JP2007186619A - ドライクリーニング用洗浄剤およびドライクリーニング方法 - Google Patents

ドライクリーニング用洗浄剤およびドライクリーニング方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ドライクリーニング用洗浄剤の酸化劣化と着色を防止すること。
【解決手段】炭素数10〜13の環式モノテルペン及び/又はその誘導体を主成分とするドライクリーニング用洗浄剤100重量部に対し、高分子型フェノール系酸化防止剤を10〜1000ppm添加する。高分子型フェノール酸化防止剤10〜90重量部に対して、イオウ系酸化防止剤を90〜10重量部の割合で併用することもできる。ドライクリーニング用洗浄剤によってドライクリーニングした後、当該洗浄剤を植物系活性炭で脱臭処理して再利用する。
【選択図】 なし

Description

本発明はドライクリーニング用洗浄剤およびドライクリーニング方法に係り、特に洗浄剤を循環回収して再利用する際の洗浄剤の酸化及び着色を防止する洗浄剤および方法に関する。
ドライクリーニング用洗浄剤(溶剤)として、パラフィン系、ナフテン系の炭化水素などの石油系溶剤や、塩素系溶剤、フッソ系溶剤などのハロゲン系炭化水素溶剤及びシリコーン系溶剤などが用いられている。
特許文献1では、ドライクリーニング用洗浄剤(溶剤)として天然系の炭素数10〜13の乾式モノテルペン及び/又はその誘導体を利用することで従来の洗浄剤に較べて洗浄力に遜色なく、又取り扱う作業者に対して皮膚刺激性が低く、更に環境に対しても負荷が少ない洗浄剤を提案している。
特開2004−292713号公報
ドライクリーニングとは通常、洗浄剤に被洗浄物(披洗濯物)を、浸漬させ、更に機械的に被洗浄物にタタキ・シボリなどの繰り返し外力を与えて、被洗浄物に付着・浸透している汚れの原因である水性汚れ、油脂汚れなどを披洗濯物より取り除くことである。
そのドライクリーニング用洗浄剤として、前記特許文献1において、炭素数10〜13の乾式モノテルペン及び/又はその誘導体を用い、更にその中に水:界面活性剤:炭素数10〜13の乾式モノテルペン及び/又はその誘導体で調整されたドライクリーニング調整剤を添加して使用することで、従来のパラフィン系、ナフテン系の炭化水素などの石油系溶剤や、塩素系溶剤、フッソ系溶剤などのハロゲン系炭化水素溶剤及びシリコーン系溶剤などに較べて遜色なく水性・油性の汚れ成分をとることができるとしている。
ドライクリーニングの工程では洗浄剤に被洗濯物を浸漬して機械的外力と時間(あるいは温度をかける場合もある)をかけて、被洗濯物から汚れ成分を洗浄剤とともに分離する。その分離された被洗濯物は乾燥機で十分乾燥されて、洗浄剤と分離され取り出される。又、汚れ成分を含んだ洗浄剤はフィルターおよび活性炭で処理されて再利用するコールド法と、汚れ成分を含んだ洗浄剤を真空蒸留で蒸発・凝縮・回収されて再利用されるホット法とがある。
このドライクリーニングの被洗濯物から洗浄剤を除去する乾燥工程において、沸点以上に加熱された洗浄剤はそのまま大気中に放出されるか、回収ユニットにて再凝集させて回収する方法がある。近年、前者のように、有機化合物を大気中に放出することは、大気汚染を引き起こすなど環境問題となっているため好ましくなく、資源を有効利用するためにも後者の、洗浄剤の回収再使用が好ましい。
汚れ成分が溶解・吸着している洗浄液から汚れ成分である浮遊物例えば繊維屑、ゴミ、髪の毛、皮膚老廃物などをフィルターでろ過し、汚れ成分から派生する油脂分アンモニア、アミン類、メルカプタン類などの臭い成分を活性炭を通すことで処理してやることで洗浄剤が再使用できるようになる。
更に汚れ成分が溶解・吸着している調整剤成分は蒸留工程で洗浄剤と分離してやることで、洗浄剤は不純物の含まれないドライクリーニング液として繰り返し再使用できることになる。
該洗浄剤はこのように、ドライクリーニング工程で前述のように被洗濯物とともに乾燥工程で沸点以上の温度履歴を受け、循環回収する工程を通る場合には、加熱・蒸留・凝縮回収と更に熱的ラインを通ることや、脱臭のための活性炭ラインを通ることで洗浄剤として酸化劣化しやすい工程を何度となく通ることになる。
この天然系洗浄剤のリモネンは石油系溶剤や合成溶剤などの洗浄剤にくらべ、化学構造上、空気中の酸素、光、熱、金属などにより3級水素が引き抜かれ易く、そのためにラジカルが発生して化学的安定性が乏しいので、一般的にモノフェノール系酸化防止剤BHT(2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール)が添加されていることは周知の事実である。
このモノフェノール系酸化防止剤(BHT)が添加された洗浄剤をコールド機に於いて3週間から1ヶ月連続使用すると、又は200〜300ワッシャー(洗浄回数)することでリモネン液の黄変(着色)が起こる。
洗浄剤の着色(黄変)により、披洗濯物が着色する恐れが懸念されるために、新しい洗浄剤との交換頻度を多くすることになり、石油系溶剤の経済性に較べて低いことになる。
本発明は、このリモネンを主成分とするドライクリーニング用洗浄剤にある種の特定の酸化防止剤を単独あるいは併用して使用することで洗浄剤の酸化劣化を防止し、その結果、洗浄剤の着色を防止することで経済性の点で石油系溶剤に劣らない方法を提案するものである。
前記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、炭素数10〜13の環式モノテルペン及び/又はその誘導体を主成分とするドライクリーニング用洗浄剤100重量部に対し、高分子型フェノール系酸化防止剤を10〜1000ppm添加することを特徴とする。
また、請求項2に係る発明は、炭素数10〜13の環式モノテルペン及び/又はその誘導体を主成分とするドライクリーニング用洗浄剤に、酸化防止剤として高分子型フェノール系酸化防止剤を単独あるいはイオウ系酸化防止剤と併用することを特徴とする。
また、請求項3に係る発明は、請求項2の発明において、高分子型フェノール系酸化防止剤とイオウ系酸化防止剤の割合を、高分子型フェノール酸化防止剤10〜90重量部に対して、イオウ系酸化防止剤を90〜10重量部としたことを特徴とする。
また、請求項4の発明は、請求項1から3のいずれかのドライクリーニング用洗浄剤によってドライクリーニングした後、当該洗浄剤を植物系活性炭で脱臭処理して再利用することを特徴とする。
また、請求項5の発明は、植物系活性炭の灰分を0.1重量%以下とすることを特徴とする。
この発明はドライクリーニング用洗浄剤の酸化劣化による着色を防止するために、炭素数10〜13の環式モノテルペン及び/又はその誘導体を主成分とするドライクリーニング用洗浄剤に、高分子型フェノール酸化防止剤を添加したものである。従来のドライクリーニング用洗浄剤では、酸化防止剤としてのモノフェノール型酸化防止剤を含む洗浄剤から発生したラジカルによりキノン化して酸化劣化で着色していたが、本発明で使用する高分子型フェノール酸化防止剤はラジカルをトラップする機能を多く持つ(キノンになりにくい)から、非常に酸化劣化ないし着色しにくい。さらに、従来は洗浄剤の脱臭再利用のために石油系活性炭が一般に使用されてきたが、この石油系活性炭は多くのラジカルを持ち、かつ、燃焼時の残渣物である灰分に窒素酸化物NOxや硫黄酸化物SOxなどを含有している。これらは洗浄剤の酸化防止剤の水素を引き抜き、キノン化を促進して酸化劣化により着色する原因物質でもあるが、本発明では石油系活性炭に代えて植物系活性炭を使用するため、前記ラジカルおよび窒素酸化物NOxや硫黄酸化物SOxなどの灰分が少なく、酸化劣化による着色を抑制することができる。
以下この発明について詳細に説明する。
従来から使用されている合成溶剤である塩素系洗浄剤(1,1,1トリクロロエタン、テトラクロロエタン・・)やフロン系洗浄剤フロン113等は難燃性であることと、油脂系の汚れに対して溶解性が大きくて、乾燥速度が早いなどの優位な特徴をもつ一方で、大気及び河川などに排出された場合に環境に対する負荷が大きく、法的な規制があるなど使用に制約が多い。
炭素数10〜13の環式モノテルペン及び/又はその誘導体を主成分とする洗浄剤の中でリモネンは天然のミカン、オレンジ、グレープフルーツなどの天然の柑橘類の皮などに多く含まれるものを抽出・蒸留・精製して製造されるものであり、入手も容易である。
さらに皮膚に対する刺激性が少ないことや、生分解率がBOD換算で4週間後に始めに較べて80%以上分解するものであり、ラットに経口投与した場合の急性毒性がLD50値で2000mg/kg以上であることなど、人体に及ぼす影響も少なく、より望ましく用いられる。
この生分解率がBOD換算で4週間後の80%分解するものであることとは、環境中に排出された場合でも、微生物によって容易に分解されるため、環境汚染の少ないものである。生分解率が80%未満の分解である場合には、微生物による分解速度が遅いため、環境汚染の恐れが生じることがある。
この生分解率の測定は、OECDテストガイドライン301CにあるMITI(1)法(化学物質100mg/L、汚泥濃度30mg/L)で行い、25℃に保たれた恒温室内に28日間放置し、その後のBODを測定することにより行なわれるものである。
ラットに経口投与した場合の急性毒性がLD50値が2000mg/Kg未満の場合には毒性が高いため、誤飲による事故の危険がある。
天然系洗浄液としてリモネンで代表される炭素数10〜13の環式モノテルペン及び/又はその誘導体とは2つのイソプレンが環状に結合したものであり下記化1〜化6に示されるような一般式で表されるものである。R−1、R−2、R3は同じであっても、異なっても良い。
またこれには、少なくとも2箇所以上の2重結合が隣合っていない限り任意の位置に存在し、更に任意の位置に水酸基を付与させることもできる。
Figure 2007186619

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この環式モノテルペンには、化―1に示されたボルナン類、化―2に示されたカラン類、化―3に示されたフェンカン類、化―4に示されたP−メンタン類、化―5に示されたピナン類、化―6に示されたツジャン類などがある。
ボルナン類(化―1)としては、ボルナン、ボルニル、ボルネオール、イソボルネオール、ショウノウ、カンホルキノン、ノルボルナン、ノルボルニル、カンフェンなどがあり、カラン類(化―2)には、カラン、カリル、ノルカラン、ノルカリルなどがある。
フェンカン類(化―3)としては、フェンカン、フェンキルアルコール、フェンコンなどがあり、p−メンタン類(化―4)にはp−メンタン、p−メンチル、リモネン、α−テルピネン、γ−テルピネン、メントール、カルベオール、ペリリルアルコール、α−テルピネオール、ペリルアルデヒド、メントン、カルボン、ピペリトン、プレゴンなどがある。
ピナン類としては、ピナン、α−ピネン、β−ピネン、クリサンテノン、ベルベノン、ノルピナンがあり、ツジャン類(化―6)にはツジャン、ツジャル、ツジョンなどがある。
これら環式モノテルペンのうち、炭素数が10〜13であることにより、十分な洗浄力と洗浄した後の、被洗濯物の乾燥性を併せ持ち、更に洗浄に際しての被洗濯物の傷みが少なく、その使用に際しての制約が少なく、より安全性の高いドライクリーニング用洗浄剤である。
これら環式モノテルペン又はその誘導体の中で、好ましいものとして、炭素環に対して側鎖がパラ位に配位しているp−メンタン類(化―4)又はツジャン類(化―6)が挙げられる。
このp−メンタン類(化―4)又はツジャン類(化―6)は、液状であるためドライクリーニン用洗浄剤組成物として適した形態であることや、取り扱いが容易であることや、皮膚に対する刺激が比較的少ないため取り扱いが簡単なものである。
これらp−メンタン類(化―4)又はツジャン類(化―6)の環式モノテルペンの内、p−メンタン類(化―4)のなかでは、p−メンタン、p−メンチル、リモネン、γ−テルピネンでツジャン類(化―6)の中では、ツジャンがより好ましく用いられる。又、その誘導体ではこれら環式モノテルペンにメチル基、エチル基、などのアルキル基が付いたものが比較的溶解力が高く、安全性の面からより好ましく用いられる。
これらの内、比重が0.79で、引火点が40℃で、水に不溶であるp−メンタン、比重が0.85で引火点が48℃で、水に不溶であるリモネン、比重が0.85で、引火点が51℃で、水に不溶であるγ−テルピネン又はそれらの誘導体が溶解力と安全性とのバランスがとれたものとして、望ましく用いられる。
さらに、p−メンタン類(化―4)のリモネン又はその誘導体がより望ましく用いられる。このリモネンには、光学活性の違いにより(+)体と(−)体があり、それぞれD−リモネン、L−リモネンと表される。これらには、洗浄組成物としての差異はなく、どちらか一方もしくは両方を混合して用いることができる。
この天然系洗浄剤のリモネンは石油系溶剤や合成溶剤などの洗浄剤にくらべ、化学構造上、空気中の酸素、光、熱、金属などにより3級水素が引き抜かれ易く、そのためにラジカルが発生して化学的安定性が乏しいので、一般的にモノフェノール系酸化防止剤BHT(2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール)が多く添加されているが、該洗浄剤はドライクリーニングにより、長時間使用するに伴い洗浄剤は黄色く着色してくる。この黄変色はリモネンから発生したラジカルがモノフェノール系酸化防止剤(BHT)から、OH基の水素引き抜きが起こり、キノンが生成することによる着色である。
通常、ドライクリーングに使用する洗浄剤は被洗濯物を乾燥するために乾燥温度60℃で30〜40分間ほどの熱履歴を受ける。またホット法では真空蒸留であるが100℃で10分ほどの熱履歴を更に受けることになる。
ドライクリーニング手法のコールド法及び蒸留回収法において該洗浄剤を再使用するときにフィルターで該洗浄剤に含まれている不純物あるいはコンタミ(繊維くず、髪の毛、皮膚老廃物など)を除去するとともに、活性炭ユニットを通過させて臭い成分を吸着させるのであるが、この活性炭との接触においても該洗浄剤は黄色く着色する。
この活性炭との接触においても該洗浄剤が着色するのは、活性炭中には多くのラジカルを含んでおり、該洗浄剤の酸化を促進する。このためモノフェノール系酸化防止剤は該洗浄剤の酸化を防ぐために、水素原子を供給し続けるそのためキノン化が進み同様に黄色く着色する。
また、活性炭には灰分を含んでおりその灰分には窒素酸化物NOx、硫黄酸化物SOxなどが存在するために、モノフェノール型酸化防止剤はこれらとの反応においても、キノンを生成することになり黄色く着色することになる。
この発明は該洗浄剤の着色を防止するために、高分子型フェノール酸化防止剤を添加することである。
モノフェノール型酸化防止剤は洗浄剤から発生したラジカルによりキノン化して着色するのであるが、この着色を押さえるためにはラジカルをトラップする機能を多く持つ(キノンになりにくい)タイプの酸化防止剤を選定するが重要である。
ラジカルトラップ機能とは化学構造的に洗浄液(リモネン)にラジカルが発生して、酸化防止剤の水素引き抜きが起こっても、化学構造上ラジカルがトラップされてキノン化するの防ぐタイプの酸化防止剤の機能をいい、高分子型フェノール系酸化防止剤はOH以外にもこのラジカルトラップ機能をもち、更にそのなかでもプロピオオキシ誘導体を持つ酸化防止剤が有効である。
高分子型とは酸化防止剤の狭義の便宜上の分類として分子量350以上のものとする。
高分子型フェノール酸化防止剤のタイプとしては、(1)ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、(2)4,4−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、(3)3,9ビス[2−〔3−(3-t−ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕−1,1-ヂメチルエチル]-2,4,8,10-テトラオキシザスピロ[5-5]アンデカン、(4)1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、(5)1,3、5−トリメチル−2,4,−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、(6)テトラキス−〔メチレン−3−(3‘,5−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、(7)ビス〔3,3‘−ビス(4’−ヒドロキシ−3‘−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド〕グリコールエステル,(8)1,3,5−トリス(3’5−ジ−t−ブチル−4‘−ヒドロキシベンジル)−S−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン、(9)トリフェロール類などがありその中で、特に3,9ビス[2−〔3−(3-t−ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕−1,1-ヂメチルエチル]-2,4,8,10-テトラオキシザスピロ[5-5]アンデカンが好ましい。
高分子型フェノール酸化防止剤を該洗浄剤に添加するには、前もって該洗浄剤に添加しておくと、系内に均一に溶解されているので有効に働く。高分子型フェノール酸化防止剤の添加量は該洗浄剤に対して10〜1000ppmが好ましく、10ppm以下では該洗浄剤の酸化劣化を防止する効果が低く、また1000ppm以上では経済性が悪くなる。さらに好ましくは100〜700ppmの添加量が望ましい。
高分子型フェノール酸化防止剤は単独で用いることが多いが、更に効果をあげる場合にはその他のイオウ型酸化防止剤、リン系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤と併用するもある。
イオウ系酸化防止剤にはジラウリル3,3−チオジプロピオネート、ジミリスチル3,3−チオジプロピオネート、ジステアリル3,3−チオジプロピオネートなどがある。
リン系酸化防止剤にはトリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、4−4‘−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニルジトリデシル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(オクタデシルホスファイト)、トリス(ノリルフェニル)ホスファイト、トリス(モノ及び/あるいはジノニルフェニル)ホスファイト、ジイソデシベルペンタエリストールジフォスファイト、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10ホスファフェナントレン=10−オキサイド、10−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10−デシロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサー10−ホスファフェナントレン、トリス(2,4−t−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトラビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトラビス(2,6―ジ−t−ブチルメチルフェニル)ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、などがある。
アミン系酸化防止剤にはアルキレーティドジフェニルアミンなどがある。
高分子型フェノール酸化防止剤と併用する酸化防止剤としてはイオウ系酸化防止剤が好ましい。リン系酸化防止剤は洗浄剤中に添加される調整液(水+界面活性剤+洗浄液の混合物)中に含まれる水に加水分解されるので効果が持続せず、実用上は好ましくなく、また、アミン系酸化防止剤もまた熱などで容易に黄色く着色したり、長期間使用するとそれ自身が黄色味を帯びてくるので好ましくない。
高分子型フェノール酸化防止剤と併用される場合のイオウ系酸化防止剤との配合比率は90〜10重量部:10〜90重量部であるが、好ましくは90〜50重量部:10〜50重量部である。
この場合、使用する高分子型フェノール酸化防止剤は1種類もしくは、それ以上であってもかまわないし、またイオウ系酸化防止剤も1種もしくはそれ以上を組み合わせ使用することも可能である。
該洗浄剤の酸化劣化の原因として、活性炭によるものも考えられる。洗浄剤の再利用において、循環ろ過回収することは前述であるが、その脱臭工程で使用する活性炭も該洗浄剤の酸化劣化には大きく影響することがわかった。
活性炭は活性炭原料となる基材(例えば石炭で代表される石炭系、木材、竹、やし、籾殻などの植物系などがある)を酸素希薄化で燃焼・炭化させて、多孔質状の炭にすることで、各種臭い物質や不純物を吸着分解させる能力を有するものである。
そのために、活性炭自身には多くのラジカルをもっている。又、燃焼時の残渣物である灰分には、窒素酸化物NOxや硫黄酸化物SOxなどを含有しており、これらは洗浄剤に添加してある酸化防止剤の水素を引き抜き、キノン化を促進して着色する原因でもある。
該洗浄剤に用いる活性炭としては灰分の極力少ないタイプのものを用いることが重要で灰分を0.1%以下に管理された活性炭が好ましい。
更に、活性炭の材質的には植物系が好ましく、その中でも籾殻炭系には灰分が少なく特に、灰分が0.01%以下のものが酸化劣化による着色が少なく、特に好ましい。
ドライクリーニングに該洗浄剤を使用するとき、高分子型フェノール酸化防止剤の添加で黄変の着色を防ぐことができ、長期間のくり返し使用をすることが可能となった。
また、該洗浄剤を長期間使用することになると、洗浄剤用調整剤や酸化防止剤が徐々に減少していくことから、一定期間内で調整液及び酸化防止剤の追加してやることを推奨する。
以下、この発明について実施例に基づき詳細に説明する。
洗浄剤にリモネンを用い、酸化防止剤として高分子型フェノール酸化防止剤3,9ビス[2−〔3−(3-t−ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕−1,1-ジメチルエチル]-2,4,8,10-テトラオキシザスピロ[5-5]アンデカン、商品名:住友化学社製スミライザーGA−80を250ppm添加した洗浄剤を作成して、その洗浄剤に水+界面活性剤の調整液1重量%を加えた。水と界面活性剤の混合割合は100重量部:50重量部であった。
この洗浄剤を用いて、披洗濯物8Kgを山本製作所製DO1−16LD機(16Kg処理機)でドライクリーニングを実施した。活性炭は植物系を使用した。
その後、山本製作所製VS−16L(16kg処理機)の乾燥機でドライクリーニング後の披洗濯物の乾燥を行なった、乾燥温度は60℃で30分間乾燥に費やした。
このときの洗浄剤には着色はなく、透明であった。
次に回数を増やし300ワッシャーで洗浄剤の液の着色を判定したが、透明であった。
更に回数を増やし1000ワッシャーで洗浄剤の液の着色を判定したが透明であった。
また、この他に洗浄剤の劣化は見られなかった。
洗浄剤にリモネンを用い、酸化防止剤として実施例1と同様にGA−80を500ppm添加した洗浄剤を作成した。次に実施例1同様に調整剤を同量加えてドライクリーニングを実施した。実施例1同様に活性炭は植物系を使用した。
洗浄回数300ワッシャ−で洗浄剤の着色を判定したら透明であった。
更に回数を増やし1000ワッシャ−で洗浄剤の着色を判定したら透明であった。
更に回数を増やし3000ワッシャーで洗浄剤の着色を判定したら、透明であった。3000ワッシャーとは大手クリーニング店での約半年間の洗浄回数であり、該洗浄剤は長期間の連続使用に対して変色がなく経済性の高いことが確認できた。
洗浄剤にリモネンを用い、酸化防止剤としてチバガイギ−社イルガノックスRA1010を500ppm添加した洗浄剤を作成した。次に実施例1同様に調整剤を同量加えてドライクリーニングを実施した。実施例1同様に活性炭は植物系を使用した。
洗浄回300ワッシャーで洗浄剤の着色を判定したら透明であった。
更に回数を増やし1000ワッシャーで洗浄剤の着色を判定したら透明であった。
更に回数を増やし3000ワッシャーで洗浄剤の着色を判定したら透明であった。
その他洗浄剤の状態は、実施例1及び2同様劣化は見られなかった。
洗浄剤にリモネンを用い、酸化防止剤として実施例1と同様にGA―80を400ppm、イオウ系酸化防止剤ジラウリル3,3‘−シオジプロピオネート商品名:スミライザーTPL−Rを100ppm添加した洗浄剤を作成して、その洗浄剤に、水+界面活性剤の調整剤1重量%を加えた。水と界面活性剤の混合割合は100重量部:50重量部であった。実施例1同様に活性炭は植物系を使用した。
次にこの洗浄剤を用いて、山本製作所製機でドライクリーニングを実施した。
洗浄回数300ワッシャーで洗浄剤の着色を判定したら透明であった。
更に回数を増やし600ワッシャーで洗浄剤の着色を判定したら透明であった。
更に回数を増やし3000ワッシャーで洗浄剤の着色を判定したら透明であった。
更に回数を増やし4000ワッシャーで洗浄剤の着色を判定したら透明であった。
洗浄剤にリモネンを用い、酸化防止剤としてモノフェノール型酸化防止剤2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール商品名:スワノックス(吉富製薬製)を500ppm入れた洗浄剤を調整した。ドライクリーニング終了後、汚れた洗浄剤を石炭系活性炭を通して脱臭処理を行なった。同様に10ワッシャー繰り返した後、その洗浄剤の着色状態を確認したら黄色く着色していた。
以下の表1に、それぞれの活性炭種を変えて洗浄剤の着色(黄変)の状態を確認した結果を示す。
Figure 2007186619
活性炭として石炭系活性炭を使う限り洗浄剤は10ワッシャーで黄変してしまった。
活性炭を植物炭に替えることで、また酸化防止剤GA−80との組み合わせより、洗浄剤はドライクリーニング回数を重ねても黄変することはなかった。
比較例1
洗浄剤にリモネンを用い、酸化防止剤としてモノフェノール酸化防止剤2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール商品名:スワノックス(吉富製薬製)500ppm添加した洗浄剤を作成して、その洗浄剤に水+界面活性剤の調整剤1重量%を加えた。水と界面活性剤の混合割合は100重量部*50重量部であった。
この洗浄剤を用いて、被洗濯物を8Kgを、山本製作所製DO1−16LD機でドライクリーニングを実施した。活性炭は実施例1〜4同様植物系を使用。
このときの洗浄剤には着色はなく透明であった。
次に回数を増やし300ワッシャーで洗浄剤の液の着色を判定したが、黄色く着色していた。
この液で更に洗浄回数を50ワッシャーくりかえして使用後、白色被洗濯物を確認したら若干黄色さが移っており、洗浄剤としては不適であった。
このように、リモネンを用いたドライクリーニング用洗浄剤に酸化防止剤として高分子型フェノール酸化防止剤を用いることで、洗浄剤の着色の防止することができ、繰り返し回数を大幅に増やすことができ長期間使用が可能となった。

Claims (5)

  1. 炭素数10〜13の環式モノテルペン及び/又はその誘導体を主成分とするドライクリーニング用洗浄剤100重量部に対し、高分子型フェノール系酸化防止剤を10〜1000ppm添加することを特徴とするドライクリーニング用洗浄剤。
  2. 炭素数10〜13の環式モノテルペン及び/又はその誘導体を主成分とするドライクリーニング用洗浄剤に、酸化防止剤として高分子型フェノール系酸化防止剤を単独あるいはイオウ系酸化防止剤と併用することを特徴とする洗浄剤。
  3. 高分子型フェノール系酸化防止剤とイオウ系酸化防止剤の割合を、高分子型フェノール酸化防止剤10〜90重量部に対して、イオウ系酸化防止剤を90〜10重量部としたことを特徴とする請求項2のドライクリーニング用洗浄剤。
  4. 請求項1から3のいずれかのドライクリーニング用洗浄剤によってドライクリーニングした後、当該洗浄剤を植物系活性炭で脱臭処理して再利用することを特徴とするドライクリーニング方法。
  5. 植物系活性炭の灰分を0.1重量%以下とすることを特徴とする請求項4のドライクリーニング方法。
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