JP2007159659A - 採血用中空針 - Google Patents

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Abstract

【課題】被検者に痛みや傷などを与えることがなく、中空針を提供する。
【解決手段】先端と基端に開口部を有し、先端の内径が基端の内径より小さく、先端の外径が基端の外径より小さく、先端から基端へ長軸方向に内径及び外径がそれぞれテーパー形状であることを特徴とする採血用中空針。
【選択図】図1

Description

本発明は、採血用中空針、それを備えた検査キット及び採血キットに関する。
従来から、血液、尿等を検体として人の病気を診断する方法は、人体を損ねることなく簡便に診断できる方法として、長く行われてきている。
特に血液は、多くの検査項目について診断が可能であり、健康診断,疾病の診断などでは血液を採取してその成分を分析することが一般的になっている。
血液検査においては、通常、患者あるいは健康診断の対象者などのいわゆる被検者から血液を採取する際に、採血針を静脈に穿刺している。通常の血液検査では、ISO9626:1991などに規定される21G(ゲージ)(外径0.81mm,内径0.49mm〜0.61mm)を使用しており、静脈に穿刺されたときに痛みを伴うのが普通であり、採血時の苦痛をなくす努力が医療の現場に求められている。
特許文献1には、採血用の中空針において、外径を細くすることで、痛みを低減させる技術が開示されている。
特開2003−83958号公報
しかしながら、特許文献1で提案されている、100μm以下の中空針は、針の強度が低く、穿刺時に針が曲がる危険性が高く、安全性に問題があった。
また、穿刺時の強度不足を解決する手段として、先端が細く針元が太い針を用い、穿刺時の痛みを低減する商品「ナノパス33」が発売されている。この商品では、針の先端外径を約0.2mm、針元外径を0.35mmのテーパー構造にすることで、痛みを低減しながら穿刺時の強度を保持している。しかしながら、この針は、インシュリン投与用に設計されているため、通常の採血用のシリンジや真空採血管ホルダーに装着することができない。
本発明の目的は、被検者に痛みや傷などを与えることがなく、且つ十分な強度を有する中空針を提供することにある。また、本発明のさらなる目的は、充分な針内部の流量を有する中空針を提供することにある。
本発明の上記課題は、以下の構成により達成することができた。
1. 先端と基端に開口部を有し、先端の内径が基端の内径より小さく、先端の外径が基端の外径より小さく、先端から基端へ長軸方向に内径及び外径がそれぞれテーパー形状であることを特徴とする採血用中空針。
2. 前記先端の外径が0.18mm以上0.90mm以下であることを特徴とする前記1項記載の採血用中空針。
3. 前記1項または2項に記載の採血用中空針と検査チップを具備することを特徴とする検査キット。
4. 前記1〜3項のいずれかに記載の採血用中空針と真空採血管を具備することを特徴とする採血キット。
5. 前記真空採血管の内容量が1.5mL以下であることを特徴とする前記4項記載の採血キット。
本発明によれば、被検者に痛みや傷などを与えることがなく、さらには痛みによって引き起こされる恐怖感や不安感をも与えることのない中空針を提供することができる。
以下、本発明について更に詳細に説明する。
<中空針>
本発明の中空針は、ヒトやその他の動物の血液を採取する際に好適に用いられる。採取した血液は、通常、血液検査に使用される。
{針の形状}
血液を採取して血液中の成分を分析するために、腕・肘・指先などから血液を採取する針は内部に中空を設けたものと中空のないものがある。
例えば、中空針は、一般的には、医療機関において、あるいは健康診断などにおいて、静脈に穿刺して静脈中の血液を採取して、通常、血液中の成分を分析するために用いられる。例えば、血糖値、ヘモグロビンA1c(HbA1c)などの糖尿病を診断するための成分、グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ(GPT),グルタミン酸オキザロ酢酸トランスアミナーゼ(GOT)などの肝機能を診断するための成分、クレアチニン(CRE)、尿素窒素(BUN)などの腎機能を診断するための成分を分析するために用いられる。
一方、ランセットと呼ばれる中空でない穿刺針は、一般的に、血糖値を自己測定する装置において、被検者が自ら指先を穿刺して血液を採取するのに用いられる。
