JP2007248896A - プロジェクタ - Google Patents

Abstract

【課題】防塵および構成簡略化できるプロジェクタを提供すること。
【解決手段】プロジェクタは、複数の集光レンズ４４０と、複数の液晶素子４４１と、各液晶素子４４１の光束入射側および光束射出側に設けられる複数の第１光学変換素子４４２および複数の第２光学変換素子４４３と、複数の光束入射面を有し、入射光束を合成するプリズム４４４とを備える。複数の液晶素子４４１は、一対の透光性基板と、当該一対の透光性基板の間に封入される液晶層とを備え、光束入射側の透光性基板の光束入射側には、液晶層を覆うように、第１光学変換素子４４２がそれぞれ密着固定され、第１光学変換素子４４２の光束入射側には、集光レンズ４４０が密着固定される。光束射出側の透光性基板の光束射出側には、液晶層を覆うように、第２光学変換素子４４３が密着固定され、第２光学変換素子４４３の光束射出側には、プリズム４４４がそれぞれ密着固定されている。
【選択図】図３

Description

本発明は、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成し、当該光学像を投射するプロジェクタに関する。

従来、光源と、当該光源から射出された光束を画像情報に応じて変調する光変調装置と、当該変調された光学像としての光束を投射する投射光学系とを備えたプロジェクタが知られている。
近年、形成画像の画質や色再現性を向上させた、いわゆる三板式プロジェクタが考案されている。このような三板式プロジェクタは、光源としてのランプから射出された光束を赤（Ｒ）、緑（Ｇ）、青（Ｂ）の３色の色光に分離する色分離光学装置と、分離された色光ごとに設けられ、入射する色光を画像情報に応じて変調する光変調装置としての複数の液晶パネルと、各液晶パネルで変調された色光を合成して光学像を形成する色合成光学装置とを備えて構成されている（例えば、特許文献１参照）。

この特許文献１に記載のプロジェクタでは、色合成光学装置としてのクロスダイクロイックプリズムの３つの光束入射面に、それぞれ対向するように、液晶パネルおよび光学変換板が配置されている。このうち、光学変換板を構成する第１光学変換板は、クロスダイクロイックプリズムの光束入射面に貼付され、光学変換板を構成する第２光学変換板および液晶パネルは、クロスダイクロイックプリズムの光束入射面でない上面に配置された放熱ブロックと、底面に配置されたプリズム台座とに取り付けられる保持部材に保持される。これにより、液晶パネル、光学変換板およびクロスダイクロイックプリズムが一体となった光学装置が構成されている。

特開２００５−２７４７４４号公報（図８）

しかしながら、特許文献１に記載のプロジェクタでは、液晶パネルの光束入射側および光束射出側に冷却空気が流通する隙間が形成されているため、液晶パネルの光束入射面および光束射出面に塵埃等が付着する場合がある。このような場合、画像形成領域に塵埃等が付着すると、画像形成領域で形成され、投射光学系によって拡大投射された画像上に塵埃等の影が現れてしまい、形成画像が劣化するという問題がある。このため、投射光学系の焦点深度内に塵埃等が入らないように、液晶パネルを挟むように防塵ガラスを設ける構成が考えられるが、このような防塵ガラスを設けると、光学装置の構成が複雑となるだけでなく、当該光学装置が大型化するという問題がある。

また、特許文献１に記載のプロジェクタでは、光学装置を一体的に構成する上で、光学変換板を構成する第２光学変換板および液晶パネルを保持する保持部材と、当該保持部材を取り付ける放熱ブロックおよびプリズム台座とを別途設ける必要がある。このため、光学装置の構成が複雑となるという問題がある。

本発明の目的は、防塵を図ることができ、構成を簡略化することができるプロジェクタを提供することである。

前記した目的を達成するために、本発明のプロジェクタは、光源から射出された光束を利用して画像情報に応じた光学像を形成し、当該光学像を投射するプロジェクタであって、入射光束を前記画像情報に応じて変調して、それぞれ異なる色の色画像を形成する複数の液晶素子と、前記複数の液晶素子の光束入射側および光束射出側にそれぞれ設けられ、入射光束を光学的に変換する複数の第１光学変換素子および複数の第２光学変換素子と、前記複数の液晶素子のそれぞれの光束入射側に配置される複数の集光レンズと、前記色画像としての光束が入射する複数の光束入射面を有し、当該複数の光束入射面を介して入射した光束を合成して光学像を形成するプリズムとを備え、前記複数の液晶素子のそれぞれは、一対の透光性基板と、当該一対の透光性基板の間に封入される液晶層とを備えて構成され、前記一対の透光性基板のうち、前記液晶層の光束入射側に配置される前記透光性基板の光束入射側の面には、当該液晶層を覆うように、前記第１光学変換素子がそれぞれ密着固定され、前記一対の透光性基板のうち、前記液晶層の光束射出側に配置される前記透光性基板の光束射出側の面には、当該液晶層を覆うように、前記第２光学変換素子がそれぞれ密着固定され、前記第１光学変換素子の光束入射側の面には、前記集光レンズの光束射出側の面がそれぞれ密着固定され、前記第２光学変換素子の光束射出側の面には、前記プリズムの光束入射面がそれぞれ密着固定されていることを特徴とする。

