JP2007150642A - 無線タグ用質問器、無線タグ用アンテナ、無線タグシステムおよび無線タグ選別装置 - Google Patents

Abstract

【課題】無線タグの通信距離を落とすことなく、無線タグのアンテナを小型化することができる技術を提供する。
【解決手段】無線タグと通信するキャリア周波数が異なる複数の周波数ホッピングチャネルを有する無線タグ用質問器であって、前記周波数ホッピングチャネルと、それに応答した前記無線タグのＩＤ番号との関係を記憶する記憶部３０５を有し、前記無線タグとの通信を、応答可能な前記周波数ホッピングチャネルで行う。また、記憶部３０５は、前記無線タグが応答したときの前記質問器のアンテナの位置情報を記憶する。
【選択図】図３

Description

本発明は、無線タグ技術（ＲＦＩＤ；Ｒａｄｉｏ Ｆｒｅｑｕｅｎｃｙ Ｉｄｅｎｔｉｆｉｃａｔｉｏｎ）に関し、特に、無線タグ用アンテナの小型化技術に適用して有効な技術に関する。

本発明者が検討した技術として、例えば、無線タグシステムにおいては、以下の技術が考えられる。

無線タグは、商品や製品に取り付けられ、無線タグの持つＩＤ番号等を利用することにより、商品管理、製品の品質管理等を行うものである。

特許文献１でも述べているように、無線タグの大きさはそのアンテナの大きさによって決まってしまう。そのため、小型の商品に無線タグを取り付ける場合、無線タグのアンテナは小型のものが望まれる。従来の無線タグのアンテナは半波長ダイポールアンテナか１／４波長接地アンテナを基本としたものであった。電波法により規定される無線タグが利用可能な周波数帯域の主要なものとしては、２．４５ＧＨｚ、１３．５６ＭＨｚ、１２５ｋＨｚなどがある。２．４５ＧＨｚを利用した場合でも、その半波長は６ｃｍ程度となり、アンテナの効率を重視した場合には、アンテナの大きさは６ｃｍ程度となってしまう。

特許文献１では、アンテナパターンのスリットによりインダクタンスと静電容量を装荷してインピーダンス整合を取ることにより、小型化が可能なことを示している。
特開２００５−１６７８１３号公報

ところで、前記のような無線タグの技術について、本発明者が検討した結果、以下のようなことが明らかとなった。

無線タグのアンテナを小さくすると、実際には同調可能な周波数帯域幅が狭くなる。そのため、製造ばらつきや、無線タグを取り付ける対象物の誘電率の影響で、質問器のキャリア周波数の周波数帯域から外れて質問器との通信が困難になるという問題点があった。

アンテナを小さくすると同調可能な周波数帯域が狭くなる原因は、アンテナ素子を短くするために、より大きなインダクタンスや静電容量を装荷する必要があり、装荷したインダクタンスや静電容量は周波数変化に対するインピーダンスの変化が大きくなり、無線タグチップとのインピーダンスミスマッチが大きくなって、無線タグチップにエネルギーを供給できなくなるためである。

また、これまで、オンチップアンテナのような、小型のアンテナの製品も発表されているが、通信は誘導磁界による結合が支配的なもので、通信距離は最大でも２ｍｍ程度であった。

そこで、本発明の目的は、無線タグの通信距離を落とすことなく、無線タグのアンテナを小型化することができる技術を提供することにある。

本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。

本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。

（１）本発明による無線タグ用質問器は、無線タグと通信するキャリア周波数が異なる複数の周波数ホッピングチャネルを有する無線タグ用質問器であって、前記周波数ホッピングチャネルと、それに応答した前記無線タグのＩＤ番号との関係を記憶する記憶部を有し、前記無線タグとの通信を、応答可能な前記周波数ホッピングチャネルで行うものである。

