JP2007231992A - 高負荷伝動ベルト - Google Patents
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Abstract
【課題】センターベルトの摩耗を防止することができると共にベルトの切断といった故障を低減することができ、また、発熱を少なくすることもでき、ブロックを構成する樹脂材料の劣化を防止し、更に、センターベルトを成形する際に保護層が金型に沿いやすくセンターベルトの凹凸形状を設計どおりの形状と高さに形成することができる高負荷伝動ベルトを提供する。
【解決手段】センターベルト3の少なくとも片面にセンターベルト3をブロックとの間の摩耗や剪断力から守る保護層10を配置した高負荷伝動ベルト1において、保護層10としては短繊維を植毛した層からなる保護層10を用いてなる。
【選択図】図1
【解決手段】センターベルト3の少なくとも片面にセンターベルト3をブロックとの間の摩耗や剪断力から守る保護層10を配置した高負荷伝動ベルト1において、保護層10としては短繊維を植毛した層からなる保護層10を用いてなる。
【選択図】図1
Description
本発明は、センターベルトの長手方向に沿って所定ピッチでブロックを嵌合固定した高負荷伝動ベルトに関し、詳しくはセンターベルトのカバー帆布にアラミド繊維を用いたベルトに関する。
ベルト式無段変速装置に使用するベルトは、プーリのV溝幅を変えることによってプーリに巻きかかる有効径を変化させ変速比を調節する様な変速プーリに巻き掛けて使用するものであり、プーリからの側圧が大きくなるのでベルトは大きな側圧に耐えるものでなくてはならない。また、無段変速の用途以外にも通常のゴムベルトでは寿命が短くなりすぎるような高負荷伝動の用途には特別に高負荷に耐えうるようなベルトを用いる必要がある。
そのようなベルトとして使用されるものの中に、センターベルトにブロックを固定してベルト幅方向の強度を高めた引張伝動式の高負荷伝動ベルトがあり、具体的な構成としては、心線をゴムなどのエラストマー中に埋設したセンターベルトにボルトやリベットなどの止着材を用いてセンターベルトに使用しているエラストマーよりも比較的硬質のエラストマーからなるブロックを止着固定したものがある。
このような高負荷伝動ベルトのセンターベルトはゴムなどのエラストマーからなっておりブロックを嵌合固定している。ベルトを走行させることによってセンターベルトはブロックから繰り返し圧縮力や剪断力を受けて、センターベルトを形成するエラストマーに永久歪を発生してブロックとセンターベルトとの嵌合固定力が弱まり、ブロックのぐらつきやがたつきにつながり、ベルト走行時の騒音が大きくなったり、センターベルトに亀裂が生じて切断したりといったことにもなる。
特に小プーリ径にベルトが巻きかかる際に、センターベルトの内周面側がブロックに挟まれた状態になって応力が集中するとともに大きな摩擦力が発生し、センターベルトを構成するゴムが劣化してクラックが生じたり、ベルト切断の原因となったりしていた。
そこでそのようなセンターベルトを保護しセンターベルトとブロックとの間に緩みが生じるのを防止するために特許文献1には、センターベルトの表面にカバー帆布を設けており、しかもその素材をアラミド繊維からなる帆布としている。
ところが特許文献1に開示されるようにセンターベルトに設けるカバー帆布をアラミド繊維からなる帆布とすることで、高負荷伝動に耐えることができるとともにブロックとの摩擦が生じてもセンターベルトが摩耗するのを防止することができベルトの寿命を大幅に延ばすことができる。
センターベルトはブロックとの間の噛み合いのために所定ピッチで凹条部を設けるなど凹凸形状を形成している。アラミド繊維は他の繊維と比べて強度が大きく摩耗も少ないという利点を有しているが同時にセンターベルトを成形する際に上下面の凹凸形状の形成で妨げてしまうことがあり、凹凸形状が設計通りの高さや形状に形成されないといった問題がある。凹凸形状が十分に形成されなくなるとセンターベルトとブロックとの噛み合いが十分でなく、それはそれで高いトルクの伝達が行えないといった問題やブロックとセンターベルトとの間に緩みを生じる原因となっていた。
そこで本発明は高負荷伝動ベルトのセンターベルトの表面には耐摩耗性といった物性を上げるための保護層を設けており、ベルトとして十分な耐久性を備えているとともにセンターベルトの凹凸形状を形成する際にも金型の形状に沿いやすく、凹凸形状を設計通りの高さや形状に形成することができる高負荷伝動ベルトの提供を課題とする。
上記のような課題を解決するために本発明の請求項1は、センターベルトと、該センターベルトの長手方向に沿って所定ピッチで設けた複数のブロックとからなる高負荷伝動ベルトにおいて、センターベルトのブロックと接する上下面の少なくとも一方の表面に保護層を有しており、前記保護層は表面に短繊維を植毛したゴム層であることを特徴とする。
請求項2では、該保護層がゴム層に短繊維を静電植毛したものである高負荷伝動ベルトとしている。
本発明の請求項1では、センターベルトの保護層として短繊維を植毛したゴム層を用いているので、従来のカバー帆布と比較して金型に沿いやすくセンターベルト表面の凹凸形状が欠けることなく成形できる。よって、ブロックとセンターベルトとの間の緩みやブロックの整列の乱れを防止することができ、ベルト走行時の騒音の発生を低減したり偏摩耗を少なくしたりすることにつながる。
請求項2においては短繊維を静電植毛していることから、短繊維の密度も必要に応じて調整が容易であり、高密度でセンターベルトの保護効果の高い保護層とすることができるものである。
図1は、本発明に係る高負荷伝動ベルト1の一例を示す斜視概略図であり、図2はその側断面図である。本発明の高負荷伝動ベルト1は、エラストマー4内にロープ状の心体5をスパイラル状に埋設してなる同じ幅の二本のセンターベルト3と、このセンターベルト3に所定ピッチで取り付けられた複数のブロック2とから構成されている。ブロックの側面6、7に嵌合溝8、9を有しており、該嵌合溝にセンターベルト3が装着されている。このブロック2の両側面6、7は、プーリのV溝と接触する傾斜面となっており、駆動されたプーリから動力を受け取って、係止固定されているセンターベルト3を引張り、駆動側プーリの動力を従動側プーリに伝達する。またセンターベルト3の表面には本発明の特徴であるカバー帆布10がセンターベルト3と一体的に積層配置されている。
ブロック2は、図1に示すように、上ビーム部11および下ビーム部12と、上下ビーム部11、12の中央部同士を連結したセンターピラー13からなっており、ブロック2の両側面には前述のようにセンターベルト3の嵌合溝8、9が形成されており、嵌合溝8、9内の溝上面および溝下面にはセンターベルト3の上面に設けた凹条部15と下面に設けた凹条部16に係合する凸条部17、18が設けられている。
図3は、別のベルトの例であり、ビーム部21の両端から上方に向かって一対のサイドピラー22、23が延びており、このサイドピラー22、23の上端からそれぞれブロック2の中心に向かって延びるロック部24、25が対向するように設けられている。そして、これらビーム部21、サイドピラー22、23及びロック部24、25によってセンターベルト3が嵌合する嵌合溝20が形成されている。この嵌合溝20に、センターベルト3が、ロック部24、25間の開口部より挿入され装着される。また、ロック部24、25の嵌合溝20側には、凸部27がそれぞれ設けられており、この凸部27が、センターベルト3に所定ピッチで設けられている凹条部26に嵌合する。これによって、センターベルト3は、装着後はブロック2から抜けにくい状態となる。
センターベルト3のエラストマー4として使用されるものは、クロロプレンゴム、天然ゴム、ブチルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、不飽和カルボン酸金属塩と水素化ニトリルゴムとの混合ポリマー、クロロスルホン化ポリエチレン、アルキル化クロロスルホン化ポリエチレン、エチレン−プロピレンゴムやエチレン−プロピレン−ジエンモノマー等のエチレン−α−オレフィンエラストマーなどの単一材またはこれらを適宜ブレンドしたゴムあるいはポリウレタンゴム等が挙げられる。エチレン−プロピレン−ジエンモノマーのジエンモノマーの例としては、ジシクロペンタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタジエンなどを挙げることができる。
そして、心体5としてはポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アラミド繊維、ガラス繊維、スチールワイヤ等から選ばれたロープが用いられる。また、心体5はロープをスパイラル状に埋設したもの以外にも、上記の繊維の織布、編布や金属薄板等を使用することもできる。
なお、本実施形態では、2本のセンターベルト3、3を用いて、ブロック2の嵌合溝20に装着した場合について説明しているが、別に1本のセンターベルトを使用したものであっても構わない。
図2に示すように、センターベルト3は上下両面に保護層10を有しており、該保護層10は図4に示すようにゴム層の表面に短繊維を植毛したものからなっている。ゴム層への短繊維の植毛はゴムを溶剤で融かした接着剤を金型等の表面に塗布することでまず接着層を形成し、その接着層に静電植毛機を用いて植毛を行う。植毛処理としては金型をアースとして静電植毛機の電極に電圧を印加することにより電界を形成し、ポリテトラフルオロエチレン等などからなる表面を電着処理したパイルを供給し、飛翔させて接着層23に向けて突き刺すことにより植毛糸を設ける。植毛後に加熱乾燥してシートとし、センターベルトの表面に積層して加硫一体化する。
短繊維を植毛する接着層としては、トルエン、メチルエチルケトン等のゴムシートを融かすことができる有機溶剤、ゴム系接着剤、RFL(レゾルシン・ホルマリン・ラテックス)接着剤、ウレタン系エマルション、アクリル系エマルション、酢酸ビニル系エマルション、スチレン系エマルション等がある。RFL液はレゾルシンとホルムアルデヒドとの初期縮合体をラテックスに混合したものであり、ここで使用するラテックスとしてはクロロプレン、スチレン・ブタジエン・ビニルピリジン三元共重合体、水素化ニトリルゴム、ニトリルゴム、エチレン・α−オレフィン−ジエン共重合体ゴムラテックスである。また、RFL液にイソシアネート化合物を添加することもできる。
また、接着剤を塗布する前に金型の表面をアルコール拭き等のクリーニング処理、プライマー処理等の前処理を行うことが好ましい。
接着層の厚みは、特に限定されるものではないが、短繊維を良好にさせるためにも約0.05〜1mm、好ましくは0.05〜0.5mmとすることが好ましい。
短繊維の素材としてはレーヨン、綿、ポリエステル、ナイロン、アラミド、ビニロン、炭素繊維、ポリテトラフルオロエチレン等からなる表面を電着処理したパイルである。
上記パイルの長さは0.1〜5.0mmが好ましく、アスペクト比(長さLmm/直径Dmm)は30〜300であることが好ましい。また、植毛糸の密度はセンターベルトの保護の度合いと金型への沿いやすさに関与するものであり、10,000〜500,000本/cm2の範囲が好ましい。
接着層に短繊維を付着させる方法としてパイル糸を静電植毛する以外に、コロナ放電により電気力線を発生させ、パイル糸を空気によって吹き付ける方法も採用することができる。更に、ゴム材の一方の表面に、接着剤をスプレー法やディップ法等の公知の方法で塗布して接着層を形成し、接着層の上に短繊維を散布して付着させるといった方法を採ることも可能である。
このようにして得られた表面に短繊維が起毛したゴム層をセンターベルトの上下両面に配置してゴムシートや心線等のその他の材料を積層して金型にて加熱・加圧することで表面の凹凸を形成して、最終的に加硫することでセンターベルトを作製することができる。出来上がったセンターベルトは、表面に短繊維が起毛した状態になっており、センターベルトを保護する役目を果たす。そしてアラミド繊維等からなる帆布を表面に積層して凹凸の形成を行った場合に帆布が凹凸の形状に沿いにくく角部等にて欠けが発生するといった問題が起きていたのに対して短繊維を植毛したゴム層を保護層として用いた場合はカバー帆布を用いた場合と同様にセンターベルトを保護して摩耗を防止することができるとともに、成形時に金型の凹凸形状にも沿いやすくセンターベルトの凹凸を設計どおりの形状とすることができ、ブロックとの間の嵌合強度も向上し、ベルト走行時のブロックの緩みやセンターベルトの破損といった故障現象の発生を緩和することができる。
また、以上の説明では保護層10をセンターベルト3の上下両面に設けた例を説明しているが、上下面の少なくともいずれか一方に保護層10を設けたものでもよい。
短繊維を植毛するに先立って短繊維自身をRFL液、イソシアネート溶液、エポキシ溶液、ゴム糊などの接着処理剤にて接着処理しておくことも可能である。
これらの接着処理においてRFL液、イソシアネート溶液、エポキシ溶液、ゴム糊などの接着処理剤に摩擦係数低減材を配合することによって、ブロックとセンターベルトのカバー帆布との間の摩擦係数を下げることができ、酸化亜鉛などのウィスカを含んだブロックとセンターベルトとの摩擦による摩耗を防止することができる。摩擦係数低減材としては、具体的にはポリテトラフルオロエチレン、ポリトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体などのフッ素樹脂、セラミックパウダー、ガラスビーズ、超高分子量ポリエチレン、グラファイト、二硫化モリブデン、フェノール樹脂、ガラス繊維、カーボン繊維、アラミド繊維等をあげることができ、これらのうちの少なくとも1種、好ましくはセラミックパウダー、ガラスビーズ、超高分子量ポリエチレン、グラファイト、二硫化モリブデン、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素樹脂、フェノール樹脂のなかの少なくとも1種、更に好ましくはポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素樹脂を用いることが好ましい。
ブロック2は、樹脂からなるブロックであるがブロックと同じ略エ字形状を有するインサート材の表面に樹脂材を被覆したものでもよく、インサート材は、ブロック2の耐側圧性や曲げ剛性を持たせる部分となるインサート材であり、素材としてはアルミ合金、セラミックス、セラミックスとアルミニウムとの複合材料、炭素繊維強化樹脂や鉄などの素材が挙げられる。
耐側圧性や曲げ剛性を持たせるという面では金属材料が好ましく、金属材料の中ではアルミ合金の弾性率が7000kgf/mm2で比重が2.8であるのに対し、鉄は弾性率が22000kgf/mm2で比重が7.8であり、強度的には鉄を用いるほうが高いといえるが、高速で回転するベルトにとって、ベルト重量は寿命に大きく影響を与えるため軽量化の面で有利なアルミ合金を用いることが好ましい。ただし、耐側圧性や曲げ剛性を持たせるという面では金属材料が優れており、インサート材の所定箇所に樹脂材を被覆したブロック2を用いることが好ましい。
樹脂材を所定の箇所に配置する場合、ブロック2の大きさよりもひと回り小さい金属材料からなるインサート材を用いてそのほぼ全面を樹脂材で被覆したものを用いると、部分的に樹脂材を被覆配置したものに比べて、樹脂材の剥離などの問題が発生しにくいので好ましい形態ということができる。ただし、全面といっても製造工程の上で樹脂材を被覆する際にインサート材を固定する部材が接触しているところは、インサート材が露出する箇所が発生することになるが、少なくともブロックのプーリと接触する箇所やブロック同士が接触する箇所について樹脂で覆われていれば問題はない。
もちろんブロック2としては前記のようなインサート材を有さない樹脂材のみからなっているものも使用できる。このようなインサート材を埋設していないブロック2を用いた場合、インサート材を埋設したブロックを用いたベルトよりも、軽量化が可能なので高回転で使用してもベルトに発生する遠心力が小さいという優位点があるが、自動二輪などの比較的軽負荷で高回転の用途に向いている。
樹脂材としては、比較的摩擦係数の大きく耐摩耗性に優れ、センターベルト3を構成するエラストマー4と比べると剛性の高い、具体的には硬度90°JIS A以上の硬質ゴム、硬質ポリウレタン樹脂、液晶樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、メタアクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド(PAI)樹脂、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ポリイミド(PI)樹脂、ポリエーテルスルフォン(PES)樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂等のゴムや合成樹脂が用いられる。
これらの中でもブロックを効率よく製造するために射出成形法にて製造するには、ポリアミド樹脂のような熱可塑性樹脂を用いることになる。また低摩擦係数で耐摩耗性に優れ、剛性があるとともに曲げに対しても弾力性を有しており、簡単に破損してしまうことのない樹脂がよいということからすると、ポリアミド樹脂なかでも4,6−ナイロンが好ましいといえる。
また、これらの樹脂中に、綿糸、ポリアミド繊維やアラミド繊維等の化学繊維、ガラス繊維、金属繊維、カーボン繊維等からなる織布、フィラー、ウィスカ、シリカ、炭酸カルシウムなどの無機材料等を混入した強化樹脂からなる。
本発明では前述のようにブロックを形成する樹脂材中に繊維状の補強材やウィスカ状の補強材を配合することは可能であり、繊維状の補強材は15〜40重量%の範囲で配合する。15重量%未満であると補強効果が少なくブロックの耐摩耗性が十分でないなどの問題があり、40重量%を超えると樹脂への配合が困難になったり射出成形が困難になったりするなどの問題があるので好ましくない。
合成樹脂に配合する繊維状補強材としては、アラミド繊維、炭素繊維、ガラス繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維などを挙げることができる。その中でも前記のブロックを構成する樹脂で好ましい例である4,6−ナイロンと炭素繊維を組み合わせて用いることによって炭素繊維が4,6−ナイロンの吸水性の欠点を改善し、剛性を大幅に向上させることができて、且つ4,6−ナイロンの有する耐摩耗性、耐衝撃性、耐疲労性を生かすことができるものである。前記繊維状補強材として上記の有機繊維のほかにも酸化亜鉛ウィスカ、チタン酸カリウムウィスカ、ホウ酸アルミニウムウィスカなどの無機繊維を配合してもよい。
また、他にも二硫化モリブデン、グラファイト、フッ素系樹脂から選ばれてなる少なくとも一つを混入することによってもブロック2の潤滑性を向上させることができる。フッ素系樹脂としては、ポリ4フッ化エチレン(PTFE)、ポリフッ化エチレンプロピレンエーテル(PFPE)、4フッ化エチレン6フッ化プロピレン共重合体(PFEP)、ポリフッ化アルコキシエチレン(PFA)等が挙げられる。
次に、本発明の高負荷伝動ベルトを表1に示すような構成で作製し、出来上がったセンターベルトの凸条部の高さと歯先Rを形状測定機で測定するとともにベルトの走行試験を行い、寿命時間を測定した。
(実施例)
実施例として使用した高負荷伝動ベルトは、図1に示すようなブロックを用いたものであり、ブロックに用いる樹脂としては、4,6−ナイロンと炭素繊維及び酸化亜鉛ウィスカからなり、その配合は炭素繊維が30質量%で酸化亜鉛ウィスカが10質量%とした。また、センターベルト表面に短繊維を静電植毛した保護層を配置したものを用いた。植毛した短繊維は繊維長が0.5mm、単糸繊度が1.5デニール、アスペクト比が41のアラミド繊維からなる短繊維で約110000本/cm2の密度で静電植毛している。センターベルト上面の凹条部の間に形成された凸部分の高さと歯先Rの形状測定を行った。更にセンターベルトにブロックを装着して高負荷伝動ベルトを作成した。表1に示す走行条件で耐久走行させて寿命時間を測定した。その結果を表2に示す。
実施例として使用した高負荷伝動ベルトは、図1に示すようなブロックを用いたものであり、ブロックに用いる樹脂としては、4,6−ナイロンと炭素繊維及び酸化亜鉛ウィスカからなり、その配合は炭素繊維が30質量%で酸化亜鉛ウィスカが10質量%とした。また、センターベルト表面に短繊維を静電植毛した保護層を配置したものを用いた。植毛した短繊維は繊維長が0.5mm、単糸繊度が1.5デニール、アスペクト比が41のアラミド繊維からなる短繊維で約110000本/cm2の密度で静電植毛している。センターベルト上面の凹条部の間に形成された凸部分の高さと歯先Rの形状測定を行った。更にセンターベルトにブロックを装着して高負荷伝動ベルトを作成した。表1に示す走行条件で耐久走行させて寿命時間を測定した。その結果を表2に示す。
(比較例)
比較例として使用した高負荷伝動ベルトは、図1に示すようなブロックを用いたものであり、ブロックに用いる樹脂としては、4,6−ナイロンと炭素繊維及び酸化亜鉛ウィスカからなり、その配合は炭素繊維が30質量%で酸化亜鉛ウィスカが10質量%とした。また、センターベルト表面にはカバー帆布を保護層として配置しており、カバー帆布の構成としてはアラミド繊維に接着処理としてRFL処理およびソーキング処理を行ったものを用いた。センターベルト上面の凹条部の間に形成された凸部分の高さと歯先Rの形状測定を行った。更にセンターベルトにブロックを装着して高負荷伝動ベルトを作成した。表1に示す走行条件で耐久走行させて寿命時間を測定した。その結果を表2に示す。
比較例として使用した高負荷伝動ベルトは、図1に示すようなブロックを用いたものであり、ブロックに用いる樹脂としては、4,6−ナイロンと炭素繊維及び酸化亜鉛ウィスカからなり、その配合は炭素繊維が30質量%で酸化亜鉛ウィスカが10質量%とした。また、センターベルト表面にはカバー帆布を保護層として配置しており、カバー帆布の構成としてはアラミド繊維に接着処理としてRFL処理およびソーキング処理を行ったものを用いた。センターベルト上面の凹条部の間に形成された凸部分の高さと歯先Rの形状測定を行った。更にセンターベルトにブロックを装着して高負荷伝動ベルトを作成した。表1に示す走行条件で耐久走行させて寿命時間を測定した。その結果を表2に示す。
表3の結果からカバー帆布の代わりに短繊維を植毛した層を配置した実施例では凸部分の形状も十分に出ており耐久試験の結果でもよい結果となっているのに対して、アラミド繊維からなるカバー帆布を用いた比較例では凸条部の形状が不十分となっており、耐久試験結果も少し劣る結果となっている。これはカバー帆布の厚みが大きいために金型の形状に沿うことができず凹凸形状が十分に形成されなかったと考えられる。
自動車や自動二輪車、農業機械の無段変速装置など、プーリの有効径が変化し大きなトルクを伝達するようなベルトの製造に適用することができる。
1 高負荷伝動ベルト
2 ブロック
3 センターベルト
4 エラストマー
5 心線
6 側面
7 側面
8 嵌合溝
9 嵌合溝
10 保護層
11 上ビーム部
12 下ビーム部
13 センターピラー
15 凹条部
16 凹条部
17 凸条部
18 凸条部
2 ブロック
3 センターベルト
4 エラストマー
5 心線
6 側面
7 側面
8 嵌合溝
9 嵌合溝
10 保護層
11 上ビーム部
12 下ビーム部
13 センターピラー
15 凹条部
16 凹条部
17 凸条部
18 凸条部
Claims (2)
- センターベルトと、該センターベルトの長手方向に沿って所定ピッチで設けた複数のブロックとからなる高負荷伝動ベルトにおいて、センターベルトのブロックと接する上下面の少なくとも一方の表面に保護層を有しており、前記保護層は表面に短繊維を植毛したゴム層であることを特徴とする高負荷伝動ベルト。
- 保護層がゴム層に短繊維を静電植毛したものである請求項1記載の高負荷伝動ベルト。
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