本発明によれば、液晶素子の液晶層を挟む一対の透光性基板のうち、当該液晶層の光束入射側に配置される透光性基板の光束入射側の面には、液晶層を覆うように、第１光学変換素子が密着固定され、当該第１光学変換素子の光束入射側の面には、集光レンズの光束射出側の面が密着固定される。また、液晶層の光束射出側に配置される透光性基板の光束射出側の面には、液晶層を覆うように、第２光学変換素子の光束入射側の面が密着固定され、当該第２光学変換素子の光束射出側の面には、プリズムの光束入射面が密着固定される。
これによれば、液晶素子における液晶層に対応する光束入射面の領域が、集光レンズおよび第１光学変換素子により隙間なく覆われることとなるので、当該液晶素子の液晶層に対応する光束入射面の領域に、塵埃等が付着することを防ぐことができる。また同様に、液晶素子における液晶層に対応する光束射出面の領域が、第２光学変換素子およびプリズムの光束入射面により隙間なく覆われることとなるので、当該液晶素子の液晶層に対応する光束射出面の領域に、塵埃等が付着することを防ぐことができる。
従って、液晶層を透過して形成される画像中に塵埃等の影が含まれることを防ぐことができるほか、液晶素子に防塵ガラス等を設ける必要を無くすことができるので、光学装置の構成を簡略化することができる。

また、光学装置を構成する集光レンズ、第１光学変換素子、液晶素子、第２光学変換素子およびプリズムが、それぞれ互いに密着固定されるので、前述の特許文献１に記載のプロジェクタのように、液晶素子を保持する保持部材や、当該保持部材を取り付ける部材を別途設ける必要を無くすことができる。また、これにより、保持部材等の製造誤差を考慮する必要がなくなるので、プリズムに対する液晶素子の位置決めを容易に行うことができる。従って、光学装置の構成を一層簡略化することができるとともに、プロジェクタの製造工程を簡略化することができる。

また、本発明のプロジェクタは、光源から射出された光束を利用して画像情報に応じた光学像を形成し、当該光学像を投射するプロジェクタであって、入射光束を前記画像情報に応じて変調して、それぞれ異なる色の色画像を形成する複数の液晶素子と、前記複数の液晶素子の光束入射側にそれぞれ設けられ、入射光束を光学的に変換する複数の第１光学変換素子と、前記複数の液晶素子のそれぞれの光束入射側に配置される複数の集光レンズと、前記色画像としての光束が入射する複数の光束入射面、および、当該複数の光束入射面を介して入射した光束を合成した光学像を射出する光束射出面を有するプリズムとを備え、前記複数の液晶素子のそれぞれは、一対の透光性基板と、当該一対の透光性基板の間に封入される液晶層とを備えて構成され、前記一対の透光性基板のうち、前記液晶層の光束入射側に配置される前記透光性基板の光束入射側の面には、当該液晶層を覆うように、前記第１光学変換素子がそれぞれ密着固定され、前記一対の透光性基板のうち、前記液晶層の光束射出側に配置される前記透光性基板の光束射出側の面には、当該液晶層を覆うように、前記プリズムの光束入射面がそれぞれ密着固定され、前記第１光学変換素子の光束入射側の面には、前記集光レンズの光束射出側の面がそれぞれ密着固定され、前記プリズムの光束射出面には、入射光束を光学的に変換する第２光学変換素子が配置されていることを特徴とする。

本発明によれば、前述のプロジェクタと同様の効果を奏することができる。
すなわち、液晶素子の液晶層を挟む一対の透光性基板のうち、当該液晶層の光束入射側に配置された透光性基板の光束入射側の面には、液晶層を覆うように、第１光学変換素子の光束射出側の面が密着固定され、当該第１光学変換素子の光束入射側の面には、集光レンズの光束射出側の面がそれぞれ密着固定される。また、液晶層の光束射出側に配置された透光性基板の光束射出側の面には、液晶層を覆うように、プリズムの光束入射面が密着固定される。
これによれば、液晶層に対応する液晶素子の光束入射面の領域が、集光レンズおよび第１光学変換素子により隙間なく覆われることとなり、また、液晶層に対応する液晶素子の光束射出面の領域が、プリズムの光束入射面により隙間無く覆われることとなるので、液晶素子における液晶層に対応する光束入射面および光束射出面に、塵埃等が付着することを防ぐことができる。従って、液晶層を透過して形成される画像中に塵埃等の影が現れることを防ぐことができる。また、防塵ガラスを液晶素子に設ける必要がなくなるので、光学装置の構成を簡略化することができる。

また、集光レンズ、第１光学変換素子、液晶素子およびプリズムが、それぞれ互いに密着固定されるので、前述の特許文献１に記載のプロジェクタのように、液晶素子を保持する保持部材や、当該保持部材を取り付ける部材を別途設ける必要を無くすことができる。また、これにより、保持部材の製造誤差を考慮する必要が無くなるので、プリズムと液晶素子との位置決めを容易に行うことができる。従って、光学装置の構成を一層簡略化することができ、プロジェクタの製造工程を簡略化することができる。
さらに、各液晶素子の光束射出側に第２光学変換素子を配置する必要がある場合に、当該第２光学変換素子をプリズムの光束射出面に配置することにより、第２光学変換素子を１つで済ませることができる。従って、光学装置の部品点数を削減することができ、当該光学装置の構成をより一層簡略化することができる。

これら本発明のプロジェクタでは、前記第１光学変換素子および前記第２光学変換素子の少なくともいずれかは、所定の偏光方向を有する光束の透過を許容し、他方の偏光方向を有する光束の透過を許容しない偏光素子であることが好ましい。

