JP2007278339A - 脆性材製リングの分割方法 - Google Patents

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Abstract

【目的】セラミックス等からなる脆性材製リングの分割を熟練度を必要とすることなく容易且つ確実に行いうるようにする。
【構成】脆性材製リング1の内周面1aにおける第一直径線X−X上の二箇所に、内周面1aの全幅に亘って軸線方向に延びる微小な切欠溝2a,2aを形成した上、内周面1aにおける二箇所であって第一直径線X−Xに直交する第二直径線Y−Y上に位置する受圧部3a,3aに、リング1を第二直径線Y−Yに平行する方向に拡径させる押圧力F,Fを付与して、前記切欠溝2a,2aを起点とする亀裂をリング1の外周面1c方向へと進行させることにより、リング1を、その分割面が不規則な凹凸面となるように二分割する。押圧力F,Fは、受圧部3a,3aに夫々当接させた一対の押圧体41,41を第二直径線Y−Y上において相対的に離間させるべく強制移動させることにより、付与される。
【選択図】図1

Description

本発明は、セラミックス,カーボン,超硬合金等の脆性材で構成されたリング(メカニカルシール用密封環等)を二分割させるための脆性材製リングの分割方法に関するものである。
セラミックス等の脆性材で構成されるメカニカルシール用密封環等にあっては、交換,修理等のメンテナンス作業を容易ならしめるべく、径方向に二分割しておくことがあるが、このような脆性材製リングの分割方法として、従来からも、図12に示す如く、リング101の内周面における直径線上の二箇所に軸線方向に延びる切欠溝102a,102aを形成して、このリング101を切欠溝102a,102aが上下方向に縦列する状態でプレス固定台104aとプレス昇降体104bとの間にセットし(同図(A))、プレス昇降体104bを下降させて当該リング101を切欠溝102a,102aの縦列方向に平行する方向(上下方向)に圧縮することにより、切欠溝102a,102aを起点とする亀裂105a,105aをリング101の外周面方向へと進行させて、当該リング101を半円状セグメント110A,110Bに二分割する(同図(B))ようにした方法(例えば、特許文献1の段落番号[0015]〜[0017]の記載及び図3を参照)、及び図13に示す如く、リング101の外周面における直径線上の二箇所に軸線方向に延びる切欠溝102b,102bを形成して、このリング101を切欠溝102b,102bが水平方向に並列する状態でプレス固定台104aとプレス昇降体104bとの間にセットし(同図(A))、プレス昇降体104bを下降させて当該リング101を切欠溝102b,102bの並列方向に直交する方向(上下方向)に圧縮することにより、切欠溝102b,102bを起点とする亀裂105b,105bをリング101の内周面方向へと進行させて、当該リング101を半円状セグメント110C,110Dに二分割する(同図(B))ようにした方法(例えば、特許文献1の段落番号[0019]の記載及び図6を参照)が周知である。
而して、図12に示す方法(以下「第一従来法」という)又は図13に示す方法(以下「第二従来方法」という)によれば、分割面110a,110b又は110c,110dが、切削加工によりリングを一対の半円状セグメントに切断する場合やリングを構成する一対の半円状セグメントを個々に切削加工により製作する場合のように平滑面とならず、不規則な凹凸面となる。したがって、分割面110a,110b又は110c,110dが衝合するリング形状となした形態で密封環等として使用した場合、圧力変動等による外力が作用したときにも、分割面が平滑面である場合のように衝合分割面間にズレが生じるようなことがなく、適正なリング形状を維持することができ、分割リングとしての機能を良好に発揮させることができる。
特開2003−160349公報