（２）本発明による無線タグ用アンテナは、多層基板内の異なる２層のそれぞれの層内に設けられた複数の平行線パターンと、その２層の前記平行線パターン間を接続するスルーホールとを有し、前記平行線パターンと前記スルーホールにより、前記多層基板内に立体的にらせん状のアンテナパターンが形成され、前記平行線パターンのある２層間の間隔より、前記平行線パターン間の間隔の方が短いものである。

（３）本発明による無線タグシステムは、前記（１）の無線タグ用質問器と、異なる周波数特性を有する複数の無線タグとを有し、前記複数の無線タグは、前記質問器のそれぞれ異なる周波数ホッピングチャネルに対してのみ応答するものである。

（４）本発明による無線タグ選別装置は、前記（１）の無線タグ用質問器よりも広いホッピング周波数帯域の周波数ホッピング機能を持つ検査用質問器を有し、前記検査用質問器により、前記無線タグの応答可能な周波数帯域を調査し、前記無線タグの応答周波数を選別する機能を有するものである。

本発明によれば、無線タグの通信距離を落とすことなく、無線タグのアンテナを小型化することができる。

以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。

図１は本発明の一実施の形態による無線タグ用質問器の機能構成を示すブロック図である。

まず、図１により、本実施の形態による無線タグ用質問器の構成の一例を説明する。本実施の形態の質問器１０１は、例えば、ＰＬＬ回路（周波数ホッピング）１０４、変調アンプ１０５、パワーアンプ１０６、カプラ１０７、サーキュレータ１０８、受信回路１０９、制御論理回路１１０などから構成されている。ＰＬＬ回路１０４は変調アンプ１０５と制御論理回路１１０と接続され、変調アンプ１０５はパワーアンプ１０６と制御論理回路１１０と接続され、パワーアンプ１０６はカプラ１０７と接続され、カプラ１０７はサーキュレータ１０８と受信回路１０９と接続され、サーキュレータ１０８は受信回路１０９とアンテナ１０２と接続され、受信回路１０９は制御論理回路１１０と接続され、制御論理回路１１０はパーソナルコンピュータ１０３と接続されている。なお、アンテナ１０２は、質問器１０１と一体化されたものであってもよく、同軸ケーブルなどを通して外部に設置するものであってもよい。

質問器（リーダライタ等）１０１は、パーソナルコンピュータ１０３の指示により、無線タグ（ＲＦタグ、ＲＦＩＤタグ、無線ＩＣタグ等）に対して、情報の読み出しや書き込みを行う装置である。

ＰＬＬ回路１０４は、キャリア周波数を発生し、制御論理回路１１０からの制御によりその周波数をホッピングするものである。ホッピングする周波数は２４２９ＭＨｚ〜２４６８ＭＨｚの範囲であり、ホッピング周波数の間隔は１ＭＨｚピッチ、周波数ホッピングチャネルは４０チャネルである。

変調アンプ１０５は、無線タグに信号を送るために変調をかけるものである。パワーアンプ１０６は、無線タグとの通信に必要なパワーまで信号を増幅するものである。カプラ１０７は、受信回路１０９用に送信波を分岐するものである。サーキュレータ１０８は、アンテナ１０２により受信された無線タグからの反射波のみを受信回路に導くためのものである。受信回路１０９は、アンテナ１０２により受信された無線タグからの反射波を受信し、無線タグからの応答信号を取り出すものである。制御論理回路１１０は、これらを制御するものである。

質問器１０１はパーソナルコンピュータ１０３と接続され、パーソナルコンピュータ１０３でデータの表示、ネットワークを介してデータベースへの問い合わせ等が行われる。質問器１０１からの高周波信号はアンテナ１０２を介して無線タグに送られる。

図２は本発明の一実施の形態による無線タグの機能構成を示すブロック図である。

図２により、本実施の形態による無線タグの構成の一例を説明する。本実施の形態の無線タグ２０１は、質問器１０１と通信を行うものであり、例えば、半導体の無線タグチップ２０２と、質問器１０１から電波を受けるアンテナ２０３などからなる。

