JP2007275495A - サニタリーショーツ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】吸収性物品がクロッチ部4に取り付けられて使用されるサニタリーショーツ1であり、生地である編地を接合することなく筒状の胴回り部7が形成されている。サニタリーショーツ1は、後身頃3に、胴開口部5の周縁部付近からクロッチ部4方向に向かって延びる難伸長領域31が形成されており、該難伸長領域31は、前記編地の繊維密度をその両側に位置する部位より高めて形成されている。あるいは、サニタリーショーツ1は、クロッチ部4の幅方向中央部に、前記編地の繊維密度をその両側に位置する部位より高めて形成された高剛性領域41が形成されている。
【選択図】図1
Description
従来のサニタリーショーツとしては、着用時に着用者の腹側に配される前身頃と背側に配される後身頃と股間部に配されるクロッチ部とが別々のパーツから形成されたものが知られている。
このような従来のサニタリーショーツにおいては、前身頃を形成する生地と後身頃を形成する生地とを、着用者の両側部において縫合等により接合していたため、身体に接合線の跡が付いたり、接合線によって装着感が悪化したりする場合がある。
図1は、本発明の一実施形態であるサニタリーショーツを示す図で、(a)は、着用された状態の該ショーツを前身頃側の斜め上方からみた斜視図であり、(b)は着用された状態の該ショーツを後身頃側の斜め上方からみた斜視図である。図2は、図1に示すショーツを、着用者の両側部に位置する部分で仮想的に切断し展開した状態を内面側から見た仮想展開図である。
本実施形態のショーツ1は、図3に示すように、丸編機により製造した筒状の編地11を、ショーツ1の一枚分の長さに切断し、切断したショーツ1枚分の編地11から一対の脚開口部6を形成する部分16を除去した後、クロッチ部4に対応する部分14と前身頃2に対応する部分12とを縫合して製造されたものである。
従って、ショーツ1における前身頃2、後身頃3及びクロッチ部4は、一枚の連続した編地(生地)から形成されている。特に、ショーツ1における胴開口部5と一対の脚開口部6,6との間の筒状の胴回り部7は、前身頃2を形成する編地と後身頃3を形成する編地とが連続した共通の編地から形成されており、該胴回り部7の周方向には、編地同士を縫合等により接合した接合部が形成されていない。また、図2に示すように、クロッチ部4を形成する編地は、クロッチ部4の後身頃3側において、後身頃3を形成する編地と連続している。これに対して、クロッチ部4を形成する編地は、クロッチ部4の前身頃2側において、前身頃2を形成する編地とが縫合されており、クロッチ部4と前身頃2との境界部に接合部15が形成されている。
尚、前身頃2、後身頃3及びクロッチ部4を形成する編地は、図2に示す仮想展開状態のショーツ1における長手方向(図2中のX方向)及びその直交方向に伸縮性を有していることが好ましい。
難伸長領域31は、下記方法により測定した50%伸長時の引張荷重が10〜100cN、特に15〜30cNであることが好ましい。
〔引張荷重の測定方法〕
腰天からクロッチ部にいたる方向を長手方向としたときに、長手方向120mm/幅方向10mmの大きさで難伸長領域を切り出し試験片となし、テンシロン引張・圧縮試験機RTA‐100((株)ボールドウイン製)を使用して計測する。RTA−100のチャック間距離を100mmとし、試験片の長手方向上端と下端の各々10mmをチャックによって把持する。ヘッドスピードを300mm/分で稼動させ、100%伸張時もしくは500cN荷重を上限として計測をおこなう。試験片の幅方向が10mm未満である場合は、10mm幅への換算をおこなう。上記試験片を3点計測した平均値を難伸張領域の引張荷重とする。
編み込む糸を代えて難伸長領域を形成する方法としては、例えば、難伸張領域の両側に位置する部分より剛性の高い繊維(太い繊維、剛性の高い素材等)を配合する方法を用いることができる。また、編み込む繊維の本数を両側に位置する部分より多くする方法等を用い、難伸張領域を形成することもできる。
特に、難伸長領域31とその両側に位置する部分32,32とが連続する一枚の編地から形成されていることは、難伸長性領域31とその両側に位置する部分32,32との境界部で編地の性状が急激に変化することを防止でき、違和感を生じさせ難く、またフィット性や装着感を悪化させることも防止することができる。
尚、後身頃3の縦方向における難伸長領域31の長さは、図2に示す仮想展開状態のショーツの全長(図2中のX方向の全長)の20%以上、特に30〜40%であることが好ましい。ここで、後身頃3のX方向長さはショーツ全長の40%とする。
