JP2007283749A - 直描型印刷原版およびその製造方法ならびにこれを用いた製版方法 - Google Patents

直描型印刷原版およびその製造方法ならびにこれを用いた製版方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007283749A
JP2007283749A JP2006285532A JP2006285532A JP2007283749A JP 2007283749 A JP2007283749 A JP 2007283749A JP 2006285532 A JP2006285532 A JP 2006285532A JP 2006285532 A JP2006285532 A JP 2006285532A JP 2007283749 A JP2007283749 A JP 2007283749A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
direct
original plate
printing original
layer
plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006285532A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4203519B2 (ja
Inventor
Chiaki Daito
千秋 大東
Shigeru Iemura
茂 家村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2006285532A priority Critical patent/JP4203519B2/ja
Priority to US11/683,558 priority patent/US20070221083A1/en
Publication of JP2007283749A publication Critical patent/JP2007283749A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4203519B2 publication Critical patent/JP4203519B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41CPROCESSES FOR THE MANUFACTURE OR REPRODUCTION OF PRINTING SURFACES
    • B41C1/00Forme preparation
    • B41C1/10Forme preparation for lithographic printing; Master sheets for transferring a lithographic image to the forme
    • B41C1/1066Forme preparation for lithographic printing; Master sheets for transferring a lithographic image to the forme by spraying with powders, by using a nozzle, e.g. an ink jet system, by fusing a previously coated powder, e.g. with a laser

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Printing Plates And Materials Therefor (AREA)
  • Manufacture Or Reproduction Of Printing Formes (AREA)

Abstract

【課題】作像用液体を吐出し、印刷原版に直接付着させて画線部を形成する直描型印刷版の原版であって、比較的簡易な構成を有しながらも高い解像度を可能とし、且つ印刷適性及び耐刷力の優れた直描型印刷版に用いられる原版およびその製造方法、ならびに当該直描型印刷原版を用いた直描型印刷版の製版方法を提供する。
【解決手段】アルミニウム基材2、当該基材の上に親水性層3を設け、さらに当該親水性層の上に作像用液体の表面張力以下の臨界表面張力を有するドット制御層4を設けて直描型印刷原版1とし、さらに直描型印刷原版1の表面に、作像用液体をインクジェット記録ヘッドで吐出後、硬化し直描型印刷版を得る。
【選択図】図1

