JP2007197999A - キッチン - Google Patents

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和弘 佐野
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Abstract

【課題】本発明は、傷の付き難さをさらに向上させるとともに、汚れの付着し難さについても改善されたシンクを備えたキッチンを提供するものである。
【解決手段】本発明は、シンクが、底面および周壁を有し、その底面または周壁、もしくは底面および周壁に、複数の凸部を設けたキッチンであって、シンク表面が、親水性または撥水性の塗膜、特にはガラス成分を含む塗膜で被覆されたキッチンである。また、シンク表面に設けた凸部の間隔が0.5mmから5mmであり、凸部が千鳥配列であるキッチンである。
【選択図】図5

Description

本発明は、傷や汚れの付き難いシンクを備えたキッチンに関するものである。
キッチン用のシンクは、樹脂やステンレス鋼板をプレス成形加工したものが広く使用されている。キッチンは、デザイン性や見た目の美しさが要求されるものであるが、日常的に、調理や洗い物で使用されるシンクは、傷や汚れが付き易いものである。
そこで、流し台のシンク表面の全面または側面のみに塗膜を形成することにより、その表面を保護し、更に、付着した汚れを除去し易くする工夫が提案されている(特許文献1〜4)。また、ステンレス鋼板の表面に凹凸部を設けて、傷や汚れを付きにくくしたものが提案されている(特許文献5、6)。
特開2000−204620号公報 特開2000−319964号公報 特開2003−139698号公報 特開2003−183016号公報 特開2004−137796号公報 実用新案登録第3096074号公報
しかし、シンク表面の全面に塗膜を形成したものでは、シンク底面が陶器製や金属製の食器との接触や衝突によって部分的に剥離して斑模様となり、かえって、美感を損ねるという問題がある(図8)。シンクの側面のみに塗膜を形成したもの(特許文献1、2)では、このような問題を避けることができ、側面について傷や汚れを防止できる結果、シンク全体としての美感を向上できる。しかしながら、底面については、傷や汚れを防止できないため、さらに、美感を向上したいという要求には応えられない。
また、ステンレス鋼板製のシンクの表面に凹凸を設けたものでは(特許文献5、6)、凹凸のピッチやサイズ、形状、配列等によっては、従来の凹凸を設けていないものに比べて、傷や汚れが目立たなくなるものの、美感の要求に対して十分とは言えない。また、従来のシンクと表面の材質は同じであるため、傷のつき易さや汚れの付着し易さ自体は従来のシンクと同様である。また、表面に凹凸部を有するため、汚れが引っかかり易くなり、従来の平坦なシンクに比べて、むしろ汚れが残り易くなる問題があった。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、傷の付き難さをさらに向上させるとともに、汚れの付着し難さについても改善されたシンクを備えたキッチンを提供するものである。
本発明は、次のものに関する。
(1) シンク表面に複数の凸部を設けたキッチン。
(2) 項(1)において、シンクが底面および周壁を有し、その底面または周壁、もしくは底面および周壁に、複数の凸部を設けたキッチン。
(3) 項(1)または(2)において、シンク表面が親水性または撥水性の塗膜で被覆されたキッチン。
(4) 項(1)から項(3)の何れかにおいて、塗膜がガラス成分を含むキッチン。
(5) 項(1)から項(4)の何れかにおいて、凸部の間隔が0.5mmから5.0mmであるキッチン。
(6) 項(1)から項(5)の何れかにおいて、凸部の配列が千鳥であるキッチン。
シンク表面に複数の凸部を設けることにより、調理や洗い物をする際に、食器等がシンクに接触や衝突、摩擦する箇所が、凸部のみに集中し、その結果、傷や汚れの付着する箇所が凸部に限定されるため、シンク全体に対しては微小な傷や汚れにしかならず、シンク全体としての美感を保ったキッチンを提供することができる。また、基準面に対して段差のある凹部を有さず、凸部のみであるため、汚れが引っかかり難く、美感を保ったキッチンを提供することができる(請求項1)。
シンクが底面および周壁を有し、その底面または周壁、もしくは底面および周壁に、複数の凸部を設けることにより、凸部を設けた箇所について、傷や汚れを抑制することができ、シンク全体としての美感を保ったキッチンを提供することができる(請求項2)。
