JP2007149594A - 冷陰極電界電子放出素子及び冷陰極電界電子放出素子の製造方法 - Google Patents

冷陰極電界電子放出素子及び冷陰極電界電子放出素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 低電圧駆動で効率良く電子放出が可能な冷陰極電界電子放出素子を提供すること。
【解決手段】 支持体101、カソード電極102、絶縁層103、ゲートホール106を有するゲート電極104及びレジスト107を積層被着した後、ゲートホール106よりも径が小さい炭素物質配設用ホール121をゲートホール106からカソード電極102に至るまで形成し、次に、触媒金属109、110を被着形成し、レジスト107のリフトオフ処理や絶縁層103の炭素物質配設用ホール121の拡張処理を行った後、カーボンナノチューブ等の炭素物質111を触媒金属110上に成長させることにより、冷陰極電界電子放出素子を作製する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、カーボンナノチューブ(CNT)、カーボンナノウォール(CNW)、カーボンナノファイバ(CNF)等の炭素物質を用いた冷陰極電界電子放出素子及びその製造方法に関する。
従来のディスプレイはCRT(カソードレイチューブ)ディスプレイが中心であったが、最近、平面ディスプレイとして液晶ディスプレイやプラズマディスプレイなどの平面型のディスプレイが普及してきた。
しかしながら、液晶ディスプレイは視野角が狭いことや自発光でないことなどの問題がある。また、プラズマディスプレイは消費電力や発熱量が大きいなどの問題がある。
近年、次世代の平面ディスプレイとして、冷陰極電界電子放出の原理を利用したFED(フィールドエミッションディスプレイ)がCRTに変わる平面ディスプレイとして期待されている。FEDは自発光型で発光効率がよく、大型の平面ディスプレイに好適である。
FEDは通常、冷陰極電界電子放出部を含むカソードパネルと、電子の衝突により発光するアノードパネルとを備えている。最近、電子放出部として円錐形の電子放出部を持ったスピント型とよばれる冷陰極電界電子放出素子が実用化された。このスピント型は、電界を印加することによって、尖った先端を持った金属から電子を発生させる冷陰極電界電子放出素子であるが、その製造方法が複雑であり、コストが高く、現在のところでは大型の平面ディスプレイを製造するのには適していない。
近年、炭素系材料を用いた冷陰極電界電子放出素子が注目されている。炭素系材料、主にCNT等のナノ炭素物質を用いた電子放出物質は、そのアスペクト比からの電子放出のしやすさ、化学的物理的安定性等の優れた利点を有している。
CNT等の炭素物質を用いた電界電子放出素子としては、CNT等の炭素物質をペースト状にして支持体にスクリーン印刷を施す手法と、CVD(ケミカルベーパーデポジッション)を用いた直接成長による2種類が検討されている。
前記炭素物質をペースト状にして支持体にスクリーン印刷を施し冷陰極電界電子放出素子を製造する手法は、後処理が必要であったり、ゲート電極と炭素物質との距離が遠いため駆動電圧が高い等の問題がある。
前記炭素物質のCVD直接成長による冷陰極電界電子放出素子が検討されているが、電子放出物質とゲート電極との距離を適度な距離に接近させてCNT等の電子放出物質を成長させるのは容易ではない。
一方、このような状況下、CVD法によるCNT等を用いたFEDの製造のための冷陰極電界電子放出素子の製造において、CNT等の炭素物質とゲート電極との距離をコントロールすることが重要な要件であることが判明したが、前記炭素物質を所望の位置や形状に正確に製造することは非常に難しい。
前記重要な要件である理由は、電子放出物質であるCNT等の炭素物質とゲート電極との距離が接近するほど低い駆動電圧にできるが、接近させるほど接触しやすく信頼性を確保するのが難しい。通常複数箇所に配置される炭素物質のうち、ひとつでも接触すると電子源としての役割を果たさない。また、前記炭素物質とゲート電極との距離が近いものと遠いものが同時に存在すれば安定した電子源になりにくい。したがって、炭素物質とゲートが近接して接触しない最適な距離に設定することが重要である。
図4及び図5は、特許文献1に記載された従来の冷陰極電界電子放出素子の製造方法を示す図である。
図4及び図5において、先ず、ガラス等の支持体301にカソード電極302を被着形成する(図4(a))。
