、異方向回転式のいずれでも良いが、一般的には同方向回転式が用いられる。例えば、ワーナー・アンド・フライドラー社製のZSKシリーズ、東芝機械(株)製のTEMシリーズ、(株)日本製鋼所製のTEXシリーズ等の2軸押出機を用いることができる。
押出機の仕様については、特に制限はないが、生産性と無機粒子のポリアミド樹脂組成物中への分散性の観点から、L/D(L:長さ、D:スクリュー直径)の大きい2軸押出機が適している。L/Dは25〜80であることが好ましく、L/Dが25未満では、ポリアミド樹脂組成物中への無機粒子の分散性が低下する。一方、L/Dが80を超えると、ポリアミド樹脂の滞留時間が長くなって、ポリアミド樹脂の劣化を生じやすくなり、低分子量成分が増加し、かつ色調が悪化する。
本発明においては、ポリアミド樹脂組成物中への無機粒子の分散性を向上させる観点から、ポリアミド樹脂の溶融完了後に、無機粒子を供給する方法が適している。このため、ポリアミド樹脂は押出機の元込め位置から供給し、無機粒子は押出機のオープンベント、または、サイドフィードから供給し、溶融混練することが好ましく、特にサイドフィード添加することが好ましい。ポリアミド樹脂の溶融が完了されていない状態で、無機粒子をサイドフィードから供給すると、得られた無機粒子を含有するポリアミド樹脂組成物(C)中の無機粒子の分散性が低下する。また、ポリアミド樹脂の溶融完了後に、無機粒子をサイドフィードから供給した場合でも、無機粒子供給後の混練が不十分な場合には、無機粒子を含有するポリアミド樹脂組成物(C)中への無機粒子の分散が低下する。このため無機粒子の押出機への供給位置が重要であり、ポリアミド樹脂の溶融ゾーン(無機粒子供給位置より前)はL/D=10以上であることが好ましく、無機粒子の混練ゾーン(無機粒子供給位置以降)はL/D=15以上であることが好ましい。ポリアミド樹脂の溶融ゾーンのL/Dが10未満あるいは無機粒子の混練ゾーンのL/Dが15未満の場合は、いずれも無機粒子を含有するポリアミド樹脂組成物(C)中の無機粒子の分散性が低下する。
また無機粒子をポリアミド樹脂ペレットと同様に元込め位置から供給した場合には、未溶融状態のポリアミド樹脂ペレットに無機粒子が圧縮され、凝集体を形成してしまうことから、無機粒子を含有するポリアミド樹脂組成物(C)中の無機粒子の分散性が低下する。さらに、ポリアミド樹脂ペレットの代わりにポリアミド樹脂ペレットの粉砕品を用いた場合は、無機粒子を含有するポリアミド樹脂組成物(C)中の無機粒子の分散性は向上するが、まだ不十分であるばかりか、粉砕費用が嵩み、経済性が悪化する。
また、無機粒子を含有するポリアミド樹脂組成物(C)の色調をより改善するという観点から、不活性ガスを押出機の元込め位置から供給しても良いし、減圧下で溶融混練することが好ましい。不活性ガスには、通常窒素ガスが好ましく用いられる。また、減圧下で溶融混練する場合には、溶融樹脂がベントアップしない程度に減圧することが好ましい。
スクリューアレンジについては、ポリアミド樹脂ペレットの溶融ゾーンならびに無機粒子の混練ゾーンに最低一箇所は混練部を設けることが必要である。混練部を設けた場合は、得られた無機粒子を含有するポリアミド樹脂組成物(C)中の無機粒子の分散性が良好となる。混練部を設けない場合は、無機粒子を含有するポリアミド樹脂組成物中の無機粒子の分散性が低下する。尚、混練部のスクリュー構成は、ポリアミド樹脂に配合する無機粒子の種類および使用する押出し機の種類により最適化する必要があるが、元込め側からRニーディング、Nニーディング、Lニーディングの順番で組み合わせることが好ましい。
更に、無機粒子の粗大粒子を除去するために押出機の先端にフィルターを設置することが好ましい。フィルターの網目の大きさは、添加する無機粒子の粒径にもよるが、20〜300meshが好ましい。
