JP2007213303A - 計測管理システムおよび計測管理方法 - Google Patents

計測管理システムおよび計測管理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007213303A
JP2007213303A JP2006032274A JP2006032274A JP2007213303A JP 2007213303 A JP2007213303 A JP 2007213303A JP 2006032274 A JP2006032274 A JP 2006032274A JP 2006032274 A JP2006032274 A JP 2006032274A JP 2007213303 A JP2007213303 A JP 2007213303A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
master computer
table data
wireless device
network
wireless
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006032274A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4963841B2 (ja
Inventor
Takahiro Kondo
高弘 近藤
Hiromichi Miyazaki
裕道 宮崎
Michio Matsumoto
三千緒 松本
Kiyoshi Kuwabara
清 桑原
Junya Totsuka
淳也 戸塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taisei Corp
East Japan Railway Co
Original Assignee
Taisei Corp
East Japan Railway Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taisei Corp, East Japan Railway Co filed Critical Taisei Corp
Priority to JP2006032274A priority Critical patent/JP4963841B2/ja
Publication of JP2007213303A publication Critical patent/JP2007213303A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4963841B2 publication Critical patent/JP4963841B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Telephonic Communication Services (AREA)
  • Arrangements For Transmission Of Measured Signals (AREA)
  • Small-Scale Networks (AREA)
  • Mobile Radio Communication Systems (AREA)

Abstract


【課題】計測器からの計測データを管理者側のマスターコンピュータに送信するに際し、途中の送信ルートが不能となった場合でも、自律的に別ルートを構築することのできる計測管理システムおよび計測管理方法を提供すること。
【解決手段】マスターコンピュータ3を中心に、複数の無線機器1,1,…が通信可能にネットワークを構成しており、任意の無線機器には計測器が接続されている計測管理システム10である。マスターコンピュータ3には、電波の送受信が可能な各無線機器間のルートを特定するテーブルデータを格納するテーブルデータ格納手段と、該テーブルデータに基づいて少なくとも計測器とマスターコンピュータとの間のネットワークを構築するネットワーク構築手段が備えられており、任意の無線機器間において電波の送受信が不能となった際に、テーブルデータに基づいて他の電波送受信ルートが選択され、ネットワークが再構築される。
【選択図】図1

