JP2007291517A - 耐食性に優れるマグネシウム合金鋳造品 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐食性に優れたマグネシウム合金を提供する。
【解決手段】本発明の耐食性に優れるマグネシウム合金鋳造品は、Caを0.5〜5.0質量%含有し、炭素を500質量ppm未満に規制することを特徴とする。また、本発明の耐食性に優れるマグネシウム合金鋳造品においては、表面をEPMA面分析したときに炭素が検出される領域の単位面積あたりの割合が、5%未満であることを特徴とするものとすることができる。
【選択図】なし
【解決手段】本発明の耐食性に優れるマグネシウム合金鋳造品は、Caを0.5〜5.0質量%含有し、炭素を500質量ppm未満に規制することを特徴とする。また、本発明の耐食性に優れるマグネシウム合金鋳造品においては、表面をEPMA面分析したときに炭素が検出される領域の単位面積あたりの割合が、5%未満であることを特徴とするものとすることができる。
【選択図】なし
Description
本発明は、軽量化が求められる自動車部品、特に耐熱性が求められるトランスミッション部品やエンジン部品などの部品に用いて好適な耐食性および耐熱性に優れたマグネシウム合金鋳造品およびその鋳造方法に関するものである。
従来から、マグネシウム合金は、実用合金中で最も軽く、室温および高温強度に優れるため、各種用途に適用されている。中でも、近年、地球環境問題に対応して自動車の軽量化を実現するため、自動車部品におけるマグネシウム合金の使用量が増加しつつある。自動車のエンジン回りの部品にマグネシウム合金を使用する場合には、ボルト締結部においてクリープ変形による緩みを生じないように、150℃付近(125〜175℃)での高いクリープ強度が要求される。マグネシウム合金の耐クリープ性を向上させる技術として、例えば、特許文献1には、Caを添加したマグネシウム合金が開示されている。
特開2002−327231号公報
しかしながら、このようなCaを添加したマグネシウム合金では、クリープ特性が向上する一方で耐食性が劣化することが問題となっていた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、Caを含有し、しかも耐食性に優れたマグネシウム合金を提供することを課題としている。
上記課題を解決するために、本発明者は、Caを添加することによりマグネシウム合金鋳造品の耐食性が悪化する要因について調べた。その結果、合金溶製中や炉内での溶湯保持中に溶湯表面に形成される溶湯皮膜の成分が、マグネシウム合金鋳造品中に介在物として混入することにより、その耐食性が著しく悪化することが分かった。したがって、マグネシウム合金鋳造品の耐食性を向上させるためには、合金中に混入される介在物の量を規制する必要がある。
ここで言う介在物とは、主に溶湯表面に形成されて合金中に混入される溶湯皮膜のことを意味している。また、マグネシウム合金鋳造品に混入した介在物の量は、マグネシウム合金鋳造品の内部組織をEPMA面分析したときに炭素が検出される領域の単位面積あたりの割合で示すことができる。
一般的な不活性ガスをカバ−ガスとしてCa添加合金に使用する場合、溶湯表面には溶湯を被覆するようにMgO、MgF2、MgSの他に、CaO、CaF2、CaSからなる溶湯皮膜が形成される。溶湯皮膜は、溶湯と大気との直接の接触を遮断して、溶湯自体に難燃性を付与するものである。しかし、合金溶製時や溶湯保持中における溶湯の攪拌などによって溶湯皮膜が破れたり、炉蓋開放によって大気が混入したりすることにより、溶湯表面に発火が生じた場合には、溶湯皮膜も発火して、なかなか消火できない状態になる。
溶湯皮膜が発火すると、Mgよりも更に活性なCaが、大気中またはカバーガス中の二酸化炭素と反応して、酸化カルシウムを形成するが、その際に、炭素が遊離される。遊離された炭素の一部は、炭素単体もしくは新たにMg、Caと反応し、炭素成分として溶湯皮膜中に混入する。
溶湯皮膜が発火すると、Mgよりも更に活性なCaが、大気中またはカバーガス中の二酸化炭素と反応して、酸化カルシウムを形成するが、その際に、炭素が遊離される。遊離された炭素の一部は、炭素単体もしくは新たにMg、Caと反応し、炭素成分として溶湯皮膜中に混入する。
