JP2007237367A - 研削工具 - Google Patents
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Abstract
【課題】研削面上に性能の異なる複数の領域を有する研削工具において、各領域が被加工物に対して同時に連続して作用する研削工具を提供する。
【解決手段】研削ホイール10は、円筒形状の台金12と砥粒層24とからなる。砥粒層24は、第1領域18、第2領域20及び第3領域22の3つの領域に3分割されている。隣接する各々の領域同士である第1領域18と第2領域20、および第2領域20と第3領域22とは、それぞれ異なる性能を有する。第1領域18と第2領域20との境界線、および第2領域20と第3領域22との境界線は、研削面14の走行方向に対して傾斜している。これにより、各領域が被加工物に対して同時に連続して作用する。
【選択図】図1
【解決手段】研削ホイール10は、円筒形状の台金12と砥粒層24とからなる。砥粒層24は、第1領域18、第2領域20及び第3領域22の3つの領域に3分割されている。隣接する各々の領域同士である第1領域18と第2領域20、および第2領域20と第3領域22とは、それぞれ異なる性能を有する。第1領域18と第2領域20との境界線、および第2領域20と第3領域22との境界線は、研削面14の走行方向に対して傾斜している。これにより、各領域が被加工物に対して同時に連続して作用する。
【選択図】図1
Description
本発明は、研削工具に関し、特に研削面上に性能の異なる複数の領域を有する研削工具に関する。
研削工具として、円筒状の台金の外周部に設けた研削面に、それぞれ粒径の異なる砥粒を固着した帯状の領域を複数設けた研削ホイールが知られている。粒径の大きい砥粒を固着した領域は粗加工に用い、粒径の小さい砥粒を固着した領域は仕上げ加工に用いる。このような研削ホイールを使用する際には、回転させた研削ホイールに対して被研削物を当接させて研削を行い、被研削物を移動させて、研削ホイールに対して被研削物を接触させる領域を、粗加工用の領域から仕上げ加工用の領域へと移動させることによって、粗加工から仕上げ加工までを一つの研削ホイールによって一工程で行うことができる(例えば、特許文献1および2参照)
特開平2−145264号公報(図1)
特開2000−6033号公報(図3)
しかしながら、このような研削工具においては、粒径の大きい砥粒を固着した領域が被加工物に接触した後に、粒径の小さい砥粒を固着した領域が被加工物に接触するため、各領域が断続的に被加工物に作用することになる。そのため、良好な加工面が得られないという問題がある。また、このような研削工具を使用していくと、各種の砥粒を固着させた各々の領域が同時に被加工物に接触するわけではないので、各領域の砥粒層が磨耗する度合いが不均一となり、隣接する領域の境界部分に段差が生じてしまい、ホイールの形状精度も悪化する。そのため、研削ホイールの使用を続行するには、このような使用により生じた段差を修正する処理が必要となる。
本発明は、斯かる実情に鑑み、研削面上に性能の異なる複数の領域を有する研削工具において、各領域が被加工物に対して同時に連続して作用する研削工具を提供しようとするものである。
本発明は、研削面を有する台金と、研削面上に砥粒が固着されている砥粒層とを備え、砥粒層は、研削面上において複数の領域に分割されており、隣接する領域同士は各々異なる性能を有し、領域同士の境界線は研削面の走行方向に対して傾斜している研削工具である。
この構成によれば、各々異なる性能を有する領域同士の境界線は研削面の走行方向に対して傾斜しているため、研削面の走行に伴い、研削面に設けられた各領域が被加工物に同時に連続して作用する。
この場合、隣接する領域同士は、砥粒の粒径、砥粒の密度、結合剤の種類および前記砥粒層中に充填された充填材の少なくともいずれかが異なるものとできる。
本発明による研削工具によれば、研削面上に性能の異なる複数の領域を有する研削工具において、各領域が被加工物に対して同時に連続して作用するようにできる。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。同一の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、本発明の実施形態に係る研削ホイールを示す斜視図である。図1に示すように、本実施形態の研削ホイール10は、円筒形状の台金12と砥粒層24とからなる。台金12は、その外周に研削面14を有し、当該研削面14上に砥粒層24が形成されている。また台金12は、当該中央部に研削ホイール10を研削加工機の動力軸に固定するための軸孔16を有する。本実施形態の研削ホイール10は、研削加工機の動力軸に軸孔16を固定されて回転動させられる。そして研削ホイール10は、研削面14を、被加工物に当接されつつ図中矢印方向に走行させられることにより、被加工物を研削することができるようにされている。被加工物を研削する際は、研削ホイール10は、研削面14の幅方向(図中矢印で示す研削面14の走行方向と直交する方向)の全ての範囲において、被加工物と接する。
砥粒層24は、ダイヤモンドおよびCBN(立方晶窒化ホウ素)等の超砥粒が、レジンボンド、メタルボンド、ロウ付け及び電着等によって、台金12の研削面14に固着されることにより形成されている。研削ホイールの用途に応じて、砥粒層24には、超砥粒に加えて硬質セラミックス等の充填材(フィラー)が混入される場合もある。
図1に示すように、本実施形態の研削ホイール10の砥粒層24は、第1領域18、第2領域20及び第3領域22の3つの領域に3分割されている。隣接する各々の領域同士である第1領域18と第2領域20、および第2領域20と第3領域22とは、それぞれ異なる性能を有する。具体的には、隣接する各々の領域同士は、超砥粒の粒径、超砥粒の密度、結合剤の種類及び砥粒層24中に充填された充填材が異なっている。
図1に示すように、第1領域18と第2領域20との境界線、および第2領域20と第3領域22との境界線は、図中矢印に示す研削面14の走行方向に対して傾斜している。これにより、第1領域18〜第3領域22のそれぞれが、研削面14中の被加工物に接触する部分において占める位置は、研削ホイール10の回転に伴い常に変動する。ただし、第1領域18と第3領域22に挟まれた第2領域20については、研削面14中の被加工物に接触する部分において第2領域20が占める範囲の割合は、研削ホイール10が1回転する間、常に一定となるようにされている。本実施形態の研削ホイール10の第1領域18〜第3領域22は、研削ホイール10が1回転すると、被加工物と元の当接状態となるように配置されている。しかし、各領域は、使用する態様によって、2回転以上で元の当接状態となるように配置されていても良い。また、図1の例では、砥粒層24は、第1領域18〜第3領域22の3つの領域に分割されているが、2つの領域に分割されていても良く、4つ以上の領域に分割されていても良い。これらの異なる性能を持つ各領域は、レジンボンド、ロウ付け及び電着等によって、領域ごとに超砥粒を固着することにより形成することができる。あるいは、異なる性能を有する砥粒が固着された小チップ板を、領域ごとに台金上に貼付することによっても形成することができる。
以下、本実施形態の研削ホイールの作用効果について説明する。本実施形態の研削ホイール10は、第1領域18〜第3領域22の境界線が研削面14の走行方向に対して傾斜している。そのため、被加工物の研削加工時においては、被加工物を研削ホイール10に対して動かさなくとも、第1領域18〜第3領域22が、研削面14中の被加工物に接触する部分において占める位置は、研削ホイール10の回転に伴い常に変動する。そのため、第1領域18〜第3領域22のそれぞれは、被加工物に対して同時に連続して作用することができる。その結果、表面粗さの少ない良好な加工面を得ることができる。また、第1領域18〜第3領域22のそれぞれは、被加工物に対して同時に連続して作用するため、各領域の磨耗度も均一になる。そのため、従来の研削ホイールのように、隣接する領域の境界部分に段差が生じにくく、ホイールの形状精度が損なわれることを防止できる。また、使用により生じた段差を修正する処理も不要となる。
図2は、本発明の別の実施形態に係るカップ型の研削ホイールである。本実施形態の研削ホイール50においても、第1領域18〜第3領域22のそれぞれの境界線は、図中矢印に示す研削面14の走行方向に対して傾斜している。また、第1領域18と第3領域22に挟まれた第2領域20については、研削面14中の被加工物に接触する部分において第2領域20が占める範囲の割合は、研削ホイール50が1回転する間、常に一定となるようにされている。さらに、本実施形態の研削ホイール50の第1領域18〜第3領域22は、研削ホイール50が1回転すると、被加工物と元の当接状態となるように配置されている。このような構成により、上述した図1に示す研削ホイール10と同様の作用効果を奏するものとできる。
本発明の実施例として、図1に示すような研削ホイール10を用意した。ここで、第1領域18および第3領域22の砥粒径は8〜16μmであり、第2領域20の砥粒径は20〜30μmとした。砥粒の集中度と使用したボンドマトリックスは全て同じである。また、比較例として、図6に示すような、砥粒層124が第1領域118、第2領域120および第3領域122の3つに分割されており、各々の境界線が研削面14の走行方向に平行な研削ホイール100も用意した。ここで、第1領域118および第3領域122の砥粒径は20〜30μmであり、第2領域20の砥粒径は8〜16μmとした。その他の条件は、実施例の研削ホイール10と同じとした。これらの研削ホイール10,100により、それぞれ同じ被加工物について30回の研削試験を行った。
図3に、研削試験後における被加工物の加工面の表面粗さを示す。図中の数値は、30の試験の平均値である。図中に示すように、比較例の研削ホイール100によって研削された加工面の表面粗さが0.63μmであるのに対し、実施例の研削ホイール10によって研削された加工面の表面粗さは0.44μmと改善されていた。
図4は本発明の実施例の研削ホイールにおける研削後の砥粒層の形状を示す図であり、図5は比較例の研削ホイールにおける研削後の砥粒層の形状を示す図である。なお、図中、横軸は研削ホイールの研削面の幅方向における位置を示し、縦軸は研削ホイールの研削面に垂直な方向の砥粒層の高さを示す。図4に示すように、本発明の実施例の研削ホイール10については、30回の研削加工後も砥粒層24の高低差は0.5μm程度に止まり、第1領域18〜第3領域22のそれぞれの境界線において段差は生じていない。一方、図5に示すように比較例の研削ホイール100については、30回の研削加工後の砥粒層124の高低差は3.5μmであり、第1領域118と第2領域120との境界線上に大きな段差が生じていることが判る。
尚、本発明の研削ホイールは、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
10,50…研削ホイール、12…台金、14…研削面、16…軸孔、18…第1領域、20…第2領域、22…第3領域、24…砥粒層、100…研削ホイール、118…第1領域、120…第2領域、122…第3領域、124…砥粒層。
Claims (2)
- 研削面を有する台金と、
前記研削面上に砥粒が固着されている砥粒層と、
を備え、
前記砥粒層は、前記研削面上において複数の領域に分割されており、隣接する前記領域同士は各々異なる性能を有し、前記領域同士の境界線は前記研削面の走行方向に対して傾斜している、研削工具。 - 隣接する前記領域同士は、前記砥粒の粒径、前記砥粒の密度、結合剤の種類および前記砥粒層中に充填された充填材の少なくともいずれかが異なる、請求項1に記載の研削工具。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
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2006
- 2006-03-10 JP JP2006066548A patent/JP2007237367A/ja active Pending
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