無機粒子の分散性が低下した無機粒子を含有するポリアミド樹脂組成物(C)を用いたフィルム成形用樹脂組成物では、フィルム成形時に、押出ダイ出口にメヤニが発生したり、成形したフィルムに粒状のフィッシュアイや筋状のダイライン等を生じ易くなって、表面外観の良好なフィルムを連続して安定に成形することが困難になるばかりでなく、最終製品であるフィルムの外観、透明性、機械特性および滑り性が低下する。
また、無機粒子を含有するポリアミド樹脂組成物(C)の水分率には特に制限はないが、ISO15512に準拠して測定した水分率は0.2重量%以下であることが好ましく、特に0.15重量%以下が好ましい。0.2重量%以下であれば、最終製品であるフィルムの外観、透明性を得る意味において好ましい。また、例えばT−ダイ法、インフレーション法等で未延伸または延伸のフィルムを成形する際にフィルム破れがなく、フィルムの生産性が向上する。尚、本特許における水分率は、以下の方法にて求めた。試料10gを精秤し、20ccのメタノールを用いて3時間還流した後、当該メタノール中に抽出された水分量をカールフィッシャー式水分量測定器を用いて測定し、同測定器を用いて測定したメタノール中の水分量を差し引いて、試料の水分量とした。水分率の算出には、次式を用いた。
水分率(重量%)=試料の水分量(g)/試料の重量(g)×100。
(フィルム成形用樹脂組成物)
本発明で用いられるポリアミド樹脂(D)としては、3員環以上のラクタム、重合可能なアミノ酸、二塩基酸とジアミン、あるいはこれらの混合物の重縮合によって得られるポリアミド樹脂が挙げられる。
具体的には、ε−カプロラクタム、ウンデカラクタム、ドデカラクタムなどのラクタムから得られるポリアミド樹脂、アミノカプロン酸、エナントラクタム、7−アミノヘプタン酸、8−アミノオクタン酸、9−アミノノナン酸、10−アミノデカン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸などのアミノ酸から得られるポリアミド樹脂、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、2−メチル−1,5−ジミノペンタン、3−メチル−1,5−ジミノペンタン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、o−キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサンなどのジアミンとコハク酸、グルタール酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、1,7−ヘプタンジカルボン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などのジカルボン酸から得られるポリアミド樹脂、あるいはこれらのポリアミド樹脂の任意の共重合体が挙げられる。これらの中でも製膜性、コスト、得られるフィルムの特性の観点からナイロン6樹脂、ナイロン66樹脂、ナイロン6/ナイロン66共重合体、ナイロン6・10樹脂、ナイロン11樹脂、ナイロン12樹脂、ナイロン6/ナイロン12共重合体、ナイロン6/6T共重合体(6T:ヘキサメチレンジアミンとテレフタル酸からなるポリアミド単位)、ナイロン6/6I共重合体(6I:ヘキサメチレンジアミンとイソフタル酸からなるポリアミド単位)、ナイロン6/6T/6I共重合体、ナイロン6/6I/66共重合体、ナイロンMXD・6(m−キシリレンジアミンとアジピン酸から得られるポリアミド樹脂)、ナイロンMXD・6/66共重合体が好ましく、ナイロン6樹脂、ナイロン6/ナイロン66共重合体、ナイロン6・10樹脂、ナイロン11樹脂、ナイロン12樹脂、ナイロン6/ナイロン12共重合体が特に好ましい。とりわけ好ましくはナイロン6、ナイロン6/ナイロン66共重合体、ナイロン6/6I/66共重合体である。
本発明で用いられるポリアミド樹脂(D)の重合度には特に制限はないが、フィルムやシートに成形する時の成形性や得られるフィルムやシートの機械特性の面から、1gを98%硫酸100mLに室温で溶解し、オストワルド粘度計を用いて25℃にて測定した相対粘度(ηr)が2.7〜6.0であることが好ましく、特に3.0〜5.0であることが好ましい。