そして、炭素成分が混入した溶湯皮膜が、合金溶製中や溶湯保持中に溶湯内に混入した場合、最終的に介在物としてマグネシウム合金鋳造品中に取り込まれ耐食性を著しく悪化させる。具体的には、炭素成分として、Caと二酸化炭素との反応により生成された炭化Caを含む溶湯皮膜がマグネシウム合金鋳造品中に混入すると、炭化Caが大気中の水分と容易に反応して耐食性を悪化させる。Caと同様の二酸化炭素との反応は、Mg自体にも認められるが、Caに比べ、その反応性は弱い。また、Ca添加量が少ない場合には、Caと二酸化炭素との反応より生成される炭化Caが微量であるため、炭化Caに起因する耐食性の悪化は大きな問題にならない。しかし、Caを0.5%以上含むマグネシウム合金鋳造品では、Caと二酸化炭素との反応により生成される炭化Caの混入が耐食性に及ぼす悪影響が顕著となる。
そこで、本発明者は、Caを含有するマグネシウム合金鋳造品中の炭素の量と耐食性との関係に着目して鋭意研究を行い、Caを0.5%以上含むマグネシウム合金鋳造品中における炭素の量を500ppm未満に規制することで、十分な耐食性が確保できるマグネシウム合金鋳造品が実現できることを見出した。
さらに、本発明者は、Caを含有するマグネシウム合金鋳造品中の介在物の量および炭素の量と耐食性との関係に着目して鋭意研究を行い、Caを0.5%以上含むマグネシウム合金鋳造品中における炭素の量を500ppm未満に規制するとともに、介在物の量を規制することで、より一層耐食性に優れたマグネシウム合金鋳造品が実現できることを見出した。また、介在物の量は、マグネシウム合金鋳造品の表面を電子プローブマイクロアナライザ(EPMA)分析したときに炭素が検出される領域の単位面積あたりの割合で示すことができ、この割合を5%未満とすることで、非常に耐食性に優れたマグネシウム合金鋳造品となることを見出した。
さらに、本発明者は、Caを含有するマグネシウム合金鋳造品中の介在物の量および炭素の量と耐食性との関係に着目して鋭意研究を行い、Caを0.5%以上含むマグネシウム合金鋳造品中における炭素の量を500ppm未満に規制するとともに、介在物の量を規制することで、より一層耐食性に優れたマグネシウム合金鋳造品が実現できることを見出した。また、介在物の量は、マグネシウム合金鋳造品の表面を電子プローブマイクロアナライザ(EPMA)分析したときに炭素が検出される領域の単位面積あたりの割合で示すことができ、この割合を5%未満とすることで、非常に耐食性に優れたマグネシウム合金鋳造品となることを見出した。
すなわち、本発明の耐食性に優れるマグネシウム合金鋳造品は、Caを0.5〜5.0質量%含有し、炭素を500質量ppm未満に規制することを特徴とする。
また、本発明の耐食性に優れるマグネシウム合金鋳造品においては、混入した介在物が占有する領域の単位面積あたりの割合が、5%未満であることを特徴とするものとすることができる。
また、本発明の耐食性に優れるマグネシウム合金鋳造品においては、混入した介在物が占有する領域の単位面積あたりの割合が、5%未満であることを特徴とするものとすることができる。
本発明によれば、Caを0.5〜5.0質量%含み、炭素を500質量ppm未満に規制することにより、耐食性に優れたマグネシウム合金鋳造品を提供することができる。
以下、本発明に係るマグネシウム合金鋳造品の組成例について説明する。
なお、本願明細書において%、ppmは特に指定しない限りは質量%、質量ppmを示すものとする。
本発明のマグネシウム合金鋳造品は、Caを0.5〜5.0質量%含有し、炭素を500質量ppm未満に規制するものである。
なお、本願明細書において%、ppmは特に指定しない限りは質量%、質量ppmを示すものとする。
本発明のマグネシウム合金鋳造品は、Caを0.5〜5.0質量%含有し、炭素を500質量ppm未満に規制するものである。
(Ca:0.5〜5.0%)
Caは、含有量の増加に伴ってクリープ特性を向上させる効果を有するが、含有量が0.5%未満ではその改善効果が十分に得られない。また、含有量が5.0%を超えると、溶湯中に混入する炭素の量が多くなり、十分な耐食性が得られない恐れが生じるため好ましくない。また、Caには、溶湯の難燃性を高める作用があるが、0.5%未満では十分な作用が得られない。
Caは、含有量の増加に伴ってクリープ特性を向上させる効果を有するが、含有量が0.5%未満ではその改善効果が十分に得られない。また、含有量が5.0%を超えると、溶湯中に混入する炭素の量が多くなり、十分な耐食性が得られない恐れが生じるため好ましくない。また、Caには、溶湯の難燃性を高める作用があるが、0.5%未満では十分な作用が得られない。