Description

本発明は、所望の画像パターンに従って作像用液体を選択的に吐出し、画線部を形成してなる直描型印刷版に用いられる直描型印刷原版、およびその直描型印刷原版の製造方法、ならびに当該印刷原版を用いた直描型印刷版の製版方法に関するものである。
従来、平板印刷では、PS版と呼ばれるアルミニウム支持体の表面に均一に感光性樹脂層(作像層)を塗布したプレートが用いられている。このPS版は、所望の画像パターンに従ってレーザーにより露光して画線部に相当する部分を選択的に硬化させる描画工程、現像液により現像を行う現像処理工程、現像液や不要な感光性樹脂等を洗い流す濯ぎ処理工程、PS版の表面を保護するためにアラビアガムや澱粉誘導体等の含有液を塗布するガム処理工程、及び乾燥工程等の多くの工程を経て印刷版として製版されるのが一般的である(例えば、特許文献1参照)。
これに対して近年、現像処理工程、濯ぎ処理工程等を必要としない、インクジェット方式を用いたオフセット印刷用印刷版を作成する方法に関する技術が各種提案されている。
例えば、特許文献2には光重合性組成物からなる光重合性インク組成物を用いてインクジェット方式により平版印刷原版支持体上に画線部を形成する工程および、画線部が形成された該支持体の表面を、インク組成物が感光可能な波長領域に発光輝線を有する光に露光することによりインク組成物からなる画線部を硬化させる工程を包含する印刷版の製版方法が開示されている。
しかしながらこれらの方法では、インクジェット方式で吐出された光重合性インク組成物の平版印刷原版支持体上での広がりを制御することが難しく高い解像度を確保できない。また、非画線部の湿し水保持性を確保することが困難であるという課題がある。湿し水保持性は、非画線部のインク汚染防止、印刷初期の損紙の発生量の低減、再印刷立ち上げ時のトラブル防止等、すなわち印刷適性において重要である。
これに対し特許文献3には可撓性支持体上に、ホットメルト型インクを構成する熱溶融性化合物に受容性を有する画像受容層を設けた平版印刷用版材及びこれを用いてインクジェット記録方式によりホットメルト型インクを記録後、画像受容層上のホットメルト型インク部分以外の部分がエッチ液によるエッチ処理により親水化する平版印刷版の製版方法が開示されている。
更に、特許文献4には耐水性支持体上に酸化亜鉛、および結着樹脂を含有し水との接触角を50°以上とした画像受理層を設けた平板印刷用原版を用い、その画像受理層表面に、ホットメルト型インクジェット方式で画像を形成し、この画像受理層の非画像部を不感脂化処理して平板印刷版とする技術が開示されている。
これら特許文献3、4に記載の技術では飛翔するホットメルト型インクは微量であるため熱容量の大きな平版印刷版に接触すると急速に固化し、ホットメルトインクが広がるのを防止することができる。しかしながら、この方法ではホットメルト型インク組成物およびインクジェット記録ヘッドの加熱及び温度制御手段が必要となり装置が複雑になるという欠点がある。更に、ホットメルト型インク組成物は熱により容易に液体化するため固体としての強度は弱く大量の印刷物を印刷する印刷版には適さないという欠点がある。
更に印刷適正を改善する方法として、特許文献5にはオフセット印刷を行う製版装置において、アルカリ現像液を必要とせず、画像領域と非画像領域との識別性が高く、優れた画質の印刷画面を得る印刷用原版が開示されている。この印刷原版は表面に酸化チタン、酸化亜鉛などを主成分とする薄層を有し、製版装置の活性光照射部により活性光を全面に照射されることにより、表面が親水性に変化する。その後、感熱記録部によりヒートモードによる描画を行い、これにより活性光が照射された親水性の非画像領域と、描画がなされた親油性の画像領域が原版に形成されるというものである。
しかしながらこの方法ではヒートモードによる描画で熱の横方向への伝達による滲みが発生し、またレーザー光のヒートモードを利用すると大きなパワーのレーザーが必要になり製版装置が高価になる等の課題がある。一方、感熱ヘッド等の発熱素子を使用すると版と発熱素子の接触が必要となり、版及び発熱素子間の磨耗が発生し実用的ではない。
特開平10−83082号公報 特開平05−204138号公報 特開平09−58144号公報 特開平10−58669号公報 特開平11−123807号公報
上述のように従来の印刷原版及びそれを用いた製版方法では耐刷性及び湿し水保持性に代表される印刷適性を備え、しかも高解像度の画線部を有する印刷版を提供することが困難であるという問題を抱えている。
本発明は、このような従来技術の問題点を解消するべく案出されたものである。
本発明は、作像用液体を吐出し、印刷原版に直接付着させて画線部を形成する直描型印刷版の原版であって、比較的簡易な構成を有しながらも高い解像度を可能とし、且つ印刷適性及び耐刷力の優れた直描型印刷版に用いられる原版およびその製造方法、ならびに当該直描型印刷原版を用いた直描型印刷版の製版方法を提供する。
上述の目的を達成するため、発明者は鋭意検討した結果、作像用液体の表面張力と直描型印刷原版の臨界表面張力の関係に着目し、本発明を完成するに至った。すなわち、上記目的は下記(1)〜(18)の直描型印刷原版により達成される。
(1)作像用液体を選択的に吐出し画線部を形成する直描型印刷版の原版であって、
アルミニウム基材、当該基材の上に設けられた親水性層、および当該親水性層の上に設けられ、かつ作像用液体の表面張力以下の臨界表面張力を有するドット制御層を含む直描型印刷原版。
(2)前記親水性層が、活性光により親水化作用を発現する光触媒を含む(1)に記載の直描型印刷原版。
(3)前記親水性層が、無機系コーティング剤、および酸化チタンを含む(1)または(2)に記載の直描型印刷原版。
(4)前記親水性層が、シリケート処理されている(1)に記載の直描型印刷原版。
(5)前記親水性層の平均厚みが0.01μm以上1μm以下である(1)〜(4)いずれかに記載の直描型印刷原版。
(6)前記ドット制御層が水溶性である(1)〜(5)いずれかに記載の直描型印刷版。
(7)前記ドット制御層と前記作像用液体の接触角が30度以上70度以下である(1)〜(6)いずれかに記載の直描型印刷版。
(8)前記ドット制御層が、0.1重量%水溶液の25℃における表面張力が20mN/m以下である水溶性界面活性剤からなる(1)〜(7)いずれかに記載の直描型印刷版。
(9)前記ドット制御層がフッ素系界面活性剤からなる(1)〜(8)いずれかに記載の直描型印刷原版。
(10)前記アルミニウム基材表面が、不定形研磨剤を用いた機械研摩により粗面化されている(1)〜(9)いずれかに記載の直描型印刷原版。
(11)前記アルミニウム基材表面が、酸又はアルカリを用いた化成処理により粗面化されている(1)〜(10)いずれかに記載の直描型印刷原版。
(12)前記アルミニウム基材表面が、粗面化後アルマイト処理されている(1)〜(11)いずれかに記載の直描型印刷原版。
(13)前記直描型印刷原版表面のJISB0601:1994で規定される表面粗さパラメータRyが8以上12μm以下、JISB0601:1994で規定される平均粗さパラメータRaが1以上2μm以下である、(1)〜(12)いずれかに記載の直描型印刷原版。
(14)前記直描型印刷原版表面のJISB0601:1994で規定される表面粗さパラメータRyが8以上12μm以下、JISB0601:1994で規定される平均粗さパラメータRaが1μm以上2μm以下であって、かつアルマイト処理層の厚みが0.1μm以上1μm以下である(13)に記載の直描型印刷原版。
(15)前記直描型印刷原版表面のJISB0601:1994で規定される表面粗さパラメータRyが1以上4μm以下、JISB0601:1994で規定される平均粗さパラメータRaが0.1以上1μm以下である、(1)〜(12)のいずれかに記載の直描型印刷原版。
(16)前記直描型印刷原版表面のJISB0601:1994で規定される表面粗さパラメータRyが1以上4μm以下、JISB0601:1994で規定される平均粗さパラメータRaが0.1以上1μm以下であって、かつアルマイト処理層の厚みが1以上16μm以下である(15)に記載の直描型印刷原版。
(17)前記アルマイト処理が、燐酸アルマイト処理であり、かつその厚みが1μm以上4μm以下である(12)、(15)または(16)に記載の直描型印刷原版。
(18)前記アルマイト処理が、硫酸アルマイト処理であり、かつその厚みが10μm以上16μm以下である(12)、(15)または(16)に記載の直描型印刷原版。
また、上記目的は下記(19)〜(21)の直描型印刷原版の製造方法により達成される。
(19)粗面化されたアルミニウム基材表面に親水性層を形成する工程、および当該親水性層表面にドット制御層を形成する工程を含む(1)〜(18)のいずれかに記載の直描型印刷原版の製造方法。
(20)粗面化されたアルミニウム基材表面に、活性光を受けて親水性を発現する光触媒を有する層を設け、続いて当該層に活性光を照射し親水化する工程、および当該親水性層表面にドット制御層を形成する工程を含む(2)、(3)および(5)〜(18)のいずれかに記載の直描型印刷原版の製造方法。
(21)前記ドット制御層が0.2重量%以上0.8重量%以下の界面活性剤水溶液の塗布膜を乾燥させて形成される(19)または(20)に記載の直描型印刷原版の製造方法。
さらに、上記目的は下記(22)〜(24)の直描型印刷版の製版方法により達成される。
(22) (1)に記載の直描型印刷原版のドット制御層表面に作像用液体を吐出する工程、および当該作像用液体に活性光を照射して、または当該作像用液体を加熱して硬化させる工程を含む、直描型印刷原版を用いた直描型印刷版の製版方法。
