JP2007273612A - 基板処理装置および基板処理方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ブラシ16は、ウエハの表面の周縁領域および周端面を洗浄するための第1洗浄部26と、ウエハの裏面の周縁領域および周端面を洗浄するための第2洗浄部27とを上下に一体的に備え、鉛直軸線まわりに回転対称な略鼓状に形成されている。回転中のウエハの裏面の周縁領域および周端面にブラシ16の第2洗浄面29が押し付けられることにより、そのウエハの裏面の周縁領域および周端面が洗浄される。その後、回転中のウエハの表面の周縁領域および周端面にブラシ16の第1洗浄面28が押し付けられることにより、そのウエハの表面の周縁領域および周端面が洗浄される。
【選択図】図3
Description
基板の周縁部の洗浄に関する先行技術として、たとえば、特許文献1〜3で提案されている構成を挙げることができる。
特許文献1では、円筒状のブラシを設けて、基板を回転させつつ、その基板の周端面にブラシの外周面を当接させることにより、基板の周端面の汚染を除去する構成が提案されている。
一方、特許文献3で提案されている構成では、基板の表面および裏面の各周縁領域を洗浄することができる。しかし、基板の表面および裏面の各周縁領域における洗浄幅(ブラシの有効接触幅)を容易に変更することはできない。ブラシの溝に対する基板の周縁部の入り込み量を変更することにより、基板の表面および裏面の各周縁領域における洗浄幅を変更することが考えられるが、ブラシの溝に対する基板の周縁部の入り込み量が少ないと、基板の周端面にブラシが接触せず、基板の周端面を洗浄することができないので、この手法を採用することはできない。そのため、各周縁領域における洗浄幅を変更する場合には、ブラシを溝の深さが異なるものと交換せざるを得ず、たいへん手間がかかってしまう。
この構成によれば、ブラシを移動させるブラシ移動機構が制御されて、ブラシの第1洗浄面が基板の一方表面の周縁領域および周端面に当接され、また、ブラシの第2洗浄面が基板の他方表面の周縁領域および周端面に当接される。これにより、基板の両面の周縁領域ならびに周端面を洗浄することができる。
この構成によれば、ブラシの第1洗浄面が基板の一方表面の周縁領域および周端面に押し付けられた状態で、ブラシ回転機構によりブラシを回転させることによって、基板の一方表面の周縁領域および周端面をスクラブすることができる。また、ブラシの第2洗浄面が基板の他方表面の周縁領域および周端面に押し付けられた状態で、ブラシ回転機構によりブラシを回転させることによって、基板の他方表面の周縁領域および周端面をスクラブすることができる。これにより、基板の両面の周縁領域および周端面を一層良好に洗浄することができる。
この構成によれば、ブラシと基板との相対移動により、基板の両面の周縁領域および周端面を効率的に洗浄することができる。
この構成によれば、処理液により、基板の一方表面の周縁領域よりも内方の領域の汚染を洗い流すことができる。
また、基板に対する第1洗浄面の押し付け量を変更し、基板の一方表面の周縁領域と第1洗浄面との有効接触幅を変更することにより、基板の一方表面の周縁領域における洗浄幅を容易に変更することができる。さらに、基板に対する第2洗浄面の押し付け量を変更し、基板の他方表面の周縁領域と第2洗浄面との有効接触幅を変更することにより、基板の他方表面の周縁領域における洗浄幅を容易に変更することができる。
図1は、この発明の一実施形態に係る基板処理装置の概略構成を示す平面図である。また、図2は、図1に示す基板処理装置の内部の図解的な側面図である。
この基板処理装置1は、基板の一例としての半導体ウエハW(以下、単に「ウエハW]という。)を1枚ずつ処理する枚葉型の装置である。基板処理装置1は、隔壁で区画された処理室2内に、ウエハWをほぼ水平に保持して回転させるためのスピンチャック3と、ウエハWの表面(デバイスが形成される側の表面)に処理液を供給するための表面ノズル4と、ウエハWの裏面に処理液を供給するための裏面ノズル5と、ウエハWの周縁部を洗浄するためのブラシ機構6とを備えている。