(炭素:500ppm未満)
炭素は、それ自体、またはCa、Mgと炭化物を形成し、合金中に介在物として混入して耐食性を低下させるものであり、含有量が500ppm以上であると耐食性が急激に劣化する。さらに、炭素の含有量を300ppm未満とすることで、非常に耐食性に優れたマグネシウム合金鋳造品となる。
炭素は、それ自体、またはCa、Mgと炭化物を形成し、合金中に介在物として混入して耐食性を低下させるものであり、含有量が500ppm以上であると耐食性が急激に劣化する。さらに、炭素の含有量を300ppm未満とすることで、非常に耐食性に優れたマグネシウム合金鋳造品となる。
また、本発明のマグネシウム合金鋳造品は、Caの他にAl,Mn、Sr、Zn,Snの内、それらの1種以上が含有される場合もある。
(Al)
Alは、マグネシウムの地に固溶して固溶硬化により強度を高める効果を有する。また、Alは、Caと結合して結晶粒界上にAl‐Ca系晶出物のネットワークを形成し、マグネシウム合金鋳造品のクリープ特性を向上させる。さらに、Alは、鋳造性を向上させる作用がある。
Alは、マグネシウムの地に固溶して固溶硬化により強度を高める効果を有する。また、Alは、Caと結合して結晶粒界上にAl‐Ca系晶出物のネットワークを形成し、マグネシウム合金鋳造品のクリープ特性を向上させる。さらに、Alは、鋳造性を向上させる作用がある。
(Sr)
Srは、含有量の増加に伴ってクリープ特性を向上させ、同時に鋳造割れを生じにくくする効果を有する。また、鋳物に生じるミクロシュリンケージポロシティの発生を抑制し、鋳物の健全性を高め、引張強さ、伸びを向上させる効果がある。
Srは、含有量の増加に伴ってクリープ特性を向上させ、同時に鋳造割れを生じにくくする効果を有する。また、鋳物に生じるミクロシュリンケージポロシティの発生を抑制し、鋳物の健全性を高め、引張強さ、伸びを向上させる効果がある。
(Mn)
Mnは、耐食性を向上させ、さらにマグネシウムの地に固溶してクリープ特性および耐力、特に高温耐力を向上させる。
Mnは、耐食性を向上させ、さらにマグネシウムの地に固溶してクリープ特性および耐力、特に高温耐力を向上させる。
(Zn)
Znが含有される場合、固溶硬化によりマグネシウム合金鋳造品の強度が向上する。
Znが含有される場合、固溶硬化によりマグネシウム合金鋳造品の強度が向上する。
(Sn)
Snはマグネシウム溶湯の湯流れ性を向上させる効果がある。
Snはマグネシウム溶湯の湯流れ性を向上させる効果がある。
(不可避不純物中のFe、Ni、Co、Cu:50ppm以下)
また、マグネシウム合金の耐食性には、Fe、Co、Cu、Niといった元素が悪影響を及ぼす。したがって、良好な耐食性を得るためには、これらの元素量を耐食性に害を及ぼさないとされる以下に示す濃度以下にすることが望ましい。具体的には、不可避不純物中のFe、Co、Cuを50ppm(好ましくは40ppm)未満とするとともに、Niを10ppm未満とすることが望ましい。
また、マグネシウム合金の耐食性には、Fe、Co、Cu、Niといった元素が悪影響を及ぼす。したがって、良好な耐食性を得るためには、これらの元素量を耐食性に害を及ぼさないとされる以下に示す濃度以下にすることが望ましい。具体的には、不可避不純物中のFe、Co、Cuを50ppm(好ましくは40ppm)未満とするとともに、Niを10ppm未満とすることが望ましい。
(混入した介在物が占有する領域の単位面積あたりの割合)
また、本発明のマグネシウム合金鋳造品においては、混入した介在物が占有する領域の単位面積あたりの割合、具体的には、マグネシウム合金鋳造品の内部組織をEPMA面分析したときに炭素が検出される領域の単位面積あたりの割合が、5%未満であることが望ましい。この割合が、高いと耐食性が悪化する。
また、本発明のマグネシウム合金鋳造品においては、混入した介在物が占有する領域の単位面積あたりの割合、具体的には、マグネシウム合金鋳造品の内部組織をEPMA面分析したときに炭素が検出される領域の単位面積あたりの割合が、5%未満であることが望ましい。この割合が、高いと耐食性が悪化する。
本発明のマグネシウム合金鋳造品は、例えば、以下に示す鋳造方法によって製造することができる。