シンク表面の複数の凸部が、親水性の塗膜で被覆されるようにすることにより、親水性塗膜の表面は微量の水が付着し、放電効果によって汚染物質の静電付着を抑制することができる。
また、撥水性の塗膜で被覆されるようにすることにより、親水性の汚染物質とも塗膜表面に付着しにくく、付着した汚染物質を容易に除去することが可能で、また、塗膜の摩擦係数が低く、塗膜内部へ物理的に汚染物質が付着しにくくすることができる。
この結果、シンクへの汚れが付着し難くなり、シンク全体としての美感を保ったキッチンを提供することができる(請求項3)。
塗膜がガラス成分を含むことにより、油汚れ・石鹸カス等の汚れが付着しても水で洗い流すだけで容易に除去でき、耐汚染性に優れる。また、表面に水が付着しても液滴が広がり、表面が早く乾燥しやすい。密着性、耐熱水性、耐磨耗性、ハードコート性等も優れるシンクを備えたキッチンを提供できる(請求項4)。
凸部頂部の間隔を0.5mmから5mmとすることにより、食器等との接触によって傷が付く凸部頂部の数(点状の傷の数)が、1平方センチメートルあたり、4個から400個となり、傷の付いた凸部頂部の面積は全体に対して微小であるため、傷が付いても目立たなくすることができ、美感を保ったキッチンを提供することができる(請求項5)。
凸部を千鳥配列とすることにより、縦または横方向の凸部のピッチ(間隔)が格子配列の場合に比べて広がるため、凸部頂部に傷が付いても、配列が格子の場合に比べて、さらに目立たなくすることができ、美感を保ったキッチンを提供することができる(請求項6)。
本発明のキッチン1は、例えば、図1、図2に示す一般的に家庭において使用されるような、キャビネットと、その上のワークトップ2と、シンク3と、シンクに設けたシンク穴等の排水構造を有するものであればよく、特に制限するものではない。
本発明で使用するシンク3は、一般的にキッチン1において使用されるものであれば、特に制限はない。このため、例えば、図3、図4に示すような樹脂やステンレス鋼板をプレス成形加工したもので、底面3bおよび周壁3a、シンク穴等の排水構造を有するものが使用される。
シンク3表面は、複数の凸部3cを有することが必要である。複数の凸部3cを表面に設けたシンク3は、材質が樹脂の場合は、プレス成形の型に凸部3cを形成する形状を設けることにより、プレス成形と同時にシンク3表面に形成することができる。ステンレス鋼板の場合は、予め型押し等により凸部3cを形成した鋼板を用いて、プレス成形による深絞り加工等によって、シンク3表面に凸部3cを有するシンク3を得ることができる。
シンク3表面の凸部3cは、凸部3cのピッチが0.5mm〜5.0mm、凸部3cの形状が円(図5)、四角(図12)、長円(図13)等を採用できる。凸部3c以外の平面部3dは、略平面であればよい。また、凸部3cの面積S1は、付着した傷や汚れが目立たなければ特に制限しないが、平面部3dの面積S2に対して小さくするのがより目立たなくする上で望ましく、さらに凸部3cは直径0.5mm〜5.0mm程度が望ましい。また、凸部3cの高さH(図6)は、見た目や汚れの引っかかり易さ、排水性、清掃性等の点から、基準面に対して、0.01mm〜5.00mmが望ましい。
シンク3表面の凸部3cの配列は、凸部3cが上記の形状や寸法、高さの範囲であれば特に制限はなく、千鳥(図9)、格子(図10)、ランダム(図11)等が採用される。千鳥(図9)、格子(図10)のように方向性を有する配列の場合は、凸部3cよりも高さの低い平面部3dが垂直、水平、斜め方向に直線的に並ぶので、スムーズな水の流れが形成され、汚れが残留し難いため望ましい。また、平面部3dに汚れが残留しても、シンク表面を清掃する際に、ブラシやスポンジ等を直線的に動かせば、平面部3dが直線的に並んでいるため、平面部3dに残留した汚れを、ランダム配列(図11)に比べて効率よく清掃することができる。さらに、図5に示すように、凸部3cがピッチP1の場合、格子(図10)よりも千鳥(図9)としたときの方が、垂直方向のピッチP2、水平方向のピッチP3が広がり、傷・汚れがより目立たないこと、また、見た目の美感が優れることから望ましい。