本発明によれば、第１光学変換素子および第２光学変換素子の少なくともいずれかを、偏光素子で構成することにより、液晶素子の構成をより簡略化することができる。
ここで、液晶素子の光束入射側および光束射出側には、当該液晶素子の液晶層で変調された光束を選択的に透過させるために、所定の偏光方向を有する光束を透過し、他の偏光方向を有する光束を吸収する偏光素子を設ける必要がある。このような偏光素子を、第１光学変換素子および第２光学変換素子の少なくともいずれかとして用いることにより、画像形成に必要な構成を用いて、液晶素子の防塵対策を行うことができる。従って、不要に部品点数が増加することを防ぐことができ、プロジェクタの構成をより一層簡略化することができる。

〔１．第１実施形態〕
以下、本発明の第１実施形態を図面に基づいて説明する。
（１）プロジェクタ１の構成
図１は、本実施形態に係るプロジェクタ１の構成を示す模式図である。
プロジェクタ１は、光源から射出される光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成し、形成した光学像をスクリーン（図示略）上に拡大投射するものである。このプロジェクタ１は、図１に示すように、外装筐体２と、投射光学装置としての投射レンズ３と、光学ユニット４等とを備える。
なお、図１において、図示は省略するが、外装筐体２内において、投射レンズ３および光学ユニット４以外の空間には、プロジェクタ１内部を冷却する冷却ファン等で構成される冷却ユニット、プロジェクタ１内部の各構成部材に電力を供給する電源ユニット、および、プロジェクタ１全体を制御する制御ユニット等が配置されるものとする。

外装筐体２は、合成樹脂等から構成され、図１に示すように、投射レンズ３および光学ユニット４等を内部に収納配置する全体略直方体状に形成されている。この外装筐体２は、詳しい図示は省略するが、プロジェクタ１の天面、前面、背面および左右両側面をそれぞれ構成するアッパーケースと、プロジェクタ１の底面、前面および背面をそれぞれ構成するロアーケースとで構成され、これらアッパーケースおよびロアーケースは互いにねじ等で固定されている。なお、外装筐体２は、合成樹脂等に限らず、その他の材料にて形成してもよく、例えば、金属等により構成してもよい。
投射レンズ３は、光学ユニット４にて形成された光学像（カラー画像）を図示しないスクリーン上に拡大投射する投射光学系である。この投射レンズ３は、筒状の鏡筒内に複数のレンズが収納された組レンズとして構成されている。

（２）光学ユニット４の構成
光学ユニット４は、制御ユニットによる制御の下、光源から射出された光束を、光学的に処理して画像情報に対応した光学像（カラー画像）を形成するユニットである。この光学ユニット４は、図１に示すように、外装筐体２の背面に沿って延出するとともに、当該外装筐体２の側面に沿って延出する平面視略Ｌ字形状を有している。
光学ユニット４は、照明光学装置４１と、色分離光学装置４２と、リレー光学装置４３と、電気光学装置４４と、これら光学部品４１〜４４を内部に収納配置する光学部品用筐体４５とを備えている。

照明光学装置４１は、電気光学装置４４を構成する後述する液晶素子４４１の画像形成領域をほぼ均一に照明するための光学系である。この照明光学装置４１は、光源装置４１１と、第１レンズアレイ４１２と、第２レンズアレイ４１３と、偏光変換素子４１４と、重畳レンズ４１５とを備えて構成されている。

光源装置４１１は、放射状の光線を射出する光源ランプ４１６と、この光源ランプ４１６から射出された放射光を反射して所定位置に収束させるリフレクタ４１７と、リフレクタ４１７にて収束される光束を照明光軸Ａに対して平行化する平行化凹レンズ４１８とを備えている。このような光源ランプ４１６としては、ハロゲンランプやメタルハライドランプ、高圧水銀ランプを利用することができる。また、リフレクタ４１７としては、回転楕円面を有する楕円面リフレクタで構成することができるほか、回転放物面を有する放物面リフレクタで構成することも可能である。この場合には、平行化凹レンズ４１８を省略することができる。

第１レンズアレイ４１２は、入射光束の光軸方向から見て略矩形状の輪郭を有する小レンズがマトリクス状に配列された構成を有している。各小レンズは、光源装置４１１から射出される光束を、複数の部分光束に分割する。
第２レンズアレイ４１３は、第１レンズアレイ４１２と同様な構成を有しており、小レンズがマトリクス状に配列された構成を有している。この第２レンズアレイ４１３は、
当該第２レンズアレイ４１３の光路後段に配置された重畳レンズ４１５とともに、第１レンズアレイ４１２の各小レンズから射出された像を、電気光学装置４４の後述する液晶素子４４１の画像形成領域に結像させる機能を有している。

偏光変換素子４１４は、第２レンズアレイ４１３と重畳レンズ４１５との間に配置され、第２レンズアレイ４１３からの光を略１種類の直線偏光に変換するものである。
具体的に、偏光変換素子４１４によって略１種類の直線偏光に変換された各部分光は、重畳レンズ４１５によって最終的に後述する液晶素子４４１の画像形成領域にほぼ重畳される。偏光光を変調するタイプの液晶素子を用いたプロジェクタでは、１種類の偏光光しか利用できないため、ランダムな偏光光を発する光源装置４１１からの光の略半分を利用できない。このため、偏光変換素子４１４を用いることで、光源装置４１１からの射出光を略１種類の直線偏光に変換し、電気光学装置４４での光の利用効率を高めている。

