JP2007177917A - デファレンシャル装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ピニオンシャフトやピニオンギアの焼き付きを防ぎ、寿命を向上させることができるデファレンシャル装置を提供する。
【解決手段】ピニオンシャフトのギア摺動面とピニオンギアのシャフト摺動面の少なくとも一方の摺動面に、微小凹形状のくぼみをランダムに無数に設ける。くぼみを設けた面の面粗さパラメータRyniが0.4μm≦Ryni≦1.0μmの範囲内である。Sk値が−1.6以下である。これにより、摺動面の油膜形成能力が向上し、ピニオンシャフトおよびピニオンギアの焼付きを防ぎ、長寿命を得ることができる。
【選択図】図1

Description

この発明は、自動車に使用されるデファレンシャル装置に関する。
デファレンシャル装置は、入力用リングギアを有するデフケースと、このデフケース内に枢支されたピニオンギアと、出力軸に取付けられて前記ピニオンギアと噛合するサイドギアとを備える(特許文献1)。
ピニオンギアはリングギアの回転によって公転すると同時に自転できるようになっている。そして、直進状態の場合、回転はリングギアに伝えられ、ピニオンギアが公転する。左右のタイヤにかかる抵抗が同じであるのでそのままピニオンギアの回転がサイドギアに伝えられ左右のドライブシャフトに同速度の回転が伝わる。ところが、カーブを曲がる場合、外側に比べ内側のタイヤの移動距離が短くなり、抵抗が大きくなる。すると、サイドギアがピニオンギアを回転させることになり、ピニオンギアは公転しながら自転も行う。これにより、自動的に左右のタイヤに回転差を与える。
このように、デファレンシャル装置は、極めて有効なシステムである。しかしながら、雪上、ぬかるみなどで問題が生じることがある。すなわち、駆動輪の一方が、穴等にはまったり、雪や氷の上を通過したりした場合、この一方のタイヤには抵抗がなくなり、他方のタイヤに大きな抵抗がかかることになる。
このため、デファレンシャル装置の作動により、左右の回転差を吸収するためピニオンギアはデフケースとともに回転しながら、高速で自転することになる。このピニオンギアの高速回転により、ピニオンシャフトとピニオンギアの摺動面の油膜が切れ、金属同士が接触し、焼き付きが発生する可能性が高くなる。
そこで、従来には、ピニオンシャフトとピニオンギアとの間に異常な回転差が生じないように抑えることによって、両者の摺接面での焼き付きを防止できるデファレンシャル装置がある(特許文献1)。
特開平9−303533号公報
前記特許文献1では、一対のピニオンギアを2つの短ピニオンシャフトでそれぞれ枢支するとともに、短ピニオンシャフトをデフケースおよびピニオンギアに対して相対的に回転可能としている。これによって、各短ピニオンシャフトとピニオンギアとの間の相対回転を小さくして、この間での焼き付きの発生を抑えるようにしている。
しかしながら、相対回転を小さくしても、高速回転の場合、依然摺動面に焼き付きが発生する可能性が高い。このように、ピニオンシャフトの焼き付きは、ピニオンシャフトピンの破断やピニオンシャフトの抜け出し等を引き起こし、デファレンシャル装置の正常な作動を妨げることになる。
また、従来には、ピニオンシャフトに金属被膜をコーティングするようにしたものもあるが、この場合、コーティングの工程を必要としてコスト高となっていた。
本発明の課題は、ピニオンシャフトやピニオンギアの焼き付きを防ぎ、寿命を向上させることができるデファレンシャル装置を提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明のデファレンシャル装置は、ピニオンシャフトのギア摺動面とピニオンギアのシャフト摺動面の少なくとも一方の摺動面に、微小凹形状のくぼみをランダムに無数に設け、前記くぼみを設けた面の面粗さパラメータRyniが0.4μm≦Ryni≦1.0μmの範囲内であり、かつ、Sk値が−1.6以下であることを特徴とする。
パラメータRyniとは、基準長毎最大高さの平均値すなわち、粗さ曲線から、その平均線の方向に基準長さだけ抜き取り、この抜き取り部分の山頂線と谷底線との間隔を粗さ曲線の縦倍率の方向に測定した値である(ISO 4287:1997)。