次に、カソード電極302上に、主にシリコン酸化物や窒化物等より成る絶縁層303を被着形成し(同図(b))、その後、ゲート電極304を被着形成する(同図(c))。
次に、フォトレジスト305をゲート電極304に塗布し、フォトリソグラフィ行程を行うことによってゲートホール(ゲート電極に形成した穴)形成用のホール320をレジスト305に形成し(同図(d))、その後、ゲート電極304をエッチングして、ゲート電極304にゲートホール306を形成する(同図(e))。
次に、ゲートホール306と同一大きさの炭素物質配設用ホール321をカソード電極302に達するまで絶縁層303に形成する(同図(h))。
次に、エッチングによって絶縁層303の炭素物質配設用ホール321の径を更に大きく拡張した後(同図(i))、触媒金属層308、309を被着形成し(同図(j))し、レジスト305をリフトオフする(同図(k))。
最後に、CNT等の炭素物質310を触媒金属309上に成長させる(同図(l))。
このようにして、冷陰極電界電子放出素子の製造が行われる。
しかしながら、ゲートホール306の径と触媒金属309の径が同じであるため、CNT等の炭素物質310の成長にともない、炭素物質310とゲート電極304が接触する恐れがある。特許文献1の図8に示されている工程においてはゲートホールよりも小さい触媒金属層を作製しているが、触媒金属層の形成の際に、そのエッジは通常なだらかに広がるためCNT等を成長させた炭素物質とゲート電極との距離を正確に制御することは容易ではない。したがって、低電圧駆動で高効率な電子放出が可能な冷陰極電界電子放出素子の製造は困難という問題がある。
一方、特許文献2の図9から示されている行程600〜650において、ゲートホールサイズのホールを形成した後に、より小さい径の触媒金属を形成するためにマスク層を設けているが、この手法ではレジストの塗布やマスクの作製は容易ではないという問題がある。したがって、特許文献2に記載された発明おいても、低電圧駆動で高効率な電子放出が可能な冷陰極電界電子放出素子の製造は困難という問題がある。
特開2003−115257号公報 特開2002−197965号公報 特開2003−95625号公報
本発明は、低電圧駆動で効率良く電子放出が可能な冷陰極電界電子放出素子を提供することを課題としている。
本発明は、前記冷陰極電界電子放出素子の製造に適した冷陰極電界電子放出素子の製造方法を提供することを課題としている。
本発明によれば、ゲートホールを有するゲート電極と、カソード電極と、前記ゲート電極とカソード電極との間に配設され、前記ゲートホールから前記カソード電極に至る炭素物質配設用ホールを有する絶縁層と、前記炭素物質配設用ホール内のカソード電極上であって前記ゲートホールに対向する位置に形成された、前記ゲートホールよりも小さい径を有する触媒金属と、前記触媒金属上に形成された炭素物質とを備えて成り、前記炭素物質配設用ホールは、前記触媒金属が前記絶縁層に接触しないように形成されて成ることを特徴とする冷陰極電界電子放出素子が提供される。
ここで、前記ゲート電極とカソード電極との間に配設され、前記ゲートホールから前記カソード電極に至る炭素物質配設用ホールを有する絶縁層を備えて成り、前記炭素物質は、前記触媒金属上であって、前記絶縁層に接触しないよう前記炭素物質配設用ホール内に配設されて成るように構成してもよい。
また、前記ゲートホールの直径は0.2μm〜40μmの範囲内の値であり、前記ゲートホールの周辺部を通り前記カソード電極に直交する垂線と前記触媒金属の側端部との距離が80nm〜10μmの範囲内の値であるように構成してもよい。
また、前記炭素物質には、カーボンナノチューブ、カーボンナノウォール及びカーボンナノファイバの中の少なくとも1種類が含まれて成るように構成してもよい。
また、本発明によれば、ゲートホールを有するゲート電極と、前記ゲート電極と対向するように配設されたカソード電極と、前記ゲート電極とカソード電極の間に形成された触媒金属と、前記触媒金属上に形成された炭素物質とを備えて成る冷陰極電界電子放出素子の製造方法において、カソード電極、絶縁層及びゲート電極を積層形成する工程と、前記ゲート電極に前記ゲートホールを最終的な寸法で加工する工程と、前記ゲートホールに対向する位置に前記ゲートホールより小さいパターン面積の炭素物質配設用ホールを前記カソード電極に達するまで前記絶縁層に形成する工程と、前記炭素物質配設用ホール中に前記触媒金属を被着形成する工程と、前記炭素物質配設用ホールの大きさを拡張した後、前記炭素物質を前記触媒金属上に成長させる工程とを備えて成ることを特徴とする冷陰極電界電子放出素子の製造方法が提供される。
