JP2007267495A - 系統連系インバータ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電源装置1を商用系統50に連系するインバータ11と、目標インバータ出力指令値に基づいてインバータ出力指令値を決定して、インバータ11をインバータ出力指令値に応じて稼動させる出力制御手段13とを備える系統連系インバータ装置10であって、出力制御手段13が、商用系統での商用系統周波数を監視する周波数監視手段12の監視結果に基づいてインバータ出力指令値を変動させるように構成されている。
【選択図】図1
Description
前記出力制御手段が、前記商用系統での商用系統周波数を監視する周波数監視手段の監視結果に基づいて前記インバータ出力指令値を変動させるように構成されている点にある。
従って、商用系統における周波数制御に貢献できる系統連系インバータ装置を提供できる。
また、出力制御手段は、商用系統周波数に変化が無いとき、目標インバータ出力指令値をインバータ出力指令値としてインバータを稼動させる通常制御を実行する。
また、出力制御手段は、商用系統周波数に変化が無く、且つ、商用系統周波数の基準周波数からの周波数偏差が発生していないとき、目標インバータ出力指令値をインバータ出力指令値としてインバータを稼動させる通常制御を実行する。
つまり、正の周波数偏差が発生していたときには(つまり、商用系統周波数が基準周波数よりも大きいときには)、インバータ出力値が小さくなるように変動させるための変動出力値と目標インバータ出力指令値との和がインバータ出力指令値として導出され、他方で、負の周波数偏差が発生していたときには(つまり、商用系統周波数が基準周波数よりも小さいときには)、インバータ出力値が大きくなるように変動させるための変動出力値と目標インバータ出力指令値との和がインバータ出力指令値として導出されることになる。その結果、商用系統における電源電力合計と電力負荷合計とが乖離していたときに発生していた商用系統における商用系統周波数の基準周波数からの逸脱が補償される。
また、出力制御手段は、商用系統周波数の基準周波数からの周波数偏差が発生していないとき、目標インバータ出力指令値をインバータ出力指令値としてインバータを稼動させる通常制御を実行する。
前記商用系統周波数に変化が無く、且つ、前記商用系統周波数の基準周波数からの周波数偏差が発生しているとき、前記周波数偏差を小さくするための変動出力値と前記目標インバータ出力指令値との和を前記インバータ出力指令値として、前記インバータを稼動させる周波数偏差対応制御を実行し、及び、
前記商用系統周波数に変化が有り、且つ、前記商用系統周波数の基準周波数からの周波数偏差が発生していないとき、前記商用系統周波数が大きくなるにつれて前記インバータ出力指令値を小さくする設定関係に従って前記インバータ出力指令値を変動させて前記インバータを稼動させた後、実際のインバータ出力値が前記目標インバータ出力指令値と等しいか否かを判定し、前記実際のインバータ出力値が前記目標インバータ出力指令値と等しくないときは、前記目標インバータ出力指令値を前記インバータ出力指令値として、前記インバータを稼動させる周波数変化対応制御を実行するように構成されている点にある。
また、商用系統周波数が変化しておらず、且つ、商用系統周波数の基準周波数からの周波数偏差が発生しているときには、発生している周波数偏差を補償するような周波数制御を行って、商用系統周波数を基準周波数に近づけることができる。
また更に、商用系統周波数が変化し、且つ、商用系統周波数の基準周波数からの周波数偏差が発生していないときには、その商用系統周波数の変化を引き戻すような周波数制御を行うことで商用系統周波数の安定化に貢献することができる。
以下に、本発明の第1実施形態の系統連系インバータ装置10について図面を参照して説明する。
図1に示す商用系統の概略図では、商用系統50に対して、発電所30、及び、商用系統50における電力を消費する電力負荷装置2、40が接続されている。また、系統連系インバータ装置10のインバータ11を介して電源装置1が商用系統50に対して接続されている。尚、商用系統50に対して、更に多数の電源装置1、発電所30、電力負荷装置2、40などが接続されていても構わない。
また、系統連系インバータ装置10には、商用系統50での商用系統周波数を監視する周波数監視手段12が設けられ、出力制御手段13は、周波数監視手段12の監視結果に基づいて上記インバータ出力指令値を変動させるように構成されている。また更に、系統連系インバータ装置10は、インバータ11から商用系統50への実際のインバータ出力値(「実インバータ出力値」と記載することもある)の計測機能を有している。
