JP2007248694A - 電気光学装置及び電子機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】異方導電性シール材を介して対向配置される第1の基板及び第2の基板と、当該第1の基板及び第2の基板の間に狭持された電気光学物質と、を含む電気光学装置及びそのような電気光学装置を含む電子機器において、第1の基板は第1の電気配線を備え、第2の基板は第2の電気配線を備え、異方導電性シール材は、電気絶縁性接着剤と、導電性粒子と、を含むとともに、当該導電性粒子の周囲に、不均一に導電部材が形成してあり、かつ、当該導電性粒子の圧縮変形率が5〜20%未満の範囲内の値になるように押圧することによって、第1の電気配線と、第2の電気配線とを電気的接続させる。
【選択図】図1
Description
かかる液晶表示装置は、通常、第1の電気配線(走査電極)及びそれにつらなる第1の電気配線を有する第1の基板と、第2の電気配線(データ電極)及びそれにつらなる第2の電気配線(外部接続用端子を含む)を有する第2の基板と、当該第1の基板及び第2の基板の外周面に沿って配置されるとともに、第1の基板及び第2の基板を、周囲にて貼り合わせるためのシール材と、第1の基板及び第2の基板の間に封入された液晶材料と、から構成されている。
また、このような液晶表示装置に使用されるシール材としては、電気絶縁性接着剤中に、導電性粒子を含んで構成される異方導電性シール材が一般的である。そして、かかる異方導電性シール材によって、第1の基板上の電気配線と、第2の基板上の電気配線とが、接着固定されるとともに、電気的に接続されている。
しかしながら、異方導電性シール材中に含まれる導電性粒子は凝集しやすく、その凝集個数や、隣接する電気配線間の距離によっては、電気配線同士を電気的に接続してしまう場合があった。したがって、ショートが発生し、画像欠陥が見られる場合があった。
より具体的には、図10(a)および(b)に示すように、電気絶縁性接着剤中に、深さが0.05〜2μmであって、凸部の表面密度が1000〜500000個/mm2の表面凹凸を有する導電性粒子を所定量添加するとともに、当該導電性粒子の圧縮変形率を20〜80%の範囲内の値とした異方性導電膜が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、図11に示すように、電気絶縁性接着剤中に、表面凹凸を有する導電性粒子を、300〜650個/mm2の分散密度となるとともに添加するとともに、導電性粒子の圧縮変形率が5〜40%の範囲において、その値が急激に変化する異方性導電膜が提案されている(例えば、特許文献2参照)。すなわち、図11に示すラインのうち、C3で示される圧縮特性を示す導電性粒子が好ましいとされている。
また、特許文献2に記載された異方性導電膜は、圧縮変形率が急激に変化する導電性粒子を使用しなければならないという制約が大きい反面、ショートの発生を防止しながら、圧縮変形率の変化曲線を厳密に制御することは困難であるという問題が見られた。また、特許文献2に記載された異方性導電膜においても、図11中、C3で示される圧縮特性を示す導電性粒子を使用するとともに、かかる導電性粒子の圧縮変形率については、少なくとも40%以上が好ましいとしていた。
したがって、特許文献1および特許文献2に記載された異方性導電膜を、ギャップの小さい液晶装置等の異方導電性シール材に適用した場合、導電性粒子を過度に圧縮変形させなければならないことから、隣接する電気配線間でショートが発生しやすいばかりか、電気的接続が不安定になって、画像欠陥が生じやすいという問題が見られた。
すなわち、本発明は、電気光学装置において、所定の異方導電性シール材を用いることによって、一対の基板における電気配線間の電気的接続と、隣接する電気配線間でのショートの発生防止とのバランスに優れ、画像ムラの発生が少ない電気光学装置及びこのような電気光学装置を備えた電子機器を提供することを目的とする。
すなわち、導電性粒子の周囲に、不均一な導電部材を形成した異方導電性シール材を用いることによって、電気絶縁性接着剤を排除しやすくして、電気配線への電気接触を容易かつ確実にすることができる。また、不均一に形成された導電部材によって、押圧された際の導電性粒子の移動が制限されることから、隣接する電気配線間でのショートの発生防止に寄与することができる。さらにまた、導電性粒子の圧縮変形率を比較的低い値に制御することによって、導電性粒子の移動をより制限して、隣接する電気配線間でのショートの発生防止にさらに寄与することができる。
このように構成することにより、電気配線への電気接触の確実性等と、導電性粒子の移動性等と、のバランスをさらに良好なものとすることができる。
このように構成することにより、電気配線への電気接触の確実性等と、導電性粒子の移動性等と、のバランスをさらに良好なものとすることができる。また、開口部の大きさを考慮することによって、定量的に、これらの特性間のバランスを採ることができる。