また、本発明によれば、ゲートホールを有するゲート電極と、前記ゲート電極と対向するように配設されたカソード電極と、前記ゲート電極とカソード電極の間に形成された触媒金属と、前記触媒金属上に形成された炭素物質とを備えて成る冷陰極電界電子放出素子の製造方法において、カソード電極、絶縁層及びゲート電極を積層形成する工程と、前記ゲート電極に前記ゲートホールを最終的な寸法で加工する工程と、前記ゲートホールに対向する位置に前記ゲートホールより小さいパターン面積の炭素物質配設用ホールを前記カソード電極に達するまで前記絶縁層に形成する工程と、前記炭素物質配設用ホール中に前記触媒金属を被着形成する工程と、前記炭素物質を前記触媒金属上に成長させた後、前記炭素物質配設用ホールの大きさを拡張する工程とを備えて成ることを特徴とする冷陰極電界電子放出素子の製造方法が提供される。
ここで、前記ゲート電極に前記ゲートホールを最終的な寸法で加工する工程には、第1のフォトマスクを用いたフォトリソグラフィ工程が含まれ、前記ゲートホールに対向する位置に前記ゲートホールより小さいパターン面積の炭素物質配設用ホールを前記カソード電極に達するまで前記絶縁層に形成する工程には、第2のフォトマスクを用いたフォトリソグラフィ工程が含まれるように構成してもよい。
本発明の冷陰極電界電子放出素子によれば、低電圧駆動で効率良く電子放出が可能になる。
本発明の冷陰極電界電子放出素子の製造方法によれば、ゲート電極と炭素物質間の距離を適切に確保することが可能になるため、低電圧駆動で効率良く電子放出が可能な冷陰極電界電子放出素子を製造することが可能になる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態に係る冷陰極電界電子放出素子及び冷陰極電界電子放出素子について説明する。
図1及び図2は、本発明の実施の形態に係る冷陰極電界電子放出素子の製造方法における製造工程を示す部分正断面図である。また、図3は、本発明の実施の形態に係る冷陰極電界電子放出素子の製造過程中の構成を示す説明図である。尚、図1〜図3において、同一部分には同一符号を付している。
以下、図1〜図3を用いて、冷陰極電界電子放出素子の構成及びその製造方法を詳細に説明する。
先ず、ガラス、シリコン、ステンレス等によって構成される基板としての支持体101にカソード電極102を被着形成する(図1(a))。支持体101としては、ディスプレイ用途には通常は絶縁材料であるガラスを使用する。
次に、カソード電極102上に、主にシリコン酸化物や窒化物等によって構成された絶縁層103を被着形成し(同図(b))、その後、絶縁層103上にゲート電極104を被着形成する(同図(c))。
最終的な寸法のゲートホール(ゲート電極104に形成した穴)106をゲート電極104にはじめから加工形成するため、ゲート電極104の全面にフォトレジスト105を塗布した後、径がゲートホール106の最終寸法に等しい大きさの開口120を形成可能な第1のマスクを用いてフォトリソグラフィ行程を行うことによって、径がゲートホール106の最終寸法に等しい大きさの開口120をレジスト105に形成した後(同図(d))、ゲート電極104をエッチングしてゲート電極104に径が最終的な大きさのゲートホール106を形成する(同図(e))。これにより、ゲート電極104には開口としての円形のゲートホール106が所定大きさで形成される。
この時、ゲートホール106の直径(図3のC)は主にプロセス技術の制約および生産コストの観点から、0.2μm〜40μmの範囲内の値に設定するのが好ましい。ゲートホール106の直径Cが0.2μmよりも小さくなると、高度なプロセス技術が必要となりFEDの生産性という点で劣る。従来の可視光線g線や紫外線i線露光ではそれぞれ1μm、0.5μm程度の解像度を有し、さらに波長の短い遠紫外線のエキシマレーザー露光では0.2μm〜0.1μm以下の解像度を有しており、又、現在量産されているLSIの分野では、ラインやスペースは90nmルールや60nmルールである。しかしながら、ディスプレイの様な大面積デバイスに対しては、このような高度の露光装置を用いた生産技術を導入することはコストやスループット等を考慮すると現状では事実上困難である。したがって、直径は0.2μm以上の大きさにするのが好ましい。
