JP2007259570A - 電気接続箱 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】放熱板23の貫通孔40a,40bに通したビス42を枠状部材21の雌ネジ孔31,38に螺合することで、放熱板22が枠状部材21に固定される。複数の貫通孔40a,40bのうち少なくとも1つの貫通孔40aは略長円形をなす。金属製の放熱板22と合成樹脂製の枠状部材21が熱膨張すると、熱膨張率の高い放熱板22の貫通孔40a,40bの間隔が、枠状部材21の雌ネジ孔31の間隔よりも大きくなるが、この間、いずれかの雌ネジ孔38に螺合されているビス42が、略長円形の貫通孔40aに対して相対的に移動するので、枠状部材21に生じる応力が低減される。
【選択図】図9
Description
尚、電気接続箱としては、特許文献1に開示されているもの等がある。
このように異種材料である放熱板と枠状部材をビスで固定する構造では、通電時に回路構成体に生じる熱が放熱板と枠状部材に伝わったときに、材質の違いに起因する熱膨張率の差異のため、貫通孔の間隔と雌ネジ孔の間隔に差が生じる。この場合、ビス止め位置の間隔が大きければ、放熱板が湾曲するように変形することで、放熱板と枠状部材との間の熱膨張量の差が吸収される。
ところが、ヒューズブロックがフレームの一辺に沿って取り付けられている場合には、ヒューズブロックの雌ネジ孔がフレームの雌ネジ孔と接近するように配置され、このように2つの雌ネジ孔が接近して配置されている構造では、放熱板が湾曲変形しても熱膨張量の差を吸収することができないため、放熱板に比べて強度の低い枠状部材の応力が増大し、枠状部材が破損する虞がある。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、金属製の放熱板と合成樹脂製の枠状部材とをビス止めにより固定したケースにおいて、熱膨張時における枠状部材の破損を防止することを目的とする。
金属製の放熱板と合成樹脂製の枠状部材が熱膨張すると、熱膨張率の高い放熱板の貫通孔の間隔が、枠状部材の雌ネジ孔の間隔よりも大きくなるのであるが、この間、略長円形の貫通孔と対応する雌ネジ孔に螺合されているビスが、その略長円形の貫通孔に対して相対的に移動するので、雌ネジ孔に螺合されているビスが貫通孔に対して相対移動不能に拘束されているものに比べてると、枠状部材に生じる応力が低減される。
位置決め凹部と放熱板の形状が非点対称な形状をなしているので、正規の向きに対して180°回転させた状態では、放熱板を位置決め凹部に組み付けることはできない。したがって、放熱板が枠状部材の裏面に対して不正な向きで組み付けられるのを防止することができる。
以下、本発明を具体化した実施形態1を図1乃至図10を参照して説明する。本実施形態の電気接続箱Aは、自動車に搭載され、バッテリ(図示せず)とランプ、オーディオ等の電装品(図示せず)との間に介設され、バッテリから供給される電力を各電装品に分配・供給するとともに、これら電力供給の切り替え等の制御を行うものである。図1の分解斜視図においては、電気接続箱Aを表面側が上向きとなるように描いているが、自動車に搭載された状態では、電気接続箱Aは、図2、図3、図7に示すように、ヒューズブロック24の本体部33が上側に位置し、ヒューズブロック24のアーム部34が下方へ延出する向きとなる。以下、上下左右の向きについては、自動車に搭載された状態を基準として説明する。また、表側と前側を同意で用い、裏側と後側を同意で用いる。
回路構成体10は、板面を鉛直方向に向けた回路基板11と、回路基板11の裏面(図7における右面)に沿って配索した複数のバスバー12と、回路基板11の表面側(図7における左面側)に実装されるリレーなどのスイッチング部材13とを備えて構成されている。
枠状部材21は、回路基板11の周縁に沿って回路構成体10を全周に亘って連続して包囲するように配される略方形枠状のフレーム23と、フレーム23に対しその上縁部及び左右両側縁に沿うように組み付けられる合成樹脂製のヒューズブロック24と、フレーム23に対しその表面側(放熱板22とは反対側)の開口を塞ぐように組み付けられる合成樹脂製のカバー25と、ヒューズブロック24に組み付けられる合成樹脂製の上部ハウジング26と、フレーム23の下縁部に組み付けられる合成樹脂製の下部ハウジング27とを備えて構成される。
次に、本発明を具体化した実施形態2を図11及び図12を参照して説明する。本実施形態2の電気接続箱Bは、フレーム50と放熱板55の形状を上記実施形態1とは異なる構成としたものである。その他の構成については上記実施形態1と同じであるため、同じ構成については、同一符号を付し、構造、作用及び効果の説明は省略する。
本実施形態2では、回路構成体10のうち通電時に発熱する領域が、主として概ね上側の2/3の領域であることに着目し、フレーム50の開口領域50H(開口部)とこれに対応する放熱板55を小さくしている。即ち、略方形枠状をなすフレーム50の開口領域50Hは横長の方形をなし、発熱領域と対応するように概ね上側2/3の領域のみに開口され、フレーム50の下縁部50aの上下寸法が実施形態1よりも大きくなっている。また、フレーム50の裏面側の開口縁に沿って形成されている位置決め凹部51には、上縁部における幅方向中央位置、上縁部の両端部、下縁部50aにおける幅方向中央位置、及び下縁部50aの両端部に、夫々、略方形の凹部52が形成され、各凹部52と対応する位置には、夫々、雌ネジ孔(図示せず)が形成されている。また、フレーム50の上端部の右端部には、位置決め突起53が形成されている。ヒューズブロック24の上縁部における左右両端部には、フレーム50の上縁における両端部に対して上側に近接するように雌ネジ孔(図示せず)が形成されている。
本実施形態2では、フレーム50の開口領域50Hを小さくし、この開口領域50Hを塞ぐ放熱板55を小さくしている。放熱板55は、合成樹脂製の枠状部材21(フレーム50及びヒューズブロック24)に比べて比重の大きい金属製であるので、放熱板55の小型化によって軽量化が実現されている。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施態様も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では枠状部材をフレームとヒューズブロックとを備えた形態としたが、本発明によれば、枠状部材はフレームの少なくとも一辺に沿ったヒューズブロックを備えてない形態としてもよい。
(2)上記実施形態では近接して配置される2つの貫通孔のうち一方のみを略長円形としたが、本発明によれば、近接して配置される2つの貫通孔の両方を略長円形としてもよい。
(3)上記実施形態では近接して配置される2つの貫通孔のうちヒューズブロック側の貫通孔のみを略長円形としたが、本発明によれば、近接して配置される2つの貫通孔のうちフレーム側の貫通孔のみを略長円形としてもよい。
(4)上記実施形態では位置決め凹部と放熱板の形状を非点対称な形状としたが、本発明によれば、位置決め凹部と放熱板の形状を点対称な形状としてもよい。
(5)上記実施形態では枠状部材が複数の部品を組み付けて構成されていたが、本発明によれば、枠状部材が単一の部品によって構成されていてもよい。
10…回路構成体
20…ケース
21…枠状部材
22…放熱板
23…フレーム
24…ヒューズブロック
28…位置決め凹部
31…雌ネジ孔
38…雌ネジ孔
40a…略長円形の貫通孔
40b…円形の貫通孔
42…ビス
A…電気接続箱
50…フレーム
55…放熱板
Claims (3)
- 回路構成体をケース内に収容してなり、
前記ケースが、前記回路構成体を構成する回路基板に対しその周縁に沿うように配置される略方形の合成樹脂からなる枠状部材と、前記枠状部材の裏面側の開口部を塞ぐように設けられる金属製の放熱板とを備えており、
前記枠状部材の裏面には複数の雌ネジ孔が形成され、
前記放熱板には、前記複数の雌ネジ孔と対応する複数の貫通孔が形成され、
前記貫通孔に通したビスを前記雌ネジ孔に螺合することで前記放熱板が前記枠状部材に固定されるようになっているものであって、
前記複数の貫通孔のうち少なくとも1つの貫通孔を略長円形としたことを特徴とする電気接続箱。 - 前記枠状部材が、前記回路基板を全周に亘って包囲する略方形のフレームと、前記フレームに対してその少なくとも一辺に沿うように組み付けられたヒューズブロックとを備えて構成され、
前記雌ネジ孔が、前記フレームの四隅と、前記ヒューズブロックにおける前記フレームの前記雌ネジ孔に近接する位置とに配置されていることを特徴とする請求項1記載の電気接続箱。 - 前記枠状部材の裏面には、その開口縁に沿って切欠した位置決め凹部が形成され、
前記放熱板が、その周縁部を前記位置決め凹部に嵌合させることによって前記枠状部材に組み付けられるようになっているものであって、
前記位置決め凹部と前記放熱板の形状が非点対称な形状をなしていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の電気接続箱。
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