JP2007242997A - ボール搭載方法およびボール搭載装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】吸着ヘッドでの余剰ボール現象の発生を抑制できるボール搭載方法を提供すること。
【解決手段】1つのボールをそれぞれ吸着する複数の吸着孔が形成された吸着ヘッドと、複数の吸着孔に吸着される前の複数のボールが収納される収納容器とを備えるボール搭載装置を用いて、複数の吸着孔に吸着された複数のボールを基板上に搭載するボール搭載方法では、収納容器内の複数のボールへ向かって気体を噴出する気体噴出工程S4と、気体噴出工程S4後に複数の吸着孔へ複数のボールを吸引する吸引工程S5とを備える。
【選択図】図6

Description

本発明は、複数のボールを基板上に搭載するボール搭載方法およびボール搭載装置に関する。
従来から、半導体素子や回路基板等の製造分野では、半田ボール等の導電性を有する微小なボールを半導体ウェハ等の基板上に搭載するボール搭載装置が広く用いられている。この種のボール搭載装置として、複数のボールを吸着する複数の吸着孔が形成された吸着ヘッドと吸着前のボールが収納されたボール収納容器とを備え、吸着ヘッドが複数のボールを吸着した後、その状態で所定位置まで移動して、ボールを基板上に搭載するボール搭載装置が知られている(たとえば、特許文献1および2参照)。
特許文献1および2に記載されたボール搭載装置は、図15に示すように、各吸着孔101にそれぞれ、1つずつボール102が吸着されるように構成されている。そして、特許文献1に記載のボール搭載装置では、各吸着孔へ均一にボールを吸着させるために、メッシュからなる通気性材料をボール収納容器や吸着ヘッドに配設して、各吸着孔に吸引される空気の流れを均一化している。また、特許文献2に記載のボール搭載装置では、ボール吸着時の空気の流れによって、ボール収納容器の中央部分にボールが集まることに起因して発生する吸着ヘッドの外周部付近でのボールの吸着ミスを防止するために、エアシリンダからなる空気流入調整手段でボール収納容器を傾斜させて、吸着ヘッドとボール収納容器との隙間を流れる空気の量の制御を行っている。
特開2004−31585号公報 特開2003−7752号公報
近年、基板には、高密度に配設された端子を備える素子が実装されたり、高密度で複数の素子が実装されるようになってきている。そのため、最近の基板では、ボールが搭載される基板上の電極間のピッチが狭くなり、1枚の基板に形成される電極の数、すなわち、1枚の基板に搭載されるボールの数が非常に多くなっている。また、作業効率を上げるため、ボールを基板上に搭載するボールの搭載工程の時間短縮化の要請も年々高まっている。
このような状況下で、出願人が新たに開発しつつあるボール搭載装置では、基板上に搭載されるボールを吸着して搬送する吸着ヘッドには、膨大な数の吸着孔が形成されている。そのため、ボールの吸着時には、吸着ヘッドの吸着面の中心部へ向かうボールの吸引力が従来よりも大きくなり、従来以上に、ボールの吸着時に吸着ヘッドの吸着面の中心部にボールが集まりやすくなる。その結果、吸着ヘッドの吸引力の大きさあるいは吸着孔とボールとの間に生じる隙間等の影響で、特にボールが集まりやすい吸着ヘッドの吸着面の中心部では、図16に示すように、1つの吸着孔111に複数のボール112が吸着されて、複数のボール112が吸着面に房状にかたまって集まるいわゆる余剰ボール現象が発生しやすくなる。
しかしながら、特許文献1および2に記載されたボール搭載装置では、この余剰ボール現象の発生を抑制するための構成は開示されていない。
そこで、本発明の課題は、吸着ヘッドでの余剰ボール現象の発生を抑制できるボール搭載方法を提供することにある。また、本発明の課題は、吸着ヘッドでの余剰ボール現象の発生を抑制可能な構成を備えたボール搭載装置を提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明は、1つのボールをそれぞれ吸着する複数の吸着孔が形成された吸着ヘッドと、複数の吸着孔に吸着される前の複数のボールが収納される収納容器とを備えるボール搭載装置を用い、複数の吸着孔に吸着された複数のボールを基板上に搭載するボール搭載方法において、収納容器内の複数のボールへ向かって気体を噴出する気体噴出工程と、気体噴出工程後に複数の吸着孔へ複数のボールを吸引する吸引工程とを備えることを特徴とする。
本発明のボール搭載方法は、収納容器内の複数のボールへ向かって気体を噴出する気体噴出工程を備えている。そのため、気体噴出工程で噴出される気体によって、ボールが吸着される吸着ヘッドの吸着面の中心部に対応する収納容器内の部分のボールの密度を下げることが可能になる。また、この気体噴出工程後に、吸引工程でボールを吸引して、吸着孔へのボールの吸着を開始するため、特に吸着ヘッドの吸着面の中心部で生じやすい余剰ボール現象の発生を抑制できる。その結果、本発明のボール搭載方法では、吸着ヘッドの吸着面全体での余剰ボール現象の発生も抑制できる。
本発明において、気体噴出工程では、複数の吸着孔から気体を噴出することが好ましい。このように構成すると、吸着ヘッドおよび収納容器の構成を簡素化できる。また、基板に搭載されるボールは年々小さくなる傾向にある。それに伴って、吸着孔の径も年々小さくなってきており、吸着ヘッドの周りに浮遊する塵埃が微細なものであっても、吸着孔に塵埃が詰まりやすくなる。吸着孔に塵埃が詰まると、その吸着孔ではボールの吸着ができなくなる。ここで、気体噴出工程で、複数の吸着孔から気体を噴出するように構成すると、複数の吸着孔から噴出された気体によって、吸着ヘッドの周りの塵埃を収納容器の外周側に向かって吹き飛ばすことができる。また、収納容器の外周側に向かって塵埃を吹き飛ばした後に、吸引工程でボールを吸引するため、吸着孔に塵埃が詰まることがなく、吸着孔へボールを確実に吸着することができる。なお、仮に、吸着孔で目詰まりが発生した場合であっても、ボールの吸引前に、吸着孔の目詰まりを解消することができる。