このように構成することにより、薄型の電気光学装置であっても、一対の基板における電気配線間の電気的接続と、隣接する電気配線間でのショートの発生防止とのバランスがさらに良好になって、画像ムラの発生を少なくすることができる。
このように構成することにより、導電性粒子の凝集防止性と、一対の基板における電気配線間の電気的接続と、の間のバランスにさらに良好になるためである。
このように構成することにより、スペーサのグリップ性と、セルギャップの保持性と、の間のバランスが、さらに良好になるためである。
このように構成することにより、一対の基板における電気配線間の電気的接続と、隣接する電気配線間でのショートの発生防止とのバランスが、さらに良好になるためである。
このように構成することにより、一対の基板における電気配線間の電気的接続と、隣接する電気配線間でのショートの発生防止とのバランスが、良好であって、電子機器を薄型化した場合であっても、画像ムラの発生を少なくすることができる。
但し、かかる実施形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の範囲内で任意に変更することが可能である。
第1実施形態は、図1に例示されるように、異方導電性シール材23を介して対向配置される第1の基板30及び第2の基板60と、当該第1の基板30及び第2の基板60の間に狭持された電気光学物質21と、を含む電気光学装置10において、第1の基板(対向基板)30は、第1の電気配線33を備え、第2の基板(素子基板)60は、第2の電気配線28を備えている電気光学装置10である。
そして、図2に例示されるように、異方導電性シール材23は、電気絶縁性接着剤23bと、導電性粒子23aと、を含むとともに、当該導電性粒子23aの周囲に、不均一に導電部材が形成してあり、かつ、当該導電性粒子23aの圧縮変形率が5〜20%未満の範囲内の値になるように押圧することによって、第1の電気配線33と、第2の電気配線28と、を電気的接続させることを特徴としている。
但し、かかる実施形態の説明は、本発明の一態様を示すものであって、本発明の範囲内で任意に変更することが可能である。例えば、二端子型非線型素子であるTFD素子(Thin Film Diode)を備えたアクティブマトリクス構造の液晶装置であってもよく、さらには、スイッチング素子を備えていないパッシブマトリクス構造の液晶装置であっても良い。
(1)基本構成
まず、本実施形態に係る液晶装置の基本構成について説明する。図3(a)に液晶装置10の部分断面図を示し、図3(b)に、図3(a)の液晶装置10における素子基板60の平面図を示す。また、図4に、図3(a)の液晶装置における斜視図を示す。なお、それぞれの図中において、一部の部材を適宜省略してある。
ここで、図4に示すように、液晶装置10は、対向基板30と、素子基板60とが、それらの周辺部において異方導電性シール材23によって貼り合わせられ、さらに、対向基板30、素子基板60及び異方導電性シール材23によって囲まれる間隙内に、液晶材料21を収容して、いわゆるセル構造が形成されている。
また、対向基板30は、ガラスやプラスチック等から形成され、当該対向基板30上には、カラーフィルタすなわち着色層37r、37g、37bと、その着色層37r、37g、37bの上に形成された対向電極33と、その対向電極33の上に形成された配向膜45とを備えている。
また、反射領域Rにおける、着色層37r、37g、37bと対向電極33との間には、リタデーションを最適化するための絶縁層41を備えている。
また、着色層37r、37g、37bは、素子基板60側の画素電極63に対向する位置にR(赤)、G(緑)、B(青)又はC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)等といった各色のいずれかの色フィルタエレメントを備えている。また、着色層37r、37g、37bの隣であって、画素電極63に対向しない位置には、ブラックマスク又はブラックマトリクス、すなわち遮光膜39が設けられている。
また、かかる対向電極の厚さを1〜20μmの範囲内の値とすることが好ましく、2〜15μmの範囲内の値とすることがより好ましい。
この理由は、対向電極の厚さが1μm未満の値となると、電気抵抗の値が過度に大きくなる場合があって、液晶材料の駆動に悪影響を及ぼす場合があるためである。一方、対向電極の厚さが20μmを超えると、セルギャップにバラつきが生じたり、あるいは、電気光学装置の薄型化を図ったりすることが困難になる場合があるためである。
したがって、かかる対向電極の厚さを2〜15μmの範囲内の値とすることがより好ましい。
また、素子基板60は、ガラスやプラスチック等から形成され、当該素子基板60上には、スイッチング素子として機能するアクティブ素子としてのTFT素子69と、透明な絶縁膜81を挟んでTFT素子69の上層に形成された画素電極63とを備えている。
この画素電極63は、反射領域Rにおいては反射表示を行うための光反射膜79(63a)を兼ねて形成されるとともに、透過領域Tにおいては、ITO等からなる透明電極63bとして形成される。また、画素電極63における光反射膜79は、例えばAl(アルミニウム)、Ag(銀)等といった光反射性材料によって形成される。そして、画素電極63の上には、ポリイミド系の高分子樹脂からなる配向膜85が形成されるとともに、この配向膜85に対して、配向処理としてのラビング処理が施される。
そして、隣接する電極パターンの間隔(距離)を20〜50μmの範囲内の値とすることが好ましい。すなわち、後述するように、通常、シール材に含まれる導電性粒子の粒径が10μm程度であることを考慮して、隣接する電極パターン75間の距離を定めることが好ましい。
この理由は、かかる隣接する電極パターン間の距離が20μm未満の値となると、隣接する電極パターン間でショートが発生し、画像欠陥等が生じる場合があるためである。一方、かかる隣接する電極パターン間の距離が50μmを超えると、画素領域以外の面積が大きくなり、高精細な画像を表示させることが困難となる場合があるためである。
したがって、隣接する電極パターン間距離を22〜45μmの範囲内とすることがより好ましく、25〜40μmの範囲内とすることがさらに好ましい。
この理由は、かかる電極パターンの高さ(厚さ)が1μm未満の値となると、電気抵抗の値が過度に大きくなってしまう場合があるためである。一方、電極パターンの高さ(厚さ)が20μmを超えると、セルギャップにバラつきが生じたり、あるいは、電気光学装置の薄型化を図ることが困難になったりする場合があるためである。
したがって、電極パターン75の高さ(厚さ)を2〜18μmの範囲内の値とすることがより好ましく、3〜15μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、かかる電気配線28は、図1に示すように、第2の基板60における基板張出し部60Tまで延設され、一端側が外部接続用端子67として構成されており、その外部接続用端子67には、駆動用素子91やフレキシブル配線基板(FPC)93が実装されている。
なお、第2の電気配線28における隣接する電気配線間の距離に関して、異方導電性シール材に含まれる導電性粒子の平均粒径(s)を考慮して、その距離を定めることが好ましい。すなわち、より具体的には、異方導電性シール材に含まれる導電性粒子の平均粒径をs(μm)としたときに、第2の電気配線における隣接する電気配線間の距離を2.5s〜5s(μm)の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、このように構成することにより、一対の基板における電気配線間の電気的接続と、隣接する電気配線間でのショートの発生防止とのバランスが、さらに良好になるためである。
したがって、導電性粒子の平均粒径(s)を考慮して、第2の電気配線における隣接する電気配線間の距離を3s〜4.5s(μm)の範囲内の値とすることがより好ましい。
また、図3(a)に示すように、対向基板30の外側表面には、位相差板47が形成され、さらにその上に偏光板49が形成されている。同様に、素子基板60の外側表面には、位相差板87が形成され、さらにその下に偏光板89が形成されている。また、素子基板60の下方には、光源としてのバックライトユニット等(図示せず)が配置される。
また、図3(a)に示すように、スイッチング素子としてのTFT素子69は、ゲート電極71と、ゲート絶縁膜72と、半導体層70と、ソース電極73と、ドレイン電極66と、を備えている。
すなわち、素子基板60上に形成されたゲート電極71と、このゲート電極71の上で素子基板60の全域に形成されたゲート絶縁膜72と、このゲート絶縁膜72を挟んでゲート電極71の上方位置に形成された半導体層70と、その半導体層70の一方の側にコンタクト電極77を介して形成されたソース電極73と、さらに半導体層70の他方の側にコンタクト電極77を介して形成されたドレイン電極66と、を備えている。
したがって、かかるゲートバス配線は、液晶駆動用IC(図示せず)に電気的に接続されて、例えば走査線として作用し、他方、ソースバス配線は他の駆動用IC(図示せず)に電気的に接続されて、例えば信号線として作用する。
また、画素電極63は、互いに交差するゲートバス配線と、ソースバス配線と、によって区画される方形領域のうち、TFT素子69に対応する部分を除いた領域に形成されている。
また、有機絶縁膜81が、ゲートバス配線(図示せず)、ソースバス配線(図示せず)及びTFT素子69を覆って、素子基板60上の全域に形成されている。
但し、有機絶縁膜81のドレイン電極66に対応する部分には、コンタクトホール83が形成され、このコンタクトホール83によって、画素電極63と、TFT素子69のドレイン電極66との間で、電気的接続がなされている。