無線タグチップ２０２は、機能的には、電力部２０４と信号部２０５とに大きく分かれる。

無線タグチップ２０２の電力部２０４は、アンテナ２０３をショートまたはオープンするロードスイッチ２０６と、アンテナ２０３が受電した電力を整流する整流回路２０７と、整流された電力を整える電圧レギュレータ２０８などからなる。電力部２０４で作られた電力で信号部２０５の回路が動作する。

無線タグチップ２０２の信号部２０５は、整流回路２０７で整流された電力の変動から質問器１０１からの信号を取り出す復調回路２０９と、無線タグ２０１のＩＤなどのデータを格納するＥＥＰＲＯＭ２１１と、復調信号を解析してＥＥＰＲＯＭ２１１等を制御する制御回路２１０などからなる。

ロードスイッチ２０６はアンテナ２０３と整流回路２０７と制御回路２１０と接続され、整流回路２０７は電圧レギュレータ２０８と復調回路２０９と接続され、電圧レギュレータ２０８は信号部２０５の給電部と接続され、復調回路２０９は制御回路２１０と接続され、制御回路２１０はＥＥＰＲＯＭ２１１と接続されている。

無線タグ２０１から質問器１０１への応答は、制御回路２１０がロードスイッチ２０６をオン／オフすることにより行う。質問器１０１は、無線タグ２０１のロードスイッチ２０６のオン／オフにより、質問器１０１のアンテナ１０２に帰ってくる反射波の強度の変化を捕捉し、無線タグ２０１の応答信号を読み取る。

図３は、図１で示した質問器１０１の制御論理回路１１０の機能構成を示すブロック図である。

制御論理回路１１０は、ＰＬＬ制御部３０１と、送信信号生成部３０２と、受信信号処理部３０３と、送受信制御部３０４と、記憶部（ホッピングチャネル−無線タグＩＤ記憶テーブル）３０５と、外部インタフェース部３０６などから構成される。

ＰＬＬ制御部３０１は送受信制御部３０４とＰＬＬ回路１０４と接続され、送信信号生成部３０２は送受信制御部３０４と変調アンプ１０５と接続され、受信信号処理部３０３は送受信制御部３０４と受信回路１０９と接続され、送受信制御部３０４は記憶部３０５と外部インタフェース部３０６と接続され、外部インタフェース部３０６はパーソナルコンピュータ１０３と接続されている。

記憶部３０５は、無線タグのＩＤと、その無線タグが応答した周波数ホッピングチャネル（キャリア周波数）との関係を記憶する。ＰＬＬ制御部３０１は、ＰＬＬ回路１０４に対して、キャリア周波数の制御を行う。

図４は、図２で示した無線タグ２０１の実施例としての狭帯域小型無線タグの構造を示す図である。

狭帯域小型の無線タグ２０１は、金属等の導電性のアンテナパターン４０１が形成されたプリント基板４１１と、無線タグチップ２０２と、プリント基板４１１の両面を覆う樹脂モールド４１０などからなる。無線タグチップ２０２はプリント基板４１１の上に接着されている。無線タグチップ２０２のアンテナ端子４０６，４０７は、プリント基板４１１のアンテナ取り付けパッド４０４，４０５上にボンディングワイヤ４０９で接続されている。アンテナ取り付けパッド４０４，４０５を結ぶパターン４０８はインピーダンスマッチングのために設けられている。

プリント基板４１１の両面のアンテナパターン４０１は、複数の平行線パターンからなり、スルーホール４０３を介して接続されている。それぞれの平行線パターン間の間隔は、プリント基板４１１の厚さよりも短い。アンテナパターン４０１は、プリント基板の両面を、スルーホール４０３を介して往復しており、無線タグチップ２０２の左右のアンテナパターン４０１はそれぞれ立体のらせん状のパターンを構成している。らせん状のアンテナパターン４０１のパターン幅は０．１ｍｍ、スルーホール径は０．３ｍｍである。このらせん状のアンテナパターンが小型のアンテナとして動作する。

無線タグ２０１の上面および下面は樹脂モールド４１０で覆われている。樹脂モールド４１０は、無線タグチップ２０２とボンディングワイヤ４０９とを保護する目的と、無線タグ２０１を商品に取り付けたとき、アンテナの金属部に取り付け対象物の物体が密着してアンテナの帯域が大きくずれることを避けるために付けられている。なお、図４及び図８では、樹脂モールドは透明なものとして描かれているが、黒色などに着色されたものであってもよい。

無線タグ２０１の長さＤは６ｍｍ、幅Ｗは３．５ｍｍ、高さＨは２ｍｍ、プリント基板４１１の厚さｔは１．２ｍｍである。無線タグチップ２０２のアンテナ端子４０６，４０７間のインピーダンスは約５０Ωにチューニングされている。

図５は、図４で示した狭帯域小型無線タグ２０１の周波数特性と質問器（リーダライタ）１０１のキャリア周波数（ホッピングチャネル）の関係を示す。

図５の上部のグラフは特性の異なる３個の無線タグＡ，Ｂ，Ｃの５０Ωに対する反射特性を示している。反射が少ないほど、アンテナからチップへの電力のロスが小さいと言える。本実施の形態による無線タグで質問器のアンテナとの読み取り距離が１００ｍｍ程度となるのは反射率が−６ｄＢ程度以下となる周波数帯域においてである。

無線タグＡの波形５０３、無線タグＢの波形５０１、無線タグＣの波形５０２は、同一設計のアンテナであるが、プロセスによるばらつきで同調の中心周波数の変化が生じている。また、アンテナの同調周波数は、アンテナ近傍に誘電体や金属等があると変化する。

無線タグの同調周波数は、２．３ＧＨｚ〜２．６ＧＨｚの広い周波数ホッピング周波数を持つ無線タグ選別調整装置により、質問器の周波数ホッピングの範囲内で通信が可能なように調整・選別される。この無線タグ選別調整装置は、無線タグ用質問器１０１よりも広いホッピング周波数帯域の周波数ホッピング機能を持つ検査用質問器を有し、その検査用質問器により、無線タグの応答可能な周波数帯域を調査し、無線タグの応答周波数を選別する機能を有する。また、無線タグ選別調整装置は、無線タグ２０１のアンテナパターン４０１の端をレーザーで焼き切ることができ、無線タグの同調周波数を高周波側に調整することが可能である。

図５の下部は、質問器１０１のキャリア周波数のホッピングチャネルを示している。
図５の上部のアンテナ特性と、図５の下部のホッピングチャネルを重ねると、無線タグＡ，Ｂ，Ｃのそれぞれが動作できるホッピングチャネルは５チャネル程度のみであり、その他のホッピングチャネルでは、無線タグは電力を得ることができず、応答が出来ない。

質問器１０１は、図４の構造と図５の特性を持つ狭帯域の無線タグの情報を読むため、以下の手段を用いている。

応答するホッピングチャネルの異なる複数の無線タグをすばやく見つけるために、質問器１０１は１０ｍｓごとに周波数ホッピングを行う。周波数ホッピングのホッピングチャネルは、電波法を満たすように、ランダムであるが、出現回数の頻度が等しくなるように、また、同じ周波数が直後に出現しないように設計されている。１０ｍｓごとにホッピングしているので、４０個のホッピングチャネルのすべてを、最大でも８００ｍｓで走査できる。

質問器１０１の制御論理回路１１０内の送受信制御部３０４は、ホッピングチャネルと、そのホッピングチャネルで応答した無線タグのＩＤを、記憶部（ホッピングチャネル−無線タグＩＤ記憶テーブル）３０５に記憶させる。

送受信制御部３０４は、無線タグが３個以上のホッピングチャネルで応答した場合、上下の両端のホッピングチャネルは切り捨てる。

無線タグ２０１のＥＥＰＲＯＭ２１１の内容の読み出し及び書き込みは、記憶部３０５内のホッピングチャネル−無線タグＩＤ記憶テーブルを参照して、そのＩＤが示す無線タグが応答できる周波数にホッピングしたときのみ行う。