本発明において、収納容器に向かって吸着ヘッドを降下させるヘッド降下工程を備え、ヘッド降下工程後に、気体噴出工程で気体を噴出することが好ましい。このように構成すると、より効果的に余剰ボール現象の発生を抑制できる。
また、上記の課題を解決するため、本発明は、1つのボールをそれぞれ吸着する複数の吸着孔が形成された吸着ヘッドと、複数の吸着孔に吸着される前の複数のボールが収納される収納容器とを備え、複数の吸着孔に吸着された複数のボールを基板上に搭載するボール搭載装置において、複数の吸着孔から収納容器内の複数のボールへ向かって気体を噴出する気体噴出手段を備えることを特徴とする。
本発明のボール搭載装置は、複数の吸着孔から収納容器内の複数のボールへ向かって気体を噴出する気体噴出手段を備えている。そのため、気体噴出手段によって吸着孔から噴出される気体によって、ボールが吸着される吸着ヘッドの吸着面の中心部に対応する収納容器内の部分のボールの密度を下げることができる。したがって、吸着孔から気体を噴出した後に、吸着孔へのボールの吸引を開始することで、特に吸着ヘッドの吸着面の中心部で生じやすい余剰ボール現象の発生を抑制できる。その結果、本発明のボール搭載装置では、吸着ヘッドの吸着面全体での余剰ボール現象の発生も抑制できる。また、吸着孔から噴出される気体によって、吸着孔の目詰まりを解消することができる。その結果、吸着孔へボールを確実に吸着することができる。
本発明において、収納容器の底面部に、複数の貫通孔が形成されていることが好ましい。このように構成すると、ボールの吸着時における吸着ヘッドの吸着面の中心部へ向かうボールの吸引力を小さくすることができる。そのため、余剰ボールの発生をより効果的に抑制することができる。
以上説明したように、本発明にかかるボール搭載方法は、吸着ヘッドでの余剰ボール現象の発生を抑制することができる。また、本発明にかかるボール搭載装置は、吸着ヘッドでの余剰ボール現象の発生を抑制することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
(ボール搭載装置の概略構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかるボール搭載装置1の主要部の概略構成を示す正面図である。図2は、図1の矢印X方向から吸着搬送部4およびボール供給部5を示す側面図である。
本形態のボール搭載装置1は、導電性を有する複数の微小なボール2を基板3上に搭載するように構成されている。このボール搭載装置1は、図1および図2に示すように、複数のボール2を吸着して搬送する吸着搬送部4と、複数のボール2を供給するボール供給部5と、複数のボール2が基板3上に搭載されるボール搭載部6とを備えている。また、ボール搭載装置1は、吸着搬送部4がボール供給部5でボール2を適切に吸着することができない吸着不良が発生したときや、吸着搬送部4に吸着されたボール2の全てがボール搭載部6で基板3上に搭載されず吸着搬送部4にボール2が残ってしまういわゆる残留ボール現象が発生したときに、吸着搬送部4からボール2を除去するボール廃棄容器18を備えている。ここで、上述した吸着不良には、吸着搬送部4に形成された後述の複数の吸着孔20aの全てにボール2が吸着されず、ボール2が吸着されない吸着孔20aが存在するノーボール現象と、1つの吸着孔20aに複数のボール2が吸着されて複数のボール2が房状にかたまって集まる余剰ボール現象とがある。なお、図1および図2では、ボール供給部5の断面図が図示されている。
ボール2は、たとえば、半田ボールや金ボール、銀ボール、銅ボール、ニッケルボール等の金属製の微小ボールである。本形態のボール搭載装置1で用いられるボール2の直径は、たとえば、200μm〜500μmである。また、ボール2の重さは、たとえば、直径200μmのもので0.03mg、直径300μmのもので0.11mgとなっている。なお、ボール2は、たとえば、プラスチックやガラス、石英等の絶縁部材からなる絶縁ボールの表面に、半田や金、銀、銅等の導電性材料をコーティングしたものであっても良い。また、ボール2の直径は、200μm以下であっても良いし、500μm以上であっても良い。
基板3上には、複数のボール2がそれぞれ搭載、接合される複数の電極(図示省略)が形成されている。複数の電極は、たとえば、400μmから600μmのピッチで形成されており、各電極間のピッチは非常に狭くなっている。また、基板3上には、非常に多くの数の電極が形成されている。たとえば、基板3上には、約5000〜約16000個の電極が形成されている。
吸着搬送部4は、図1および図2に示すように、ボール2を吸着する吸着ヘッド8と、吸着ヘッド8に衝撃を与える4本の単動エアシリンダ10と、吸着ヘッド8および単動エアシリンダ10が取り付けられる本体部11とを備えている。
本体部11は、図示を省略する駆動機構に連結されており、図1の上下方向、左右方向および紙面垂直方向に移動可能となっている。本体部11の下端部には、吸着ヘッド8が取り付けられるヘッド取付部11aが形成されている。また、図1における本体部11の左右両側面にはそれぞれ、シリンダ取付部材12、12が固定されており、各シリンダ取付部材12には、単動エアシリンダ10が取り付けられたL形状のブラケット13が2つずつ固定されている。吸着ヘッド8の詳細な構成は後述する。
単動エアシリンダ10は、ボール除去部7で吸着ヘッド8からボール2を除去する際等に、吸着ヘッド8に衝撃を与える。この単動エアシリンダ10は、図1等に示すように、シリンダ本体39とピストンロッド40とを備えており、ピストンロッド40の先端にはハンマー41が固定されている。ピストンロッド40は、図示を省略するコンプレッサーから供給される圧縮エアによって下方向へ駆動され、シリンダ本体39に内蔵されたバネ(図示省略)によって上方向へ駆動される。また、4本の単動エアシリンダ10はそれぞれ、ピストンロッド40が突出したときに、ハンマー41が、吸着ヘッド8の上面に固定された後述の衝突板24に衝突するように、ブラケット13に固定されている。
