JP2007157436A - カラー受像管 - Google Patents
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Abstract
【課題】視認性が良好で、成形性及び強度に優れたシャドウマスクを備えながら、ドーミングによる色純度の劣化が生じにくいカラー受像管を提供する。
【解決手段】内面に蛍光体スクリーン3が形成されたパネル1の有効部1aの外面の対角軸D、短辺1aS、長辺1aLに沿った曲率半径RD、RS、RLが、RD≧10m、RS>RD、RL>RDを満足する。ここで、対角軸Dに沿った曲率半径RDは、有効部1aの対角軸方向寸法をSD、有効部1aの外面において有効部1aの中心に対する有効部の対角軸端の管軸方向に沿った落ち込み量をZDとしたとき、RD=[(SD/2)2+ZD 2]/(2×ZD)により定義される。
【選択図】図2
【解決手段】内面に蛍光体スクリーン3が形成されたパネル1の有効部1aの外面の対角軸D、短辺1aS、長辺1aLに沿った曲率半径RD、RS、RLが、RD≧10m、RS>RD、RL>RDを満足する。ここで、対角軸Dに沿った曲率半径RDは、有効部1aの対角軸方向寸法をSD、有効部1aの外面において有効部1aの中心に対する有効部の対角軸端の管軸方向に沿った落ち込み量をZDとしたとき、RD=[(SD/2)2+ZD 2]/(2×ZD)により定義される。
【選択図】図2
Description
本発明はシャドウマスクを備えたカラー受像管に関する。
一般にカラー受像管は、図4に示すように、曲面からなる有効部1aの周辺に側壁部1bが設けられたほぼ矩形状のパネル1と、側壁部1bに接合された漏斗状のファンネル2とからなるガラス製の外囲器9を有する。パネル1の有効部1aの内面には、黒色非発光物質層と、この黒色非発光物質層の隙間に埋め込まれた、緑、青、赤の3色の蛍光体とからなる略矩形状の蛍光体スクリーン3が設けられている。各蛍光体は短辺方向に沿ったストライプ状に形成され、この蛍光体のストライプが長辺方向に多数配列されている。
この蛍光体スクリーン3に対向して、シャドウマスク構体5が設けられている。シャドウマスク構体5は、電子ビームを通過させる多数の開孔(電子ビーム通過孔)が形成されたシャドウマスク4と、シャドウマスク4を保持する略矩形状のマスクフレーム11とからなる。
シャドウマスク4は、図5に示すように、パネル1の有効部1aと対向する主面部4aと、主面部4aに対してほぼ直角に屈曲されて主面部4aに連設されたスカート部4dとを備える。主面部4aは、蛍光体スクリーン3を構成する3色蛍光体に対して電子銃7から放出された3電子ビーム6B、6G、6Rを選別するための多数の電子ビーム通過孔4eが形成され、且つ、蛍光体スクリーン3側に凸曲面を有する有孔領域4b、及びこの有孔領域4bの外周を取り囲む無孔領域4cからなる。
シャドウマスク4は、スカート部4dがほぼ矩形枠状のマスクフレーム11に取り付けられて、マスクフレーム11に保持されている。マスクフレーム11に取付けられた弾性支持体(図示せず)をパネル1の側壁部1bの内壁面に設けられたスタッドピン(図示せず)に係止することにより、シャドウマスク構体5はパネル1に着脱可能に取り付けられている。
ファンネル2のネック2a内には3電子ビーム6B、6G、6Rを放出する電子銃7が配設されている。またファンネル2の径大部の内側に、マスクフレーム11に取付けられた内部磁気シールド10が配置されている。ファンネル2の外周面上には偏向装置8が搭載されている。
電子銃7から放出された3電子ビーム6B、6G、6Rは偏向装置8が発生する磁界により偏向され、シャドウマスク4の電子ビーム通過孔を通過して蛍光体スクリーン3を水平方向及び垂直方向に走査して、カラー画像が表示される。
外囲器9の内部空間は真空であるため、外界の大気圧により外囲器9内に応力が発生する。外囲器9は球形ではない為、この応力は均一ではなく、引っ張り応力又は圧縮応力が分布をもって発生する。従って、外囲器9に何らかの機械的衝撃が加わり、局部的な破壊又は亀裂が発生すると、外囲器9は容易に爆縮してしまう。この爆縮を防止するために、パネル1の側壁部1bの外周面には、外囲器9の強度を保持し、爆縮を防止する為の防爆用補強バンド12が巻回される。