本発明は、針の内部が中空である採血用中空針に関する。
本発明の採血用中空針は、先端と基端に開口部を有し、先端の内径が基端の内径より小さく、先端の外径が基端の外径より小さく、先端から基端へ長軸方向に内径及び外径がそれぞれテーパー形状であることを特徴とする。図1は本発明の第一の形態を示す。
図1において、針Aは、生体内に挿入される先端Cから基端Dにかけてテーパー形状を形成している。また、Bが針基、Lが針の先端Cから基端Dまでの長さを示す。以下各部位について説明する。
先端Cは、生体内に挿入するため、外径は0.18mm以上0.90mm以下であることが好ましく、0.20mm以上0.85mm以下であることがより好ましい。この範囲とすることで、痛みを低減することが出来る。また、内径は0.08mm以上であることが好ましく、0.10mm以上であることがより好ましく、0.12mm以上であることが最も好ましい。この範囲とすることで、内径が細すぎて流量が少なくなり、採血に要する時間が長くなるという問題が起こらない。
また、先端Cの外径と内径の差は、小さいほうが内径を大きくできるので全血に与える損傷が小さいという点では好ましいが、針の力学強度を保つためには大きいほうが好ましい。したがって、中空針の外径と内径の差は、好ましくは0.04mm以上0.17mm以下、より好ましくは0.05mm以上0.14mm以下、もっとも好ましくは、0.06mm以上0.12mm以下である。
基端Dは、先端Cに比べ針の外径を太くすることで針の強度を強くするという目的と、
先端に比較し針の内径を太くすることで流量を保持するという2つの目的がある。前者の目的から考えて、基端Dの外径は0.24mm以上であることが好ましく、0.26mm以上であることがより好ましく、0.28mm以上であることが最も好ましい。また、後者の目的から基端Dの内径は0.12mm以上であることが好ましく、0.14mm以上であることがより好ましく、0.16mm以上であることがもっとも好ましい。
基端Dと先端Cをつなぐテーパー形状(以下、テーパー部とも言う。)の角度は先端Cの外径および内径と基端Dの外径および内径から決定される。内側の角度と外側の角度は同一でも異なっていてもよい。テーパー部の外側における角度が、針の中心軸と平行な線に対して、0.3度以上であることが好ましく、0.5度以上であることがより好ましい。
先端Cから基端Dまでの長さLは3mm以上40mm以下であることが好ましく、4mm以上38mm以下であることがより好ましい。
また、穿刺のために針先をカットする形状は、3面カットあるいは1面カット,直線カットあるいは曲線カットのいずれでもよい。1面カットの場合の針先のカットの角度は、日本工業規格T3101−1979で規定される刃先の角度θにおいて、8度から30度の角度にあることが好ましい。3面カットの場合の針先のカットの角度は、第一研削角aは7度〜20度、第二研削角bは、10度〜30度であることが好ましい。図2に好ましい3面カットの針先を示す。第一研削角aを図2(A)に、第二研削角bを図2(B)に示す(ISO7864参照)。
{針の形態}
本発明の中空針は、採血用の中空針である。針の形態としては、注射針、採血針、翼状針など採血に使用可能であれば、いかなる形態でもよい。注射針とは針基(ハブ)、針管(カヌラ)から構成されており、通常、刃を保護するための保護キャップ(プロテクタ)を被せた形で市販されている。シリンジに接合して採血をする方法と、ルアーアダプタを使用して、真空採血をする方法がある。JIS T−3209に一般的な形態が規定されている。また、採血針とは前後に貫通する両端に刃先を持つ針管(カヌラ)と針基(ハブ)から構成されている。連続採血用として、針基後部に止血ゴムカバーつきのものが一般的である。通常、刃を保護するための保護キャップ(プロテクタ)を被せた形で市販されている。真空採血用のホルダーに装着して、真空採血に使用される。JIS T−3220に一般的な形態が規定されている。
なお、本発明の中空針が採血針の形態をとる場合、針は2つの端を有するが、針の先端は、人体に穿刺する側の端であり、針の基端は、人体に穿刺する側における基端である。また、本発明の穿刺針は針の先端から基端に向かってテーパー構造をとるため、人体穿刺側の先端の外径に比べ栓体穿刺側(ゴムカバー側)の先端の外径が太くなり、人体に穿刺する側は針が細いため痛みが少なく、真空採血管に穿刺する側は、針を太く出来るためスムーズにゴム栓に穿刺することが可能になる。