図５は、本実施の形態の日本国内の電波法に基づいた周波数チャネルであるが、電波法の制限が無ければ、より広いホッピング周波数範囲を持たせて、帯域のばらつきの非常に大きい無線タグを使用することも可能である。

次に、前記実施の形態による無線タグシステムを、小型口紅ケースの製造、流通管理システムに応用した例を説明する。このシステムは、化粧品の小型口紅ケースの製造、流通管理のために、口紅ケースの低部に狭帯域小型無線タグを搭載し、質問器により口紅ケースの狭帯域小型無線タグと通信するシステムである。

図６は、図４で示した狭帯域小型無線タグ２０１を口紅ケース６０１の底部に取り付けた状態を示す図である。

図６に示すように、無線タグ２０１は、口紅ケース６０１の底部に封入されている。口紅ケース６０１のサイズは直径１５ｍｍ、高さ１００ｍｍである。

図７は、口紅ケース６０１に取り付けられた狭帯域小型無線タグ２０１に対して、情報の読み出し及び書き込みを行う質問器（リーダライタ）のアンテナ部の構成を示す。

この質問器ないしアンテナ部は、口紅ケース６０１が２５個入った箱に対して、一括で情報の読み出し又は書き込みを行う装置である。

無線タグ２０１を取り付けた２５個の口紅ケース６０１は、製品箱７０１に入った状態で、アンテナ筐体７０３の上に乗せられる。アンテナ筐体７０３の中には、アンテナ１０２を水平方向２軸に移動させて位置が特定できる可動ステージ７０４がある。アンテナケーブル７０５は質問器に接続されている。

アンテナ１０２が可動ステージ７０４上に載っているのは、無線タグが狭い領域に集中すると、電波が弱くなる空間ができるため、アンテナの位置を移動させて電波が弱くなる空間を変化させ、無線タグが応答できない領域を無くすためである。

この装置では、オペレータが入力した箱の中の口紅ケースの個数と一致する無線タグの個数を見つけた後、無線タグのＩＤと記憶部３０５のホッピングチャネル−無線タグＩＤ記憶テーブルを参照しながら、ホッピング周波数に応じて、無線タグ２０１にデータを書き込む。無線タグ２０１に書き込まれるデータは、口紅ケースの入庫日、有効期限等の情報等である。

この装置は、アンテナ筐体７０３が可動ステージ７０４を備え、各無線タグが見つかった時の周波数ホッピングチャネルと無線タグのＩＤとアンテナの位置を記憶するテーブルを記憶部３０５内に持っている。一箇所のアンテナ位置で個数に応じたすべての無線タグが検出できなかったとき、すべての無線タグを検出するまで、アンテナ１０２の位置を可動ステージ７０４で動かし、無線タグのＩＤとアンテナの位置のテーブルに取り込み、それに対応したアンテナ位置でデータの読み出し及び書き込みを行う。

図８は、図４で示した狭帯域小型無線タグの別のアンテナパターンの例を示す。

この無線タグの構造は、基本的には図４と同じであるが、アンテナ端子の片側のみにアンテナパターンを形成したものである。図８のアンテナは図４のアンテナより小型にできるが、通信可能距離は図４のアンテナよりは小さい。

図９は、図４で示した狭帯域小型無線タグのさらに別のアンテナパターンの例を示す。この無線タグでは、片面基板のみにアンテナパターンが形成されている。この無線タグの長さＤは９ｍｍ、幅Ｗは４．３ｍｍである。アンテナパターンはフレキシブルプリント板の片側のみに形成されている。片面基板のみで可能なため、フレキシブルプリント板等の薄い素材で形成可能である。渦巻き状のアンテナパターン９０３がコイルとして働き、小型アンテナが可能となる。

本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、以下のとおりである。

（１）質問器１０１側を周波数ホッピングさせるため、応答可能な周波数帯域がばらついている同調周波数帯域の狭い小型無線タグ２０１の認識が可能となり、質問器１０１がホッピング周波数チャネル番号と応答した無線タグ２０１のＩＤ番号を記憶できることにより、応答不可能な無線タグ２０１へ質問を投げる無駄な通信を無くし、トータルの通信レートを上げることができる。

（２）無線タグ２０１を取り付ける対象物の影響により無線タグ２０１の共振周波数がずれても、質問器１０１のホッピング周波数帯域幅の中にあれば、通信可能となる。

（３）複数の無線タグ２０１が近接しても、異なる共振周波数の無線タグ２０１は、隣接無線タグ２０１に与える影響が小さいため、複数の無線タグ２０１の共振周波数がばらついていれば、また、積極的に共振周波数を変えておけば、複数の無線タグ２０１が密集したときの無線タグ２０１の認識が容易になる。また、多数の無線タグ２０１があるとき、応答する無線タグ２０１が少なくなるので、輻輳制御の時間が短くできる。

（４）アンテナ２０３が狭帯域でよいので、アンテナ長の短い小型の無線タグ２０１の実現が可能となる。

（５）小型の無線タグアンテナ２０３は積層プリント基板４１１のプロセスにより、スルーホール４０３，８０３で上下の複数の平行なアンテナパターン４０１，８０１を接続し、立体的ならせん状パターンを作ることにより大きなインダクタンスを得られ、小型アンテナが可能になる。大きなインダクタンスを得るために、近接する同一方向の電流のパターンが近接している必要があり。平行パターンの層間の間隔より、各層の平行パターンの間隔を近くしている。アンテナパターン４０１，８０１自体が大きなインダクタンスを持っているため、周波数によるインピーダンスの変化が激しく、無線タグチップ２０２との整合は狭帯域な周波数特性となっている。狭帯域な特性となっているため、アンテナ２０３の製造ばらつき、無線タグチップ２０２の製造ばらつきで、無線タグ２０１の同調周波数が、質問器１０１のホッピング周波数の範囲から外れることがある。この場合、アンテナパターン４０１，８０１の末端のパターン長をトリミングして、同調周波数を合わせこむことが可能である。

（６）無線タグ２０１の通信距離を大幅に落とすことなく、無線タグ２０１のアンテナ２０３が小型化できるため、小さな物体に無線タグ２０１が装着できる。これにより、無線タグの適応できる物品の範囲を大幅に広げることができる。

（７）無線タグ２０１の帯域幅が狭く、また、中心周波数のばらつきを抑えるのが困難になるため、ホッピングによる広い周波数帯域の質問器１０１を使用し、そのどこかのホッピングチャネルで通信が可能であれば、質問器１０１が無線タグ２０１のＩＤと無線タグ２０１の応答する周波数との関係を記憶して、各無線タグの通信可能な周波数でのみ通信することで、システム全体の通信速度の低下を抑えることができる。

（８）複数の無線タグ２０１が密集する場合、近接する無線タグ２０１の影響で無線タグ２０１が十分な電波を受信できず、通信が困難になることがある。同調周波数が異なっていれば、複数の無線タグ２０１が近接しても異なる同調周波数の無線タグ２０１への影響が小さくなるため、複数の無線タグ２０１の同調周波数を変えておくことにより、複数の無線タグ２０１が密集したときの無線タグ２０１の認識が容易となる。また、共振周波数がずれた無線タグ２０１が複数ある場合、同時に応答する無線タグ２０１の個数が減るため、輻輳制御に必要な時間が低減される。

以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。

本発明は、小型の無線タグが必要な用途でのＲＦＩＤシステム、医薬品アンプル等の生産・流通管理、宝飾品等の小さな物体に埋め込んで行う真贋判定、化粧品等の真贋判定・生産・流通管理、小型の無線タグであることを生かした応用製品、例えば真珠の真贋判定（真珠の核に埋め込む）、二次電池の管理、プリンタのインクカートリッジの管理などに利用可能である。