また、パラメータSkとは、粗さ曲線の歪み度(スキューネス)を指し(ISO 4287:1997)、凹凸分布の非対称性を知る目安の統計量である。ガウス分布のような対称な分布ではSk値は0に近くなり、凹凸の凸部を削除した場合は負、逆の場合は正の値をとることになる。
上記のように、本発明では、くぼみを設けた面の面粗さパラメータRyniを0.4μm以上、1.0μm以下の範囲内に規定することで、希薄潤滑下でも油膜切れを防ぐことが可能となり、極端に油膜厚さが薄い条件下でも長寿命を得ることができる。また、摺動面のSk値を幅方向、円周方向とも−1.6以下とすることにより、微小凹形状のくぼみが油溜りとなり、圧縮されても滑り方向、直角方向への油のリークは少なく、油膜形成に優れ、表面損傷を極力抑える効果が発揮される。
このデファレンシャル装置において、前記くぼみを設けた面の面粗さパラメータRymaxを0.4〜1.0μmの範囲内に設定すると、さらに油膜形成能力を向上させることができる。ここで、パラメータRymaxは基準長毎最大高さの最大値である(ISO 4287:1997)。
あるいは、このデファレンシャル装置において、前記くぼみを設けた面の面粗さをパラメータRqniで表示したとき、軸方向面粗さRqni(L)と円周方向面粗さRqni(C)との比の値Rqni(L)/Rqni(C)を1.5以下に設定することによっても、さらに摺動面の油膜形成能力の向上が図られる。パラメータRqniとは、粗さ中心線から粗さ曲線までの高さの偏差の自乗を測定長さの区間で積分し、その区間で平均した値の平方根であり、別名自乗平均平方根粗さともいう。Rqniは、粗さ計の触針を幅方向および円周方向に移動させて測定し、拡大記録した断面曲線、粗さ曲線から数値計算で求められる。
くぼみの平均面積が30〜100μmの範囲内であり、くぼみを設けた面におけるくぼみの面積率が5〜20%の範囲内である。これにより、油膜形成能力を向上させることができるため、希薄潤滑下で極端に油膜厚さが薄い条件下でも長寿命を得ることができる。なお、くぼみの面積率とは、摺動面に微小凹形状のくぼみをランダムに無数に設けた場合、摺動面全体の面積に占めるくぼみの面積の割合を意味する。
以上のように、本発明によると、微小凹形状のくぼみをランダムに無数に設けることによって、摺動面に油膜が形成しやすくなる。しかもこのくぼみが油溜まりとなるため、摺動面の油膜形成が確実に行える。このため、温度上昇の低減が可能となるとともに、摺動面の金属接触を緩和でき、ピニオンシャフトの耐焼付性を向上させることができる。また、表面性状を変えることで、油膜形成能力の向上を図ることができ、従来のデファレンシャル装置の形状、構造を大幅に変更する必要がない。すなわち、使用する種々の部品もほとんど変更を要しないので、コスト低減を図ることができる。しかも、本発明の表面性状は、摺動面に金属被膜を形成する処理よりも安価で製品を提供できる。
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、この発明のデファレンシャルの構成を例示したものである。このデファレンシャルは、プロペラシャフト(図示省略)に連結されるデファレンシャルケース51内に配置したドライブピニオン52が、差動歯車ケース53に取り付けたリングギア54とかみ合い、差動歯車ケース53の内部に取り付けたピニオンギア55が、差動歯車ケース53に左右から挿入したドライブシャフト(図示省略)と結合するサイドギア56とかみ合って、エンジンの駆動力をプロペラシャフトから左右のドライブシャフトに伝達するようになっている。このデファレンシャルでは、動力伝達軸であるドライブピニオン52と差動歯車ケース53が、それぞれ一対の円すいころ軸受57、58で支持されている。
デファレンシャルケース51には潤滑油を貯留させてシール部材59a,59b,59cで密封してあり、各円すいころ軸受57、58は、下部が潤滑油の油浴に漬かった状態で回転し、油浴の潤滑油が軸受内部へ流入する。
また、デファレンシャル装置では、ピニオンギア55がピニオンシャフト60に回転自在に支持されている。このため、ピニオンギア55のシャフト摺動面と、ピニオンシャフト60のギア摺動面とのいずれか一方の摺動面に、独立した微小なくぼみを無数にランダムに形成している。このくぼみを設けた面の面粗さパラメータRyniが0.4μm≦Ryni≦1.0μmの範囲内であり、かつ、Sk値が−1.6以下、好ましくは−4.9〜−1.6の範囲である。また、くぼみを設けた面の面粗さパラメータRymaxが0.4〜1.0μmである。さらに、面粗さを各表面の軸方向と円周方向のそれぞれで求めてパラメータRqniで表示したとき、軸方向面粗さRqni(L)と円周方向面粗さRqni(C)の比の値Rqni(L)/Rqni(C)が1.5以下になっている。くぼみの平均面積が30〜100μmの範囲内であり、くぼみを設けた面におけるくぼみの面積率が5〜20%の範囲内である。なお、くぼみの面積率とは、摺動面に微小凹形状のくぼみをランダムに無数に設けた場合、摺動面全体の面積に占めるくぼみの面積の割合を意味する。このような表面性状を得るための表面加工処理としては、特殊なバレル研磨によると所望の仕上げ面を得ることができるが、これに限らず、例えばショット等を用いてもよい。
このように、本発明のデファレンシャル装置は、ピニオンギア55のシャフト摺動面と、ピニオンシャフト60のギア摺動面とのいずれか一方の摺動面に、微小凹形状のくぼみをランダムに無数に設けることによって、油膜が形成しやすくなる。しかもこのくぼみが油溜まりとなるため、摺動面の油膜形成が確実に行える。このため、温度上昇の低減が可能となるとともに、摺動面の金属接触を緩和できる。特に、くぼみを設けた面の面粗さパラメータRyniを0.4μm≦Ryni≦1.0μmの範囲内に設定したことにより、希薄潤滑下でも油膜切れを防ぐことが可能となり、極端に油膜厚さが薄い条件下でも長寿命を得ることができる。また、Sk値を−1.6以下に設定したことにより、微小凹形状のくぼみにて油溜りを確実に形成することができ、圧縮されても滑り方向、直角方向への油のリークは少なく、油膜形成に優れ、表面損傷を極力抑える効果が発揮される。
また、くぼみを設けた面の面粗さパラメータRymaxを0.4〜1.0μmに設定することにより、さらに油膜形成能力を向上させることができ、軸方向面粗さRqni(L)と円周方向面粗さRqni(C)の比の値Rqni(L)/Rqni(C)を1.5以下に設定することによっても、油膜形成能力を向上させることができる。
くぼみの平均面積が30〜100μmの範囲内であり、くぼみを設けた面におけるくぼみの面積率が5〜20%の範囲内であるので、油膜形成能力を向上させることができるため、希薄潤滑下で極端に油膜厚さが薄い条件下でも長寿命を得ることができる。
従って、本発明のデファレンシャル装置では、摺動面の油膜形成が確実に行え、金属接触を防ぐことができる。また、油膜形成が確実に行えるため、ピニオンシャフトの耐焼付性を向上させることができるとともに、温度上昇の低減が可能となる。さらに、表面性状を変えることで、油膜形成能力の向上を図ることができ、従来のデファレンシャル装置の形状、構造を大幅に変更する必要がない。すなわち、使用する種々の部品もほとんど変更を要しないので、コスト低減を図ることができる。しかも、本発明の表面性状は、摺動面に金属被膜を形成する処理よりも安価で製品を提供できる。
ところで、ピニオンギア55のシャフト摺動面と、ピニオンシャフト60のギア摺動面とのいずれか一方の摺動面に、本発明に係る表面性状を満たす表面処理を施しても、十分に長寿命等の効果を得ることができるが、両摺動面に本発明に係る表面性状を満たす表面処理を施すのがより一層の効果がある。
本発明の有用性を示すために、転がり軸受と歯車の寿命評価を実施した。転がり軸受の転動体は、インナレース(相手軸)、アウタレース(外輪)と、また、歯車の歯面は相手側の歯面と転がりおよび滑り接触をし、その接触はピニオンギア、ピニオンシャフトの接触状態に準じた形態となる。かかる観点から、本発明者らは、まず、後述の条件で転がり軸受の寿命試験を行った。以下に、パラメータRyni、Rymax、Sk、Rqniの測定方法、条件の一例を示す。これらのパラメータで表される表面性状を、転がり軸受の転動体や軌道輪といった構成要素について測定する場合、一ヶ所の測定値でも代表値として信頼できるが、たとえば直径方向に対向する二ヶ所を測定するとよい。
パラメータ算出規格:JIS B 0601:1994(サーフコム JIS 1994)
カットオフ種別:ガウシアン
測定長さ:5λ
カットオフ波長:0.25mm
測定倍率:×10000
測定速度:0.30mm/s
測定箇所:ころ中央部
測定数:2
測定装置:面粗さ測定器サーフコム1400A(東京精密株式会社)
また、くぼみの定量的測定を行うには、対象となる表面を拡大し、その画像から市販されている画像解析システムにより定量化できる。さらには、特開2001−183124に開示されている表面性状検査方法及び表面性状検査装置を用いれば、安定して精度良く測定することができる。この方法は、曲率を有する検査表面に光を照射して検査表面をカメラで撮影し、このカメラで撮影された検査表面の画像の輝度を測定して、この測定された輝度の明部と暗部のコントラストで形成される明暗パターンにより、検査表面の表面性状を検査する表面性状検査方法であって、光をカメラの光軸方向に合致させて照射し、測定される画像の輝度分布がピーク値を示す位置を、カメラの光軸上に一致させるように、検査表面を位置決めすることにより、検査表面の曲率に起因するシェーディング(輝度分布)を抑制するものである。また、光をカメラの光軸方向に合致させて照射し、測定される画像の輝度分布について、この輝度分布がピーク値を示す位置に相当する検査表面の部位を原点とし、曲率の対称軸を一つの軸とする直交二次元座標で、直交する各座標軸に沿う一次元の輝度分布をそれぞれ近似関数で近似し、これらの近似関数を用いて、画像の輝度分布を除去するように、輝度分布のピーク値を基準値として、座標各位置に相当する測定された画像の輝度を補正し、この補正された輝度の明暗パターンにより検査表面の表面性状を検査することにより、シェーディングのない明暗パターンで表面性状を検査することができる。測定条件はたとえば次のとおりである。また、くぼみの面積率、平均面積を測定する場合、上記のパラメータと同様に、一ヶ所の測定値でも代表値として信頼できるが、たとえば直径方向に対向する二ヶ所を測定するとよい。
面積率:観察視野範囲で2値化閾値((明部の輝度+暗部の輝度)/2)よりも小さい画素(黒)の占める割合
平均面積:黒の面積の合計/総数
観察視野:826μm×620μm
測定箇所:ころ中央部
測定数:2
図2は供試転がり軸受の一例を示しており、この転がり軸受10は転動体として針状ころ12を外輪13に組み込んだ針状ころ軸受であり、針状ころ12で相手軸14を支持するようになっている。針状ころ表面に、仕上面の異なる表面処理を施した複数種類の針状ころ軸受を製作し、寿命試験を行なった結果について説明する。寿命試験に用いた針状ころ軸受は、図3に示すように、外径Dr=33mm、内径dr=25mm、針状ころ12の直径D1=4mm、長さL=25.8mmで、15本の針状ころを用いた保持器15付きの軸受である。試験軸受として針状ころの表面粗さ仕上の異なる3種類を製作した。すなわち、研削後スーパーフィニッシュを施した軸受A(比較例)と、微小凹形状のくぼみをランダムに無数に形成した軸受B(比較例)、軸受C(参考例)、軸受D(参考例)とである。各試験軸受の針状ころにおける仕上面状況を図4〜図6に示す。具体的には、図4は軸受Aの表面粗さ、図5は軸受Bの表面粗さ、図6は軸受C及び軸受Dの表面粗さをそれぞれ示す。また、各試験軸受の表面仕上面の特性値パラメータ一覧を表1に示す。なお、Rqni(L/C)については、軸受B、C及びDは1.5以下であり、軸受Aは1.5前後の値である。また、結晶粒度の測定は、JIS G 0551の鋼のオーステナイト結晶粒度試験方法に基づいて行なった。
Figure 2007177917
使用した試験装置は図7に概略図で示したようなラジアル荷重試験機16で、回転軸17の両側に試験軸受10を取り付け、回転と荷重を与えて試験を行なうものである。試験に用いたインナレース(相手軸)の仕上は研磨仕上のRa0.10〜0.16μmである。アウタレース(外輪)も共通である。試験条件は以下のとおりである。
軸受ラジアル荷重:2000kgf
回転数:4000rpm
潤滑剤:クリセクオイルH8(試験条件で2cst)
図8に油膜パラメータΛ=0.13の下での寿命試験結果を示す。同図の縦軸が寿命時間(h)を表している。同図に示すように、軸受Aが78h、軸受Bが82hであったのに対して軸受Cは105h、軸受Dは121hであった。このデータから明らかなように、針状ころ表面が本発明に係る表面形状を満たすように表面処理された軸受C及びDは、油膜パラメータΛ=0.13という低粘度、希薄の非常に過酷な潤滑条件下でも長寿命効果を得ることができる。従って、摺動面を上記数値範囲に設定した本発明に係るピニオンシャフト56及びピニオンギア55は、高い長寿命効果を得ることができる。
次に、図9に示す平歯車疲労試験機を使用して歯車のピッチング試験を実施し、ピッチング強度を評価した。図9において、ドライブ側歯車31(歯数29枚)とドリブン側歯車32(歯数30枚)は各々の回転軸33、34の片側に取付けられており、ドライブ側の軸33が図示しないモータにより駆動されている。また、ドライブ側の軸33に取付けてある負荷レバー35及び重錘36によりトルクを負荷する構造となっている。ドライブ側歯車31は、本発明に係る表面処理の有無で2種類を用意した。試験条件等の詳細は、表2のとおりである。
Figure 2007177917
歯車ピッチング試験のデータを表3、表4及び表5に示す。表3はドライブ側及びドリブン側の何れの歯車にも表面処理を施していない場合(a)の結果(比較例)を示し、表4はドライブ側歯車の歯面に、本発明に係る表面性状を満たすように表面処理を施したものを使用した場合(b)の結果(実施例)を示し、表5はドライブ側歯車及びドリブン側歯車の歯面に、本発明に係る表面性状を満たすように表面処理を施したものを使用した場合(c)の結果(実施例)をそれぞれ示す。これらより、ピッチング寿命が、(a)の場合に比べ、(b)の場合では2倍以上向上し、(c)の場合では3倍以上向上していることが確認できる。
Figure 2007177917
Figure 2007177917
Figure 2007177917
図10に示す2円筒試験機を使用してピーリング試験を行い、金属接触率を評価した。同図において、駆動側円筒42(D円筒:Driver)と従動側円筒44(F円筒:Follower)は各々の回転軸の片端に取り付けられ、2本の回転軸46、48はそれぞれプーリ40を介して別々のモータで駆動できるようになっている。D円筒42側の軸46をモータで駆動し、F円筒44はD円筒42に従動させる自由転がりにした。F円筒44は、表面処理に関して比較例と実施例の2種類を用意した。試験条件等詳細は表6のとおりである。
Figure 2007177917
金属接触率の比較データを図11に示す。同図は横軸が経過時間、縦軸が金属接触率を表し、図11(A)は比較例Eの軸受におけるころの転動面の金属接触率を、図11(B)は参考例Fの軸受におけるころの転動面の金属接触率を、それぞれ示す。これらの図を対比すれば、比較例に比べて実施例では金属接触率が改善されていることを明瞭に確認できる。言い換えれば、油膜形成率(=100%−金属接触率)が、参考例Fの軸受の方が比較例Eの軸受に比べて、運転開始時で10%程度、試験終了時(2時間後)で2%程度、向上している。
本発明の実施形態を示すデファレンシャル装置の断面図である。 針状ころ軸受の断面図である。 寿命試験に用いた針状ころ軸受の断面図である。 試験軸受Aにおける仕上げ面状況を示す粗さ曲線図である。 試験軸受Bにおける仕上げ面状況を示す粗さ曲線図である。 試験軸受C及びDにおける仕上げ面状況を示す粗さ曲線図である。 試験装置の部分断面図である。 寿命試験結果を示すグラフである。 平歯車試験機の部分斜視図である。 2円筒試験機の全体概略図である。 金属接触率を示し、(A)は比較例のグラフであり、(B)は参考例例の金属接触率を示すグラフである。
符号の説明
55 ピニオンギア
56 ピニオンシャフト

Claims (5)

  1. ピニオンシャフトのギア摺動面とピニオンギアのシャフト摺動面の少なくとも一方の摺動面に、微小凹形状のくぼみをランダムに無数に設け、前記くぼみを設けた面の面粗さパラメータRyniが0.4μm≦Ryni≦1.0μmの範囲内であり、かつ、Sk値が−1.6以下であることを特徴とするデファレンシャル装置。
  2. 前記くぼみを設けた面の面粗さパラメータRymaxが0.4〜1.0μmの範囲内であることを特徴とする請求項1のデファレンシャル装置。
  3. 前記くぼみを設けた面の面粗さをパラメータRqniで表示したとき、軸方向面粗さRqni(L)と円周方向面粗さRqni(C)との比の値Rqni(L)/Rqni(C)が1.5以下であることを特徴とする請求項1のデファレンシャル装置。
  4. 前記くぼみの平均面積が30〜100μmの範囲内であることを特徴とする請求項1のデファレンシャル装置。
  5. 前記くぼみを設けた面におけるくぼみの面積率が5〜20%の範囲内であることを特徴とする請求項1のデファレンシャル装置。
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