これにより、正の周波数偏差が発生しているとき(つまり、商用系統50における電源電力合計が電力負荷合計よりも大きいとき)には、インバータ11のインバータ出力値を小さくして商用系統50における電源電力合計を小さくするために貢献するべく、上記変動出力値は零又は負の値に設定される。また、負の周波数偏差が発生しているとき(つまり、商用系統50における電源電力合計が電力負荷合計よりも小さいとき)には、インバータ11のインバータ出力値を大きくして商用系統50における電源電力合計を大きくするために貢献するべく、上記変動出力値は零又は正の値に設定される。
図2のメイン制御フローに示すように、ステップS1において出力制御手段13は、周波数監視手段12の監視結果に基づいて、商用系統周波数が設定目標周波数から変化したか否か、つまり、商用系統周波数に変化が有るか否かを判定する。商用系統周波数が設定目標周波数から変化したときにはステップS2に移行し、商用系統周波数が設定目標周波数から変化していないときには、ステップS3に移行する。
ステップS2において出力制御手段13は、周波数監視手段12の監視結果に基づいて、商用系統周波数の基準周波数(本実施形態では60Hz)からの周波数偏差が発生しているか否かを判定する。そして、出力制御手段13は、周波数偏差が発生しているときにはステップS10に移行して、図3を参照して後述する周波数及び周波数偏差対応制御を実行し、周波数偏差が発生していないときにはステップS20に移行して、図4を参照して後述する周波数変化対応制御を実行する。
まず、図6に示す時刻t3までの商用系統周波数の推移と、実際のインバータ出力値(インバータ出力指令値)の推移について説明する。
図6の時刻t1までは、上述のステップS4のように、出力制御手段13は、目標インバータ出力指令値:P1をインバータ出力指令値としてインバータ11を稼動させている。また、インバータ11はそのインバータ出力指令値を達成させるために電源装置1の電源出力を制御している。
そして、図3のステップS11において出力制御手段13は、商用系統周波数が、この時点での設定目標周波数であるf1(基準周波数:60Hz)からf2に変化すると、図7に示す垂下特性Aに基づいて、変化後の商用系統周波数:f2に応じたインバータ出力指令値:P2を導出する。この垂下特性Aは、設定目標周波数:f1及びインバータ出力指令値:P1を通る所定の傾きの直線で設定され、商用系統周波数が大きくなるにつれてインバータ出力指令値を小さくする設定関係が定められたものである。具体的には、商用系統周波数が設定目標周波数:f1で維持されているとき、インバータ出力指令値は目標インバータ出力指令値:P1であるが、商用系統周波数がf2に変化すると、出力制御手段13は、垂下特性Aに基づいてインバータ出力指令値をP2と導出する。そして、ステップS12において出力制御手段13は、インバータ出力指令値:P2に応じてインバータ11の稼動を制御する。更に、ステップS13において出力制御手段13は、変化後の商用系統周波数:f2を、これ以後、設定目標周波数に設定する。
また、ステップS14において出力制御手段13は、図8に示す周波数バイアス特性に基づいて、周波数偏差:(f2−60)Hzを小さくするための変動出力値:ΔPを導出する。
また、ステップS18において出力制御手段13は、垂下特性を、その時点での設定目標周波数:f2及びインバータ出力指令値:P3を通る垂下特性Bに変更設定する。
図6の時刻t3に至って図3に示した周波数変化及び周波数偏差対応制御のサブ制御フローが終了すると、商用系統周波数に変化が無く、且つ、商用系統周波数の基準周波数からの周波数偏差が発生しているので、出力制御手段13が、ステップS30において周波数偏差対応制御(図5に示すサブ制御フロー)を実行する(図2のステップS1、ステップS3、ステップS30)。
図6の時刻t4に至ると、商用系統周波数に変化が有り、且つ、商用系統周波数の基準周波数からの周波数偏差が発生していないので、出力制御手段13が、ステップS20において周波数変化対応制御(図4に示すサブ制御フロー)を実行する(図2のステップS1、ステップS2、ステップS20)。
また、ステップS27において出力制御手段13は、垂下特性を、その時点での設定目標周波数:f1及びインバータ出力指令値:P1を通る垂下特性Aに変更設定する。
第2実施形態の系統連系インバータ装置10は、図9のメイン制御フローに示すように、周波数偏差が発生しているか否かの判定を行い(ステップS3)、周波数監視手段12の監視結果が、商用系統周波数の基準周波数からの周波数偏差が発生していることを示しているとき、周波数偏差を小さくするための変動出力値と目標インバータ出力指令値との和をインバータ出力指令値として、インバータ11を稼動させる周波数偏差対応制御を実行する(ステップS30)。つまり、第2実施形態では、出力制御手段13は、商用系統周波数に変化があるか否か(商用系統周波数が設定目標周波数と異なるか否か)とは無関係に制御を実行する。以下に、第2実施形態の系統連系インバータ装置10について説明するが、第1実施形態と同様の構成については説明を省略する。
他方で、図10に示す時刻t13において商用系統周波数がf2からf1に変化して、商用系統周波数の基準周波数からの周波数偏差が無くなると、図9に示したメイン制御フローのステップS4が実行されることになる。つまり、出力制御手段13は、目標インバータ出力指令値:P1をインバータ出力指令値として、そのインバータ出力指令値:P1に応じてインバータ11を稼動させる。その結果、図10に示すように、実際のインバータ出力値も時刻t14から時刻t15の間にP3からP1に変動することになる。
第3実施形態の系統連系インバータ装置10は、図11のメイン制御フローに示すように、商用系統周波数に変化が有るか否か(つまり、商用系統周波数が設定目標周波数と異なるか否か)の判定を行い(ステップS1)、出力制御手段13が、周波数監視手段12の監視結果が、商用系統周波数に変化が有ることを示しているとき、商用系統周波数が大きくなるにつれてインバータ出力指令値を小さくする設定関係に従ってインバータ出力指令値を変動させてインバータを稼動させた後、実際のインバータ出力値が目標インバータ出力指令値と等しいか否かを判定し、実際のインバータ出力値が目標インバータ出力指令値と等しくないときは、目標インバータ出力指令値をインバータ出力指令値として、インバータ11を稼動させる周波数変化対応制御を実行する(ステップS20)。つまり、本実施形態において出力制御手段13は、商用系統周波数の基準周波数からの周波数偏差とは無関係に制御を行う。
以下に、第3実施形態の系統連系インバータ装置10について説明するが、第1実施形態と同様の構成については説明を省略する。
また、ステップS27において出力制御手段13は、垂下特性を、その時点での設定目標周波数:f2及びインバータ出力指令値:P1を通る垂下特性Cに変更設定する。
また、ステップS27において出力制御手段13は、垂下特性を、その時点での設定目標周波数:f1及びインバータ出力指令値:P1を通る垂下特性Aに変更設定する。
第4実施形態の系統連系インバータ装置10は、図13の制御フローに示すように、商用系統周波数が変化しているか否かの判定を行い(ステップS41)、周波数監視手段12の監視結果として得られる商用系統周波数が変化すると、商用系統周波数が大きくなるにつれてインバータ出力指令値を小さくする設定関係に従ってインバータ出力指令値を変動させる周波数変化対応制御を実行するように構成されている。つまり、第4実施形態では、出力制御手段13は、図7に示した商用系統周波数の関数としてのインバータ出力指令値に基づいてインバータ11の制御を行うのである。従って、本実施形態では、上記第1実施形態から上記第3実施形態のような目標インバータ出力指令値は存在していない。
図13の制御フローに示すように、ステップS41において出力制御手段13は、商用系統周波数に変化があるか否かを判定する。そして、出力制御手段13は、商用系統周波数に変化があるときにはステップS42に移行し、ステップS42において、図7に示した垂下特性に基づいて、変化後の商用系統周波数に応じたインバータ出力指令値を導出する。次に、ステップS43において出力制御手段13は、導出したインバータ出力指令値に応じてインバータ11を稼動させる。
<1>
上記実施形態では、インバータ11と周波数監視手段12出力制御手段13とを備えた系統連系インバータ装置10について説明したが、インバータ11とは別体で、周波数監視手段12と出力制御手段13とを備えたインバータ制御装置20を構成することもできる。例えば、図14の商用系統の概略図に示すように、インバータ制御装置20は、商用系統50での商用系統周波数を監視する周波数監視手段12と、目標インバータ出力指令値に基づいてインバータ出力指令値を決定して、インバータ11及び電源装置1をインバータ出力指令値に応じて稼動させる出力制御手段13を備えている。また、周波数監視手段12及び出力制御手段13の機能は上記第1実施形態から上記第4実施形態と同様である。
上記実施形態では、垂下特性及び周波数バイアス特性について図7及び図8を参照して説明したが、垂下特性を表す直線の傾き(変化率)、周波数バイアス特性を表す不感帯幅:A1、A2、上限幅:B2及び下限幅:B1、変化率:C1、C2は適宜変更可能である。
2 電力負荷装置
10 系統連系インバータ装置
11 インバータ
12 周波数監視手段
13 出力制御手段
50 商用系統
Claims (6)
- 電源装置を商用系統に連系するインバータと、目標インバータ出力指令値に基づいてインバータ出力指令値を決定して、前記インバータを前記インバータ出力指令値に応じて稼動させる出力制御手段とを備える系統連系インバータ装置であって、
前記出力制御手段が、前記商用系統での商用系統周波数を監視する周波数監視手段の監視結果に基づいて前記インバータ出力指令値を変動させるように構成されている系統連系インバータ装置。 - 前記出力制御手段が、前記商用系統周波数が大きくなるにつれて前記インバータ出力指令値を小さくする設定関係に従って前記インバータ出力指令値を変動させる周波数変化対応制御を実行するように構成されている請求項1記載の系統連系インバータ装置。
- 前記出力制御手段が、前記商用系統周波数に変化が有ると、前記商用系統周波数が大きくなるにつれて前記インバータ出力指令値を小さくする設定関係に従って前記インバータ出力指令値を変動させて前記インバータを稼動させた後、実際のインバータ出力値が前記目標インバータ出力指令値と等しいか否かを判定し、前記実際のインバータ出力値が前記目標インバータ出力指令値と等しくないときは、前記目標インバータ出力指令値を前記インバータ出力指令値として、前記インバータを稼動させる周波数変化対応制御を実行するように構成されている請求項1記載の系統連系インバータ装置。
- 前記出力制御手段が、前記商用系統周波数に変化が有り、且つ、前記商用系統周波数の基準周波数からの周波数偏差が発生しているとき、前記商用系統周波数が大きくなるにつれて前記インバータ出力指令値を小さくする設定関係に従って前記インバータ出力指令値を変動させて前記インバータを稼動させた後、実際のインバータ出力値が、前記周波数偏差を小さくするための変動出力値と前記目標インバータ出力指令値との和に等しいか否かを判定し、前記実際のインバータ出力値が前記変動出力値と前記目標インバータ出力指令値との和に等しくないときには、前記変動出力値と前記目標インバータ出力指令値との和を前記インバータ出力指令値として、前記インバータを稼動させる周波数変化及び周波数偏差対応制御を実行するように構成されている請求項1記載の系統連系インバータ装置。
- 前記出力制御手段が、前記商用系統周波数の基準周波数からの周波数偏差が発生しているとき、前記周波数偏差を小さくするための変動出力値と前記目標インバータ出力指令値との和を前記インバータ出力指令値として、前記インバータを稼動させる周波数偏差対応制御を実行するように構成されている請求項1記載の系統連系インバータ装置。
- 前記出力制御手段が、前記商用系統周波数に変化が有り、且つ、前記商用系統周波数の基準周波数からの周波数偏差が発生しているとき、前記商用系統周波数が大きくなるにつれて前記インバータ出力指令値を小さくする設定関係に従って前記インバータ出力指令値を変動させて前記インバータを稼動させた後、実際のインバータ出力値が、前記周波数偏差を小さくするための変動出力値と前記目標インバータ出力指令値との和に等しいか否かを判定し、前記実際のインバータ出力値が前記変動出力値と前記目標インバータ出力指令値との和に等しくないときには、前記変動出力値と前記目標インバータ出力指令値との和を前記インバータ出力指令値として、前記インバータを稼動させる周波数変化及び周波数偏差対応制御を実行し、
前記商用系統周波数に変化が無く、且つ、前記商用系統周波数の基準周波数からの周波数偏差が発生しているとき、前記周波数偏差を小さくするための変動出力値と前記目標インバータ出力指令値との和を前記インバータ出力指令値として、前記インバータを稼動させる周波数偏差対応制御を実行し、及び、
前記商用系統周波数に変化が有り、且つ、前記商用系統周波数の基準周波数からの周波数偏差が発生していないとき、前記商用系統周波数が大きくなるにつれて前記インバータ出力指令値を小さくする設定関係に従って前記インバータ出力指令値を変動させて前記インバータを稼動させた後、実際のインバータ出力値が前記目標インバータ出力指令値と等しいか否かを判定し、前記実際のインバータ出力値が前記目標インバータ出力指令値と等しくないときは、前記目標インバータ出力指令値を前記インバータ出力指令値として、前記インバータを稼動させる周波数変化対応制御を実行するように構成されている請求項1記載の系統連系インバータ装置。
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