JP2007281395A - 電子部品及びその製造方法 - Google Patents

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Toshiyuki Atsumi
俊之 渥美
Michio Oba
美智央 大庭
Shinya Matsutani
伸哉 松谷
Shinichi Morimoto
慎一 守本
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Abstract

【課題】従来の電子部品は、その構成要素として基板を用いていたため、その低背化に限度があった。
【解決手段】本発明は基板2を使うことなく所定のコイルパターンを形成することで電子部品の低背化、小型化を実現すると共に、樹脂100の内部に3次元のコイル状の電極110を複数層にわたって形成する際に、コイル状の配線110の外部に面する側面を、ダイシング装置等で略同一平面に揃え、更に樹脂100で保護することで、小型化したにも係わらずL(インダクタンス)やQ値を高めた電子部品を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、絶縁性樹脂の内部に3次元コイル配線等の微細な電極が形成されてなる微細なチップ状の電子部品に関するものである。
従来、電子部品は基板の上に形成されていた。
図15を用いて、従来の電子部品について、平面コイルを例にして説明する。図15は平面コイルの斜視図であり、アルミナ基板、シリコン基板等の基板2の上には、コイル状(もしくは螺旋状)の配線4が形成され、そして絶縁性の樹脂6で保護されている。また8は外部電極であり、配線4の両端に接続されている。そして外部電極8を介して、プリント配線基板の上に実装される。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
特開平9−270355号公報
しかしながら、前記従来の電子部品では、その構成要素として基板を用いていたため、電子部品の軽薄短小化のニーズに対して、対応しきれないという課題を有していた。
そこで本発明は従来の課題を解決するものであり、電子部品の構成要素から基板を省くことで低背化を実現する電子部品を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の電子部品及びその製造方法は、基板を省くことで部品の小型化、低背化を実現するものである。
本発明の電子部品及びその製造方法は、基板を省くことでより低背化、小型化すると共に、3次元コイル配線を形成する配線の少なくとも外部に面した側面を略同一平面に形成することでコイルの小型化、高特性化が可能となる。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1における電子部品について、図面を参照しながら説明する。
図1は実施の形態1における電子部品を説明する図であり、100は樹脂、110は配線、120a、120b、120cは補助線、130は表面表示線である。
図1(A)は、実施の形態1における電子部品の部分断面図であり、樹脂100の内部には、複数層にわたって3次元のコイル状の配線110が見える。なお図1(A)において、外部電極は図示していない。配線110は、図1(A)において一部だけを図示している。また表面表示線130は、電子部品の外形位置(もしくは外壁、外寸)を示すものである。
図1(A)に示すように、複数層にわたって3次元に形成された配線110は、ビア(図示していない)を介して、3次元的なコイルパターンを形成している。なお配線110は、図1(A)に示すように、その断面が略四角形に形成している。これは配線抵抗を下げるためである。そしてこの配線110は、樹脂100の中に3次元的に形成する。そして、配線110の外部に面した2側面(補助線120bで示す部分)は、補助線120bに示すように略同一平面上に揃える。このように複数層の配線110の外部に面した面(補助線120bで示す面)を、略同一平面に揃えることで、配線110の配線抵抗を最小にしながら、コイル特性を最大化する。なお略同一平面に揃えるために、例えば後述する図3〜図12の工程(特に図5(B)や図11(B))の手段を用いる。次に図1(B)を用いて、配線110の外部に面した2側面(図1(A)の配線110の左右の面に相当する)を略同一平面に揃える効果について、更に詳しく説明する。
図1(B)は、配線と表面表示線の関係を説明する拡大断面図である。図1(B)において、樹脂100の表面表示線130に示す面が、電子部品の外装(つまり外部)に相当し、その位置を補助線120aで示す。また図1(B)における配線110の外部に面する面の位置を補助線120bで示す。図1(B)において、複数層の形成された配線110の断面は略四角形であり、表面表示線130に面した側は、補助線120bに示すように互いに略同一平面に揃っている。なお表面表示線130でない側は、補助線120cに示すように、多少のズレ(例えば1ミクロンから20ミクロン程度、なお10ミクロン以下が望ましい)が発生してもよい。なおこのズレとは、後述する図3〜図12の工程で説明する、樹脂100の内部に配線110を作り込む際に発生する露光時やマスクの位置合わせ等に起因する位置ズレに相当する。
図1(B)に示すように実施の形態1では、複数層に形成された配線110の略四角形の外部に面する一側面(あるいは表面表示線130に面した側)が、補助線120bに示すように表面表示線130から一定の距離L1を離した略同一平面に形成する。このように本実施の形態では、3次元コイル状の配線110の内側(外部に面していない配線110の側面)は、図1(B)の補助線120cに示すように、多少のズレがあったとしても、配線110の外側(外部に面している配線110の側面)は、補助線120bが示すようにほぼ同一平面に揃えることができる。なお略同一平面に揃える手法等は、後に説明する図3〜図9で詳しく説明する。
図2は、実施の形態1の電子部品の内部構造を透過的に説明する斜視図である。図2において、140は外部電極、150はアンカーである。図2に示すように、配線110は複数層に形成され、互いに、ビア(ビアは層間接続部の意味であり、図2では配線110の影になるため図示していない)によって、層間接続され、3次元的なコイルを形成している。また表面表示線130(図2では点線で表示)の部分までが、樹脂100が形成される部分である。図2に示すように、3次元的なコイルパターンは、表面表示線130で示すように樹脂100(図2では、樹脂100は図示していない)によって保護される。
図2において、配線110の先端は、外部電極140に接続されている。そして外部電極140の内側(外部に面していない側、あるいは樹脂100に接する側、なお図2では樹脂100は図示していない)には、複数個のアンカー150を形成している。このアンカー150の形成により、外部電極140と樹脂100の引張り強度を高める。また図2のA、Bは図3〜図8における電子部品を観察する方向を示す矢印である。
実施の形態1で提案する電子部品では、基板を使うことなく電子部品を作製できるため、部品の小型化、低背化が可能となる。また図1(A)、図1(B)で示すように略四角形の断面を有する配線110の外側の面を、配線110の複数層にわたって略同一平面に揃えることで、配線110と表面表示線130の間の樹脂100の厚みを高精度に制御できるため(詳細は図10等で説明する)、電子部品の特性を大幅に向上できる(詳細は図14等で説明する)。
(実施の形態2)
実施の形態2では、実施の形態1で説明したサンプルの製造方法の一例について図3〜図11を用いて説明する。
図3〜図4、図6〜図7は実施の形態2の電子部品の製造方法の一例について説明する断面図である。図3〜図4と図5〜図6は、実施の形態1の電子部品を図2のA方向からみた断面図である。図3〜図7において、160は台、170a、170b、170c、170dは感光性樹脂、180、180a、180b、180cは金属、190は隙間、200はダイシング装置、210a、210bは矢印である。
まず図3〜図5を用いて説明する。まず図3(A)に示すように、台160の上に、所定の厚みで感光性樹脂170aを形成する。なお台160として、ガラス板、金属板、またはシリコンウエハ等を使うことが望ましい。また感光性樹脂170aの形成方法としては、スピンナー等の装置を使うことで、その膜厚の面内バラツキを抑えられる。次に図3(B)に示すように、感光性樹脂170aの上に、感光性樹脂170bによって所定パターンを形成する。なお図3において、感光性樹脂170a、170bの露光や現像装置は図示していない。感光性樹脂170a、170bはネガ型(露光された部分が硬化、不溶化するもの)が望ましい。ネガ型の感光性樹脂170a、170bを使うことで、硬化後の感光性樹脂170a、170bを一種の永久レジストとして残すことが可能である。そして感光性樹脂170a、170bが、図1(A)、図1(B)等に示す樹脂100となる。なお感光性樹脂170a、170bは同じ感光性樹脂を使うことで、そのマッチングを高められる。
次に図3(C)に示すように感光性樹脂170a、170bの上に金属180を形成する。金属180としては配線抵抗を下げる目的から銅を主成分としたものを用いることが望ましい。また銅の形成は、薄膜法(もしくはスパッタ等の真空を用いた手法)、めっき法(無電解めっき、あるいは電気めっき)等を選ぶことができる。
次に図3(D)に示すように、余分な金属180を除去する。ここで金属180の除去には、CMP(化学的研磨方法)や、物理的方法(例えば切削等)を使うことができる。こうして図3(D)に示すように、感光性樹脂170bの表面と、金属180aの表面を略同一平面に形成する。こうして金属180を所定のパターン形状に加工する。ここで感光性樹脂170bの厚みを10ミクロン、あるいは30ミクロンとすることで、金属180aの厚みを10ミクロン、あるいは30ミクロンとなる。またこうしてパターニングされた金属180aは、図5等で説明するように図1(A)、図1(B)、図2等で示した配線110となる。
次に図3(E)に示すように、金属180a等の上に感光性樹脂を一定の厚みで形成する。そしてビア穴(図3(E)には図示していない)を形成するが、図の関係でその詳細は省略する。
次に図4(A)に示すように、その上に感光性樹脂170dよりなるパターンを形成する。そして、図4(B)に示すように感光性樹脂170dを覆うように金属180bを形成する。金属180bの形成は、金属180aの形成同様に、めっき工法等を用いることができる。
次に図4(C)に示すように、金属180bの余分な部分を除去する。金属180bの不要部の除去は、図3(D)で示した金属180aの不要部分の除去と同じようにすることができる。
こうして図3(A)から図4(C)に示した工程を必要回数繰り返すことで、図4(D)に示すように、感光性樹脂170cの内部に、ビア孔(図3〜図4では図示していない)複数層の金属180a、180b、180cを3次元コイルの配線状に形成する。こうして一枚の台160の上に多数個の電子部品を一括で形成する。こうして形成したサンプルは、次に図5に示すようにダイシング装置等によって所定形状に分割する。
図5を用いて、サンプルを個片化する様子を説明する。図5は、サンプルをダイシング装置によって分割する様子を示す斜視図である。図5(A)はダイシング前の斜視図、図5(B)はダイシング後の斜視図である。図5(A)において、台160の上には、複数層の金属180が内蔵された樹脂170を固定している。そして図5(B)に示すように、感光性樹脂170を所定ピッチで切断する。図5(B)において、ダイシング装置200の刃は矢印210aに示すように回転しながら矢印210bの方向に進み、隙間190が形成される。そしてダイシング装置200で感光性樹脂170を切断することで、その側面(あるいは切断面)に、金属180を露出させる。こうして図5(B)に示すように、複数層に形成された金属180a、180b、180c等の複数層を一度に切断する。こうして配線110の側面を、複数層にわたって一度に切断することで、その側面を略同一平面(あるいは同じ位置)に高精度に揃えられる。次に図6に示すようにして、配線110が露出した感光性樹脂170を保護する。
図6は、感光性樹脂の側面に露出させた配線の側面を樹脂で保護する様子を説明する断面図である。図6において、220は光、230はマスク、240は遮光部である。図6(A)は、感光性樹脂170dの側面に金属180が露出した様子を示すが、これは図4(D)のサンプルを図5に示すように加工したものに相当する。図6(A)において、感光性樹脂170dと共に台160の一部もダイシングによって僅かに削っている。このように台160も削るようにすることで、感光性樹脂170dの除去を確実にできる。このように配線110の側面をダイシングすることで、略同一面に揃えることができる。こうして側面の位置バラツキを、ダイシングによって複数層を一括して略同一面に、つまり側面の位置ズレを10ミクロン以下(更に5ミクロン以下、望ましくは3ミクロン以下)に抑える。
次に図6(B)に示すように、感光性樹脂170eを形成し、マスク230を介して光220を照射する。ここで遮光部240の部分は露光されずに残る。これを現像することで、図6(C)に示す状態を形成する。図6(C)に示すようにして、配線110の外部に露出した面を、感光性レジスト170eによって覆い保護する。
なお図6(C)の感光性樹脂170eの代わりに、一般のモールド用に使われる信頼性の高いエポキシ等の熱硬化、あるいは光硬化の樹脂材料を用いることもできる。例えば、こうした保護層用の樹脂でディップ(浸漬)、スプレー(噴射)、静電塗装、電着、印刷、塗布等で用いても良い。次に図7を用いて、サンプルを個片化する様子を説明する。
図7はサンプルを個片化する様子を説明する断面図である。図7において、250は保護層であり、感光性樹脂やエポキシ等の樹脂である。図7において、感光性樹脂170eを第1の樹脂とした場合、保護層250が第2の樹脂で形成されていることになる。このように3次元コイルの配線110を第1の樹脂に作り込み、前記配線110の側面(もしくは外部に面する側)を第2の樹脂で形成する。なお保護層250を形成する第2の樹脂は感光性樹脂170eと同じ感応性樹脂であっても良く、またエポキシ等のモールド用の硬化樹脂であっても良い。次に図7(B)に示すようにして、台160からサンプルを剥離する。この後、特性検査等の工程を経て実施の形態1の製品として完成させる。
以上のように実施の形態2で提案する電子部品の製造方法を用いることにより、基板を使うことなく、所定の電子部品を作製できる。そして基板が無い分、部品の小型化、低背化が可能となる。また図5(A)、図5(B)に示したようにして略四角形の断面を有する配線110の外側の面を、配線110の複数層にわたって略同一平面に揃えることで、限られた寸法の中で最大の特性を得られる。更に、配線110の側面の樹脂(もしくは外装となる樹脂)の厚みを均一、もしくは略同一とすることで、各種寸法を高精度に制御でき、電子部品の特性を大幅に向上させる。
次に実施の形態1で説明したサンプルの製造方法の一例について、図3〜図7に説明したのとは異なった方向から見た様子について、図8〜図11を用いて説明する。
図8〜図10は、電子部品の製造方法を説明する断面図であり、図2の矢印Bから見た方向に相当する。
まず図8(A)に示すように、台160の上に感光性樹脂170aを用いて所定パターンを形成する。そして図8(B)に示すように、感光性樹脂170aを覆うように、金属180を形成する。そして、図8(C)に示すように、金属180の不要部分を除去する。不要部分の除去は、図3(D)、図4(C)等で説明したものと同様の方法を使うことができる。こうして図8(C)に示すように、感光性樹脂170b及び金属180を積層する。その後、図9(A)から図9(D)に示すようにして、感光性樹脂170a、170b、170cや金属180を所定パターンで積層する。
次に図10を用いて、個片に分割する様子を説明する。図10はサンプルを個片に分割する様子を示す断面図である。図10(A)に示すように感光性樹脂170dと金属180を積層したサンプルを、図10(B)に示すように所定寸法に切断する。ここで切断する手法としては、後述する図11で説明する。こうして、一定の隙間190で分割した後、図10(C)に示すように台160から分離し、個片化する。なお図9(A)〜図9(D)、図10(A)〜図10(C)において、金属180の一部は、ビア(層間接続部)となり、感光性樹脂170dを貫通し、異なる層に形成された金属180を層間接続する(なおビアは図示していない)。また図10(A)における金属180は、図10(B)では隙間190で分断され、外部電極140を形成する。
図11は、サンプルを切断する様子を示す斜視図である。ダイシング装置200は矢印210aのように高速で回転しながら、矢印210bの方向に、サンプルを切断する。図11(A)はダイシング前の斜視図、図11(B)はダイシング後の斜視図である。図11(A)は、例えば図10(A)に示すサンプルに相当する。このように保護層250が形成されたサンプルを、図11(A)に示すようにセットする。そして図11(B)に示すようにしてダイシング装置200によって矢印210bのように切断する。こうして図10(B)に示すように切断面を外部電極140とする。
このように基板を使わないことで、電子部品の小型化、低背化が可能となる。また図11(A)、図11(B)で示したようにして、ダイシング等の手法を用いて外部電極140を形成することで、外部電極140の高精度化を実現する。
次に電子部品が小型化するにつれて大きな課題となる、配線110の位置ズレ(あるいは位置のバラツキ)について、図12〜図14を用いて説明する。
図12は、ダイシングせずに電子部品を製造した場合の位置ズレを説明する部分断面図である。このように感光性樹脂を用いて、アライメント(位置合わせ)しながら複数層を積層した場合、互いに左右に位置ズレが発生する。図12(B)は、図12(A)の拡大断面図である。図12(B)において、樹脂100に埋め込まれた状態で複数層の配線110は、補助線120bに示すように互いに左右にずれている。このズレは図6(B)等で示した露光時での位置ズレ等が積算されたものである。図12(B)における寸法L2、L3、L4は表面表示線130からの複数層の配線110の寸法を示す。本実施の形態では図1(A)、図1(B)に示した寸法L1のように、3次元コイルを形成する複数層の配線110の外に面した側面を揃えることによって、限られた寸法で配線110の寸法を最大に設定できる。次に図13、図14を用いて、具体的な寸法を例としてコイル特性の改善効果について説明する。なお図13、図14はコイル特性の改善効果を、具体的な数字で説明する断面図であるが、この寸法に限定される必要は無い。
図13は、電子部品(コイル部品)の外形寸法の一例を示す斜視図である。図13において、樹脂100の内部には、図2に示したような3次元コイル状の配線110(配線110は図示していない)が形成されている。そしてこの配線110の両端には、それぞれ外部電極140が形成されている。例えば、図13に示したコイル部品の場合、その外形寸法は、補助線120が示すように300ミクロン×600ミクロン(いわゆる0603と呼ばれる規格寸法)である。なお0603以外に1005、0402等と呼ばれる規格寸法でも、同様の効果が得られる。こうした微細な電子部品の設計における実施の形態2の効果について、図14を用いて説明する。
図14は、電子部品(コイル部品)の内部構造を示す断面図(寸法図)であり、図13の点線A−A’の断面に相当する。図14(A)は配線110aの幅を40ミクロンとして設計した場合の断面図、図14(B)は配線110bの幅を40ミクロンとして設計した場合の断面図、図14(C)は配線110cを幅65ミクロンとして設計した場合の断面図である。図14(A)〜図14(C)において、電子部品の幅寸法は300ミクロン(これは図13の幅300ミクロンに対応する)とした。
図14(A)は従来の設計寸法の一例である。図14(A)の場合、それぞれ配線110aの幅は40ミクロン、2本の配線110aに挟まれたコイル状配線の内側(空芯部に相当)の寸法は160ミクロン、2本の配線110aの外側の距離は共に30ミクロンとした。この結果、製品幅は30+40+160+40+30=300ミクロンとなる。従来のコイル部品は、図12(A)、図12(B)で示したように、配線110の位置バラツキが発生しやすい。そのためこうした位置バラツキを吸収するため、図14(A)に示したような設計となっていた(なお図14(A)では、図12(A)や図12(B)で示した位置バラツキは図示していない)。そのため空芯部を160ミクロンより大きくすることが難しかった。
図14(B)〜図14(C)は本実施を用いた場合の設計寸法の一例である。図14(B)は、コイルのL(インダクタンス)を高めた例である。図14(B)において、配線110bの幅は40ミクロンである。また2本の配線110bに囲まれた部分(コイルの空芯部に相当)の寸法は210ミクロンである。また配線110bを保護する樹脂100の厚みは5ミクロンである。図14(B)の構造は、例えば図5〜図6に示すようにして、初めて実現できる。配線110bの幅を40ミクロン(図14(A)と同じ値)のままで、コイルを形成する2本の配線110bの間隔(コイルの空芯部に相当)は、図12(A)の160ミクロンから210ミクロンへと、30%増加できる。この結果、配線110bが形成する磁界が通過する断面積を30%広げられ、そのコイル特性を高められる。
図14(C)は、コイルのQ値を高めた例である。図14(C)において、配線110cの幅は65ミクロン、2本の配線110cに囲まれた部分(コイルの空芯部に相当)の寸法は160ミクロンである。また配線110bを保護する樹脂100の厚みは5ミクロンとした。なおこの部分の樹脂100の厚みは1ミクロン以上(望ましくは3ミクロン以上、更には5ミクロン以上)20ミクロン以下が望ましい。1ミクロン未満の場合、ピンホール等が発生し信頼性に影響を与える可能性がある。また20ミクロンより厚い場合、電子部品の小型化に影響を与える。このように図14(C)に示すような寸法構成によって、配線110cの配線抵抗を下げた結果、Q値を高められる。こうした効果は、電子部品の外形寸法が小さくなるほど、大きくなることは言うまでもない。図14(C)では、配線110cの幅を65ミクロンとし、その代わりコイルを形成する2本の配線110cの間隔を図14(A)と同じ160ミクロンとした。こうして配線110cの幅を太くすることで、コイルの抵抗値をより低くでき、特性Q値を改善できる。あるいはその分、製品の特性バラツキを例えば、±5%以下、更には±3%以下とした、高精度な電子部品を提供できる。なお電子部品の厚み(あるいは高さ)は500ミクロン以下(望ましくは300ミクロン以下)が望ましい。電子部品の厚みが、500ミクロンを超えると、図5(B)や図11(B)に示すようなダイシング装置による切断性に影響を与える場合がある。厚みを500ミクロン以下(更には300ミクロン以下)とすることで、ダイシング性を高めることができる。こうしてチッピング(あるいは欠け)の発生を抑えながら配線110の側面を高精度に略同一平面に揃える。
なお配線110の厚みとしては10ミクロン以上が望ましい。更に15ミクロン以上200ミクロン以下が望ましい。これは配線110の厚みが10ミクロン以上(望ましくは15ミクロン以上)と厚いほど、コイルの抵抗値を下げるためである。また配線110の厚みが200ミクロンを超えると、コイルを3次元的にする場合の低背化が難しくなる。そのため、配線110の厚みは200ミクロン以下(望ましくは100ミクロン以下)が実用的となる。このように配線110aの厚みが10ミクロンを超えた場合(更には配線110aの厚みが20ミクロン、30ミクロンと厚くなるほど)、配線110aの互い位置ズレ(具体的には図12(A)、図12(B)で示したように、例えば5〜10ミクロン、更にはそれ以上ずれることもある。発明者らの実験では、このズレは感光性樹脂170の厚みが厚くなるほど増加する傾向があった。これは感光性樹脂170が厚いほど、マスクアライメント時の画像認識性が低下するためである)が発生しやすくなるため、樹脂厚(図12(B)に示すL2に相当)は、30ミクロン程度が必要となる。
以上のようにして、少なくとも感光性樹脂が硬化してなる樹脂100と、前記樹脂100の中に形成された断面が略四角形の3次元状のコイルの配線110と、前記樹脂100の中で前記3次元コイル状の配線110に接続されかつ、前記樹脂100から一部が露出した外部電極140と、からなる電子部品の前記3次元状のコイルの配線110の外部に面する2側面を、複数層にわたって略同一平面に揃えた電子部品を提供する。
また少なくとも感光性樹脂が硬化してなる樹脂100と、前記樹脂100中に形成された断面が略四角形の3次元状のコイルの配線110と、前記樹脂100の中で前記配線110に接続されかつ前記樹脂100から一部が露出した外部電極140と、からなる電子部品の前記3次元状のコイルの配線110の外部に面する2側面を複数層にわたって略同一平面に揃え、前記2側面を略同一厚みの第2の樹脂部で覆った電子部品を提供する。
なお、3次元状のコイルの配線110の少なくとも上下面は感光性樹脂170が硬化してなる第1の樹脂で、前記3次元状のコイルの配線110の少なくとも一側面以上は、感光性樹脂もしくは硬化型の第2の樹脂で、覆うことができる。
そして少なくとも感光性樹脂170の内部に複数層の3次元状のコイルの配線110を埋め込む工程と、前記3次元状のコイルの配線110の一部を前記感光性樹脂170から露出させる工程と、前記3次元状のコイル配線110の露出面を第2の樹脂で覆う工程と、を含むことで電子部品を製造する。
以上のように、本発明にかかる電子部品及びその製造方法は、電子部品の低背化や超小型化、更にはその取扱性を高めることで、各種電子機器の小型化、高性能化に貢献することができる。
実施の形態1における電子部品を説明する図 実施の形態1の電子部品の内部構造を透過的に説明する斜視図 実施の形態2の電子部品の製造方法の一例について説明する断面図 実施の形態2の電子部品の製造方法の一例について説明する断面図 サンプルをダイシング装置によって分割する様子を示す斜視図 実施の形態2の電子部品の製造方法の一例について説明する断面図 実施の形態2の電子部品の製造方法の一例について説明する断面図 電子部品の製造方法を説明する断面図 電子部品の製造方法を説明する断面図 電子部品の製造方法を説明する断面図 サンプルを切断する様子を示す斜視図 ダイシングせずに電子部品を製造した場合の位置ズレを説明する部分断面図 電子部品の外形寸法の一例を示す斜視図 電子部品の内部構造を示す断面図(寸法図) 従来例の平面コイルの斜視図
符号の説明
100 樹脂
110、110a、110b、110c 配線
120、120a、120b、120c 補助線
130 表面表示線
140 外部電極
150 アンカー
160 台
170a、170b、170c、170d 感光性樹脂
180、180a、180b 金属
190 隙間
200 ダイシング装置
210、210a、210b 矢印
220 光
230 マスク
240 遮光部
250 保護層

Claims (4)

  1. 少なくとも感光性樹脂が硬化してなる樹脂部と、
    前記樹脂部中に形成された断面が略四角形の3次元コイル配線と、
    前記樹脂部中で前記3次元コイル配線に接続されかつ前記樹脂部から一部が露出した外部電極と、
    からなる電子部品の前記3次元コイル配線の外部に面する2側面は複数層にわたって略同一平面に揃えた電子部品。
  2. 少なくとも感光性樹脂が硬化してなる第1の樹脂部と、
    前記樹脂部中に形成された断面が略四角形の3次元コイル配線と、
    前記樹脂部中で前記3次元コイル配線に接続されかつ前記樹脂部から一部が露出した外部電極と、
    からなる電子部品の前記3次元コイル配線の外部に面する2側面は複数層にわたって略同一平面に揃え、
    前記2側面を略同一厚みの第2の樹脂部で覆った電子部品。
  3. 3次元コイル配線の少なくとも上下面は感光性樹脂が硬化してなる第1の樹脂で、
    前記3次元コイル配線の少なくとも一側面以上は熱硬化性樹脂もしくは前記感光性樹脂からなる第2の樹脂で、覆われている請求項1もしくは請求項2のいずれか一つに記載した電子部品。
  4. 少なくとも感光性樹脂の内部に複数層の3次元コイル配線を埋め込む工程と、
    前記3次元コイル配線の一部を前記感光性樹脂から露出させる工程と、
    前記3次元コイル配線の露出面を第2の樹脂で覆う工程と、
    を含む電子部品の製造方法。
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