JP2007160181A - フィルタプレス - Google Patents
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Abstract
【構成】前後の機枠(1,2)の上部間に上部バー(3)を渡し、各濾板(12)の吊設腕(21)を前後に摺動自由に掛止め吊設する一方、前記上部バー(3)には駆動軸(34)を併設し該軸と共に回転し且つ軸の長さ方向に自由に摺動する第1と第2のプーリ(33a,33b)を軸承する。これらのプーリには前記濾板の前後の面を被覆する濾布(29,30)の上端と下端に繋げる牽引ワイヤ(31,32)を個別に巻付ける。そして、開板時には濾板を前記上部バー(3)に沿って移動させ、開板させると共に、濾板の前記吊設腕(21)を介して前記第1、第2のプーリ(33a,33b)を前記駆動軸(34)に沿って移動させ、且つ該駆動軸の回転によって前記前後の濾布(29,30)を上下に走行するようにする。
【選択図】図5
Description
そして、この濾過作業を通して濾布の表面に付着し堆積したケーキを濾過作業の終了によって、乃至はケーキが堆積することによって濾過効率が低下したとき、濾板を開いて濾布の表面を露出させ、表面に付着するケーキを掻き取る等して除去し、また洗浄水を噴き付ける等して洗い流すことが行われている。
ケーキの除去作業における困難は、ケーキに残る水分の除去に併せて開かれた濾板と濾板の間の狭い空間での作業となること、そして多数枚の濾板の間で行われることにあり、全てのケーキを除去するには相当な時間を要し、この間濾過作業が止まることになる。
傘歯車25等の部品が複雑に組合って構成されるものとなっており、このため製造性が悪く、故障の危険性も高いものとなっている。
ことに、動力の伝達のため介挿された傘歯車24,25は、それ自体の幅が濾板の厚みを超えるため、歯車同士の衝突を回避する上から一枚おきに左右に配置を替える必要があり、このため各濾板に対して従動軸18なるものを配置しなければならないものとなっている。
特許文献1,2における構造の複雑さを解消するものとしている。
しかし、部品数を減すことで簡素化されてはいるが、この装置も濾板1を固定フレーム2とシリンダフレーム3との間に渡す主梁4、つまりサイドバーに架け渡し支持する点で前記のフィルタプレスと同じであり、全く同じ欠陥を有している。
この問題は前記特許文献1,2のフィルタプレスにおいてもブラケット17と駆動軸26との間で同様の状態が発生することから、同じ問題を起すものとなっている。
濾板は、上記上部バーの左右の案内レールに対応して上縁部の左右に一対の吊設腕を起立延設し、この吊設腕にはそれぞれ内向きに滑合部を突設して上記案内レールに掛止め、吊り下げて案内レールに沿って前後方向に自由に摺動するように支持することになる。
この2本の駆動軸は、上記上部バーに並行した状態で付設されると同時に、前記濾板を吊設する左右の吊設腕に隣接した状態で前後方向に伸びるようにする。そして、この駆動軸に上記上部バーに吊設される各濾板に対応させて巻取プーリを軸着する。
そして、この巻取プーリは前記濾板を吊設する吊設腕に滑合させて前記駆動軸の回転時にはこの回転に伴って回転する一方、濾板の移動時には吊設腕の移動に伴って該駆動軸の長手方向に自由に移動し、それぞれの巻取プーリがそれぞれ対応する濾板に追随して移動するようにしてあるのである。
この濾布は、濾板の前後の面を被ったとき、この前後の面を被う2枚の濾布の下端同士を下の取付バーに止着して連結し、また該前後の面の2枚の濾布の上端は前後に隣接する濾板に張られる濾布の上端と一緒に上の取付バーに止着して一体に連結するようにしてあり、これによって各濾板に張られる全ての濾布が隣接するもの同士において上端同士、そして下端同士を連結することで一連に連続し、帯状に繋がるようになっている。
つまり、各濾板に張られる濾布は、濾板の側方から見たとき前後の濾板の間にジグザグに折れ曲がって入り込み、これが連続する状態で連結されるのである。
濾板の開板は、前記油圧シリンダの収縮により可動板を後の機枠に引き寄せることによって行われる。
上記可動板及び各濾板相互はリンク部材によって連結し、可動板の移動に伴わせて各濾板を引き出すことができ、この引き出しによって各リンク部材の長さ分の間隔をおいて濾板相互を開くことになる。
上記巻取プーリは前記開板作業時、濾板の移動に伴って移動する吊設腕によって駆動軸に沿って移動し、各巻取プーリはそれぞれの濾板に追随する。そして、常にその直上に位置することになる。
尚、一つの巻取プーリの回転で2本の牽引ワイヤの巻き解きと巻上げを同時に行うためには、例えば巻取プーリの下方に補助プーリを併設し、これに第2プーリに止着される牽引ワイヤを掛け回してこの第2プーリに対して逆向きに巻付け、駆動軸の一方向の回転によって第1,第2のプーリが正逆方向から巻付け、また巻き解くことができるようにすればよい。
勿論、上記ケーキの剥離のための濾布の走行は1回に限られるものではない。複数回繰り返して確実な除去操作が行われることもあり、この反覆操作は濾過原液の粘性等を考慮して任意選択されることになる。
このため、濾板とこれに付随する巻取プーリとが円滑に移動することができるものとなっている。
また同時に、本発明フィルタプレスにおいては上部バーに濾板を吊設することによって濾板の両側方には障害物がなく解放する構造となることから、濾布の交換作業を始めとしてその保守点検作業を容易に行うことができることになる。
そして、この濾板の両側方の解放は、ケーキの除去、濾布の洗浄作業においても濾板の上下に亘って作業員が自由に手を差し延べられるため作業効率が向上し、従ってフィルタプレスの稼働率を高めることもできることになる。
図1は、本発明に係るフィルタプレスの濾板を開いた状態の正面図であり、図2は同じく平面図、図3は同じく左側面図、図4は同じく右側面図であり、図5は同じく斜視図である。
図面において、符号1は前の機枠、2は後の機枠であり、3,3は上記前後の機枠1,2の上部中央部間に並行に渡した上部バーであり、4,4は同様に前後の機枠1,2の下部左右に並行に渡した下部バーである。
後の機枠2には中央部を貫くように後述する濾板を圧締するための油圧シリンダ5が固定され、伸縮するピストンロッド6の先端に濾板を押圧するための可動板7が連結されている。
11は、上記可動板7に対向して前の機枠1の内面側に設けた固定板であり、12‥はこの可動板7と固定板11との間に介挿される濾板を示す。
この濾板12の上部左右には濾板相互において連通する送液孔16を形成し、上記凹部の上方に開設する出口16aに板の内部において連通するようにしてある。そして、下部の左右には耳部17,17を形成し、この耳部の上方に濾液の出口18,18を、そして下方に前記ダイアフラム14を膨張させる圧搾水を入れる入口19と出口20とを形成している。
吊設腕21は、各濾板において上縁部の左右に対称状に一対宛備えてあり、ここでは所要厚みをもった金属板を主体にして、この主体の下端に門形に形成した取付部22を備え、この取付部22を濾板12の上縁部の左右、つまり左右の肩の上部に隆起させる台部23に連結軸24を貫通させて揺動自由に連結し、濾板に取付けてある。
この連結軸24による連結によって後述するように濾板が開閉操作される際に前後方向に振られることがあったとき、この振れを吸収し、吊設腕21の前後の振れを防止することができる。また濾板12の交換の際、この連結軸24を引き抜くことで吊設腕21を外すことなく濾板本体部分のみを着脱し、交換作業を容易に行うことができるものとなる。
尚、上記各滑合部25,26はレール部10に沿っての移動を容易にするため滑合部分に樹脂製のシュー27を取付けてあり、一方のシュー27の滑合面にはレール部10を嵌め込む溝28を設けてこの嵌め合せによって濾板の左右方向の移動を止め、常に定位置で上部バー3,3に吊り下り、レールの長さ方向に沿って移動ができるようにしてある。
更に言えば、前記上の取付バー35が最上位置にあるとき、前後の濾布29,30はそれぞれの下端部を案内バー37,38に対して外側から巻き付けて両案内バー37,38の間に通し、ここからやゝ上昇した位置に置き、ここで2枚の濾布29,30の下端部同士を下の取付バー36に纏めて固定してあるのである(図12参照)。
そして更に上昇すると、濾布29,30の全面がこの案内バー37,38を通過し折り返されることになる(図14参照)。
尚、この濾布の下降と上昇を繰り返すことによってケーキの剥離が実行され、より確実なものとなる。
この巻取プーリ33は、各濾板12に対して左右に一個宛配設され、それぞれは濾板12の上縁部左右の端に沿って配置される左右の駆動軸34に軸承されるようになっている。
この駆動軸34と上部バー3,3との関係は図1の正面図及び図2の平面図において明らかにされるが、図15はこの駆動軸34と駆動源となる減速機付きのモータ42と関係を図示したものである。
各濾板12について上記の如く濾布29,30をセットしたのち、油圧シリンダ5を操作してロッド6を伸長させ、可動板7を固定板11側に押し出し、開放した状態にある各濾板12を次々と接面させながら前進させ、固定板11との間で挟み込むようにする。そして、所定の圧力を以て濾板相互を圧締し、原液の送り込みに備える。
この水分を除去する行程は、フィルタプレス一般において実施されている場合と同じであり、前の機枠1に設ける圧搾水入口52から圧力水を入れて各濾板12に設ける水路の入口19を通してダイヤフラム14の背後に供給し、このダイヤフラムを膨張させて濾板間に張られる前後の濾布29,30を他方の濾板に張られるゴム板15に押付け、濾布に付着したケーキを圧迫することで絞り出し、この水分を濾布を通して濾液の出口18から集液管51に送り出すことになる。
開板作業は油圧シリンダ5を操作し、ピストンロッド6を収縮する作業によって行われる。