ブラシ機構6は、ウエハWの表面および裏面の各周縁領域13,14(たとえば、ウエハWの周端縁から幅1〜4mmの環状領域)ならびに周端面15を洗浄するためのブラシ16と、このブラシ16を先端に保持した揺動アーム17と、この揺動アーム17をウエハWの回転範囲外に設定した鉛直軸線まわりに水平方向に沿って揺動させる揺動駆動機構18と、揺動アーム17を昇降させる昇降駆動機構19とを備えている。
図3は、ブラシ16および揺動アーム17の構成を示す断面図である。
ブラシ16は、ブラシホルダ20に保持されて、このブラシホルダ20を介して、後述するホルダ取付部36に取り付けられている。ブラシホルダ20は、略円柱状の樹脂ブロック21と、樹脂ブロック21の中心軸線上に配置され、上端部が樹脂ブロック21の下面に挿入されて固定された芯材22と、この芯材22の下端に取り付けられたプレート23とを備えている。樹脂ブロック21の上面には、周面にねじが切られたねじ部24が一体的に形成されている。また、芯材22の下端部には、ねじ孔が形成されており、このねじ孔にプレート23の中心を貫通するボルト25がねじ込まれることによって、プレート23が芯材22に着脱可能に取り付けられている。
回転軸35の下ケーシング30から突出する下端部には、ブラシホルダ20が取り付けられるホルダ取付部36が設けられている。このホルダ取付部36は、回転軸35が挿通されて、回転軸35に固定された円板状の上面部37と、この上面部37の周縁から下方に向けて延びる円筒状の側面部38とを一体的に備えている。側面部38の内周面には、ねじが切られており、このねじとブラシホルダ20のねじ部24に形成されているねじとを螺合させることによって、ブラシホルダ20をホルダ取付部36に取り付けることができる。
下ガイドローラ支持部材39は、回転軸35の周面との間に微小な間隔を隔てて、回転軸35に非接触状態で外嵌されている。この下ガイドローラ支持部材39は、回転軸35の中心軸線まわりに回転対称な形状を有しており、互いに間隔を隔てて配置された2個のベアリング42を介して、下ケーシング30の他端部に回転自在に支持されている。また、下ガイドローラ支持部材39の上端部は、その下方の部分よりも小径な円筒状に形成されており、この円筒状の上端部には、ブラシ自転機構32の後述するプーリ54が相対回転不能に外嵌されている。
ばね係止部材41は、上ガイドローラ支持部材40の上方に、上ガイドローラ支持部材40と間隔を隔てて設けられ、回転軸35に対して固定されている。このばね係止部材41には、コイルばね44の一端(上端)が係止されている。コイルばね44は、ばね係止部材41と上ガイドローラ支持部材40との間に介在されて、その他端(下端)が上ガイドローラ支持部材40に係止されている。
なお、下ガイドローラ支持部材39の外周面と下ケーシング30との間は、磁性流体シール49によりシールされている。また、下ガイドローラ支持部材39の内周面と回転軸35との間は、ベローズ50によりシールされている。これにより、それらの間を通して、処理液や洗浄液を含む雰囲気が下ケーシング30および上ケーシング31によって形成される内部空間内に浸入したり、その内部空間内で発生するごみが処理室2内に拡散したりすることが防止されている。
一方、当接部材48には、押し圧検出用アーム66が固定されている。この押し圧検出用アーム66は、当接部材48から圧力センサ65の上方に向けて延びており、ブラシ16がウエハWに接触していない状態で、圧力センサ65に対して、エアシリンダ56による回転軸35の鉛直方向下方への押し下げ圧(ウエハWの表面の周縁領域13に対する鉛直方向のブラシ16の押し圧に相当する。)で接触する。これにより、圧力センサ65は、エアシリンダ56による回転軸35の鉛直方向下方への押し下げ圧を検出することができる。