一般に、カラー受像管の蛍光体スクリーン3上に色ずれのない画像を表示するためには、シャドウマスク4に形成された電子ビーム通過孔を通過した3電子ビームが3色蛍光体に正しくランディングしなければならない。そのためには、パネル1とシャドウマスク4とを所定の関係に維持する必要があり、なかでも、蛍光体スクリーン3とこれに対向するシャドウマスク4の有孔領域4bとの間隔(q値)が所定の許容範囲内であることが必要である。
シャドウマスク4を備えたカラー受像管では、その動作原理上、シャドウマスク4の電子ビーム通過孔を通過して蛍光体スクリーン3に到達する電子ビームは、電子銃7から放出された全電子ビーム量の1/3以下であり、他の電子ビームはシャドウマスク4に衝突して熱エネルギーに変換される。従って、シャドウマスク4が加熱され、その結果生ずる熱膨張により、シャドウマスク4は蛍光体スクリーン3側に膨出するように変形する、いわゆるドーミングをおこす。このドーミングにより、蛍光体スクリーン3とシャドウマスク4の有孔領域4bとの間隔(q値)が許容範囲を超えると、蛍光体スクリーン3に対する電子ビームのランディング位置がずれ、色純度が劣化する。
近年、視認性を向上させるため、パネル1の有効部1aの外面の曲率半径を大きくして、平面に近づけることが要望されている。この場合、外囲器9の大気圧強度および視認性の点から、有効部1aの内面の曲率半径も大きくする必要がある。有効部1aの内面の曲率半径を大きくすると、適正なビームランディングを得るためには、シャドウマスク4の有孔領域4bの曲率半径も大きくすることが必要となる。
シャドウマスク4の有孔領域4bの曲率半径が大きくなるとドーミング量が大きくなるため、電子ビームのランディング位置ずれ量も大きくなり、色純度が大幅に劣化する。このため、パネル1の有効部1aの外面がほぼ平坦なカラー受像管では、ドーミングを抑制するため、シャドウマスク4の材料として、一般に、熱膨張係数の低い、鉄およびニッケルを主成分とする合金が使用されている。例えば36Niアンバー合金などの鉄−ニッケル系合金が使用される。このような合金の熱膨張係数は0〜100℃で1〜2×10-6であり、ドーミング抑制に対しては有効である反面、高コストである。更に、鉄−ニッケル系合金は焼鈍後に大きな弾性を有するため、極めて多数の電子ビーム通過孔を形成した後の薄い金属板をプレス成形する曲面成形加工が難しく、所望の曲面を得るのが難しい。例えば、900℃もの高温で焼鈍しても降伏点強度は28×107N/m2程度であり、一般に成形加工が容易であるとされる降伏点強度である20×107N/m2以下にするためにはかなりの高温処理が必要になる。従って、この材料を用いて、有孔領域4bの曲率半径が大きなシャドウマスク4をプレス成形で加工するのは特に困難である。
また、プレス成形後のシャドウマスク4の強度の観点から見た成形性は、有孔領域4bの曲率半径が小さいほど良好である。パネル1の有効部1aの外面が平坦なカラー受像管ではシャドウマスク4の有孔領域4bの曲率半径は大きくなるので、このようなカラー受像管に適用されるシャドウマスク4の成形加工は更に困難である。
成形加工が不十分で、且つ成形後に不所望な応力がシャドウマスク4に残留している場合、この残留応力がカラー受像管の製造工程中でシャドウマスク4の形状変化を生じさせ、これが電子ビームのビームランディング位置ずれを招き、色純度が大きく劣化することになる。
また、シャドウマスク4の成形加工が不十分であると、得られたシャドウマスク4の機械的強度が低下し、カラー受像管の製造過程や動作中の衝撃や振動によりシャドウマスク4が容易に変形してしまう。その結果、蛍光体スクリーン3とシャドウマスク4の有孔領域4bとの間隔(q値)が変化し、蛍光体スクリーン3に対する電子ビームのランディング位置がずれ、色純度が劣化する。また、カラー受像管をTVセットに組込んだ場合、スピーカーからの振動により、シャドウマスク4が共振しやすくなり、その共振により蛍光体スクリーン3とシャドウマスク4の有孔領域4bとの間隔(q値)が変化し、色純度が劣化するという問題がある。