また、ポリアミド樹脂(D)の水分率には特に制限はないが、ISO15512に準拠して測定した水分率は0.1重量%以下であることが好ましく、特に0.09重量%以下が好ましい。0.1重量%以下であれば、最終製品であるフィルムの外観、透明性を得る意味において好ましい。また、例えばT−ダイ法、インフレーション法等で未延伸または延伸のフィルムを成形する際にフィルム破れがなく、フィルムの生産性が向上する。尚、本特許における水分率は、以下の方法にて求めた。試料10gを精秤し、20ccのメタノールを用いて3時間還流した後、当該メタノール中に抽出された水分量をカールフィッシャー式水分量測定器を用いて測定し、同測定器を用いて測定したメタノール中の水分量を差し引いて、試料の水分量とした。水分率の算出には、次式を用いた。
水分率(重量%)=試料の水分量(g)/試料の重量(g)×100。
また、最終製品であるフィルム中に含まれる無機粒子を均一分散させるには、無機粒子を含有するポリアミド樹脂組成物(C)を作成する際に用いたポリアミド樹脂(A)とポリアミド樹脂(D)の相対粘度が近い方が好ましい。
また、本発明においては、ポリアミド樹脂(D)100重量部に対し、無機粒子を含有するポリアミド樹脂(C)の添加量は0.5〜35重量部であり、好ましくは1〜30重量部である。0.5重量部未満では、最終製品であるフィルムの滑り性が低下し、35重量部を超えると、フィルムの透明性や外観が不良となる。
さらに、本発明のフィルム成形用樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、要求される特性に応じて他のポリマー類、添加剤、結晶核剤、耐熱剤や紫外線吸収剤などの安定剤、難燃剤、帯電防止剤、可塑剤、滑剤、着色剤、およびカップリング剤などを添加することも可能である。
また、本発明のフィルム成形用樹脂組成物を製造する方法としては、通常公知の方法を採用することができる。例えば、無機粒子を含有するポリアミド樹脂組成物(C)からなるペレットと、ポリアミド樹脂(D)からなるペレットを所定の割合でドライブレンドしても良いし、溶融混練機を用いて溶融混練してもかまわない。フィルム成形用樹脂組成物をフィルム製造装置に導入してフィルムを溶融押出する際の押出性の観点から、可塑剤、滑剤などを添加する際はドライブレンドすることが好ましい。
本発明のフィルム成形用ポリアミド樹脂組成物を未延伸または延伸のフィルムやシートに成形する方法としては従来公知の方法を採用することができる。例えばT−ダイ法、インフレーション法、射出成形法、プレス成形法などを使用することができる。
フィルムやシートは用途に応じて単層、他の樹脂との多層、同一樹脂との多層、紙や金属などの他の素材との積層などにすることができる。また得られるフィルムやシートの厚みには特に制限がない。更にガスバリヤー性および水分バリアー性を向上させるために、フィルムの片面に金属および/または金属化合物の蒸着を行っても良い。蒸着層を施す方法としては特に制限はないが、真空蒸着、EB蒸着法、スパッタリング、イオンプレーティング、プラズマCVD等の公知の方法を用いることができる。フィルムと蒸着金属および/または金属酸化物等の蒸着皮膜との密着性を向上させるためには、フィルムの表面をあらかじめコロナ放電処理やアンカーコート剤を塗布するなどの方法により前処理しておくことが好ましい方法である。フィルムに蒸着させる金属および/または金属酸化物としては、アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化珪素等が挙げられ、アルミニウムが最も好ましい。得られる蒸着層の膜厚には特に制限はない。
以下、本発明について実施例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって何ら限定されるものではない。
実施例および比較例で使用した原料は以下のとおりである。