一方、ゲートホール106の直径Cが40μmよりも大きい場合、冷陰極電界電子放出素子の駆動電圧を高くせざるをえなくなり、駆動電圧が上昇すればドライバコストが急激に高価となる。少なくともゲートホール106の中央部における閾値電圧を実用的な電圧である200V以下に抑えるためには、CNT等の炭素物質の電界電子放射閾値電界は10V/μm程度であるので、ゲートホール106の半径を20μm(直径40μm)以下に設定する必要がある。
本実施の形態では、以上の理由から、ゲートホール106の直径Cを、0.2μm〜40μmの範囲の値に設定している。また、これにあわせて、触媒金属110の大きさを後述するような大きさに選定している。
尚、前述した寸法はゲートホール106の形状が、平面図において円形の例であるが、ゲートホール106の形状は、円形に限らず正方形、長方形、多角形、その他を含み、種々設計要件に応じて選択することが可能であり、寸法も形状に応じて適宜設定する。
このようにして、ゲート電極104のゲートホール106を最終的な寸法に加工した後、レジスト105を除去する(同図(f))。
次に、ゲート電極104及び絶縁層103上の全面に再度フォトレジスト107を塗布した後、ゲートホール106よりも小さい触媒金属形成用のホール(触媒金属形成用穴)108を形成可能な第2のマスクを用いてフォトリソグラフィ行程をおこなうことにより、ゲートホール106よりも小さい触媒金属形成用のホール108をレジスト107に形成した後(同図(g))、径がホール108と同一大きさの炭素物質配設用のホール(炭素物質配設用穴)121を、カソード電極102に達するまで絶縁層103に形成する(図2(h))。
この時、触媒金属形成用のホール108のパターン面積(ホール108の平面図における面積である。本実施の形態ではホール108の平面図形状は円形である。)、換言すれば径は、ゲートホール106よりも小さくしている。したがって、炭素物質配設用ホール121の面積もゲートホール106の面積よりも小さくなっている。
次に、触媒金属を全面に、即ち、触媒金属109、110を各々レジスト107、カソード電極102上に被着形成した後(同図(i))、レジスト107をリフトオフする(同図(j))。触媒金属110の直径(図3のA)は、ゲートホール106の直径Cよりも小さく形成される。尚、触媒金属110はカソード電極102に対して全面に被着している必要は無く、分割されていたり、あるいは島状になっていてもよい。最後に、絶縁層103をエッチングして炭素物質配設用ホール121の大きさを拡張した後(同図(k))、CNT等の炭素物質111を金属触媒層110上に成長形成する(同図(l))。
この時、CNT等の炭素物質111の生成と絶縁層103のエッチングによる炭素物質配設用ホール121の拡張の順序を逆にすることも出来る。逆にした場合は前記炭素物質の成長の広がりを抑えることができる。即ち、ゲートホール106の径よりも大きく炭素物質配設用ホール121の径を拡張した後に炭素物質111を触媒金属110上に成長させるようにしてもよく、あるいは、炭素物質111を触媒金属110上に成長させた後、ゲートホール106の径よりも大きく炭素物質配設用ホール121の径を拡張するようにしてもよい。
本実施の形態では、図3に示すように、ゲートホール106に対向する位置に、ゲートホール106の周辺部からカソード電極102に対して垂直に設けた垂線201と、触媒金属110の側端部202との距離Bが80nm〜10μmの範囲内の値になるように、絶縁層103をエッチングすることによって炭素物質配設用ホール121を形成している。
前記距離Bが80nmよりも小さい場合は、ゲート電極104と炭素物質111とが接触する恐れがあり信頼性が劣る。この寸法は主に加工精度によって決定される。加工時の位置のずれ範囲、及び、カソード電極102やゲート電極104間の接触防止を考慮すると、80nm以上に設定する必要がある。ただし、さらなる加工精度の向上が望めるのならば、例えば50nmと、カソード電極102及びゲート電極104間をできるだけ接近させることが望ましい。
一方、前記距離Bが10μmよりも大きい場合は、ゲート電極104と炭素物質111との平均距離が遠くなり、駆動電圧を高くする必要が生じてしまう。また、電子放出素子における電子放出領域の面積の割合も小さくなり、電流効率も劣ることになる。かかる観点から、距離Bを前記範囲内の値に設定している。