一方、高純度の鉄を主成分とする材料であれば、800℃程度の焼鈍で降伏点強度を20×107N/m2以下にすることができるため、成形加工は非常に容易である。従って、アンバー合金では必須である成形加工時の金型温度を高温に保つ必要がなく、生産性も良好である。
しかし、このような高純度の鉄を主成分とする材料の熱膨張係数は0〜100℃で約12×10-6と大きく、ドーミングに対しては不利であり、特にパネル1の有効部1aの外面がほぼ平坦なカラー受像管に適用した場合には、色純度が著しく劣化し、大きな問題となる。
特許文献1には、外面が実質的に平面であり、内面が凹曲面であるパネルを備えたカラー受像管が開示されている。ところが、内面の曲率半径は、シャドウマスクに関する上述した各種問題を効果的に抑制するのに十分な曲率を有していない。従って、特に安価な鉄材からなるシャドウマスクを使用する場合に大きな問題となっていた。
特許文献2には、外面の曲率半径が6000mm以上90000mm未満のパネルを備えたカラー受像管が開示されている。ところが、その内面の曲率半径は、上述の各種問題を効果的に抑制するのに十分に小さくはない。
第2993437号公報
第3282553号公報
以上のように、パネル1の有効部1aの外面の平坦化に対する要求が著しく高まっている。一方、シャドウマスク4の有孔領域4bの曲面形状は、実質的にパネル1の有効部1aの内面の曲面形状に沿った形状に設定される。従って、シャドウマスク4のドーミング特性及び機械的強度特性を向上させようとすればするほど、パネル1の有効部1aの内面の曲率半径を小さくする必要がある。即ち、図6に示すように、パネル1の有効部1aの外面は平坦で、その内面は所定の曲率半径を有する凹曲面となる。この結果、パネル1の有効部1aの厚さは、その中央部で薄く(厚さT0)、周辺部で厚くなり(厚さT1)、中央部と周辺部との厚み差が増大する。
一般に、外囲器9の内部空間を高真空にすることで大気圧により外囲器9内に発生する応力の不均一性は、パネル1の有効部1aの外面を平坦化すると著しく高まる。最大応力が発生する部分はパネル1の有効部1aと側壁部1bとの境界部分である。パネル1の有効部1aの内面の曲率半径を小さくすることにより、この境界部分の厚みは厚くなる。このことは、大気圧により発生する応力緩和に有効であり、機械的衝撃による外囲器9の破壊、爆縮を防止する上で有利である。
しかしながら、カラー受像管はその製造工程において、数回の熱工程を経て製造される。この熱工程において、外囲器9は最高で約500℃程度まで昇温される。大量生産のためには、工程時間は出来るだけ短いことが要求され、結果として外囲器9は温度変化勾配が非常に大きな加熱、冷却を受けることになる。この急加熱、急冷却により、外囲器9内の温度分布が著しく不均一となり、特にパネル1の厚肉部に非常に大きな熱応力が発生し、これにより外囲器9が破壊するという問題があった。
また、画像のコントラストを向上する目的で、パネル1の材料として透過率の低いガラスが使用される事が主流となっている。この場合、パネル1の厚みに応じてその透過率が大きく変化する。パネル1の有効部1aの外面をできるだけ平坦にし、且つ、その内面の曲率半径を小さくすることによって、パネル1の有効部1aの中央部と周辺部とで厚み差が増大すると、有効部1aの中央部と周辺部とで透過率差が増大してしまう。この結果、画面の中央部では明るく、周辺部では暗くなり、画像の明るさの均一性が低下するという問題もあった。
従って、パネル1の有効部1aの中央部と周辺部とで厚み差を従来以上に大きくすることは困難であり、有効部1aの外面が平坦なパネル1において、その内面の曲率半径を小さくすることには限界があった。従って、シャドウマスク4の有孔領域4bの曲率半径も十分に小さくすることが出来ず、上述のように、シャドウマスク4の材料として安価で成形性の良好な鉄材を使用した場合、その大きな熱膨張係数により、シャドウマスク4の熱膨張による電子ビームのランディング位置のズレ量はより大きくなり、色純度の劣化が大きくなる。