すなわち、液晶装置の素子基板上には、樹脂膜として、有機絶縁膜や配向膜等が設けられているとともに、導電膜として、画素電極やゲート電極、ソース電極、ドレイン電極等が設けられている。一方、対向するカラーフィルタ基板上には、樹脂膜として、着色層や遮光膜、絶縁膜、配向膜等が設けられているとともに、導電膜として、対向電極が設けられている。
以上のような構造を有する液晶装置10において、反射表示の際には、太陽光や室内照明光などの外光が、対向基板30側から液晶装置10に入射するとともに、着色層37r、37g、37bや液晶材料21等を通過して、光反射膜79に至る。そして、外光は反射され、再度液晶材料21や着色層37r、37g、37bなどを通過して、液晶装置10から外部へ出ることにより、反射表示が行われる。
一方、透過表示の際には、光源としてのバックライトユニット(図示せず)が点灯されるとともに、バックライトユニットから出射された光が、透光性の透明電極63b部分を通過する。したがって、着色層37r、37g、37b、液晶材料21などを通過して、液晶装置10の外部に導出されることにより、透過表示が行われることになる。
図2に示すように、異方導電性シール材23は、所定方向のみに電気的接続する導電性接着剤であって、第1の基板(対向基板)30と、第2の基板(素子基板)60とを、それらの周囲において接着して、貼り合わせるとともに、第1の基板30上の電気配線である第1の電気配線33と、素子基板60上の電気配線である第2の電気配線28と、を電気的接続させるための部材である。
そして、第1実施形態の電気光学装置10に使用される異方導電性シール材23は、図2に例示するように、電気絶縁性接着剤23bと、導電性粒子23aと、当該導電性粒子23aを分散させるための分散性粒子23dと、セルギャップを調整するためのスペーサ23cと、を含んでいる。すなわち、異方導電性シール材23において、分散性粒子23dと、スペーサ23cとを併用することにより、導電性粒子23aの凝集を防止して、当該導電性粒子23aの分散性を制御することができる。したがって、第1の電気配線33と、第2の電気配線28との間で、安定的な電気的接続がとられる一方、電気配線間でのショートの発生を有効に防止することができる。
まず、導電性粒子23aは、基材としての電気絶縁性接着剤23b中に含まれ、当該電気絶縁性接着剤23bを排除して、素子基板60上の第1の電気配線28と、対向基板30上の第2の電気配線28と、の双方に電気的接触することにより、それらの間の電気的接続を取るための材料である。
より具体的には、かかる導電性粒子の種類として、Ni、Ag、Au、Pd等の金属粒子、又はプラスチック粒子の表面にAuやNi等の金属メッキを施したものが一種単独、二種以上の組み合わせとして挙げることができる。
この理由は、このように異方導電性シール材に含まれるコア粒子23a´´´の周囲に、不均一な導電部材23a´を形成することによって、電気絶縁性接着剤23bを排除しやすくして、電気配線への電気的接触を容易かつ確実にすることができるためである。また、不均一に導電部材23a´が形成してあることにより、導電性粒子23aの表面摩擦力を向上させ、押圧された際の導電性粒子23aの移動を制限して、隣接する電気配線間でのショートの発生防止に寄与することができるためである。
なお、不均一に導電部材23a´が形成してあるといった場合、導電部材23a´の厚さが場所によって変わっていたり、異種金属が付着してあったり、所定の凹凸が形成されていたり、あるいは、後述するように、導電部材23a´の一部に開口部やクラックが設けてある状態を意味する。
すなわち、図7(a)に示すように、押圧前は、直径(高さ)X0を有する導電性粒子23aが、力(F)が矢印方向に加わって、高さXで表される導電性粒子23aに変形された場合、その圧縮変形率は、(X0−X)/X0×100で表され、その数字を所定範囲内の値に制御することになる。
この理由は、導電性粒子23aの圧縮変形率を、このように比較的低い値に制御することによって、押圧された際の導電性粒子23aの移動を制限して、隣接する電気配線間でのショートの発生防止にさらに寄与することができるためである。
逆に、圧縮変形率が20%以上の値になると、押圧された際に導電性粒子23aが移動しやすくなって、隣接する電気配線間でのショートの発生がおこりやすくなるとともに、所定箇所に存在する導電性粒子23aの数は減少して、電気的接続が不安定となるためである。
そこで、導電性粒子23aの圧縮変形率をむしろ低い値とすることが有効であることを見出し、5〜20%未満の範囲内の値と制限するものである。但し、圧縮変形率の値を過度に小さくすると、電気的接続性が再び不安定になる傾向がある。
したがって、導電性粒子23aの圧縮変形率を6〜18%の範囲内の値になるように押圧することがより好ましく、6.5〜10%の範囲内の値になるように押圧することがさらに好ましいと言える。