例えば、マグネシウム合金を鉄製の坩堝を用いて溶製することができる。また、鋳造においては、ダイカスト法、重力鋳造法などの各種鋳造方法を用いることが可能であり、本発明では特にダイカスト法、重力鋳造法に限定されるものではないが、ダイカスト法、重力鋳造法により製造することが一般的には有効である。
また、本発明のマグネシウム合金鋳造品を製造する場合、合金溶製時または炉内での溶湯保持中に溶湯表面に形成される溶湯皮膜を、溶湯皮膜が形成される度に除去しながら製造することが望ましい。溶湯皮膜を、溶湯皮膜が形成される度に除去しながら製造することで、合金中に混入される溶湯皮膜(介在物)の量を少なくすることができ、炭素の含有量や、マグネシウム合金鋳造品の表面をEPMA面分析したときに炭素が検出される領域の単位面積あたりの割合を低くすることができる。
例えば、マグネシウム合金を鉄製の坩堝を用いて溶製することができる。また、鋳造においては、ダイカスト法、重力鋳造法などの各種鋳造方法を用いることが可能であり、本発明では特にダイカスト法、重力鋳造法に限定されるものではないが、ダイカスト法、重力鋳造法により製造することが一般的には有効である。
また、本発明のマグネシウム合金鋳造品を製造する場合、合金溶製時または炉内での溶湯保持中に溶湯表面に形成される溶湯皮膜を、溶湯皮膜が形成される度に除去しながら製造することが望ましい。溶湯皮膜を、溶湯皮膜が形成される度に除去しながら製造することで、合金中に混入される溶湯皮膜(介在物)の量を少なくすることができ、炭素の含有量や、マグネシウム合金鋳造品の表面をEPMA面分析したときに炭素が検出される領域の単位面積あたりの割合を低くすることができる。
また、本発明に係る耐熱マグネシウム合金鋳造品を製造する場合には、溶製時および溶湯保持中に使用するカバーガスとして、一般的なSF6またはSO2とCO2との混合ガスもしくはSF6またはSO2とN2との混合ガス、SF6またはSO2とArとの混合ガス、SF6またはSO2とairとの混合ガスが使用できるが、別にこれらに限定されるものではなく、SF6、SO2の代替にS成分、F成分のいずれか一つを含有する防燃ガスを使用できる。
「実施例」
以下、実施例を用いて本発明の効果を明らかにする。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜10および比較例1〜7)
カバーガスとして1%SF6/CO2(1000ml/min)、もしくは、1%SF6/N2(1000ml/min)を用いてマグネシウム合金の溶製を行ない、幅90mm、高さ100mmの船型に鋳込み、表1に示す組成の実施例1〜10のマグネシウム合金鋳造品と比較例1〜7の鋳造品を得た。
なお、実施例1〜4、比較例7の鋳造品の製造では、溶湯保持中に溶湯表面に形成される溶湯皮膜をその都度除去しながら行い、実施例5〜10、比較例1〜6の鋳造品の製造では、溶湯皮膜の除去を行わなかった。
以下、実施例を用いて本発明の効果を明らかにする。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜10および比較例1〜7)
カバーガスとして1%SF6/CO2(1000ml/min)、もしくは、1%SF6/N2(1000ml/min)を用いてマグネシウム合金の溶製を行ない、幅90mm、高さ100mmの船型に鋳込み、表1に示す組成の実施例1〜10のマグネシウム合金鋳造品と比較例1〜7の鋳造品を得た。
なお、実施例1〜4、比較例7の鋳造品の製造では、溶湯保持中に溶湯表面に形成される溶湯皮膜をその都度除去しながら行い、実施例5〜10、比較例1〜6の鋳造品の製造では、溶湯皮膜の除去を行わなかった。
(合金組成)(C)
そして、実施例、比較例において得られた鋳造品中の炭素を、JIS Z2615金属材料中炭素定量方法通則およびJIS G1211鉄および鋼−炭素定量方法にて、炭素分析装置(LECO製)を用い、燃焼−赤外線吸収法で定量した。
合金組成の結果を表1に示す。
そして、実施例、比較例において得られた鋳造品中の炭素を、JIS Z2615金属材料中炭素定量方法通則およびJIS G1211鉄および鋼−炭素定量方法にて、炭素分析装置(LECO製)を用い、燃焼−赤外線吸収法で定量した。
合金組成の結果を表1に示す。
(介在物占有面積率)
実施例、比較例において得られた鋳造品中の表面を、EPMA(日本電子製JXA−8900L)を用いて倍率100倍で写真撮影し、得られた写真中の介在物(炭素が検出される部分)が占有する領域の単位面積あたりの割合(占有面積率)を画像解析ソフトを用いて算出させることにより、EPMA面分析したときに炭素が検出される領域の単位面積あたりの割合を求めた。その結果を表1に示す。