パネル1の有効部1aの中央部と周辺部とで厚み差を大きくせずにシャドウマスク4の有孔領域4aの曲率半径を小さくするためには、パネル1の有効部1aの内面の曲率半径を小さくする必要があり、これに対応して有効部1aの外面の曲率半径を小さくする必要がある。しかしながら、このようなカラー受像管は、パネル1の有効部1aの外面の平坦化に対する要求に反し、また、これまで普及してきている外面が平坦なパネル1を有するカラー受像管との間でTVセットの前面キャビネットの互換性が保たれないという欠点がある。
また、大気圧によりパネル1の有効部1aの中央部が窪むように変形する。補強バンド12は、パネル1の側壁部1bに巻かれてこれを締め付けることにより、有効部1aをこれと逆、即ちその中央部が膨らむように変形させて、大気圧によって外囲器9内に発生する応力を緩和する。ところが、パネル1の有効部1aの外面が平坦化されると、パネル1の有効部1aの中央部を膨らませるように変形させようとする補強バンド12の作用が得られにくく、より強い締め付け力を発生する補強バンドが必要となっていた。前述の通り、パネル1の有効部1aの外面が平坦化されると、有効部1aの周辺部の厚みが厚くなり、外囲器9の防爆特性の観点からは有利ではあるが、有効部1aの周辺部の厚みには上述の熱応力の低減や画像の明るさ均一性の観点から上限がある。従って、パネル1の有効部1aの外面を平坦化した場合には、非常に大きな締め付け力を発生する補強バンドが必要となり、これが補強バンド12のコスト低減を妨げていた。
本発明は、上記の従来の問題に鑑みてなされたものであり、成形性及び強度に優れた安価なシャドウマスクを備え、良好な視認性とTVセットへの装着に関して従来のカラー受像管との間で互換性とを有し、ドーミングによる色純度の劣化が生じにくいカラー受像管を提供することを目的とする。また、補強バンドの締め付け力の大幅な増大を不要にすることによって、より安価な補強バンドの使用が可能なカラー受像管を提供することを目的とする。
本発明のカラー受像管は、内面に蛍光体スクリーンが形成された実質的に矩形状の有効部を有するパネルと、電子ビームを通過させる多数の開孔が形成された曲面状の有孔領域を有するシャドウマスクとを備える。
前記パネルの前記有効部の中心における前記有効部の接平面に垂直な軸を管軸とする。
前記有効部の対角軸方向寸法SD、及び前記有効部の外面において前記有効部の中心に対する前記有効部の対角軸端の前記管軸方向に沿った落ち込み量ZDを用いて、
RD=[(SD/2)2+ZD 2]/(2×ZD) ・・・(1)
より定義されるRDを前記有効部の外面の対角軸に沿った曲率半径とする。
RD=[(SD/2)2+ZD 2]/(2×ZD) ・・・(1)
より定義されるRDを前記有効部の外面の対角軸に沿った曲率半径とする。
前記有効部の外面の短辺に沿った曲率半径をRS、前記有効部の外面の長辺に沿った曲率半径をRLとしたとき、
RD≧10m
RS>RD
RL>RD
を満足する。
RD≧10m
RS>RD
RL>RD
を満足する。
本発明によれば、パネルの有効部の外面の形状を詳細に規定することにより、この外面の視感上の平面性を確保しながら、防爆特性が向上し、補強バンドの低コスト化が可能になる。また、パネルの有効部の中央部と周辺部との厚み差が従来と略同等に抑えられているので、製造工程においてパネル内に大きな熱応力が発生するのを防止でき、また、画像の明るさの均一性が低下するのを防止できる。更に、有効部の内面の曲率半径を小さくすることが出来るので、シャドウマスクの有孔領域の曲率半径を小さくすることができる。これにより、シャドウマスクの曲面保持強度が向上し、カラー受像管の製造工程でシャドウマスクの局部的な変形を低減できる。また、シャドウマスクの材料として低コストの鉄材を用いてもドーミングによる色純度の劣化を低減できるので、良好なカラー表示を行うことができる。
