JP2007149594A - 冷陰極電界電子放出素子及び冷陰極電界電子放出素子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 支持体101、カソード電極102、絶縁層103、ゲートホール106を有するゲート電極104及びレジスト107を積層被着した後、ゲートホール106よりも径が小さい炭素物質配設用ホール121をゲートホール106からカソード電極102に至るまで形成し、次に、触媒金属109、110を被着形成し、レジスト107のリフトオフ処理や絶縁層103の炭素物質配設用ホール121の拡張処理を行った後、カーボンナノチューブ等の炭素物質111を触媒金属110上に成長させることにより、冷陰極電界電子放出素子を作製する。
【選択図】 図2
Description
しかしながら、液晶ディスプレイは視野角が狭いことや自発光でないことなどの問題がある。また、プラズマディスプレイは消費電力や発熱量が大きいなどの問題がある。
FEDは通常、冷陰極電界電子放出部を含むカソードパネルと、電子の衝突により発光するアノードパネルとを備えている。最近、電子放出部として円錐形の電子放出部を持ったスピント型とよばれる冷陰極電界電子放出素子が実用化された。このスピント型は、電界を印加することによって、尖った先端を持った金属から電子を発生させる冷陰極電界電子放出素子であるが、その製造方法が複雑であり、コストが高く、現在のところでは大型の平面ディスプレイを製造するのには適していない。
CNT等の炭素物質を用いた電界電子放出素子としては、CNT等の炭素物質をペースト状にして支持体にスクリーン印刷を施す手法と、CVD(ケミカルベーパーデポジッション)を用いた直接成長による2種類が検討されている。
前記炭素物質のCVD直接成長による冷陰極電界電子放出素子が検討されているが、電子放出物質とゲート電極との距離を適度な距離に接近させてCNT等の電子放出物質を成長させるのは容易ではない。
前記重要な要件である理由は、電子放出物質であるCNT等の炭素物質とゲート電極との距離が接近するほど低い駆動電圧にできるが、接近させるほど接触しやすく信頼性を確保するのが難しい。通常複数箇所に配置される炭素物質のうち、ひとつでも接触すると電子源としての役割を果たさない。また、前記炭素物質とゲート電極との距離が近いものと遠いものが同時に存在すれば安定した電子源になりにくい。したがって、炭素物質とゲートが近接して接触しない最適な距離に設定することが重要である。
図4及び図5において、先ず、ガラス等の支持体301にカソード電極302を被着形成する(図4(a))。
次に、カソード電極302上に、主にシリコン酸化物や窒化物等より成る絶縁層303を被着形成し(同図(b))、その後、ゲート電極304を被着形成する(同図(c))。
次に、フォトレジスト305をゲート電極304に塗布し、フォトリソグラフィ行程を行うことによってゲートホール(ゲート電極に形成した穴)形成用のホール320をレジスト305に形成し(同図(d))、その後、ゲート電極304をエッチングして、ゲート電極304にゲートホール306を形成する(同図(e))。
次に、エッチングによって絶縁層303の炭素物質配設用ホール321の径を更に大きく拡張した後(同図(i))、触媒金属層308、309を被着形成し(同図(j))し、レジスト305をリフトオフする(同図(k))。
最後に、CNT等の炭素物質310を触媒金属309上に成長させる(同図(l))。
このようにして、冷陰極電界電子放出素子の製造が行われる。
本発明は、前記冷陰極電界電子放出素子の製造に適した冷陰極電界電子放出素子の製造方法を提供することを課題としている。
ここで、前記ゲート電極とカソード電極との間に配設され、前記ゲートホールから前記カソード電極に至る炭素物質配設用ホールを有する絶縁層を備えて成り、前記炭素物質は、前記触媒金属上であって、前記絶縁層に接触しないよう前記炭素物質配設用ホール内に配設されて成るように構成してもよい。
また、前記炭素物質には、カーボンナノチューブ、カーボンナノウォール及びカーボンナノファイバの中の少なくとも1種類が含まれて成るように構成してもよい。
本発明の冷陰極電界電子放出素子の製造方法によれば、ゲート電極と炭素物質間の距離を適切に確保することが可能になるため、低電圧駆動で効率良く電子放出が可能な冷陰極電界電子放出素子を製造することが可能になる。
図1及び図2は、本発明の実施の形態に係る冷陰極電界電子放出素子の製造方法における製造工程を示す部分正断面図である。また、図3は、本発明の実施の形態に係る冷陰極電界電子放出素子の製造過程中の構成を示す説明図である。尚、図1〜図3において、同一部分には同一符号を付している。
先ず、ガラス、シリコン、ステンレス等によって構成される基板としての支持体101にカソード電極102を被着形成する(図1(a))。支持体101としては、ディスプレイ用途には通常は絶縁材料であるガラスを使用する。
次に、カソード電極102上に、主にシリコン酸化物や窒化物等によって構成された絶縁層103を被着形成し(同図(b))、その後、絶縁層103上にゲート電極104を被着形成する(同図(c))。
尚、前述した寸法はゲートホール106の形状が、平面図において円形の例であるが、ゲートホール106の形状は、円形に限らず正方形、長方形、多角形、その他を含み、種々設計要件に応じて選択することが可能であり、寸法も形状に応じて適宜設定する。
このようにして、ゲート電極104のゲートホール106を最終的な寸法に加工した後、レジスト105を除去する(同図(f))。
この時、触媒金属形成用のホール108のパターン面積(ホール108の平面図における面積である。本実施の形態ではホール108の平面図形状は円形である。)、換言すれば径は、ゲートホール106よりも小さくしている。したがって、炭素物質配設用ホール121の面積もゲートホール106の面積よりも小さくなっている。