絶縁層103をエッチングにより拡張するのは、炭素物質111の周辺に真空空間をつくることによって、ゲート電圧によってCNT等の炭素物質111の先端に強い集中電界を発生させ、効率よく電界電子放射を得るためである。また、炭素物質111が絶縁層103に接触するのを防止するためでもある。ゲートホール106より小さい触媒金属形成用のホール108に触媒金属110をパターニングした後に絶縁層103のホールの径を拡張することで、触媒金属110のパターンを従来よりも正確に設定できる。
尚、CNT等の炭素物質111の生成工程(同図(i))において、CNT等の炭素物質111がカソード電極102に対して垂直配向するような電界や磁界を印加しながら、炭素物質111を成長させることにより、炭素物質111とゲート電極104が近接して接触しない最適な距離に設定でき、信頼性の高い電界電子放出素子が作製できる。これによって炭素物質111の先端付近に電界集中を起こしやすく、優れた電圧−電流特性が得やすくなる。CNT等の炭素物質111の長さは、最適な電子放出条件を得るため、炭素物質の先端がゲートホール106とほぼ等しい高さになることが好ましい。
以上のようにして、ゲートホール106を有するゲート電極104と、カソード電極102と、ゲート電極104とカソード電極102との間に配設され、ゲートホール106からカソード電極102に至る炭素物質配設用ホール121を有する絶縁層103と、炭素物質配設用ホール121内のカソード電極102上であってゲートホール106に対向する位置に形成されたゲートホール106よりも小さい径を有する触媒金属110と、触媒金属110上に形成された炭素物質111とを備えて成り、炭素物質配設用ホール121は、触媒金属110の側端部が絶縁層103に接触しないように形成されて成ることを特徴とする冷陰極電界電子放出素子が作成される。
本発明の実施の形態によれば、ゲートホール106下部のゲートホール106に対向する位置にゲートホール106より小さく触媒金属110をパターニングするために、始めにゲートホール106を最終的な寸法に加工しておき、その後、より小さい触媒金属形成用のホール108をカソード電極102に達するまで絶縁層103に開け、ゲートホール106より小さい触媒金属形成用のホール108に触媒金属110をパターニングすることで、触媒金属110の面積を正確に決定することができる。その後、絶縁層103の孔を広げ正確に配置された触媒金属110に炭素物質111を成長させることで、電子放出源111とゲート104が近接して接触しない最適な距離に設定できる。この場合、CNT等の炭素物質111は絶縁層103を広げる前に成長させることもできる。
これにより、本実施の形態に係る冷陰極電界電子放出素子の製造方法は、CNT等の電子放出用炭素物質111とゲート104が近接して接触しない最適な距離に設定でき、低電圧駆動可能で電子放出特性に優れ、信頼性の高い冷陰極電界電子放出素子を作製することが可能になる。
また、本実施の形態に係る製造方法では、ゲート電極104にゲートホール106を最終的な寸法で加工する工程には、第1のフォトマスクを用いたフォトリソグラフィ工程が含まれ、ゲートホール106に対向する位置にゲートホール106より小さいパターン面積の炭素物質配設用ホール121をカソード電極102に達するまで絶縁層103に形成する工程には、第2のフォトマスクを用いたフォトリソグラフィ工程が含まれるようにしている。即ち、ゲートホール106及び触媒金属形成用ホール108を形成するための2つのフォトマスク(図1(d)、(g))のみでフォトリソグラフィ行程が行えるため、行程が簡単で生産に有利であるという効果を奏する。
また、以上のようにして作製された冷陰極電界電子放出素子は、電子放出用炭素物質111とゲート104が近接して接触しない最適な距離に設定されるため、低電圧駆動可能で電子放出特性に優れている。
尚、前記実施の形態では、炭素物質としてカーボンナノチューブを使用したが、カーボンナノウォールやカーボンナノファイバ等の炭素物質を用いてもよい。即ち、前記炭素物質として、カーボンナノチューブ、カーボンナノウォール及びカーボンナノファイバの中の少なくとも1種類が含まれていればよい。また、カーボンナノチューブとしては、要求される特性に応じて、単層カーボンナノチューブと多層カーボンナノチューブの一方又は双方を選択して使用することができる。
本発明の冷陰極電界電子放出素子の製造方法は、FED等の表示装置をはじめとして電子放出素子を必要とする機器の冷陰極電界電子放出素子の製造に適用可能である。また、本発明の冷陰極電界電子放出素子は、FED等の表示装置をはじめとして冷陰極電界電子放出素子を必要とする各種機器に適用可能である。
本発明の実施の形態に係る冷陰極電界電子放出素子の製造過程を示す図である。 本発明の実施の形態に係る冷陰極電界電子放出素子の製造過程を示す図である。 本発明の実施の形態に係る冷陰極電界電子放出素子の製造過程における部分正面図である。 従来の冷陰極電界電子放出素子の製造過程を示す図である。 従来の冷陰極電界電子放出素子の製造過程を示す図である。
符号の説明
101・・・支持体
102・・・カソード電極
103・・・絶縁層
104・・・ゲート電極
105・・・第1のレジスト
106・・・ゲートホール
107・・・第2のレジスト
108・・・触媒金属形成用ホール
109、110・・・触媒金属
111・・・炭素物質
120・・・開口
121・・・炭素物質配設用ホール
201・・・垂線
202・・・側端部

Claims (6)

  1. ゲートホールを有するゲート電極と、カソード電極と、前記ゲート電極とカソード電極との間に配設され、前記ゲートホールから前記カソード電極に至る炭素物質配設用ホールを有する絶縁層と、前記炭素物質配設用ホール内のカソード電極上であって前記ゲートホールに対向する位置に形成された、前記ゲートホールよりも小さい径を有する触媒金属と、前記触媒金属上に形成された炭素物質とを備えて成り、
    前記炭素物質配設用ホールは、前記触媒金属が前記絶縁層に接触しないように形成されて成ることを特徴とする冷陰極電界電子放出素子。
  2. 前記ゲートホールの直径は0.2μm〜40μmの範囲内の値であり、前記ゲートホールの周辺部を通り前記カソード電極に直交する垂線と前記触媒金属の側端部との距離が80nm〜10μmの範囲内の値であることを特徴とする請求項1記載の冷陰極電界電子放出素子。
  3. 前記炭素物質には、カーボンナノチューブ、カーボンナノウォール及びカーボンナノファイバの中の少なくとも1種類が含まれて成ることを特徴とする請求項1又は2記載の冷陰極電界電子放出素子。
  4. ゲートホールを有するゲート電極と、前記ゲート電極と対向するように配設されたカソード電極と、前記ゲート電極とカソード電極の間に形成された触媒金属と、前記触媒金属上に形成された炭素物質とを備えて成る冷陰極電界電子放出素子の製造方法において、
    カソード電極、絶縁層及びゲート電極を積層形成する工程と、前記ゲート電極に前記ゲートホールを最終的な寸法で加工する工程と、前記ゲートホールに対向する位置に前記ゲートホールより小さいパターン面積の炭素物質配設用ホールを前記カソード電極に達するまで前記絶縁層に形成する工程と、前記炭素物質配設用ホール中に前記触媒金属を被着形成する工程と、前記炭素物質配設用ホールの大きさを拡張した後、前記炭素物質を前記触媒金属上に成長させる工程とを備えて成ることを特徴とする冷陰極電界電子放出素子の製造方法。
  5. ゲートホールを有するゲート電極と、前記ゲート電極と対向するように配設されたカソード電極と、前記ゲート電極とカソード電極の間に形成された触媒金属と、前記触媒金属上に形成された炭素物質とを備えて成る冷陰極電界電子放出素子の製造方法において、
    カソード電極、絶縁層及びゲート電極を積層形成する工程と、前記ゲート電極に前記ゲートホールを最終的な寸法で加工する工程と、前記ゲートホールに対向する位置に前記ゲートホールより小さいパターン面積の炭素物質配設用ホールを前記カソード電極に達するまで前記絶縁層に形成する工程と、前記炭素物質配設用ホール中に前記触媒金属を被着形成する工程と、前記炭素物質を前記触媒金属上に成長させた後、前記炭素物質配設用ホールの大きさを拡張する工程とを備えて成ることを特徴とする冷陰極電界電子放出素子の製造方法。
  6. 前記ゲート電極に前記ゲートホールを最終的な寸法で加工する工程には、第1のフォトマスクを用いたフォトリソグラフィ工程が含まれ、
    前記ゲートホールに対向する位置に前記ゲートホールより小さいパターン面積の炭素物質配設用ホールを前記カソード電極に達するまで前記絶縁層に形成する工程には、第2のフォトマスクを用いたフォトリソグラフィ工程が含まれることを特徴とする請求項4又は5記載の冷陰極電界電子放出素子の製造方法。
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