色分離光学装置４２は、２枚のダイクロイックミラー４２１，４２２と、反射ミラー４２３とを備え、ダイクロイックミラー４２１，４２２により照明光学装置４１から射出された複数の部分光束を赤（Ｒ）、緑（Ｇ）、青（Ｂ）の３色の色光に分離する機能を有している。
リレー光学装置４３は、入射側レンズ４３１、リレーレンズ４３３、および反射ミラー４３２，４３４を備え、色分離光学装置４２で分離された赤色光を赤色光用の液晶素子４４１（４４１Ｒ）まで導く機能を有している。

この際、色分離光学装置４２のダイクロイックミラー４２１では、照明光学装置４１から射出された光束の赤色光成分と緑色光成分とが透過するとともに、青色光成分が反射する。ダイクロイックミラー４２１によって反射した青色光は、反射ミラー４２３で反射し、集光レンズ４４０を通って青色光用の液晶素子４４１（４４１Ｂ）に達する。この集光レンズ４４０は、第２レンズアレイ４１３から射出された各部分光束をその中心軸（主光線）に対して平行な光束に変換する。緑色光用および赤色光用の液晶素子４４１（４４１Ｇ，４４１Ｒ）の光入射側に設けられた集光レンズ４４０も同様である。

ダイクロイックミラー４２１を透過した赤色光と緑色光のうち、緑色光はダイクロイックミラー４２２によって反射し、集光レンズ４４０を通って緑色光用の液晶素子４４１（４４１Ｇ）に達する。一方、赤色光はダイクロイックミラー４２２を透過してリレー光学装置４３を通り、さらに集光レンズ４４０を通って赤色光用の液晶素子４４１（４４１Ｒ）に達する。
なお、赤色光の光路上にリレー光学装置４３が配置されているのは、赤色光の光路の長さが他の色光の光路の長さよりも長いため、光の拡散等による光の利用効率の低下を防止するためである。すなわち、入射側レンズ４３１に入射した部分光束をそのまま、集光レンズ４４０に伝えるためである。なお、リレー光学装置４３には、３つの色光のうち赤色光を通す構成としたが、これに限らず、例えば、青色光を通す構成としてもよい。

電気光学装置４４は、色分離光学装置４２から射出される３つの色光を画像情報に応じてそれぞれ変調し、変調した各色光を合成して光学像（カラー画像）を形成する。
この電気光学装置４４は、前述の集光レンズ４４０と、光変調装置としての３つの液晶素子４４１と、これら液晶素子４４１の光束入射側にそれぞれ配置される３つの入射側偏光板４４２と、各液晶素子４４１の光束射出側にそれぞれ配置される３つの射出側偏光板４４３と、クロスダイクロイックプリズム４４４とを備えて構成されている。そして、電気光学装置４４は、これら各部材４４０〜４４４が一体となったユニットとして構成されている。なお、電気光学装置４４のユニット構成については、後に詳述する。

入射側偏光板４４２は、本発明の第１光学変換素子に相当し、偏光変換素子４１４で偏光方向が略一方向に揃えられた各色光が入射され、入射された光束のうち、偏光変換素子４１４で揃えられた光束の偏光軸と略同一方向の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものである。この入射側偏光板４４２は、例えば、サファイアガラスまたは水晶等の透光性基板上に偏光膜が貼付された構成を有している。

図２は、液晶素子４４１の構成を模式的に示す横断面図である。
液晶素子４４１（赤色光用の液晶素子を４４１Ｒ、緑色光用の液晶素子を４４１Ｇ、青色光用の液晶素子を４４１Ｂとする）は、前述の制御ユニットから入力する画像情報としての駆動信号に応じて、画像形成領域内にある液晶分子の配向状態を変化させ、入射側偏光板４４２から射出された偏光光束の偏光方向を変調して、入射する色光に応じた色画像を形成する。

この液晶素子４４１は、図２に示すように、液晶層４４１１と、当該液晶層４４１１を挟む一対の配向層４４１２，４４１３と、当該一対の配向層４４１２，４４１３を挟む透明電極層４４１４，４４１５と、これら各層４４１１〜４４１５を挟む一対の透光性基板４４１６，４４１７とを備えて構成されている。すなわち、液晶素子４４１は、光束入射側から順に、入射側透光性基板４４１６、透明電極層４４１４、配向層４４１２、液晶層４４１１、配向層４４１３、透明電極層４４１５および射出側透光性基板４４１７を備えている。

液晶層４４１１は、液晶分子群により構成され、透明電極層４４１４，４４１５から印加される電圧の電位差により、各液晶分子の配向状態を変化させて、当該液晶層４４１１を透過する光束を変調する。このため、液晶層４４１１のうち光束が透過する領域が、画像形成領域となる。
配向層４４１２，４４１３は、液晶層４４１１を構成する液晶分子を一定方向に配列させるための層であり、配向膜によって構成されている。また、これら配向層４４１２，４４１３間に液晶分子が封入され、液晶層４４１１が形成されている。