この理由は、かかる導電性粒子の平均粒径が1μm未満の値となると、素子基板60上の第1の電気配線28と、対向基板30上の第2の電気配線28と、の間で、安定的に電気的接続を確保することが困難になる場合があるためである。一方、導電性粒子の平均粒径が10μmを超えると、セルギャップが大きくなってしまい、液晶パネルの薄型化を図ることが困難になったり、隣接する電気配線間で、ショートが発生しやすくなったりする場合があるためである。
したがって、かかる導電性粒子の平均粒径を2〜9μmの範囲内の値とすることがより好ましく、3〜8μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
この理由は、かかる添加量が1重量%未満の値となると、素子基板上の第1の電気配線と、対向基板上の第2の電気配線との間の電気的接続性が低下する場合があるためである。一方、かかる導電性粒子の添加量が50重量%を超えると、異方導電性シール材の接着性が低下する場合があるためである。
したがって、異方導電性シール材の全体量を100重量%としたときに、導電性粒子の添加量を5〜45重量%の範囲内の値とすることがより好ましく、10〜40重量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
この理由は、このように構成することにより、第1および第2の電気配線に対する電気的接続の確実性等と、導電性粒子の移動性等と、のバランスをさらに良好なものとすることができるためである。
すなわち、導電性粒子の凹凸深さが、0.01μm未満の値になると、導電性粒子のグリップ性が低下して、隣接する電気配線間で、ショートが発生しやすくなる場合があるためである。一方、導電性粒子の凹凸深さが、0.05μm以上の値になると、安定的に製造することが困難となったり、隣接する導電性粒子における表面凹凸同士が勘合して、逆に、ショートが発生しやすくなったりする場合があるためである。
したがって、導電性粒子の凹凸深さを0.02〜0.04μmの範囲内の値とすることがより好ましい。
この理由は、このように構成することにより、電気配線への電気的接続の確実性等と、導電性粒子の移動性等と、のバランスをさらに良好なものとすることができるためである。すなわち、導電部材23a´に開口部23a´´と、導電性粒子の表面凹凸とが相俟って、電気配線に対する電気的接続の確実性が向上するとともに、導電性粒子の移動性については低下させることができるためである。
また、このように構成することにより、開口部の大きさを考慮することによって、定量的に、これらの特性間のバランスを採ることができるためである。
図2に示すように、異方導電性シール材23の一部を構成する電気絶縁性接着剤23bとしては、光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂等が使用できるが、より具体的には、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アミド樹脂、イミド樹脂等の一種単独または二種以上の組み合わせが挙げられる。ただし、耐熱性や耐湿性、さらには透明性に優れることからエポキシ樹脂を使用することが好ましい。
特に、エポキシ樹脂を用いる場合には、主剤として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂やビスフェノールF型エポキシ樹脂、あるいは脂環族エポキシ樹脂等を用いることが好ましい。そして、硬化剤として、アミン化合物、カルボン酸化合物、イミダゾール化合物、アミド化合物等を、例えば、主剤100重量部に対して、10〜50重量部の範囲で使用することが好ましい。
さらに、異方導電性シール材のガラス基板等への密着性等が良好となる一方、硬化収縮の値が調整できることから、各種フィラー、カップリング剤、ゴム成分等を、例えば、主剤100重量部に対して、0.1〜50重量部の範囲で使用することが好ましい。
図2に示すように、異方導電性シール材23の一部を構成する分散性粒子23dとしては、上述した導電性粒子23aの間に介在して、隣接する導電性粒子23aが相互接触して、結合することを有効に防止するとともに、異方導電性シール材23中における導電性粒子23aの分散性を制御するための材料である。
すなわち、逆に、分散性粒子を添加しない場合、例えば、複数の導電性粒子が結合して、凝集することにより、素子基板上の隣接する走査電極同士が電気的に接続され、ショートが発生しやすくなるためである。
ここで、かかる分散性粒子の構成材料としては、シリカ、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、及びその水素化物(SEBS)、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等を好適に使用することができる。中でも、硬度や圧縮特性が高く、さらには優れた透明性を有することから、シリカを使用することが好ましい。
この理由は、かかる分散性粒子の平均粒径が0.3s(μm)未満の値となると、導電性粒子を均一に分散させることが困難となり、導電性粒子が凝集してしまう場合があるためである。一方、かかる分散性粒子の平均粒径が0.9s(μm)を超えると、導電性粒子を、素子基板上の第1の電気配線及び対向基板上の第2の電気配線の双方に対して電気的接触させることが困難となる場合があるためである。
したがって、導電性粒子の平均粒径をs(μm)としたときに、分散性粒子の平均粒径を0.4s〜0.85s(μm)の範囲内の値とすることがより好ましく、0.5s〜0.8s(μm)の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、より具体的には、分散性粒子の平均粒径を1〜7μmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる分散性粒子の添加量が50重量%未満の値となると、導電性粒子を均一に分散させることが困難となり、導電性粒子が凝集してしまう場合があるためである。一方、かかる分散性粒子の添加量が300重量%を超えると、導電性粒子の分散性にバラつきが生じ、電気的接続が低下する場合があるためである。
したがって、導電性粒子の添加量を100重量%としたときに、分散性粒子の添加量を60〜250重量%の範囲内の値とすることがより好ましく、70〜200重量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
図2に示すように、異方導電性シール材23の一部を構成するスペーサ23cは、セルギャップを調整するための部材である。すなわち、かかるスペーサを含むことにより、異方導電性シール材の接着領域全体におけるセルギャップを、均一に保持することができる。
かかるスペーサの材料としては、プラスチックファイバー、グラスファイバー、シリカ粒子等を好適に使用することができるが、比較的軽量で分散させやすく、かつ、優れた圧縮特性を有することから、プラスチックファイバーを使用することが好ましい。
この理由は、かかるアスペクト比が1:2未満となると、グリップ力が低下して、移動しやすくなり、均一に分散させることが困難になる場合があるためであり、一方、かかるアスペクト比が1:6を超えると、スペーサの長軸方向からの圧力に対する強度が低下して、セルギャップを均一に保持することが困難になる場合があるためである。
したがって、スペーサのアスペクト比を1:2〜1:5の範囲内の値とすることがより好ましく、1:2〜1:3の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、スペーサとして粒子状物を使用する場合には、上述した分散性粒子との相違点として、分散性粒子の平均粒径を100%としたときに、当該スペーサの平均粒径を105〜200%の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかるスペーサの添加量が3重量%未満の値となると、セルギャップにバラつきが生じる場合があるためである。一方、かかるスペーサの添加量が30重量%を超えると、異方導電性シール材の接着性が低下する場合があるためである。
したがって、異方導電性シール材の全体量を100重量%としたときに、スペーサの添加量を1.5〜25重量%の範囲内の値とすることがより好ましく、2.5〜20重量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
異方導電性シール材23の使用方法は、特に制限されるものではないが、一例であるが、図8(a)〜(c)に示すような態様で使用することができる。
すなわち、図8(a)に示すように、素子基板60上の第1の電気配線28に対して、所定場所に載置する。この状態では、異方導電性シール材23における導電性粒子23aは、電気絶縁性接着剤23bに包囲されているため、第1の電気配線28に対して、電気的接触状態にはない。
なお、電気接続後における第1の基板及び第2の基板との間の異方導電性シール材の厚さを2〜10μm未満の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、このように圧着後の異方導電性シール材の厚さを制御することにより、薄型の電気光学装置であっても、一対の基板における電気配線間の電気的接続と、隣接する電気配線間でのショートの発生防止とのバランスがさらに良好になって、画像ムラの発生を少なくすることができるためである。
すなわち、かかる異方導電性シール材の厚さが2μm未満の値になると、隣接する電気配線間でのショートが発生しやすくなる場合があるためである。一方、かかる異方導電性シール材の厚さが10μm以上の値になると、一対の基板における電気配線間の電気的接続が、不安定になる場合があるためである。