(23) (2)に記載の直描型印刷原版のドット制御層表面に作像用液体を吐出する工程、および当該作像用液体に活性光を照射して当該作像用液体を硬化させると同時に光触媒を含んでなる親水性層に活性光を照射して当該層を親水化する工程、を含む直描型印刷原版を用いた直描型印刷版の製版方法。
(24)前記硬化工程に用いる活性光と、光触媒を含んでなる親水性層に照射する活性光が同一である(23)に記載の、直描型印刷原版を用いた直描型印刷版の製版方法。
よりなる。
本発明により、作像用液体を吐出し、印刷原版に直接付着させて画線部を形成する直描型印刷版の原版であって、比較的簡易な構成を有しながらも高い解像度を可能とし、且つ印刷適性及び耐刷力の優れた直描型印刷版に用いられる原版およびその製造方法、ならびに当該直描型印刷原版を用いた直描型印刷版の製版方法を提供することができる。
以下に本発明の詳細について説明する。
本発明における直描型印刷版とは、製版用フィルムを使用しないで、原稿から直接作製されるオフセット印刷版をいう。
本発明における直描型印刷原版とは、前記直描型印刷版に画線部を形成する前の版をいう。すなわち、直描型印刷原版に画線部を形成することにより直描型印刷版が製造される。この工程により直描型印刷版を製造することを製版するという。
このようにして製版される直描型印刷版の性能は、製版工程において画線部を形成する作像用液体が直描型印刷原版表面になすドット(液滴)の形状、剥れ及び耐磨耗性、非画線部の湿し水保持性及び非画線部表面の耐磨耗性などで決定される。
直描型印刷版の解像度は、主としてドット(液滴)の形状(径)が影響する。直描型印刷版の耐刷性は、主としてドットの形状(高さ)、剥れ(接着性)及び耐磨耗性が影響する。さらに、直描型印刷版の印刷適性は主として非画線部の湿し水保持性、非画線部表面の耐摩耗性が影響する。
1.直描型印刷原版について
本発明の直描型印刷原版に用いられるアルミニウム基材には、純アルミニウム(例えばAA1050)が用いられる。
本発明の直描型印刷原版は表面を粗面化しても良い。表面粗さは後述する作像用液体が直描型印刷原版表面に形成するドットの形状および接着性、さらには印刷時にドットにかかる圧力に影響するため、直描型印刷版の解像度、耐刷性に影響する。以下にこの点について説明する。なお、ドットとは、吐出された上記作像用液体が直描型印刷原版表面に形成する液滴のことをいう。
まずは、直描型印刷原版の表面粗さとドット形状との関係について説明する。直描型印刷原版表面に形成される凹凸の微細な溝により、付着した作像用液体は毛細管現象により溝に沿って広がる傾向を呈する。その結果、作像用液体は直描型印刷原版に対し水平方向に広がる前に、直描型印刷原版に対して略垂直方向、すなわち深さ方向に広がり、直描型印刷原版の上部から見ると、きれいな円形のドット形状を呈する。これにより、ドットの広がりが制御され、印刷版の解像度が向上する。
さらに、作像用液体は凸部には薄く凹部には厚く付着するため、作像用液体が直描型印刷原版に形成するドットは、原版の横から見ると表面がやや平たくなった形状となり、直描型印刷原版からわずかに突き出た形を取りうる。このような形状のドットは、印刷時に画線部が受ける力を低減することができ、耐刷性を向上させる。
次に直描型印刷原版の表面粗さとドットの接着性との関係について説明する。
そもそもドットと直描型印刷原版の接着性は、1)アルミニウム基材と後述する親水性層との接着力、2)親水性層と後述するドット制御層の接着力、3)ドット制御層と後述する作像用液体の接着力で決定される。更に接着性を左右する要因として直描型印刷原版表面の凹凸が考えられる。仮に表面の凹凸に依存しないとすると表面の凹凸が変わっても同じ親水性層、ドット制御層、作像用液体の組み合わせであれば、これら1)〜3)の接着力は同じであるため、ドットと直描型印刷原版の接着性は同じになるはずである。しかし、直描型印刷原版表面の凹凸が異なると、接着性は異なる。これは表面の凹凸によるアンカー効果が異なるためである。つまり凹凸が大きくなると同一領域内の接着面積が増え接着力は大きくなる。
なお、直描型印刷原版はアルミニウム基材、親水性層、ドット制御層よりなっているが、親水性層、ドット制御層の厚みは、表面粗さに影響を与えない程度に薄いため、直描型印刷原版の表面粗さは、アルミニウム基材の表面粗さであると考えて良い。従って、直描型印刷原版の粗面化はアルミニウム基材の粗面化により行うことが好ましい。
アルミニウム基材の表面を粗面化する方法として不定形研磨剤による機械研摩方法がある。不定形研磨剤とは、球形のガラスビーズと比較して形状がランダムであり均一でない研磨剤をいう。機械研摩とは例えば、スプレーガンを用いてエアーと共に研磨剤を処理面に吹き付ける等により、砥粒等の研磨剤を物理的に被研磨面に摺擦して行う研磨の方法をいう。
不定形研磨剤を用いた機械研磨は、表面が複雑な形状に加工できるため好適である。定形の球形ガラスビーズを用いて研磨を行うと、表面がお椀状となってしまい、表面粗さを表すパラメータが同レベルであっても、アンカー効果が異なるため、表面に付着した作像用液体の接着力が不足する。
さらに、研摩剤の粒径は処理時間及び圧力により最適なものが選ばれる。例えば不二製作所株式会社から供給される不定形研磨剤フジランダムWA#220等を用い、ブラストガンから0.2MPa〜0.5MPaの圧搾空気と共にアルミニウム板表面に噴射して行うことができる。
さらにアルミニウム表面が複雑で粗い形状に加工できる方法として酸又はアルカリによる化成処理が挙げられる。酸またはアルカリによる化成処理とは、これらの薬品を用い、アルミニウム表面をエッチングにより粗面化する方法をいう。
例えば、化成処理液としてアルミニウム用梨地剤(酸タイプまたはアルカリタイプ)を用い、処理温度と処理時間により粗さを制御して行う方法が挙げられる。
不定形研磨剤を用いた機械研磨は、酸、アルカリなどの薬品を用いないため、安全に加工でき、更に環境対策という面でも処理液の処理、保管の必要が無く環境負荷が少ないという利点がある。一方、化成処理による粗面化は、アルミニウム板に機械的なストレスをかけないため、機械加工のようにアルミニウム板が湾曲しないよう両面に同じ加工を施す等の処理をする必要が無く加工コストを下げられるという利点がある。
上記の二種類の粗面化方法は、いずれを用いてもよく、さらには双方を併用してもよい。なお、粗面化の技術についてはこれ以外に目的とする表面粗さパラメータ及び形状を実現できる加工方法であればブラシ研摩等の方法でもよいことは言うまでもない。
このようにして粗面化された直描型印刷原版の表面粗さは、当該印刷原版表面に吐出された作像用液体が形成するドットの形状および接着性から、適宜調整される。
直描型印刷原版の表面粗さを比較的小さい範囲に調整する場合は、JIS B0601(1994)に規定される最大高さRy、及びJIS B0601(1994)に規定される算術平均粗さRaにおいて、Ryが1μm以上4μm以下、かつRaが0.1μm以上1μm以下となる範囲が好ましく、Ryが2μm以上3.5μm以下、かつRaが0.2μm以上0.5μm以下となる範囲がより好ましい。
後述するように、アルミニウム基材表面のアルマイト処理と組み合わせると、前記作像用液体が形成するドットの形状および接着性が特に良好となるからである。
直描型印刷原版の表面粗さが比較的大きい範囲に調整する場合は、Ryが8μm以上12μm、かつRaは1μm以上2μm以下となる範囲が好ましく、Ryが9μm以上10μm以下、かつRaが1μm以上1.5μm以下となる範囲がさらに好ましい。
当該印刷原版表面に吐出された作像用液体のドット形状および接着性が良好となるからである。特に、Ryの値が大きいと、印刷時にインキローラ等と印刷版が接触する際に、スペーサの役割を果たすため、ドットにかかる力を低減できる効果がある。
ただし、インクジェット記録ヘッドから吐出される液滴量により、好ましい表面粗さは微妙に変化する。例えば低解像度で記録を行う場合にはインクジェット記録ヘッドから吐出される液滴量は多くなり、粗さパラメータRy、Raをさらに大きくしてドットの突出を小さくする事が必要になる。一方、高解像度で記録を行う場合には液滴量が少なくなり粗さパラメータRy、Raはより小さな値となる。従って、インクジェット記録ヘッドから吐出される液滴量により、上記表面粗さの範囲は適宜、変更してもよい。
さらに、粗面化されたアルミニウム基材の表面をアルマイト処理してもよい。アルマイト処理を施すことにより、粗面化された直描型印刷原版の表面硬度を高くすることができるからである。表面硬度が向上すると、印刷時に直描型印刷原版にブランケット、インキローラ等が接触することにより起こる表面の凸部の磨耗を少なくすることができる。非画線部の凹凸が小さくなると湿し水の保持性が低下するが、これを防ぐことができる。
アルマイト処理層の厚みは、50μm程度まで設けることができるが、コスト等の観点から0.1μm以上20μm以下の範囲が好ましい。
特に、アルマイト層の厚みが4μmを超えると、アルマイト層は多孔質となり、この多孔質の微細な孔に親水性層が入り込みアンカー効果を持つため、最終的な作像用液体と直描型印刷原版の接着力が向上するという利点がある。
アルマイト処理としては、燐酸水溶液中でアルミニウムを陽極酸化する燐酸アルマイト処理や、硫酸水溶液中でアルミニウムを陽極酸化する硫酸アルマイト処理を挙げることができる。
アルマイト処理層の厚みは、直描型印刷原版の表面粗さとの関係で適宜調整される。以下にこの点について説明する。
1)直描型印刷原版の表面粗さが比較的小さい場合