[ポリアミド樹脂]
・PA−1:ナイロン6樹脂CM1021T(ペレット(長さ2.3mm、径2.0mm))
(東レ(株)製、相対粘度(ηr)3.4、水分率0.05重量%)。
・PA−2:ナイロン6樹脂CM1031T(ペレット(長さ2.3mm、径2.0mm))
(東レ(株)製,相対粘度(ηr)3.7、水分率0.05重量%)。
[無機粒子]
・シリカ−1:コールターカウンター法により測定した平均粒径が1.6μmのシリカ粒子
(水澤化学(株)製ミズカシルC−002)
・シリカ−2:コールターカウンター法により測定した平均粒径が2.2μmのシリカ粒子
(水澤化学(株)製ミズカシルC−402)。
・シリカ−3:コールターカウンター法により測定した平均粒径が3.0μmのシリカ粒子
(デグサジャパン(株)製カープレックスCS−7)
[その他添加剤]
・EBS:エチレンビスステアリルアミド
・CSL:ステアリン酸カルシウム
・PEG:ポリエチレングリコールのモノラウリル酸エステル。
[無機粒子を含有するポリアミド樹脂の評価方法]
(A)色調
スガ試験機製のSM−C(2光路8/d方式)を用い、白色標準板を基準として無機粒子を含有するポリアミド樹脂ペレットのYIを測定した。
(B)最大無機粒子径
無機粒子を含有するポリアミド樹脂ペレットを0.01g秤量後、HFIP(ヘキサフロロイソプロパノール)1ccに溶解し、スライドガラス上に無機粒子を含有するポリアミド樹脂(C)をHFIPに溶解した溶液を垂らし、薄膜を作成した。光学顕微鏡(倍率100)を用いて最大無機粒子の直径を測定した。5回実施し、その中で最も粒子径が大きいものを最大無機粒子径とした。
[無機粒子を含有するポリアミド樹脂組成物の製造]
実施例1
東芝機械(株)製TEM50B(φ50mm、バレルC1〜C9、L/D=31.6、フィルター150メッシュ)を用い、PA−1(100重量部)を押出機の元込めから供給し、シリカ−1(4重量部)とシリカ−2(1重量部)をバレルC4(ポリアミド樹脂の溶融ゾーン:L/D=12.3、無機粒子の混練ゾーン:L/D=19.3)の位置からサイドフィード方式で供給し、シリンダー温度230〜270℃、スクリュー回転数330rpm、吐出量40kg/hrの条件で溶融混練した。得られた溶融混練物をストランドで押出し、ペレタイザーでカットして無機粒子を含有するポリアミド樹脂ペレットとし、更に、真空乾燥(80℃、1Torr、12hr)を実施した。このようにして得られた無機粒子を含有するポリアミド樹脂ペレット(MAS−1)の評価結果を表1に示す。
実施例2
シリカ−1(4重量部)とシリカ−2(1重量部)の代わりにシリカ−1(3重量部)とシリカ−2(2重量部)を使用する以外はMAS−1と同様にして製造した。得られた無機粒子を含有するポリアミド樹脂ペレット(MAS−2)の評価結果を表1に示す。
実施例3
シリカ−1(4重量部)とシリカ−2(1重量部)の代わりにシリカ−1(1重量部)とシリカ−2(4重量部)を使用する以外はMAS−1と同様にして製造した。得られた無機粒子を含有するポリアミド樹脂ペレット(MAS−3)の評価結果を表1に示す。
実施例4
PA−1の代わりに、PA−1に対し、さらに水をブレンド添加し、水分率0.2重量%に高めたPA−3を使用する以外はMAS−1と同様にして製造した。得られた無機粒子を含有するポリアミド樹脂ペレット(MAS−4)の評価結果を表1に示す。
実施例5
シリカ−1(4重量部)とシリカ−2(1重量部)の代わりにシリカ−3(10重量部)を使用し、かつEBS(3重量部)を押出機の元込めから供給する以外はMAS−1と同様にして製造した。得られた無機粒子を含有するポリアミド樹脂ペレット(MAS−5)の評価結果を表1に示す。
実施例6
シリカ−1(4重量部)とシリカ−2(1重量部)をバレルC3(ポリアミド樹脂の溶融ゾーン:L/D=8.8、無機粒子の混練ゾーン:L/D=22.8)の位置からサイドフィード方式で供給する以外はMAS−1と同様にして製造した。得られた無機粒子を含有するポリアミド樹脂ペレット(MAS−6)の評価結果を表1に示す。