実施例、比較例において得られた鋳造品中の表面を、EPMA(日本電子製JXA−8900L)を用いて倍率100倍で写真撮影し、得られた写真中の介在物(炭素が検出される部分)が占有する領域の単位面積あたりの割合(占有面積率)を画像解析ソフトを用いて算出させることにより、EPMA面分析したときに炭素が検出される領域の単位面積あたりの割合を求めた。その結果を表1に示す。
(腐食速度)
まず、実施例、比較例において得られたマグネシウム合金鋳造品から、大きさが40mm×40mm×10mm、暴露面積が16cm2の試験片を採取し、試験片に対して5%NaCl水溶液を10日間噴霧する塩水噴霧試験で行なった。その後、15%クロム酸溶液中で1min煮沸洗浄を行なって腐食生成物を除去し、腐食減量を測定して腐食速度を求めた。その結果を表1に示す。
まず、実施例、比較例において得られたマグネシウム合金鋳造品から、大きさが40mm×40mm×10mm、暴露面積が16cm2の試験片を採取し、試験片に対して5%NaCl水溶液を10日間噴霧する塩水噴霧試験で行なった。その後、15%クロム酸溶液中で1min煮沸洗浄を行なって腐食生成物を除去し、腐食減量を測定して腐食速度を求めた。その結果を表1に示す。
表1より、実施例1〜10では、腐食速度がいずれも0.2mg/cm2/day以下となり、比較例1〜7と比較して、耐食性に優れていることが確認できた。
Claims (2)
- Caを0.5〜5.0質量%含有し、炭素を500質量ppm未満に規制することを特徴とする耐食性に優れるマグネシウム合金鋳造品。
- 混入した介在物が占有する領域の単位面積あたりの割合が、5%未満であることを特徴とする請求項1に記載の耐食性に優れるマグネシウム合金鋳造品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007091118A JP2007291517A (ja) | 2006-03-31 | 2007-03-30 | 耐食性に優れるマグネシウム合金鋳造品 |
Applications Claiming Priority (2)
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JP2006098397 | 2006-03-31 | ||
JP2007091118A JP2007291517A (ja) | 2006-03-31 | 2007-03-30 | 耐食性に優れるマグネシウム合金鋳造品 |
Publications (1)
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JP2007291517A true JP2007291517A (ja) | 2007-11-08 |
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ID=38762405
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JP2007091118A Withdrawn JP2007291517A (ja) | 2006-03-31 | 2007-03-30 | 耐食性に優れるマグネシウム合金鋳造品 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011206848A (ja) * | 2010-03-29 | 2011-10-20 | Korea Inst Of Industrial Technology | 常温用マグネシウム合金及びその製造方法 |
JP2011206847A (ja) * | 2010-03-29 | 2011-10-20 | Korea Inst Of Industrial Technology | 高温用マグネシウム合金及びその製造方法 |
-
2007
- 2007-03-30 JP JP2007091118A patent/JP2007291517A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
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