編み込む糸を代えて高剛性領域を形成する方法としては、例えば難伸張領域の両側に位置する部分より編み込む繊維の本数を多くする方法を用いることが好ましく、さらに剛性の高い繊維(太い繊維、剛性の高い素材等)を配合する方法を併用することがより好ましい。クロッチ部における高剛性領域は、編み方を代える方法、編み込む繊維を代える方法ともに、クロッチ部における生地の厚みを厚くするような目的で施すことが、後述する理由で好ましい。剛性かつ装着したナプキンの形状保持(ヨレ防止)性を高める観点から好ましく、生地の厚みを増す事でナプキンの身体へのフィット性を高める効果も有する。
高剛性領域41は、装着したナプキンの形状保持(ヨレ防止)性を高める観点から、クロッチ部4の幅方向における幅W(図2参照)がクロッチ部の最小幅位置における全幅の25%以上、特に30〜60%であることが装着時の違和感を低下させる観点から好ましい。また、高剛性領域41は、図2中のX方向の長さLが、同方向におけるショーツの全長の15%以上、特に15〜25%であることが好ましい。また、クロッチ部4の高剛性領域41と後身頃3の高剛性領域31は連続して形成されていても良いが、長手方向中心線上で連続するのではなく、両脚部に延びるように高剛性領域31、41が形成され、長手方向中心線上に高剛性領域が形成されていないほうが、身体の動きによるナプキンの形状保持性を高める観点から好ましい。
ここで、クロッチ部4のX方向長さはショーツ全長の30%とする。
高剛性領域41の前身頃2側及び/又は後身頃3側に、このような難伸長領域を形成することで、高剛性領域41上に固定した生理用ナプキン等の吸収性物品の身体に対するフィット性を一層向上させることができる。本実施形態における難伸長領域44,44,45,45は、何れも高剛性領域41を形成した方法と同様の手法でクロッチ部4に形成してある。難伸長領域44,44,45,45は、そのそれぞれが延びる方向における伸長性が、それぞれの両側に位置する部分の伸長性よりも劣っている。
例えば前記実施形態においては、高剛性領域41の前身頃2側及び後身頃3側に難伸長領域44,44,45,45が設けられていたが、これに代えて、前身頃2側及び後身頃3側の何れか一方にのみに難伸長領域44,44,45,45を設けることもできる。但し、より好ましい形態としては、高剛性領域の前後方向に力のバランスがとれるような形状で難伸張領域が形成されていることが好ましい。その具体的な実施形態としては、前後身頃の中央に1領域ずつ、前身頃側の両側に向かう2領域と後身頃の中央に1領域等が挙げられる。なお、高剛性領域の後身頃側中央域に難伸張領域を形成した場合には、腰天から延びる難伸長領域31とは連続しないことが、ショーツの引き上げによる後部フィット効果と股間部の動きへの追従性が独立して働くことから、全体のフィット効果が高まることから好ましい。
また、前記実施形態における、後身頃3の難伸長領域31は、胴開口部の周縁部付近からクロッチ部に近づくに連れてその幅が漸減しているが、胴開口部の周縁部付近からクロッチ部の近傍に亘って同じ幅であっても良い。
また、ショーツ1に装着される吸収性物品としては、生理用ナプキン、失禁用パッド、パンティライナーが挙げられる。
2 前身頃
3 後身頃
31 難伸長領域
4 クロッチ部
41 高剛性領域
5 胴開口部
6 脚開口部
7 胴回り部
Claims (6)
- 吸収性物品がクロッチ部に取り付けられて使用されるサニタリーショーツであって、
生地である編地を接合することなく筒状の胴回り部が形成されており、
後身頃に、胴開口部の周縁部付近からクロッチ部方向に向かって延びる難伸長領域が形成されており、
前記難伸長領域は、前記編地の繊維密度をその両側に位置する部位より高めて形成されているサニタリーショーツ。 - 吸収性物品がクロッチ部に取り付けられて使用されるサニタリーショーツであって、
生地である編地を接合することなく筒状の胴回り部が形成されており、
前記クロッチ部の幅方向中央部に、前記編地の繊維密度をその両側に位置する部位より高めて形成された高剛性領域が形成されているサニタリーショーツ。 - 前記高剛性領域に、前記編地の繊維密度を該高剛性領域の他の部位より更に高めて形成した模様を有している請求項2記載のサニタリーショーツ。
- 前記高剛性領域は、前身頃側に、左右の脚開口部それぞれの周縁部に向かって延びる左右一対の難伸長領域を有している請求項2又は3記載のサニタリーショーツ。
- 前記高剛性領域は、後身頃側に、左右の脚開口部それぞれの周縁部に向かって延びる左右一対の難伸長領域を有している請求項2又は3記載のサニタリーショーツ。
- 前記編地の繊維密度を他の部位より低減して形成した、レース様の外観を呈する高伸長領域を有する請求項1〜5の何れかに記載のサニタリーショーツ。
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