透明電極層４４１４，４４１５は、液晶分子を駆動するための電極であり、ＩＴＯ（Indium Tin Oxide）等により構成されている。これら透明電極層４４１４，４４１５から印加される電圧（駆動信号）の電位差により、前述の液晶層４４１１を構成する液晶分子の配向状態が変化する。
入射側透光性基板４４１６および射出側透光性基板４４１７は、各層４４１１〜４４１５を挟んで支持している。
これらの他、液晶素子４４１は、図示を省略したが、透明電極層４４１４，４４１５に印加される電圧が、外部に漏出することを防ぐとともに、当該透明電極層４４１４，４４１５に駆動信号でない電圧が加わることを防ぐ絶縁層を備えている。

図１に戻り、射出側偏光板４４３は、本発明の第２光学変換素子に相当する。この射出側偏光板４４３は、液晶素子４４１から射出された光束のうち、入射側偏光板４４２における光束の透過軸と直交する偏光軸を有する光束のみ透過させ、その他の光束を吸収するものである。
クロスダイクロイックプリズム４４４は、本発明のプリズムに相当し、射出側偏光板４４３から射出された色画像としての各色光を合成して光学像（カラー画像）を形成する光学素子である。
このクロスダイクロイックプリズム４４４は、４つの直角プリズムを貼り合わせた平面視正方形状をなし、赤色光、緑色光および青色光がそれぞれ入射する３つの光束入射面と、当該光束入射面を介して入射した光束を合成して、光学像としての光束を射出する１つの光束射出面とを有している。そして、このクロスダイクロイックプリズム４４４において、直角プリズム同士を貼り合わせた界面には、２つの誘電体多層膜が形成されている。これら誘電体多層膜は、投射レンズ３と対向する側（Ｇ色光側）に配置された射出側偏光板４４３を介した色光を透過し、残り２つの射出側偏光板４４３（Ｒ色光側およびＢ色光側）を介した色光を反射する。このようにして、各入射側偏光板４４２、各液晶素子４４１および各射出側偏光板４４３にて変調された各色光が合成されて光学像（カラー画像）が形成される。

光学部品用筐体４５は、内部に所定の照明光軸Ａが設定され、上述した光学部品４１〜４４を照明光軸Ａに対する所定位置に配置する合成樹脂製の箱状部材である。この光学部品用筐体４５の内部には、詳しい図示を省略したが、各光学部品４１〜４４を位置決め固定するための複数の溝が形成されている。

（３）電気光学装置４４の一体構造
図３は、電気光学装置４４の一体構造を模式的に示す平面図である。
電気光学装置４４は、前述のように、色分離光学装置４２を介して分離された赤（Ｒ）、緑（Ｇ）、青（Ｂ）の各色光を変調して光学像（カラー画像）を形成する。
この電気光学装置４４は、図３に示すように、クロスダイクロイックプリズム（以下、「プリズム」と略す場合がある）４４４の各光束入射面（赤色光が入射する光束入射面を４４４Ｒ、緑色光が入射する光束入射面を４４４Ｇ、青色光が入射する光束入射面を４４４Ｂとする）に、射出側偏光板４４３、液晶素子４４１、入射側偏光板４４２および集光レンズ４４０がそれぞれ密着固定され、これらが一体となって構成されている。

詳述すると、液晶素子４４１Ｇを構成する一対の透光性基板４４１６，４４１７（図２参照）のうち、当該液晶素子４４１Ｇの液晶層４４１１の光束入射側に位置する入射側透光性基板４４１６の光束入射側の面には、当該液晶層４４１１（特に、画像形成領域）を覆うように、入射側偏光板４４２の光束射出側の面が貼付される。また、この入射側偏光板４４２の光束入射側の面には、当該入射側偏光板４４２を覆うように、集光レンズ４４０の光束射出側の面が貼付される。

一方、液晶素子４４１Ｇにおいて、当該液晶素子４４１Ｇの液晶層４４１１の光束射出側に位置する射出側透光性基板４４１７の光束射出側の面には、当該液晶層４４１１（特に、画像形成領域）を覆うように、射出側偏光板４４３の光束入射側の面が貼付される。また、この射出側偏光板４４３の光束射出側の面は、液晶素子４４１Ｇの液晶層４４１１を覆い、かつ、当該射出側偏光板４４３から射出される光束がプリズム４４４の光束入射面４４４Ｇに適切に入射するように位置調整されて、当該光束入射面４４４Ｇに貼付される。

ここで、各光学素子間の貼付けは、紫外線硬化性の接着剤により行われ、各光学素子間、すなわち、集光レンズ４４０と入射側偏光板４４２との間、入射側偏光板４４２と液晶素子４４１との間（特に、入射側偏光板４４２と入射側透光性基板４４１６との間）、液晶素子４４１と射出側偏光板４４３との間（特に、射出側透光性基板４４１７と射出側偏光板４４３との間）、および、射出側偏光板４４３とプリズム４４４との間（特に、射出側偏光板４４３と光束入射面４４４Ｇとの間）は、隙間が生じないようにそれぞれ接着されている。このため、各部材間に塵埃等が侵入することが防がれている。
なお、紫外線硬化性の接着剤としては、ガラス等と同程度の屈折率を有する接着剤を用いることが好ましい。

以上、プリズム４４４の光束入射面４４４Ｇに貼付される射出側偏光板４４３、液晶素子４４１Ｇ、入射側偏光板４４１および集光レンズ４４０の密着固定について説明したが、光束入射面４４４Ｒ，４４４Ｂに貼付される射出側偏光板４４３、液晶素子４４１Ｒ，４４１Ｂ、入射側偏光板４４１および集光レンズ４４０についても同様に、接着剤により、互いに密着固定されている。