ピストンロッド6の収縮によって可動板7が後の機枠2側に後退すると、これに伴ってこの可動板7と濾板12、そして濾板同士を連結するリンク部材54を介して後方に牽引され、このリンク部材54の長さを限度に上記可動板7と濾板12、そして濾板相互の間が開き、濾板相互の間に形成される濾過室を開放し、同時に、この間に張られた前後の濾布29,30を露出することになる。
このリンク部材54が各濾板12の左右の上下に4個備えられることにより吊設腕21によって吊り下る濾板12は、開閉する際に向きがばら付くことがなく、各対面した状態で開閉し、ことに開いたとき濾板間に一定の作業空隙を確保することができるようになっている。
尚、軸55,56の先端には上記リンク部材54の脱落を防止する割ピン57が差し込まれる。
このとき、上の取付バー35に上端を固定した前後の濾布29,30は濾板の前後の面を被う状態にあり、分配器39は濾板の凹部49に向い合った状態にある。
尚、同一の駆動軸34の回転によって巻取プーリ33の第1,第2のプーリ33a,33bが巻き解きと巻取りを同時に行うため、第2プーリ33bには補助プーリ58を下の取付バー36との間に介挿し、牽引ワイヤ32をこの補助プーリ58を経由させて牽引ワイヤ31とは逆向きに巻込むようにしてある。
次に、前記駆動軸34,34を逆回転することで、第2のプーリ33bに巻取った牽引ワイヤ32を解き、第1のプーリ33aに牽引ワイヤ31を巻取ることで再び上昇位置に戻り、濾板に対するセットが行われる。
この濾布29,30の上下動は、ケーキの剥離状態によって1回の場合も、また数回繰り返す場合もある。そして、ケーキの剥離作業を終了した時点で濾板の下方に設置する洗浄装置59を操作して濾布の表面に圧力水を噴射し、付着するケーキを洗い落すことになる。
この可動板7と機枠2との空間は濾板が達しない空間であって剥離されるケーキが落下しない領域でもあるため、洗浄装置59の格納空間として好ましく、従って、本実施の態様では噴射管64及び台車62がこの空間内に収まる大きさにして開板時に剥離されて落下するケーキがこの台車62上に積ることがないようにしてある。
巻取プーリ33,33を前記濾板の吊設腕21,21に滑合させて濾板の移動時に上記駆動軸34,34に沿って移動するものとなる。
2 後の機枠
3 上部バー
5 油圧シリンダ
6 ピストンロッド
7 可動板
10 上部バーに付設したレール
11 固定板
12 濾板
14 ダイヤフラム
15 ゴム板
16 送液孔
18 濾液の出口
19 圧搾水の入口
20 圧搾水の出口
21 吊設腕
25,26 滑合部
29 前面側の濾布
30 後面側の濾布
31,32 牽引ワイヤ
33 巻取プーリ
33a 第1のプーリ
33b 第2のプーリ
34 駆動軸
35 上の取付バー
36 下の取付バー
37,38 案内バー
39 分配器
42 駆動軸を駆動するモータ
43 取付基板
47,48 駆動軸の軸受
51 集液管
52 圧搾水の入口
53 排水管
54 リンク部材
55,56 リンク部材の支持用の軸
58 補助プーリ
59 洗浄装置
62 台車
63 ノズル
64 噴射管
Claims (2)
- 対設する前後の機枠の上部間に上部バーを渡し、濾板の上縁部の左右から延設する一対の吊設腕を掛け止め、複数枚の濾板を上部バーの長さ方向に摺動自由に吊設支持すると共に、前記後の機枠に備える油圧シリンダの伸縮操作により前記前の機枠との間において圧締し閉板し、若しくは引き離しによって開板可能にする一方、前記上部バーには前記各濾板の左右の吊設腕に隣接させて左右一対の駆動軸を回転自由に併設し、該各駆動軸に前記各濾板に対応させて第1,第2のプーリからなる左右の巻取プーリを軸承し、該駆動軸の正逆の回転に伴わせて正逆の方向に回転するよう支持すると同時に、該各巻取プーリとこれに対応する前記吊設腕とを滑合連結し、前記濾板の摺動と共に前記駆動軸の長さ方向に沿って摺動自由に支持し、その一方前記第1のプーリと第2のプーリには前記濾板の前後の面に沿って張設する前後の濾布の上下両端にそれぞれ一端を止着する一対の牽引ワイヤのそれぞれの他端を互いに逆向きとなるように止着し、前記左右の駆動軸の正逆方向の回転操作によって前記第1,第2のプーリの繰り出しと巻上げを同時に行って前記濾板に張設する前後の濾布を濾板の下端に設ける案内バーを折返し点に上下に走行させるようにしてなることを特徴としたフィルタプレス。
- 請求項1の記載において、巻取プーリは第1のプーリと,第2のプーリの間に所定幅の空隙を円周方向に沿って設け、該空隙に濾板を吊る吊設腕の一部を侵入滑合させて連結し、常に該巻取プーリを回転自由に支持すると共に、上部バーに沿って移動する前記濾板の移動に伴わせて該巻取プーリを前記上部バーに並行する駆動軸に沿って移動するようにしてなることを特徴としたフィルタプレス。
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