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態について説明する。
本発明に係るカラー受像管の概略構成は、パネルの内外面の形状を除いて特に制限はなく、例えば図4に示した従来のカラー受像管と同じであっても良い。従って、以下では従来のカラー受像管と相違する点を中心に本発明を説明する。
本発明のカラー受像管のパネル1の有効部1aの外面は、遠方から見たときに略平面と認識出来る程度の大きな曲率半径を有する曲面に形成されており、有効部1aの内面は所定の曲率半径を有する凹状の曲面に形成されている。パネル1の内面には、実質的に矩形状の蛍光体スクリーン3が形成されている。本発明では、蛍光体スクリーン3が形成されたパネル1の内面上の領域及びこれに対応するパネル1の外面上の領域を「有効部1a」と呼ぶ。
図1は、本発明の一実施形態に係るカラー陰極線管のパネル1の概略形状を示した斜視図である。図示したように、パネル1の有効部1aの中心P0における有効部1aの接平面に垂直な軸を管軸(Z軸)する。また、有効部1aの長辺1aLと平行で、且つ、Z軸と直交する軸を長軸(X軸)、有効部1aの短辺1aSと平行で、且つ、Z軸と直交する軸を短軸(Y軸)、長辺1aLと短辺1aSとが交差する4つの交点(対角軸端)PDのうち、互いに対向する2つの交点を結ぶ方向と平行で、且つ、Z軸と直交する軸を対角軸(D軸)とする。
図2は、有効部1aの外面の長軸X及び短軸Yにより区分された第1象限内の形状を示した斜視図である。有効部1aの外面及び内面の形状は、管軸Zに対して対称である。
図2に示されるように、有効部1aの対角軸D方向寸法をSD、有効部1aの外面において有効部1aの中心P0に対する有効部1aの対角軸端PDの管軸Z方向に沿った落ち込み量をZDとしたとき、有効部1aの外面の対角軸Dに沿った曲率半径RDは、
RD=[(SD/2)2+ZD 2]/(2×ZD) ・・・(1)
により定義される。
RD=[(SD/2)2+ZD 2]/(2×ZD) ・・・(1)
により定義される。
有効部1aの外面の短辺1aSに沿った曲率半径(即ち、短辺1aSにおける短軸Y及び管軸Zと平行な断面での曲率半径)RSは、長軸端(短辺1aSと長軸X及び管軸Zを含む面との交点)PXと対角軸端PDとの間の短軸Y方向に沿った距離と、両者の管軸Z方向に沿った落ち込み量差とを用いて上記式(1)と同様に求めることができる。
有効部1aの外面の長辺1aLに沿った曲率半径(即ち、長辺1aLにおける長軸X及び管軸Zと平行な断面での曲率半径)RLは、短軸端(長辺1aSと短軸Y及び管軸Zを含む面との交点)PYと対角軸端PDとの間の長軸X方向に沿った距離と、両者の管軸Z方向に沿った落ち込み量差とを用いて上記式(1)と同様に求めることができる。
本発明のカラー受像管のパネル1の有効部1aの外面は、その対角軸に沿った曲率半径RDが10m以上に平坦化されている。
また、有効部1aの外面の対角軸D、短辺1aS、長辺1aLに沿った曲率半径RD、RS、RLが、
RS>RD
RL>RD
を満足する。
RS>RD
RL>RD
を満足する。
従来のカラー受像管では、パネル1の有効部1aの外面は単一の曲率半径の曲面であった(後述する「比較例」を参照)。即ち、有効部1aの外面の対角軸D、短辺1aS、長辺1aLに沿った曲率半径RD、RS、RLがRD=RS=RLを満足していた。この従来のカラー受像管と比較すると、本発明のカラー受像管では、対角軸Dに沿った曲率半径RDが相対的に小さい。本発明のカラー受像管では、外面の対角軸Dに沿った曲率半径RDが相対的に小さいことに対応して、パネル1の有効部1aの内面の対角軸Dに沿った曲率半径も従来のカラー受像管に比較して小さい。従って、パネル1の有効部1aの厚みは、本発明のカラー受像管とこの従来のカラー受像管とは略同一であり、これにより、画像の明るさの均一性の低下と製造工程における熱応力の問題の発生とが防止されている。