すなわち、Ryが1μm以上4μm、かつRaが0.1μm以上1μm以下となる範囲においては、アルマイト層の厚みは1以上16μm以下となることが好ましい。直描型印刷原版表面の凹凸が比較的小さいため、アルマイト層をある程度厚くして細孔によるアンカー効果により、作像用液体の直描型印刷原版への接着性が高まる。
燐酸アルマイト処理によりアルマイト層を設けると、燐酸塩と親水性層との接着性がより良好となるため、比較的薄いアルマイト層であっても、作像用液体の直描型印刷原版への接着性を高くすることができる。従って、燐酸アルマイト処理を行う場合は、アルマイト処理層を1μm以上4μmとすることが好適である。
この効果は、親水性層に酸化チタンと無機系コーティング剤を用いた際に顕著になる。無機系コーティング剤と燐酸塩の親和性がより高いためである。
一方、厚いアルマイト層を形成する場合には、高速処理が可能であり、かつ安価であることから、硫酸アルマイト処理が適している。従って、硫酸アルマイト処理を行う場合は、アルマイト処理層を10μm以上16μm以下とすることが好適である。
2)直描型印刷原版の表面粗さが比較的大きい場合
すなわち、Ryが8μm以上12μm、かつRaは1μm以上2μm以下となる範囲においては、アルマイト層の厚みは0.1以上1μm以下となることが好ましい。この厚みのアルマイト層は多孔質にならないため、アンカー効果による親水性層との接着性は十分発揮できないものの、直描型印刷原版表面の比較的大きい凹凸のため、最終的な作像用液体の直描型印刷原版への接着性は高くなり、かつアルミニウム基材の保護効果も十分に発揮できるからである。
なお、この場合においても燐酸アルミニウム処理、硫酸アルミニウム処理によりアルマイト層を設けることができる。
本発明の直描型印刷原版は、前記アルミニウム基材の上に設けられた親水性層を有する。当該親水性層は、印刷時の湿し水特性を高めるために設けるものであり、水との親和性を持つものであれば限定されないが、印刷時の湿し水保持性を良好に保つために、臨界表面張力が50mN/m以上であることが好ましい。
このような親水性層は、活性光を受けて親水化作用を発現する光触媒を用いて作製することができる。以下に、活性光を受けて親水化作用を発現する光触媒を用いて親水性層を設ける場合(以下「光触媒親水性層」という。)について説明する。
活性光とは当該光触媒が感光可能な波長領域に発光輝線を有する光をいう。また、親水化作用とは、当該光触媒が活性光を受けることにより、表面に親水性基を有するようになる等により、水に対する親和性が向上する作用をいう。
光触媒の例としては、酸化チタン、酸化亜鉛等が挙げられるが、中でも光触媒能の高さから酸化チタンが好ましい。
さらに、前記光触媒親水性層の機械的強度を保持する目的で、酸化チタンと無機系コーティング剤を併用することができる。また前記光触媒親水性層は、シリカで被覆された金属フッ化物フィラーをさらに含んでいても良い。
無機系コーティング剤とは、SiX(Xは加水分解基)の化学式で表わされる加水分解性オルガノシランを加水分解して得られる加水分解物をマトリックスとして含むコーティング剤をいう。無機系コーティング剤は多孔質のマトリックスを形成する性質を有する。多孔質のマトリックスを形成する性質とは、無機系コーティング剤を水や有機溶媒等に溶解させて基材に塗布し、乾燥すると、微細な空隙を含む多孔質体塗膜を形成する性質をいう。この際形成される空隙は、独立に存在する気泡であってもよいし、連続気泡としてつながっていてもよい。
前記光触媒親水性層は、当該無機系コーティング剤中に酸化チタンが分散した構造をとっていても良い。このような構造をとる例としては、松下電工株式会社製、商品名「フレッセラP」等が挙げられる。
このような酸化チタンを含有する無機系コーティング剤は、基材に塗布し、乾燥させることにより親水性層を得ることができるので好ましい。さらにはマトリックスが酸化チタンの触媒作用を受けて分解されないので長寿命である点においても優れている。
前記光触媒親水性層は、酸化チタンの触媒作用を受けない高い結合エネルギーをもつマトリックスに、酸化チタンを分散させたものを用いてもよい。
酸化チタンにはアナターゼ型とルチル型があり、いずれも使用できるが、アナターゼ型酸化チタンが好ましい。さらに光触媒能を高めるために酸化チタンの平均粒子径としては20nm以下が好ましい。
無機系コーティング剤の塗布膜厚としては直描型印刷原版表面の凹凸を埋めないためにも0.01μm以上1μm以下が好ましく、クラックの防止を考慮すると、0.01μm以上0.5μm以下がより好ましい。
こうして得られた光触媒親水性層は、活性光照射後、水に対する接触角がほぼ0度となり極めて良好な親水性を示す。さらに、当該光触媒親水性層は親水性が低下した場合、活性光である紫外線により親水性を回復させることができる。また作像用液体として紫外線硬化性樹脂を用いると、当該樹脂を硬化し画線部を形成する描画工程において、硬化のために照射する紫外線により当該光触媒親水性層を再度親水化させることが可能となり、印刷時に親水性不良によるトラブルを未然に防ぐ事ができる。
従来のアルミニウム基材にシリケート処理を施したタイプの印刷版(PS版)は、適正な湿し水性を発現させるために、印刷原版の表面粗さを算術平均粗さRaにして、0.3〜1μm程度に小さくする必要があった。これは、表面粗さが大きくなると非画線部と湿し水の接触角が大きくなってしまい、湿し水保持性が低下するためである。
しかし、酸化チタンのように活性光を受けて親水性を発現するような光触媒を用いると、前述のとおり極めて高い親水性を示すため、印刷原版の表面粗さを従来レベルより大きくしても、水の接触角が大きくならず良好な湿し水保持性を示す。
また、本発明おいては、アルミニウム基材表面をシリケート処理することにより親水性層を形成してもよい。シリケート処理の方法としては珪酸ナトリウム水溶液にアルミニウム基材を浸積するなどの方法が挙げられる。前述のとおり直描型印刷原版の表面粗さにある程度の制限があるものの、シリケート処理の場合は活性光を照射するなどの親水化のための処理を行わずに親水性化層を得ることができる等の利点がある。
さらに、これら以外の親水性材料を用いて親水性層を形成してもよいことはいうまでもない。
本発明の直描型印刷原版は、前記親水性層の上に設けられたドット制御層を有する。ドット制御層とは、当該ドットの形状を制御する目的で設けられる層をいう。ドット制御層は後述する作像用液体の表面張力以下の臨界表面張力を有するものであれば限定されない。本発明における固体の臨界表面張力は、1)25℃における表面張力が既知の液体を複数用意し、2)25℃においてそれぞれの液体とドット制御層の表面のなす接触角を測定し、3)表面張力と接触角の関係をプロットして、4)接触角が0となる値を外挿して求める、いわゆるZismannプロット法(参考 近藤正敏他著、「界面化学」、p189、丸善 (2005))による測定値である。
ドット制御層は界面活性剤、ブロックコポリマー、ブロックオリゴマーを基材に塗布して作製することができる。界面活性剤とは、分子内に親水性の部分と疎水性の部分を合わせ持つ物質をいう。ここでブロックコポリマーとは、分子内に親水性の部分と疎水性の部分を合わせ持つ高分子化合物をいい、ブロックオリゴマーとは、ブロックコポリマーであって、分子量が小さいものをいう。これらを溶剤に溶解させ塗布することでドット制御層を形成することができるが、塗布の作業容易性の点から界面活性剤が好ましい。
さらに、非画線部においては印刷時の湿し水保持性を確保するために、ドット制御層を除去する必要がある。ドット制御層は、ドット制御層が溶解する溶媒を用いて除去すればよく、溶媒としては有機溶媒、水あるいはこれらの混合溶媒を用いることができる。溶媒として水を用いることができればドット制御層の除去が容易となり、しかも印刷時に使用する湿し水により除去することも可能となるため好ましい。従って、ドット制御層は水溶性を有していることが好ましい。
水溶性の界面活性剤は、親水性層との親和性が良好であるため、斑のない均一なドット制御層が得られるという利点もある。このような水溶性界面活性剤の中でも、0.1%水溶液の表面張力が20mN/m以下の水溶性界面活性剤を用いると、ドット制御層の臨界表面張力を30mN/mより低くすることができ、かつ水溶性であるためドット制御層の除去が容易となるため好ましい。
上記界面活性剤としては、フッ化アルキル基を有するフッ素系界面活性剤、アルキル基を有する炭化水素系界面活性剤等が挙げられる。しかし、一般に作像用液体は親油性であるため、ドット制御層の表面張力は、単に疎水性であるというだけでなく疎油性であることが好ましい。よって、より低い表面張力の層を形成できるフッ素系界面活性剤が特に好ましい。フッ素系界面活性剤の例としてとしては、セイミケミカル社製、商品名「サーフロン」が挙げられ、その0.1重量%水溶液の表面張力は17mN/mである。
このように、印刷原版表面に設けられたドット制御層により、製版時に吐出された作像用液体が原版に大きな接触角をもって付着し、ドットが広がることなくドーム状となり小さな形状を維持できる。そのため、本発明の直描型印刷版は高い解像度を維持できる。
しかしながら、作像用液体と直描型印刷原版の密着性を良好にするために、原版表面は、作像用液体に対して適度な濡れ性を有することが好ましい。
作像用液体が広がらず、かつ接着性を保持するには、ドット制御層の臨界表面張力が、作像用液体の表面張力の30%以上95%以下の範囲にあることが好ましく、30%以上90%以下の範囲にあることがより好ましく、さらには50%以上80%以下の範囲にあることが好ましい。例えば、作像用液体として約34mN/mの表面張力を有する紫外線硬化性樹脂を用いると、ドット制御層の臨界表面張力は20mN/m前後であれば、ドット形状と密着性のバランスに特に優れる。原版表面に対する作像用液体の接触角は、20度以上70度以下が好ましく、より好ましくは30度以上70度以下であり、さらにより好ましくは40度以上65度以下である。