Description

本発明は、管理者側のマスターコンピュータを中心に、複数の無線機器が階層的に通信可能にネットワークを構成しており、少なくとも1つの無線機器には計測器が接続されてなる計測管理システムと、建設現場内に設置された計測器の計測データを管理者側のマスターコンピュータに送信することによって計測データを管理する計測管理方法に係り、特に、計測器からの計測データを管理者側のマスターコンピュータに送信するに際し、途中の送信ルートが不能となった場合でも、自律的に別ルートを構築することのできる計測管理システムおよび計測管理方法に関するものである。
従来の建設工事現場においては、工種によって様々な計測機器ないしはセンサを使用しながら施工管理をおこなっている。この計測機器としては、例えば、変位計、層別沈下計、応力計、地下水位計、傾斜計、ひずみ計、水圧計、土圧計、温度計などが使用されている。これらの計測機器は、作業ヤード内の任意の場所に設置されたスイッチボックスにケーブルにて接続され、ケーブルを介してスイッチボックスに送信された各種計測データは、データロガー等を介して、現場管理室内のデータ集積/管理用のコンピュータ(PC)に送信され、このPC内で予め設定されている管理値と集積されたデータとを比較しながら施工管理がおこなわれている。このスイッチボックスとデータ集積用PCもケーブルにて接続されており、したがって、従来の工事現場においては、各種計測機器とデータ集積/管理用PCとがケーブル接続されていた。
ところで、建設工事においては、工事の進歩状況に応じて作業ヤード内の各種機器や施設の配置位置が刻々変化するのが一般的である。例えば、山留め工事では、躯体の構築状況に応じて、該躯体と山留め壁との間の埋め戻しもおこなわれ、埋め戻しに先んじて不要となる切梁等を撤去しながら工事が進められる。この場合には、切梁に設置されていた応力計が不要となるため、切梁撤去に先んじて、応力計の撤去がおこなわれる。また、山留め壁の深度方向に設置されている土圧計や傾斜計も埋め戻しに応じて下方から徐々に不要となるため、埋め戻しに応じて不要となる計測機器は撤去されていく。一方、重機の施工ヤードや場内のアクセス通路として使用される仮設桟橋も、躯体の完成とともに撤去されるため、スイッチボックス等が桟橋上に設置されている場合には、桟橋撤去に先んじて、その盛替え作業が必要となり、スイッチボックスの盛替えに応じて、ケーブルの盛替えも当然に必要となってくる。さらに、鉄道工事においては、計測機器に接続されたケーブルが線路を横断している場合に盛替え作業が必要となると、盛替えルートに制約があることから、計測機器とデータ集積/管理用PCとを繋ぐルートの選定が困難な状況も往々にして生じていた。
上記の問題に対し、ケーブル接続に替わって、1:1ないしは1:n(nは、接続される側の数で例えば各種計測機器)の関係にある無線通信手段を使用することにより、計測機器と管理用PCとを繋ぐ方法が建設現場にて適用されている。無線通信によれば、工事の進歩状況に応じたケーブルの盛替え作業が少なくなり、ケーブル接続方式に比べて、現場状況の変化に臨機に対応しながら効率的な施工管理をおこなうことが可能となる。
ところで、無線局免許を持たないユーザーが無線機器(システム)を使用するためには、使用する機器が電波法に則って電波を発信していることが条件となる。したがって、電波法による規制対象外の電波にて現場管理をおこなおうとすると、かかる電波による送受信の限界はせいぜい100〜200m程度であり、かつ、その間に障害物がないといった現場条件であることが必須とならざるを得ない。実際の建設現場においては、各種の重機や躯体、仮設構造物などが錯綜しており、障害物がない環境を臨むことは不可能である。そこで、モデム等からなる複数の中継局を現場内に多数設置しておくことにより、各計測機器から管理用PCまでデータの送受信を可能とする試みもおこなわれている。しかし、建設現場における現場状況の変化は日々刻々と変化するものであり、多数の中継モデムを現場内に設置した場合には、モデム管理も必要となり、さらには、障害物ができることにより、各モデムの設置位置をその都度調整する必要が生じるなど、その煩雑さはケーブル接続方式の場合と何ら変わるものでないのが現状である。したがって、無線通信手段を使用しながら、現場の状況変化に応じて各中継局を構成する機器の盛替え作業が低減されるとともに、計測機器からのデータを確実に管理者PCで受信可能なシステムの構築が切望されていた。
建設現場に限らず、一般的な情報伝達システムやその方法に関する技術に関しては、これまで数多くの技術の開示があり、その一例として特許文献1,2を挙げることができる。特許文献1,2に開示の技術はともに、2つの通信装置間を複数の通信伝送路で通信可能とし、伝走路の伝送品質が悪くなった際に、他の伝送路を使用できる情報伝送システムないしは回線制御方式に関するものである。
特開2002−64515号公報 特開平8−88623号公報
特許文献1,2に開示の情報伝送システムないしは回線制御方式によれば、1:1ないしは1:nに対応した情報通信において、情報伝送路の品質悪化の際には臨機に他の伝送路を使用することができるため、通信不良を来たす可能性を格段に低減することができる。しかし、上記する建設工事現場における従来の課題、すなわち、刻々変化する現場状況に対応しながら、中継局の盛替え作業を低減するとともに、計測機器から管理者側PCまで確実に計測データを送信するという課題の解決には至らない。
本発明の計測管理システムおよび計測管理方法は、上記する問題に鑑みてなされたものであり、計測器からの計測データを管理者側のマスターコンピュータに送信するに際し、途中の送信ルートが不能となった場合でも、自律的に別ルートを構築することのできる計測管理システムおよび計測管理方法を提供することを目的としている。
前記目的を達成すべく、本発明による計測管理システムは、管理者側のマスターコンピュータを中心に、複数の無線機器が階層的に通信可能にネットワークを構成しており、少なくとも1つの無線機器には計測器が接続されてなる計測管理システムであって、前記マスターコンピュータと無線機器はそれぞれ、電波の送受信をおこなう無線通信手段と、固有のIDを格納するID格納手段と、周波数ごとに設定された複数のチャンネルから任意のチャンネルを選択するためのチャンネル選択手段とを少なくとも備えており、マスターコンピュータには、該マスターコンピュータと電波の送受信が可能な無線機器、および、電波の送受信が可能な各無線機器間のルートを特定するテーブルデータを格納するテーブルデータ格納手段と、該テーブルデータに基づいて少なくとも計測器とマスターコンピュータとの間のネットワークを構築するネットワーク構築手段とをさらに備えており、マスターコンピュータと任意の無線機器との間および/または任意の無線機器間において電波の送受信が不能となった際に、前記テーブルデータに基づいて、他の電波送受信ルートが選択され、ネットワークが再構築されるように構成されていることを特徴とする。
本発明の計測管理システムは、建設現場内の各所に設置された適宜の計測器(ないしはセンサ)の計測データを管理者側のマスターコンピュータに送信するための計測管理システムに関し、各計測器とマスターコンピュータとの間を無線通信にて繋ぐとともに、任意の通信ルート間で通信不能な事態が生じた場合でも、自律的に通信ルートを再構築することにより、確実に計測データをマスターコンピュータに送信することのできる計測管理システムに関するものである。
マスターコンピュータは、建設現場における事務所内や、本社、支店等の管理セクション内に設置されており、現場内の適所に設置されている各計測器(センサ)の計測データを複数の電波通信可能なルートを経由して収集/蓄積するものである。また、マスターコンピュータ内には、施工段階に応じた山留め部材の許容応力値や歪みの値、土水圧の設計値等が予め入力されており、受信された計測データと許容値ないしは設計値とを比較しながら施工管理がおこなわれるようになっている。
ここで、マスターコンピュータから計測器までを繋ぐ複数の電波通信可能なルートの構築に際しては、現場の適所に複数の無線機器を設置しておき、各無線機器を経由してマスターコンピュータに計測データが送信できるように構成する。無線機器は、少なくとも電波の送受信が可能な無線通信手段を備えているものであればその実施形態は特に限定されるものではないが、例えば、公知のモデムを使用することができる。