以上のような本実施形態のプロジェクタ１によれば、以下の効果を奏することができる。
すなわち、各液晶素子４４１における入射側透光性基板４４１６の光束入射側の面には、当該液晶素子４４１の液晶層４４１１を覆うように、入射側偏光板４４２の光束射出側の面が密着固定され、入射側偏光板４４２の光束入射側の面には、当該入射側偏光板４４２を覆うように、集光レンズ４４０の光束射出側の面が貼付される。
また、各液晶素子４４１において射出側透光性基板４４１７の光束射出側の面には、当該液晶素子４４１の液晶層４４１１を覆うように、射出側偏光板４４３の光束入射側の面が密着固定され、当該射出側偏光板４４３の光束射出側の面には、プリズム４４４の光束入射面が貼付される。
これによれば、各液晶素子４４１の光束入射側および光束射出側に、塵埃等が侵入する隙間が無くなるので、当該各液晶素子４４１の画像形成領域に塵埃等が付着することを防ぐことができる。従って、液晶素子４４１により形成される画像中に、塵埃等の影が現れることを防ぐことができる。

また、各液晶素子４４１の光束入射側においては、入射側偏光板４４２および集光レンズ４４０が、また、光束射出側においては、射出側偏光板４４３およびプリズム４４４が、液晶層４４１１からの距離を広げて、付着した塵埃等に光束の焦点を合わないようにする防塵ガラスの役割を果たすため、当該液晶素子４４１における透光性基板４４１６，４４１７の外側に防塵ガラスを別途設ける必要を無くすことができる。従って、液晶素子４４１の構成を簡略化することができ、ひいては、プロジェクタ１の構成を簡略化することができる。

さらに、集光レンズ４４０、入射側偏光板４４２、液晶素子４４１、射出側偏光板４４３およびプリズム４４４を、それぞれ互いに接着剤により密着固定したことにより、各部材４４０〜４４３をプリズム４４４の光束入射面に取り付ける部材等を別途設ける必要を無くすことができる。従って、電気光学装置４４、ひいては、プロジェクタ１の構成をさらに簡略化することができ、プロジェクタ１の製造工程を簡略化することができる。

加えて、液晶素子４４１の光束入射側および光束射出側に配置された入射側偏光板４４２および射出側偏光板４４３は、それぞれに対向する液晶素子４４１の透光性基板４４１６，４４１７の光束入射側の面および光束射出側の面に密着固定されている。これによれば、液晶素子４４１による画像形成において必要な構成要素である入射側偏光板４４２および射出側偏光板４４３を用いて、当該液晶素子４４１の前述の防塵効果を奏することができる。従って、電気光学装置４４の不要な部品点数の増加を抑えることができ、電気光学装置４４の構成をより一層簡略化することができる。

〔２．第２実施形態〕
次に、本発明の第２実施形態に係るプロジェクタについて説明する。
本実施形態のプロジェクタは、第１実施形態で示したプロジェクタ１と同様の構成を備えるが、電気光学装置の構成において、プロジェクタ１と相違する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一または略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。

本実施形態のプロジェクタは、前述のプロジェクタ１と同様に、外装筐体２と、当該外装筐体２内に収納配置される投射レンズ３および光学ユニット４等を備えて構成されている。このうち、光学ユニット４は、照明光学装置４１と、色分離光学装置４２と、リレー光学装置４３と、電気光学装置４４Ａと、これら光学部品４１〜４４Ａを内部に収納配置する光学部品用筐体４５とを備えている。

図４は、本実施形態のプロジェクタが備える電気光学装置４４Ａの構成を模式的に示す平面図である。
電気光学装置４４Ａは、電気光学装置４４と同様に、照明光学装置４１から射出され、色分離光学装置４２およびリレー光学装置４３を介して入射する赤（Ｒ）、緑（Ｇ）、青（Ｂ）の各色光を変調して光学像を形成するものである。
この電気光学装置４４Ａは、図４に示すように、集光レンズ４４０、第１光学変換素子としての入射側偏光板４４２、液晶素子４４１、プリズム４４４、および、第２光学変換素子としての射出側偏光板４４５を備えて構成され、これらにより、電気光学装置４４Ａは一体的に構成されている。

詳述すると、液晶素子４４１Ｇにおける入射側透光性基板４４１６（図２参照）の光束入射側の面には、当該液晶素子４４１の液晶層４４１１（特に、画像形成領域）を覆うように、入射側偏光板４４２の光束射出側の面が、紫外線硬化性の接着剤により隙間なく密着固定されている。そして、入射側偏光板４４２の光束入射側の面には、当該入射側偏光板４４２を覆うように、集光レンズ４４０の光束射出側の面が貼付されている。
また、液晶素子４４１Ｇにおける射出側透光性基板４４１７（図２参照）の光束射出側の面には、当該液晶素子４４１の液晶層４４１１（特に、画像形成領域）を覆うように、プリズムの光束入射面４４４Ｇが、紫外線硬化性の接着剤により、隙間無く密着固定されている。