ただし表面状態等により必ずしも上記範囲にある必要は無い。
2.本発明の直描型印刷原版の製造方法について
本発明の直描型印刷原版は、発明の効果を損なわない限り、任意の方法で製造されるが、以下、その好ましい方法について説明する。
本発明の直描型印刷原版は、基本的にはアルミニウム基材の表面に親水性層を形成する工程および当該親水性層表面にドット制御層を形成する工程を経て製造される。本発明に用いられるアルミニウム基材の表面は、粗面化処理およびアルマイト処理などがされていても良い。
アルミニウム基材表面に、親水性層として光触媒親水性層を形成する場合には、光触媒の触媒作用を受けない高い結合エネルギーをもつマトリックスに、光触媒を分散させたものを用いて、塗布、乾燥により形成することができる。特に、当該無機コーティング剤中に酸化チタンが分散した構造のものを用いると、作業性、光触媒能が優れるため好ましい。
光触媒親水性層は、当該層に活性光を照射することで親水化することができるが、当該親水化はいつの時点で行っても良い。
例えば、ドット制御層を設ける前に、光触媒親水性層を親水化しておくと、水溶性の界面活性剤を用いてドット制御層を設ける場合に、当該界面活性剤との親和性が良くなるため、均一なドット層を設けることができる。また、光触媒親水性層を設けた後、活性光照射により親水化する前に、何らかの理由で製造を中断し、しばらく保存しておく必要が生じた場合などに、製造再開時に親水化しても良い。さらには、一旦親水化した後に、しばらく保存しておいたため親水性層の親水性が低下した場合、製造再開時に再度親水化しても良い。非水溶性でない界面活性剤やブロックポリマー、ブロックオリゴマーを用いてドット制御層を形成する場合は、ドット制御層を設けた後に親水化する方が有利である。親水化する前の光触媒親水性層は、非水溶性界面活性剤等との親和性が良いため、均一なドット層を設けることができからである。
本発明の親水性層は、シリケート処理により設けることもできる。例えばアルミニウム基材を珪酸ナトリウム水溶液に浸積することにより親水性層を設けることができる。
親水性層表面にドット制御層を形成するには、界面活性剤やブロックポリマー、ブロックオリゴマーを溶剤に溶かした溶液を塗布、乾燥する方法が好ましい。
溶剤を水とすることができれば、有機溶媒の蒸散等の問題がなく、作業性に優れるため界面活性剤等は水溶液にて塗布されることが好ましい。また、水への溶解性、溶液の粘性を考慮すると、より低分子である界面活性剤を用いることが好ましい。従って好ましくは、ドット制御層は界面活性剤の水溶液を塗布、乾燥して形成される。
界面活性剤の水溶液の濃度は0.1重量%以上0.9重量%が好ましく、より好ましくは0.2重量%以上0.8重量%以下、さらにより好ましくは0.4重量%以上0.6重量%以下である。水溶液の濃度が0.1重量%未満であるとドット制御層表面の疎水性基濃度が不足し、ドット制御層の臨界表面張力が十分に低くならない。また、水溶液濃度が1.0重量%を超えると、余剰の界面活性剤が、湿し水へ溶解し、湿し水の機能を低下させるという問題がある。
本発明の製法により、耐刷性、湿し水保持性に代表される印刷適性に優れた直描型印刷版の原版を提供することができる。
3.本発明の直描型印刷版について
直描型印刷版は、前記直描型印刷原版の表面に、作像用液体を吐出し、液滴を固化して作像する、すなわち製版することにより得られる。
本発明で用いられる作像用液体とは、吐出の際には液状であるが、その後、硬化反応により固化し、画線部を形成する液体をいう。例えば、光重合性樹脂、熱硬化性樹脂などが挙げられる。
光重合性樹脂とは、活性光を受けて重合する化合物をいい、光重合開始剤、補助剤などの光重合材料と、色材および溶媒を含んでいても良い。光硬化性樹脂ともいう。光重合性樹脂は高粘度のオリゴマーと反応性希釈剤と呼ばれる低粘度オリゴマーまたはモノマーとの混合物であり、混合比により粘度が調整されていてもよい。活性光とは当該樹脂が感光可能な波長領域に発光輝線を有する光をいう。中でも硬化性や作業性から紫外線を活性光とする紫外線硬化性樹脂が好ましい。これらの具体例としてはポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレートなどが挙げられる。
光重合開始剤とは、活性光によりラジカルを発生し、モノマーやオリゴマーの光重合性官能基と反応し、重合を開始させるものをいう。前述の理由から紫外光を活性光とするものが好ましい。
さらに光重合性樹脂は、製版後の検版を容易にするために色材として顔料または染料を含んでもよい。これらの色材は、炭化水素、アルコール、ケトン、エーテルアルコール、エーテル、エステルなどから選ばれる溶媒に溶解した状態で添加される。色材は色相により紫外線吸収特性が変わるので、紫外線硬化性樹脂の硬化性に大きな影響を及ぼす。従って、視認性がよく、かつ硬化性をなるべく低下させないような色材を選定することが好ましい。また、紫外線硬化性樹脂の貯蔵安定性を阻害しない(例えば、ゲル化させない)、かつモノマーによる分解を受けない色剤を選択するべきである。
熱硬化性樹脂とは、常温では硬化せずに加熱により硬化する樹脂をいう。アクリル系、エポキシ系、アミノ・アルキッド系樹脂等を使用したもの、及びブロックイソシアネート樹脂を使用したウレタン系があり、これらの中から選ばれる。熱硬化性樹脂は分子の官能基同士が熱により架橋反応することにより硬化する。硬化反応は作業容易性の観点から、120〜180℃の範囲で行われることが好ましい。
作像用液体の表面張力は特に限定されないが、インクジェット記録ヘッドから、高速で安定した液滴を形成させるために、30〜40mN/mのものが好ましい。
本発明において規定される液体の表面張力は、25℃において、協和界面化学株式会社製 接触角計 Dorp Master 500を用いて測定することができ、針先から滴下する直前の液滴画像を得て、当該画像と液体の密度から算出する、いわゆる懸滴法により求めた静的表面張力の値である。具体的には、針先にぶら下がった懸滴の最大半径(d)を自動計測し、表面張力解析ソフト(PD−V型)により算出するものである。
また、作像用液体の粘度は、インクジェット記録ヘッドから、高速で安定して液滴(ドット)を形成させるために、30cps以下であることが好ましく、より好ましくは8cps以上20cps以下である。このような作像用液体の例としては、表面張力が約34mN/mであるポリエステルアクリレート系紫外線硬化性樹脂を挙げることができる。
なお、インクジェット記録ヘッドに加温処置を施して、作像用液体を上記条件に調整することができる。
4.印刷版の製版方法について
本発明の直描型印刷版は、発明の効果を損なわない限り、任意の方法で製造されるが、以下、その好ましい方法について説明する。
印刷版は本発明の原版に作像用液体を吐出して、固化し、画線部を形成することにより製版、すなわち製造される。吐出とは、液体を液滴にして飛翔させ、原版に付着させることをいう。吐出手段としてはインクジェット記録ヘッドを用いる方法が好ましい。
作像用液体についてはすでに述べたとおり、活性光を受けて硬化する光重合性樹脂が好ましく、中でも活性光が紫外光である紫外線硬化性樹脂が好ましい。硬化とは、活性光によりラジカル等の活性種を生じ、この活性種が樹脂の官能基を反応させることにより分子量を増大せしめる反応をいう。このような光重合性樹脂を用いた場合は、吐出後活性光を照射して当該液体を硬化させることにより、強固な画線部を形成することができる。
なお、直描型印刷原版が、光触媒親水性層を有している場合、製版時に照射された活性光により当該光触媒親水性層は親水化されうる。直描型印刷原版が製造された後、長期保存されていた場合などは、光触媒親水性層は一度親水化されていても、親水性が低下していることがあるので、そのような場合に利点がある。また、直描型印刷原版の光触媒親水性層が一度も親水化されることなく製造された場合は、製版時に当該光触媒親水性層の親水化が可能となり、工程が簡略化できるという利点がある。
特に作像用液体として紫外線硬化性樹脂を用いると、その硬化工程と同時に光触媒親水性層の親水化が可能であるため、安定した親水性を得ることができる。
上記の場合、光触媒を有する親水性層を親水化する活性光と、光硬化性樹脂を硬化する活性光は、別のものでも良いが、同一あると製造工程がより簡略化できるため好ましい。活性光が同一とは、活性光が、当該樹脂が感光可能な波長領域、光触媒が感光可能な波長領域の重複部分を発光輝線として有することを意味する。
以上から、高解像度であり、耐刷性、湿し水保持性に代表される印刷適性に優れた直描型印刷版の原版を提供することができる。
以下、本発明をより詳細に説明するため、本発明の一実施の形態について図面を参照し説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
図1には本発明による直描型印刷原版を示す。1は直描型印刷用原版であり、粗面化されたアルミニウム基材2、無機コーティング剤と酸化チタンよりなる光触媒親水性層3、水溶性フッ素系界面活性剤よりなるドット制御層4を含む。
以上のように構成された直描型印刷用原版1を用いた印刷版の製版方法の概略を図2、図3により説明する。図2、図3において1は直描型印刷用原版、5はインクジェット記録ヘッド、6は作像用液体である紫外線硬化性樹脂、7は直描型印刷用原版に付着した紫外線硬化性樹脂を硬化させる紫外線光源である。図1〜3に示されるとおり、本発明は比較的簡易な構成を有している。