これにより、図7に示すように、調理や洗い物をする場合に、シンク3表面が、陶器製や金属製の食器等と接触や衝突、摩擦した場合でも、接触等する箇所は、凸部頂部に限られることになる。このため、図8に示す従来のシンク3にように、食器等が接触等した範囲の全体に傷がつくことはなく、傷がついても、その領域はシンク3表面全体に対して、極一部の領域にしかならないので、シンク3全体としては傷が目立たず、美感を保ったキッチン1が提供できる。
また、汚れについても、凸部3c頂部に付着した場合は、付着した部分の面積がシンク1全体の極一部にしかならないので、上記の傷の場合と同様に、目立たず美感を保つことができる。汚れが凸部3c以外に付着した場合でも、凸部3cと凸部3cの間隙の平面部3dに排水の水が集中し、水の流れが形成されるため、排水とともに汚れが流れ落ち易く、汚れの残留を少なくすることができる。
凸部3cを設ける領域は、シンク3の底面3bまたは周壁3aの何れか一方でも、底面3bと周壁3aの両方でもよく、それぞれ凸部3cを設けた領域について、傷や汚れを抑制することができる。シンク3全体について凸部3cを設けた場合は、シンク3全体について傷や汚れを抑制できる点で望ましい。
シンク3への塗膜の被覆は、シンク3表面に塗膜を被覆できる方法であればよく、例えば、樹脂やステンレス鋼板を加工して成形してシンクを成形した後、ワークトップ2と接合する前に、シンク3表面に、スプレー等で塗膜の材料を塗布、乾燥することで塗膜を形成することができる。
凸部3cに被覆する塗膜は、傷や汚れを抑制できるものであれば、特に制限するものではないが、汚れ付着防止の効果が高い点で、親水性塗膜や撥水性塗膜が望ましい。塗膜は、シンク3の底面3bと周壁3aの両方に被覆してもよく、底面3bまたは周壁3aの何れかだけを被覆してもよい。前者の場合は、これらの両者について、傷や汚れを抑制することができ、後者の場合は、底面または周壁の何れかの傷や汚れを抑制できる。なお、本発明のシンク3は、その表面に凸部3cを有するため、塗膜に食器等が接触等しても、凸部3c頂部の塗膜が傷つくか、剥がれるだけであり、大分部の面積を占める平面部3dの塗膜は傷ついたり、剥がれたりしないため、シンク3全体としての美感が保たれる。
このように、シンク3の表面に複数の凸部3cを形成し、さらに、塗膜を被覆するという構成をとることで、以下の作用により、キッチン1の美感を保つことができる。つまり、複数の凸部3cを有することにより、傷や汚れの付くのが凸部3cに限定され、シンク3全体として傷や汚れを抑制することができるばかりでなく、塗膜を被覆することによりシンク3表面が保護されるので傷が付き難くなり、また、塗膜の作用により汚れ自体が付き難くなる。加えて、万が一、食器等との接触等により塗膜が剥がれても、それは凸部3c頂部に限定され、平面部3dを含むその他の部分は、塗膜で被覆された状態が維持されるので、汚れが付き難い状態が保たれることになる。これらの作用により、さらにシンク3全体として傷や汚れを抑制することができる。
塗膜の被覆を、シンク3の底面3bを除く周壁3aのみに行った場合、底面3bは上述したように凸部3cの作用で傷や汚れを抑制でき、周壁3aは凸部3cと塗膜の相乗作用で傷や汚れを抑制できる。また、食器等と接触等し易い底面3bに塗膜を被覆しなかったことにより塗膜の剥離を防止することができる。
親水性塗膜は、有機塗料、無機塗料の何れかを問わないが、例えば、無機塗料としては、Al(アルミナ)、SiO(シリカ)、MgO(マグネシア)等を主成分とする無機化成物を銅、亜鉛、銀等からなる金属化合物でバインドした組成のもの〔例えば、株式会社伸晃製(商品名:ベラスコート)〕を180〜220℃の温度で焼き付けて形成したガラス質のセラミック塗膜とし、その厚さを18〜20μm程度、硬度を9H(鉛筆硬度試験)以上とすることが、塗膜の強度や親水性を発現する上で望ましい。さらに、無色透明の場合は、下地のシンク3表面の凸部が透けて見えるためデザイン性が向上するので望ましい。
これにより、シンク3の底面3bと周壁3aに形成した親水性塗膜は、水への馴染みが良いために、洗い作業によってこの親水性塗膜に付着した汚染物質と該親水性塗膜の間に浸透した水が該汚染物質を徐々に浮上させて剥離させるように作用し、水洗い作業時に優れた防汚性を発揮し、また、この周壁3aの水洗いも容易になる。更に、この親水性塗膜の表面は微量の水が吸着し、放電効果によって汚染物質の静電付着を抑制する。