すなわち、緑色光の入射順に、集光レンズ４４０、入射側偏光板４４２、液晶素子４４１Ｇおよびプリズム４４４が、それぞれ密着固定されており、集光レンズ４４０と入射側偏光板４４２との間、入射側偏光板４４２と液晶素子４４１との間（特に、入射側偏光板４４２と入射側透光性基板４４１６との間）、および、液晶素子４４１とプリズム４４４との間（特に、射出側透光性基板４４１７と光束入射面４４４Ｇとの間）は、それぞれ隙間が生じないように、互いに密着固定されている。このため、各部材４４０〜４４２，４４４間に塵埃等が侵入することが防がれ、液晶素子４４１の画像形成領域に対応した光束入射面および光束射出面に塵埃等が付着することを防ぐことができる。

以上、プリズム４４４の光束入射面４４４Ｇに貼付される液晶素子４４１Ｇ、入射側偏光板４４１および集光レンズ４４０の密着固定について説明したが、光束入射面４４４Ｒ，４４４Ｂに貼付される液晶素子４４１Ｒ，４４１Ｂ、入射側偏光板４４１および集光レンズ４４０についても同様に、紫外線硬化性の接着剤により、互いに密着固定されている。

ここで、プリズム４４４の光束射出面４４４Ｓには、射出側偏光板４４５が設けられている。この射出側偏光板４４５は、前述の射出側偏光板４４３と同様の構成を備えており、光束射出面４４４Ｓに接着固定されている。このため、各液晶素子４４１で変調され、プリズム４４４で合成された光学像としての光束のうち、入射側偏光板４４２を透過した光束の偏光軸に対して直交する偏光軸を有する光学像としての光束のみが透過して、投射レンズ３により投射される。

以上のような本実施形態のプロジェクタによれば、前述のプロジェクタ１と同様の効果を奏することができる。
すなわち、各液晶素子４４１において入射側透光性基板４４１６の光束入射側の面には、当該液晶素子４４１の液晶層４４１１を覆うように、入射側偏光板４４２の光束射出側の面が密着固定され、入射側偏光板４４２の光束入射側の面には、当該入射側偏光板４４２を覆うように、集光レンズ４４０の光束射出側の面が貼付される。
また、各液晶素子４４１において射出側透光性基板４４１７の光束射出側の面には、当該液晶素子４４１の液晶層４４１１を覆うように、プリズム４４４の各光束入射面が密着固定される。
これによれば、各液晶素子４４１の光束入射側および光束射出側に、塵埃等が侵入する隙間が無くなるので、当該各液晶素子４４１の画像形成領域に塵埃等が付着することを防ぐことができる。従って、液晶素子４４１により形成される画像中に、塵埃等の影が現れることを防ぐことができる。

また、各液晶素子４４１の光束入射側においては入射側偏光板４４２および集光レンズ４４０が、また、光束射出側においてはプリズム４４４が、各液晶素子４４１の防塵ガラスの役割を果たすため、当該各液晶素子４４１における透光性基板４４１６，４４１７の外側に防塵ガラスを別途設ける必要を無くすことができる。従って、液晶素子４４１の構成を簡略化することができ、ひいては、プロジェクタ１の構成を簡略化することができる。

さらに、電気光学装置４４Ａを構成する集光レンズ４４０、入射側偏光板４４２、液晶素子４４１、プリズム４４４および射出側偏光板４４５は、それぞれ互いに接着剤等により密着固定されている。これによれば、各部材４４０〜４４２，４４５をプリズム４４４に取り付ける部材等を別途設ける必要を無くすことができる。従って、電気光学装置４４Ａの構成を簡略化することができ、当該電気光学装置４４の組立、ひいては、プロジェクタ１の製造を簡易に行うことができる。

加えて、プリズム４４４の光束射出面４４４Ｓには、入射側偏光板４４２を透過する偏光方向と直交する偏光方向を有する光束を透過する射出側偏光板４４５が、紫外線硬化性の接着剤により、密着固定されている。これによれば、各液晶素子４４１の光束射出側に射出側偏光板４４３を設けた前述のプロジェクタ１の構成に比べ、部品点数を削減することができ、電気光学装置４４Ａの構成を簡略化することができる。従って、電気光学装置４４Ａの組立を、一層簡略化することができる。

また、液晶素子４４１の光束入射側の防塵は、当該液晶素子４４１の光束入射側に配置された入射側透光性基板４４１６の光束入射側の面に密着固定された入射側偏光板４４２によって行われる。これによれば、前述のように、液晶素子４４１の画像形成において必要な入射側偏光板４４２を用いて、当該液晶素子４４１の防塵を行うことができるので、電気光学装置４４Ａの不要な部品点数の増加を抑制することができる。従って、電気光学装置４４Ａの構成をより一層簡略化することができる。

〔３．実施形態の変形〕
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記第１および第２実施形態では、第１光学変換素子として入射側偏光板４４２を、また、第２光学変換素子として射出側偏光板４４３，４４５を例示したが、本発明はこれに限らない。すなわち、第１光学変換素子として、他の光学特性を有する光学素子を液晶素子４４１の入射側透光性基板４４１６に密着固定するようにしてもよく、また、第２光学変換素子として他の光学特性を有する光学素子を、射出側透光性基板４４１７およびプリズム４４４の光束射出面４４４Ｓに密着固定するようにしてもよい。例えば、このような光学素子として、光学像の視野角を制御する視野角制御フィルタ、所定波長の色光を透過するカラーフィルタ等を挙げることができる。