ボール供給部5は、図1および図2に示すように、図示を省略するボール供給装置から供給され、吸着搬送部4に吸着される前の複数のボール2が収容される収納容器としてのボール受入容器15と、ボール受入容器15を振動させる振動発生手段16と、ボール受入容器15が支持されるとともに振動発生手段16が収納される支持筐体43とを備えている。
ボール受入容器15は、図1等に示すように、矩形状の底面部を有するとともに上面が開口した箱状に形成されている。このボール収納容器15は、図1に示すように、板バネ等の弾性部材44を介して、支持筐体43の上面側で支持されている。具体的には、ボール収納容器15の4隅の近傍にそれぞれ取り付けられた弾性部材44を介して、ボール収納容器15が支持筐体43に支持されている。また、ボール受入容器15の下面には、磁性材料で円板状に形成された磁性板45が固定されている。
振動発生手段16は、図1等に示すように、磁性材料で円柱状に形成されたコア46と、コア46に巻回されたコイル47とを備える電磁石である。コア46の上端面は、ボール受入容器15の下面に固定された磁性板45に対向している。そして、コア46は、コイル47が通電状態になると、磁性板45を吸着し、また、その状態でコイル47が非通電状態になると、吸着した磁性板45を解放する。このように、コア46が磁性板45を吸着、解放することで、振動発生手段16は、ボール受入容器15を図示上下方向に振動させる。そして、振動発生手段16による振動で、ボール受入容器15に収容された複数のボール2は、図1や図2の二点鎖線で示すように、ボール受入容器15の底面から上方へ大きく跳躍する。このときのボール受入容器15の底面からの跳躍量は、たとえば、15mmから17mm程度である。
ボール搭載部6は、図1に示すように、基板3が載置される基板載置台17を備えている。この基板載置台17は、図示を省略する駆動機構に連結されており、図1の上下方向、左右方向および紙面垂直方向に平行移動可能に構成されるとともに、回動可能になっている。
ボール廃棄容器18は、図1に示すように、矩形状の底面部を有するとともに上面が開口した箱状に形成されている。
吸着搬送部4は、ボール供給部5で複数のボール2を吸着した後、図示を省略する駆動機構によって、図1の右方向に移動して、基板3上に形成された複数の電極(図示省略)のそれぞれに、ボール2を搭載する。そして、基板3上に搭載された複数のボール2は、所定の工程を経て基板3上に接合される。また、吸着搬送部4は、基板3上にボール2を搭載した後、ボール供給部5まで戻る。吸着搬送部4によるボール2の搭載工程の詳細については後述する。
(吸着ヘッドの構成)
図3は、図1に示す吸着ヘッド8および吸着ヘッド8に接続されるエア機器の構成を示す図である。図4は、図3に示す吸着部20cを示す図であり、(A)は、図3のY方向から吸着部20cを示し、(B)は、(A)のW部を拡大して示す。図5は、図3のZ部を拡大して示す拡大断面図である。
吸着ヘッド8は、図3から図5に示すように、ボール受入容器15内の複数のボール2の中から、1つのボール2をそれぞれ吸着する複数の吸着孔20aが形成された吸着治具20と、吸着治具20が交換可能に取り付けられたヘッド本体21とを備えている。また、吸着ヘッド8の内部には、図3に示すように、エアチャンバ(空気室)22が形成されている。
図3に示すように、エアチャンバ22には、エアチャンバ22内の圧力を負圧(大気圧よりも低い圧力)にするために、エアチャンバ22内のエア(空気)を吸引する気体吸引手段としてのブロア25が接続されている。具体的には、ブロア25は、2つの継ぎ手23、23、2本のホース27、27およびパイプ28等の配管を介してエアチャンバ22に接続されている。そして、吸着ヘッド8では、エアチャンバ22内の圧力を負圧にすることで、吸着孔20aへのボール2の吸着が行われる。また、エアチャンバ22には、エアチャンバ22内の圧力を正圧(大気圧よりも高い圧力)にして吸着孔20aからエア(空気)を噴出する(すなわち、エアチャンバ22内に圧縮エアを供給する)気体噴出手段としてのコンプレッサー26が接続されている。具体的には、コンプレッサー26は、継ぎ手23、23、ホース27、27およびパイプ28等の配管を介してエアチャンバ22に接続されている。なお、本形態のコンプレッサー26は、吸着孔20aへのボール2の吸着時に、エアチャンバ22内に圧縮エアを供給して、エアチャンバ22の内部の圧力を調整する機能も果たしている。
ヘッド本体21は、図1から図3に示すように、中空の直方体状に形成されるとともに、吸着治具20が取り付けられる下側が開口した箱状に形成されている。ヘッド本体21の上面側には、2つの貫通孔21a、21aが形成されており、この貫通孔21a、21aが形成された位置に対応するように継ぎ手23、23がヘッド本体21の上面に固定されている。また、ヘッド本体21の上面の4隅にはそれぞれ、矩形で板状の衝突板24が固定されている。この衝突板24には、上述のように、4本の単動エアシリンダ10のピストンロッド40の先端に固定されたハンマー41がそれぞれ衝突する。
吸着治具20は、ヘッド本体21に取り付けられる上側が開口した箱状に形成されている。具体的には、吸着治具20は、ヘッド本体21に取り付けられる中空の直方体状の取付部20bと、取付部20bの下側に配置され、複数の吸着孔20aが形成された吸着部20cとから構成されている。吸着部20cは、取付部20bよりも小さな中空の直方体状に形成されている。また、吸着部20cの下面側に吸着孔20aが形成されており、この吸着部20cの下面は吸着面20dとなっている。
吸着面20dには、吸着孔20aにボール2を吸着する際に、吸着孔20a以外の面にボール2が付着しないように、非付着性の表面処理が施されている。具体的には、吸着面20dには、クロムメッキ処理、フッ素樹脂のコーティング処理、あるいは、非粘着性の粒子または分子を含有する複合被膜(たとえば、ニッケルと窒化ホウ素粒子を含有する複合被膜)のコーティング処理が施されている。なお、吸着治具20の表面の全体に、非付着性の表面処理が施されていても良い。