撥水性塗膜は、有機塗料、無機塗料の何れかを問わないが、前者としては、フッソ系コートやシリコーン系コートがあり、後者としては、例えば、四フッ化エチレンを主体とするフッ素樹脂をベースとしたセイカブライトコートクリア(大日精化工業株式会社製 商品名)をスプレー塗装し、180゜Cの温度で20分間焼き付けて形成した塗膜とし、その厚みは20μm程度、硬度は3H(鉛筆硬度試験)以上とすることが、塗膜の強度や親水性を発現する上で望ましい。さらに、無色透明の場合は、下地のシンク表面の凸部3cが透けて見えるため、デザイン性が向上するので望ましい。
これにより、シンク3の底面3bと周壁3aに形成した撥水性塗膜は、アクリルシリコン塗料やフッ素塗料に比べて撥水・撥油性が高く、親水性・親油性の汚染物質とも塗膜表面に付着しにくく、付着した汚染物質を容易に除去することが可能で、また、塗膜の摩擦係数が低く、塗膜内部へ物理的に汚染物質が付着しにくい結果が得られる。
シンク3表面にガラス成分を含む塗膜を被覆する場合は、特に、シンク3表面との密着性や塗膜強度、親水性、耐汚染性等の点から、ポリシラザンを用いたシリカ膜被覆とするのが望ましい。
ポリシラザンは、従来から知られているポリシラザンが使用できるが、好ましくは、化1に示す一般式の繰り返し単位を有する、ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による測定の数平均分子量が100〜50000の環状ポリシラザン、鎖状ポリシラザン、またはこれらの混合物を使用する。
Figure 2007197999




さらに、上記のポリシラザン又はシラザン重合物をトリアルキルアミンのような第3級アミン類、立体障害性の基を有する第2級アミン類、フォスフィン等の塩基性化合物を溶媒とするか、非塩基性溶媒の炭化水素類に添加して脱水素縮合反応を行わせることにより得られるポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による測定の数平均分子量が200〜500000の高重合体を使用する。
あるいは、無機ポリシラザンの改質反応により得られる重合体で、架橋結合−NH−又は−NHNH−を有し、ケイ素原子に結合する窒素とケイ素との原子比(N/Si)が0.8以上でポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による測定の数平均分子量200〜50000のものを使用する。
さらに、組成式(RSiHNH)X[(RSiH)1.5N]Y(但し、R;アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、またはこれらの基以外でSiに直結する原子が炭素である基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、アルコキシ基を表し、Yは1−Xであり、0.4<X<1である>で表されるポリオルガノヒドロシラザンを使用する。
さらには、酸素を含有させたポリシロキサザンや金属アルコキシド等を反応させたポリメタロシラザン、有機硼素化合物を反応させたポリボロシラザンも使用し得る。
これらの各種ポリシラザンは、その種類に応じて常温で液体〜固体を呈する。また、本発明において使用するポリシラザンは、樹脂との密着性の点では、ケイ素や窒素に直結する活性水素含有割合の高いものの使用が好ましく、一般的にはケイ素原子と窒素原子との合計原子数100に対し90以上、好ましくは100〜150の活性水素原子を有するものの使用が有利である。
ポリシラザンを含むコーティング材料には、有機アミンやカルボン酸無水物、イソシアネート、チオール、カルボジイミド、金属アルコキシド、金属ハロゲン化物等の硬化剤を添加することができ、低温セラミック化するための触媒としては、ニッケル、白金、パラジウム、アルミニウム、アミン系を用いることもできる。また、必要に応じて金属粉末、セラミック粉末、消泡剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、レベリング剤、帯電防止剤、分散剤、顔料、チキソトロピー性付与剤等を添加してもよい。
さらに、耐水性・耐熱水性を向上させるために、塗布面の表面に予めシランカップリング剤あるいはシランカップリング剤を含む前記したポリシラザンをプライマとして塗布することもできる。
シランカップリング剤は一般にXSiR3で表される化合物である。Xは有機基と反応し得る官能基で、ビニル基、メタクリロキシ基、エポキシ基、アミノ基、イソシアネート基、メルカプト基、ハロゲン等を表し、Rは加水分解可能な官能基で、メトキシ基やエトキシ基のようなアルコキシ基、ハロゲン等を表し、適宜、選択して用いられる。
シランカップリング剤を単独でプライマとして用いる方法では、予め塗布面に、シランカップリング剤をメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコールで0.1〜50%の濃度に希釈したものを従来から知られている塗布方法により塗布した後、常温から200℃の温度範囲で1〜30分の間で加熱し、硬化被膜を形成する。その後前記したポリシラザンを塗布する。
シランカップリング剤とポリシラザンの混合物をプライマとして用いる方法では、予め塗布面に、シランカップリング剤とポリシラザンを10/90〜90/10の割合で混合し、有機溶剤で0.1〜50%の濃度に希釈したものを、従来から知られている塗布方法により塗布した後、常温から200℃の温度範囲で1〜100分の間で加熱し、硬化被膜を形成する。その後前記した無機材料を塗布する。特にこの方法では、プライマ層のシリカ膜が水をブロックし塗布面と結合しているシランカップリング剤の有機基の加水分解を抑制することができるため、大幅な耐水性・耐熱水性が達成される。
上記ポリシラザンやシランカップリング剤とポリシラザンの混合物の希釈溶剤としては、脂肪族炭化水素系、ハロゲン化炭化水素系、脂環式炭化水素系、芳香族炭化水素系溶剤、エーテル類を単独あるいは複数混合して用いることができるが、塗布面が膨潤したり溶解したりしてしまうもの、あるいは水やアルコール等のプロトン性溶剤は好ましくない。
塗布面へのコート方法としては、従来より知られている塗布方法、例えばスプレーコート、スピンコート、デイップコート、フローコート等がある。
このように塗布面に形成した塗膜のシリカ転化率は、膜のIRスペクトルにおけるSiOの吸光度をA、SiHの吸光度をBとしたとき下記の式(1)で示される指数Yの値で表すことができる。このとき、IR分析法としては一般的なKBr法の他、減衰全反射(ATR)法を用いることもできる。
Figure 2007197999

形成した塗膜の用途が、シンク3表面の防汚染機能付与が目的の場合は、指標とするYの値は3.0以下が好ましく、さらに好ましくは1.0以下になるよう塗膜をシリカ転化させる。
また、形成した塗膜の用途が、シンク3表面の防汚染機能付与が目的の場合、塗膜表面を高度に親水性とすることによって石鹸カス・油汚れなどの除去性を大幅に向上させることが必要となる。
このようにポリシラザン膜表面を親水性にするためには、セラミック化させた塗膜を形成した後、アルカリ性溶液に浸漬するか、熱水に浸漬する必要があるが、このとき膜のシリカ転化率が低すぎると親水性を長時間維持することができず、高すぎると十分な親水性が得られないことから、ポリシラザン膜のシリカ転化率の指標とするYの値は、0.1以上、2.0以下となるよう調整するのが好ましい。
本発明においてポリシラザンを塗布するシンク3表面の材質としては、ステンレス鋼板等の金属、セラミックス、木材、紙、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等、種々の材料が利用可能である。ポリシラザンの成膜条件は、常温から塗布面が影響を受けない温度、通常10〜200℃の温度に一定時間保持するか、湿度50〜100%高湿下に一定時間保持する。このとき高湿下での温度は10℃以上であれば何℃でもよい。
本実施例のキッチン1は、図1、図2に示すように、キャビネットと、その上のワークトップ2と、シンク3等を有するものである。
本実施例で使用するシンク3は、図3、図4に示すように、ステンレス鋼板をプレス成形加工したもので、底面3bおよび周壁3a、シンク穴等の排水構造を有する。
シンク3表面は、図5、図6に示すように、複数の凸部3cを有する。複数の凸部を表面に設けたシンク3は、型押し等により凸部を形成したステンレス鋼板を用い、プレス成形による深絞り加工によって得る。
シンク3表面の凸部3cは、凸部3cのピッチが2.0mm、凸部3cの形状が円(図5)を使用する。平面部3dは、略平面である。また、凸部3cは直径1.0mmである。また、凸部3cの高さH(図6)は、0.05mmである。
シンク3表面の凸部3cの配列は、千鳥配列(図9)とする。これにより、図5に示すように、格子配列(図10)のピッチP1よりも、千鳥配列(図9)の方が、垂直方向のピッチP3、水平方向のピッチP2が広がり傷や汚れがより目立たず、また、見た目の美感が優れる。
凸部3cを設ける領域は、シンク3の底面3bと周壁3aの両方である。
シンク3表面に被覆する塗膜は、親水性塗膜を使用し、シンク底面3bと周壁3aの両方に被覆する。
シンク3表面への塗膜の被覆は、凸部3cを有するステンレス鋼板を加工して成形してシンク3を成形した後、ワークトップ2と接合する前に、シンク3表面に塗膜の材料をスプレーコートにより塗布、乾燥し塗膜を形成する。
親水性塗膜は、無色透明の無機塗料である、Al(アルミナ)、SiO(シリカ)、MgO(マグネシア)等を主成分とする無機化成物を銅、亜鉛、銀等からなる金属化合物でバインドした組成のもの〔例えば、株式会社伸晃製(商品名:ベラスコート)〕を180〜220℃の温度で焼き付けて形成したガラス質のセラミック塗膜とし、その厚さを18〜20μm程度、硬度を9H(鉛筆硬度試験)以上とする。
これにより、シンク底面3bと周壁3aに形成した親水性塗膜は、水への馴染みが良いために、洗い作業によってこの親水性塗膜に付着した汚染物質と該親水性塗膜の間に浸透した水が該汚染物質を徐々に浮上させて剥離させるように作用し、水洗い作業時に優れた防汚性を発揮し、また、この周壁部の水洗いも容易になる。更に、この親水性塗膜の表面は微量の水が吸着し、放電効果によって汚染物質の静電付着を抑制する。
シンク3表面に被覆する塗膜を、撥水性塗膜とした以外は、実施例1と同様にして、本発明のキッチンを得る。
撥水性塗膜は、無色透明の有機塗料である、四フッ化エチレンを主体とするフッ素樹脂をベースとしたセイカブライトコートクリア(大日精化工業株式会社製 商品名)をスプレー塗装し、180゜Cの温度で20分間焼き付けて形成した塗膜とし、その厚みは20μm程度、硬度は3H(鉛筆硬度試験)以上とする。
これにより、シンク底面3bの周壁3aに形成した撥水性塗膜は、親水性・親油性の汚染物質とも塗膜表面に付着しにくく、付着した汚染物質を容易に除去することが可能で、また、塗膜の摩擦係数が低く、塗膜内部へ物理的に汚染物質が付着しにくい結果が得られる。
シンク3表面に被覆する塗膜を、ポリシラザンを用いたシリカ膜とした以外は、実施例1と同様にして、本発明のキッチンを得る。
ポリシラザンNL−1105%(キシレン溶媒)(クラリアントジャパン株式会社製)をスプレーコートで予め脱脂処理したステンレス鋼板製のシンクに塗布した。塗布後、140℃で60分間焼成した。この条件で形成した塗膜(膜厚1.0〜2.0μm)の指標とするYの値は0.42である。
これにより、シンク底面3bの周壁3aに形成したポリシラザンを用いたシリカ膜とした塗膜は、防汚染性の他、密着性、ハードコート性も良好である。
本発明のキッチンの平面図である。 本発明のキッチンの正面図である。 本発明のキッチンに使用するシンクの平面図である。 本発明のキッチンに使用するシンクのA−A断面図である。 本発明のキッチンに使用するシンク底面の表面拡大図である。 本発明のキッチンに使用するシンク底面のB−B断面拡大図である。 本発明のキッチンに使用するシンクの使用状態図である。 従来のキッチンに使用するシンクの使用状態図である。 本発明のキッチンに使用するシンク底面の表面拡大図である(凸部千鳥配列)。 本発明のキッチンに使用するシンク底面の表面拡大図である(凸部格子配列)。 本発明のキッチンに使用するシンク底面の表面拡大図である(凸部ランダ配列)。 本発明のキッチンに使用するシンク底面の表面拡大図である(凸部四角形状)。 本発明のキッチンに使用するシンク底面の表面拡大図である(凸部長円形状)。
符号の説明
1 キッチン
2 ワークトップ
3 シンク
3a シンク周壁
3b シンク底面
3c 凸部
3d 平面部
4 塗膜
5 食器
6 基準面
ΦD 凸部の直径
S1 凸部の面積
S2 平面部の面積
P1 凸部の斜め方向のピッチ
P2 凸部の垂直方向のピッチ
P3 凸部の水平方向のピッチ
H 凸部の高さ


Claims (6)

  1. シンク表面に複数の凸部を設けたキッチン。
  2. 請求項1において、シンクが底面および周壁を有し、その底面または周壁、もしくは底面および周壁に、複数の凸部を設けたキッチン。
  3. 請求項1または2において、シンク表面が親水性または撥水性の塗膜で被覆されたキッチン。
  4. 請求項1から請求項3の何れかにおいて、塗膜がガラス成分を有するキッチン。
  5. 請求項1から請求項4の何れかにおいて、凸部の間隔が0.5mmから5mmであるキッチン。
  6. 請求項1から請求項5の何れかにおいて、凸部が千鳥配列であるキッチン。



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