基板処理装置1は、マイクロコンピュータを含む制御部67を備えている。この制御部67には、圧力センサ65の検出信号が入力されるようになっている。また、制御部67には、使用者によって処理レシピ(ウエハWの処理のための各種条件)を入力するためのレシピ入力キー68が接続されている。さらに、制御部67には、スピンモータ9、処理液バルブ12、揺動駆動機構18、昇降駆動機構19、ブラシモータ52およびリリーフバルブ62などが制御対象として接続されている。
ウエハWの処理に先立ち、使用者によって、レシピ入力キー68が操作されて、ウエハWの表面の周縁領域13に対するブラシ16の第1洗浄面28の押し圧が入力されている。このレシピ入力キー68からの入力に従って、制御部67により、リリーフバルブ62のリリーフ圧が設定される(ステップS1:押し圧設定)。具体的には、ブラシ16がウエハWに接触していない状態では、押し圧検出用アーム66が圧力センサ65に接触しているので、圧力センサ65によって、エアシリンダ56による回転軸35の鉛直方向下方への押し下げ圧を検出することができる。制御部67は、リリーフバルブ62のリリーフ圧を変化させて、圧力センサ65により検出される押し下げ圧とレシピ入力キー68から入力される押し圧とを比較し、両者が一致した時点で、このときのリリーフ圧をウエハWの処理時のリリーフ圧として設定する。
ブラシ16の第1洗浄面28がウエハWに当接してから所定時間が経過すると、制御部67により揺動駆動機構18および昇降駆動機構19が制御されて、ブラシ16が処理開始前のホームポジションに退避される(ステップS7)。また、ブラシ16がホームポジションに戻される間に、ブラシモータ52が停止されて、ブラシ16の回転が停止される。さらに、制御部67により処理液バルブ12が閉じられて、表面ノズル4および裏面ノズル5からの処理液の供給が停止される(ステップS8)。
ウエハWの高速回転が所定時間にわたって続けられると、スピンモータ9が停止されて、スピンチャック3によるウエハWの回転が停止される(ステップS10)。そして、ウエハWが静止した後、その処理済みのウエハWが処理室2から搬出されていく(ステップS11)。
また、ウエハWに対するブラシ16の第1洗浄面28の押し付け量(ウエハWに第1洗浄面28を当接させたときの第1洗浄面28の弾性変形量)を変更し、ウエハWの一方表面の周縁領域13と第1洗浄面28との有効接触幅を変更することにより、その周縁領域13における洗浄幅を容易に変更することができる。さらに、ウエハWに対するブラシ16の第2洗浄面29の押し付け量(ウエハWに第2洗浄面29を当接させたときの第2洗浄面29の弾性変形量)を変更し、ウエハWの他方表面の周縁領域14と第2洗浄面29との有効接触幅を変更することにより、その周縁領域14における洗浄幅を容易に変更することができる。
また、第2洗浄面29による洗浄が行われた後に、第1洗浄面28による洗浄が行われることにより、第2洗浄面29による洗浄時に、ウエハWの裏面の周縁領域14や周端面15から除去された汚染物質がウエハWの表面に回り込んで再付着しても、第1洗浄面28による洗浄時に、そのウエハWの表面に再付着した汚染物質を除去することができる。したがって、清浄な表面を有するウエハWを提供することができる。
さらに、ブラシ16の第1洗浄面28がウエハWに当接されている間、および、ブラシ16の第2洗浄面29がウエハWに当接されている間、ブラシ16がウエハWと同方向に回転される。これにより、ウエハWの周縁部をスクラブすることができ、ウエハWの周縁部を一層良好に洗浄することができる。なお、ブラシ16の回転方向は、ウエハWの回転方向と逆方向であってもよいが、ウエハWの回転方向と同方向の場合、ウエハWとブラシ16とを互いに擦り合わせることができるので、より高品質な洗浄を達成することができる。
<洗浄効果確認試験>
図8は、種々の形状のブラシによる洗浄効果を確認するための試験の結果を示すグラフである。
ブラシBは、下面がウエハWの表面の周縁領域13に対向し、ウエハWの表面とほぼ平行に配置された円板状のブラシであり、ブラシBを用いた洗浄では、ブラシBの一方端面(平面)をウエハWの表面の周縁領域13に対して上方から押し付けた。しかしながら、パーティクルは、ほとんど除去されず、この洗浄によるパーティクル除去率は、ほぼ0%であった。
ブラシDは、前述の実施形態に係るブラシ16と同じ形状を有するブラシであり、このブラシDを用いた洗浄では、前述の実施形態と同様にして、ウエハWの表面の周縁領域13、裏面の周縁領域14および周端面15を洗浄した。この洗浄によるパーティクル除去率は、80%を超えた。
図9は、ブラシ16の押し圧とウエハWの表面の周縁領域13におけるブラシ16の接触幅との関係を示すグラフである。
すなわち、ブラシ16の押し圧が1[相対圧力値]のときには、ウエハWの表面の周縁領域13におけるブラシ16の接触幅は、1.2mm程度であった。ブラシ16の押し圧が2[相対圧力値]のときには、ウエハWの表面の周縁領域13におけるブラシ16の接触幅は、1.8mm程度であった。また、ブラシ16の押し圧が3[相対圧力値]のときには、ウエハWの表面の周縁領域13におけるブラシ16の接触幅は、2.4mm程度であった。なお、ここでいう相対圧力値とは、押し圧の所定の圧力値を1とした場合の、相対的な圧力値である。
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明は、さらに他の形態で実施することもできる。たとえば、ブラシ16がウエハWに当接している間、ブラシ16を回転させずに静止させてもよい。
3 スピンチャック
4 表面ノズル
5 裏面ノズル
9 スピンモータ
10 処理液供給管
11 処理液供給管
12 処理液バルブ
13 周縁領域
14 周縁領域
15 周端面
16 ブラシ
18 揺動駆動機構
19 昇降駆動機構
28 第1洗浄面
29 第2洗浄面
32 ブラシ自転機構
67 制御部
Claims (5)
- 基板を保持する基板保持機構と、
弾性変形可能な材料を用いて形成され、前記基板保持機構に保持された基板の一方表面に垂直な垂線方向の一方側に向けて狭まる形状の第1洗浄面およびこの第1洗浄面の前記一方側の端縁から前記垂線方向の前記一方側に向けて拡がる形状の第2洗浄面を有するブラシと、
前記基板保持機構に保持された基板に対して前記ブラシを移動させるブラシ移動機構と、
このブラシ移動機構を制御して、前記第1洗浄面を前記基板保持機構に保持された基板の前記一方表面の周縁領域および周端面に当接させ、また、前記第2洗浄面を前記基板保持機構に保持された基板の前記一方表面と反対側の他方表面の周縁領域および周端面に当接させるための制御部とを含むことを特徴とする、基板処理装置。 - 前記ブラシは、前記垂線方向に延びる中心軸線まわりに回転対称な形状を有しており、
前記ブラシを前記中心軸線を中心に回転させるブラシ回転機構をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の基板処理装置。 - 前記基板保持機構に保持された基板と前記ブラシとを、前記ブラシが当該基板の周方向に移動するように相対移動させる相対移動機構をさらに含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の基板処理装置。
- 前記基板保持機構に保持された基板の少なくとも前記一方表面の周縁領域よりも内方の領域に処理液を供給する処理液供給機構をさらに含むことを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の基板処理装置。
- 基板保持機構によって基板を保持する基板保持工程と、
前記基板保持機構に保持された基板の一方表面に垂直な垂線方向の一方側に向けて狭まる形状の第1洗浄面およびこの第1洗浄面の前記一方側の端縁から前記垂線方向の前記一方側に向けて拡がる形状の第2洗浄面を有するブラシを移動させて、前記第1洗浄面を前記基板保持機構に保持された基板の前記一方表面の周縁領域および周端面に当接させる一方側当接工程と、
前記ブラシを移動させて、前記第2洗浄面を前記基板保持機構に保持された基板の前記一方表面と反対側の他方表面の周縁領域および周端面に当接させる他方側当接工程とを含むことを特徴とする、基板処理方法。
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