前記距離Bが80nmよりも小さい場合は、ゲート電極104と炭素物質111とが接触する恐れがあり信頼性が劣る。この寸法は主に加工精度によって決定される。加工時の位置のずれ範囲、及び、カソード電極102やゲート電極104間の接触防止を考慮すると、80nm以上に設定する必要がある。ただし、さらなる加工精度の向上が望めるのならば、例えば50nmと、カソード電極102及びゲート電極104間をできるだけ接近させることが望ましい。
絶縁層103をエッチングにより拡張するのは、炭素物質111の周辺に真空空間をつくることによって、ゲート電圧によってCNT等の炭素物質111の先端に強い集中電界を発生させ、効率よく電界電子放射を得るためである。また、炭素物質111が絶縁層103に接触するのを防止するためでもある。ゲートホール106より小さい触媒金属形成用のホール108に触媒金属110をパターニングした後に絶縁層103のホールの径を拡張することで、触媒金属110のパターンを従来よりも正確に設定できる。
また、本実施の形態に係る製造方法では、ゲート電極104にゲートホール106を最終的な寸法で加工する工程には、第1のフォトマスクを用いたフォトリソグラフィ工程が含まれ、ゲートホール106に対向する位置にゲートホール106より小さいパターン面積の炭素物質配設用ホール121をカソード電極102に達するまで絶縁層103に形成する工程には、第2のフォトマスクを用いたフォトリソグラフィ工程が含まれるようにしている。即ち、ゲートホール106及び触媒金属形成用ホール108を形成するための2つのフォトマスク(図1(d)、(g))のみでフォトリソグラフィ行程が行えるため、行程が簡単で生産に有利であるという効果を奏する。
また、以上のようにして作製された冷陰極電界電子放出素子は、電子放出用炭素物質111とゲート104が近接して接触しない最適な距離に設定されるため、低電圧駆動可能で電子放出特性に優れている。
102・・・カソード電極
103・・・絶縁層
104・・・ゲート電極
105・・・第1のレジスト
106・・・ゲートホール
107・・・第2のレジスト
108・・・触媒金属形成用ホール
109、110・・・触媒金属
111・・・炭素物質
120・・・開口
121・・・炭素物質配設用ホール
201・・・垂線
202・・・側端部
Claims (6)
- ゲートホールを有するゲート電極と、カソード電極と、前記ゲート電極とカソード電極との間に配設され、前記ゲートホールから前記カソード電極に至る炭素物質配設用ホールを有する絶縁層と、前記炭素物質配設用ホール内のカソード電極上であって前記ゲートホールに対向する位置に形成された、前記ゲートホールよりも小さい径を有する触媒金属と、前記触媒金属上に形成された炭素物質とを備えて成り、
前記炭素物質配設用ホールは、前記触媒金属が前記絶縁層に接触しないように形成されて成ることを特徴とする冷陰極電界電子放出素子。 - 前記ゲートホールの直径は0.2μm〜40μmの範囲内の値であり、前記ゲートホールの周辺部を通り前記カソード電極に直交する垂線と前記触媒金属の側端部との距離が80nm〜10μmの範囲内の値であることを特徴とする請求項1記載の冷陰極電界電子放出素子。
- 前記炭素物質には、カーボンナノチューブ、カーボンナノウォール及びカーボンナノファイバの中の少なくとも1種類が含まれて成ることを特徴とする請求項1又は2記載の冷陰極電界電子放出素子。
- ゲートホールを有するゲート電極と、前記ゲート電極と対向するように配設されたカソード電極と、前記ゲート電極とカソード電極の間に形成された触媒金属と、前記触媒金属上に形成された炭素物質とを備えて成る冷陰極電界電子放出素子の製造方法において、
カソード電極、絶縁層及びゲート電極を積層形成する工程と、前記ゲート電極に前記ゲートホールを最終的な寸法で加工する工程と、前記ゲートホールに対向する位置に前記ゲートホールより小さいパターン面積の炭素物質配設用ホールを前記カソード電極に達するまで前記絶縁層に形成する工程と、前記炭素物質配設用ホール中に前記触媒金属を被着形成する工程と、前記炭素物質配設用ホールの大きさを拡張した後、前記炭素物質を前記触媒金属上に成長させる工程とを備えて成ることを特徴とする冷陰極電界電子放出素子の製造方法。 - ゲートホールを有するゲート電極と、前記ゲート電極と対向するように配設されたカソード電極と、前記ゲート電極とカソード電極の間に形成された触媒金属と、前記触媒金属上に形成された炭素物質とを備えて成る冷陰極電界電子放出素子の製造方法において、
カソード電極、絶縁層及びゲート電極を積層形成する工程と、前記ゲート電極に前記ゲートホールを最終的な寸法で加工する工程と、前記ゲートホールに対向する位置に前記ゲートホールより小さいパターン面積の炭素物質配設用ホールを前記カソード電極に達するまで前記絶縁層に形成する工程と、前記炭素物質配設用ホール中に前記触媒金属を被着形成する工程と、前記炭素物質を前記触媒金属上に成長させた後、前記炭素物質配設用ホールの大きさを拡張する工程とを備えて成ることを特徴とする冷陰極電界電子放出素子の製造方法。 - 前記ゲート電極に前記ゲートホールを最終的な寸法で加工する工程には、第1のフォトマスクを用いたフォトリソグラフィ工程が含まれ、
前記ゲートホールに対向する位置に前記ゲートホールより小さいパターン面積の炭素物質配設用ホールを前記カソード電極に達するまで前記絶縁層に形成する工程には、第2のフォトマスクを用いたフォトリソグラフィ工程が含まれることを特徴とする請求項4又は5記載の冷陰極電界電子放出素子の製造方法。
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