図2に示すように直描型印刷用原版1に、画像部を形成するデータに基づきインクジェット記録ヘッド5から紫外線硬化性樹脂6が液滴状に吐出させられる。直描型印刷用原版1とインクジェット記録ヘッド5は、図示されない制御機構により液滴の吐出と直描型印刷用原版1の位置が制御され、印刷時の画線部に相当する紫外線硬化性樹脂6の画像が形成される。紫外線硬化性樹脂6により画線部が形成された直描型印刷用原版1は、紫外線光源7の照射により当該樹脂6が硬化し、印刷版として製版される。
印刷版に製版する前の直描型印刷原版1ではこの光触媒親水性層3の上にドット制御層4が形成され、さらに画線部では紫外線硬化性樹脂6が付着している。印刷時には直描型印刷原版1に湿し水ローラで湿し水が供給され、非画線部のドット制御層4は薄く、かつ水溶性であるため湿し水に溶解して剥離し、下層の光触媒親水性層3が露出して高い親水性を示し、高い湿し水保持性を有する。
以下に、本発明の実施例を示す。
アルミニウム基材2表面に、松下電工株式会社製、商品名「フレッセラP」を塗布乾燥して光触媒親水性層3を設けた。次に光触媒親水性層3に紫外線光源(フィージョンUVシステムズ社製、商品名「F600Sシリーズ」、無電極UVランプ使用)用い、350〜400nmの波長を含む紫外光を3分間照射し、親水化処理を行った。続いて当該アルミニウム基材をフッ素系界面活性剤(セイミケミカル社製、商品名「サーフロン」)を表1に示すとおりの濃度に調整した水溶液に浸漬後引き上げ、乾燥させ、ドット制御層4を設け、直描型印刷原版1を得た。
得られた原版1の表面にポリエステルアクリレート系ポリマーを主成分とする紫外線硬化性樹脂6(表面張力は約34mN/m)をピペットにて0.5cc滴下し、5秒後における液滴の広がりを観察した。その結果を表1に示す。
Figure 2007283749
表1の紫外線硬化性樹脂6の広がり程度から、フッ素系界面活性剤濃度は0.1重量%以上であることが好ましいといえる。これはフッ素系界面活性剤中の親水基がアルミニウム基材2側に、パーフルオロアルキル基(例えば、CF3基)がアルミニウム基材の反対側に整列することにより表面にフッ素原子が並び、表面張力が低下するが、処理液中の界面活性剤濃度によりパーフルオロアルキル基の密度が異なるためと推察される。
ただしフッ素系界面活性剤濃度が1.0重量%以上では、直描型印刷原版1の湿し水特性は良好であるものの、湿し水に多量のフッ素系界面活性剤が溶解し、湿し水の機能を低下させることが明らかとなった。これはアルミニウム基材表面に付着しない余剰のフッ素系界面活性剤が印刷時に湿し水中に溶解し、湿し水の性能を低下させるためである。
一方、紫外線硬化性樹脂6を滴下した後、5秒後の接触角で評価すると、液滴の広がりが少なくなるためには、当該接触角が20度以上70度以下となれば、ドットの広がりが抑えられていることが明らかとなった。さらに、30度以上70度以下となると広がりはより抑えられ、50度以上65度以下では、もっとも広がりが抑えられることが明らかとなった。
アルミニウム基材2表面に、松下電工株式会社製、商品名「フレッセラP」を塗布乾燥して光触媒親水性層3を設けた。次に実施例1と同様にして光触媒親水性層3に紫外光照射し、親水化処理を行った。続いて当該アルミニウム基材をフッ素系界面活性剤(セイミケミカル社製、商品名「サーフロン」)の0.3重量%水溶液に浸漬後引き上げ、乾燥し、ドット制御層4を設け、直描型印刷原版1を得た。
得られた原版1の表面に3plの紫外線硬化性樹脂6をインクジェット記録ヘッドを用いて吐出し、直後に紫外線を照射し紫外線硬化性樹脂6を硬化させ液滴の広がりを観察した。
[比較例1]
実施例2と同様にしてアルミニウム基材2表面に光触媒親水性層3を設け、親水化させ、さらに実施例2と同様の方法で紫外線硬化性樹脂6の液滴の広がりを観察した。実施例2と比較例1の結果を表2に示す。
Figure 2007283749
表2に示されたとおり、フッ素系界面活性剤でドット制御層を設けた場合、吐出された紫外線硬化性樹脂6のドット径が小さくなることがわかる。3plの液滴の直径は、計算によると約18μmであり、形成されたドットは直径の約1.3倍程度にしかなっていなかった。すなわちインクジェット記録ヘッドで吐出された場合においても十分広がりが抑えられていて、高解像度の画線部を形成できることが確認された。
アルミニウム基材2表面をトリクレン等の溶剤、界面活性剤、アルカリ性水溶液等を用い脱脂処理し、表面の汚れ、不純物等を取り除いた。次に、当該表面に不定形研磨剤(富士製作所株式会社製、フジランダムWA#220等)をブラストガンから0.2MPa〜0.5MPaの圧搾空気と共に噴射して粗面化処理を行い、種々の表面粗さを有するアルミニウム基材を得た。得られた該アルミニウム基材2に、実施例2に記載の方法で親水化層3およびドット制御層4を設け、直描型印刷原版1を得た。
続いて当該直描型印刷原版1に、実施例2に記載の方法によりインクジェット記録ヘッドで紫外線硬化性樹脂6を3plの液滴状にして付着させ、350〜400nmの波長を含む紫外線を4秒間照射し、前記液滴を硬化し、描画された直描型印刷版を得た。当該印刷版のドットの接着性及びドット形状を評価した結果を表3に示す。
Figure 2007283749
接着性は、直描型印刷原版1に吐出後、硬化させた紫外線硬化性樹脂6の画像(2cm×2cm)を、セロハンテープで剥離することにより確認した。別に実施した剥離テストと実際の印刷テストの比較により、剥離テストが極小以下であれば数万単位の耐刷性(剥離を起こさない)があることが確認され、今回の評価はこれに基づき行った。ドット形状については微細な溝による放射状の広がり(崩れ)の程度、および紫外線硬化性樹脂6が凹凸に沈み込む程度(突出が大きくないか)で判断した。
表3より、剥離が少ない、すなわち接着性が良い結果が得られたRy(最大高さ)の値は9μm〜14μm、Ra(算術平均粗さ)の値は1.0μm〜1.4μmであった。また、ドット形状が良い結果が得られたRyの値は9μm〜10μm、Raの値は1.0μm〜1.4μmであった。
Ryは、印刷時にインキローラやブランケットが接触するときスペーサの役目をして、画像を形成する紫外線硬化性樹脂6に加わるインキローラ圧、ブランケット圧を緩和させる効果が期待できる。当該効果を得るという観点からは、Ryは大きい方が好ましい。しかしながら、Ry、Raの値が大きすぎるとドット形状が崩れ、小さすぎても接着面積が減少し、剥離し易くなることが明らかとなった。
[比較例2]
従来のPS版等の支持体として用いられるアルミニウム基材(Raは0.38μm、Ryは3.04μm)に、実施例3と同様にして光触媒親水性層3、ドット制御層4を設け、比較用の印刷原版を得た。実施例3と同様にして当該原版の表面に、紫外線硬化性樹脂6の像を形成し比較のための印刷版を得て、接着性を検討した結果を表3に示した。表3より、比較例では、本発明の直描型印刷版にくらべ、接着性に劣ることが明らかになった。
アルミニウム基材2の表面に、従来のPS版で用いる方法と同様の砂目処理(詳細は後述)を施し、粗面化された表面を有するアルミニウム基材2を得た。当該アルミニウム基材2に、硫酸水溶液中で定電流においてアノード処理することにより4〜17μmのアルマイト処理を施した(参考 「化学事典」第7版、p80、東京化学同人(2003))。さらに当該基材2表面に、実施例1に記載の方法で親水化層3およびドット制御層4を設け直描型印刷原版1を得た。
PS版の砂目処理は以下の手順で行った。1)アルミニウム板(材質1050等)を水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬して脱脂し、表面洗浄したのち、研磨剤の水懸濁液をかけながらナイロンブラシで表面を研磨し粗面化する。2)よく水洗をして、次いでアルカリ溶液(例えば水酸化ナトリウム液)をかけ流し、表面を化学エッチングして研磨剤、アルミ屑を除去(スマット除去)し、流水で水洗する。3)酸性電解液を用い3相交流にて電解研磨する。4)水洗し、再びアルカリ水溶液をかけ流してアルミニウム表面の鋭利な角をエッチング除去(デスマット処理)し、さらに水洗する。
得られた直描型印刷原版1に、実施例2に記載の方法によりインクジェット記録ヘッドで紫外線硬化性樹脂6を3plの液滴状にして付着させ、350〜400nmの波長を含む紫外線を4秒間照射し、前記液滴を硬化し、直描型印刷版を得た。当該印刷版の接着性及びドット形状を評価した結果を表4に示す。
Figure 2007283749
直描型印刷原版1の表面粗さがRaにして0.3μmという比較的小さな場合、アルマイト層を厚くすることにより、紫外線硬化性樹脂6の接着性を向上させることができた。これはアルマイト層の微細孔が深くなるためにアンカー効果が顕著に現れたためと推察される。一方、燐酸アルマイト処理を施すと、親水性層3との接着性が良好となるため硫酸アルマイト処理に比べて、処理層厚みを小さすることが可能となった。
本発明にかかる直描型印刷原版およびその製造方法、ならびにこれを用いた製版方法は、比較的簡易な構成を有しながらも高い解像度を可能とし、且つ印刷適性及び耐刷力に優れる直描型印刷版および、その原版等を提供できる。
本発明に用いられる直描型印刷原版の構成を示す図 本発明による直描型印刷原版を用いた製版方法を示す図 本発明による直描型印刷原版を用いた製版方法を示す図
符号の説明
1 直描型印刷用原版
2 粗面化されたアルミニウム基材
3 無機コーティング剤と酸化チタンよりなる光触媒親水性層
4 水溶性フッ素系界面活性剤よりなるドット制御層
5 インクジェット記録ヘッド
6 作像用液体である紫外線硬化性樹脂
7 直描型印刷用原版に付着した紫外線硬化性樹脂を硬化させる紫外線光源