前記第１実施形態では、集光レンズ４４０、入射側偏光板４４２、液晶素子４４１、射出側偏光板４４３およびプリズム４４４を、紫外線硬化性の接着剤により互いに密着固定し、前記第２実施形態では、集光レンズ４４０、入射側偏光板４４２、液晶素子４４１、プリズム４４４および射出側偏光板４４５を、紫外線硬化性の接着剤により互いに密着固定したが、本発明はこれに限らない。例えば、他の性質の接着剤により固定してもよく、各部材４４０〜４４５を互いに両面テープ等により密着固定するようにしてもよい。また、各部材４４０〜４４５の周囲を覆うようにしてテープ等で覆うようにして、各部材４４０〜４４５を密着固定するようにしてもよい。すなわち、隙間が生じないように各部材４４０〜４４５を密着固定できればよい。

前記各実施形態では、光学ユニット４は平面視略Ｌ字形状を有した構成を説明したが、これに限らず、例えば、平面視略Ｕ字形状を有した構成を採用してもよい。
また、前記各実施形態では、スクリーンを観察する方向から画像投射を行なうフロントタイプのプロジェクタ１のみを例示したが、本発明は、スクリーンを観察する方向とは反対側から画像投射を行なうリアタイプのプロジェクタにも適用可能である。

本発明は、プロジェクタに利用でき、特に光変調装置として液晶素子を用いたプロジェクタに好適に利用することができる。

本発明の第１実施形態に係るプロジェクタの構成を示す模式図。 前記実施形態における液晶素子の構成を模式的に示す横断面図。 前記実施形態における電気光学装置の構成を模式的に示す平面図。 本発明の第２実施形態に係るプロジェクタの電気光学装置の構成を模式的に示す平面図。

符号の説明

１…プロジェクタ、４１６…光源ランプ（光源）、４４０…集光レンズ、４４１（４４１Ｒ，４４１Ｇ，４４１Ｂ）…液晶素子、４４２…入射側偏光板（第１光学変換素子、偏光素子）、４４３，４４５…射出側偏光板（第２光学変換素子、偏光素子）、４４４…クロスダイクロイックプリズム（プリズム）、４４１１…液晶層、４４１６…入射側透光性基板（透光性基板）、４４１７…射出側透光性基板（透光性基板）。

Claims (3)

1. 光源から射出された光束を利用して画像情報に応じた光学像を形成し、当該光学像を投射するプロジェクタであって、
   入射光束を前記画像情報に応じて変調して、それぞれ異なる色の色画像を形成する複数の液晶素子と、
   前記複数の液晶素子の光束入射側および光束射出側にそれぞれ設けられ、入射光束を光学的に変換する複数の第１光学変換素子および複数の第２光学変換素子と、
   前記複数の液晶素子のそれぞれの光束入射側に配置される複数の集光レンズと、
   前記色画像としての光束が入射する複数の光束入射面を有し、当該複数の光束入射面を介して入射した光束を合成して光学像を形成するプリズムとを備え、
   前記複数の液晶素子のそれぞれは、
   一対の透光性基板と、当該一対の透光性基板の間に封入される液晶層とを備えて構成され、
   前記一対の透光性基板のうち、前記液晶層の光束入射側に配置される前記透光性基板の光束入射側の面には、当該液晶層を覆うように、前記第１光学変換素子がそれぞれ密着固定され、
   前記一対の透光性基板のうち、前記液晶層の光束射出側に配置される前記透光性基板の光束射出側の面には、当該液晶層を覆うように、前記第２光学変換素子がそれぞれ密着固定され、
   前記第１光学変換素子の光束入射側の面には、前記集光レンズの光束射出側の面がそれぞれ密着固定され、
   前記第２光学変換素子の光束射出側の面には、前記プリズムの光束入射面がそれぞれ密着固定されていることを特徴とするプロジェクタ。
2. 光源から射出された光束を利用して画像情報に応じた光学像を形成し、当該光学像を投射するプロジェクタであって、
   入射光束を前記画像情報に応じて変調して、それぞれ異なる色の色画像を形成する複数の液晶素子と、
   前記複数の液晶素子の光束入射側にそれぞれ設けられ、入射光束を光学的に変換する複数の第１光学変換素子と、
   前記複数の液晶素子のそれぞれの光束入射側に配置される複数の集光レンズと、
   前記色画像としての光束が入射する複数の光束入射面、および、当該複数の光束入射面を介して入射した光束を合成した光学像を射出する光束射出面を有するプリズムとを備え、
   前記複数の液晶素子のそれぞれは、
   一対の透光性基板と、当該一対の透光性基板の間に封入される液晶層とを備えて構成され、
   前記一対の透光性基板のうち、前記液晶層の光束入射側に配置される前記透光性基板の光束入射側の面には、当該液晶層を覆うように、前記第１光学変換素子がそれぞれ密着固定され、
   前記一対の透光性基板のうち、前記液晶層の光束射出側に配置される前記透光性基板の光束射出側の面には、当該液晶層を覆うように、前記プリズムの光束入射面がそれぞれ密着固定され、
   前記第１光学変換素子の光束入射側の面には、前記集光レンズの光束射出側の面がそれぞれ密着固定され、
   前記プリズムの光束射出面には、入射光束を光学的に変換する第２光学変換素子が配置されていることを特徴とするプロジェクタ。
3. 請求項１または請求項２に記載のプロジェクタにおいて、
   前記第１光学変換素子および前記第２光学変換素子の少なくともいずれかは、所定の偏光方向を有する光束の透過を許容し、他方の偏光方向を有する光束の透過を許容しない偏光素子であることを特徴とするプロジェクタ。

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