マスターコンピュータと無線機器には、上記する無線通信手段のほかに、各機器を特定するためのID番号を格納したID格納手段と、周波数ごとに複数のチャンネルを選択できるチャンネル選択手段が備えてある。例えば、マスターコンピュータと無線機器に、適宜の周波数帯域において、チャンネルごとにON/OFFを切替えながら周波数(チャンネル)の切替えが可能なDIP−Swichを設けておくことができる。また、各無線機器には、例えばコネクタおよびスキャナが装着されており、このスキャナに適宜の計測器が接続できるようになっている。したがって、無線機器は、電波の送受信の際の中継局の役割を担う場合もあるし、計測器が接続された場合には、計測データを収集し、該計測データを中継局である別途の無線機器ないしはマスターコンピュータに送信する役割を担う場合もある。これは、現場の工事進歩状況に応じてその使用目的が変更されることに対応するものである。テーブルデータの形成に際しては、マスターコンピュータと各無線機器において、ある任意の周波数のチャンネルに設定し、この状態で無線通信可能なルートの特定をおこなうことができる。なお、マスターコンピュータに無線通信手段が外付けされた構成であってもよいことは勿論のことである。
現場内では、仮設構造物や構築されている躯体等、様々な障害物が存在することから、場内の任意の地点に設置された無線機器が電波通信可能な無線機器は、その一部の無線機器となる。したがって、マスターコンピュータと場内の各所に設置された無線機器との間で、各無線機器が通信可能な無線機器ないしはマスターコンピュータとの通信可能ルートを特定する必要がある。そこで、場内に設置された各無線機器が他の無線機器を経由してマスターコンピュータと通信可能なルート、あるいは各無線機器が直接マスターコンピュータと通信可能なルートを特定し、特定された通信可能ルートをテーブルデータとしてマスターコンピュータに内蔵されたテーブルデータ格納手段に格納される。この通信可能なルートは、無線機器の基数や現場の障害物の有無の状況等によって変化するため、マスターコンピュータは、少なくとも、設置されたすべての無線機器がマスターコンピュータを中心として階層的に繋がる任意の通信可能ルートをこのテーブルデータに基づいて決定する。この決定は、マスターコンピュータ内に内蔵されたネットワーク構築手段によっておこなわれる。ネットワーク構築手段の作動は、公知のCPUにておこなわれる。なお、マスターコンピュータにてネットワークが構築されると、各無線機器は、自身が電波の送受信をおこなう相手の無線機器のID番号を、マスターコンピュータからの指令に基づいて自身のID格納手段に自動設定することができる。
マスターコンピュータにて1つまたは複数の計測器と該マスターコンピュータとの間のネットワークが構築された後は、各計測器からの計測データの収集を無線通信によっておこなう。
場内の施工状況の変化により、任意の無線機器間で電波の送受信が不能となる事態が招来される。この場合には、マスターコンピュータにて電波受信不能を検知することができ、この段階で、マスターコンピュータは、テーブルデータに基づいて、電波の送受信不能となった無線機器が通信可能な別の無線機器との間で通信ルートを再構築することにより、各無線機器とマスターコンピュータとのネットワークの再構築がおこなわれる。
本発明の計測管理システムにおいては、無線通信不能となった場合に、マスターコンピュータを中心として、通信可能なルートの再構築が自律的におこなわれることから、現場の状況が変化して任意の無線機器間で通信不能となった場合でも、臨機にネットワークを通信可能な状態に移行させることができる。したがって、どの無線機器間で通信不能をおこしたのかをその都度確認する手間を省くことができ、常時、計測データを確実にマスターコンピュータに収集できるという最大の利点を有している。なお、現場の施工状況に応じて、当初設置されていた無線機器の設置場所は、作業員が適宜に変更することができる。また、不要となった計測器に関しては、マスターコンピュータにおいて、計測器を備えた無線機器のIDを選択から外すことにより、該計測器までのルートの構築を自動的に解消することが可能となる。
また、本発明による計測管理システムの好ましい実施形態において、前記テーブルデータは、マスターコンピュータと無線機器との間のルート、および無線機器間のルートにおいて、通信可能なルート間は1、通信不能なルート間は0で表示されてなる第1のテーブルデータからなり、マスターコンピュータが該第1のテーブルに基づいてネットワークを構築することを特徴とする。
本発明は、マスターコンピュータ内に形成されたテーブルデータの一実施形態に関するものであり、マスターコンピュータと無線機器との間、ないしは各無線機器間において、通信可能なルート間を1、通信不能なルート間は0(ないしはブランク)としたデジタル表示形式としたものである。マスターコンピュータ内のネットワーク構築手段において、マスターコンピュータと通信可能な無線機器を選定し、選定された無線機器とさらに通信可能な無線機器を選定し、かかる操作を順次実行していくに際し、デジタル表示形式のテーブルデータとすることにより、より短時間にネットワークの構築をおこなうことができる。
また、本発明による計測管理システムの他の実施形態において、前記テーブルデータは、マスターコンピュータと送受信可能な無線機器との間における受信電波信号強度、および、送受信可能な無線機器間における受信電波信号強度が表示されてなる第2のテーブルデータからなり、マスターコンピュータが該第2のテーブルデータに基づいて受信強度の大きな機器間でネットワークを構築することを特徴とする。
本発明は、マスターコンピュータ内に形成されるテーブルデータの他の実施形態に関するものであり、マスターコンピュータが受信した、各無線機器間の受信電波信号強度をテーブルデータとして表示するものである。任意の無線機器が複数の無線機器と通信可能である場合には、受信電波信号強度が最も大きな無線機器と通信ルートを構築することにより、より明瞭な計測データをマスターコンピュータに送信することが可能となる。
この受信電波信号強度に基づくテーブルデータ(第2のテーブルデータ)は、電波の送受信が可能な無線機器間にのみ任意の受信電波信号強度が表示されることから、この受信電波信号強度値を1とし、受信電波信号強度が表示されていない無線機器間を0とすることにより、既述する第1のテーブルデータが形成されることとなる。
また、本発明による計測管理システムの好ましい実施形態において、前記テーブルデータは、マスターコンピュータと無線機器との間のルート、および無線機器間のルートにおいて、通信可能なルート間は1、通信不能なルート間は0で表示されてなる第1のテーブルデータと、マスターコンピュータと送受信可能な無線機器との間における受信電波信号強度、および、送受信可能な無線機器間における受信電波信号強度が表示されてなる第2のテーブルデータと、の双方のテーブルデータからなり、いずれか一方のテーブルデータが選択されてネットワークが構築されるようになっており、マスターコンピュータと任意の無線機器との間および/または任意の無線機器間の間において電波の送受信が不能となった際に、第2のテーブルデータに基づいてネットワークの再構築がおこなわれるように構成されていることを特徴とする。
本発明は、既述する第1のテーブルデータと第2のテーブルデータの双方がマスターコンピュータ内に形成され、いずれか一方のテーブルデータに基づいてネットワークを構築することのできる計測管理システムに関するものである。なお、最初に第1のテーブルデータに基づいてネットワークが構築された後、通信状況を勘案して、第2のテーブルデータに基づいてネットワークを再構築することもできるし、第1のテーブルデータに基づいてネットワークを構築した後で、途中のルートに関しては、第2のテーブルデータに基づいて、ネットワークの再構築をおこなうこともできる。