吸着孔20aは、上述のように、吸着部20cに形成されている。具体的には、複数の吸着孔20aは、図5に示すように、吸着部20cを貫通してエアチャンバ22に連通するように形成されている。この吸着孔20aの下端部20eは、下方向に向かって径が次第に大きくなる傾斜面となっており、図5に示すように、この円錐状の下端部20eにボール2が当接して吸着される。また、吸着孔20aの径は、たとえば、100μm〜180μmであり、下端部20eの傾斜面の傾斜角度αは、たとえば、150°である。
図4(A)に示すように、吸着面20dには、複数の吸着孔20aがたとえば矩形状に配列されて構成された複数の吸着孔ユニット20fが形成されている。また、この複数の吸着孔ユニット20fから吸着孔ブロック20gが構成されている。たとえば、吸着面20dには、図4に示すように、横に3列、縦に3行の合計で9個の吸着孔ユニット20fが配列されて吸着孔ブロック20gが構成されている。また、図4に示す例では、吸着面20dに吸着孔ブロック20gが2個並んで配置されている。
ここで、ボール2が搭載される基板3は多種多様であり、また、基板3上の電極の配列も多種多様である。そのため、吸着孔ユニット20fでの吸着孔20aの配列は矩形状には限定されず、基板3上に形成される電極の配列等に応じて、種々の形状となる。また、吸着孔ブロック20gでの吸着孔ユニット20fの配列も横3列、縦3行には限定されず、種々の配列がある。さらに、吸着孔ブロック20gの2個には限定されず、吸着孔ブロック20gが1個の場合もあれば、3個以上の場合もある。なお、近年のボール搭載装置1では、従来よりも多くの吸着孔20aが吸着部20cに形成されている。たとえば、約5000〜約16000個の吸着孔20aが吸着部20cに形成されている。
吸着治具20は、上述のように、ヘッド本体21の下側に交換可能に取り付けられている。上述のように、ボール2が搭載される基板3は多種多様であり、また、基板3上の電極の配列も多種多様である。そのため、吸着治具20の交換が頻繁に行われても治具の交換時間を短縮できるように、吸着治具20のヘッド本体21への着脱が容易になっている。たとえば、吸着治具20は、フック式ファスナ(たとえば、タキゲン社の製品番号C−1075のフック式ファスナ)によって、ヘッド本体21に取り付けられる。また、エアチャンバ22からエア漏れが発生しないように、ヘッド本体21と吸着治具20との連結部はシール材で密閉されている。
エアチャンバ22とブロア25とを接続するパイプ28の途中には、図3に示すように電磁弁29が取り付けられている。この電磁弁29は、ブロア25によるエアチャンバ22内のエアの吸引を行ったり、エアの吸引を停止するオンオフ用の電磁弁である。また、ブロア25と電磁弁29との間には、パイプ28から分岐するように、圧力調整弁30が取り付けられている。この圧力調整弁30は、エアチャンバ22の圧力が過度に低下しても、ブロア25に過負荷がかからないように設けられた安全用のリーク弁であり、圧力調整弁30からパイプ28へ常時、エアが流れ込んでいる。
また、図3に示すように、エアチャンバ22と電磁弁29との間には、パイプ28から分岐するように、2個の電磁弁50、51が取り付けられている。本形態の電磁弁50、51は、吸着孔20aへのボール2の吸着時のエアチャンバ22内部の圧力を調整する機能を果たすリーク弁である。すなわち、電磁弁50、51がオンの状態になると、電磁弁50、51、パイプ28およびホース27を介して、外部からエアチャンバ22へエアが流れ込む。また、電磁弁50、51がオフの状態になると、外部からエアチャンバ22へのエアの流れ込みが停止する。このように、電磁弁50、51をオンオフすることで、エアチャンバ22内部の圧力調整が可能になる。特に本形態では、2個の電磁弁50、51をリーク弁として備えているため、エアチャンバ22内部の圧力調整が容易になる。
なお、本形態では、電磁弁50、51の口径がそれぞれ相違し、たとえば、電磁弁50の口径が大きく、電磁弁51の口径が小さい。すなわち、電磁弁50を介してエアチャンバ22へ流れ込むエアの量は、電磁弁51を介してエアチャンバ22へ流れ込むエアの量よりも多い。そのため、電磁弁50、51によって、エアチャンバ22の内部圧力を3段階で調整することができ、エアチャンバ22内部の圧力調整がより容易となる。
本形態では、ブロア25によってエアが吸引されたエアチャンバ22内の圧力は、コンプレッサー26や電磁弁50、51によって調整されて、たとえば、約5〜22kPaの負圧(すなわち、大気圧よりも約5〜22kPa低い圧力)となる。また、このときのブロア25での設定吸引圧力は、約24kPaである。
エアチャンバ22とコンプレッサー26とを接続するパイプ28の途中には、図3に示すように、電磁弁31と圧力調整弁32とがエアチャンバ22側からこの順番で取り付けられている。圧力調整弁32は、コンプレッサー26からエアチャンバ22へ供給される圧縮エアの圧力を調整する。本形態では、圧力調整弁32から送出される圧縮エアの圧力は、たとえば、100kPaとなっている。すなわち、大気圧よりも100kPaだけ圧力が高い正圧の圧縮エアが圧力調整弁32から送出される。また、電磁弁31は、コンプレッサー26からエアチャンバ22への圧縮エアの供給のオンオフを行う。
(ボールの搭載工程)
図6は、図1に示すボール搭載装置1におけるボール2の搭載工程のフローチャートである。図7は、図1に示すボール搭載装置1におけるボール2の搭載工程でのボール受入容器15内のボール2および吸着ヘッド8の状態を模式的に示す図であり、(A)は、ボール跳躍工程S2での状態を示し、(B)は、気体噴出工程S4での状態を示し、(C)は、吸引工程S5での状態を示す。
以上のように構成されたボール搭載装置1におけるボール2の搭載工程を以下に説明する。
ボール搭載装置1において、基板3上へボール2を搭載する際には、まず、吸着ヘッド8を待機位置にセットする(ステップS1)。具体的には、ボール受入容器15の底面から約5cm上方に吸着ヘッド8の下面(すなわち、吸着面20d)が位置するように、吸着ヘッド8をセットする。その状態で、振動発生手段16を起動し、図7(A)に示すようにボール2を跳躍させる(ボール跳躍工程、ステップS2)。このステップS2では、ブロア25によるエアチャンバ22内のエアの吸引、および、コンプレッサー26からエアチャンバ22内への圧縮エアの供給は行われていない。なお、ステップS1とステップS2との順番を入れ替えて、吸着ヘッド8を待機位置にセットする前に、ボール2を跳躍させても良い。