本発明の一実施の形態による無線タグ用質問器の機能構成を示すブロック図である。 本発明の一実施の形態による無線タグの機能構成を示すブロック図である。 図１の質問器の制御論理回路の機能構成を示すブロック図である。 本発明の一実施の形態による狭帯域小型無線タグの構造を示す図である。 図４の狭帯域小型無線タグの周波数特性と質問器のホッピングチャネルの関係を示す図である。 図４の狭帯域小型無線タグを口紅ケースに取り付けた状態を示す図である。 口紅ケースに取り付けた狭帯域小型無線タグの質問器のアンテナ部の構成を示す図である。 図４の狭帯域小型無線タグの別のアンテナパターン例を示す図である。 図４の狭帯域小型無線タグのさらに別のアンテナパターン例を示す図である。

符号の説明

１０１ 質問器
１０２，２０３ アンテナ
１０３ パーソナルコンピュータ
１０４ ＰＬＬ回路
１０５ 変調アンプ
１０６ パワーアンプ
１０７ カプラ
１０８ サーキュレータ
１０９ 受信回路
１１０ 制御論理回路
２０１ 無線タグ
２０２ 無線タグチップ
２０４ 電力部
２０５ 信号部
２０６ ロードスイッチ
２０７ 整流回路
２０８ 電圧レギュレータ
２０９ 復調回路
２１０ 制御回路
２１１ ＥＥＰＲＯＭ
３０１ ＰＬＬ制御部
３０２ 送信信号生成部
３０３ 受信信号処理部
３０４ 送受信制御部
３０５ 記憶部
３０６ 外部インタフェース部
４０１，８０１，９０３ アンテナパターン
４０３，８０３ スルーホール
４０４，４０５，８０４，８０５，９０４，９０５ アンテナ取り付けパッド
４０６，４０７ アンテナ端子
４０８，８０８，９０８ パターン
４０９，８０９ ボンディングワイヤ
４１０，８１０ 樹脂モールド
４１１ プリント基板
６０１ 口紅ケース
７０１ 製品箱
７０３ アンテナ筐体
７０４ 可動ステージ
７０５ アンテナケーブル

Claims (5)

1. 無線タグと通信するキャリア周波数が異なる複数の周波数ホッピングチャネルを有する無線タグ用質問器であって、
   前記周波数ホッピングチャネルと、それに応答した前記無線タグのＩＤ番号との関係を記憶する記憶部を有し、
   前記無線タグとの通信を、応答可能な前記周波数ホッピングチャネルで行うものであることを特徴とする無線タグ用質問器。
2. 請求項１記載の無線タグ用質問器において、
   位置の特定できる可動機構を備えたアンテナを有し、
   前記記憶部は、さらに、前記無線タグが応答したときの前記アンテナの位置情報を記憶するものであることを特徴とする無線タグ用質問器。
3. 多層基板内の異なる２層のそれぞれの層内に設けられた複数の平行線パターンと、
   その２層の前記平行線パターン間を接続するスルーホールとを有し、
   前記平行線パターンと前記スルーホールにより、前記多層基板内に立体的にらせん状のアンテナパターンが形成され、
   前記平行線パターンのある２層間の間隔より、前記平行線パターン間の間隔の方が短いことを特徴とする無線タグ用アンテナ。
4. 請求項１または２記載の無線タグ用質問器と、
   狭帯域の周波数特性を有する第１の無線タグと、
   狭帯域の周波数特性を有する第２の無線タグとを有し、
   前記第１の無線タグは、前記無線タグ用質問器の第１の周波数ホッピングチャネルに対してのみ応答し、
   前記第２の無線タグは、前記無線タグ用質問器の第２の周波数ホッピングチャネルに対してのみ応答するものであることを特徴とする無線タグシステム。
5. 請求項１または２記載の無線タグ用質問器よりも広いホッピング周波数帯域の周波数ホッピング機能を持つ検査用質問器を有し、
   前記検査用質問器により、前記無線タグの応答可能な周波数帯域を調査し、前記無線タグの応答周波数を選別する機能を有することを特徴とする無線タグ選別装置。

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