しかし、第一従来法又は第二従来法によってリング101を分割する場合、図12(B)又は図13(B)に示す如く、切欠溝102a,102a又は12c,12dを起点とする亀裂105a,105a又は105b,105bが進行してリング101の内周面又は外周面に達した時点(以下「亀裂進行終了時点」という)においては、分割されたリング部分(半円状セグメント)110A,110B又は110C,110Dが上下方向に圧縮変形された状態でプレス固定台104aとプレス昇降体104bとの間にそのまま挟圧保持されることになるから、亀裂進行終了時点でプレス昇降体104bの下降動作を停止しない限り、半円状セグメント110A,110B又は110C,110Dに過大な圧縮力(上下方向の圧縮力)が作用して、当該セグメント110A,110B又は110C,110Dが破損する(クラックが生じたり、極端な場合には折損する)虞れがある。ところで、プレス昇降体104bによってリング101に付与される圧縮力と亀裂105a,105a又は105b,105bの進行との関係は、分割しようとするリング101によって(仮令それらが同質,同一形状のものであっても)区々であり、一定ではないから、プレス昇降体104bの下降量を亀裂進行終了時点に合わせて正確に設定しておくことは極めて困難である。また、未熟練作業者では勿論、熟練作業者であっても、亀裂進行終了時点を的確に目視確認することは極めて困難である上、仮に亀裂進行終了時点を的確に確認し得たとしても、亀裂進行終了時点でプレス昇降体104bの下降動作を直ちに停止操作することは至難である。したがって、第一従来法又は第二従来法によっては、亀裂進行終了時点後もプレス昇降体104bの下降動作が継続されてリングないしセグメントに過負荷が作用し易く、上記した如くセグメント110A,110B又は110C,110Dが破損する可能性が極めて高いといった問題があった。
本発明は、このような問題を生じることなく、脆性材製リングの分割を格別の熟練度を必要とすることなく容易且つ確実に行うことができる分割方法を提供することを目的とするものである。
本発明は、上記の目的を達成すべく、脆性材製リングの内周面における第一直径線上の二箇所に、当該内周面の全幅に亘って軸線方向に延びる微小な切欠溝を形成した上、当該内周面における二箇所であって第一直径線に直交する第二直径線上に位置する受圧部に、当該リングを第二直径線に平行する方向に拡径させる押圧力を付与して、前記切欠溝を起点とする亀裂を当該リングの外周面方向へと進行させることにより、当該リングを、その分割面が不規則な凹凸面となるように二分割することを特徴とする脆性材製リングの分割方法(以下「第一発明法」という)及び脆性材製リングの外周面における一つの直径線(以下「第三直径線」という)上の二箇所に、当該外周面の全幅に亘って軸線方向に延びる微小な切欠溝を形成した上、当該リングの内周面における二箇所であって第三直径線上に位置する受圧部に、当該リングを第三直径線に平行する方向に拡径させる押圧力を付与して、前記切欠溝を起点とする亀裂を当該リングの外周面方向へと進行させることにより、当該リングを、その分割面が不規則な凹凸面となるように二分割することを特徴とする脆性材製リングの分割方法(以下「第二発明法」という)を提案する。
第一発明法の好ましい実施の形態にあっては、前記受圧部に夫々当接させた一対の押圧体を第二直径線上において相対的に離間させるべく強制移動させることにより、前記押圧力を付与するようにする。
また、第二発明法の好ましい実施の形態にあっては、前記受圧部に夫々当接させた一対の押圧体を第三直径線上において相対的に離間させるべく強制移動させることにより、前記押圧力を付与するようにする。この場合において、各押圧体として、前記切欠溝を起点とする亀裂の終端を挟んで当該リングの周方向に対向する状態で前記受圧部に当接しうる二つの押圧部を有するものを使用することが好ましい。
第一及び第二発明法は、前記押圧力により剪断可能な脆性を有する円環体又は円筒体に適用することができ、その構成材としてはカーボン、SiC,Al等のセラミックス又はWC,TiC等の超硬合金等を使用することができる。
第一発明法及び第二発明法によれば、熟練者は勿論、未熟練者であっても、冒頭で述べた問題(過負荷が作用した場合に半円状セグメントが損傷,破損する問題)を生じることなく、脆性材製リングの分割を容易且つ適正に行うことでき、分割形のメカニカルシール用密封環等を効率良く且つ経済的に製作することができる。
以下、本発明の実施の形態を図1〜図6及び図7〜図11に基づいて具体的に説明する。
図1〜図6は第一の実施の形態を示したもので、図1〜図3は第一発明法による分割工程を示す平面図であり、図4は図1のIV−IV線に沿う断面図であり、図5は当該分割工程の開始状態を示す斜視図であり、図6は第一発明法により得られた分割形のメカニカルシール用密封環の平面図である。