その後、吸着ヘッド8を降下させる(ヘッド降下工程、ステップS3)。具体的には、
ボール受入容器15の底面と吸着面20dとの隙間G(図7(B)参照)が約2〜4mmとなるように吸着ヘッド8を降下させる。なお、本形態では、吸着ヘッド8を降下させると、ボール受入容器15の底面の中心部と吸着面20dの中心部とが対向する。
その後、吸着孔20aからボール受入容器15内のボール2に向かってエアを噴出する(気体噴出工程、ステップS4)。すなわち、コンプレッサー26によってエアチャンバ22内に圧縮エアを供給する。具体的には、電磁弁31を切り替えて圧力調整弁32からエアチャンバ22に向かって圧縮エアを供給することで、エアチャンバ22内を正圧にして、図7(B)に示すように、吸着孔20aからエアを、ボール受入容器15の底面に向けて噴出する。本形態では、ステップS4で、たとえば0.5秒間、吸着孔20aからエアを噴出する。
吸着孔20aからボール受入容器15に向かってエアが噴出されると、図7(B)に示すように、まず吸着孔20aからボール受入容器15の底面に向かい、その後、ボール受入容器15の内側からボール受入容器15の外側へ向かうエアの流れが生じる。すなわち、吸着面20dの中心部に対応するボール受入容器15内の部分(本形態では、吸着面20dの中心部に対向するボール受入容器15内の中心部分)から、吸着ヘッド8とボール受入容器15との間の隙間35を通過して、ボール受入容器15の外側へ向かうエアの流れが生じる。そのため、ボール2は、ボール受入容器15内を外側へ向かって移動して、ボール受入容器15内の中心部分のボール2の密度が下がる。
その後、エアチャンバ22内のエアを吸引して、吸着孔20aへボール2を吸引する(吸引工程、ステップS5)。具体的には、予めブロア25を起動しておき、ステップS4での吸着孔20aからエアの噴出を停止した後に、電磁弁29を切り替えてエアチャンバ22内のエアを吸引し、エアチャンバ22内を負圧にする。エアチャンバ22内が負圧になると、図7(C)に示すように、ボール受入容器15の外側から隙間35を通過して吸着孔20aに向かうエアの流れが生じて、ボール2が吸着孔20aに吸着される。本形態では、ステップS5でたとえば3〜4秒間、吸着孔20aへボール2を吸引する。なお、このステップS5では、コンプレッサー26や電磁弁50、51によって、エアチャンバ22の内部圧力が調整される。
その後、吸着ヘッド8を上昇させ(ステップS6)、図示を省略する吸着検査装置で、吸着ヘッド8によるボール2の吸着状態を検査する(ステップS7)。そして、吸着不良が発生しているか否かを判断する(ステップS8)。
吸着不良が発生している場合、基板3上へボール2を適切に搭載することができないため、ステップS8で吸着不良が発生していると判断すると、吸着ヘッド8からボール2を除去する(ステップS9)。具体的には、吸着ヘッド8をボール廃棄容器18上まで移動した後、電磁弁29を切り替えてエアチャンバ22からのエアの吸引を停止し、エアチャンバ22内の圧力を大気圧にするとともに、単動エアシリンダ10を起動して、吸着ヘッド8に吸着されていたボール2をボール廃棄容器18内に落下させる。ボール2の除去が終了するとステップS1に戻って再びボール2の吸着を行う。なお、ステップS9で、コンプレッサー26によってエアチャンバ22内に圧縮エアを供給して、エアチャンバ22内の圧力を正圧としても良い。
一方、ステップS8で吸着不良が発生していないと判断すると、基板3上へボール2を搭載する(ステップS10)。具体的には、まず、吸着ヘッド8を基板3上まで移動し、その後、電磁弁29を切り替えてエアチャンバ22内のエアの吸引を停止して、基板3上へボール2を搭載する。なお、ステップS10で、コンプレッサー26によってエアチャンバ22内に圧縮エアを供給して、エアチャンバ22内の圧力を正圧としても良い。
ステップS10で基板3上へのボール2の搭載が終了すると、図示を省略する残留ボール検査装置で検査を行い(ステップS11)、基板3上に搭載されずに吸着ヘッド8に残った残留ボール(すなわち、吸着ヘッド8に付着しているボール)があるか否かを判断する(ステップS12)。残留ボールがあると判断した場合には、ステップS9へ進み、吸着ヘッド8からボール2(残留ボール)を除去した後にステップS1へ戻る。残留ボールがないと判断した場合には、同一の基板3上あるいは他の基板3上へのボール2の搭載が全て終了したか否かを判断する(ステップS13)。ボール2の搭載が終了していない場合には、ステップS1へ戻って再び基板3上にボール2が搭載される。ボール2の搭載が終了している場合には、ボール2の搭載工程は終了する。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態のボール搭載装置1は、複数の吸着孔20aからボール受入容器15内のボール2に向かってエアを噴出するコンプレッサー26を備え、気体噴出工程(ステップS4)で、複数の吸着孔20aからボール受入容器15内のボール2に向かってエアを噴出している。そのため、気体噴出工程(ステップS4)において、吸着孔20aからボール受入容器15に向かって噴出されるエアによって、上述のように、吸着面20dの中心部に対応するボール受入容器15内の中心部分のボール2の密度を下げることができる。また、本形態では、ボール受入容器15内の中心部分のボール2の密度を下げた状態で、吸引工程(ステップS5)において吸着孔20aへのボール2の吸引を開始している。そのため、特に吸着面20dの中心部で生じやすい余剰ボール現象の発生を抑制できる。その結果、本形態では、吸着面20d全体での余剰ボール現象の発生を抑制できる。
この本形態の効果を実験結果に基づいて以下に詳細に説明する。図8は、図1に示すボール搭載装置1を用いて行った吸着孔20aへのボール2の吸着実験の実験条件を示す一覧表である。図9は、図6に示すフローチャートに準ずる手順で実験を行った実施例に対する比較例の実験手順を示すフローチャートである。図10は、図8に示す実験条件1で吸着実験を行った結果を示す表である。図11は、図8に示す実験条件2で吸着実験を行った結果を示す表である。図12は、図8に示す実験条件3で吸着実験を行った結果を示す表である。図13は、図8に示す実験条件4で吸着実験を行った結果を示す表である。
吸着実験では、図8に示すように、実験条件1から実験条件4の4つの実験条件を設定した。すなわち、吸着治具20の材質、吸着孔20aの径、1個の吸着孔ユニット20fにおける吸着孔20aの数、1個の吸着孔ブロック20gにおける吸着孔ユニット20fの数、吸着孔ブロック20gにおける吸着孔ユニット20fの配列(行×列)、吸着孔ブロック20gの数および、吸着孔20aの総数を図8のように設定した4種類の吸着治具20を用いるとともに、ボール2の径、吸着孔20aへのボール2の吸引条件およびブロア25で設定吸引圧力を変えながら吸着実験を行った。吸着孔20aへのボール2の吸引条件は、ボール受入容器15の底面と吸着面20dとの隙間Gと、吸着孔20aへのボール2の吸引時間との2つの条件とした。また、4つの実験条件の下で、ボール受入容器15内のボール2の数を変えながら、各ボール数ごとに、5回吸着実験を行った。
なお、吸着実験は、いずれの実験条件においても、室温19.5℃、湿度24%のクリーンルームで行った。また、4種類の吸着治具20のいずれにおいても、各吸着孔ユニット20fでは、複数の吸着孔20aが略正方形状に配列されている。さらに、実験条件2から実験条件4においては、吸着孔ブロック20gの数が1であり、吸着面20dには、図8に示す条件(行×列の配列)で、複数の吸着孔ユニット20fが配列されている。
また、本形態の効果を実証するために、図8に示す4つの実験条件の下、実施例として、図6に示すフローチャートに準ずる手順で吸着実験を行うとともに、比較例として、図9に示すフローチャートの手順で吸着実験を行った。すなわち、実施例としては、図6に示すステップS1からステップS7までの手順で吸着実験を行った。また、比較例しては、図9に示すように、図6に示すステップS3からステップS5に代えて、吸着ヘッド8が上昇した状態で、エアチャンバ22内のエアを吸引してエアチャンバ22内を負圧にするステップS13と、その後、吸着ヘッド8を降下させながらあるいは降下させた後に吸着孔20aへボール2を吸引するステップS14とを備える実験手順で吸着実験を行った。
なお、比較例においては、図8に示す吸引時間は、吸着ヘッド8の降下完了直後からの吸引時間である。また、ステップS2では、実施例、比較例ともに、ボール受入容器15の底面からのボール2の跳躍高さは、15〜17mmに設定した。さらに、実施例におけるステップS4では、圧力調整弁32から送出される圧縮エアの圧力を100kPaとし、0.5秒間、吸着孔20aからエアを噴出した。さらにまた、実施例におけるステップS5では、ステップS4での吸着孔20aからエアの噴出を停止した直後に、エアチャンバ22内のエアを吸引した。
以上の条件で吸着実験を行った結果を図10から図13に基づいて説明する。なお、図10および図11の表では、実験の結果、ノーボール現象が発生した場合には「ノーボール」と表記され、余剰ボール現象が発生した場合には「余剰」と表記され、ノーボール現象と余剰ボール現象との両者が発生した場合には「両方」と表記され、吸着不良が発生しなかった場合(すなわち、ノーボール現象と余剰ボール現象とのいずれもが発生しなかった場合)には「○」と表記されている。また、実験条件3および実験条件4では、図8に示すように、吸着孔20aの総数が多いため、ノーボール現象の発生の確認は行わなかった。そのため、図12および図13の表では、余剰ボール現象が発生した場合には「余剰」と表記され、余剰ボール現象が発生しなかった場合には「○」と表記されている。さらに、図10から図13の各表の中の「余剰」および「両方」の横のかっこ内の数字は、余剰ボール現象の発生箇所の数を表している。
図10に示すように、実験条件1の下では、ボール受入容器15内のボール2の数を10000個から35000個まで5000個ずつ増やしながら、各ボール数ごとに、5回吸着実験を行った。その結果、比較例では、ボール受入容器15内のボール2の数が15000個以上になると余剰ボール現象が発生しており、特に、ボール2の数が25000個以上になると、余剰ボール現象が毎回発生した。また、ボール2の数が30000個以上になると、余剰ボール現象が多数の箇所で発生した。これに対して、実施例では、ボール受入容器15内のボール2の数が20000個以上になると余剰ボール現象が発生するが、比較例に比べると、余剰ボール現象の発生頻度が低く、また、発生箇所の数も少なかった。
また、図11に示すように、実験条件2の下では、ボール受入容器15内のボール2の数を10000個から35000個まで5000個ずつ増やしながら、各ボール数ごとに、5回吸着実験を行った。その結果、比較例では、ボール受入容器15内のボール2の数が15000個以上になると余剰ボール現象が発生しており、特に、ボール2の数が25000個以上になると、余剰ボール現象が毎回発生し、発生箇所の数も多かった。これに対して、実施例では、余剰ボール現象が発生したのは、ボール受入容器15内のボール2の数を35000個にしたときの1回のみであった。また、このときの発生箇所も1箇所であった。
さらに、図12に示すように、実験条件3の下では、ボール受入容器15内のボール2の数を30000個から80000個まで10000個ずつ増やしながら、各ボール数ごとに、5回吸着実験を行った。その結果、比較例では、ボール受入容器15内のボール2の数が30000個の段階から余剰ボール現象が発生しており、特に、ボール2の数が70000個以上になると、余剰ボール現象が毎回発生し、発生箇所の数も多かった。これに対して、実施例では、ボール受入容器15内のボール2の数が50000個以上になると余剰ボール現象が発生するが、比較例に比べると、余剰ボール現象の発生頻度が低く、また、発生箇所の数も少なかった。
さらにまた、図13に示すように、実験条件4の下では、ボール受入容器15内のボール2の数を30000個から80000個まで10000個ずつ増やしながら、各ボール数ごとに、5回吸着実験を行った。その結果、比較例では、ボール受入容器15内のボール2の数が50000個以上になると余剰ボール現象がほぼ毎回発生しており、特に、ボール2の数が70000個以上になると、余剰ボール現象が毎回発生した。また、ボール2の数が60000個以上になると、発生箇所の数も多くなった。これに対して、実施例では、ボール受入容器15内のボール2の数が40000個以上になると余剰ボール現象が発生するが、比較例に比べると、余剰ボール現象の発生頻度が低く、また、発生箇所の数も少なかった。
このように、図6に示すフローチャートにしたがった本形態のボール搭載方法を用いると、吸着ヘッド8での余剰ボール現象の発生も抑制できる。特に、実験では、吸引工程(ステップS5)で、気体噴出工程(ステップS4)での吸着孔20aからエアの噴出を停止した直後に、エアチャンバ22内のエアを吸引しているため、ボール受入容器15内の中心部分のボール2の密度を確実に下げた状態で、吸引工程において吸着孔20aへのボール2の吸引を開始することができる。その結果、より効果的に吸着ヘッド8での余剰ボール現象の発生を抑制できる。
また、特に、各吸着孔ユニット20f間の間隔が狭く、かつ、吸着面20dの中心部に吸着孔ユニット20fが集中している吸着治具20の場合、吸着孔20aが密集する吸着面20dの中心部にボール2が集まりやすくなる。すなわち、吸着孔20aが密集する吸着面20dの中心部では、より多くの吸着孔20aがボール2を吸引するため、吸着面20dの中心部に外部のエアが吸い込まれていき、そのエアの影響で吸着面20dの中心部に向かってボール2が移動しやすくなる。しかし、このような吸着治具20が用いられた場合であっても、上記の実験結果より、本形態のボール搭載方法を用いることで、吸着ヘッド8での余剰ボール現象の発生を抑制できる。
本形態では、複数の吸着孔20aからボール受入容器15内のボール2に向かってエアを噴出している。そのため、吸着孔20aへのボール2の吸引の際に必要なエアチャンバ22、ホース27、27および配管28等を利用して、吸着孔20aからエアを噴出することができる。そのため、吸着ヘッド8およびボール受入容器15の構成を簡素化しつつ、ボール受入容器15内のボール2に向かってエアを噴出することができる。
また、本形態のように、比較的小さな径の吸着孔20aが吸着ヘッド8に形成される場合には、吸着ヘッド8の周りに浮遊する塵埃が微細なものであっても、吸着孔に20aに塵埃が詰まりやすくなる。しかし、本形態では、吸引工程(ステップS5)の前の気体噴出工程(ステップS6)で、複数の吸着孔20aからエアを噴出しているため、複数の吸着孔20aから噴出されたエアによって、吸着ヘッド8の周りの塵埃をボール受入容器15の外周側に向かって吹き飛ばすことができる。また、ボール受入容器15の外周側に向かって塵埃を吹き飛ばした後に、吸引工程(ステップS5)でボール2を吸引するため、吸着孔20aに塵埃が詰まることがなく、吸着孔20aへボール2を確実に吸着することができる。
なお、本願発明者の検討により、吸着孔20aからのエアの噴出をヘッド降下工程(ステップS3)の前から開始して、吸着孔20aからエアを噴出しながら吸着ヘッド8を降下させる場合と比べて、本形態のように、吸着ヘッド8の降下が完了した後に、吸着孔20aからエアを噴出する方がより効果的に余剰ボール現象の発生を抑制できることが確認されている。これは、吸着孔20aからボール受入容器15に向かってエアが噴出された瞬間にボール受入容器15内を外側へ向かって移動したボール2のうち、振動発生手段16による振動の影響やボール2の自重等で再び、ボール受入容器15の内側へ戻るものが存在するためだと予想される。ただし、吸着孔20aからのエアの噴出をヘッド降下工程(ステップS3)の前から開始したり、ヘッド降下工程(ステップS3)の途中からエアの噴出を開始しても良い。この場合であっても、図9に示すフローチャートに従ってボール2を吸着する場合と比較して、余剰ボール現象の発生を抑制することができる。
(他の実施の形態)
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。たとえば、ボール受入容器15に代えて、図14に示すように、底面部55aに複数の貫通孔55bが形成されたボール受入容器55を用いて、ボール供給部5を構成しても良い。このように構成すると、吸着孔20aへボール2を吸引する際に発生するボール受入容器55の外側から内側へ向かうエアの流れを小さくすることができる。すなわち、このように構成すると、ボール受入容器55の下側から貫通孔55bを通過し吸着孔20aへ向かうエアの流れも発生するため、ボール受入容器55の外側から内側へ向かうエアの流れを小さくすることができる。したがって、ボール2の吸着時における吸着面20dの中心部へ向かうボール2の数を減らすことができ、吸着面20dの中心部のボール2密度の上昇を抑制できる。その結果、余剰ボールの発生をより効果的に抑制することができる。なお、この場合には、底面部55aに対する複数の貫通孔55bの総面積の比が0.1〜3割であることが好ましく、0.5〜2割であることがより好ましい。また、貫通孔55bは、断面が円形の丸孔でも良いし、断面が矩形の角孔でも良い。また、貫通孔55bは、細長い溝状のものでも良い。
また、図14に示すボール受入容器55を用いるとともに、底面部55aの下側にコンプレッサーを配置して、気体噴出工程(ステップS4)で、貫通孔55bを通過させるように底面部55aの下側から、ボール受入容器55内のボール2に向かってエアを噴出して良い。この場合には、吸着ヘッド8からのエア噴出を行わないようにしても良いが、吸着ヘッド8からのエア噴出も併せて行うようにすることが好ましい。また、この場合には、底面部55aの中心側の貫通孔55bの径を大きくし、底面部55aの外周側の貫通孔55bの径を小さくすることが好ましい。あるいは、底面部55aの下側にマスク等を配設して、底面部55aの周辺側に比べ、底面部55aの中心側により多くのエアが噴出されるように構成されることが好ましい。このように構成した場合であっても、気体噴出工程(ステップS4)でのエアの噴出によって、ボール受入容器55内の中心部分のボール2の密度を下げることができ、その結果、吸着面20dでの余剰ボール現象の発生も抑制できる。なお、この場合にも、ステップS4での吸着孔20aからエアの噴出を停止した後に、吸引工程(ステップS5)で吸着孔20aへのボール2の吸引を開始する。
また、吸引工程(ステップS5)で、上述した単動エアシリンダ10を起動して、吸着ヘッド8に衝撃を与えながら、吸着孔20aへのボール2の吸引を行っても良い。この場合には、吸着孔20aへのボール2の吸引を開始すると同時に、あるいは、ボール2の吸引を開始する直前に、単動エアシリンダ10を起動するとともに、吸着孔20aへのボール2の吸引を終了すると同時に、あるいは、ボール2の吸引を終了する直前に、単動エアシリンダ10を停止する。この場合には、吸着ヘッド8に繰り返しで衝撃を与えることで、吸着面20dでの余剰ボール現象の発生をより一層抑制することが可能になる。
さらに、上述した形態では、ヘッド降下工程(ステップS3)の前(すなわち、吸着ヘッド8の降下前)から、振動発生手段16を起動してボール2を跳躍させている。この他にもたとえば、吸引工程(ステップS5)でのみ振動発生手段16を起動してボール2を跳躍させても良い。また、ステップS2を省略して、ボール2を跳躍させなくても良い。
さらにまた、上述した形態では、気体噴出工程(ステップS4)で、吸着孔20aからボール受入容器15内のボール2に向かってエア(空気)を噴出している。この他にもたとえば、気体噴出工程で、窒素ガス等の空気以外の気体を吸着孔20aからボール受入容器15内のボール2に向かって噴出しても良い。
また、上述した形態では、導電性を有するボール2を例に本発明の構成を説明したが、本発明の構成は、導電性を有しないボールにも適用することができる。
本発明の実施の形態にかかるボール搭載装置の主要部の概略構成を示す正面図である。 図1の矢印X方向から吸着搬送部およびボール供給部を示す側面図である。 図1に示す吸着ヘッドおよび吸着ヘッドに接続されるエア機器の構成を示す図である。 図3に示す吸着部を示す図であり、(A)は、図3のY方向から吸着部を示し、(B)は、(A)のW部を拡大して示す。 図3のZ部を拡大して示す拡大断面図である 図1に示すボール搭載装置におけるボールの搭載工程のフローチャートである。 図1に示すボール搭載装置におけるボールの搭載工程でのボール受入容器内のボールおよび吸着ヘッドの状態を模式的に示す図であり、(A)は、ボール跳躍工程での状態を示し、(B)は、気体噴出工程での状態を示し、(C)は、吸引工程での状態を示す。 図1に示すボール搭載装置を用いて行った吸着孔へのボールの吸着実験の実験条件を示す一覧表である。 図6に示すフローチャートに準ずる手順で実験を行った実施例に対する比較例の実験手順を示すフローチャートである。 図8に示す実験条件1で吸着実験を行った結果を示す表である。 図8に示す実験条件2で吸着実験を行った結果を示す表である。 図8に示す実験条件3で吸着実験を行った結果を示す表である。 図8に示す実験条件4で吸着実験を行った結果を示す表である。 本発明の他の実施の形態にかかるボール受入容器を示す断面図である。 従来技術にかかるボールの吸着部分を拡大して示す拡大断面図である。 余剰ボール現象が発生したときのボールの吸着部分を拡大して示す拡大断面図である。
符号の説明
1 ボール搭載装置
2 ボール
3 基板
8 吸着ヘッド
15 ボール受入容器(収納容器)
20 吸着治具
20a 吸着孔
26 コンプレッサー(気体噴出手段)
55 ボール受入容器(収納容器)
55a 底面部
55b 貫通孔
S3 ヘッド降下工程
S4 気体噴出工程
S5 吸引工程

Claims (5)

  1. 1つのボールをそれぞれ吸着する複数の吸着孔が形成された吸着ヘッドと、上記複数の吸着孔に吸着される前の複数の上記ボールが収納される収納容器とを備えるボール搭載装置を用い、上記複数の吸着孔に吸着された複数の上記ボールを基板上に搭載するボール搭載方法において、
    上記収納容器内の複数の上記ボールへ向かって気体を噴出する気体噴出工程と、該気体噴出工程後に上記複数の吸着孔へ複数の上記ボールを吸引する吸引工程とを備えることを特徴とするボール搭載方法。
  2. 前記気体噴出工程では、前記複数の吸着孔から気体を噴出することを特徴とする請求項1記載のボール搭載方法。
  3. 前記収納容器に向かって前記吸着ヘッドを降下させるヘッド降下工程を備え、該ヘッド降下工程後に、前記気体噴出工程で気体を噴出することを特徴とする請求項1または2記載のボール搭載方法。
  4. 1つのボールをそれぞれ吸着する複数の吸着孔が形成された吸着ヘッドと、上記複数の吸着孔に吸着される前の複数の上記ボールが収納される収納容器とを備え、上記複数の吸着孔に吸着された複数の上記ボールを基板上に搭載するボール搭載装置において、
    上記複数の吸着孔から上記収納容器内の複数の上記ボールへ向かって気体を噴出する気体噴出手段を備えることを特徴とするボール搭載装置。
  5. 前記収納容器の底面部に、複数の貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項4記載のボール搭載装置。
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JP2011018812A (ja) * 2009-07-10 2011-01-27 Hioki Ee Corp 球状体供給装置、球状体搭載装置および球状体供給方法
CN113345811A (zh) * 2021-04-25 2021-09-03 刘杰夫 一种集成电路引气消泡式封装工艺

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