本発明では、現場の施工状況の変化によって途中のルートで電波の送受信が不能となった場合に、マスターコンピュータが第2のテーブルデータに基づいて、任意の無線機器において受信電波信号強度の大きな別の無線機器を選定することにより、ネットワークの再構築がおこなわれる。本発明の計測管理システムによれば、ネットワーク構築のバリエーションをより多様化することができ、さらには、多様なバリエーションのネットワークの中から、最適なネットワークの再構築をおこなうことが可能となる。
また、本発明による計測管理システムの好ましい実施形態において、前記マスターコンピュータと無線機器は、受信された各チャンネルごとのフロアノイズのノイズ強度を受信するとともに、該ノイズ強度が一定の閾値より大きな場合に電波の送受信が不能であると判定する判定手段をさらに備えていることを特徴とする。
周波数ごとに設けられた複数のチャンネルが選択可能に設けられていることから、各チャンネルごとに固有のノイズが存在し、さらには、無線機器の設置場所に固有のフロアノイズが存在する。このフロアノイズにより、電波信号が不明瞭となり、ノイズ強度が計測データに関する受信電波信号強度と同程度である場合には、電波受信不能と何ら変わるものではない。そこで、本発明の計測管理システムにおいては、計測データに関する受信電波信号と同時に受信されるフロアノイズがある一定の閾値を超える場合には、電波受信不能と判定することにより、ネットワークの再構築をおこなうものである。なお、このノイズ強度も、マスターコンピュータと通信可能な無線機器との間、および通信可能な無線機器間ごとのデータをテーブルデータとしてマスターコンピュータ内に形成することができる。例えば、マスターコンピュータ内のROM内に入力された閾値と、受信されたノイズ強度に基づいて形成されたテーブルデータ内の対応する値とを判定手段にて比較し、ノイズ強度が閾値を超えている場合には、受信不能とし、閾値以下の場合には受信可能として、例えば既述する第1のテーブルデータを再形成することができる。
本発明の計測管理システムによれば、フロアノイズを勘案して電波送受信の可否を特定することができるため、計測データに関する電波受信の可否をより精度よく特定した上で、ネットワークの構築ないしは再構築をおこなうことが可能となる。
また、本発明による計測管理システムの他の実施形態において、ネットワークの構築は、マスターコンピュータのID番号を0、各無線機器のID番号を順に、1,2,3,…,nとした場合に、任意のID番号の機器において、自身を電波送信側の機器とし、自身のID番号よりも大きなID番号の機器を電波受信側として各機器に電波を送信し、各機器からの応答信号を受信するとともに、応答信号の受信電波信号強度をマスターコンピュータに送信する送受信ステップをおこなうようになっており、該送受信ステップがマスターコンピュータから順におこなわれることにより、マスターコンピュータ内にテーブルデータが形成されることを特徴とする。
本発明の計測管理システムは、マスターコンピュータ内に形成されるテーブルデータの形成方法の一実施形態を示したものである。マスターコンピュータと各無線機器には、それぞれに固有のID番号が設定されており、このIDに基づいて各無線機器間ないしはマスターコンピュータと無線機器との間の電波の送受信がおこなわれることは既述の通りである。ここで、マスターコンピュータのID番号を仮に0とし、各無線機器にそれぞれ、1,2,…のID番号を設定する。
まず、ID番号が最も小さなマスターコンピュータから電波を送信し、他のすべての無線機器を電波の受信側に設定する。この状態で、電波を受信した旨の応答信号をマスターコンピュータに送信可能な無線機器が特定されることにより、マスターコンピュータを中心として、マスターコンピュータと直接通信可能な無線機器が設定される。
次いで、ID番号が1の無線機器を送信側に設定し、ID番号が2以上の他の無線機器を受信側に設定する。この状態で上記と同様に応答信号をID番号が1の無線機器に送信可能な無線機器を特定することで、ID番号が1の無線機器と通信可能な無線機器が設定される。この情報は、ID番号が1の無線機器からマスターコンピュータへ送られる。以後、ID番号が2以降の無線機器に関しても同様の操作を実行することにより、マスターコンピュータから各無線機器までの通信可能なルートの特定がおこなわれ、マスターコンピュータ内に通信可能なルートに基づくテーブルデータが形成される。
なお、この操作において、応答信号として、受信電波信号強度とノイズ強度の双方を受信することにより、受信電波信号強度に関するテーブルデータとノイズ強度に関するテーブルデータの双方をマスターコンピュータ内に形成することもできる。この場合、ノイズ強度に関しては、既述するようにマスターコンピュータ内にて所定の閾値との比較がなされ、ノイズ強度が大きなルートは通信不能と判定されるため、かかる情報を勘案したテーブルデータの形成が可能となる。
また、本発明による計測管理システムの他の実施形態において、少なくともマスターコンピュータと直接通信可能な無線機器が第1の階層に設定され、少なくとも該第1の階層に属する無線機器と直接通信可能な無線機器が第2の階層に設定され、以下順に、下層の階層が設定されるようになっており、各階層ごとに固有のチャンネルが設定されることを特徴とする。
例えば、マスターコンピュータと直接通信が可能な無線機器であって、かつ、該無線機器同士の双方向の通信が可能な無線機器を特定し、特定された無線機器群を第1の階層に設定する。次に、第1の階層群に属する無線機器と直接無線通信が可能な無線機器を第2の階層に設定し、以後同様に第3の階層群、第4の階層群、…を設定していく。マスターコンピュータと直接通信する第1の階層群に属する無線機器を上記のように設定することにより、任意のルートで通信不能となった場合のネットワークの再構築を極めて効率的に実行することが可能となる。
マスターコンピュータでは、既述するテーブルデータに基づいて一定のチャンネルにおいて、ネットワークを構築する。その後、各階層ごとに固有の周波数(チャンネル)を設定しておくことにより、同じ階層における双方向通信の可否を短時間に特定することが可能となるため、ネットワークの再構築が極めて効率的におこなわれ得る。
また、本発明による計測管理システムの好ましい実施形態において、使用される前記無線が、小電力無線であることを特徴とする。
建設現場においては、電波法に基づいて、無免許で使用可能な電波を使用することが望ましい。例えば、周波数が420MHz程度の低周波数の電波を使用することができ、この周波数帯域において、複数のチャンネルを設定することが可能となる。低周波数電波を使用する利点は、無免許にて使用できることのみならず、電波波長が長いため、仮設構造物や躯体等の障害物を電波が回り込むことにより、容易に障害物を回避し易くなることである。なお、ここでいう小電力無線に、特定小電力無線が含まれていることは勿論のことである。
また、本発明による計測管理システムの他の実施形態において、前記計測器が、変位計、層別沈下計、応力計、地下水位計、傾斜計、ひずみ計、水圧計、土圧計、温度計を含む計測機器またはセンサのいずれか一種または複数からなることを特徴とする。
建設現場にて使用される計測機器ないしはセンサとしては、一例として挙げた上記の計測器を使用することができるが、例示の計測器に限定されるものでないことは勿論のことである。これらの計測器が現場の施工状況に応じて、適宜の無線機器に接続され、また、必要に応じて接続を解除され、さらには、施工の途中で接続されることができる。
また、本発明による計測管理方法は、建設現場内に設置された計測器の計測データを管理者側のマスターコンピュータに送信することによって計測データを管理する計測管理方法であって、現場内に複数の無線機器を設置し、無線機器の少なくとも1つには計測器を接続する第1の工程と、マスターコンピュータと各無線機器とを階層的に通信可能とし、計測器とマスターコンピュータとの間をネットワークで繋ぐ第2の工程と、からなり、第2の工程では、マスターコンピュータのID番号を0、各無線機器のID番号を順に、1,2,3,…,nとした場合に、任意のID番号の機器において、自身を電波送信側の機器とし、自身のID番号よりも大きなID番号の機器を電波受信側として各機器に電波を送信し、各機器からの応答信号を受信するとともに、応答信号の受信電波信号強度をマスターコンピュータに送信する送受信ステップをおこなうようになっており、該送受信ステップがマスターコンピュータから順におこなわれることにより、マスターコンピュータと電波の送受信が可能な無線機器、および、電波の送受信が可能な各無線機器間のルートを特定するテーブルデータを構築し、マスターコンピュータが該テーブルデータに基づいて少なくとも計測器とマスターコンピュータとの間のネットワークを構築し、マスターコンピュータと任意の無線機器との間および/または任意の無線機器間の間において電波の送受信が不能となった際には、前記テーブルデータに基づいて、他の電波送受信ルートが選択され、ネットワークが再構築されることを特徴とする。
本発明の計測管理方法によれば、ネットワークの構築は勿論のこと、ネットワークの途中で通信不能なルートが形成された場合でも、ネットワークの再構築を自律的におこなうことが可能となる。
なお、かかる計測管理方法においても、適宜の無線機器に、変位計、層別沈下計、応力計、地下水位計、傾斜計、ひずみ計、水圧計、土圧計、温度計等の計測機器ないしはセンサが接続され、接続を解除されることができる。
以上の説明から理解できるように、本発明の計測管理システムおよび計測管理方法によれば、管理者側のマスターコンピュータと建設現場内の計測器とを無線機器を介して複数の通信可能なルートによってネットワークを構築し、マスターコンピュータ内のテーブルデータに基づいて、任意のルート間の通信が不能となった場合でも自律的に別の通信可能なルートを特定することによってネットワークを再構築することができる。したがって、刻々変化する現場の状況に臨機に対応しながら、常に計測データをマスターコンピュータに送信することが可能となり、効率的かつ確実な計測データの収集をおこなうことができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の計測管理システムの一実施形態の概略構成を示した模式図を、図2は、マスターコンピュータの内部構造を示したブロック図を、図3は、無線機器の内部構造を示したブロック図をそれぞれ示している。図4は、テーブルデータの形成方法を説明した図を、図5は、第1のテーブルデータの一実施形態を示した図を、図6は、第2のテーブルデータの一実施形態を示した図をそれぞれ示している。図7は、図5のテーブルデータに基づいて形成されたネットワークの一実施形態を示した模式図を、図8は、図6のテーブルデータに基づいて形成されたネットワークの一実施形態を示した模式図を、図9は、図7のネットワークを再構築する際に第2のテーブルデータを使用した際の模式図を、図10は、図9によって再構築されたネットワークを示した模式図をそれぞれ示している。図11は、図8のネットワークを再構築する際に第2のテーブルデータを使用した際の模式図を、図12は、図11によって再構築されたネットワークを示した模式図をそれぞれ示している。なお、無線通信媒体として図示する実施形態では小電力無線を使用しているが、使用される無線が小電力無線に限定されるものでないことは勿論のことである。
図1は、計測管理システムの一実施形態の概略構成を示した模式図である。この計測管理システム10は、例えば建設現場に設けられた管理室4内に設置されたマスターコンピュータ3と、このマスターコンピュータ3に外付けされた無線機器1と、現場内の各所に設けられた各種計測器と、各計測器がコネクタ/スキャナ2を介して接続された無線機器1A〜1E、および、中継局として無線機器間またはマスターコンピュータと無線機器との無線通信をおこなう無線機器1a〜1cによって構成されている。使用される計測器を具体的に説明すると、シートパイル等の土留め壁Aに設置されるひずみ計B,多層構造の地盤内に設置される層別沈下計C、土留め壁の背面の土圧や水圧(間隙水圧)を計測する土圧計Dや間隙水圧計E、切梁Fに設置される温度計Gやひずみ計Hなどからなる。なお、図示しないその他の計測器も仮設構造物や躯体等の適所に設定される。
図2は、マスターコンピュータ3の内部構造を模式的に示したブロック図、図3は、無線機器1(1A〜1E,1a〜1c)の内部構造を模式的に示したブロック図である。マスターコンピュータ3の内部構造S100は、外付けの無線通信手段S101を該コンピュータに接続するためのインターフェイスS102と、このインターフェイスS102に接続されるテーブルデータ格納手段S103、ID格納手段S105、チャンネル選択手段S106と、テーブルデータ格納手段S103からのデータに基づいてネットワークを構築ないしは再構築するネットワーク構築手段S104と、テーブルデータ格納手段S103のデータを読み込んで、ネットワーク構築手段S104にネットワークの構築を実行させるための制御手段S107(CPU)にて大略構成されている。
本実施形態では、特定小電力無線をはじめとする小電力無線に対応した電波を使用し、所定の周波数帯域において、複数の周波数ごとに設定されているチャンネルの切替えが可能となっている。マスターコンピュータ3のID格納手段S105には、例えばID番号:0が設定される。
一方、図3に示す例えばモデムからなる無線機器の内部構造S200は、無線通信手段S201と、この無線通信手段S201に接続されたID格納手段S202,チャンネル選択手段S203と、外付けのコネクタ/スキャナS205と無線通信手段S201を繋ぐインターフェイスS204から大略構成されている。計測器が接続される無線機器には、このコネクタ/スキャナS205に適宜の計測器が接続されることとなる。
次に、マスターコンピュータ内のテーブルデータ格納手段に、テーブルデータを形成する方法について説明する。図4は、その方法を説明するための模式図である。最上位のマスターコンピュータをS0(Slave0)、その下位の無線機器を順にS1(Slave1),S2(Slave2),S3(Slave3)とする。ここで、無線機器S1は、直接マスターコンピュータと無線通信可能な無線機器であり、この階層をレベル1(L1)、以下、順にレベル2(L2)、レベル3(L3)とする。
まず、マスターコンピュータS0を電波送信側、他の無線機器を電波受信側とし、マスターコンピュータと通信可能な無線機器からは応答信号が送信され(X2方向)、この操作がすべての無線機器に対してなされた段階で、マスターコンピュータS0から了承信号が次の無線機器S1(ID番号が1に設定されている無線機器)に送られる(X3方向)。なお、図4においては、無線機器S1のみが図示されているが、マスターコンピュータと直接通信可能な無線機器は他にも存在することは勿論のことである。
次に、マスター権がマスターコンピュータS0から無線機器S1に与えられ(X1方向)、この無線機器S1を送信側、マスターコンピュータを除くそれ以外の無線機器(具体的には、ID番号が2以上の無線機器)が受信側となり、無線機器S1と通信可能な無線機器からは応答信号が無線機器S1に送信され(Y2方向)、さらにこの応答信号はマスターコンピュータS0に送信される(X2方向)。マスターコンピュータS0からは、了承信号が無線機器S1を介し(X3方向)、無線機器S2に送られる(Y3方向)。図では、無線機器S2が無線機器S1と通信可能であることを示している。
次に、マスター権が無線機器S1から無線機器S2に与えられ(Y1方向)、この無線機器S2を送信側、マスターコンピュータおよび無線機器S1を除くそれ以外の無線機器(具体的には、ID番号が3以上の無線機器)が受信側となり、無線機器S2と通信可能な無線機器からは応答信号が無線機器S2に送信され(Z2方向)、さらにこの応答信号は無線機器S1を介してマスターコンピュータS0に送信される(Y2、X2方向)。
上記する操作を順次実行することにより、マスターコンピュータ内のテーブルデータ格納手段には、各無線機器間ないしはマスターコンピュータと無線機器との間で通信可能なルートが格納される。なお、図4において、マスターコンピュータS0と直接通信が可能な無線機器S1はレベル1(L1)の階層に属することとし、無線機器S1と通信が可能な下位の無線機器S2をレベル2(L2)の階層に属することとし、無線機器S2と通信が可能なさらに下位の無線機器S3をレベル3(L3)の階層に属することとする。既述するように、各階層には、図示しない複数の無線機器が存在するものであり、マスターコンピュータS0を中心に下方に階層的な(ツリー状の)ネットワークが構成される。
ここで、図4に示す操作にしたがってテーブルデータを形成する際には、一定の周波数の電波、すなわち一定のチャンネル(Base−CH)にて全操作をおこなえばよい。
図5に、マスターコンピュータのテーブルデータ格納手段に形成されたテーブルデータ(第1のテーブルデータ)の一実施形態を示している。ここでは、マスターコンピュータのID番号を0とし、ID番号が1〜12までの12基の無線機器を現場内に配設した実施形態におけるテーブルデータを示したものである。図5の見方としては、横方向に上位の無線機器(i)を、縦方向に下位の無線機器(j)を示している。また、マスターコンピュータと無線機器との間、および無線機器間で通信可能な場合を1とし、通信不能な場合を0としている。
例えば、マスターコンピュータ(i=0)を縦に見ると、マスターコンピュータが直接通信可能な無線機器はID番号が1〜4の4基となる。また、ID番号が1の無線機器(i=1)を縦に見ると、その上位はマスターコンピュータのみであって当然に通信可能であり、下位のID番号の無線機器では、ID番号が2,3,5の3基の無線機器が通信可能であることが分かる。なお、このテーブルデータは、中央の斜線を中心にシンメトリックの関係にあるため、横に読んでも同様の関係を示している。
また、別途のテーブルデータ(第2のテーブルデータ)として、受信電波信号強度をテーブル化したものを図6に示している。これは、実際に各無線機器間での受信電波信号強度に基づくものであり、電波強度が大きいほど、より計測データを明瞭に読み込むことができることは言うまでもない。なお、このテーブルデータにおける受信電波信号強度を1に変換し、ブランクに0を入力することにより、図5に示す第1のテーブルデータが形成される。マスターコンピュータのテーブルデータ格納手段に、この2つのテーブルデータが形成されるように構成しておくことで、より短時間にネットワークの構築をおこなう際には第1のテーブルデータを使用し、その後にネットワークの再構築をおこなう際には第2のテーブルデータを使用するなどの使い分けが可能となる。また、図示を省略するが、テーブルデータ格納手段には、さらに、フロアノイズのノイズ強度データを表示したテーブルデータも格納することができる。
フロアノイズのノイズ強度が受信電波信号強度と同程度の場合には、受信された計測データが極めて不明瞭となることから、マスターコンピュータ内の構造として、さらに、図示を省略するフロアノイズの閾値を格納する閾値格納手段と、この閾値とフロアノイズとを比較する判別手段をさらに内蔵しておき、フロアノイズのノイズ強度が閾値よりもおおきな場合には、第1のテーブルデータにおいて、通信可能である1が表示されていた箇所を0に変更修正等するように構成することもできる。
図5に示すテーブルデータがマスターコンピュータのテーブルデータ格納手段内に形成されると、マスターコンピュータでは、制御手段により、ネットワーク構築手段が実行されて、適宜のネットワークの構築がおこなわれる。そのアルゴリズムは適宜に設定できるが、その一例として、図5に○印で囲んだ箇所を選択する方法、すなわち、テーブルデータにおいて、左端から順に各無線機器間を繋いでいく方法が極めて短時間に構築できるネットワーク構築方法の一例である。なお、マスターコンピュータと直接通信可能な無線機器はID番号:1〜4の4基であるが、そのうち、各無線機器間での双方向通信が可能な無線機器はID番号:1〜3の3基であることから、この3基をレベル1(L1)の階層に設定し、ID番号:4と、ID番号:1〜3に直接通信可能なID番号:5〜8をレベル2(L2)の階層に設定し、その他をレベル3(L3)の階層に設定している。
また、図6の受信電波信号強度に基づくテーブルデータによってネットワークを構築する場合には、受信電波信号強度が大きな順に各無線機器同士を繋ぐこととなる。例えば、無線機器4(j=4)を横に見ると、その上位の通信可能な機器は、マスターコンピュータ(i=0)の10よりも、大きな受信電波信号強度(=15)である無線機器(ID番号:2)と接続されることとなる。
図7は、図5のテーブルデータ(第1のテーブルデータ)に基づいて構築されたネットワークを模式的に示したものであり、図8は、図6のテーブルデータ(第2のテーブルデータ)に基づいて構築されたネットワークを模式的に示したものである。図において、S0はマスターコンピュータを、S1〜S12は、順に、ID番号:1〜12の各無線機器を示している。図7,8に示すように、すべての無線機器はいずれかの無線機器ないしはマスターコンピュータと接続されており、マスターコンピュータを中心に各無線機器がツリー状に形成されている。この無線機器において、いずれの無線機器に計測器が接続されても、計測器による計測データは通信可能な無線機器を介してマスターコンピュータに送信されることとなる。
次に、図7に示すネットワークにおいて、マスターコンピュータS0と無線機器S1との間の無線通信が現場の施工状況の変化等によって通信不能となった場合における、ネットワークの再構築の方法について説明する。このネットワークの再構築に際しては、受信電波信号強度に基づく第2のテーブルデータを使用するのが好ましく、本実施形態においてもそれを適用する。図9において、第2のテーブルデータで無線機器(j=1)とi=0の間が通信不能となったため、当初選定されていた受信電波信号強度の最大値である24から、その次に受信電波信号強度の大きな(受信電波信号強度が21)無線機器S5(ID番号:5)と無線機器S1を繋ぐ。この場合、無線機器S5は、無線機器S1に対して上位の関係に変更されることから、無線機器S5に対して上位の関係にあって、かつ最も受信電波信号強度が大きな無線機器S9が無線機器S5の上位の関係に変更される。この場合には、マスターコンピュータS0〜無線機器S4〜無線機器S9〜無線機器S5〜無線機器S1というルートが構築され、図10に示すネットワークが再構築される。
また、他にも、通信可能な無線機器S2と無線機器S1を繋ぐルートを構築することもできる。
次に、図8に示すネットワークにおいて、マスターコンピュータS0と無線機器S2との間の無線通信が通信不能となった場合について、ネットワークの再構築の方法を説明する。
この場合は、図11に示すように、無線機器S2の上位をマスターコンピュータS0以外で最も受信電波信号強度が大きな無線機器S3を選択し、このルートを再構築する。かかる再構築により、図12に示すように、無線機器S2と通信可能な無線機器S4にもマスターコンピュータS0からのネットワークが形成される。その他に、無線機器S4と通信可能な無線機器S9を上位の無線機器に選定することにより、マスターコンピュータS0〜無線機器S1〜無線機器S5〜無線機器S9〜無線機器S4へのネットワークも構築される。
以上に説明したように、本発明の計測管理システムによれば、マスターコンピュータ内のテーブルデータに基づいて短時間に通信ネットワークを構築することができることに加えて、その途中の任意のルート間で通信不能となった場合でも、自律的にネットワークの再構築をおこなうことができるため、刻々状況が変化する建設現場においては好適である。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
本発明の計測管理システムの一実施形態の概略構成を示した模式図。 マスターコンピュータの内部構造を示したブロック図。 無線機器の内部構造を示したブロック図。 テーブルデータの形成方法を説明した図。 第1のテーブルデータの一実施形態を示した図。 第2のテーブルデータの一実施形態を示した図。 図5のテーブルデータに基づいて形成されたネットワークの一実施形態を示した模式図。 図6のテーブルデータに基づいて形成されたネットワークの一実施形態を示した模式図。 図7のネットワークを再構築する際に第2のテーブルデータを使用した際の模式図。 図9によって再構築されたネットワークを示した模式図。 図8のネットワークを再構築する際に第2のテーブルデータを使用した際の模式図。 図11によって再構築されたネットワークを示した模式図。
符号の説明
1,1A,1B,1C,1D,1E,1a,1b,1c…無線機器、2…コネクタ/スキャナ、3…マスターコンピュータ、4…管理室、10…計測管理システム、A…土留め壁、B,H…ひずみ計、C…層別沈下計、D…土圧計、E…間隙水圧計、F…切梁、G…温度計

Claims (11)

  1. 管理者側のマスターコンピュータを中心に、複数の無線機器が階層的に通信可能にネットワークを構成しており、少なくとも1つの無線機器には計測器が接続されてなる計測管理システムであって、
    前記マスターコンピュータと無線機器はそれぞれ、電波の送受信をおこなう無線通信手段と、固有のIDを格納するID格納手段と、周波数ごとに設定された複数のチャンネルから任意のチャンネルを選択するためのチャンネル選択手段とを少なくとも備えており、マスターコンピュータには、該マスターコンピュータと電波の送受信が可能な無線機器、および、電波の送受信が可能な各無線機器間のルートを特定するテーブルデータを格納するテーブルデータ格納手段と、該テーブルデータに基づいて少なくとも計測器とマスターコンピュータとの間のネットワークを構築するネットワーク構築手段とをさらに備えており、マスターコンピュータと任意の無線機器との間および/または任意の無線機器間において電波の送受信が不能となった際に、前記テーブルデータに基づいて、他の電波送受信ルートが選択され、ネットワークが再構築されるように構成されていることを特徴とする計測管理システム。
  2. 前記テーブルデータは、マスターコンピュータと無線機器との間のルート、および無線機器間のルートにおいて、通信可能なルート間は1、通信不能なルート間は0で表示されてなる第1のテーブルデータからなり、マスターコンピュータが該第1のテーブルに基づいてネットワークを構築することを特徴とする請求項1に記載の計測管理システム。
  3. 前記テーブルデータは、マスターコンピュータと送受信可能な無線機器との間における受信電波信号強度、および、送受信可能な無線機器間における受信電波信号強度が表示されてなる第2のテーブルデータからなり、マスターコンピュータが該第2のテーブルデータに基づいて受信強度の大きな機器間でネットワークを構築することを特徴とする請求項1に記載の計測管理システム。
  4. 前記テーブルデータは、マスターコンピュータと無線機器との間のルート、および無線機器間のルートにおいて、通信可能なルート間は1、通信不能なルート間は0で表示されてなる第1のテーブルデータと、マスターコンピュータと送受信可能な無線機器との間における受信電波信号強度、および、送受信可能な無線機器間における受信電波信号強度が表示されてなる第2のテーブルデータと、の双方のテーブルデータからなり、いずれか一方のテーブルデータが選択されてネットワークが構築されるようになっており、マスターコンピュータと任意の無線機器との間および/または任意の無線機器間の間において電波の送受信が不能となった際に、第2のテーブルデータに基づいてネットワークの再構築がおこなわれるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の計測管理システム。
  5. 前記マスターコンピュータと無線機器は、受信された各チャンネルごとのフロアノイズのノイズ強度を受信するとともに、該ノイズ強度が一定の閾値より大きな場合に電波の送受信が不能であると判定する判定手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の計測管理システム。
  6. ネットワークの構築は、マスターコンピュータのID番号を0、各無線機器のID番号を順に、1,2,3,…,nとした場合に、任意のID番号の機器において、自身を電波送信側の機器とし、自身のID番号よりも大きなID番号の機器を電波受信側として各機器に電波を送信し、各機器からの応答信号を受信するとともに、応答信号の受信電波信号強度をマスターコンピュータに送信する送受信ステップをおこなうようになっており、該送受信ステップがマスターコンピュータから順におこなわれることにより、マスターコンピュータ内にテーブルデータが形成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の計測管理システム。
  7. 少なくともマスターコンピュータと直接通信可能な無線機器が第1の階層に設定され、少なくとも該第1の階層に属する無線機器と直接通信可能な無線機器が第2の階層に設定され、以下順に、下層の階層が設定されるようになっており、各階層ごとに固有のチャンネルが設定されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の計測管理システム。
  8. 使用される前記無線が、小電力無線であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の計測管理システム。
  9. 前記計測器が、変位計、層別沈下計、応力計、地下水位計、傾斜計、ひずみ計、水圧計、土圧計、温度計を含む計測機器またはセンサのいずれか一種または複数からなることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の計測管理システム。
  10. 建設現場内に設置された計測器の計測データを管理者側のマスターコンピュータに送信することによって計測データを管理する計測管理方法であって、
    現場内に複数の無線機器を設置し、無線機器の少なくとも1つには計測器を接続する第1の工程と、マスターコンピュータと各無線機器とを階層的に通信可能とし、計測器とマスターコンピュータとの間をネットワークで繋ぐ第2の工程と、からなり、第2の工程では、マスターコンピュータのID番号を0、各無線機器のID番号を順に、1,2,3,…,nとした場合に、任意のID番号の機器において、自身を電波送信側の機器とし、自身のID番号よりも大きなID番号の機器を電波受信側として各機器に電波を送信し、各機器からの応答信号を受信するとともに、応答信号の受信電波信号強度をマスターコンピュータに送信する送受信ステップをおこなうようになっており、該送受信ステップがマスターコンピュータから順におこなわれることにより、マスターコンピュータと電波の送受信が可能な無線機器、および、電波の送受信が可能な各無線機器間のルートを特定するテーブルデータを構築し、マスターコンピュータが該テーブルデータに基づいて少なくとも計測器とマスターコンピュータとの間のネットワークを構築し、マスターコンピュータと任意の無線機器との間および/または任意の無線機器間の間において電波の送受信が不能となった際には、前記テーブルデータに基づいて、他の電波送受信ルートが選択され、ネットワークが再構築されることを特徴とする計測管理方法。
  11. 前記計測器が、変位計、層別沈下計、応力計、地下水位計、傾斜計、ひずみ計、水圧計、土圧計、温度計を含む計測機器またはセンサのいずれか一種または複数からなることを特徴とする請求項10に記載の計測管理方法。
JP2006032274A 2006-02-09 2006-02-09 計測管理システム Expired - Fee Related JP4963841B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006032274A JP4963841B2 (ja) 2006-02-09 2006-02-09 計測管理システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006032274A JP4963841B2 (ja) 2006-02-09 2006-02-09 計測管理システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007213303A true JP2007213303A (ja) 2007-08-23
JP4963841B2 JP4963841B2 (ja) 2012-06-27

Family

ID=38491680

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006032274A Expired - Fee Related JP4963841B2 (ja) 2006-02-09 2006-02-09 計測管理システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4963841B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101435936B1 (ko) 2013-01-10 2014-09-01 주식회사 흥인이엔씨 듀얼센서 및 이를 이용한 계측 시스템
JP2016142684A (ja) * 2015-02-04 2016-08-08 越智 俊之 地下変位遠隔通知方法
JP2018097778A (ja) * 2016-12-16 2018-06-21 日本アンテナ株式会社 センシング部を備えるハザードマップシステム

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5940963B2 (ja) * 2012-11-19 2016-06-29 大成建設株式会社 計測管理システム

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000200399A (ja) * 1999-01-06 2000-07-18 Omron Corp 無線検針ユニット、デ―タ収集装置、経路決定装置及び無線検針システム
JP2005173771A (ja) * 2003-12-09 2005-06-30 Matsushita Electric Ind Co Ltd 自動検針無線計測装置
WO2005123422A1 (ja) * 2004-06-16 2005-12-29 Bridgestone Corporation タイヤ管理システム

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000200399A (ja) * 1999-01-06 2000-07-18 Omron Corp 無線検針ユニット、デ―タ収集装置、経路決定装置及び無線検針システム
JP2005173771A (ja) * 2003-12-09 2005-06-30 Matsushita Electric Ind Co Ltd 自動検針無線計測装置
WO2005123422A1 (ja) * 2004-06-16 2005-12-29 Bridgestone Corporation タイヤ管理システム

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101435936B1 (ko) 2013-01-10 2014-09-01 주식회사 흥인이엔씨 듀얼센서 및 이를 이용한 계측 시스템
JP2016142684A (ja) * 2015-02-04 2016-08-08 越智 俊之 地下変位遠隔通知方法
JP2018097778A (ja) * 2016-12-16 2018-06-21 日本アンテナ株式会社 センシング部を備えるハザードマップシステム

Also Published As

Publication number Publication date
JP4963841B2 (ja) 2012-06-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2483478C2 (ru) Способ составления визуальной карты маршрутов сообщений от полевых устройств в беспроводной ячеистой сети
JP5174453B2 (ja) ジオリファレンス処理を利用するワイヤレスアーキテクチャ
CA2640535C (en) Remote area sensor system
US20090097502A1 (en) Field equipment control system
JP4963841B2 (ja) 計測管理システム
AU2013203126A1 (en) Wireless device link metric for effective comparison of multi-hop routes in wireless mesh networks
JP5259278B2 (ja) 建設現場における移動体監視システム
ES2257250T3 (es) Sistema de servicio y procedimiento para el mantenimiento y control del modo de funcionamiento de un componente, en particular, de un componente de funcionamiento o accionamiento.
AU2013203125B2 (en) Network administrator interface systems and methods for monitoring industrial wireless, self organizing mesh communication networks
JP5940963B2 (ja) 計測管理システム
JP5841751B2 (ja) 掘削状態監視システム
JP6462220B2 (ja) 鉄道用設備監視システム
JP2007011675A (ja) 集中監視システム
JP2000341198A (ja) 無線通信システム
JP2005182365A (ja) 検針情報自動収集システム
US20120327791A1 (en) Apparatus and method for enhancing wireless mesh network communications
JP3558928B2 (ja) ネットワーク位置管理システム
KR100951893B1 (ko) 무선 네트워크 토폴로지상의 데이터 전송 장치 및 방법
KR101519560B1 (ko) 맨홀 관리 시스템 및 이를 이용한 맨홀 관리 방법
CN216623705U (zh) 一种线缆走向指示标桩以及标桩管理系统
JP2007122196A (ja) 監視システム
JP2018026762A (ja) メッシュネットワーク及び管理装置
JP2003348031A (ja) 無線伝送システムの無線伝送状態確認方法
KR101090151B1 (ko) 유선 통신 및 무선 통신을 지원하는 하이브리드 브릿지 노드를 이용한 센서 네트워크 시스템
KR20160062337A (ko) 맨홀 내비게이션 시스템

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090126

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110901

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111206

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120201

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120313

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120327

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150406

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees