JP2007175882A - フレキシブル基板の実装方法、フレキシブル基板の実装構造、液滴吐出ヘッドの製造方法、液滴吐出ヘッド、及び液滴吐出装置 - Google Patents

フレキシブル基板の実装方法、フレキシブル基板の実装構造、液滴吐出ヘッドの製造方法、液滴吐出ヘッド、及び液滴吐出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】段差部の上段側から下段側にかけてフレキシブル基板を配置し、これら上段側と下段側との間にフレキシブル基板を実装させる手法として、特に実装するフレキシブル基板と段差部の下段側についての、十分な接続強度が得られる手法を提供する。
【解決手段】導電部510を有したフレキシブル基板500を、段差部250の上段側から下段側にかけて配置し、実装する方法である。フレキシブル基板500の下面の一端側を、異方性導電ペースト560を用いて段差部250の下段側の面に接着し、フレキシブル基板500の導電部510と下段側の面に設けられた端子部81とを導通させる工程と、フレキシブル基板500の下面の立ち上がり部501の、一端側の近傍部501aを、異方性導電ペースト560中の熱硬化性樹脂562と同じ熱硬化性樹脂562によって段差部250の下段側の面に固着する工程と、を備えている。
【選択図】図7

Description

本発明は、フレキシブル基板の実装方法、フレキシブル基板の実装構造、液滴吐出ヘッドの製造方法、液滴吐出ヘッド、及び液滴吐出装置に関する。
マイクロデバイスを製造する方法の1つとして、液滴吐出法(インクジェット法)が提案されている。この液滴吐出法は、デバイスを形成するための材料を含む機能液を液滴状にして、液滴吐出ヘッドより吐出する方法である。下記特許文献1には、液滴吐出ヘッド(インクジェット式記録ヘッド)に関する技術の一例が開示されている。この特許文献1に開示されている液滴吐出ヘッドでは、段差部の下段側に設けられた駆動素子(圧電素子)が、段差部の上段側に設けられた駆動デバイス(ドライバIC)にワイヤボンディングで接続された構造となっている。
ところで、液滴吐出法に基づいてマイクロデバイスを製造する際、マイクロデバイスの更なる微細化の要求に応えるために、液滴吐出ヘッドに設けられたノズル開口部どうしの間の距離(ノズルピッチ)を、できるだけ小さく(狭く)することが望まれている。しかし、前記駆動素子はノズル開口部に対応して複数設けられるため、ノズルピッチを小さくすると、そのノズルピッチに対応して駆動素子どうしの間の距離も小さく(短く)なる。
特開2000−296616号公報
ところが、駆動素子どうしの間の距離を小さく(短く)すると、これら複数の駆動素子それぞれとドライバICとをワイヤボンディングで接続するのは、ワイヤ間で短絡が起こり易くなることから非常に難しくなり、作業性が著しく損なわれてしまう。すなわち、現行構造では例えばワイヤ間のピッチ(配線ピッチ)が64μmとなるが、このようなピッチでのワイヤーボンディング実装では接続部強度が弱く、歩留まりが上がらないといった問題がある。また、これ以上端子間ピッチを狭くした場合、ワイボンディングでは対応がほとんど不可能であるといった問題もある。
そこで、このようなワイヤボンディングによる接続に起因する問題を解消するため、予めアウターリードとして機能する配線パターンを形成したフレキシブル基板(可撓性基板)を用い、アウターリードボンディング接続を行うことで、短絡等の不都合を生じさせることなく、駆動素子(圧電素子)と駆動デバイス(ドライバIC)との間の電気的接続を行うことが考えられる。
しかしながら、このようなフレキシブル基板を用いる場合には、このフレキシブル基板自体の液滴吐出ヘッドへの接続面積も小さいため、十分な接続強度を得るのが困難であり、したがって十分な接続強度が得られる手法が必要となる。
また、接着と電気的接続とを同時に行う手法としては、異方性導電材料を用いるのが一般的であるが、例えば異方性導電膜(ACF)は、その硬化温度が150℃程度と高いことから、これの硬化時に駆動素子を破壊してしまうおそれがある。
また、段差部の下段側に設けられた駆動素子と段差部の上段側に設けられた駆動デバイスとを接続するためには、フレキシブル基板を下段側から上段側に立ち上がらせる必要がある。そして、前記したように十分な接続強度を得るためには、前記の立ち上がり部においても、例えば異方性導電材料を用いて前記の下段側の面に固着するのが望ましい。ところが、例えば異方性導電材料を用いて前記立ち上がり部を下段側の面に固着した場合、この固着部における異方性導電材料に含まれる導電粒子は電気的接続に寄与するものとならず、水分と電解によりマイグレーションを引き起こし、端子間をショートさせる要因となってしまう。
また、フレキシブル基板を下段側の面に接続する場合、予めフレキシブル基板の接続部分に、異方性導電材料として例えば硬化前の異方性導電ペーストを付着させ、その状態でこの異方性導電ペーストを介して接続部分を前記下段側の面に接着することが考えられる。しかし、その場合に、フレキシブル基板の接続部分に付着させる異方性導電ペーストの量にバラツキが生じ、これに起因してフレキシブル基板の下段側の面に対する十分な接続強度が得られにくくなってしまう。すなわち、フレキシブル基板の接続部分に異方性導電ペーストを付着させるには、転写ステージに予め硬化前の異方性導電ペーストを配しておき、この異方性導電ペーストにフレキシブル基板を接触させ、引き上げることで該異方性導電ペーストをフレキシブル基板に転写させるが、その際、転写ステージに配された量の全てが必ずしもフレキシブル基板側に転写されないからである。
さらに、転写ステージ上の異方性導電ペーストにフレキシブル基板を接触させ、引き上げて転写した際に、異方性導電ペースト中の熱硬化性樹脂が糸を引いてしまい、これによって転写された異方性導電ペースト中に気泡が混入してしまうことがある。すなわち、通常はフレキシブル基板を真っ直ぐに上に上げることで引き上げを行うが、このようにして引き上げを行うと、前記の糸が転写ステージから引き離され、フレキシブル基板に転写された際に、糸が大きく引いた状態から倒れることで、この糸が倒れた部分に空気が巻き込まれて細かい気泡として残ってしまう。そして、最終的にフレキシブル基板が実装された際、接着に用いられた異方性導電ペースト中に気泡がそのまま残されてしまう。すると、この気泡によって湿気が浸透することなどにより、接着力が低下し、フレキシブル基板に剥離が生じてしまうなどのおそれがある。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、段差部の上段側から下段側にかけてフレキシブル基板を配置し、これら上段側と下段側との間にフレキシブル基板を実装させる手法として、特に実装するフレキシブル基板と段差部の下段側についての、十分な接続強度が得られる手法を提供することにある。
前記目的を達成するため本発明のフレキシブル基板の実装方法は、導電部を有したフレキシブル基板を段差部の上段側から下段側にかけて配置し、これら上段側と下段側との間を、前記導電部によって電気的に導通させるフレキシブル基板の実装方法であって、
前記フレキシブル基板の前記導電部を有した下面の一端側を、熱硬化性樹脂中に導電粒子を含有してなる異方性導電ペーストを用いて前記段差部の下段側の面に接着し、前記フレキシブル基板の導電部と前記下段側の面に設けられた端子部とを導通させる工程と、
前記フレキシブル基板の下面の、前記一端側から前記段差部の段差に沿って立ち上がる立ち上がり部の、前記一端側の近傍部を、前記異方性導電ペースト中の熱硬化性樹脂と同じ熱硬化性樹脂によって前記段差部の下段側の面に固着する工程と、を備えたことを特徴とする。
このフレキシブル基板の実装方法によれば、異方性導電ペーストを用いてフレキシブル基板の下面の一端側を下段側の面に接着し、さらに前記フレキシブル基板の下面の立ち上がり部の、前記一端側の近傍部を熱硬化性樹脂によって前記段差部の下段側の面に固着しているので、フレキシブル基板と段差部の下段側との間の接続について、十分に高い接続強度が得られる。
また、前記立ち上がり部での固着を、異方性導電ペースト中の熱硬化性樹脂と同じ熱硬化性樹脂で行うので、この立ち上がり部には導電粒子がほとんど存在しなくなる。したがって、立ち上がり部に存在する導電粒子に起因するマイグレーションが抑制され、端子間のショートが防止される。
さらに、立ち上がり部での固着に用いる熱硬化性樹脂を、異方性導電ペースト中の熱硬化性樹脂と同じものとしているので、フレキシブル基板の下面の一端側での接着部分と立ち上がり部での固着部分とが、いずれも同じ熱硬化性樹脂の硬化物からなる。したがって、接着部分と固着部分とが熱的に同じ挙動を示すようになり、熱膨張係数の違いなどによるフレキシブル基板の剥離などが防止される。
また、前記フレキシブル基板の実装方法においては、前記フレキシブル基板の下面の一端側を前記段差部の下段側の面に接着する工程が、予め転写ステージ上に配された硬化前の前記異方性導電ペーストに、前記フレキシブル基板の下面の一端側を接触させ、その後引き上げることにより、該一端側に前記異方性導電ペーストを転写する工程と、異方性導電ペーストが転写された前記フレキシブル基板の一端側を、転写された異方性導電ペーストを介して前記段差部の下段側の面に接合する工程と、を備えてなり、前記転写ステージとして、前記異方性導電ペーストを配するペースト配置領域を形成する面に、その全域において多数の凹部を形成したものを用いる、ようにするのが好ましい。
このようにすれば、フレキシブル基板の下面の一端側を転写ステージの異方性導電ペーストに接触させ、その後引き上げて異方性導電ペーストを転写させた際に、転写ステージのペースト配置領域を形成する面に、その全域において多数の凹部を形成しているので、該転写ステージの異方性導電ペーストがペースト配置領域を形成する面から容易に剥離するようになり、したがって異方性導電ペーストのほぼ全量がフレキシブル基板に転写されるようになる。よって、フレキシブル基板に転写される異方性導電ペーストの量のバラツキに起因して、フレキシブル基板の下段側の面に対する接続強度が十分になってしまうといった不都合が防止される。
また、前記フレキシブル基板の実装方法においては、前記転写ステージに、前記異方性導電ペーストを収容するための凹状のペースト収容部が形成され、該ペースト収容部の底面が、前記ペースト配置領域を形成する面になっているとともに、該底面の一方の側は、ペースト収容部の開口に向けて傾斜する傾斜面となっており、
前記フレキシブル基板の一端側に前記異方性導電ペーストを転写する工程では、前記異方性導電ペーストに前記フレキシブル基板の下面の一端側を接触させ、その後引き上げる際に、前記ペースト収容部の底面の傾斜面における面方向に沿って、前記一方の側に向けて斜めに引き上げるのが好ましい。
このようにすれば、引き上げの際にフレキシブル基板に転写された異方性導電ペーストは、その熱硬化性樹脂が糸を引くものの、フレキシブル基板が斜めに引き上げられることから、糸が大きく引かれることなく、比較的小さくしかも斜めに引かれるようになる。したがって、引き上げた際、引いた糸は転写された異方性導電ペースト側にすぐに倒れる。よって、このように小さく引いた状態ですぐに倒れた糸には、空気がほとんど巻き込まれないため、異方性導電ペースト中に気泡が残ることで接着力が低下し、実装後のフレキシブル基板に剥離が生じてしまうといった不都合が防止される。
また、本発明のフレキシブル基板の実装構造は、導電部を有したフレキシブル基板が段差部の上段側から下段側にかけて配置され、これら上段側と下段側との間が、前記導電部によって電気的に導通させられてなるフレキシブル基板の実装構造であって、
前記フレキシブル基板の前記導電部を有した下面の一端側が、熱硬化性樹脂中に導電粒子を含有してなる異方性導電ペーストを介して前記段差部の下段側の面に接着し、これによって前記フレキシブル基板の導電部と前記下段側の面に設けられた端子部とが導通させられてなり、
前記フレキシブル基板の下面の、前記一端側から前記段差部の段差に沿って立ち上がる立ち上がり部の、前記一端側の近傍部が、前記異方性導電ペースト中の熱硬化性樹脂と同じ熱硬化性樹脂によって前記段差部の下段側の面に固着させられていることを特徴としている。
このフレキシブル基板の実装構造によれば、異方性導電ペーストによってフレキシブル基板の下面の一端側が下段側の面に接着され、さらに前記フレキシブル基板の下面の立ち上がり部の、前記一端側の近傍部が熱硬化性樹脂によって前記段差部の下段側の面に固着されているので、フレキシブル基板と段差部の下段側との間の接続について、十分に高い接続強度が得られる。
また、前記立ち上がり部での固着が、異方性導電ペースト中の熱硬化性樹脂と同じ熱硬化性樹脂でなされているので、この立ち上がり部には導電粒子がほとんど存在しなくなる。したがって、立ち上がり部に存在する導電粒子に起因するマイグレーションが抑制され、端子間のショートが防止される。
さらに、立ち上がり部での固着に用いる熱硬化性樹脂が、異方性導電ペースト中の熱硬化性樹脂と同じものとなっているので、フレキシブル基板の下面の一端側での接着部分と立ち上がり部での固着部分とが、いずれも同じ熱硬化性樹脂の硬化物からなる。したがって、接着部分と固着部分とが熱的に同じ挙動を示すようになり、熱膨張係数の違いなどによるフレキシブル基板の剥離などが防止される。
本発明の液滴吐出ヘッドの製造方法は、段差部の上段側に設けられた駆動回路部と、前記段差部の下段側に設けられて前記駆動回路部によって駆動される駆動素子と、前記駆動回路部と前記駆動素子とを電気的に接続する導電部を有したフレキシブル基板と、を備えた液滴吐出ヘッドの製造方法において、前記フレキシブル基板を、前記フレキシブル基板の実装方法によって実装することを特徴としている。
また、本発明の液滴吐出ヘッドは、段差部の上段側に設けられた駆動回路部と、前記段差部の下段側に設けられて前記駆動回路部によって駆動される駆動素子と、前記駆動回路部と前記駆動素子とを電気的に接続する導電部を有したフレキシブル基板と、を備えた液滴吐出ヘッドにおいて、前記フレキシブル基板が、前記の実装方法によって実装されてなることを特徴としている。
この液滴吐出ヘッドの製造方法、及び液滴吐出ヘッドによれば、フレキシブル基板と段差部の下段側との間の接続について、前述したように十分に高い接続強度が得られ、また、立ち上がり部に存在する導電粒子に起因するマイグレーションが抑制されて端子間のショートが防止され、さらに、熱膨張係数の違いなどによるフレキシブル基板の剥離などが防止される。
本発明の液滴吐出装置は、前記の液滴吐出ヘッドを備えたことを特徴としている。
この液滴吐出装置によれば、フレキシブル基板と段差部の下段側との間の接続について、前述したように十分に高い接続強度が得られ、また、立ち上がり部に存在する導電粒子に起因するマイグレーションが抑制されて端子間のショートが防止され、さらに、熱膨張係数の違いなどによるフレキシブル基板の剥離などが防止された液滴吐出ヘッドを備えているので、この液滴吐出装置自体も、フレキシブル基板の接続不良などが防止された信頼性の高いものとなる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。そして、水平面内における所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれに直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。
<液滴吐出ヘッド>
まず、本発明のフレキシブル基板の実装構造を、液滴吐出ヘッドに適用した場合の一実施形態について、図1〜図4を参照しながら説明する。図1は液滴吐出ヘッドの一実施形態を示す外観斜視図、図2は液滴吐出ヘッドを下側から見た斜視図の一部破断図、図3は図1のA−A線矢視断面図、図4はフレキシブル基板を下面側から見た図である。
液滴吐出ヘッド1は、図3に示すようにドライバIC(駆動回路部)200と、該ドライバIC200により駆動される圧電素子(駆動素子)300と、段差部250を形成してなる基体とを備え、機能液の液滴を吐出するよう構成されたものである。
この液滴吐出ヘッド1は、液滴が吐出されるノズル開口部15を備えたノズル基板16と、ノズル基板16の上面に接続され、液滴が流れる流路を形成する流路形成基板10と、流路形成基板10の上面に接続され、圧電素子(駆動素子)300の駆動によって変位する振動板400と、振動板400の上面に接続され、リザーバ100を形成するためのリザーバ形成基板20と、リザーバ形成基板20の上面側に設けられた可撓性を有するフレキシブル基板500と、フレキシブル基板500の下面500Aに設けられ、圧電素子300を駆動するためのドライバIC(デバイス)200と、フレキシブル基板500の下面500Aに設けられ、ドライバIC200と圧電素子300とを電気的に接続する配線パターン(導電部)510と、を備えて構成されたものである。なお、本実施形態では、流路形成基板10とこれの上に配置されたリザーバ形成基板20等により、前記の段差部250が形成されている。
液滴吐出ヘッド1の動作は、外部コントローラCT(図1参照)によって制御される。
そして、流路形成基板10と、ノズル基板16と、振動板400とで囲まれた空間によって、ノズル開口部15より吐出される前の機能液が配置される圧力発生室12が形成されている。また、リザーバ形成基板20と流路形成基板10とで囲まれた空間によって、圧力発生室12に供給される前の機能液を予備的に保持するリザーバ100が形成されている。
流路形成基板10の下面側は開口しており、その開口を覆うようにノズル基板16が流路形成基板10の下面に貼着されている。流路形成基板10の下面とノズル基板16とは、例えば接着剤や熱溶着フィルム等を介して固着されている。このノズル基板16には、図2に示すように液滴を吐出するノズル開口部15が、複数整列した状態で形成されている。すなわち、ノズル開口部15は、ノズル基板16においてY軸方向に複数配列されており、これによって第1ノズル開口群15A、第2ノズル開口群15B、第3ノズル開口群15C、及び第4ノズル開口群15Dを、それぞれ形成している。
第1ノズル開口群15Aと第2ノズル開口群15Bとは、X軸方向において互いに対向するように配置されている。第3ノズル開口群15Cは第1ノズル開口群15Aの+Y側に設けられており、第4ノズル開口群15Dは第2ノズル開口群15Bの+Y側に設けられている。したがって、これら第3ノズル開口群15Cと第4ノズル開口群15Dとは、X軸方向において互いに対向するように配置されている。
なお、図2では、各ノズル開口群15A〜15Dのそれぞれは6個のノズル開口部15で構成されているように示しているが、実際には、例えば720個程度のノズル開口部15によって構成されている。
流路形成基板10には、前記開口内に複数の隔壁11が形成されている。流路形成基板10は、剛体であるシリコン単結晶によって形成されており、複数の隔壁11は、流路形成基板10の母材であるシリコン単結晶基板が異方性エッチングされたことで形成されている。そして、複数の隔壁11を有する流路形成基板10と、ノズル基板16と、振動板400とで囲まれた空間により、複数の圧力発生室12が形成されている。圧力発生室12は、複数のノズル開口部15に対応するように複数形成されている。すなわち、圧力発生室12は、第1〜第4ノズル開口群15A〜15Dのそれぞれを構成する複数のノズル開口部15に対応するように、Y軸方向に複数並んで設けられている。
そして、第1ノズル開口群15Aに対応して複数形成された圧力発生室12によって第1圧力発生室群12Aが構成され、第2ノズル開口群15Bに対応して複数形成された圧力発生室12によって第2圧力発生室群12Bが構成され、第3ノズル開口群15Cに対応して複数形成された圧力発生室12によって第3圧力発生室群12Cが構成され、第4ノズル開口群15Dに対応して複数形成された圧力発生室12によって第4圧力発生室群12Dが構成されている。第1圧力発生室群12Aと第2圧力発生室群12Bとは、X軸方向において互いに対向するように配置されており、それらの間には隔壁10Kが形成されている。同様に、第3圧力発生室群12Cと第4圧力発生室群12Dとの間にも隔壁10Kが形成されており、これらは、X軸方向において互いに対向するように配置されている。
第1圧力発生室群12Aを形成する複数の圧力発生室12のうち、−X側の端部は前記隔壁10Kによって閉塞させられているが、+X側の端部は互いに連通せしめられており、図3に示すようにリザーバ100に接続させられている。リザーバ100は、機能液導入口25より導入され、圧力発生室12に供給される前の機能液を、一時的に保持するもので、リザーバ形成基板20においてY軸方向に延びるように形成されたリザーバ部21と、流路形成基板10においてY軸方向に延びるように形成され、リザーバ部21と各圧力発生室12のそれぞれとを連通させる連通部13と、を備えて形成されたものである。
すなわち、リザーバ100は、第1圧力発生室群12Aを構成する複数の圧力発生室12の共通の機能液保持室(インク室)となっている。そして、機能液導入口25より導入された機能液は、導入路26を経てリザーバ100に流れ込み、供給路14を経て、第1圧力発生室群12Aを構成する複数の圧力発生室12のそれぞれに供給されるようになっている。なお、第2、第3、第4圧力発生室群12B、12C、12Dのそれぞれを構成する圧力発生室12も、前述と同様のリザーバ100にそれぞれが連通している。
流路形成基板10とリザーバ形成基板20との間に配置された振動板400は、流路形成基板10の上面を覆うように設けられた弾性膜50と、弾性膜50の上面に設けられた下電極膜60とからなっている。弾性膜50は、例えば厚み1〜2μm程度の二酸化シリコンによって形成されており、下電極膜60は、例えば厚み0.2μm程度の白金などによって形成されている。なお、本実施形態において下電極膜60は、複数の圧電素子300の共通電極となっている。
振動板400を変位させるための圧電素子300、すなわち本発明における駆動素子は、下電極膜60の上面に設けられた圧電体膜70と、この圧電体膜70の上面に設けられた上電極膜80とを備えて構成されたものである。圧電体膜70は、例えば厚み1μm程度、上電極膜80は、例えば厚み0.1μm程度に形成されたものである。なお、圧電素子300の概念としては、圧電体膜70及び上電極膜80に加えて、下電極膜60を含むものであってもよい。すなわち、本実施形態における下電極膜60は、圧電素子300としての機能と、振動板400としての機能とを兼ね備えている。また、本実施形態では、弾性膜50及び下電極膜60が振動板400として機能するが、弾性膜50を省略した構造とし、下電極膜60が弾性膜(50)を兼ねるようにしてもよい。
前記圧電素子300は、その上電極膜80が、リザーバ形成基板20に形成された段差部250の下段側の面(下段面)にまで延びて形成されたもので、この下段面上にて露出した部分が、本発明の端子部81となっている。なお、段差部250は、後述する、リザーバ形成基板20に形成された凹溝700の両側に、それぞれ形成されたものである。したがって、段差部250の下段面は、凹溝700の底面に一致したものとなっている。
また、圧電素子300は、複数のノズル開口部15及び圧力発生室12のそれぞれに対応するように複数設けられている。すなわち、圧電体膜70及び上電極膜80からなる圧電素子300は、各ノズル開口部15毎(圧力発生室12毎)に設けられている。そして、前述したように下電極膜60は複数の圧電素子300の共通電極として機能し、上電極膜80は複数の圧電素子300の個別電極として機能するよう構成されている。
なお、これら圧電素子300は、その一部が前記第1ノズル開口群15Aを構成するノズル開口部15のそれぞれに対応してY軸方向に複数並列させられ、これによって第1圧電素子群300Aが構成されている。同様に、その一部が前記第2ノズル開口群15Bを構成するノズル開口部15のそれぞれに対応してY軸方向に複数並列させられ、これによって第2圧電素子群300Bが構成されている。これら第1圧電素子群300Aと第2圧電素子群300Bとは、X軸方向において互いに対向するように配置されている。さらに、第3、第4ノズル開口群15C、15Dを構成するノズル開口部15のそれぞれに対応するように、第3、第4圧電素子群(図示せず)が構成されており、これら第3、第4圧電素子群どうしは、X軸方向において互いに対向するように配置されている。
リザーバ形成基板20には、封止膜31と固定板32とを有するコンプライアンス基板30が接合されている。封止膜31は、剛性が低く可撓性を有する材料(例えば、厚み6μm程度のポリフェニレンスルフィドフィルム)からなり、この封止膜31によってリザーバ部21の上部が封止されている。また、固定板32は、金属等の硬質の材料(例えば、厚み30μm程度のステンレス鋼)で形成されている。この固定板32のうち、リザーバ100に対応する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部33となっている。このような構成のもとにリザーバ100の上部は、可撓性を有する封止膜31のみで封止されたものとなっており、したがって、内部圧力の変化によって変形可能な可撓部22となっている。
リザーバ100の外側のコンプライアンス基板30上には、リザーバ100に機能液を供給するための機能液導入口25が形成されている。通常、この機能液導入口25からリザーバ100に機能液が供給されると、例えば圧電素子300の駆動時における機能液の流れ、あるいは周囲の熱などにより、リザーバ100内に圧力変化が生じる。しかしながら、前述したようにリザーバ100の上部が封止膜31のみによって封止された可撓部22となっているため、この可撓部22が撓み変形してその圧力変化を吸収する。したがって、リザーバ100内は、基本的には常に一定の圧力に保持されるようになっている。なお、その他の部分は固定板32によって十分な強度に保持されている。
リザーバ形成基板20には、前記機能液導入口25とリザーバ100の側壁部とを連通させる導入路26が設けられている。
また、リザーバ形成基板20のうち、X軸方向に関して中央部には、Y軸方向に延びる凹溝700が形成されている。この凹溝700によってリザーバ形成基板20では、第1圧力発生室群12Aに対応して設けられた第1圧電素子群300Aを封止する第1封止部20Aと、第2圧力発生室群12Bに対応して設けられた第2圧電素子群300Bを封止する第2封止部20Bとが分けられている。同様に、第3圧力発生室群12Cに対応して設けられた第3圧電素子群(図示せず)を封止する第3封止部(図示せず)と、第4圧力発生室群12Dに対応して設けられた第4圧電素子群(図示せず)を封止する第4封止部(図示せず)とが、凹溝700によって分けられる。
そして、凹溝700においては、流路形成基板10(隔壁10K)の一部が露出している。なお、前述したようにこの凹溝700の両側部が、それぞれ、前記の段差部250となっており、また、凹溝700において露出した流路形成基板10(隔壁10K)の一部が、この凹溝700の底面、すなわち前記段差部250の下段面(下段側の面)となっている。
リザーバ形成基板20のうち、圧電素子300に対向する領域には、圧電素子300の動作に干渉しない閉空間が確保されており、この閉空間が圧電素子保持部24となっている。圧電素子保持部24は、第1〜第4封止部20A〜20D(図示せず)のそれぞれに形成されており、第1〜第4圧電素子群300A〜300D(図示せず)を覆う大きさに形成されている。また、圧電素子300のうち、少なくとも圧電体膜70は、この圧電素子保持部24内に密封されている。
このようにリザーバ形成基板20は、圧電素子300を外部環境と遮断し、圧電素子300を封止するための封止部材としても機能している。すなわち、リザーバ形成基板20によって圧電素子300を封止することで、水分等の外部環境による圧電素子300の劣化や破壊を防止することができる。また、本実施形態では、圧電素子保持部24を密封状態にしただけであるが、例えば、圧電素子保持部24となる閉空間を真空にしたり、あるいは窒素又はアルゴン雰囲気等とすることにより、圧電素子保持部24内を低湿度に保持することができ、圧電素子300の劣化や破壊をさらに確実に防止することができる。
なお、リザーバ形成基板20は剛体であって、そのリザーバ形成基板20を形成する材料としては、例えば、ガラス、セラミック材料等の流路形成基板10の熱膨張率と略同一の材料を用いることが好ましい。本実施形態では、流路形成基板10と同一材料のシリコン単結晶基板が用いられている。
第1封止部20Aの圧電素子保持部24によって封止されている圧電素子300のうち、上電極膜80の−X側の端部は、前述したように第1封止部20Aの外側まで延びて段差部250の下段面上(凹溝700の底面上)で露出し、端子部81となっている。なお、本実施形態では、段差部250における下段面上、すなわち流路形成基板10の上に、下電極膜60の一部が延出して形成されている。したがって、この下電極膜60と端子部81(上電極膜80)との間の導通を防止するため、絶縁膜600が、下電極膜60と端子部81との間に形成されている。同様に、第2封止部20Bの圧電素子保持部24によって封止されている圧電素子300のうち、上電極膜80の+X側の端部も、第2封止部20Bの外側まで延びて端子部81となっている。さらに、図示しないものの、第3、第4封止部20C、20D(図示せず)で封止されている圧電素子300についても、その上電極膜80の一部が、第3、第4封止部20C、20Dの外側まで延びて段差部250の下段面上で露出し、端子部81となっている。
圧電素子300を駆動するためのドライバIC(駆動回路部)200は、例えば回路基板や駆動回路を含む半導体集積回路(IC)によって構成されたデバイスであり、本実施形態ではフレキシブル基板500の下面500Aに接続されている。
フレキシブル基板500は、可撓性を有したフレキシブル回路基板からなるもので、例えば厚さ25μm程度のポリイミドからなる絶縁性のフィルム状部材によって構成されたものである。なお、フレキシブル基板500の下面500Aには、銅などの導電性材料からなる導電性の配線パターン(導電部)510が、プリント方式により、メッキやエッチングなどの手法によって設けられている。
図4に示すように、フレキシブル基板500の下面500Aの所定領域にはドライバIC200が設けられている。ドライバIC200は、フレキシブル基板500の下面500Aにフリップチップ実装されたことにより、前記配線パターン510の一部に接続されたものである。ドライバIC200は、第1〜第4ノズル開口群15A〜15Dに応じて複数(4つ)設けられている。そして、第1〜第4ノズル開口群15A〜15Dに応じて設けられた第1〜第4ドライバIC200A〜200Dは、それぞれ、フレキシブル基板500に対してフリップチップ実装された後、樹脂201によってフレキシブル基板500に対して固定されている。
また、フレキシブル基板500の一部には開口部520が二つ形成されている。これら開口部520は、第1ドライバIC200Aと第2ドライバIC200Bとの間の領域、及び第3ドライバIC200Cと第4ドライバIC200Dとの間の領域において、それぞれY軸方向に延びて形成されている。開口部520のY軸方向両端部のそれぞれには切欠部521が形成されている。そして、その切欠部521によって、フレキシブル基板500のうち、開口部520に対向する一部の領域(エッジ領域)530が開口部520の内側に曲げる(撓む)ことができるようになっている。エッジ領域530は、各ドライバIC200A〜200Dと開口部520との間の領域であって、開口部520に対向するエッジ領域530のエッジ部530Eは、Y軸方向に沿ってほぼ直線状に形成されている。すなわち、本実施形態においては、エッジ領域530は、Y軸方向を長手方向とする矩形状の領域であって、エッジ部530EがY軸まわり(θY方向)に回転するように曲げられるようになっている。
フレキシブル基板500の下面500Aのうち、開口部520におけるエッジ領域530には、配線パターン510の一部を構成する接続端子部(接続部)512が形成されている。第1ドライバIC200Aと開口部520との間の第1エッジ領域530Aには、第1ドライバIC200Aに配線パターン510を介して電気的に接続する複数の接続端子部512が形成されている。第1エッジ領域530Aに設けられた複数の接続端子部512は、第1圧電素子群300Aを構成する複数の圧電素子300(上電極膜80)のそれぞれに接続するようにパターニングされたものである。
すなわち、これら接続端子部512は、第1圧電素子群300Aを構成する複数の圧電素子300にそれぞれ対応するように、Y軸方向に複数(例えば720個)が並列した状態に形成されており、これによって第1接続端子群512Aを構成している。したがって、接続端子部512と圧電素子300側の端子部81とがそれぞれ接続することにより、ドライバIC200は接続端子部512を含む配線パターン510を介して、圧電素子300と電気的に接続されたものとなっている。
同様に、第2ドライバIC200Bと開口部520との間の第2エッジ領域530Bには、第2圧電素子群300Bを構成する複数の圧電素子300に対応するように、Y軸方向に複数(例えば720個)が並列した状態に形成された接続端子部512からなる第2接続端子群512Bが設けられている。第1エッジ領域530Aと第2エッジ領域530Bとは、X軸方向において互いに対向するように配置されており、これら第1、第2エッジ領域530A、530Bのそれぞれに形成されている第1接続端子群512A及び第2接続端子群512Bも、X軸方向において互いに対向するように配置された構成となっている。
また、同様に、第3ドライバIC200Cと開口部520との間の第3エッジ領域530Cには、第3圧電素子群300Cを構成する複数の圧電素子300に対応するように、Y軸方向に複数(例えば720個)が並列した状態に形成された接続端子部512からなる第3接続端子群512Cが設けられており、第4ドライバIC200Dと開口部520との間の第4エッジ領域530Dには、第4圧電素子群300Dを構成する複数の圧電素子300に対応するように、Y軸方向に複数(例えば720個)が並列した状態に形成された接続端子部512からなる第4接続端子群512Dが設けられている。そして、第3エッジ領域530Cと第4エッジ領域530Dとは、X軸方向において互いに対向するように配置されている。
そして、図3に示すように、フレキシブル基板500の下面500Aと、圧電素子300とを対向させ、開口部520と凹溝700とを位置決めした状態で、接続端子部512が形成されたエッジ領域530(一端側)が下方に曲げられたことにより、エッジ領域530側の下面500Aと段差部250の下段面(凹溝700の底面)とが、異方性導電ペースト(ACP)によって接続されている。これにより、フレキシブル基板500のエッジ領域530における下面500Aに設けられている接続端子部512と、段差部250の下段面(凹溝700の底面)に配置されている上電極膜80の端子部81とが、図5の要部側断面図に示すように、異方性導電ペースト560中に含有される導電粒子561によって電気的に接続されている。
なお、フレキシブル基板500については、そのエッジ領域530を下方に曲げて接続端子部512側を凹溝700内に入れ込む際、必要に応じて、該フレキシブル基板500を折り曲げてもよい。
ここで、フレキシブル基板500は、エッジ領域530(一端側)が下方(凹溝700の底面側)に曲げられ、このエッジ領域530側の下面500Aと段差部250の下段面(凹溝700の底面)とが接続されたことにより、このフレキシブル基板500には、そのエッジ領域530側(一端側)から前記段差部250の段差に沿って立ち上がる立ち上がり部501が形成されている。そして、この立ち上がり部501には、そのエッジ領域530側(一端側)の近傍部501aに熱硬化性樹脂562が設けられている。
このような構成によってフレキシブル基板500は、その下面500Aの、前記立ち上がり部501におけるエッジ領域530側(一端側)の近傍部501aが、熱硬化性樹脂562によって前記段差部250の下段面に固着している。すなわち、フレキシブル基板500は、その立ち上がり部501と段差部250の下段面との間に、熱硬化性樹脂562によるバックフィレットを形成したものとなっている。
また、この熱硬化性樹脂562は、前記異方性導電ペースト560中の熱硬化性樹脂562と同じ樹脂からなっている。すなわち、異方性導電ペースト560とは導電粒子561が含有されていないだけで、同じ樹脂成分のものとなっている。
したがって、このフレキシブル基板500は、そのエッジ領域530側だけでなく、立ち上がり部501の前記近傍部501aも、熱硬化性樹脂562によって段差部250の下段面に固着されているので、段差部250の下段面に対して十分に高い接続強度で接続されたものとなる。
また、前記立ち上がり部501での固着が、異方性導電ペースト560中の熱硬化性樹脂562と同じ熱硬化性樹脂でなされており、したがってこの立ち上がり部501には導電粒子561がほとんど存在していないので、この立ち上がり部501に存在する導電粒子561に起因するマイグレーションが抑制され、端子部81、81間のショートが防止される。
さらに、立ち上がり部501での固着に用いられた熱硬化性樹脂562が、異方性導電ペースト560中の熱硬化性樹脂562と同じものとなっているので、フレキシブル基板500の下面500Aのエッジ領域530側(一端側)での接着部分と、立ち上がり部501での固着部分とが、いずれも同じ熱硬化性樹脂の硬化物によって形成されたものとなる。したがって、接着部分と固着部分とが熱的に同じ挙動を示すようになり、熱膨張係数の違いなどによるフレキシブル基板500の剥離などが防止されたものとなる。
なお、図3、図4に示したように前記の第1圧電素子群300Aは、フレキシブル基板500の第1エッジ領域530A及びその第1エッジ領域530Aに設けられた第1接続端子群512Aに対応するように配置されており、第2圧電素子群300Bは、フレキシブル基板500の第2エッジ領域530B及びその第2エッジ領域530Bに設けられた第2接続端子群512Bに対応するように配置されている。したがって、第1圧電素子群300Aを構成する複数の圧電素子300の端子部81(上電極膜80)と、第1接続端子群512Aを構成する複数の接続端子部512とのそれぞれが良好に接続されるとともに、第2圧電素子群300Bを構成する複数の圧電素子300の端子部81(上電極膜80)と、第2接続端子群512Bを構成する複数の接続端子部512とのそれぞれが良好に接続される。
同様に、第3、第4圧電素子群300C、300Dを構成する複数の圧電素子300の端子部81と、第3、第4接続端子群512C、512Dを構成する複数の接続端子部512とが、それぞれ、第3、第4エッジ領域530C、530Dを曲げた状態で接続される。
また、図3に示すように、フレキシブル基板500とリザーバ形成基板20との間には樹脂202が配置されており、これによってフレキシブル基板500に設けられたドライバIC200は、リザーバ形成基板20上、すなわち段差部250の上段側に設けられたものとなっている。そして、この状態でフレキシブル基板500とリザーバ形成基板20とは、樹脂202による樹脂モールドによって固定されている。なお、樹脂202については、凹溝700内にも配置され、接続端子部512と圧電素子300の端子部81(上電極膜80)との間の接続部を樹脂モールドしていてもよい。
次に、このような構成を有する液滴吐出ヘッド1の動作について説明する。液滴吐出ヘッド1から機能液(インク)の液滴を吐出するために、図1に示した外部コントローラCTは、機能液導入口25に接続された不図示の外部機能液供給装置を駆動する。外部機能液供給装置から送出された機能液は、機能液導入口25を介してリザーバ100に供給された後、ノズル開口部15に至るまでの液滴吐出ヘッド1の内部流路を満たす。また、外部コントローラCTは、フレキシブル基板500に設けられた外部信号入力部580を介して、ドライバIC200等に駆動電力や指令信号を送る。フレキシブル基板500には、前記配線パターン510とは異なる配線パターン(図示せず)が設けられており、外部信号入力部580からの指令信号等は、その配線パターンを介してドライバIC200に送られる。ドライバIC200は、外部コントローラCTからの指令に基づいて、接続端子部512を含む配線パターン510を介して、圧力発生室12に対応するそれぞれの下電極膜60と上電極膜80との間に電圧を印加し、圧電体膜70を変位させる。これにより、弾性膜50、下電極膜60を変位させ、各圧力発生室12内の圧力を高めて、ノズル開口部15より液滴を吐出させる。
次に、このような構成からなる液滴吐出ヘッド1の製造方法に基づき、本発明のフレキシブル基板の実装方法、及び液滴吐出ヘッドの製造方法の一例を説明する。
前記液滴吐出ヘッド1を製造するに際し、特にフレキシブル基板500の下面500Aのエッジ領域530(一端側)を段差部250の下段面(凹溝700の底面)に接着し、接続端子部512を凹溝700内、すなわち段差部250の下段面の端子部81に接続するには、まず、図6(a)に示すような転写ステージ570を用意する。
この転写ステージ570は、硬化前の異方性導電ペーストを収容するための凹状のペースト収容部571を形成したもので、平面視した状態でその開口が矩形状のものである。このペースト収容部571には、その底面572に、本発明の凹部となるディンプル(窪み)573が多数形成されている。すなわち、ペースト収容部571の底面572は、転写ステージ570において、異方性導電ペーストを配するペースト配置領域を形成する面となっている。そして、この面に、おわんの内面形状、または半球の内面形状等のディンプル573が、規則的に、あるいは不規則に多数形成されている。
これらディンプル573は、十分に小さく形成されたもので、例えば異方性導電ペースト中に含有される導電粒子の1倍〜3倍程度、具体的には、導電粒子の直径を5μmとすると、ディンプル573の直径は5〜15μm程度、好ましくは10μm程度とされる。なお、本発明における凹部としては、このようなディンプル形状に限定されることなく、例えば横断面が半円状や逆三角形状の溝を、多数並列させたものとしてもよい。その場合にも、溝の幅を、導電粒子の1倍〜3倍程度とするのが好ましい。
また、ペースト収容部571は、その底面572の一方の側(一辺側)が、ペースト収容部571の開口に向けて傾斜する傾斜面572aとなっている。この傾斜面572aは、他の底面572部分から上側に行くに連れて、漸次傾斜してなるものである。すなわち、この傾斜面572aは、底面572とペースト収容部571の開口との間を連続的につなぐ部分であって、他の箇所における側面に代わって形成された部分である。
このような構成の転写ステージ570を用意したら、そのペースト収容部571内に、ディスペンサ法等によって異方性導電ペースト560を充填する。なお、ペースト収容部571の内面には、必要に応じて離型材を塗布しておいてもよい。そして、転写ステージ570の表面(ペースト収容部571の開口面)をスキージングすることにより、図6(b)に示すようにペースト収容部571内に、その容積分の異方性導電ペースト560だけを収容させる。
次いで、転写ステージ570のペースト収容部571内に収容された(配された)異方性導電ペースト560に、図6(c)に示すように前記フレキシブル基板500の下面500Aのエッジ領域530(一端側)を接触させる。このとき、フレキシブル基板500の先端側(エッジ領域530)側を予め曲げ(折り曲げ)ておき、これによって曲げ部より立ち上がってなる立ち上がり部501をフレキシブル基板500に形成しておく。そして、フレキシブル基板500のエッジ領域530(一端側)を異方性導電ペースト560に接触させる際には、この立ち上がり部501側が、前記ペースト収容部571の傾斜面572a側となるようにする。
その後、図6(d)に示すようにこのエッジ領域530(一端側)を引き上げることにより、該エッジ領域530(一端側)に異方性導電ペースト560を転写する。ここで、この引き上げに際しては、図6(d)中に矢印で示したように、前記ペースト収容部571の底面572の傾斜面572aにおける面方向に沿って斜めに引き上げる。
このようにして転写ステージ570のペースト収容部571からフレキシブル基板500のエッジ領域530(一端側)を引き上げると、ペースト収容部571の底面572に多数のディンプル(凹部)573が形成されているので、収容された異方性導電ペースト560が底面572から容易に剥離するようになり、したがって異方性導電ペースト560のほぼ全量がフレキシブル基板500に転写されるようになる。
すなわち、底面が連続した平面である場合には、硬化前の異方性導電ペースト560に対する付着力が強く、引き上げ時に異方性導電ペースト560の一部が転写ステージの底面側に残り易くなってしまう。一方、本実施形態の転写ステージ570では、ディンプル573が多数形成されていることから、これらディンプル573によって転写ステージ570の底面572が非連続化され、異方性導電ペースト560に対する付着力が弱められており、したがって、前述したように異方性導電ペースト560が底面572から容易に剥離するようになっている。
また、この引き上げの際に、特にフレキシブル基板500のエッジ領域530(一端側)を、ペースト収容部571の底面572の傾斜面572aにおける面方向に沿って斜めに引き上げているので、フレキシブル基板500に転写された異方性導電ペースト560中の熱硬化性樹脂562は少しは糸を引くものの、糸が大きく引かれることなく、比較的小さくしかも斜めに引かれるようになる。したがって、引き上げた際、引いた糸は転写された異方性導電ペースト560側にすぐに倒れる。よって、このように小さく引いた状態ですぐに倒れた糸には、空気がほとんど巻き込まれないため、異方性導電ペースト560中に気泡が残ることでその接着力が低下するといったことが防止される。
また、このとき、フレキシブル基板500のエッジ領域530を、図6(d)中に矢印で示したように斜めに引き上げているので、引き上げ時にペースト収納部571中の導電粒子561は、僅かながら図6(d)中の矢印方向と反対の側に移動するようになる。
なお、このような斜め引き上げによってフレキシブル基板500のエッジ領域530に転写された異方性導電ペースト560は、特にフレキシブル基板500の立ち上がり部501側が、前記ペースト収容部571の底面572の傾斜面572a側の形状に対応して、図6(d)に示したように傾斜面560aを形成したものとなっている。
また、このようなフレキシブル基板500のエッジ領域530(一端側)への異方性導電ペースト560の転写とは別に、図7(a)に示すように、凹溝700内の段差部250近傍、すなわち段差部250の下段面に、例えばデスペンサDから硬化前の熱硬化性樹脂562を所定量配しておく。
そして、図7(b)に示すように、先に異方性導電ペースト560を転写しておいたフレキシブル基板500のエッジ領域530を、凹溝700内に入れ込み、フレキシブル基板500の上面側を適宜な押圧ブロック(図示せず)等によって押圧することにより、該エッジ領域530を、異方性導電ペースト560を介して段差部250の下段面上に接着する。
このとき、フレキシブル基板500の立ち上がり部501側が前記段差部250側となるようにして、すなわち、前記の熱硬化性樹脂562側となるようにして配し、異方性導電ペースト560を介して接着する。すると、予め段差部250の下段面に熱硬化性樹脂562を配しているので、フレキシブル基板500の下面500Aの立ち上がり部501側は、この熱硬化性樹脂562によって段差部250の下段面(凹溝700の底面)に接着される。
その後、異方性導電ペースト560、及び熱硬化性樹脂562を加熱して硬化させることにより、フレキシブル基板500のエッジ領域530を段差部250の下段面上に接着すると同時に、フレキシブル基板500の立ち上がり部501を段差部250の下段面(凹溝700の底面)に固着し、図5に示した実装構造を得る。
このような凹溝700からなる段差部250へのフレキシブル基板500の実装方法、すなわち液滴吐出ヘッド1の製造方法によれば、エッジ領域530側だけでなく、立ち上がり部501におけるエッジ領域530(一端側)の近傍部501aも、熱硬化性樹脂562によって段差部250の下段面に固着するので、フレキシブル基板500を段差部250の下段面に対して十分に高い接続強度で接続することができる。
また、前記立ち上がり部501での固着を、異方性導電ペースト560中の熱硬化性樹脂562と同じ熱硬化性樹脂で行うので、この立ち上がり部501には導電粒子561がほとんど存在しなくなる。したがって、この立ち上がり部501に導電粒子561が存在してしまうことに起因するマイグレーションを抑制し、端子部81、81間のショートを防止することができる。
なお、フレキシブル基板500のエッジ領域530に転写された異方性導電ペースト560は、斜め引き上げを行っていることで、前述したように図6(d)中の矢印方向と反対の側、すなわちフレキシブル基板500の立ち上がり部501側と反対の側に、導電粒子561が移動し、これによって立ち上がり部501側での導電粒子561の含有率が少なくなっている。また、斜め引き上げにより、フレキシブル基板500に転写された異方性導電ペースト560の立ち上がり部501側には、ペースト収容部571の傾斜面572aに対応した傾斜面560aを形成している。
したがって、特にフレキシブル基板500のエッジ領域530における立ち上がり部501側では、異方性導電ペースト560の転写量そのものが他の部位に比べて少なくなっており、しかも導電粒子561の含有率も少なくなっていることから、この立ち上がり部501側では、他の部位に比べ導電粒子561の絶対量が少なくなっている。よって、このエッジ領域530における立ち上がり部501側に転写された異方性導電ペースト560の一部が、接着時に立ち上がり部501に回り込んだとしても、導電粒子561の絶対量が少ないことから、導電粒子561は立ち上がり部501に回り込みにくくなる。これにより、導電粒子561が回り込んで立ち上がり部501に移行してしまい、この導電粒子561に起因してマイグレーションが生じてしまうのを、防止することができる。
さらに、立ち上がり部501での固着に用いられた熱硬化性樹脂562を、異方性導電ペースト560中の熱硬化性樹脂562と同じものとしているので、フレキシブル基板500の下面500Aのエッジ領域530側(一端側)での接着部分と、立ち上がり部501での固着部分とが、いずれも同じ熱硬化性樹脂の硬化物によって形成されたものとなる。したがって、接着部分と固着部分とが熱的に同じ挙動を示すようになり、これにより、熱膨張係数の違いなどによるフレキシブル基板500の剥離などを防止することができる。
また、転写ステージ570におけるペースト配置領域の形成面となるペースト収容部571の底面に、ディンプル573を多数形成しているので、前述したようにフレキシブル基板500を転写ステージ570から引き上げた際に異方性導電ペースト560が底面572から容易に剥離するようになる。したがって、異方性導電ペーストのほぼ全量がフレキシブル基板500に転写されるようになり、これにより、フレキシブル基板500に転写される異方性導電ペースト560の量のバラツキに起因して、フレキシブル基板500の下段側の面に対する接続強度が十分になってしまうといった不都合を防止することができる。
また、転写ステージ570にペースト収容部571を形成し、このペースト収容部571内に収容した異方性導電ペースト560のほぼ全量を転写するようにしてので、フレキシブル基板500に転写される異方性導電ペースト560の量をペースト収容部571の容積でほぼ規定することができ、したがって、常に一定の量の異方性導電ペースト560をフレキシブル基板500に転写することができる。
また、この引き上げの際に、特にフレキシブル基板500のエッジ領域530(一端側)を、ペースト収容部571の底面572の傾斜面572aにおける面方向に沿って斜めに引き上げているので、前述したように異方性導電ペースト560中に気泡が残ることが抑えられる。したがって、気泡によって異方性導電ペースト560の接着力が低下してしまうことを防止することができ、これにより、実装後のフレキシブル基板500に剥離が生じてしまうといった不都合を防止することができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない限り種々の変更が可能である。例えば、前記転写ステージでは、ペースト収容部571の一方の側にのみ傾斜面572aを形成したが、相対向する二つの側にそれぞれ傾斜面572aを形成してもよい。
<液滴吐出装置>
次に、前述した液滴吐出ヘッド1を備えた本発明の液滴吐出装置IJの一例について、図8を参照しながら説明する。図8は液滴吐出装置IJの概略構成を示す斜視図である。
図8において液滴吐出装置IJは、液滴吐出ヘッド1と、駆動軸4と、ガイド軸5と、コントローラCTと、ステージ7と、クリーニング機構8と、基台9と、ヒータ6とを備えている。ステージ7は、液滴吐出ヘッド1によって機能液が吐出される基板Pを支持するもので、基板Pを基準位置に固定する不図示の固定機構を備えたものである。液滴吐出ヘッド1のノズル開口部からは、ステージ7に支持されている基板Pに対し、機能液が吐出されるようになっている。
駆動軸4には駆動モータ2が接続されている。駆動モータ2はステッピングモータ等からなるもので、コントローラCTからY軸方向の駆動信号が供給されると、駆動軸4を回転させるようになっている。駆動軸4が回転すると、液滴吐出ヘッド1はY軸方向に移動する。ガイド軸5は基台9に対して動かないように固定されている。ステージ7は、駆動モータ3を備えている。駆動モータ3はステッピングモータ等からなるもので、コントローラCTからX軸方向の駆動信号が供給されると、ステージ7をX軸方向に移動するようになっている。
コントローラCTは、液滴吐出ヘッド1に対して液滴吐出を制御するための電圧を供給する。さらに、コントローラCTは、駆動モータ2に対して液滴吐出ヘッド1のY軸方向への移動を制御する駆動パルス信号を供給するとともに、駆動モータ3に対してステージ7のX軸方向への移動を制御する駆動パルス信号を供給する。
クリーニング機構8は液滴吐出ヘッド1をクリーニングするものであって、図示しない駆動モータを備えている。この駆動モータの駆動により、クリーニング機構8はガイド軸5に沿ってX軸方向に移動する。クリーニング機構8の移動もコントローラCTにより制御される。ヒータ6は、ここではランプアニールにより基板Pを熱処理する手段であり、基板P上に塗布された機能液に含まれる溶媒の蒸発及び乾燥を行うようになっている。このヒータ6の電源の投入及び遮断も、コントローラCTによって制御されるようになっている。
そして、液滴吐出装置IJは、液滴吐出ヘッド1と基板Pを支持するステージ7とを相対的に走査しつつ基板Pに対して液滴を吐出する。
このような液滴吐出装置IJにあっては、前述したように、フレキシブル基板500(501、502)の変形によるフレキシブル基板の接続部での剥離が防止された液滴吐出ヘッドを備えているので、この液滴吐出装置自体も、前記接続部の剥離による不良が防止されたものとなり、長期に亘る信頼性が確保されたものとなる。
なお、前述した実施形態において、液滴吐出ヘッド1より吐出される機能液としては、液晶表示デバイスを形成するための液晶表示デバイス形成用材料、有機EL表示デバイスを形成するための有機EL形成用材料、電子回路の配線パターンを形成するための配線パターン形成用材料などを含むものとする。これにより、液滴吐出装置IJは、液滴吐出法に基づいて吐出した機能液によって、前記各デバイスを製造することができる。
本発明の一実施形態に係る液滴吐出ヘッドの外観斜視図である。 図1に示した液滴吐出ヘッドを下側から見た斜視図である。 図1のA−A線矢視断面図である。 フレキシブル基板を下面側から見た図である。 液滴吐出ヘッドの要部側断面図である。 (a)〜(d)はフレキシブル基板へのACP転写の説明図である。 (a)、(b)はフレキシブル基板の実装方法の説明図である。 液滴吐出装置の一例を示す外観斜視図である。
符号の説明
1…液滴吐出ヘッド、15…ノズル開口部、15A〜15D…ノズル開口群、20…リザーバ形成基板、81…端子部、200…ドライバIC(駆動回路部)、250…段差部、300…圧電素子(駆動素子)、500…フレキシブル基板、501…立ち上がり部、501a…近傍部、510…配線パターン(導電部)、512…接続端子部、560…異方性導電ペースト、561…導電粒子、562…熱硬化性樹脂、570…転写ステージ、571…ペースト収容部、572…底面、572a…傾斜面、573…ディンプル、700…凹溝、IJ…液滴吐出装置

Claims (7)

  1. 導電部を有したフレキシブル基板を段差部の上段側から下段側にかけて配置し、これら上段側と下段側との間を、前記導電部によって電気的に導通させるフレキシブル基板の実装方法であって、
    前記フレキシブル基板の前記導電部を有した下面の一端側を、熱硬化性樹脂中に導電粒子を含有してなる異方性導電ペーストを用いて前記段差部の下段側の面に接着し、前記フレキシブル基板の導電部と前記下段側の面に設けられた端子部とを導通させる工程と、
    前記フレキシブル基板の下面の、前記一端側から前記段差部の段差に沿って立ち上がる立ち上がり部の、前記一端側の近傍部を、前記異方性導電ペースト中の熱硬化性樹脂と同じ熱硬化性樹脂によって前記段差部の下段側の面に固着する工程と、を備えたことを特徴とするフレキシブル基板の実装方法。
  2. 前記フレキシブル基板の下面の一端側を前記段差部の下段側の面に接着する工程は、予め転写ステージ上に配された硬化前の前記異方性導電ペーストに、前記フレキシブル基板の下面の一端側を接触させ、その後引き上げることにより、該一端側に前記異方性導電ペーストを転写する工程と、異方性導電ペーストが転写された前記フレキシブル基板の一端側を、転写された異方性導電ペーストを介して前記段差部の下段側の面に接合する工程と、を備えてなり、
    前記転写ステージとして、前記異方性導電ペーストを配するペースト配置領域を形成する面に、その全域において多数の凹部を形成したものを用いる、ことを特徴とする請求項1記載のフレキシブル基板の実装方法。
  3. 前記転写ステージには、前記異方性導電ペーストを収容するための凹状のペースト収容部が形成され、該ペースト収容部の底面が、前記ペースト配置領域を形成する面になっているとともに、該底面の一方の側は、ペースト収容部の開口に向けて傾斜する傾斜面となっており、
    前記フレキシブル基板の一端側に前記異方性導電ペーストを転写する工程では、前記異方性導電ペーストに前記フレキシブル基板の下面の一端側を接触させ、その後引き上げる際に、前記ペースト収容部の底面の傾斜面における面方向に沿って、前記一方の側に向けて斜めに引き上げることを特徴とする請求項2記載のフレキシブル基板の実装方法。
  4. 導電部を有したフレキシブル基板が段差部の上段側から下段側にかけて配置され、これら上段側と下段側との間が、前記導電部によって電気的に導通させられてなるフレキシブル基板の実装構造であって、
    前記フレキシブル基板の前記導電部を有した下面の一端側が、熱硬化性樹脂中に導電粒子を含有してなる異方性導電ペーストを介して前記段差部の下段側の面に接着し、これによって前記フレキシブル基板の導電部と前記下段側の面に設けられた端子部とが導通させられてなり、
    前記フレキシブル基板の下面の、前記一端側から前記段差部の段差に沿って立ち上がる立ち上がり部の、前記一端側の近傍部が、前記異方性導電ペースト中の熱硬化性樹脂と同じ熱硬化性樹脂によって前記段差部の下段側の面に固着させられていることを特徴とするフレキシブル基板の実装構造。
  5. 段差部の上段側に設けられた駆動回路部と、前記段差部の下段側に設けられて前記駆動回路部によって駆動される駆動素子と、前記駆動回路部と前記駆動素子とを電気的に接続する導電部を有したフレキシブル基板と、を備えた液滴吐出ヘッドの製造方法において、
    前記フレキシブル基板を、請求項1〜3のいずれか一項に記載の実装方法によって実装することを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
  6. 段差部の上段側に設けられた駆動回路部と、前記段差部の下段側に設けられて前記駆動回路部によって駆動される駆動素子と、前記駆動回路部と前記駆動素子とを電気的に接続する導電部を有したフレキシブル基板と、を備えた液滴吐出ヘッドにおいて、
    前記フレキシブル基板が、請求項1〜3のいずれか一項に記載の実装方法によって実装されてなることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  7. 請求項6記載の液滴吐出ヘッドを備えたことを特徴とする液滴吐出装置。
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