実施例7
シリカ−1(4重量部)とシリカ−2(1重量部)をバレルC6(ポリアミド樹脂の溶融ゾーン:L/D=19.3、無機粒子の混練ゾーン:L/D=12.3)の位置からサイドフィード方式で供給する以外はMAS−1と同様にして製造した。得られた無機粒子を含有するポリアミド樹脂ペレット(MAS−7)の評価結果を表1に示す。
比較例1
PA−1の代わりにPA−1を冷凍粉砕して得た粉砕品(ナイロンパウダー、平均粒径310μm、水分率0.08重量%)を使用し、押出機の元込めから供給し、かつシリカ−1(4重量部)とシリカ−2(1重量部)を押出機の元込めから供給する以外はMAS−1と同様にして製造した。得られた無機粒子を含有するポリアミド樹脂ペレット(MAS−8)の評価結果を表1に示す。
比較例2
シリカ−1(1重量部)とシリカ−2(4重量部)を押出機のサイドフィードから供給する代わりに元込めから供給する以外はMAS−3と同様にして製造した。得られた無機粒子を含有するポリアミド樹脂ペレット(MAS−9)の評価結果を表1に示す。
比較例3
PA−1の代わりにPA−1を冷凍粉砕して得た粉砕品(ナイロンパウダー、水分率0.08重量%)を使用し、押出機の元込めから供給し、かつシリカ−1(1重量部)とシリカ−2(4重量部)を押出機の元込めから供給する以外はMAS−3と同様にして製造した。得られた無機粒子を含有するポリアミド樹脂ペレット(MAS−10)の評価結果を表1に示す。
比較例4
PA−1の代わりにPA−1を冷凍粉砕して得た粉砕品(ナイロンパウダー、平均粒径310μm、水分率0.08重量%)を使用し、押出機の元込めから供給し、かつシリカ−3(10重量部)を押出機の元込めから供給する以外はMAS−5と同様にして製造した。得られた無機粒子を含有するポリアミド樹脂ペレット(MAS−11)の評価結果を表1に示す。
本発明の製造方法で得た無機粒子を含有するポリアミド樹脂組成物(C)は、色調、無機粒子の分散性に優れていることが明らかである。一方、本発明の製造方法以外で作成した無機粒子を含有するポリアミド樹脂組成物は、色調が悪化する上に、無機粒子の分散性が著しく劣っていることが分かる。
Figure 2007297607
[フィルムの製造方法]
以下の条件で未延伸チューブラフィルムを溶融成形した。
押出機 :大阪精機工作(株)製30mm単軸押出機、L/D=22、
スクリュー :フルフライトコンスタントピッチ(3ゾーン型)、圧縮比3.1
ダイス :70mmφリングダイス
シリンダー温度:230〜245℃
冷却水温度 :20℃
[フィルム特性の評価方法]
(A)引張特性
東洋精機製作所製の引張試験機オートグラフ、幅10mm×長さ150mmのフィルム試験片を用いて、試験速度200mm/minで引張降伏強度および引張破断伸度を測定した。
(B)摩擦係数
東洋精機製作所製摩擦測定機TR−2を用い、テーブル側に幅80mm×長さ170mm、スレッド側に幅75mm×長さ90mmの試験片を貼り付けて、摩擦係数を測定した。前記の未延伸フィルム製造法で得られたフィルムの外側同士で測定した。
(C)ヘイズ
東洋精機製作所製の直読ヘイズメーターを用い、前記の未延伸フィルム製造法で得られたフィルムを用いてヘイズを測定した。
(D)フィッシュアイ
前記の未延伸フィルム製造法で得られたフィルムを用い、1200cm内のフィッシュアイの個数を大蔵省印刷局製造のきょう雑物測定図表と対比して目視で観察した。
[フィルム成形用樹脂組成物]
実施例8
ポリアミド樹脂(PA−2)100重量部に無機粒子を含有するポリアミド樹脂(MAS−1)3.7重量部、エチレンビスステアリルアミド(EBS)0.08重量部、ステアリン酸カルシウム(CSL)0.03重量部、ポリエチレングリコールのモノラウリル酸エステル(PEG)0.05重量部をヘンシェルミキサー内に添加して混合した。得られたフィルム成形用樹脂組成物を前記した製膜条件で製膜し、40μmの未延伸フィルムを得た。得られたフィルムの特性を表2に示す。
実施例9
ポリアミド樹脂(PA−2)100重量部に無機粒子を含有するポリアミド樹脂(MAS−1)1.9重量部、エチレンビスステアリルアミド(EBS)0.08重量部、ステアリン酸カルシウム(CSL) 0.03重量部、ポリエチレングリコールのモノラウリル酸エステル(PEG)0.05重量部をヘンシェルミキサー内に添加して混合した。得られたフィルム用樹脂組成物を前記した製膜条件で製膜し、40μmの未延伸フィルムを得た。得られたフィルムの特性を表2に示す。
実施例10
ポリアミド樹脂(PA−2)100重量部に無機粒子を含有するポリアミド樹脂(MAS−2)3.7重量部、エチレンビスステアリルアミド(EBS)0.08重量部、ステアリン酸カルシウム(CSL)0.03重量部、ポリエチレングリコールのモノラウリル酸エステル(PEG)0.05重量部をヘンシェルミキサー内に添加して混合した。得られたフィルム用樹脂組成物を前記した製膜条件で製膜し、40μmの未延伸フィルムを得た。得られたフィルムの特性を表2に示す。
実施例11
ポリアミド樹脂(PA−2)100重量部に無機粒子を含有するポリアミド樹脂(MAS−3)3.7重量部、エチレンビスステアリルアミド(EBS)0.08重量部、ステアリン酸カルシウム(CSL)0.03重量部、ポリエチレングリコールのモノラウリル酸エステル(PEG)0.05重量部をヘンシェルミキサー内に添加して混合した。得られたフィルム用樹脂組成物を前記した製膜条件で製膜し、40μmの未延伸フィルムを得た。得られたフィルムの特性を表2に示す。
実施例12
ポリアミド樹脂(PA−2)100重量部に無機粒子を含有するポリアミド樹脂(MAS−4)3.7重量部、エチレンビスステアリルアミド(EBS)0.08重量部、ステアリン酸カルシウム(CSL)0.03重量部、ポリエチレングリコールのモノラウリル酸エステル(PEG)0.05重量部をヘンシェルミキサー内に添加して混合した。得られたフィルム成形用樹脂組成物を前記した製膜条件で製膜し、40μmの未延伸フィルムを得た。得られたフィルムの特性を表2に示す。
実施例13
ポリアミド樹脂(PA−2)100重量部に無機粒子を含有するポリアミド樹脂(MAS−5)1.5重量部、エチレンビスステアリルアミド(EBS)0.08重量部、ポリエチレングリコールのモノラウリル酸エステル(PEG)0.05重量部をヘンシェルミキサー内に添加して混合した。得られたフィルム成形用樹脂組成物を前記した製膜条件で製膜し、40μmの未延伸フィルムを得た。得られたフィルムの特性を表2に示す。
比較例5
ポリアミド樹脂(PA−2)100重量部に無機粒子を含有するポリアミド樹脂(MAS−8)3.7重量部、エチレンビスステアリルアミド(EBS)0.08重量部、ステアリン酸カルシウム(CSL)0.03重量部、ポリエチレングリコールのモノラウリル酸エステル(PEG)0.05重量部をヘンシェルミキサー内に添加して混合した。得られたフィルム用樹脂組成物を前記した製膜条件で製膜し、40μmの未延伸フィルムを得た。得られたフィルムの特性を表2に示す。
比較例6
ポリアミド樹脂(PA−2)100重量部に無機粒子を含有するポリアミド樹脂(MAS−9)3.7重量部、エチレンビスステアリルアミド(EBS)0.08重量部、ステアリン酸カルシウム(CSL)0.03重量部、ポリエチレングリコールのモノラウリル酸エステル(PEG)0.05重量部をヘンシェルミキサー内に添加して混合した。得られたフィルム用樹脂組成物を前記した製膜条件で製膜し、40μmの未延伸フィルムを得た。得られたフィルムの特性を表2に示す。
比較例7
ポリアミド樹脂(PA−2)100重量部に無機粒子を含有するポリアミド樹脂(MAS−10)3.7重量部、エチレンビスステアリルアミド(EBS)0.08重量部、ステアリン酸カルシウム(CSL)0.03重量部、ポリエチレングリコールのモノラウリル酸エステル(PEG)0.05重量部をヘンシェルミキサー内に添加して混合した。得られたフィルム用樹脂組成物を前記した製膜条件で製膜し、40μmの未延伸フィルムを得た。得られたフィルムの特性を表2に示す。
比較例8
ポリアミド樹脂(PA−2)100重量部に無機粒子を含有するポリアミド樹脂(MAS−11)3.0重量部、エチレンビスステアリルアミド(EBS)0.08重量部、ポリエチレングリコールのモノラウリル酸エステル(PEG)0.05重量部をヘンシェルミキサー内に添加して混合した。得られたフィルム用樹脂組成物を前記した製膜条件で製膜し、40μmの未延伸フィルムを得た。得られたフィルムの特性を表2に示す。
本発明の製造方法で得た無機粒子を含有するポリアミド樹脂組成物(C)を配合してなるフィルム成形用樹脂組成物からなるフィルムは透明性、表面外観、摩擦特性、機械特性に優れていることが明らかである。一方、本発明の製造方法以外で作成した無機粒子を含有するポリアミド樹脂組成物を配合してなるフィルム成形用樹脂組成物からなるフィルムは透明性、摩擦特性、機械特性が低下する上に、表面外観が著しく劣り、実用性のないことが分かる。
Figure 2007297607

Claims (12)

  1. ポリアミド樹脂(A)を押出機の元込め位置から供給し、ポリアミド樹脂(A)100重量部に対し無機粒子(B)1〜25重量部をポリアミド樹脂(A)の溶融後に供給し、溶融混練することを特徴とする無機粒子を含有するポリアミド樹脂組成物(C)の製造方法。
  2. ポリアミド樹脂(A)がナイロン6またはナイロン6/66共重合体であることを特徴とする請求項1記載の無機粒子を含有するポリアミド樹脂組成物(C)の製造方法。
  3. ポリアミド樹脂(A)をペレットの状態で供給することを特徴とする請求項1または2に記載の無機粒子を含有するポリアミド樹脂組成物(C)の製造方法。
  4. ポリアミド樹脂(A)の、25℃における98%硫酸の1.0%溶液でのオストワルド粘度計を用いた相対粘度が、2.7〜6.0であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の無機粒子を含有するポリアミド樹脂組成物(C)の製造方法。
  5. ポリアミド樹脂(A)の、水分率が0.1重量%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の無機粒子を含有するポリアミド樹脂組成物(C)の製造方法。
  6. 無機粒子(B)がシリカ粒子であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の無機粒子を含有するポリアミド樹脂組成物(C)の製造方法。
  7. 無機粒子(B)のコールターカウンター法により測定した平均粒径が0.5〜10μmであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の無機粒子を含有するポリアミド樹脂組成物(C)の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法で得られた無機粒子を含有するポリアミド樹脂組成物(C)。
  9. ポリアミド樹脂(D)100重量部と、請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法によって得られた無機粒子を含有するポリアミド樹脂組成物(C)0.5〜35重量部を、溶融混練またはドライブレンドすることを特徴とするフィルム成形用樹脂組成物の製造方法。
  10. ポリアミド樹脂(D)の、25℃における98%硫酸の1.0%溶液でのオストワルド粘度計を用いた相対粘度が、2.7〜6.0であることを特徴とする請求項9に記載のフィルム成形用樹脂組成物の製造方法。
  11. 請求項9または10に記載の製造方法で得られたフィルム成形用樹脂組成物。
  12. 請求項9または10に記載の製造方法で得られたフィルム成形用樹脂組成物を用いたフィルム。
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