Claims (24)

  1. 作像用液体を選択的に吐出し画線部を形成する直描型印刷版の原版であって、
    アルミニウム基材、当該基材の上に設けられた親水性層、および当該親水性層の上に設けられ、かつ作像用液体の表面張力以下の臨界表面張力を有するドット制御層を含む直描型印刷原版。
  2. 前記親水性層が、活性光により親水化作用を発現する光触媒を含む請求項1に記載の直描型印刷原版。
  3. 前記親水性層が、無機系コーティング剤、および酸化チタンを含む請求項1に記載の直描型印刷原版。
  4. 前記親水性層が、シリケート処理されている請求項1に記載の直描型印刷原版。
  5. 前記親水性層の平均厚みが0.01μm以上1μm以下である請求項1に記載の直描型印刷原版。
  6. 前記ドット制御層が水溶性である請求項1に記載の直描型印刷版。
  7. 前記ドット制御層と前記作像用液体の接触角が30度以上70度以下である請求項1に記載の直描型印刷原版。
  8. 前記ドット制御層が、0.1重量%水溶液の25℃における表面張力が20mN/m以下である水溶性界面活性剤からなる請求項1に記載の直描型印刷原版。
  9. 前記ドット制御層がフッ素系界面活性剤からなる請求項1に記載の直描型印刷原版。
  10. 前記アルミニウム基材表面が、不定形研磨剤を用いた機械研摩により粗面化されている請求項1に記載の直描型印刷原版。
  11. 前記アルミニウム基材表面が、酸又はアルカリを用いた化成処理により粗面化されている請求項1に記載の直描型印刷原版。
  12. 前記アルミニウム基材表面が、粗面化後アルマイト処理されている請求項1に記載の直描型印刷原版。
  13. 前記直描型印刷原版表面のJISB0601:1994で規定される表面粗さパラメータRyが8以上12μm以下、JISB0601:1994で規定される平均粗さパラメータRaが1μm以上2μm以下である、請求項1記載の直描型印刷原版。
  14. 前記直描型印刷原版基材表面のJISB0601:1994で規定される表面粗さパラメータRyが8以上12μm以下、JISB0601:1994で規定される平均粗さパラメータRaが1μm以上2μm以下であって、かつアルマイト処理層の厚みが0.1μm以上1μm以下である請求項13に記載の直描型印刷原版。
  15. 前記直描型印刷原版表面のJISB0601:1994で規定される表面粗さパラメータRyが1μm以上4μm以下、JISB0601:1994で規定される平均粗さパラメータRaが0.1μm以上1μm以下である、請求項1記載の直描型印刷原版。
  16. 前記直描型印刷原版表面のJISB0601:1994で規定される表面粗さパラメータRyが1以上4μm以下、JISB0601:1994で規定される平均粗さパラメータRaが0.1μm以上1μm以下であって、かつアルマイト処理層の厚みが1μm以上16μm以下である請求項15に記載の直描型印刷原版。
  17. 前記アルマイト処理が、燐酸アルマイト処理であり、かつその厚みが1μm以上4μm以下である請求項16に記載の直描型印刷原版。
  18. 前記アルマイト処理が、硫酸アルマイト処理であり、かつその厚みが10μm以上16μm以下である請求項16に記載の直描型印刷原版。
  19. 粗面化されたアルミニウム基材表面に親水性層を形成する工程、および当該親水性層表面にドット制御層を形成する工程を含む請求項1に記載の直描型印刷原版の製造方法。
  20. 粗面化されたアルミニウム基材表面に、活性光を受けて親水性を発現する光触媒を有する層を形成し、続いて当該層に活性光を照射して親水化する工程、および当該親水性層表面にドット制御層を形成する工程を含む請求項2に記載の直描型印刷原版の製造方法。
  21. 前記ドット制御層が0.2重量%以上0.8重量%以下の界面活性剤水溶液の塗布膜を乾燥させて形成される請求項19または20記載の直描型印刷原版の製造方法。
  22. 請求項1に記載の直描型印刷原版のドット制御層表面に作像用液体を吐出する工程、および
    当該作像用液体に活性光を照射して、または当該作像用液体を加熱して硬化させる硬化工程、を含む直描型印刷原版を用いた直描型印刷版の製版方法。
  23. 請求項2に記載の直描型印刷原版のドット制御層表面に光重合性樹脂を含む作像用液体を吐出する工程、および当該作像用液体に活性光を照射して当該作像用液体を硬化させると同時に光触媒を含んでなる親水性層に活性光を照射して当該層を親水化する工程、を含む直描型印刷原版を用いた直描型印刷版の製版方法。
  24. 前記硬化工程に用いる活性光と、光触媒を含んでなる親水性層に照射する活性光が同一である請求項23記載の直描型印刷原版を用いた直描型印刷版の製版方法。
JP2006285532A 2006-03-23 2006-10-19 直描型印刷原版およびその製造方法ならびにこれを用いた製版方法 Expired - Fee Related JP4203519B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006285532A JP4203519B2 (ja) 2006-03-23 2006-10-19 直描型印刷原版およびその製造方法ならびにこれを用いた製版方法
US11/683,558 US20070221083A1 (en) 2006-03-23 2007-03-08 Printing plate material, manufacturing method of the same, and plate-making method using the same