有効部1aの外面の短辺1aSに沿った曲率半径RSと、長辺1aLに沿った曲率半径RLとが略同一であることが好ましい。これにより、画面の自然な視認性が得られる。即ち、曲率半径RSと曲率半径RLとが大きく異なると、一方の方向の曲率が目立ち、画面が円筒状に認識されていまい、視感上の平面性が悪化する。また、上記のように、従来のカラー受像管では、パネル1の有効部1aの外面は単一の曲率半径の曲面である場合が多く、これとの違和感を少なくすることができる。具体的には、0.93<RS/RL<1.07を満足すると、曲率半径RSと曲率半径RLとは実質的に略同等の曲率と見なせる。
また、RD<RS/2且つRD<RL/2を満足することが好ましい。これにより、パネル1の有効部1aの内面の対角軸Dに沿った曲率半径を更に小さくすることができるので、パネル1の有効部1aの中央部と周辺部とで厚み差を更に小さくすることができる。
また、RS>50m且つRL>50mを満足することが好ましい。これにより、パネル1の有効部1aの外面の平面性が良好となる。また、従来の外面が平坦なパネルを有するカラー受像管が組み込まれていたTVセットの前面キャビネットを、設計変更することなくそのまま本発明のカラー受像管に適用することができる。
本発明のカラー受像管のシャドウマスク4は鉄を95%以上含む材料からなることが好ましい。これにより、シャドウマスク4のコストを低減できる。また、シャドウマスク4の成形性が良好である。
また、パネル1の有効部1aの中央P0での透過率は60%以下であることが好ましい。即ち、パネル1が可視光透過率が小さな、いわゆるティント色調ガラス材からなることが好ましい。これにより、パネル1の内面での外光の反射が低減され、画面のコントラストが向上する。本発明のカラー受像管では、パネル1の有効部1aの中央部と周辺部とでの厚み差は従来のカラー受像管とほぼ同等であるので、ティント色調ガラス材を使用しても画像の明るさの均一性が低下することはない。
本発明を、対角寸法68cm、アスペクト比4:3のカラー受像管に適用した例(以下、「実施例」という)を説明する。
本実施例に係るカラー受像管のパネル1の有効部1aの中央P0での厚みT0は11.5mmであった。シャドウマスク4の材料として、熱膨張係数が0〜100℃で12×10-6の高純度の鉄からなるアルミキルド脱炭鋼を使用した。
比較のために、パネル1の有効部1aの外面が単一の曲率半径の曲面である従来のカラー受像管を作製した(以下、「比較例」という)。
パネル1の有効部1aの外面において、対角軸Dに沿った曲率半径をRD、短辺1aSに沿った曲率半径をRS、長辺1aLに沿った曲率半径をRL、長軸Xに沿った曲率半径(即ち、長軸X及び管軸Zを含む断面での曲率半径)をRX、短軸Yに沿った曲率半径(即ち、短軸Y及び管軸Zを含む断面での曲率半径)をRYとする。実施例及び比較例における各曲率半径を表1に示す。
本実施例では、RS/RL=1.02であった。
また、パネル1の有効部1aの内面において、対角軸Dに沿った曲率半径をRDi、短辺1aSに沿った曲率半径をRSi、長辺1aLに沿った曲率半径をRLi、長軸Xに沿った曲率半径(即ち、長軸X及び管軸Zを含む断面での曲率半径)をRXi、短軸Yに沿った曲率半径(即ち、短軸Y及び管軸Zを含む断面での曲率半径)をRYiとする。実施例及び比較例における各曲率半径を表2に示す。
実施例では、パネル1の有効部1aの外面の対角軸Dに沿った曲率半径RDが比較例に比べて小さいことに対応して、有効部1aの内面の対角軸Dに沿った曲率半径RDiも比較例に比べて小さい。従って、実施例では、この有効部1aの内面形状に対応するように、シャドウマスク4の有孔領域4bの曲率半径を、比較例に比べて小さく設定した。
実施例及び比較例のカラー受像管について、X軸上のX=185mmの地点でのドーミングによる電子ビーム移動量(「ビーム移動量」)を測定した。結果を表3に示す。ビーム移動量が小さいほど、色純度の劣化による画像の劣化は少ない。
外囲器9の防爆特性を評価するために、補強バンド12によるサギング・バック率を測定した。測定法は以下の通りである。図3に示すように、外囲器9の内部空間を真空にすることにより、パネル1の有効部1aの外面は、二点鎖線20より破線21のように変化した。この変化による有効部1aの中心P0の管軸Z方向の変位量Aを測定した。次に、パネル1の側面部1bに補強バンド12を装着した。補強バンド12を装着することにより、パネル1の有効部1aの外面は、破線21より実線22のように変化した。この変化による有効部1aの中心P0の管軸Z方向の変位量Bを測定した。即ち、外囲器9の内部空間を真空にするとパネル1の有効部1aの外面は外囲器9内に押し込まれるように変形量Aだけ窪み変形し、次いで、補強バンド12を装着するとこの窪み変形量Aの一部が回復する(回復量B)。サギング・バック率SBとは、補強バンド12を装着したときの窪み変形の回復率であって、
SB=(B/A)×100(%)
より求めた。
SB=(B/A)×100(%)
より求めた。
実施例及び比較例でのサギング・バック率の測定結果を表4に示す。実施例と比較例とでは同じ補強バンド12を使用した。
実施例では、パネル1の有効部1aの外面の対角軸Dに沿った曲率半径RDが比較例に比べて小さいために、同一の締め付け力を発生する補強バンド12を装着したにもかかわらず、サギング・バック率が大きい。サギング・バック率が大きいことは、カラー受像管の防爆特性が向上していることを意味する。従って、比較例と同等の防爆特性が得られれば十分なのであれば、実施例では補強バンド12による締め付け力を比較例に比べて小さくすることができる。具体的には、実施例では、比較例に比べて補強バンド12の厚み又は幅を小さくすることができ、これにより補強バンド12のコストを低減することができる。あるいは、比較例と同じ補強バンド12を使用する場合には、実施例では、パネル1の有効部1aの中央での厚みを薄くすることができ、ガラス材料を削減してパネル1のコストを低減することができる。
画面の視認性に関して、一般に画面の平面性を最も強く感じる部分は、矩形状のスクリーンの端部、即ちその長辺及び短辺である。カラー受像管が組み込まれるTVセットの前面キャビネットのスクリーン枠は正面から見て矩形、即ち、長辺及び短辺は直線であるから、パネル1の有効部1aの外面の周辺部が湾曲していると画面の丸みが非常に目立ってしまい、視認性が低下する。
本実施例では、パネル1の有効部1aの外面の対角軸Dに沿った曲率半径RDは比較例に比べて小さいが、湾曲が目立ちやすい有効部1aの外面の短辺1aS及び長辺1aLに沿った曲率半径RS、RLは比較例と略同等である。従って、パネル1の有効部1aの外面の平面性に関して、実施例は有効部1aの外面の対角軸Dに沿った曲率半径RDが小さいにもかかわらず、比較例と違いがほとんど感じられなかった。また、比較例のカラー受像管が組み込まれる従来のTVセットに実施例のカラー受像管を組み込んだところ、パネル1の外面と前面キャビネットのスクリーン枠との間に隙間は生じなかった。従って、実施例のカラー受像管に対して、従来のTVセットの前面キャビネットを設計変更することなくそのまま適用することができることを確認した。
本発明の利用分野は特に制限はないが、パネル外面の視感上の平面性を有しながら、画像の輝度の均一性に優れ、ドーミングによる色純度の劣化が少ないので、安価で良好なカラー表示を行うことができる、例えばテレビジョン受像機やコンピュータディスプレイ用のカラー受像管として広範囲に利用することができる。
1 パネル
1a パネルの有効部
1aL 有効部の長辺
1aS 有効部の短辺
1b パネルの側壁部
2 ファンネル
2a ネック
3 蛍光体スクリーン
4 シャドウマスク
4a 主面部
4b 有孔領域
4c 無孔領域
4d スカート部
4e 電子ビーム通過孔
5 シャドウマスク構体
6B,6G,6R 電子ビーム
7 電子銃
8 偏向装置
9 外囲器
10 内部磁気シールド
11 マスクフレーム
12 補強バンド
1a パネルの有効部
1aL 有効部の長辺
1aS 有効部の短辺
1b パネルの側壁部
2 ファンネル
2a ネック
3 蛍光体スクリーン
4 シャドウマスク
4a 主面部
4b 有孔領域
4c 無孔領域
4d スカート部
4e 電子ビーム通過孔
5 シャドウマスク構体
6B,6G,6R 電子ビーム
7 電子銃
8 偏向装置
9 外囲器
10 内部磁気シールド
11 マスクフレーム
12 補強バンド
Claims (6)
- 内面に蛍光体スクリーンが形成された実質的に矩形状の有効部を有するパネルと、電子ビームを通過させる多数の開孔が形成された曲面状の有孔領域を有するシャドウマスクとを備えたカラー受像管であって、
前記パネルの前記有効部の中心における前記有効部の接平面に垂直な軸を管軸とし、
前記有効部の対角軸方向寸法SD、及び前記有効部の外面において前記有効部の中心に対する前記有効部の対角軸端の前記管軸方向に沿った落ち込み量ZDを用いて、
RD=[(SD/2)2+ZD 2]/(2×ZD) ・・・(1)
より定義されるRDを前記有効部の外面の対角軸に沿った曲率半径とし、
前記有効部の外面の短辺に沿った曲率半径をRS、前記有効部の外面の長辺に沿った曲率半径をRLとしたとき、
RD≧10m
RS>RD
RL>RD
を満足することを特徴とするカラー受像管。 - 0.93<RS/RL<1.07を満足する請求項1に記載のカラー受像管。
- RD<RS/2且つRD<RL/2を満足する請求項1に記載のカラー受像管。
- RS>50m且つRL>50mを満足する請求項1に記載のカラー受像管。
- 前記シャドウマスクは鉄を95%以上含む材料からなる請求項1に記載のカラー受像管。
- 前記パネルの前記有効部の中央での透過率が60%以下である請求項1に記載のカラー受像管。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005349441A JP2007157436A (ja) | 2005-12-02 | 2005-12-02 | カラー受像管 |
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CN 200610163659 CN1975977A (zh) | 2005-12-02 | 2006-12-01 | 彩色显像管 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005349441A JP2007157436A (ja) | 2005-12-02 | 2005-12-02 | カラー受像管 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007157436A true JP2007157436A (ja) | 2007-06-21 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005349441A Withdrawn JP2007157436A (ja) | 2005-12-02 | 2005-12-02 | カラー受像管 |
Country Status (2)
Country | Link |
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JP (1) | JP2007157436A (ja) |
CN (1) | CN1975977A (ja) |
-
2005
- 2005-12-02 JP JP2005349441A patent/JP2007157436A/ja not_active Withdrawn
-
2006
- 2006-12-01 CN CN 200610163659 patent/CN1975977A/zh active Pending
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
CN1975977A (zh) | 2007-06-06 |
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