したがって、電気配線間の電気的接続と、隣接する電気配線間でのショートの発生防止とのさらなるバランスを考慮して、圧着後の異方導電性シール材の厚さを3〜8μm未満の範囲内の値とすることがより好ましいと言える。
本発明に係る第2実施形態として、第1実施形態の液晶表示装置を備えた電子機器について具体的に説明する。
図9は、本実施形態の電子機器の全体構成を示す概略構成図である。この電子機器は、液晶パネル200と、これを制御するための制御手段1200とを有している。また、図9中では、液晶パネル200を、パネル構造体200Aと、半導体素子(IC)等で構成される駆動回路200Bと、に概念的に分けて描いてある。また、制御手段1200は、表示情報出力源1210と、表示処理回路1220と、電源回路1230と、タイミングジェネレータ1240とを有することが好ましい。
また、表示情報出力源1210は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等からなるメモリと、磁気記録ディスクや光記録ディスク等からなるストレージユニットと、デジタル画像信号を同調出力する同調回路とを備え、タイミングジェネレータ1240によって生成された各種のクロック信号に基づいて、所定フォーマットの画像信号等の形で表示情報を表示情報処理回路1220に供給するように構成されていることが好ましい。
そして、本実施形態の電子機器であれば、異方導電性シール材に含まれる導電性粒子が、過度に凝集しないで、適度に分散して存在している液晶表示装置を使用している。そのために、電気配線の断線やショートの発生がなく、信頼性に優れた電子機器とすることができる。
したがって、本発明の電気光学装置は、例えば、携帯電話機やパーソナルコンピュータ等をはじめとして、液晶テレビ、ビューファインダ型・モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電気泳動装置、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた電子機器、電子放出素子を用いた装置(FED:Field Emission DisplayやSCEED:Surface-Conduction Electron-Emitter Display)、無機エレクトロルミネッセンス装置又は有機エレクトロルミネッセンス装置等に、好適に使用することができる。
Claims (8)
- 異方導電性シール材を介して対向配置される第1の基板及び第2の基板と、当該第1の基板及び第2の基板の間に狭持された電気光学物質と、を含む電気光学装置において、
前記第1の基板は第1の電気配線を備え、
前記第2の基板は第2の電気配線を備え、
前記異方導電性シール材は、電気絶縁性接着剤と、導電性粒子と、を含むとともに、当該導電性粒子の周囲に、不均一に導電部材が形成してあり、かつ、当該導電性粒子の圧縮変形率が5〜20%未満の範囲内の値になるように押圧することによって、前記第1の電気配線と、第2の電気配線とを電気的接続させることを特徴とする電気光学装置。 - 前記導電性粒子の凹凸深さを0.01〜0.05μm未満の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
- 前記導電性粒子が、電気絶縁性粒子と、導電部材とから構成されているとともに、当該導電部材に開口部があって、前記電気絶縁性粒子の一部が露出していることを特徴とする請求項1または2に記載の電気光学装置。
- 前記第1の基板及び第2の基板との間の異方導電性シール材の厚さを2〜10μm未満の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電気光学装置。
- 前記異方導電性シール材中に分散性粒子を含むとともに、前記導電性粒子の平均粒径をs(μm)としたときに、当該分散性粒子の平均粒径を0.3s〜0.9s(μm)の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の電気光学装置。
- 前記異方導電性シール材中に針状スペーサを含むとともに、当該針状スペーサのアスペクト比を1:2〜1:6の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の電気光学装置。
- 前記異方導電性シール材に含まれる導電性粒子の平均粒径をs(μm)としたときに、前記第1の電気配線又は第2の電気配線における、隣接する電気配線間の距離を2.5s〜5s(μm)の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の電気光学装置。
- 請求項1〜7のいずれかに記載された電気光学装置を備えることを特徴とする電子機器。
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