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006080295 2006-03-23
JP2006285532A JP4203519B2 (ja) 2006-03-23 2006-10-19 直描型印刷原版およびその製造方法ならびにこれを用いた製版方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007283749A true JP2007283749A (ja) 2007-11-01
JP4203519B2 JP4203519B2 (ja) 2009-01-07

Family

ID=38531980

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006285532A Expired - Fee Related JP4203519B2 (ja) 2006-03-23 2006-10-19 直描型印刷原版およびその製造方法ならびにこれを用いた製版方法

Country Status (2)

Country Link
US (1) US20070221083A1 (ja)
JP (1) JP4203519B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010021161A1 (ja) * 2008-08-21 2010-02-25 コニカミノルタエムジー株式会社 平版印刷版の製版方法および平版印刷版
WO2015170575A1 (ja) * 2014-05-09 2015-11-12 株式会社ブリヂストン 離型剤除去方法、及びタイヤ

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1376225B1 (en) * 1997-08-08 2010-10-13 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Structure for pattern formation, method for pattern formation, and application thereof
US20130340639A1 (en) * 2012-06-21 2013-12-26 Xerox Corporation Method and apparatus for generating a printing member
JP5727526B2 (ja) * 2013-01-09 2015-06-03 住友ゴム工業株式会社 フレキソ印刷版とその製造方法、ならびに液晶パネル用基板の製造方法
CN104924784B (zh) * 2014-03-17 2017-07-04 诚研科技股份有限公司 耗材管理方法及其设备

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US532870A (en) * 1895-01-22 Street-sweeper
US312654A (en) * 1885-02-24 peschel
US82263A (en) * 1868-09-15 winants
US852975A (en) * 1906-03-20 1907-05-07 Leeds Stamping Company Ltd Shelf-bracket.
US6455132B1 (en) * 1999-02-04 2002-09-24 Kodak Polychrome Graphics Llc Lithographic printing printable media and process for the production thereof
EP1045284B1 (en) * 1999-04-14 2005-07-06 Fuji Photo Film Co., Ltd. Heat developing method for heat developable image recording material
US6276273B1 (en) * 1999-06-11 2001-08-21 Kodak Polychrome Graphics Llc Surfactant-pretreated printing plate substrate, lithographic printing plate and method for production thereof
ATE385906T1 (de) * 2000-12-20 2008-03-15 Fujifilm Corp Lithographischer druckplattenvorläufer
US6786588B2 (en) * 2001-03-23 2004-09-07 Ricoh Company Limited Pretreatment liquid for recording material and image recording method using the pretreatment liquid
US7299749B2 (en) * 2003-02-10 2007-11-27 Fujifilm Corporation Lithographic printing plate support and production method thereof

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010021161A1 (ja) * 2008-08-21 2010-02-25 コニカミノルタエムジー株式会社 平版印刷版の製版方法および平版印刷版
WO2015170575A1 (ja) * 2014-05-09 2015-11-12 株式会社ブリヂストン 離型剤除去方法、及びタイヤ
JP2015214065A (ja) * 2014-05-09 2015-12-03 株式会社ブリヂストン 離型剤除去方法、及びタイヤ

Also Published As

Publication number Publication date
JP4203519B2 (ja) 2009-01-07
US20070221083A1 (en) 2007-09-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4203519B2 (ja) 直描型印刷原版およびその製造方法ならびにこれを用いた製版方法
JP2003502177A (ja) 界面活性剤で前処理した印刷版基材、リソグラフ印刷版及びその製造方法
US20030159607A1 (en) Method for the preparation of lithographic printing plates
US20090186201A1 (en) Plate making method and planographic printing plate
JP4189421B2 (ja) 直描型印刷原版およびその製造方法ならびにこれを用いた製版方法
JP2008230024A (ja) 平版印刷版原版および平版印刷版の作製方法
EP1179422B1 (en) Method for making a lithographic printing plate by inkjet printing
EP1829682A2 (en) Method of producing planographic printing plate and planographic printing plate
US7044053B2 (en) Method and materials for improving resolution for ctp-inkjet
CN107635774B (zh) 制备平版印版前体的方法
JP4638259B2 (ja) 平版印刷版の製版方法
JP2007237403A (ja) 平版印刷版及びその作製方法
JP2006334874A (ja) 平版印刷版、平版印刷版の製版方法、平版印刷版の製版装置、平版印刷版を用いる印刷方法、平版印刷版を用いる印刷機
EP1477308B1 (en) Computer-to-plate inkjet printing method
JP4436037B2 (ja) 印刷原版、製版装置、印刷装置、及び印刷方法
WO2000043837A1 (fr) Procede de production d'une plaque d'impression
JP2008073909A (ja) 印刷版の作製方法およびインクジェット記録装置
WO2001054903A1 (en) Method of controlling image resolution on a substrate
WO2010021161A1 (ja) 平版印刷版の製版方法および平版印刷版
JPH11245364A (ja) 平版印刷版の製版方法
JP3756488B2 (ja) 平版印刷版用支持体および平版印刷版原版
JP2007245505A (ja) 平版印刷版原版、平版印刷版およびその作製方法
JP2006231597A (ja) 印刷版材料の製版方法、印刷版材料および印刷方法
JP2003326866A (ja) 平版印刷版用支持体及び平版印刷版原版
JP2005170002A (ja) 直描型印刷用原版

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071015

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080404

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080415

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080609

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080624

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080806

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20080901

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080916

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081010

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111017

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees