JP2007278826A - 多孔体の酸素拡散係数測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】測定対象となる多孔体が液水を含んでいるときでも、その酸素拡散係数をガルバニ電池式の酸素センサーを用いて高精度に測定する。
【解決手段】多孔体の酸素拡散係数を測定するガルバニ電池式の酸素センサー1は、電解液を収納する空間2aと、この空間2a内に電解液を注入する注入口2bとを有する電解液ケース2を有し、この空間2aの上下両端の開口部を蓋部材3と多孔体ホルダー4とで覆うと共に、電解液注入口2bを二重蓋6,7で密閉することで、電解液収容空間2aを密封するようにしたものである。これにより、電解液ケース2内に収容された電解液が蒸発又は吸水しなくなり、陽極9及び陰極11と電解液との接触面積が一定に維持される。よって、多孔体の含水量に対する酸素拡散係数を高精度に測定できる。
【選択図】図2
【解決手段】多孔体の酸素拡散係数を測定するガルバニ電池式の酸素センサー1は、電解液を収納する空間2aと、この空間2a内に電解液を注入する注入口2bとを有する電解液ケース2を有し、この空間2aの上下両端の開口部を蓋部材3と多孔体ホルダー4とで覆うと共に、電解液注入口2bを二重蓋6,7で密閉することで、電解液収容空間2aを密封するようにしたものである。これにより、電解液ケース2内に収容された電解液が蒸発又は吸水しなくなり、陽極9及び陰極11と電解液との接触面積が一定に維持される。よって、多孔体の含水量に対する酸素拡散係数を高精度に測定できる。
【選択図】図2
Description
本発明は、いわゆるガルバニ電池式の酸素センサーを用いて、多孔体の酸素拡散係数を測定する装置に関し、詳しくは、測定対象となる多孔体が液水を含んでいるときでも、その酸素拡散係数を高精度に測定できる装置を提供する。
従来から多孔体の内部のガス拡散特性を測定する方法として、様々な技術が提案されている。その一つとして、耐熱性および耐圧性の材料で形成された容器内に、測定対象となる多孔体を収容するとともに所定のガスを封入しておき、この容器内のガスに対して周期的な容積変動を与え、その容積変動と圧力変動との位相差および振幅を検出し、この検出した位相差および振幅、並びに予め測定しておいた多孔体の気孔径などの基礎データに基づき、拡散理論式から求めたシミュレーション式により多孔体の酸素拡散係数を算出するものがあった(特許文献1参照)。
特開昭61−205843号公報
ここで、燃料電池の構成部品であるMEA(Membrane-Electrode-Assembly:膜電極一体構造の触媒層)やGDL(Gas-Diffusion-Layer:ガス拡散層)などの多孔体は、酸素と水素とから電気をつくるときに生成された水が、多孔体を通って外部に放出されるようになっている。このとき、多孔体に含まれている液水の量によって、多孔体の酸素透過率が大きく変動し、燃料電池の発電能力に大きな影響を与えるようになることから、多孔体の含水量に対する酸素拡散係数を正確に測定することが求められていた。
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術は、容器内に封入されたガスの圧力変動を伴う測定方法であるので、多孔体が液水を含んでいるときには、その液水量によって測定誤差が生じるものであった。よって、この特許文献1に記載の技術では、多孔体の含水量に対する酸素拡散係数を正確に測定できないという問題点があった。
また、いわゆるガルバニ式の酸素センサーとして、例えば特開平11−2619号公報に記載のものもあったが、この酸素センサーは、単に、気体中の酸素分圧を検出するものであって、多孔体の酸素拡散係数を測定するための構成を備えていなかった。
また、いわゆるガルバニ式の酸素センサーとして、例えば特開平11−2619号公報に記載のものもあったが、この酸素センサーは、単に、気体中の酸素分圧を検出するものであって、多孔体の酸素拡散係数を測定するための構成を備えていなかった。
そこで、本発明は、このような問題点に対処し、測定対象となる多孔体が含水しているときでも、その酸素拡散係数をガルバニ式の酸素センサーを用いて高精度に測定できる装置を提供することを目的とする。
本発明は、多孔体の酸素拡散係数を測定するガルバニ電池式の酸素センサーを、両端部が開口する筒状の電解液収納空間を有すると共に、この電解液収納空間の中間部に連通する電解液注入口を有する電解液ケースと、前記電解液収納空間の一端側の開口部を覆うように押圧固定されて当該開口部を密閉する平板状の陽極と、前記陽極の全周を押圧固定する蓋部材と、前記電解液収納空間の他端側の開口部を覆うように押圧固定されて当該開口部を密閉する平板状の陰極と、前記陰極の全周を押圧固定すると共に、前記陰極の外側に前記多孔体を保持可能な多孔体ホルダーと、前記電解液注入口を密閉する二重蓋と、を含んで構成する。
本発明によれば、酸素センサーの電解液ケースに形成された電解液収納空間が密封されるので、この電解液収納空間に収容された電解液が蒸発又は吸水しなくなり、その量が増減しなくなる。これにより、電解液ケース内に収容された陽極および陰極と電解液との接触面積が一定に維持され、測定対象となる多孔体の酸素拡散係数を高精度に測定することができる。また、多孔体に含まれた液水が蒸発したとしても、その水蒸気が酸素センサー内に吸水されることがなく、多孔体の含水量に対する酸素拡散係数を高精度に測定することができる。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明による多孔体の酸素拡散係数測定装置を構成している酸素センサー1の斜視図である。この酸素センサー1は、いわゆるガルバニ電池式のものであって、電解液ケース2の内部に、例えば水酸化カリウム水溶液(KOH+H2O)などの電解液が収容されている。
図1は、本発明による多孔体の酸素拡散係数測定装置を構成している酸素センサー1の斜視図である。この酸素センサー1は、いわゆるガルバニ電池式のものであって、電解液ケース2の内部に、例えば水酸化カリウム水溶液(KOH+H2O)などの電解液が収容されている。
この電解液ケース2の上面には、4本のねじ3aで締め付けて固定する蓋部材3が取り付けられている。また、電解液ケース2の下面にも同様に、多孔体ホルダー4が取り付けられている。また、図1において、電解液ケース2の手前左側の側面には、アダプタ5が固定されている。このアダプタ5には、内蓋6が取り付けられており、この内蓋6の外側に、外蓋7を取り付けできるようになっている。なお、この内蓋6と外蓋7とで、二重蓋を構成している。
なお、図1中で矢印Aに示すように、多孔体ホルダー4の下方から多孔体Pを押し込むことで、この多孔体Pを多孔体ホルダー4に保持できる。本実施形態では、燃料電池の構成部品であるMEAまたはGDLなどの多孔体を測定対象とし、この多孔体Pは、乾燥したものでも、液水を含んだものでもよい。
次に、酸素センサー1の構造について、図2及び図3を参照して説明する。電解液ケース2は、例えば電気絶縁性のプラスチックでできており、図2に示すように、両端部が開口する筒状の電解液収納空間2aが上下方向に貫かれて形成されるとともに、この電解液収納空間2aの中間部に連通する電解液注入口2bが前後方向に形成されている。
次に、酸素センサー1の構造について、図2及び図3を参照して説明する。電解液ケース2は、例えば電気絶縁性のプラスチックでできており、図2に示すように、両端部が開口する筒状の電解液収納空間2aが上下方向に貫かれて形成されるとともに、この電解液収納空間2aの中間部に連通する電解液注入口2bが前後方向に形成されている。
この電解液収納空間2aの内周面の略中央部には、段差部2cが内周面に沿って環状に設けられている。この段差部2cは、第1の導体8及び陽極9を載置するために形成されたもので、電解液収納空間2a側に所定の幅だけ突出している。この電解液収納空間2aの内周面にて段差部2cの上方の所定位置には、導線取出し孔2dが形成されている。この導線取出し孔2dは、第1の導体8の導線部8bを外部に取り出すために形成されたもので、電解液ケース2にアダプタ5が固定された面と反対側の面に向かって真っ直ぐ延びている。また、電解液ケース2の上面にて電解液収納空間2aの開口部の周囲には、4個のねじ孔2eが形成されている。
このような形状の電解液ケース2の電解液収納空間2aの上方から順次に収容される第1の導体8と、陽極9とについて説明する。この導体8は、中央に穴が開いた環状部8aと、その外周縁の一部から一体的に延びた導線部8bとを有し、全体が銅などの導電性の良い材質でできている。この導体8の環状部8aは、電解液収納空間2aに設けられた段差部2cの上面に載置できる幅に形成され、その上下両面が平らになっている。
この導体8を電解液ケース2の電解液収納空間2aに収容するときは、図3に示すように、その導線部8bを導線取出し孔2dに挿通させた状態で、環状部8aを段差部2cの上面に載置する。これにより、導線部8bから、電解液ケース2の外部に電気信号を出力することができる。
一方、陽極9は、電解液収納空間2aの段差部2cの開口部を覆うように押圧固定されて当該開口部を密閉する円形の平板であって、その外形が導体8の環状部8aの穴よりも大きく形成されており、全体が鉛(Pb)などの卑金属でできている。この陽極9は、図3の矢印Bに示すように、導体8の環状部8aの上面に載置される。
一方、陽極9は、電解液収納空間2aの段差部2cの開口部を覆うように押圧固定されて当該開口部を密閉する円形の平板であって、その外形が導体8の環状部8aの穴よりも大きく形成されており、全体が鉛(Pb)などの卑金属でできている。この陽極9は、図3の矢印Bに示すように、導体8の環状部8aの上面に載置される。
そして、このように電解液収納空間2aの上方から導体8及び陽極9を収容し、図2に示す蓋部材3を、電解液収納空間2aの開口部に嵌合した状態で、この蓋部材3の四隅に設けられた4本のねじ3aを電解液ケース2の上面のねじ孔2eで締め付ける。これにより、電解液収納空間2aの内部では、導体8と陽極9とが電気的に接続され、この陽極9の全周が蓋部材3の底部で押圧固定された状態となって、図1に示すように、電解液ケース2の上面に蓋部材3が固定される。
このように、本実施形態によれば、陽極9に接続されて、外部に電気信号を出力する導体8を備え、この導体8は、陽極9と共に全周で押圧固定されて、陽極9の周縁部に密着する環状部8aと、該環状部8aの一部から外方へ延びる導線部8bとを含んで構成されているので、この導体8の環状部8aの上面全体と、陽極9の裏面の周縁部とが密着して接触し、互いの接触部位に隙間が無い状態で、導線部8bから外部に電気信号が出力される。
また、本実施形態によれば、蓋部材3は、電解液ケース2の電解液収納空間2aの上側の開口部に嵌合した状態で、ねじ3aで締め付けて固定しているので、導体8や陽極9などの電気部品が電解液ケース2の電解液収納空間2a内で動かなくなり、その密閉状態が保持される。
また、図2には示されていないが、電解液収納空間2aの下方側には、第2の導体10及び陰極11を載置する段差部が形成されるとともに、導体10の導線部10bを外部に取り出すための導線取出し孔が形成されている。また、電解液ケース2の下面側に、同様のねじ孔が形成されている。
また、図2には示されていないが、電解液収納空間2aの下方側には、第2の導体10及び陰極11を載置する段差部が形成されるとともに、導体10の導線部10bを外部に取り出すための導線取出し孔が形成されている。また、電解液ケース2の下面側に、同様のねじ孔が形成されている。
次に、電解液ケース2の電解液収納空間2aの下方から順次に収容される第2の導体10と、陰極11と、酸素交換膜12と、Oリング13と、酸素フィルタ14とについて説明する。
第2の導体10は、第1の導体8と同じ形状、材質のもので、その環状部10aの上下両面が平らに形成されている。
第2の導体10は、第1の導体8と同じ形状、材質のもので、その環状部10aの上下両面が平らに形成されている。
また、陰極11は、電解液収納空間2aの下端側の開口部を覆うように押圧固定されて当該開口部を密閉する円形の平板であって、その外形が導体10の環状部10aの穴よりも大きく形成されており、全体が金(Au)などの貴金属でできている。この陰極11には、多数個の小さな穴が開けられている。
酸素交換膜12は、陰極11の下面を被覆する隔膜で、ガス透過性の多孔体でできている。また、Oリング13は、電解液ケース2の内部を高圧密封するものであって、合成ゴムでできている。
酸素交換膜12は、陰極11の下面を被覆する隔膜で、ガス透過性の多孔体でできている。また、Oリング13は、電解液ケース2の内部を高圧密封するものであって、合成ゴムでできている。
また、酸素フィルタ14は、多孔体ホルダー4に保持された多孔体P(図1参照)を通過してきた酸素が、酸素交換膜12および陰極11側へと抜ける量を規制する部材であって、多数個の小さな穴が形成されている。この穴の大きさや形状、個数を適宜設定することで酸素透過量が制御される。
そして、このような導体10、陰極11、酸素交換膜12、Oリング13、酸素フィルタ14を電解液収納空間2aの下方から収容し、図2に示す多孔体ホルダー4を、電解液収納空間2aの下方から嵌合した状態で、この多孔体ホルダー4の四隅に設けられた丸孔から図示省略のねじを通して締め付ける。これにより、電解液ケース2の電解液収納空間2aの内部で、導体10と陰極11とが電気的に接続され、この陰極11の全周が多孔体ホルダー4の上面部で押圧固定された状態となって、電解液ケース2の下面に多孔体ホルダー4が固定される(図1参照)。
そして、このような導体10、陰極11、酸素交換膜12、Oリング13、酸素フィルタ14を電解液収納空間2aの下方から収容し、図2に示す多孔体ホルダー4を、電解液収納空間2aの下方から嵌合した状態で、この多孔体ホルダー4の四隅に設けられた丸孔から図示省略のねじを通して締め付ける。これにより、電解液ケース2の電解液収納空間2aの内部で、導体10と陰極11とが電気的に接続され、この陰極11の全周が多孔体ホルダー4の上面部で押圧固定された状態となって、電解液ケース2の下面に多孔体ホルダー4が固定される(図1参照)。
このように、本実施形態によれば、多孔体ホルダー4は、電解液ケース2の電解液収納空間2aの下側の開口部に嵌合した状態で、ねじで締め付けて固定されているので、第2の導体10及び陰極11、酸素交換膜12などの電気部品が、電解液ケース2内で動かなくなるとともに、Oリング13の変形を防止し、その密閉状態が保持される。
また、図2に示すように、電解液ケース2の手前左側の側面には、電解液注入口2bが形成されており、この電解液注入口2bにアダプタ5が固定されている。このアダプタ5の開口部には、Oリング15を介装して内蓋6と外蓋7との二重蓋が取り付けられる。
また、図2に示すように、電解液ケース2の手前左側の側面には、電解液注入口2bが形成されており、この電解液注入口2bにアダプタ5が固定されている。このアダプタ5の開口部には、Oリング15を介装して内蓋6と外蓋7との二重蓋が取り付けられる。
この内蓋6は、電解液注入口2bの開口部を覆う部材となるものであって、4本のねじ6aで締め付けて電解液ケース2に固定する構成を備え、その略中央部には連通孔6bが形成されている。また、外蓋7は、内蓋6に形成された連通孔6aを塞ぐ部材となるものであって、4本のねじ7aで締め付けて内蓋6に固定する構成を備えている。
なお、本実施形態では、図3に示して説明したように、電解液ケース2の電解液収納空間2a内に、先に導体8を収容してから陽極9を載置するとしたが、本発明はこれに限られず、先に陽極9を載置してから導体8を収容してもよい。この場合でも、導体8の環状部8aと陽極9との接触部位には隙間が無い状態となる。また、導体10および陰極11についても同様に、先に陰極11を載置してから導体10を収容してもよく、この場合でも、導体10の環状部10aと陰極11との接触部位にも隙間が無い状態となる。
なお、本実施形態では、図3に示して説明したように、電解液ケース2の電解液収納空間2a内に、先に導体8を収容してから陽極9を載置するとしたが、本発明はこれに限られず、先に陽極9を載置してから導体8を収容してもよい。この場合でも、導体8の環状部8aと陽極9との接触部位には隙間が無い状態となる。また、導体10および陰極11についても同様に、先に陰極11を載置してから導体10を収容してもよく、この場合でも、導体10の環状部10aと陰極11との接触部位にも隙間が無い状態となる。
次に、このように構成された酸素センサー1に電解液を注入する手順について、図4及び図5を参照して説明する。ここで、図4に示す酸素センサー1は、上述したように、電解液ケース2内には、電解液収納空間の上方から導体8、陽極9が収容されるとともに、電解液収納空間の下方から導体10、陰極11などの各種の電気部品が収容されているとする。
図示省略したが、図4に示す酸素センサー1を立てて電解液注入口2bを上方に向けた状態で、この電解液注入口2bから電解液を注入すると、電解液収納空間2aの内部にて陽極9と陰極11とに挟まれた空間に電解液が収容される。このとき、上述したように、導体8の環状部8aと陽極9との接触部位には隙間が無く、また導体10の環状部10aと陰極11との接触部位にも隙間が無いので、注入された電解液が、図2に示した導線取出し孔2dなどから漏れ出すことはない。
このまま電解液を注入し続け、電解液注入口2bから電解液が溢れ出たところで、アダプタ5の開口部に内蓋6を嵌合する。そして、この内蓋6の四隅に設けられた4本のねじ6aを締め付けると、内蓋6がアダプタ5に固定される。このとき、余分な電解液は、図1に示す内蓋6bの略中央部に形成された連通孔6bから排出されるので、電解液ケース2の内部にて陽極9と陰極11とに挟まれた空間は、全て電解液で満たされ、その内部の空気が完全に除去された状態となる。
この状態で、外蓋7に設けられた4本のねじ7aを、内蓋6に形成された連通孔6bの周囲のねじ孔2eで締め付けると、図5に示すように、外蓋7が内蓋6の外側に固定される。このとき、電解液ケース2の内部の全ての空間が電解液で満たされる。これにより、図示省略したが、陽極9および陰極11は、その全面が電解液と接触した状態となる。
このように、本実施形態によれば、電解液ケース2の電解液注入口2bを密閉する二重蓋は、電解液電解液注入口2bに取付けられる内蓋6と、この内蓋6に形成された連通孔6bを塞ぐ外蓋7とで構成されているので、電解液注入口2bに内蓋6を取り付けるときに、内蓋6の連通孔6bから電解液ケース2の電解液収納空間2aの電解液が排出され、この連通孔6bを外蓋7で塞いで、その密閉状態が保持される。
このように、本実施形態によれば、電解液ケース2の電解液注入口2bを密閉する二重蓋は、電解液電解液注入口2bに取付けられる内蓋6と、この内蓋6に形成された連通孔6bを塞ぐ外蓋7とで構成されているので、電解液注入口2bに内蓋6を取り付けるときに、内蓋6の連通孔6bから電解液ケース2の電解液収納空間2aの電解液が排出され、この連通孔6bを外蓋7で塞いで、その密閉状態が保持される。
また、本実施形態によれば、外蓋7は、ねじ7aで締め付けて内蓋6に固定するので、この内蓋6の連通孔6bを外蓋7で塞いだときに、電解液ケース2の密閉状態を保持しつつ、電解液収納空間2aの内部の圧力が維持される。
以上のように、図1に示す酸素センサー1は、電解液ケース2に形成された電解液収容空間2aが密封されるので、電解液収容空間2aに収容された電解液が蒸発したり、あるいは吸水したりすることがなく、その量が増減しなくなる。これにより、電解液ケース2の電解液収納空間2aに収容された陽極9および陰極11は、常に、その表面全体が電解液に接触した状態となり、電解液の接触面積が一定に維持される。したがって、陽極9および陰極11と、電解液との間における電荷移動が安定して行われ、酸素センサー1の検出精度を高精度のまま維持することができる。
以上のように、図1に示す酸素センサー1は、電解液ケース2に形成された電解液収容空間2aが密封されるので、電解液収容空間2aに収容された電解液が蒸発したり、あるいは吸水したりすることがなく、その量が増減しなくなる。これにより、電解液ケース2の電解液収納空間2aに収容された陽極9および陰極11は、常に、その表面全体が電解液に接触した状態となり、電解液の接触面積が一定に維持される。したがって、陽極9および陰極11と、電解液との間における電荷移動が安定して行われ、酸素センサー1の検出精度を高精度のまま維持することができる。
次に、このような構造の酸素センサー1を用いて、多孔体Pの酸素拡散係数を測定する装置の全体構成について、図6を参照して説明する。
酸素センサー1の電解液ケース2の側面からは、導体8の導線部8bと、導体10の導線部10bとが取り出されており、その先端に送信器20が接続されている。また、酸素センサー1の多孔体ホルダー4には、十分な量の液水を含浸させた状態の多孔体Pを保持しておく。なお、このときの多孔体Pの含水率Sを100%とする。
酸素センサー1の電解液ケース2の側面からは、導体8の導線部8bと、導体10の導線部10bとが取り出されており、その先端に送信器20が接続されている。また、酸素センサー1の多孔体ホルダー4には、十分な量の液水を含浸させた状態の多孔体Pを保持しておく。なお、このときの多孔体Pの含水率Sを100%とする。
このような多孔体Pを保持した酸素センサー1は、電子天秤21に載置されて計量される。そして、この電子天秤21に載置された状態の酸素センサー1は、内部の温度および湿度を調整可能な密閉容器22に収容されている。
また、この密閉容器22の外部には、多孔体Pの酸素拡散係数を算出する演算装置23が設置されており、この演算装置23には電子天秤21で計量した結果が出力されるようになっている。
また、この密閉容器22の外部には、多孔体Pの酸素拡散係数を算出する演算装置23が設置されており、この演算装置23には電子天秤21で計量した結果が出力されるようになっている。
そして、多孔体ホルダー4に保持された多孔体Pに含まれる液水の質量の経時変化は、電子天秤21で測定され、その測定結果が演算装置23に出力される。
また、この演算装置23には、受信器24が接続されている。これにより、酸素センサー1に接続された送信器20から送信した信号は、受信器24で受信されて演算装置23に入力される。
また、この演算装置23には、受信器24が接続されている。これにより、酸素センサー1に接続された送信器20から送信した信号は、受信器24で受信されて演算装置23に入力される。
ここで、密閉容器22内の空気中に含まれる酸素が、多孔体ホルダー4に保持された多孔体Pを透過して電解ケース2に収容された陰極11(図示せず)に到達したときには、この酸素は、以下の(1)式に示すように、電子を取り込み、水酸化物イオン(OH−)に還元される。
O2+2H2O+4e− → 4OH− ・・・(1)
一方、酸素センサー1の陽極8では、以下の(2)〜(4)式に示す一連の酸化反応が起きる。
O2+2H2O+4e− → 4OH− ・・・(1)
一方、酸素センサー1の陽極8では、以下の(2)〜(4)式に示す一連の酸化反応が起きる。
2Pb → 2Pb2++4e− ・・・(2)
2Pb2++4OH− → 2Pb(OH)2 ・・・(3)
2Pb(OH)2+2KOH → 2KHPbO2+2H2O ・・・(4)
したがって、酸素センサー1の導線部8b,10bからは、多孔体Pを透過した酸素の量に比例する電流が出力される。この酸素センサー1からの出力は、送信器20及び受信器24で送受信されて演算装置23に出力される。そして、演算装置23では、酸素センサー1からの出力に基づいて、多孔体Pを透過した酸素量を求め、この酸素量から多孔体Pの酸素拡散係数を算出することができる。
2Pb2++4OH− → 2Pb(OH)2 ・・・(3)
2Pb(OH)2+2KOH → 2KHPbO2+2H2O ・・・(4)
したがって、酸素センサー1の導線部8b,10bからは、多孔体Pを透過した酸素の量に比例する電流が出力される。この酸素センサー1からの出力は、送信器20及び受信器24で送受信されて演算装置23に出力される。そして、演算装置23では、酸素センサー1からの出力に基づいて、多孔体Pを透過した酸素量を求め、この酸素量から多孔体Pの酸素拡散係数を算出することができる。
次に、図6に示す多孔体Pの酸素拡散係数測定装置による測定方法について、図7〜図8を参照して説明する。
図7において、曲線Sは、多孔体Pの含水量の経時変化を示すものである。多孔体Pに含まれる液水は、徐々に蒸発していくので、多孔体Pの含水率Sが経過時間に伴って減少することが分かる。また、曲線Aは酸素の移動速度の経時変化を示している。なお、曲線Bは水蒸気の移動速度の経時変化を示している。
図7において、曲線Sは、多孔体Pの含水量の経時変化を示すものである。多孔体Pに含まれる液水は、徐々に蒸発していくので、多孔体Pの含水率Sが経過時間に伴って減少することが分かる。また、曲線Aは酸素の移動速度の経時変化を示している。なお、曲線Bは水蒸気の移動速度の経時変化を示している。
初期状態では、上述したように、多孔体Pの含水率Sが100%であり、多孔体Pの細孔が液水で占められているので、多孔体P内を酸素が透過することはない。よって、図7の曲線Aに示すように、経過時間が0のときの酸素の移動速度は0である。このとき、図6に示す酸素センサー1では酸素が検出されず、演算装置23では、図8に示すように、多孔体の酸素拡散係数の値が0と算出される。
その後、図6に示す密閉容器22の内部の温度や湿度を調整し、多孔体Pに含浸させた液水を蒸発させるようにすると、その液水が水蒸気となって多孔体Pの外部に移動していき、多孔体P内の細孔が酸素の通り道となる。これにより、図7の曲線Aに示すように、酸素の移動速度の値が徐々に大きくなっていく。このとき、図6の矢印Cに示すように、空気中に含まれる酸素は、多孔体ホルダー4に保持された多孔体Pの上面側に移動し、多孔体Pの内部を通過して電解液ケース2側に拡散していく。このような多孔体Pの酸素拡散係数を、演算装置23で継続的に算出する。
そして、このまま時間が経過すると、多孔体Pに含浸させた液水がさらに蒸発する。これにより、多孔体Pの細孔内に占める液水の量がさらに少なくなって酸素の通り道が多く形成されるので、図7の曲線Aに示すように、酸素の移動速度の値はさらに増大する。このときの多孔体Pの酸素拡散係数についても、演算装置23で継続的に算出する。
このような多孔体Pの含水率Sと、演算装置23で算出した酸素拡散係数との関係を表すグラフを図8に示す。図8において、多孔体Pの含水率Sは、時間経過に伴って減少していくのに対して、演算装置23で算出される多孔体Pの酸素拡散係数の値は、時間経過に伴って増加していく。この図8に示す測定結果のグラフから、多孔体Pの含水率Sに対する酸素拡散係数を求めることができる。
このような多孔体Pの含水率Sと、演算装置23で算出した酸素拡散係数との関係を表すグラフを図8に示す。図8において、多孔体Pの含水率Sは、時間経過に伴って減少していくのに対して、演算装置23で算出される多孔体Pの酸素拡散係数の値は、時間経過に伴って増加していく。この図8に示す測定結果のグラフから、多孔体Pの含水率Sに対する酸素拡散係数を求めることができる。
以上に説明したように、本実施形態によれば、酸素センサー1は、電解液ケース2の電解液収容空間2aが密封されるので、電解液収容空間2a内の電解液の量が増減しなくなり、多孔体Pの酸素拡散係数を測定している途中で、陽極9および陰極11の表面と、電解液との接触面積が一定に維持され、多孔体Pの酸素拡散係数を高精度に測定することができる。
また、電解液ケース2に収容された電解液が吸水することもないので、測定対象となる多孔体Pに含まれた液水を蒸発させたときでも、それに影響されずに、多孔体Pの含水量に対する酸素拡散係数を高精度に測定することができる。
1…酸素センサー,2…電解液ケース,2a…電解液収納空間,2b…電解液注入口,2c…段差部,2d…導線取出し孔,2e…ねじ孔,3…蓋部材,3a…ねじ,4…多孔体ホルダー,5…アダプタ,6…内蓋,6a…ねじ,6b…貫通孔,7…外蓋,7a…ねじ,8…第1の導体,9…陽極,10…第2の導体,11…陰極,12…酸素交換膜,13…Oリング,14…酸素フィルタ,15…Oリング,23…演算装置,P…多孔体
Claims (5)
- 測定対象となる多孔体の酸素拡散係数を、ガルバニ電池式の酸素センサーを用いて測定する多孔体の酸素拡散係数測定装置であって、
前記酸素センサーは、
両端部が開口する筒状の電解液収納空間を有すると共に、この電解液収納空間の中間部に連通する電解液注入口を有する電解液ケースと、
前記電解液収納空間の一端側の開口部を覆うように押圧固定されて当該開口部を密閉する平板状の陽極と、
前記陽極の全周を押圧固定する蓋部材と、
前記電解液収納空間の他端側の開口部を覆うように押圧固定されて当該開口部を密閉する平板状の陰極と、
前記陰極の全周を押圧固定すると共に、前記陰極の外側に前記多孔体を保持可能な多孔体ホルダーと、
前記電解液注入口を密閉する二重蓋と、
を含んで構成されることを特徴とする多孔体の酸素拡散係数測定装置。 - 前記陽極及び前記陰極にそれぞれ接続されて、外部に電気信号を出力する導体を備え、
前記各導体は、前記陽極又は前記陰極と共に全周で押圧固定されて前記陽極又は前記陰極の周縁部に密着する環状部と、この環状部の一部から外方へ延びる導線部とを含んで構成されることを特徴とする請求項1に記載の多孔体の酸素拡散係数測定装置。 - 前記蓋部材及び前記多孔体ホルダーは、前記電解液ケースの電解液収納空間の開口部にそれぞれ嵌合した状態で、ねじで締め付けて固定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の多孔体の酸素拡散係数測定装置。
- 前記二重蓋は、前記電解液ケースの電解液注入口に取付けられる内蓋と、この内蓋に形成された連通孔を塞ぐ外蓋とで構成されることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一つに記載の多孔体の酸素拡散係数測定装置。
- 前記外蓋は、ねじで締め付けて前記内蓋に固定することを特徴とする請求項4に記載の多孔体の酸素拡散係数測定装置。
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JP2013033016A (ja) * | 2011-06-29 | 2013-02-14 | Nippon Soken Inc | 酸素拡散係数測定装置および酸素拡散係数測定方法 |
WO2013133238A1 (ja) | 2012-03-08 | 2013-09-12 | 日産自動車株式会社 | 電解質膜-電極接合体 |
-
2006
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US9601793B2 (en) | 2012-03-08 | 2017-03-21 | Nissan Motor Co., Ltd. | Electrolyte film—electrode assembly |
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