また、本発明の針はさらに安全性・作業性等を考慮した各種工夫がなされていてもよい。例えば、採血後に針に触れないように、カバーでロックする安全カバーを設置することが好ましい。また、採血針の場合は、静脈に穿刺したことが分かる、いわゆるフラッシュバックを目視確認が可能なように針管を2本つなげたり、針基を透明あるいは半透明にしたりすることも好ましい。
また、本発明の穿刺針が注射針の形態をとる場合は、注射針をシリンジに装着して一体型の採血シリンジとしてもよい。また、注射針にルアーアダプタを装着し、さらに真空採
血管用のホルダーを装着して一体型の針付きホルダーとしてもよい。また、本発明の穿刺針が採血針の形をとる場合は、採血針を真空採血用のホルダーに装着して一体型の針付きホルダーとしてもよい。このように、あらかじめ使用形態で一体型の採血器具として提供することにより、採血時に針を装着したり、採血後に針を脱着したりする手間を省くことができ、更には針刺し事故が起きにくくなるので、被採血者が多い病院等では特に採血時間の短縮につながるため、好ましい。
{針の素材}
針の材質は、SUS304などのステンレス鋼,ニッケルフリーステンレスなどの金属、ポリカーボネート,アクリレート系高分子などの樹脂、石英ガラス,硼珪酸ガラスなどの無機材料など、中空針を形成することのできる材質であれば特に限定されない。中でも、上記外径における力学強度を保つことが容易であることから、ステンレスなどの金属を用いることが好ましい。また、針の外面や内面に針の材質とは他の材料でコーティング等の処理をしてもかまわない。特に、穿刺抵抗を下げ、穿刺しやすくする目的で他の材料(シリコンなど)をコーティングすることが好ましい。
{針の製造}
本発明の中空針は、特に限定されず、この分野の常法に従って製造することができる。
<真空採血管>
本発明の中空針は、真空採血管ともに採血キットを構成し得る。
本発明の中空針は、定法のように、静脈を穿刺し、更に中空針の穿刺していない側の端に真空採血管を接続し、採血管の低圧を利用することで血液を採取できる。
本発明の中空針で採血する際に使用する真空採血管は、市販のいかなる真空採血管でもよい。
真空採血管には通常、抗凝固剤・解糖防止剤などが予め封入されており、分析する成分によって使い分ける。また、採血管で採取する血液の量についても分析する目的に応じて容量の異なる真空採血管を使い分けるが、採取量2mL,5mL,10mLの採血管が一般的に使われている。血液を採取するのに要する時間は、被検者(一般的には患者)の状態,検者(一般的には医師・看護師・臨床検査技師)の熟練度によるが、数秒から数十秒で完了することが普通である。
市販の真空採血管の減圧度は−200mmHgから−650mmHg程度であり、本発明の採血キットでは、市販のいかなる真空採血管でも使用できる。採血速度等から考えて、減圧度が−400mmHg以上の真空採血管であることが好ましく、−450mmHg以上の真空採血管であることがより好ましく、−500mmHg以上の真空採血管であることが最も好ましい。なお、ここで述べる減圧度は、大気圧を0mmHg、真空を−760mmHgと定義する。
本発明において、市販の真空採血管以外で、少量採血に合わせた、容量の少ない採血管を使用すると、検査に必要な量だけを採血することが可能になり、被験者の負担が低減することができる。容量が7mL以下の採血管を使用することが好ましく、容量が4mL以下の採血管を使用することがより好ましく、容量が1.5mL以下の採血管を使用することが最も好ましい。
<採血量>
本発明においては、本発明の中空針および真空採血管を用いて採血したときの、針内部における全血の通過速度が0.01mL毎秒以上であることが好ましい。
テルモシリンジなどのディスポーザブル注射器の先端に通常用いられている注射針を装着した後に注射針を静脈に穿刺し、注射器のピストンを引くことによって血液を採取する方法においては、必要な採血量に応じて、1mLから25mL、場合によっては50mL
の注射器を使用することが一般的である。注射器を用いた採血方法の利点のひとつは、例えば、新生児・小児・老人などから少量の血液をとり血液中の限られた成分のみを分析するときに、必要量だけを採血することができることにあり、例えば100μLから数100μLの血液を採取する場合もある。このように少量の血液を採取する場合であっても要する時間は、数秒から数十秒であることが普通である。これらのことから、血液検査に必要な最小量である100μLを確保できれば、微量血液検査用の採血針として有用と考えられ、本発明においても10秒間で必要血液量100μLの血液を採取できる針として、1秒間に10μLの採血ができる中空針であることが望ましい。
<その他の態様>
本発明の中空針は、ヒトの静脈に穿刺して血液を得ること以外にも使用できる。特に血管の細い小動物から採血する場合に有用で、動物病院において犬、猫などの動物から採血する場合にも用いることができ、また、化学・生化学・生物学などの理化学実験において、ラット、マウス、ウサギなどの小動物から採血する場合にも用いることができる。
<検査チップ>
本発明の穿刺針は、検査チップとともに検査キットを構成しうる。従来医療機関・検査機関で行われてきた自動分析装置を用いた血液検査に比較し、検査チップでの検査は少量で多項目の検査を可能にする。採血に要する時間を一定と考えると、検査に必要な血液量が少なければ少ないほど、本発明の穿刺針内径を小さく、それにより外径を小さくすることが可能になる。よって本発明の穿刺針は、少量の血液で検査が可能な検査チップと共に使用することが好ましい。
検査チップとは、血液中に含まれる各種成分を測定するために、毛細管現象や電気泳動などを利用して微細な断面積を有する流路に血液などの検体を流し、試薬と反応させた後、血液中の各成分を分離して透過分光分析をおこなったり、あるいは、試薬との発光反応をおこなわせてその発光光を分光分析したりする、血液分析を行う小型のチップ状の装置をいう。
<その他の態様>
本発明の穿刺針は、ヒトの静脈に穿刺して血液を得ること以外にも使用できる。特に血管の細い小動物から採血する場合に有用で、動物病院において犬、猫などの動物から採血する場合にも用いることができ、また、化学・生化学・生物学などの理化学実験において、ラット、マウス、ウサギなどの小動物から採血する場合にも用いることができる。
さらに、ヒトを対象とした採血においても、通常採血が行われている病院・健康診断・人間ドック・ヘルスケアショップ等における健康をモニタリングするための採血に使用することも出来る。通常の採血用の針に比較して、痛みが低減できるため、健康な人、特に一見健康ではあるが病気が気になる人に対する健康チェック等の用途に有用性が高い。健康人を対象とした測定としては、一般的な生化学項目・血算のほか、血液の流動性(サラサラ度)の測定、ストレスマーカーの測定等が挙げられる。血液の流動性(サラサラ度)は、MC−FAN(株式会社 エムシー研究所製)等で測定することが出来る。また、本発明の穿刺針は採血時の痛みが少ないため、ストレスマーカーなどの採血時の刺激に影響を受ける懸念がある物質を測定するのに有用である。
以下に実施例を用いて本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
{テーパー構造の中空針a}
実施例1に使用したテーパー構造インスリン投与用針aはペンニードルになっており、針基の構造がテルモシリンジには合致しなかったので、注射筒の先端に針を挿入した後に
パラフィルムで針を巻きつけて、注射筒と針基の間で気密・水密を保つようにして実験を行った。
{ストレート構造の中空針b}
また、比較例1に使用したストレート構造の採血用針bは薬液注入用・採血用のISO9626:1991に準拠した21Gの針を市販されている針そのまま使用した。
なお、外径と内径は針管を切削し、断面を光学顕微鏡(50倍)を用いて写真撮影し、その画像より寸法を計測した。
{ストレート構造採血針の製造}
比較例2に使用したストレート構造採血針cは以下のように製造した。
市販の中空ステンレス管を冷延伸し、針先の第一研削角の角度を9から13度の角度で3面カットにより鋭利な形状に加工し、樹脂製の針基の部材と針を接着剤で接合し、ガンマ線で滅菌処理して、比較例2の採血用針cを作製した。この中空針は、内径・外径が実施例1のテーパー構造の針の先端部と同様になるよう表1の寸法となるように作製した。
これらの中空針の外径、内径、長さを、表1に示す。なお、外径と内径は針管を切削し、断面を光学顕微鏡(50倍)を用いて写真撮影し、その画像より寸法を計測した。これらの中空針は、ガンマ線照射などの滅菌処理を行った清浄なものを用意した。
Figure 2007159659
{針の強度}
実施例1と比較例1から2の中空針を用い、針の強度の評価を行った。真空採血のゴム栓(ニプロ製 ネオチューブPET)に中空針を装着したシリンジで10回穿刺をし、針が一度も折れなかった場合を○、1度でも折れた場合を×として評価した。結果を表2に示す。実施例1のテーパー針と比較例1の外径の太いストレート針は針が折れることはなかったが、比較例2の外径の細いストレート針は針が折れてしまうことがあった。
{痛みの評価}
痛みを感じたかどうかを被採血者(健常者10人)が判定した。痛みを感じたら1点、痛みを感じなかったら0点として、10人の評価を合計した。9〜10点は×、4〜8点は△、3点以下は○として評価結果を表2に示した。実施例1、比較例2の針は共に、△で、痛みを感じない人もいた。一方、比較例1の21Gの針は穿刺時の痛みが大きく、全員が強い痛みを感じた。
{血液通過速度の評価}
テルモ株式会社より市販されている10mLのテルモシリンジのピストン(内筒)をはずして、注射筒(外筒)の先端に各中空針を装着し、その後に注射筒に健常者男性より採血した全血5mLを静かに注入した。血液の通過速度はヘマトクリット値の影響を受けるため、合わせてヘマトクリット値の値も示す。この全血のヘマトクリット値は42.5%であった。採血には、ヘパリンリチウムを抗凝固剤として用いるテルモ株式会社製の真空採血管「ベノジェクトII」を用い、20mL分をまとめて住友ベークライトより市販されている50mL容量のスミロンチューブに入れてプールしたものを、評価用の全血として用いた。
先端に針を装着して筒に全血を注入したものを、別の未使用の真空採血管「ベノジェクトII(採血容量5mL)」のゴム部位に静かに穿刺し、注射筒の中の全血が針を通過して真空採血管の中に吸引される速度を計測した。計測にあたっては、1.0mLの液量が採血管に入ったときの液面の高さに予め目印をつけておき、針を真空採血管に穿刺したときをスタートとして1.0mLの全血が採血管に入ったときの時間を計測して、1秒当りの
採血速度を求めた。速度が500μL/秒以上をA、50〜500μL/秒をB、5〜50μL/秒をC、5μL/秒以下をDとした。結果を表2に示す。
内径の大きな比較例1のストレート構造の中空針は血液通過速度は早かった。実施例1の先端の内径が0.12mmのテーパー針は5μL/秒以上の速度で血液が通過したが、一方比較例2の内径が0.12mmのストレート針は血液通過速度が遅かった。
(ヘマトクリット値)
全血中には、大きく言って、赤血球・白血球・血小板などの細胞としての成分と、血漿あるいは血清などの水溶液としての成分が存在する。全血中には、赤血球は400〜500万個/μL存在し、全血中の固形成分のほとんどを赤血球が占めている。全血中のこの赤血球の細胞の体積割合をヘマトクリット値という。通常はヘマトクリット管と呼ばれるガラス管に全血を入れ、遠心分離後に残った固形分の体積をヘマトクリット値として求める。健常人の男性のヘマトクリット値は、40〜55%,女性のヘマトクリット値は30〜45%前後といわれている。
Figure 2007159659
表2より、実施例1の針はテーパー構造により、痛みと針の強度・採血速度の両立が可能で、静脈採血用の針として使用することができた。一方、比較例1の通常採血に使用する中空針bは針の強度も十分で、血液の通過速度も速かったが、痛みが大きく、被採血者への負担が大きくなってしまった。また、比較例2の中空針は外径が細いため痛みは低減可能であったが、強度に懸念があり、血液の通過速度も遅かった。
本発明の穿刺針の第一の形態を示す概略図である。 本発明の穿刺針における針先のカット形状を示す説明図である。
符号の説明
A 針
B 針基
C 先端
D 基端
L 長さ
a 第一研削角
b 第二研削角

Claims (5)

  1. 先端と基端に開口部を有し、先端の内径が基端の内径より小さく、先端の外径が基端の外径より小さく、先端から基端へ長軸方向に内径及び外径がそれぞれテーパー形状であることを特徴とする採血用中空針。
  2. 前記先端の外径が0.18mm以上0.90mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の採血用中空針。
  3. 請求項1または2に記載の採血用中空針と検査チップを具備することを特徴とする検査キット。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の採血用中空針と真空採血管を具備することを特徴とする採血キット。
  5. 前記真空採血管の内容量が1.5mL以下であることを特徴とする請求項4記載の採血キット。
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