第一の実施の形態は、第一発明法により図1及び図4に示す脆性材製リング1を分割して、図6に示す分割形のメカニカルシール用密封環10を製作する例に係る。
第一発明法を実施するに当たっては、まず、所望する密封環10の完成形態(後述する半円状の密封環構成部分(半円状セグメント)10A,10Bを、図6に示す如く、適正な円環状に衝合させた形態)に合致する形状の脆性材製リング1を製作する。このリング1の内周面1aには、図1及び図5に示す如く、一つの直径線たる第一直径線X−X上の二箇所において、内周面1aの全幅(軸線方向における全幅)に亘って軸線方向に延びる一対の切欠溝(ノッチ)2a,2aが形成されている。各切欠溝2aは、溝幅及び溝深さが微小且つ一定のV字溝(図1参照)又はU字溝(図示せず)である。また、リング1の一側端面(以下「リング表面」という)1bは、軸線に直交する平滑面(鏡面)に表面研磨されており、リング表面1bは、当該密封環10をメカニカルシールに組み込んだ場合に相手密封環に摺接する密封端面として機能するものである。なお、リング1の構成材としては、当該密封環10が組み込まれるメカニカルシールの使用目的,機能や相手密封環の材質等の条件に応じた脆性材が使用される。具体的には、カーボン、SiC,Al等のセラミックス又はWC,TiC等の超硬合金等が使用される。
そして、図1及び図2に示す如く、上記の如く構成されたリング1の内周面1aにおける二箇所であって第一直径線X−Xに直交する第二直径線Y−Y上に位置する受圧部3a,3aに、当該リング1を第二直径線Y−Yに平行する方向に拡径させる押圧力F,Fを付与することにより、当該リング1を半円状セグメント(密封環構成部分)10A,10Bにニ分割させて、所望する分割形の密封環10を得るのである。押圧力F,Fの付与は、例えば図5に示す如く、リング1の厚み(軸線方向における厚み)と同一又はそれ以上の厚みを有する一対の押圧体41,41を、リング1の受圧部3a,3aに当接させた状態で、第二直径線Y−Y上で相互に離間する方向に相対移動させることにより行うことができ、この押圧体41,41を使用してリング1を次のように分割することができる。
すなわち、各押圧体41の押圧部41aをリング内周面1aの受圧部3aに当接させる(図1及び図5参照)。そして、両押圧体41,41を第二直径線Y−Y上において相互に離間する方向(矢印A方向)に相対移動させて(図5参照)、リング内周面1aの受圧部3a,3aに、当該リング1を第二直径線Y−Yに平行する方向(第一直径線X−Xに直交する方向)に拡径させる押圧力F,Fを付与する(図1参照)。さらに、両押圧体41,41の移動量を増加させて押圧力F,Fを増大させていくと、これに伴って、各切欠溝2aの両側部分にはリング周方向への引張応力P,Pが作用して、その応力集中により切欠溝2a,2aを起点とする亀裂5a,5aが発生し、爾後、亀裂5a,5aがリング外周面1c方向へと進行することになる(図2参照)。
そして、亀裂5a,5aがリング外周面1cに到達することにより、リング1は、図2に示す如く、不規則な凹凸面である分割面10a,10bを有する半円状セグメント10A,10Bに二分割される。
このとき、押圧体41,41による押圧力F,Fがリング内周面1aに作用していることから、亀裂5a,5aがリング外周面1cに達した時点(亀裂進行終了時点)においては、半円状セグメント10A,10Bは押圧力F,Fによって相互に離間する方向へと自由に動きうる状態にある。すなわち、各半円状セグメント10A,10Bは、押圧力F,Fの作用方向(両押圧体41,41の相対移動方向)に自由に動きうる状態にある。
したがって、亀裂進行終了時点において押圧体41,41の相対移動操作ないし動作が直ちに停止されないときにも、図3に示す如く、リング1にはそれが半円状セグメント10A,10Bに分割された後において更に押圧力F,Fが作用することがなく、つまり過大な押圧力F,Fが作用することがなく、冒頭で述べた第一従来法における如く過大な押圧力F,Fによって半円状セグメント10A,10Bが破損するような事態の発生はこれが完全に回避される。
また、押圧力F,Fを、切欠溝2a,2aが位置する第一直径線X−Xと直交する第二直径線Y−Y上の受圧部3a,3aに作用させることから、各切欠溝2aには逆向きの引張応力P,Pが均等に作用することになり、各亀裂5aが当該切欠溝2aを起点として良好に発生し、爾後、第一直径線X−Xから大きく外れることなく可及的に第一直径線X−X上又はその近傍を通過しつつ進行することになる。したがって、切欠溝2a,2aが形成された箇所以外の箇所において亀裂が発生したり、局部的な欠損を生じたりすることがなく、リング1を適正に分割することができ、分割不良品の発生する割合が極めて低く、脆性材製リング1の分割を極めて経済的に行うことができる。
また、押圧体41,41はリング変形に応じて変位するものであり、リング1との接触部分において相対運動を生じないものであるから、押圧力F,Fによるリング1の水平方向への分断作用が当該リング1とこれに押圧接触する押圧体41,41との間の摩擦抵抗によって妨げられる虞れがなく、円滑且つ良好なリング分割が行われる。
そして、以上のようにしてリング1を二分割して得られた密封環構成部分(半円状セグメント)10A,10Bの衝合面つまり密封環10の各分割面10a,10bは、図6に示す如く、不規則な凹凸面となり、当該分割面10a,10bに平行する方向(密封環10の軸線方向及び径方向)に相対スライドを生じない状態で凹凸係合することになる。したがって、密封環10をメカニカルシールに組み込んだ場合、各分割面10a,10bの凹凸係合により密封環構成部分10A,10Bの軸線方向及び径方向への相対変位(ズレ)が生じず、密封環10を適正な円環状体に保持させておくことができ、各分割面10a,10bからの漏れを生じたりすることなく、良好なシール機能が発揮される。また、密封環構成部分10A,10Bの衝合時の位置決めつまり各分割面10a,10bの適正な衝合も容易に行うことができ、密封環10のメカニカルシールへの組み込みを適正且つ容易に行うことができる。
図7〜図11は第二の実施の形態を示したもので、図7〜図9は第二発明法による分割工程を示す平面図であり、図10は図7のX−X線に沿う断面図であり、図11は当該分割工程の開始状態を示す斜視図である。
第二の実施の形態は、第二発明法により図7及び図10に示す脆性材製リング1を分割して、図6に示すものと同様の密封環(分割形のメカニカルシール用密封環)を製作する例に係る。
第二発明法を実施するに当たっては、まず、第一の実施の形態において述べたと同一材質,形状の脆性材製リング1を製作し、その外周面1cに、図7及び図11に示す如く、一つの直径線たる第三直径線Z−Z上の二箇所において、外周面1cの全幅(軸線方向における全幅)に亘って軸線方向に延びる一対の切欠溝(ノッチ)2b,2bを形成する。各切欠溝2bは、前記切欠溝2aと同様に、溝幅及び溝深さが微小且つ一定のV字溝又はU字溝である。また、リング1の一側端面(以下「リング表面」という)1bは、軸線に直交する平滑面(鏡面)に表面研磨されており、リング表面1bは、当該密封環10をメカニカルシールに組み込んだ場合に相手密封環に摺接する密封端面として機能するものである。
そして、図7及び図8に示す如く、上記の如く構成されたリング1の内周面1aにおける二箇所であって第三直径線Y−Y上に位置する受圧部3b,3bに、当該リング1を第三直径線Z−Zに平行する方向に拡径させる押圧力F,Fを付与することにより、当該リング1を半円状セグメント(密封環構成部分)10C,10Dにニ分割させて、所望する分割形の密封環を得るのである。押圧力F,Fの付与は、例えば図11に示す如く、リング1の厚み(軸線方向における厚み)と同一又はそれ以上の厚みを有する一対の押圧体42,42を、リング1の受圧部3b,3bに当接させた状態で、第三直径線Z−Z上で相互に離間する方向に相対移動させることにより行うことができ、この押圧体41,41を使用してリング1を次のように分割することができる。なお、各押圧体42の先端には、受圧部3bにリング周方向に所定間隔を隔てて当接しうる一対の押圧部42a,42aが突出形成されている。
すなわち、各押圧体42の押圧部42a,42aをリング内周面1aの受圧部3bに当接させる(図7及び図11参照)。このとき、各押圧体42の押圧部42a,42aは、リング1の周方向において、第三直径線Z−Zの近傍位置であって当該直径線Z−Zに対して対称となる位置において、受圧部3bに当接するようにする。すなわち、各押圧体42の押圧部42a,42aは、後述する亀裂5bの進行方向終端(リング内周面1aにおける亀裂部分)を挟んで当該リング1の周方向に対向する状態で受圧部3bに当接するようにする。
そして、両押圧体42,42を第三直径線Z−Z上において相互に離間する方向(矢印B方向)に相対移動させて(図11参照)、リング内周面1aの受圧部3b,3bに、当該リング1を第三直径線Z−Zに平行する方向に拡径させる押圧力F,Fを付与する(図7参照)。さらに、両押圧体42,42の相対移動量を増加させて押圧力F,Fを増大させることにより、各切欠溝2bの両側部分にはリング周方向への引張応力P,Pが作用して、その応力集中により切欠溝2b,2bを起点とする亀裂5b,5bが発生し、爾後、亀裂5b,5bがリング内周面1a方向へと進行することになる(図8参照)。
そして、亀裂5b,5bがリング内周面1aに到達することにより、リング1は、図8に示す如く、不規則な凹凸面である分割面10c,10dを有する半円状セグメント(密封環構成部分)10C,10Dに二分割される。
このとき、押圧力F,Fがリング内周面1aに作用していることから、亀裂5b,5bがリング内周面1aに達した時点(亀裂進行終了時点)においては、半円状セグメント10C,10Dは押圧体42,42の移動方向に直交する方向(押圧力F,Fの作用方向に直交する方向)に自由に移動しうる状態にある。
したがって、亀裂進行終了時点において押圧体42,42の相対移動操作ないし動作が直ちに停止されないときにも、図9に示す如く、リング1にはそれが半円状セグメント10C,10Dに分割された後において更に押圧力F,Fが作用することがなく、つまり過大な押圧力F,Fが作用することがなく、冒頭で述べた第二従来法における如く過大な押圧力F,Fによって半円状セグメント10C,10Dが破損するような事態の発生はこれが完全に回避される。
また、押圧力F,Fを、切欠溝2b,2bが位置する第三直径線Z−Z上の受圧部3b,3bに作用させることから、各切欠溝2bには逆向きの引張応力P,Pが均等に作用することになり、各亀裂5bが当該切欠溝2bを起点として良好に発生し、爾後、第三直径線Z−Zから大きく外れることなく可及的に第三直径線Z−Z上又はその近傍を通過しつつ進行することになる。したがって、切欠溝2b,2bが形成された箇所以外の箇所において亀裂が発生したり、局部的な欠損を生じたりすることがなく、リング1を適正に分割することができ、分割不良品の発生する割合が極めて低く、脆性材製リング1の分割を極めて経済的に行うことができる。
また、各亀裂5bが上記した如く第三直径線Z−Zから大きく外れることなくリング内周面1aに到達することにより、当該亀裂5bの進行方向終端をある程度正確に予測することができる。したがって、各押圧体42における押圧部42a,42aの相互間隔を、押圧部42a,42a間に当該亀裂5bの進行方向終端が位置する条件下において可及的に小さく設定することができる。しかも、各押圧体42の押圧部42a,42aが当該亀裂5bの進行方向終端に直接に接触しないことから、押圧体42,42によって亀裂5b,5bの進行方向終端が損傷することがなく、適正な分割面10c,10c又は10d,10dを有する半円状セグメント10C,10Dを得ることができる。
以上のようにしてリング1を二分割して得られた密封環構成部分(半円状セグメント)10C,10Dの衝合面つまり密封環10の各分割面10c,10dは、第一の実施の形態において得られたもの(図6参照)と同様に、不規則な凹凸面となり、当該分割面10c,10dに平行する方向(密封環10の軸線方向及び径方向)に相対スライドを生じない状態で凹凸係合することになる。
なお、本発明は上記した第一又は第二の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の基本原理を逸脱しない範囲において適宜に改良,変更することができる。例えば、各切欠溝2a,2bの形状は、上記したV字溝やU字溝に限定されず、押圧力Fにより発生する亀裂5a,5bの起点として機能しうるものであればよい。押圧体41,42の移動手段は、人為的なものであっても油圧シリンダ等による機械的なものであっても何れでもよい。このような油圧シリンダ等による機械的移動手段を使用した場合にも、亀裂進行終了時点以降においては分割されたリング1に上記した如く過負荷が作用しないことから、押圧体41,42の移動を亀裂進行終了時点で積極的に停止する等の複雑な制御機構を設けておく必要がなく、リング分割装置がいたずらに複雑化,大型化することがない。また、両押圧体41,41(又は押圧体42,42)は、共に第二直径線Y−Y上(又は第三直径線Z−Z上)で移動できるようにしても、その一方を移動不能として他方のみを移動できるようにしても、何れでもよい。また、第一発明法又は第二発明法は、上記した分割形のメカニカルシール用密封環を製作する場合に限定されず、リング状ないし筒状に衝合された形態で使用される分割リング(シャフトのカップリング部材等)であってカーボン,セラミックス,超硬合金等の脆性材で構成されるものであれば、例外なく、それらの製作方法として好適に適用することができる。
第一発明法によるリング分割工程における分割開始状態を示す平面図である。 当該リング分割工程における分割作用状態を示す平面図である。 当該リング分割工程における分割完了状態を示す平面図である。 図1のIV−IV線に沿う断面図である。 当該リング分割工程の開始状態を示す斜視図である。 第一発明法により製作された分割形のメカニカルシール用密封環を示す平面図である。 第二発明法によるリング分割工程における分割開始状態を示す平面図である。 当該リング分割工程における分割作用状態を示す平面図である。 当該リング分割工程における分割完了状態を示す平面図である。 図7のX−X線に沿う断面図である。 当該リング分割工程の開始状態を示す斜視図である。 第一従来法によるリング分割工程を示す正面図であり、(A)図は分割開始状態を示しており、(B)図は分割終了状態を示している。 第二従来法によるリング分割工程を示す正面図であり、(A)図は分割開始状態を示しており、(B)図は分割終了状態を示している。
符号の説明
1 脆性材製リング
1a リングの内周面
1b リングの表面
1c リングの外周面
2a 切欠溝
2b 切欠溝
3a 受圧部
3b 受圧部
4 押圧力付与装置
5a 亀裂
5b 亀裂
10 分割形のメカニカルシール用密封環
10A 半円状セグメント(密封環構成部分)
10B 半円状セグメント(密封環構成部分)
10C 半円状セグメント(密封環構成部分)
10D 半円状セグメント(密封環構成部分)
41 押圧体
41a 押圧部
42 押圧体
42a 押圧部
F 押圧力
P 引張応力
X 第一直径線
Y 第二直径線
Z 第三直径線

Claims (7)

  1. 脆性材製リングの内周面における第一直径線上の二箇所に、当該内周面の全幅に亘って軸線方向に延びる微小な切欠溝を形成した上、当該内周面における二箇所であって第一直径線に直交する第二直径線上に位置する受圧部に、当該リングを第二直径線に平行する方向に拡径させる押圧力を付与して、前記切欠溝を起点とする亀裂を当該リングの外周面方向へと進行させることにより、当該リングを、その分割面が不規則な凹凸面となるように二分割することを特徴とする脆性材製リングの分割方法。
  2. 脆性材製リングの外周面における一つの直径線上の二箇所に、当該外周面の全幅に亘って軸線方向に延びる微小な切欠溝を形成した上、当該リングの内周面における二箇所であって前記直径線上に位置する受圧部に、当該リングを前記直径線に平行する方向に拡径させる押圧力を付与して、前記切欠溝を起点とする亀裂を当該リングの外周面方向へと進行させることにより、当該リングを、その分割面が不規則な凹凸面となるように二分割することを特徴とする脆性材製リングの分割方法。
  3. 前記受圧部に夫々当接させた一対の押圧体を第二直径線上において相対的に離間させるべく強制移動させることにより、前記押圧力を付与するようにしたことを特徴とする、請求項1に記載する脆性材製リングの分割方法。
  4. 前記受圧部に夫々当接させた一対の押圧体を前記直径線上において相対的に離間させるべく強制移動させることにより、前記押圧力を付与するようにすることを特徴とする、請求項2に記載する脆性材製リングの分割方法。
  5. 各押圧体が、前記切欠溝を起点とする亀裂の終端を挟んで当該リングの周方向に対向する状態で前記受圧部に当接しうる二つの押圧部を有するものであることを特徴とする、請求項4に記載する脆性材製リングの分割方法。
  6. 脆性材製リングが、セラミックス、カーボン又は超硬合金で構成されたものであることを特徴とする、請求項1〜5の何れかに記載する脆性材製リングの分割方法。
  7. 脆性材製リングがメカニカルシール用密封環であることを特徴とする、請求項1〜請求項6の何れかに記載する脆性材製リングの分割方法。
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